JP3598069B2 - レイアウト編集システム、方法及びレイアウト編集プログラム及びそれを記録した記録媒体 - Google Patents

レイアウト編集システム、方法及びレイアウト編集プログラム及びそれを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大略、デスクトップパブリッシング(DTP)技術に関するものであって、更に詳細には、DTPにおける電子文書のレイアウト編集技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータを使用したDTPにおいては、CRT表示装置のスクリーン上に編集用紙としての選択したサイズの電子文書を表示させる。この電子文書には、通常、複数本の水平線と複数本の垂直線からなるグリッドと呼ばれる基準線が設定される。そして、オブジェクトとも呼称される頁構成要素をスクリーン上に形成させるか又は外部から取り込むことによって電子文書上に配置させる。オブジェクトは、通常、その領域を画定するフレームと該フレーム内に設定されるグラフィック又はテキスト等の内容データとから構成される。
【0003】
DTPにおいては、この様なオブジェクトを電子文書上に正確に配置させることが重要である。その場合に、例えば、マウスなどのポインティングデバイスを使用して、スクリーン上のカーソルをオブジェクト上に位置させポインティングデバイスのボタンをクリックすることによってオブジェクトを保持状態(選択状態)とし且つマウスを操作してカーソルと共にオブジェクトを移動させて電子文書上の所望の位置へ移動させることが可能である。更に、キーボードによってオブジェクトのX,Y座標値を入力してオブジェクトを所望の位置へ移動させることも可能である。そして、グリッドには、例えば、各交差点に吸着点(スナップ点ともいう)が設けられており、一方オブジェクトにも複数個の吸着点が設けられている。従って、例えば、ポインティングデバイスによって所望の位置近くへ移動されると、オブジェクトは少なくともそのいずれかの吸着点がグリッドの吸着点と吸着(スナッピングともいう)し、それによりオブジェクトはグリッドと正確に整合されることとなる。即ち、吸着技術を使用することにより、手作業によってオブジェクトを最後まで正確にグリッドに位置合わせすることは必要ではなく、オブジェクトを所望の位置近くへ移動させるだけで、オブジェクトは吸着されて自動的にグリッドと整合して位置決めされる。
【0004】
この様に、吸着技術は、グリッドを使用してオブジェクトを電子文書上に正確に位置決めするレイアウト編集において極めて有効な技術である。しかしながら、通常のオブジェクトは複数個の吸着点を具備しており、特にオブジェクトの大きさと比較してグリッドの間隔が小さい場合などにはオブジェクトの吸着点とグリッドの吸着点とが頻繁に吸着してかえってオブジェクトの位置決め操作が煩雑になったり不正確になったりする場合がある。更に、グリッドの形態(例えば、原稿用紙に設定されるグリッド)によっては、オブジェクトが複数個の吸着点を持っているためにかえってその位置決め操作が困難なものとなる場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであって、上述したごとき従来技術の欠点を解消し、操作性を改善したレイアウト編集システム及び方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の別の目的とするところは、本レイアウト編集方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面によれば、電子文書上に頁構成要素を配置させるレイアウト編集システムにおいて、
表示装置、
前記表示装置に表示させるために複数個の第1吸着点を具備しているグリッドを有する電子文書を前記表示装置へ供給する第1供給手段、
前記表示装置に表示されている電子文書上に輪郭がフレームによって画定されており且つ前記複数個の第1吸着点に対して位置整合すべく吸着可能な複数個の第2吸着点を具備している頁構成要素を供給する第2供給手段、
前記表示装置上に表示されるカーソルを有しており、前記頁構成要素を保持状態として前記電子文書上の所望の位置へ移動させるためにユーザの手作業により移動させる移動手段、
前記移動手段によって保持状態とされている間は前記複数個の第2吸着点の内の選択した1個の吸着点のみを吸着可能状態とさせ、前記カーソルを移動させた場合に前記カーソルと所定の位置関係を維持するプローブ点に最も近い第1吸着点へ前記選択された第2吸着点を吸着させる第1吸着状態制御手段、
を有していることを特徴とするレイアウト編集システムが提供される。
【0008】
好適には、該移動手段は、マウスやトラッキングボールなどのポインティングデバイスを有しており、ポインティングデバイスのボタンをクリック、即ち押下状態とすることによって該頁構成要素が保持状態に維持される。ポインティングデバイスは表示装置上のカーソルと連動しており、カーソルが頁構成要素のフレーム内に位置されており且つ頁構成要素が保持状態に維持されている場合に、該カーソルに最も距離的に近い第2吸着点のみが吸着可能状態に設定されその他の第2吸着点は吸着不能状態に設定される。
【0009】
更に好適には、本レイアウト編集システムは吸着動作モード設定手段を有しており、それにより複数個の第1吸着点の全てを吸着可能な状態に設定する第1吸着動作モードと、複数個の第1吸着点の内の予め選択したもののみへ吸着可能な状態を設定する第2吸着動作モードとを選択的に設定する。そして、該吸着動作モード設定手段は、好適には、キーボード上の予め定めてキーを有しており、該キーが押下状態に保持されている間は第2吸着動作モードが設定され、そうでない場合には第1吸着動作モードが設定される。
【0010】
本発明の第2の側面によれば、電子文書上に頁構成要素を配置させるレイアウト編集方法において、
表示装置上に複数個の第1吸着点を具備しているグリッドを有する電子文書を表示させ、
前記表示装置上に表示されている電子文書上に輪郭がフレームによって画定されており且つ前記複数個の第1吸着点に対して位置整合すべく吸着可能な複数個の第2吸着点を具備している頁構成要素を表示させ、
