JP4101491B2 - 合成フォント編集装置、合成フォント編集プログラム及びそれを記録した記録媒体 - Google Patents

合成フォント編集装置、合成フォント編集プログラム及びそれを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大略、ディスクトップパブリッシング(DTP)に関するものであって、更に詳細には、DTPにおいて使用する合成フォント編集技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DTPにおいて使用するフォントには多数のものがあり、これらの内から複数個のフォントを選択して合成フォントを作成し且つ編集することが行われている。特に、日本語をベースとしたDTPにおいては、漢字やかなに対して使用する第1のフォントと欧文や記号などに対して使用する第2のフォントとは異なるフォントを使用することが行われており、この様な場合には、第1フォントと第2フォントとを合成して新たな合成フォントを作成することが望ましい。
【0003】
合成フォントを作成し且つ編集することが可能な従来の合成フォント編集技術においては、複数個の既定のフォントを選択して合成フォントを作成することが可能であり、且つサンプルテキストを作成した合成フォントでサンプルウインド内に表示することが可能である。しかしながら、この様にして編集された合成フォントにおいて、それを構成する複数個のコンポーネントフォント同士が所望の整合状態にあるか否かをユーザが正確に且つ簡単に決定することが可能なものではない。従来技術によれば、合成フォントエディタを起動して合成フォントを作成した後に、合成フォントエディタを終了して、電子文書内に作成した合成フォントでテキストを表示させて合成フォントを構成するコンポーネントフォント同士の整合状態を判断することが可能であるに過ぎない。
【0004】
例えば、合成フォントを構成している第1フォントと第2フォントとの夫々のベースラインを互いに所望の大きさだけずらして設定したい場合には、合成フォントエディタを起動して相対的に位置関係を修正し、その後に合成フォントエディタを終了させて、電子文書内に修正した合成フォントを使用してテキストを表示させて第1及び第2フォントの相対的位置関係を判断することが必要である。そして、修正後の相対的位置関係が不満足である場合には、再度合成フォントエディタを起動して修正を行い、次いで合成フォントエディタを終了させて電子文書内に修正した合成フォントを使用してテキストを表示させ、以下同様の処理を繰り返し行うことが必要である。この様に、合成フォントエディタの起動及び終了を何度も繰り返し行うことは編集作業を極めて煩雑なものとさせ且つ時間がかかるものとさせている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであって、上述した如き従来技術の欠点を解消し、ユーザが容易に且つ迅速に合成フォントを編集することを可能とした技術を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の更に別の目的とするところは、ユーザの選択により合成フォントの編集中にサンプルウインド内に合成フォントを構成している複数個のフォントの選択した基準線をウインド内に表示させて視覚的フィードバックを与えることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの側面によれば、DTPシステムに使用する合成フォント編集装置において、
複数個の異なるフォントを格納しているフォントファイル、
前記複数個の異なるフォントから2個以上のフォントを選択して合成フォントを作成する合成フォント編集手段、
作成された合成フォントを格納する合成フォントファイル、
を有しており、前記合成フォント編集手段はユーザ入力によって起動されると表示装置のスクリーン上に合成フォントダイアログボックスを表示し、該合成フォントダイアログボックスは合成フォントを使用してサンプルテキストを表示するサンプルウインドを表示可能であり且つ該サンプルウインド内に表示されているサンプルテキストのフォントに関連する少なくとも1本の基準線の表示/非表示をユーザのマウスクリックによって制御するアイコンが設けられていることを特徴とする合成フォント編集装置が提供される。
【0008】
本発明の別の側面によれば、DTPシステムに使用する合成フォント編集プログラムにおいて、
ユーザによって起動された場合に表示装置のスクリーン上に合成フォント編集ダイアログボックスを表示させる手順、
前記合成フォント編集ダイアログボックスを介してフォントファイルに格納されている複数個の異なるフォントから2個以上のフォントを選択して合成フォントを作成する手順、