カーソルが前記頁構成要素のフレーム内に位置している状態で前記カーソルに連動しているポインティングデバイスのボタンが押し下げれられたことを検知すると、前記頁構成要素を保持状態とさせ且つ前記複数個の第2吸着点の内で前記カーソルに最も近い第2吸着点のみを吸着可能状態に設定すると共にその第2吸着点からその時の前記カーソルとの相対的位置関係を維持するプローブ点を設定し、
前記保持状態のまま前記ポインティングデバイスが操作されて前記カーソルが移動されると、前記吸着可能状態とされた第2吸着点を前記カーソルの移動に連動して移動する前記プローブ点に最も近い第1吸着点へ吸着させて前記頁構成要素を移動させる、
ことを特徴とするレイアウト編集方法が提供される。
【0011】
好適には、複数個の第1吸着点の全てを吸着可能状態に設定する第1吸着モードと、前記複数個の第1吸着点の内の予め定めたパターンに該当する選択したもののみを吸着可能状態に設定する第2吸着モードとを選択する。そして、この場合に、キーボード上の予め定めた所定のキーが押下状態にあるか又は解放状態にあるかに依存して前記第1及び第2吸着モードが選択される
本発明の第3の側面によれば、レイアウト編集プログラムにおいて、
表示装置上に複数個の第1吸着点を具備しているグリッドを有する電子文書を表示させる手順と、
前記表示装置上に表示されている電子文書上に輪郭がフレームによって画定されており且つ前記複数個の第1吸着点に対して位置整合すべく吸着可能な複数個の第2吸着点を具備している頁構成要素を表示させる手順と、
カーソルが前記頁構成要素のフレーム内に位置している状態で前記カーソルに連動しているポインティングデバイスのボタンが押し下げれられたことを検知すると、前記頁構成要素を保持状態とさせ且つ前記複数個の第2吸着点の内で前記カーソルに最も近い第2吸着点のみを吸着可能状態に設定すると共にその第2吸着点からその時の前記カーソルとの相対的位置関係を維持するプローブ点を設定する手順と、
前記保持状態のまま前記ポインティングデバイスが操作されて前記カーソルが移動されると、前記吸着可能状態とされた第2吸着点を前記カーソルの移動に連動して移動する前記プローブ点に最も近い第1吸着点へ吸着させて前記頁構成要素を移動させる手順と、
をコンピュータに実行させるためのレイアウト編集プログラムが提供される。
【0012】
本発明の第4の側面によれば、レイアウト編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、
表示装置上に複数個の第1吸着点を具備しているグリッドを有する電子文書を表示させる手順と、
前記表示装置上に表示されている電子文書上に輪郭がフレームによって画定されており且つ前記複数個の第1吸着点に対して位置整合すべく吸着可能な複数個の第2吸着点を具備している頁構成要素を表示させる手順と、
カーソルが前記頁構成要素のフレーム内に位置している状態で前記カーソルに連動しているポインティングデバイスのボタンが押し下げれられたことを検知すると、前記頁構成要素を保持状態とさせ且つ前記複数個の第2吸着点の内で前記カーソルに最も近い第2吸着点のみを吸着可能状態に設定すると共にその第2吸着点からその時の前記カーソルとの相対的位置関係を維持するプローブ点を設定する手順と、
前記保持状態のまま前記ポインティングデバイスが操作されて前記カーソルが移動されると、前記吸着可能状態とされた第2吸着点を前記カーソルの移動に連動して移動する前記プローブ点に最も近い第1吸着点へ吸着させて前記頁構成要素を移動させる手順と、
をコンピュータに実行させるレイアウト編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体が提供される。
【0013】
【発明の実施の態様】
本発明を組込んだDTP処理システム1を図1に示してある。図1に示したDTP処理システム1は、組版処理や製版処理などを実施することの可能なDTP処理制御装置2と、処理中のデータを表示する表示装置3と、表示装置3上に表示されるデータをスクリーン上で移動させる移動手段4と、DTP処理に使用する種々のデータ(例えば,グラフィックやテキストデータ)などを入力する入力手段5と、編集済みのデータを出力する出力手段6とを有している。
【0014】
DTP処理制御装置2は電子文書供給手段2aを有しており、電子文書供給手段2aは表示装置3で表示させるために複数個の吸着点(スナップ点ともいう)を具備しているグリッドを有する電子文書(編集用紙)を表示装置3へ供給する。尚、グリッドとは、後に詳述するように、表示装置3で表示された場合に、電子文書の頁の上に配置される複数本の垂直線と複数本の水平線とからなる基準線であって、グリッドを使用して少なくとも1個の頁構成要素(頁オブジェクトともいう)を電子文書上に位置決めさせる。グリッドは2種類又はそれ以上の異なるフォーマットのものが選択的に使用される。グリッドの垂直線と水平線との各交点には、通常、吸着点が設けられており、これは頁構成要素に設けられる吸着点と互いに吸着しあって相互に位置整合させるべく機能するものである。
【0015】
DTP処理制御装置2は、更に、頁構成要素供給手段2bを有しており、これは表示装置3で表示させるためにユーザが表示装置3上で形成するか又は予め作成されたグラフィックデータ又はテキストデータなどを入力手段5を介して入力した後に表示装置3で表示させる。頁構成要素は、後に詳述するように、表示装置3上に表示されている電子文書上にレイアウトさせるべき頁オブジェクトであって、基本的には、その領域を画定するフレームと、該フレーム内に包含されるべきグラフィックデータ又はテキストデータと、複数個の吸着点とを有している。頁構成要素が表示装置3において表示されると、ユーザは移動手段4を操作して頁構成要素を表示装置3のスクリーン上を移動させて電子文書の所望の位置へ位置決めさせる。この場合に、前述した如く、頁構成要素は複数個の吸着点を具備しており、更に電子文書上に配置されているグリッドも複数個の吸着点を具備しているので、ユーザが移動手段4を操作して電子文書上を頁構成要素を移動させる場合に、頁構成要素はその吸着点がグリッドの吸着点に吸着されながら移動することとなる。
【0016】
DTP処理制御装置2は、更に、吸着状態制御手段2cを有しており、該吸着状態制御手段2cは、上述したように頁構成要素を移動させる場合に、頁構成要素とグリッドとの間の吸着動作を所定の態様で制御することによって頁構成要素のレイアウト処理の操作性を向上させるものである。即ち、後に詳述するように、本発明によれば、頁構成要素が移動手段4によって移動される場合に、頁構成要素が具備する複数個の吸着点の内で一つの吸着点を選択しその選択された吸着点のみを吸着可能状態とさせ残りの吸着点は吸着不能状態とさせる。これにより、ユーザが頁構成要素を電子文書上に配置させる上で処理性能が著しく向上され且つ一層正確に位置決めを行うことが可能となる。尚、頁構成要素の具備する複数個の吸着点の内で一つの吸着点のみを選択的に吸着可能状態とさせる態様は種々の態様が可能であるが、例えば、移動手段4がマウスである場合には、該マウスがクリックされた場合に頁構成要素上に存在するカーソルに最も距離的に近い吸着点を選択的に吸着可能状態とさせることが可能である。
【0017】
DTP処理制御装置2は、上述したものの他に通常DTPにおいて必要とされる当業者に公知の種々の機能部品を包含している。そして、レイアウト編集が行われDTP処理が終了した電子文書は出力手段6によって出力され、例えば、その結果得られる出力データを使用して出版作業を実施することが可能である。
【0018】
本発明レイアウト編集システムは、図1に示したように、DTPシステム1の一部として組込むことが可能であるが、更に、図2に示したように、汎用のコンピュータシステム10内に本発明レイアウト編集プログラム8をインストールすることによってレイアウト編集システム、又はDTPシステムを構築することも可能である。即ち、図2の実施例においては、システム10は、CPU11と、メモリ12と、CRT13と、ハードディスク14と、キーボード15と、マウス16と、CD−ROMドライブ17と、FDドライブ18と、プリンタ19とを有しており、これらのユニットはバス9によって互いに接続されている。そして、本発明に基づくレイアウト編集プログラム8は、例えば、CD−ROMドライブ17又はFDドライブ18を介してシステム10内にインストールさせることにより例えばハードディスク14上に格納される。そして、ユーザがキーボード15又はマウス16を操作することによって、本レイアウト編集プログラム8を起動させると、それは図示した如くメモリ12内にロードされる。従って、CPU11とメモリ12内にロードされたレイアウト編集プログラム8とが共同して、図1に示した電子文書供給手段2aと、頁構成要素供給手段2bと、吸着状態制御手段2cとを包含するDTP処理制御機構を構築することとなる。従って、本発明の1側面においては、汎用コンピュータシステムをDTP処理システムへ変換させることの可能なレイアウト編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体が提供される。
【0019】
図3は、本発明の1実施例に基づいて、例えば図2のCRT13とすることが可能な図1の表示装置3のスクリーン表示の一部を示している。即ち、スクリーン21上には編集用紙として電子文書22が表示されており、この上において種々の頁構成要素のレイアウト編集を行う。電子文書22は、例えば、スクリーン21の上端に沿って表示されているメニューバー20の中で、例えば「File」をマウスでクリックし「新規文書」を選択することによってスクリーン21上に表示させることが可能である。そして、電子文書22をスクリーン21上に表示させる場合に、ダイアログボックスでユーザに質問するか又は予めデフォルトとして設定されている値に基づいて電子文書22の上には頁グリッド23が表示される。レイアウトグリッド(以下、単に「グリッド」という)23は、電子文書22の頁内に配置されるレイアウト編集に使用される基準線である。図示例の場合のグリッド23は、横書き原稿用紙のフォーマットであるが、その他にも、例えば、縦書き原稿用紙フォーマットや、方眼紙フォーマットなど種々のフォーマットのグリッドが存在している。グリッド23は、通常、複数本の垂直線と複数本の水平線とを有しており、更に複数個の吸着点を有している。グリッド23は、メニュバー25中の「View」をクリックしてプルダウンメニューを出現させ、その中から「グリッドの表示」か「グリッドの非表示」を選択することによって電子文書22上におけるグリッド23の表示/非表示を制御することが可能である。表示/非表示に拘らずに、グリッド23の吸着機能を使用することが可能である。
【0020】
図3においては、更に、電子文書22の上に頁構成要素24が配置されている。この頁構成要素24は、例えば、ユーザがマウスを使用してツールボックス26内の横書き原稿用紙フォーマット(フレームグリッドともいう)のグリッドツール26bをクリックし且つスクリーン21上において所望の長さにわたりドラッグすることによって作成したものである。ツールボックス26は、その他に縦書き原稿用紙フォーマットのグリッドツール26cと、スクリーン21上に表示されているオブジェクトを選択する選択ツール26aとを有すると共に、その他の公知の種々の編集ツールを包含している。更に、メニューバー20内には、「Edit」として例えばコピーや貼り付けなどの通常の編集作業を行う機能、「Layout」として例えばグリッドのフォーマットや間隔などを設定する機能なども包含されている。
【0021】
ところで、本発明によれば、図3に示したように、グリッド23が設定されている電子文書22の上に頁構成要素24をレイアウトさせる場合に、その処理性能を向上させており、ユーザが容易に且つ正確にレイアウト操作を行うことを可能とするものである。
【0022】