作成された合成フォントファイルを使用してサンプルウインド内にサンプルテキストを表示させる手順、
前記合成フォント編集ダイアログボックス内に設けられている少なくとも1個の基準線アイコンをユーザが選択した場合に、前記サンプルウインド内に選択された基準線アイコンの基準線を表示させる手順、
をコンピュータに実行させることを特徴とする合成編集プログラムが提供される。
【0009】
本発明の更に別の側面によれば、DTPシステムに使用する合成フォント編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、
ユーザによって起動された場合に表示装置のスクリーン上に合成フォント編集ダイアログボックスを表示させる手順、
前記合成フォント編集ダイアログボックスを介してフォントファイルに格納されている複数個の異なるフォントから2個以上のフォントを選択して合成フォントを作成する手順、
作成された合成フォントファイルを使用してサンプルウインド内にサンプルテキストを表示させる手順、
前記合成フォント編集ダイアログボックス内に設けられている少なくとも1個の基準線アイコンをユーザが選択した場合に、前記サンプルウインド内に選択された基準線アイコンの基準線を表示させる手順、
をコンピュータに実行させることを特徴とする合成編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体が提供される。
【0010】
好適には、該基準線アイコンが、ICFボックス(平均字面)、エムボックス(仮想ボディ)、ベースライン、キャップハイト、アセント/デセント、アセンダー、エックスハイトからなるグループから選択された少なくとも1個の基準線アイコンを有している。更に好適には、該基準線が複数本表示される場合に、夫々の基準線が異なる色で表示される。更に好適には、該サンプルテキストが多数のキャラクタから構成されている場合に、該サンプルテキストを該サンプルウインド内において複数行で表示させる。
【0011】
【発明の実施の態様】
本発明の1実施例に基づいて構成された電子組版DTPシステム1を図1に示してある。DTPシステム1は、概略、電子組版やレイアウト編集などを実行することが可能なDTP処理制御装置2と、処理中のデータを表示することが可能な表示装置3と、グラフィック、テキスト、制御命令などのユーザによる種々のデータの入力を行う入力手段5と、処理後のデータを出力する出力手段6とを有している。DTP処理制御装置2は、組版制御を行う組版制御手段2aと、レイアウト編集を行うレイアウト制御手段2bと、表示又は印刷などの出力すべきテキストの属性であるフォント情報を格納しているフォントファイル2cとを有している。図示例の場合には、フォントファイル2cは、特に、日本語、中国語、韓国語などの表意文字に対するフォントであるCJKフォント8も包含している。更に、図示例においては、組版制御手段2aは、特に、電子組版において組版作業中の複数個のキャラクタを一つの行内に配置させる行組版制御手段7aと、フォントファイル2c内に格納されているフォントから選択した複数個のフォントによって合成フォントを作成する合成フォント編集手段7cと、そのようにして作成された合成フォントを格納する合成フォントファイル7bとを有している。
【0012】
表示装置3は、例えば、CRTやLCDなどの種々の表示装置から構成することが可能であり、入力手段5は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、トラックボール、トラックポインタ等)、スキャナー、通信インターフェース等を包含することが可能である。更に、出力手段6は、プリンタ、外部記憶装置等から構成することが可能であり、DTP処理制御装置2は、CPU等のプロセッサやメモリ、及びメモリ内にロードされプロセッサにより処理される組版制御ルーチン、レイアウト制御ルーチン等の種々のプログラムルーチンを包含する電子組版処理プログラム等から構成することが可能である。一方、DTP処理制御装置2は、その一部又は全部をファームウエア化させたハードウエアによる構成とすることも可能である。
【0013】