次に、本発明のレイアウト編集方法の1実施例について、図4A〜4Bのフローチャートと、図5A〜5Gの概略図を参照して詳細に説明する。尚、この実施例においては、図5Aに示されているように、電子文書に設定されているグリッド123は方眼紙フォーマットであり、従って複数本の垂直線123vと複数本の水平線123hとを有しており、それらの垂直線及び水平線は等間隔で離隔されているものと仮定する。従って、一対の隣接した垂直線123v,123vと一対の隣接した水平線123h,123hとの間には正方形のセル123cが画定されており、各セル123cは、図6に示されるように、9個の吸着点tl(左上)、tc(中央上)、tr(右上)、cl(中央左)、cc(中央中央)、cr(中央右)、bl(左下)、bc(中央下)、br(右下)を有している。図5及び6においてはグリッド123の1個のセル123cの9個の吸着点を丸印で示してあるが、グリッド123の全てのセル123cは9個の吸着点を有していることを理解すべきである。但し、隣接するセル間において共通の境界線においては、その境界線上の3個の吸着点は隣接する一対のセルによって共有されている。更に、図5及び6においては、一つのセルについての吸着点を丸印で示してあるが、これは単に例示的なものであって、吸着点は必ずしもこの様な大きさ及び形状を有するものではなく、各吸着点の吸着距離は公知の技術によって所望の値に設定することが可能である。更に、この実施例においては、各セルが9個の吸着点を有しているが、各セルが有する吸着点の数も9以外の任意の数に設定可能である。
【0023】
更に、図4及び5の実施例においては、頁構成要素24は、(1)その領域を画定するフレーム41と、(2)その領域内に包含されているテキストデータ44と、(3)フレーム41の高さを示す一対の水平線と幅を表す一対の垂直線とからなる取囲みボックス(「バウンディングボックス」ともいう)42と、(4)4個の吸着点43a〜43dと、を有している。図示例においては、フレーム41は台形形状をしているが、取囲みボックス42は常に矩形形状である。そして、4個の吸着点43a〜43dは取囲みボックス42の4個の角部に夫々配置されている。ところで、図5及び6においては、説明の便宜上、グリッド123及び頁構成要素24の夫々の吸着点を丸印で示してあるが、吸着点は通常はスクリーン21上において丸印として表示されるものではない。
【0024】
図5Aは、グリッド123上に頁構成要素24を作成した状態を示しており、更にユーザがマウスを操作してそのカーソル40を頁構成要素24のフレーム41内部に位置させた状態を示している。この状態でユーザがマウスをクリック、即ちマウスの左ボタンを押し下げると(ステップS1)、カーソル40は頁構成要素24を保持状態(即ち、選択状態)とし、そのままマウスの左ボタンの押下状態を維持すると、頁構成要素24の4個の吸着点43a〜43dの内でカーソル40に最も距離が近いもの(この場合は、吸着点43c)のみが吸着可能状態に設定され、残りの3個の吸着点43a、43b、43dは吸着不能状態に設定される(ステップS2)。吸着点43cのみが吸着可能状態に設定されたので、図5Aにおいては吸着点43cは黒丸に変換して示してある。一方、グリッド123は、前述したように、各セル123cは9個の吸着点を有しており、それは白色の丸印で示してあるが、ここではいずれの吸着点も常に吸着可能状態に維持されるものと仮定する。この時点における頁構成要素24の選択された吸着点43cはカーソル40との相対的な位置関係が不変のプローブ点を設定する。即ち、プローブ点は仮想的な点であって、マウスがクリックされてカーソル40によって頁構成要素24が保持状態、即ち選択状態とされた時に、カーソル40に最も距離が近い吸着点43cが選択され、そのときのカーソル40と吸着点43cとの相対的位置関係が維持される点として定義することが可能である。
【0025】
次いで、図5Bに示したように、ユーザがマウスをドラッグしてスクリーン上において矢印Aで示した方向に移動させると、マウスの運動に連動してカーソル40は矢印aで示した方向(矢印Aと平行)に移動を開始する(ステップS3)。すると、カーソル40の移動に伴って変化するプローブ点の位置が決定され(ステップS4),この場合には、図5Aに示したようにプローブ点の位置は吸着点43cとほぼ同位置であり且つプローブ点(この場合には、吸着点43c)はセル123cの中央左の吸着点clに最も近いので、選択された吸着点43cのX座標をセル123cの中央左吸着点clのX座標に変更し(ステップS6)、次いで選択された吸着点43cのY座標をセル123cの中央左吸着点clのY座標に変更し(ステップS7)、その結果、選択された吸着点43cがセル123cの中央左吸着点clに位置整合するように頁構成要素14が吸着により図5Bに示された位置へ移動される。尚、ここでは、判定ステップS5においては、吸着モード修正キーが押し下げられており、従って吸着動作モード1が選択されているものと仮定する。
【0026】
次いで、ユーザがマウスボタンを押下状態に維持しており(ステップS9)、更に,図5Bに示したように、ユーザが更にマウスを矢印A方向にドラッグしてカーソル40を矢印aの方向へ移動させると(ステップS10)、本プログラムはステップS3へループバックして、新たなカーソル40の位置に対するプローブ点45の位置を決定する(ステップS4)。そして、前述したように、現在は吸着動作モード1に設定されているので、ステップS6及びS7へ進行する。この場合に、図5Bに示したように、ユーザのマウスを継続的にドラッグすると、頁構成要素24はその吸着点43cがセル123cの中央左の吸着点clに吸着されたままその位置を不変の状態に維持するが、カーソル40が頁構成要素24上を次第に矢印aの方向へ移動するにつれて、それと相対的な位置関係を維持するプローブ点45も同じ方向へ移動する。そして、プローブ点45の移動により、それがセル123cの左下の吸着点blに最も近い状態となると、選択された吸着点43cのX座標はセル123cの左下吸着点blのX座標へ変更され(ステップS6)、次いで選択された吸着点43cのY座標はセル123cの左下吸着点blのY座標へ変更され(ステップS7)、その結果、選択された吸着点43cはセル123cの左下吸着点blへ吸着されることにより頁構成要素24は図5cに示した位置へ移動される(ステップS8)。
【0027】