図2は、汎用のコンピュータシステムに対して本発明を適用することにより本発明の合成フォント編集機能を具備するDTPシステム10を構成した状態を示したブロック図である。即ち、図2に示したシステム10は、CPU11と、メモリ12と、CRT13と、ハードディスク14と、キーボード15と、マウス16と、CD−ROMドライブ17と、FDドライブ18と、プリンタ19とを有しており、これらのユニットはバス9により互いに動作上結合されている。そして、電子組版において使用する行組版制御ルーチン7aと複数個のフォントを合成して合成フォントを作成する合成フォント編集ルーチン7cと、合成された合成フォントを格納する合成フォントファイル7bとからなるDTP処理プログラム7’は、例えば、その他の電子編集プログラムと共に、CD−ROMドライブ17又はFDドライブ18を介して又はインターネット等の通信回線を介してダウンロードさせることによりシステム10内にインストールさせることによって例えばハードディスク14上に格納される。更に、レイアウト制御ルーチンやフォントファイル2cもハードディスク14上に格納させることが可能である。そして、ユーザがキーボード15又はマウス16を操作することによって、ハードディスク14上に格納されているDTP処理プログラム7’を起動させると、図2に示したようにメモリ12内にロードされる。従って、CPU11とメモリ12内にロードされたDTP処理プログラム7’とが共同して、DTP処理制御装置2を構成することとなり、その内の一部として合成フォントファイル7bと合成フォント編集ルーチン7cとが包含されることとなる。従って、本発明の1側面によれば、汎用コンピュータシステムを本発明の合成フォント編集機能を具備するDTPシステムへ変換させることの可能な合成フォント編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体(例えば、CD−ROM、FD、テープ、半導体メモリ等)が提供される。
【0014】
図3は、図1又は図2に示したDTPシステム1又は10においてDTP処理中の表示装置3又はCRT13における画面表示の一部20を示している。特に、図3に示した状態は、メニューバー中の「ファイル(F)」24をクリックして得られるプルダウンメニューにおいて「新規」を選択して頁レイアウトグリッド21を有する新規電子文書を開き、更にツールボックス22内のテキストツール22aを選択して電子文書上にテキスト配置用のフレーム23を画定し、その中に複数個のキャラクタからなるテキストを入力した状態を示している。
【0015】
本発明によれば、合成フォント編集機能がDTP処理プログラム内に組み込まれており、図3で示したCRT上の画面におけるメニューバー内の「書式(T)」25をクリックすることにより表示されるプルダウンメニュー中において「合成フォント編集」を選択することにより合成フォント編集ルーチンを起動させることが可能である。即ち、ユーザがテキストフレーム23内に入力するテキストが漢字と欧文とを包含するものであって、漢字に使用する第1フォントと欧文に使用する第2フォントとを別々のものとすることを所望する場合には、第1フォントと第2フォントとを合成した合成フォントを作成し、合成フォントを使用してテキスト入力を行うことが望ましい。この様な場合に、ユーザは「合成フォント編集」を選択すると、図6(A)のフローチャートに示したように、合成フォント編集ルーチン7cが起動され(ステップS1)、CRTのスクリーン上には図4に示したような合成フォント編集ダイアログボックスが表示される(ステップS2)。
【0016】
図4に示した如く、合成フォント編集ダイアログボックスは、ほぼその上半分が合成フォント編集領域であり、そのほぼ下半分が合成フォントでサンプルテキストを表示するサンプルウインド27である。図4に示したダイアログボックスが表示されると、ユーザは先ず「新規」ボタンをマウスクリックして、これから作成する合成フォントのファイル名を入力する(ステップS3)。図4の例では、「NewFont」という合成フォントファイル名が付けられている。合成フォントのファイル名を付けると、合成フォントを構成するコンポーネントとしてフォントを選択することが可能である。図4の場合には、合成フォントは「漢字」と、「かな」と、「全角約物」と、「全角記号」と、「半角欧文」と、「半角数字」との夫々に対して最大で6個の別々の異なるフォントを選択することが可能である(ステップS4)。そのためには、ユーザはこれら6個の設定項目のいずれか一つをマウスクリックして選択状態とし(図6の例では、「半角欧文」が選択状態にある)、「フォント」欄の下側のリストボックスにプルダウンメニュー形式で表示されるフォントファイル中に格納されているファイルから一つを選択する。図4の例では、「Times New Roman」が選択されており、その結果「半角欧文」の欄にもTimes New Romanが選択されたことが示されている。
【0017】