更に続けてユーザが同じ方向にマウスをドラッグさせると、暫くの間は頁構成要素24は図5cに示した位置に維持されるが、カーソル40及びそれと初期の相対的位置関係を維持しているプローブ点は継続して矢印aの方向へ移動するので、究極的にはプローブ点はセル123cの下中央吸着点bcに最も近くなる。従って、前述したステップと同様に、選択された吸着点43cのX及びY座標はセル123cの下中央吸着点bcのX及びY座標へ変更され、その結果、吸着動作が行われるので、頁構成要素24は図5Dへ示される位置へジャンプする。更に続けユーザが同じ方向にマウスをドラッグさせると、叙述した処理ステップが繰り返されて、頁構成要素24は、図5Dに示した位置から図5Eに示した位置へジャンプして移動する。尚、図5Eに示されるように、グリッド123の吸着点は全て吸着可能状態にあるが、頁構成要素24の4個の角部にある吸着点43a〜43dの内でカーソル40に最も近い吸着点43cのみが吸着可能状態にありその他の3個43a,43b,43dは吸着不能状態にあるので、吸着点43cのみがグリッド123の一つの対応する吸着点に吸着されており残りの3個の吸着点43a,43b,43dはいずれのグリッド上の吸着点にも吸着されていない。図5Eで示した位置へ移動させた後に、ユーザがマウスボタンの押下状態を解除させると、プログラム30はステップS9からステップS11へ分岐する。
【0028】
次に、ユーザはマウスボタンをクリックすること無しに、マウスを移動させてカーソル40を図5Fに示した如く頁構成要素24のフレーム41の領域内においてその左上角部近くに位置させ、その状態でマウスボタンをクリックしたもの(ステップS1)と仮定する。その結果、この場合においては、カーソル40に最も近い頁構成要素24の吸着点は吸着点43aであるから、吸着点43aが選択され、その現在の吸着点43aの位置とカーソル40との位置を不変に維持するプローブ点を設定する(ステップS2)。従って、この場合には、吸着点43aのみが吸着可能状態に設定され、一方残りの3個の吸着点43b、43c、43dは吸着不能状態に設定されるので、吸着点43aのみを黒色丸印で示してある。
【0029】
次いで、図5Gに示したように、ユーザがスクリーン上において矢印A’で示した方向の運動が得られるようにマウスをドラッグさせると、カーソル40は矢印A’の方向へ移動を開始し(ステップS3),その結果その新たなカーソル40の位置に対して新たなプローブ点の位置が決定される(ステップS4)。そして、前述したように、本例では、吸着動作モード1が選択されているので、判別ステップS5において「Y」へ分岐し、選択された吸着点43aのX座標はプローブ点に最も近いセル123cの左上吸着点tlのX座標に変更され(ステップS6)、更にそのY座標は同じくセル123cの左上吸着点tlのY座標に変更され(ステップS7)、その結果、頁構成要素24は図5Gに示される位置へ吸着によって移動されることとなる(ステップS8)。
【0030】
以上説明した如く、頁構成要素24は、通常、複数個の吸着点を有しているが、本発明によれば、マウスクリックなどによって頁構成要素を保持状態又は選択状態とした場合には、カーソル40に最も近い1個の吸着点のみが吸着可能状態に設定され、残りの吸着点は全て吸着不能状態に設定される。そして、この様に、頁構成要素24の複数個の吸着点の内でカーソル40に距離的に最も近い1個の吸着点のみが吸着可能状態とさせることによって、ユーザによる頁構成要素24のレイアウト作業が著しく向上される。何故ならば、スクリーン上において頁構成要素24をレイアウトさせる場合に頁構成要素24はカーソル40によって選択され、しかも頁構成要素24の内でレイアウトさせるために現在最も関心の高いカーソル位置に最も近い吸着点のみが吸着可能状態とされるので、ユーザはグリッド123と頁構成要素24との相対的位置関係を正確且つ迅速に把握することが可能となるからである。
【0031】
この様に、本発明によれば、頁構成要素24の複数個の吸着点の内の1個のみを選択的に吸着可能状態とさせることを特徴の一つとするものであるが、更に、グリッド123も複数個の吸着点を具備しておりこれらのグリッド吸着点も選択的に吸着可能状態にせっていすることによって特別の効果を得ることが可能である。例えば、図6に示したように、グリッド123の各セル123cは9個の吸着点を有しており、通常の状態においては、全ての吸着点が吸着可能状態に維持される。従って、図6の実施例の場合において、例えば、頁構成要素24を保持状態(選択状態)にしているカーソル40が矢印A”で示される方向に沿って移動される場合には、頁構成要素24は点線Bで示した階段状経路に沿って移動することとなる。即ち、ユーザにより操作されるカーソル40は右上から左下への斜め直線に沿った滑らかな運動(矢印A”)を行うが、そのカーソル40の動きに連動して移動する頁構成要素24は常にグリッド123に整合した状態で吸着動作によりグリッドの或る吸着点から次の吸着点へジャンプしながら移動することとなる。ところで、この様に経路Bに沿って頁構成要素24が移動することは、グリッド123上において微細な位置決めが必要とされる場合には極めて有効なものであるが、場合によっては、頁構成要素24を比較的大きな距離にわたって移動させたい場合があり、その様な場合には経路Bに沿って移動させたのでは吸着動作が頻繁に繰り返されるために頁構成要素24が頻繁にジャンプして見にくくなる場合がある。そこで、本発明の別の実施態様においては、グリッド123の複数個の吸着点の内で予め定めたパターンに対応する選択した吸着点のみを吸着可能状態とさせ、頁構成要素24が比較的大きな距離にわたって移動される場合においても、吸着動作の発生回数を減少させることを可能としている。その1例として図6に示してある場合は、例えば、経路Cで示されるように、グリッド123の各交差点における吸着点のみを吸着可能状態に設定し、その他の吸着点を吸着不能状態に設定するものである。この様に、グリッド123における吸着点の吸着可能状態を制御することにより、微細な位置決めが必要とされる場合と、大きな距離にわたって移動させることが必要とされる場合などの状況に応じて常に最適な頁構成要素24の移動制御を行うことが可能となる。
【0032】
次に、図4Bと図7とを参照して、本発明の更に別の実施例について説明する。図4Bに示した一連の手順は、図4Aに示したフローチャートの一部を構成するものであって、判別ステップS5における判別結果が「N」である場合に分岐されるルーチンである。即ち、判別ステップS5においては、「吸着モード修正キー」がダウン、即ち押し下げられているか否かによって「Y」(即ち、「第1吸着動作モード」)か「N」(即ち、「第2吸着動作モード」)かのいずれかへ分岐させるステップである。本発明においては、吸着状態制御が行われると、頁構成要素24の複数個の吸着点の内の所定の条件(例えば、カーソル40に距離が最も近い)を満足する1個の吸着点のみを吸着可能状態に設定し他の全ての吸着点を吸着不能状態に設定する。そして、図4Aを参照して前述した本発明の1実施例においては第1吸着動作モードに設定され、従って吸着可能状態に設定された一つの吸着点はグリッド123のいずれの吸着点に吸着することも可能である。一方、例えば、グリッド123のフォーマットによっては、頁構成要素24の吸着可能状態に設定された一つの吸着点がグリッド123の全ての吸着点へ吸着可能であるよりも、グリッド123の複数個の吸着点の内で予め定めて所定のパターンに該当する特定の吸着点にのみ吸着可能であることが望ましい場合がある。このことは、例えば、図7に示したような複数個の水平行123aとそれらの間に所定の間隔で配置されている複数個のギャップ123bとを有するグリッド123の場合において使用するのに望ましい場合がある。
【0033】
図7はスクリーンに表示されている頁グリッド123の一部を示しており、その上に頁構成要素24が配置されている。この場合においても、頁構成要素24は、その領域を画定するフレーム45と、フレーム45の高さ及び幅によって画定される矩形状の取り囲みボックス46と、取り囲みボックス46上に配置されている8個の吸着点48a〜48h(黒塗りの正方形で示してある)とを具備している。そして、フレーム45内にはグリッド123に対応したテキストグリッドが画定されており、該テキストグリッドは複数本の水平行45aと、それらの間に所定の間隔で配置されている複数個のギャップ45bとを有しており、各水平行45aは複数個の文字枠45cを有している。各文字枠45cは、図示した如く、1個の文字を収容することが可能である。更に、図示例においては、頁構成要素24のフレーム45にはテキスト流入ポート47aとテキスト流出ポート47bが設けられており、これらを使用してテキストをフレーム45内に流入させたり又はそこから流出させることが可能である。図7においては、最初の2つの水平行内にテキストが書き込まれている状態が示されている。
【0034】
そして、図7に示されているように、カーソル40がフレーム45内に位置されており、この状態で例えばユーザがマウスの左ボタンをクリックすることにより頁構成要素24を保持状態(選択状態)とさせると、本発明原理に従って、現在のカーソル40の位置に最も近い吸着点48aのみが選択されて吸着可能状態に設定され、一方そのたの吸着点48b〜48hは吸着不能状態に設定される。従って、図7においては、このことを反映させるために、吸着点48aの周りには丸印を付してある。
【0035】
この状態で、ユーザがカーソル40を矢印A”で示した方向へ移動させるものとする。この場合に、図4Aを参照して前述した実施例に従って吸着機能が発揮される場合には、頁構成要素24は図7中において階段状経路Bに沿って吸着点間をジャンプしながら移動することとなる。何故ならば、図7のグリッド123の各セル123cは9個の吸着可能な吸着点を有しているからである。しかしながら、図7に示したグリッド123のフォーマットの性質から、経路Bに沿って移動する場合には、頁構成要素24内のテキストグリッドが電子文書のグリッド123と一致しない場合が多々発生し、むしろレイアウト作業が煩雑又は困難なものとなる蓋然性がある。何故ならば、図7の場合には、むしろ頁構成要素24内にテキストグリッドと電子文書のレイアウト用グリッド123とを常に整合した状態でレイアウト作業を行うことが所望されるものと思われるからである。図4Bに示したルーチンは正にこの様な場合に有効に使用することが可能なレイアウト編集態様を提供するものである。
【0036】
即ち、図4Aにおける判別ステップS5において「吸着モード修正キー」が押し下げられていることが検され、従ってユーザが第2吸着動作モードに設定していることが判別されると、図4Bに示したルーチンに分岐される。そして、先ず最初に、頁構成要素24の選択された吸着点48aの水平位置は「左」であるか、「中央」であるか、又は「右」であるかが判別され、この場合には吸着点48aは「左」側に水平位置であるから(ステップS21a)、頁構成要素24の選択された吸着点48aのX座標をプローブ点に最も近いグリッドセル123cの左上の吸着点tlのX座標に変更する(ステップS22a)。更に、頁構成要素24の選択された吸着点48aの垂直位置は「上」であるから(ステップS24a)、頁構成要素24の選択された吸着点48aのY座標をプローブ点に最も近いグリッドセル123cの左上の吸着点tlのY座標に変更する。この手順が繰り返し実施されることによって、頁構成要素24は、階段状経路Cに沿って移動することとなる。その場合には、頁構成要素24が吸着動作によって間欠的に移動する場合に、そのテキストグリッドは常にレイアウトグリッド123と整合状態を維持することとなる。従って、吸着距離は比較的粗くなるがレイアウト作業はかえってやりやすくなるという効果が得られる。
【0037】
ところで、このように第1及び第2吸着動作モードの切り替えを行う「吸着モード修正キー」としては、通常キーボード上において設けられているレイアウト編集機能の切り替えに使用されている例えばCTRLキーやALTキーを使用することが可能である。この場合には、例えば、ユーザがその特定のキーを押し下げ状態に維持している場合には第1吸着動作モードが設定され、一方解除状態にある場合には第2吸着動作モードが設定されることとなる。更に、別の実施例としては、プルダウンメニューの一項目として設定し、それをマウスでクリックすることにより動作モードの設定を行うか又はツールボックス内における吸着動作モード設定ツールとして設けることも可能である。
【0038】
次ぎに、図8を参照して、本発明における吸着状態制御を行うことの可能な幾つかの具体的な実施形態について説明する。本発明によれば、頁構成要素が有する複数個の吸着点の内でマウスなどのポインティングデバイスのクリック操作によって選択状態、即ち保持状態とされた場合に、頁構成要素のフレーム内に存在するカーソルの位置に最も近接した一つの吸着点のみを吸着可能状態に設定する吸着状態制御機能が行われることを特徴とするものであるが、この場合に複数個の吸着点の内で特定の一つを選択する場合に幾つかの実施態様を取り得るものである。