この様にして合成した合成フォントに基づいてサンプルウインド27内にはサンプルテキストを表示させることが可能である。そして、ユーザは合成フォントを構成する各コンポーネントのフォントを選択して、そのサイズ、ベースライン位置、垂直比率、水平比率を変更することが可能である(ステップS5)。図4の例では、「半角欧文」の欄が選択状態にあり、サイズが「200%」、即ち2倍に変更されており、更にベースライン位置が「−10%」即ちTimes New Romanの既定のベースライン位置から下方へ10%シフトすべく変更されている。尚、本実施例においては、合成フォントを構成するコンポーネントのフォント(図示例の場合は最大で6個のコンポーネントフォントを選択可能)の内で「漢字」として選択されるフォントはその合成フォントにおけるベースフォントとなる。従って、ベースフォントに対してはサイズやベースライン位置を変更することは不可能であり、ベースフォントが選択状態とされた場合には、サイズやベースライン位置設定用の入力ウインドはグレイアウトされる。一方、ベースフォント以外のコンポーネントフォントは、それが選択状態とされるとそのサイズやベースライン位置を適宜変更することが可能である。従って、ベースフォント以外のコンポーネントフォントは、ベースフォントに対して相対的な値としてサイズやベースライン位置が設定されることとなる。
【0018】
この様にして編集を完了した合成フォントは、「保存」ボタンをマウスクリックすることにより合成フォントファイル7b内に格納させることが可能である(ステップS6)。その後に「OK」ボタンをマウスクリックすると、図4の合成フォント編集ダイアログボックスは非表示状態となり、合成フォント編集ルーチンが終了する(ステップS7)。この様にして作成し、現在合成フォントファイル7b内に格納されている合成フォントは、ユーザが電子文書にテキストを入力する場合に使用するフォントとして選択することが可能である。従って、前述したように、漢字に対しては第1フォントを欧文に対しては第2フォントを使用することが所望される場合には、第1フォントと第2フォントとを包含する合成フォントを作成しておき、それを使用して電子文書にテキスト入力をすれば良く、入力されるキャラクタが漢字の場合には第1フォントを選択し、一方入力すべきキャラクタが欧文の場合には第2フォントを選択することは必要ではない。従って、電子文書へのテキスト入力作業は著しく効率化される。
【0019】
ところで、図4の例においては、半角欧文としてTimes New Romanが選択されており、そのサイズは200%でそのベースラインは−10%に設定されている。即ち、漢字として選択されているフォントであるMS明朝がベースフォントであるから、このMS明朝に対してTimes New Romanは大きさが2倍で且つベースライン位置がMS明朝のベースラインよりも10%下方に設定されている。しかしながら、図4のサンプルウインド27においては合成フォントに基づいてサンプルテキストのみが表示されているので、合成フォントを構成している夫々のコンポーネントフォントの相対的な位置関係をサンプルウインド27において正確に判断することは不可能である。従来技術では、合成フォントエディタを終了して電子文書にテキストを入力し且つそれをCRT上で表示させてコンポーネントフォント間の相対的位置関係を判定することが必要であった。
【0020】
本発明によれば、図4に示されるように、合成フォントダイアログボックス内には複数個の基準線用のアイコン28a乃至28gが設けられている。デジタルフォントには複数個の基準線が設定されており、例えば、エムボックス、ICFボックス、ベースライン、キャップハイト、アセント、デセント、デセンダー、エックスハイトなどがある。図4の実施例においては、アイコン28aはICFボックスの上下の基準線の表示/非表示を制御するものであり、アイコン28bはエムボックスの上下の基準線の表示/非表示を制御するものであり、アイコン28cはベースラインの表示/非表示を制御するものであり、アイコン28dはキャップハイトの表示/非表示を制御するものであり、アイコン28eはアセント/デセントの表示/非表示を制御するものであり、アイコン28fはデセンダーの表示/非表示を制御するものであり、アイコン28gはエックスハイトの表示/非表示を制御するものである。即ち、ユーザがこれらのアイコンのいずれかをマウスクリックすると対応する基準線が予め定めた色でサンプルウインド27内に表示される。尚、本実施例においては、ICFボックス用のアイコン28aが表示のために選択された場合には、漢字のフォントについてのICFボックスの上下の基準線のみが全サンプルテキストにわたって表示される。
【0021】
本実施例においては、各アイコン28a乃至28gはトグル動作を行うように構成されており、従ってユーザが一つのアイコンをマウスクリックするとそれに対応する基準線が特定の色でサンプルウインド内に表示され、次いでユーザが同一のアイコンをマウスクリックするとそれに対応する基準線はサンプルウインドから消去される。この様にユーザがアイコンをマウスクリックすることにより対応する基準線がサンプルウインド27内に表示されたり非表示とされたりするアルゴリズムを図6(B)にフローチャートの形態で示してある。即ち、例えば、ユーザが図4に示されている状態のダイアログボックスにおいてアイコン28cをマウスクリックしたとする(ステップS10)。すると、図6(B)のフローチャートにおいて、判定ステップS11及びステップS12においては否定であるが、判定ステップS13においては肯定となり、判定ステップS18へ移行し、ベースラインが現在サンプルウインド27内において表示状態にあるか否かが判定される。図4では非表示であるから、ステップS20へ移行してサンプルウインド27内においてベースラインを表示させる。その結果が図5のダイアログボックスに示されている。即ち、図5においては、サンプルウインド内においてサンプルテキストに対してベースラインが表示されている。そして、漢字用のフォントに対して欧文用のフォントのベースラインは−10%に設定されているので、図5においては、漢字用のベースラインと比較して欧文用のベースラインは10%下方に位置して示されている。
【0022】
従って、本発明によれば、サンプルウインド内において基準線に対する視覚的フィードバックが与えられているので、ユーザは合成フォントの各コンポーネントフォントのベースラインが相対的にどのような位置関係にあるかをサンプルウインド内において確認することが可能であり、合成フォントエディタを終了させて電子文書上において確認することの煩雑性を取り除いている。本発明によれば、ベースライン位置を変更すると、サンプルウインド内において視覚的フィードバックが直ちに反映される。従って、サンプルウインド内において位置を変更したベースラインが所望の位置であるか否かを直ちに判断することが可能であり、所望の通りのものでない場合には、そのままの状態で再度ベースラインの位置を変更することが可能である。
【0023】
この様にして半角欧文に対してのベースライン位置が所望の位置に設定されると、ユーザは再度ベースライン用のアイコン28cをマウスクリックする(ステップS10)。すると、この場合も、判定ステップS11及びS12では否定であるが判定ステップS13においては肯定となるので、判定ステップS18へ移行する。現在はサンプルウインド内においてベースラインは表示状態にあるので、判定ステップS18の結果は肯定であり、従ってステップS19へ移行し、サンプルウインドに表示中のベースラインを非表示とさせ、次いでこの処理を終了する(ステップS21)。
【0024】
以上の説明は、ベースライン用のアイコン28cについてのみ説明したが、その他のアイコンがマウスクリックされた場合も同様な処理が行われる。即ち、アイコン28a乃至28gのいずれかがマウスクリックされると、図6(B)の処理が開始され、いずれのアイコンが選択されたかに応じて判定ステップS11乃至S17の内のいずれかが肯定となり、それに対応する基準線がサンプルウインド内において表示されていれば非表示とさせ、一方非表示であれば表示させることによりトグル動作を行う。例えば、アイコン28a乃至28gの全てを順番にマウスクリックすると、それらに対応する全ての基準線を同時にサンプルウインド内に表示させることも可能である。
【0025】
尚、上の説明において使用したエムボックスとは、特定のフォントの寸法(例えば、ポイント寸法)によって縦横が画定される実質的に正方形の外枠のことであって、通常、和文用のグリフはこのエムボックス内に配置される。従って、エムボックスとは実質的には仮想ボディと同じである。エムボックスは通常和文フォントにおいては設定されているが、欧文フォントにおいては設定されていない場合がある。その場合には、欧文フォントのバウンディングボックス情報からエムボックスを計算することが可能である。
【0026】
更に、ICF(Ideographic Character Face)ボックスとは表意文字フェース(「平均字面」ともいう)のことである。フォントがICFボックス情報を有している場合にはそれを使用すれば良いがフォントがICFボックス情報を有していない場合には、かの方法で計算することが可能である。例えば、図7を参照して、ICFボックスを計算する1方法について説明する。例えば、図7(A)に示したように、第1の基準キャラクタとして「鬱」を選択し、そのエムボックス30及びバンディングボックス31を決定する。更に、図7(C)に示した如く、第2の基準キャラクタとして「永」を選択し、そのエムボックス30とバウンディングボックス31を決定する。