【0039】
例えば、図8(A)に示した実施態様においては、頁構成要素24は、テキスト又はグラフィックデータなどを包含させる領域を画定するフレーム41を有しており、フレーム41は任意の形状に設定することが可能である。頁構成要素24は、更に、フレーム41の高さと幅とによって決定される矩形形状の取り囲みボックス42を有しており、取り囲みボックスは、定義上、常に一対の水平線と一対の垂直線とから画定される矩形形状を取る。更に、頁構成要素24は、複数個(この場合は、4個)の吸着点43a〜43dを有しており、この場合には、取り囲みボックス42の各角部に1個の吸着点43が配置されている。そして、この実施形態においては、取り囲みボックス42を均等に4つの象限A1〜A4に分割しており、どの象限内にカーソル40が位置しているかによってカーソル40に最も近接している吸着点を選択する。更に、カーソル40はフレーム41の内部に位置されていることがポインティングデバイスのクリック操作によって頁構成要素24を保持状態に設定することの前提条件であることにも注意すべきである。
【0040】
図8(B)は吸着状態制御機能の別の実施態様を示しており、この場合には、説明の便宜上、フレーム41を割愛してある。この実施態様においては、頁構成要素24は8個の吸着点43a〜43hを有しており、その内の4個の吸着点43a〜43dは取り囲みボックス42の夫々の角部に配置されており、残りの4個の吸着点43e〜43hは取り囲みボックスの夫々の辺上の角部と角部との中間に配置されている。この場合にも、取り囲みボックス42はその中心周りに均等な角度で8つの象限A1〜A8に分割されており、どの象限内にカーソル40が位置されているかによって一つの吸着点が選択される。
【0041】
図8(C)は図8(B)の実施例の変形例を示しており、この場合には、取り囲みボックス42の中心周りに円区域A9が形成されており、この円区域A9内にカーソル40が位置されている場合にはいずれの吸着点も選択されることがない。この変形例では、ユーザが頁構成要素24のフレームの中心付近でポインティングデバイスをクリックした場合にはいずれの吸着点を選択するかが明らかではない場合があるので、どの吸着点を選択するかを明確にさせることに貢献する。この実施例が示すように、各吸着点と関連する領域は全てが同一の形状であることは必要ではなく、更にフレーム41の領域に一部どの吸着点とも関連することのない空き領域を設けることも可能である。
【0042】
図8(A)〜(C)に示した実施例においては、複数個の吸着点43が取り囲みボックス42上に配置される場合を示したが、更に別の実施例としては、複数個の吸着点43をフレーム41上に配置させることも可能である。この場合には、取り囲みボックス42を省略する構成とすることも可能である。更に、上述した実施例においては、頁構成要素24の取り囲みボックス42(又はフレーム41)の領域を分割して、どの特定の領域内にカーソル40が位置しているかを判定することによって一つの吸着点を選択しているが、更に別の実施形態としては、フレーム内に位置されているカーソル40と各吸着点との直線距離を計算して、最小の直線距離を有する吸着点を選択する構成とすることも可能である。
【0043】
以上、本発明の具体的実施の態様について詳細に説明したが、本発明はこれらの具体的実施の態様にのみ制限されるべきものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱することなしに種々の変形を行うことが可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレイアウト編集機構を組込んだDTPシステムを示した概略ブロック図。
【図2】本発明のレイアウト編集プログラムを組込んで汎用コンピュータシステムをDTPシステムへ変換させた状態を示した概略ブロック図。
【図3】本発明の1実施例に基づいて表示装置のスクリーン上にグリッド23を有する電子文書22とその上にレイアウトさせるべき頁構成要素24とを表示させた状態を示した概略図。
【図4A】本発明レイアウト編集処理の手順を示したフローチャート図。
【図4B】図4Aのフローチャートの一部を形成する分岐シーケンスを示したフローチャート図。
【図5A】本発明の1実施例に基づいてレイアウト編集処理を行うある段階における状態を示した概略図。
【図5B】本発明の1実施例に基づいてレイアウト編集処理を行う別の段階における状態を示した概略図。
【図5C】本発明の1実施例に基づいてレイアウト編集処理を行う別の段階における状態を示した概略図。
【図5D】本発明の1実施例に基づいてレイアウト編集処理を行う別の段階における状態を示した概略図。
【図5E】本発明の1実施例に基づいてレイアウト編集処理を行う別の段階における状態を示した概略図。
【図5F】本発明の1実施例に基づいてレイアウト編集処理を行う別の段階における状態を示した概略図。
【図5G】本発明の1実施例に基づいてレイアウト編集処理を行う別の段階における状態を示した概略図。
【図6】本発明の1実施例に基づく頁グリッドの構成及びカーソルの動きとそれに連動する頁構成要素の移動態様とを例示した概略図。
【図7】本発明の別の実施例に基づく頁グリッドの構成及びカーソルの動きとそれに連動する頁構成要素の移動態様とを例示した概略図。
【図8】(A)乃至(C)は本発明の吸着状態制御機構の幾つかの実施例を示した概略図。
【符号の説明】
1:DTPシステム
2:DTP処理制御装置
2a:電子文書供給手段
2b:頁構成要素供給手段
2c:吸着状態制御手段
3:表示装置
4:移動手段
8:レイアウト編集プログラム
22:電子文書(編集用紙)
23,123:頁グリッド
24:頁構成要素
40:カーソル
41:フレーム
42:取囲みボックス
43,48:頁構成要素の吸着点

Claims (10)

  1. 電子文書上に頁構成要素を配置させるレイアウト編集システムにおいて、
    表示装置、
    前記表示装置に表示させるために複数個の第1吸着点を具備しているグリッドを有する電子文書を前記表示装置へ供給する第1供給手段、
    前記表示装置に表示されている電子文書上に輪郭がフレームによって画定されており且つ前記複数個の第1吸着点に対して位置整合すべく吸着可能な複数個の第2吸着点を具備している頁構成要素を供給する第2供給手段、