次いで、図7(B)に示したように、各基準キャラクタのバウンディングボックス31とエムボックス30との間の上下左右の差分a,a’,b,b’,c,c’,d,d’を決定し、次いでこれら8個の差分を加算し、その加算結果を8で除算することによって差分の平均値を決定する。この様にして得られた差分の平均値の距離だけエムボックスの内部に位置させて新たにボックスを定義すると、このボックスがICFボックスである。尚、ICFボックスの計算方法は、上述した方法にのみ制限されるものではなく、単に1個の基準キャラクタを使用してICFボックスを計算することも可能であり、更に3個又はそれ以上の基準キャラクタを使用することも可能である。更に、基準キャラクタとしては、上述したものが好適ではあるが、これらに限定されるものではなく、その他のキャラクタを基準に使用することも可能である。
【0027】
以上、本発明の具体的実施の態様について詳細に説明したが、本発明はこれらの具体例にのみ制限されるべきものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱すること無しに種々の変形が可能であることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、ユーザの使い勝手を向上させた合成フォント編集技術が提供される。ユーザは、合成フォント編集ダイアログボックスの一部を構成するサンプルウインドにおいて合成フォントを構成するコンポーネントフォントの夫々のベースライン等の基準線を選択的に表示させることが可能であるから、一々合成フォント編集作業を中断することなしに合成フォントの適切な調整を迅速に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例に基いて構成された合成フォント編集機能を具備したDTPシステムを示した概略ブロック図。
【図2】 本発明の別の実施例に基いて構成された合成フォント編集機能を具備した汎用コンピュータを基礎としたDTPシステムを示した概略図。
【図3】 DTPシステムにおけるCRTのスクリーン上に表示された電子文書を編集中の画面の一部を示した概略図。
【図4】 本発明の1実施例に基く合成フォント編集ダイアログボックスを示した概略図。
【図5】 図4のダイアログボックスのサンプルウインド内にベースラインを表示させた状態を示した概略図。
【図6】 (A)は本発明の合成フォント編集処理の流れを示したフローチャート、(B)は合成フォント編集ダイアログボックスのサンプルウインド内において基準線の表示/非表示を制御するトグル動作を示したフローチャート。
【図7】 (A)乃至(C)はICFボックスを計算する処理の説明に使用する各概略図。

Claims (12)

  1. DTPシステムに使用する合成フォント編集装置において、
    複数個の異なるフォントを格納しているフォントファイル、
    前記複数個の異なるフォントから2個以上のフォントを選択して合成フォントを作成する合成フォント編集手段、
    作成された合成フォントを格納する合成フォントファイル、
    を有しており、前記合成フォント編集手段はユーザ入力によって起動されると表示装置のスクリーン上に合成フォントダイアログボックスを表示し、該合成フォントダイアログボックスは合成フォントを使用してサンプルテキストを表示するサンプルウインドを表示可能であり且つ該サンプルウインド内に表示されているサンプルテキストに対して前記合成フォントを構成する各コンポーネントフォントに関連する少なくとも1本の基準線の表示/非表示をユーザのマウスクリックによって制御するアイコンが設けられており、前記合成フォント編集手段が前記合成フォントを構成する一つのコンポーネントフォントに対して別のコンポーネントフォントの前記基準線の相対的上下位置をユーザ入力に応答して変更させ且つその変更を前記サンプルウインド内に表示されている前記サンプルテキストに直ちに反映させることを特徴とする合成フォント編集装置。
  2. 請求項1において、前記基準線が、ICFボックス(平均字面)、エムボックス(仮想ボディ)、ベースライン、キャップハイト、アセント/デセント、アセンダー、エックスハイトからなるグループから選択された少なくとも1本のラインを有していることを特徴とする合成フォント編集装置。
  3. 請求項2において、前記基準線が複数本表示される場合に、夫々の基準線が異なる色で表示されることを特徴とする合成フォント編集装置。
  4. 請求項1乃至3の内のいずれか1項において、前記サンプルテキストが多数のキャラクタから構成されている場合に、前記サンプルテキストを前記サンプルウインド内において複数行で表示させることを特徴とする合成フォント編集装置。
  5. DTPシステムに使用する合成フォント編集プログラムにおいて、
    ユーザによって起動された場合に表示装置のスクリーン上に合成フォント編集ダイアログボックスを表示させる手順、
    前記合成フォント編集ダイアログボックスを介してフォントファイルに格納されている複数個の異なるフォントから2個以上のフォントを選択して合成フォントを作成する手順、
    作成された合成フォントファイルを使用してサンプルウインド内にサンプルテキストを表示させる手順、
    前記合成フォント編集ダイアログボックス内に設けられている少なくとも1個の基準線アイコンをユーザが選択した場合に、前記サンプルウインド内に選択された基準線アイコンに対応する基準線を前記サンプルテキストの夫々のコンポーネントフォントに対して表示させる手順、
    ユーザ入力に応答して前記合成フォントを構成する一つのコンポーネントフォントに対して別のコンポーネントフォントの前記基準線の相対的上下位置が変更された場合に、直ちにその変更を前記サンプルウインド内に表示されている前記サンプルテキストに反映させる手順、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする合成編集プログラム。
  6. 請求項5において、前記基準線アイコンが、ICFボックス(平均字面)、エムボックス(仮想ボディ)、ベースライン、キャップハイト、アセント/デセント、アセンダー、エックスハイトからなるグループから選択された少なくとも1個の基準線アイコンを有していることを特徴とする合成編集プログラム。
  7. 請求項6において、前記基準線が複数本表示される場合に、夫々の基準線が異なる色で表示されることを特徴とする合成編集プログラム。
  8. 請求項5乃至7の内のいずれか1項において、前記サンプルテキストが多数のキャラクタから構成されている場合に、前記サンプルテキストを前記サンプルウインド内において複数行で表示させることを特徴とする合成編集プログラム。
  9. DTPシステムに使用する合成フォント編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、
    ユーザによって起動された場合に表示装置のスクリーン上に合成フォント編集ダイアログボックスを表示させる手順、
    前記合成フォント編集ダイアログボックスを介してフォントファイルに格納されている複数個の異なるフォントから2個以上のフォントを選択して合成フォントを作成する手順、
    作成された合成フォントファイルを使用してサンプルウインド内にサンプルテキストを表示させる手順、
    前記合成フォント編集ダイアログボックス内に設けられている少なくとも1個の基準線アイコンをユーザが選択した場合に、前記サンプルウインド内に選択された基準線アイコンに対応する基準線を前記サンプルテキストの夫々のコンポーネントフォントに対して表示させる手順、
    ユーザ入力に応答して前記合成フォントを構成する一つのコンポーネントフォントに対して別のコンポーネントフォントの前記基準線の相対的上下位置が変更された場合に、直ちにその変更を前記サンプルウインド内に表示されている前記サンプルテキストに反映させる手順、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする合成編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  10. 請求項9において、前記基準線アイコンが、ICFボックス(平均字面)、エムボックス(仮想ボディ)、ベースライン、キャップハイト、アセント/デセント、アセンダー、エックスハイトからなるグループから選択された少なくとも1個の基準線アイコンを有していることを特徴とする合成編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  11. 請求項10において、前記基準線が複数本表示される場合に、夫々の基準線が異なる色で表示されることを特徴とする合成編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  12. 請求項9乃至11の内のいずれか1項において、前記サンプルテキストが多数のキャラクタから構成されている場合に、前記サンプルテキストを前記サンプルウインド内において複数行で表示させることを特徴とする合成編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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