    前記表示装置上に表示されるカーソルを有しており、前記頁構成要素を保持状態として前記電子文書上の所望の位置へ移動させるためにユーザの手作業により移動させる移動手段、
    前記移動手段によって保持状態とされている間は前記複数個の第2吸着点の内の選択した1個の第2吸着点のみを吸着可能状態とさせ、前記カーソルを移動させた場合に前記カーソルと所定の位置関係を維持するプローブ点に最も近い第1吸着点へ前記選択された第2吸着点を吸着させる吸着状態制御手段、
    を有していることを特徴とするレイアウト編集システム。
  2. 請求項1において、前記移動手段がポインティングデバイスを有しており、前記ポインティングデバイスのボタンを押下状態に維持することによって前記頁構成要素が保持状態に維持されることを特徴とするレイアウト編集システム。
  3. 請求項1又は2において、前記複数個の第1吸着点の全てへ吸着可能な状態に設定する第1吸着動作モードと、前記複数個の第1吸着点の内の予め定めたパターンに該当する選択したもののみを吸着可能な状態に設定する第2吸着動作モードとを選択的に設定する吸着動作モード設定手段を有していることを特徴とするレイアウト編集システム。
  4. 請求項3において、前記吸着動作モード設定手段がキーボード上の予め定めた所定のキーを有しており、前記所定のキーを押下状態に保持することによって前記第2吸着動作モードが設定されることを特徴とするレイアウト編集システム。
  5. 請求項1において、前記吸着状態制御手段は、前記カーソルが前記頁構成要素のフレーム内に位置されており且つ前記頁構成要素が前記移動手段によって保持状態とされている場合に、前記カーソルに最も近い第2吸着点のみを吸着可能状態とさせることを特徴とするレイアウト編集システム。
  6. 電子文書上に頁構成要素を配置させるレイアウト編集方法において、
    表示装置上に複数個の第1吸着点を具備しているグリッドを有する電子文書を表示させ、
    前記表示装置上に表示されている電子文書上に輪郭がフレームによって画定されており且つ前記複数個の第1吸着点に対して位置整合すべく吸着可能な複数個の第2吸着点を具備している頁構成要素を表示させ、
    カーソルが前記頁構成要素のフレーム内に位置している状態で前記カーソルに連動しているポインティングデバイスのボタンが押し下げれられたことを検知すると、前記頁構成要素を保持状態とさせ且つ前記複数個の第2吸着点の内で前記カーソルに最も近い第2吸着点のみを吸着可能状態に設定すると共にその第2吸着点からその時の前記カーソルとの相対的位置関係を維持するプローブ点を設定し、
    前記保持状態のまま前記ポインティングデバイスが操作されて前記カーソルが移動されると、前記吸着可能状態とされた第2吸着点を前記カーソルの移動に連動して移動する前記プローブ点に最も近い第1吸着点へ吸着させて前記頁構成要素を移動させる、
    ことを特徴とするレイアウト編集方法。
  7. 請求項6において、前記複数個の第1吸着点の全てを吸着可能状態に設定する第1吸着動作モードと、前記複数個の第1吸着点の内の予め定めたパターンに該当する選択したもののみを吸着可能状態に設定する第2吸着動作モードとを選択することを包含していることを特徴とするレイアウト編集方法。
  8. 請求項7において、キーボード上の予め定めた所定のキーが押下状態にあるか又は解放状態にあるかに依存して前記第1又は第2吸着動作モードが選択されることを特徴とするレイアウト編集方法。
  9. レイアウト編集プログラムにおいて、
    表示装置上に複数個の第1吸着点を具備しているグリッドを有する電子文書を表示させる手順と、
    前記表示装置上に表示されている電子文書上に輪郭がフレームによって画定されており且つ前記複数個の第1吸着点に対して位置整合すべく吸着可能な複数個の第2吸着点を具備している頁構成要素を表示させる手順と、
    カーソルが前記頁構成要素のフレーム内に位置している状態で前記カーソルに連動しているポインティングデバイスのボタンが押し下げれられたことを検知すると、前記頁構成要素を保持状態とさせ且つ前記複数個の第2吸着点の内で前記カーソルに最も近い第2吸着点のみを吸着可能状態に設定すると共にその第2吸着点からその時の前記カーソルとの相対的位置関係を維持するプローブ点を設定する手順と、
    前記保持状態のまま前記ポインティングデバイスが操作されて前記カーソルが移動されると、前記吸着可能状態とされた第2吸着点を前記カーソルの移動に連動して移動する前記プローブ点に最も近い第1吸着点へ吸着させて前記頁構成要素を移動させる手順と、
    をコンピュータに実行させるためのレイアウト編集プログラム。
  10. レイアウト編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、
    表示装置上に複数個の第1吸着点を具備しているグリッドを有する電子文書を表示させる手順と、
    前記表示装置上に表示されている電子文書上に輪郭がフレームによって画定されており且つ前記複数個の第1吸着点に対して位置整合すべく吸着可能な複数個の第2吸着点を具備している頁構成要素を表示させる手順と、
    カーソルが前記頁構成要素のフレーム内に位置している状態で前記カーソルに連動しているポインティングデバイスのボタンが押し下げれられたことを検知すると、前記頁構成要素を保持状態とさせ且つ前記複数個の第2吸着点の内で前記カーソルに最も近い第2吸着点のみを吸着可能状態に設定すると共にその第2吸着点からその時の前記カーソルとの相対的位置関係を維持するプローブ点を設定する手順と、
    前記保持状態のまま前記ポインティングデバイスが操作されて前記カーソルが移動されると、前記吸着可能状態とされた第2吸着点を前記カーソルの移動に連動して移動する前記プローブ点に最も近い第1吸着点へ吸着させて前記頁構成要素を移動させる手順と、
    をコンピュータに実行させるレイアウト編集プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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