JP4089418B2 - 車両のエンジン制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のエンジン制御装置に関し、特に、所定の自動停止条件が成立した時エンジンを自動停止し、エンジン自動停止中に所定の再始動条件が成立した時エンジンを再始動する車両のエンジン制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃費改善等を目的として、所定の自動停止条件が成立した時エンジンを自動停止させるとともに、そのエンジンの自動停止中に所定の再始動条件が成立した時エンジンを再始動させる車両のエンジン制御装置が提案されている。
例えば、シフトレバーがNポジションまたはDポジション、車速が零、フットブレーキスイッチがオン、アクセルペダルがオフの全ての条件が満足される場合、エンジンを自動的に停止するとともに、そのエンジン自動停止中にアクセルペダルの踏込み等所定の再始動条件が成立した時、エンジンを再始動するよう構成されている。
つまり、上述のような自動停止条件が成立している場合は、車両が停車状態にあり、かつ運転者に走行の意志がないと判断できるため、そのような場合エンジンを自動的に停止するとともに、上述の再始動条件が成立した場合は、運転者が車両の走行を望んでいる状態であるため、そのような場合エンジンの自動停止を解除して再始動させるものであって、所謂、「アイドル・ストップ」と呼ばれている。
【0003】
また、上述した「アイドル・ストップ」を車両の停車と走行とが頻繁に繰り返される渋滞時に実行すると、その車両の停車と走行とに対応してその都度自動停止・再始動が実行されるため、ドライバーに違和感を与える。
そこで、再始動からの経過時間が所定時間未満の時は、自動停止を禁止することによって、渋滞時における頻繁な自動停止・再始動を防止するようにすることが行われており、例えば、下記特許文献1に開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−18060号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の先行技術においては、再始動からの経過時間が所定時間未満である場合、ドライバーの意志を考慮することなく、一律に自動停止が禁止されるため、燃費向上とドライバーに対する違和感抑制との両立を図ることができないという問題がある。
つまり、再始動からの経過時間が所定時間未満で、渋滞であると推定される場合であっても、変速機の走行レンジが非走行レンジに選択され、もともとドライバーに走行の意志がないとみなせる場合は、自動停止・再始動が短時間内に頻繁に繰り返されたとしもドライバーに違和感を与えることは少ないため、自動停止を禁止するよりは、むしろ積極的に自動停止を行い、燃費向上を図ることが望ましい。
逆に、変速レンジが走行レンジに選択され、ドライバーに走行意志があるとみなせる場合は、自動停止・再始動が頻繁に実行されると、ドライバーに違和感を与えるため、頻繁な自動停止、再始動の実行は極力抑制されることが望ましい。このように、自動停止条件としての再始動からの経過時間を一律に設定すると、ドライバーに走行意志がある場合の違和感防止と、ドライバーに走行意志がない場合の燃費向上との両立を図ることができないものである。
【0006】
本発明は、以上のような課題に勘案してなされたもので、その目的は、ドライバーに走行意志がある場合の違和感抑制と、ドライバーに走行意志がない場合の燃費向上との両立が可能な車両のエンジン制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明にあってはその解決手法として次のようにしてある。すなわち、本発明の第1の構成において、少なくとも車両停車時であること、エンジンの再始動からの経過時間が所定経過時間以上であることとを含む予め設定された所定の自動停止条件が成立した時エンジンを自動停止し、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立した時エンジンを再始動する自動停止・再始動手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
車両に搭載される変速機の変速レンジを検出する変速レンジ検出手段と、
該変速レンジ検出手段により検出された車両停車時における変速レンジが非走行レンジである時は、走行レンジが検出された時に対して上記自動停止条件における所定経過時間を短く設定する自動停止条件設定手段とを備えるよう構成してある。
本発明の第1の構成によれば、ドライバーに走行意志のないとみなせる非走行レンジが選択されている場合は、自動停止開始までの所定経過時間が短く設定され、早目に自動停止されることが許容されるため、燃費向上を図れるとともに、ドライバーに走行意志があるとみなせる走行レンジが選択されている場合は、自動停止開始までの所定時間が長く設定され、自動停止、再始動が頻繁に行われることに伴う違和感を抑制することができる。
【0008】
本発明の第2の構成において、車両停車開始からの経過時間を計測する停車時間計測手段を備え、
上記自動停止条件設定手段は、上記停車時間計測手段により車両停車時間が所定停車時間経過したことが計測された後に上記変速レンジ検出手段により検出された変速レンジに基づいて上記自動停止条件における所定経過時間を設定するよう構成してある。
変速レンジの切換わりには、その変速操作によって変速後の変速レンジに切換わるまで所定の遅れ時間要するため、ドライバーが車両停車直後変速レンジを走行レンジから非走行レンジに切換えるような場合、車両停車後直ちに検出された変速レンジは切換前の走行レンジが検出される場合があり、必ずしも実際のドライバーの意志を示す変速レンジを検出できない惧れがある。
本発明の第2の構成によれば、車両停車時間が所定停車時間経過したことが計測された後の変速レンジに基づいて上記自動停止条件における所定経過時間が設定されるため、車両停車後に確定した変速レンジに基づいて自動停止条件における所定経過時間を設定することができる。
【0009】
本発明の第3の構成において、上記自動停止・再始動手段による自動停止時間を計測する自動停止時間計測手段を備え、
上記自動停止条件設定手段は、上記自動停止・再始動手段により計測された前回の自動停止時間が所定自動停止時間以下である場合、上記自動停止条件設定手段によって設定される非走行レンジにおける所定経過時間を長くする方向に補正するよう構成してある。
変速レンジとして非走行レンジが選択されている場合であっても、渋滞度合が大きい場合は、自動停止、再始動の繰返し頻度が大きくなり、ドライバーに違和感を与える惧れがある。
本発明の第3の構成によれば、非走行レンジであっても、前回の自動停止時間が短く、渋滞度合が大きいとみなせる場合は、非走行レンジにおける自動停止条件における所定経過時間が長く設定されるため、渋滞度合が大きい場合の頻繁な自動停止・再始動の繰返しに伴う違和感を抑制することができる。
【0010】
本発明の第4の構成によれば、車両停車時に変速レンジが走行レンジから非走行レンジに切換えられたことが検出された時、その切換えられた時点における再始動からの経過時間が非走行レンジに対応して設定される所定経過時間を経過している場合、直ちに自動停止を実行するよう構成してある。
車両停車直後は走行レンジが選択されたままで、その後渋滞が継続されている場合、走行レンジから非走行レンジに切換えられる場合があり、そのような場合、非走行レンジに切換えられた時点で、ドライバーに走行意志がなくなったとみなせ、自動停止までの所定経過時間を短くすることができるにも拘わらず、上記自動停止条件における所定経過時間が、車両停車直後に選択されていた変速レンジに基づいて固定されていると、車両停車直後に設定された所定経過時間が経過するまでは、自動停止が行われない懸念がある。
本発明の第4の構成によれば、自動停止・再始動手段における所定時間は、車両停車時に変速レンジが走行レンジから非走行レンジに切換えられ時、その切換えられた時点における再始動からの経過時間が非走行レンジにおける所定経過時間を経過している場合、直ちに自動停止を実行するよう構成されているため、車両停車後に変速レンジが走行レンジから非走行レンジに切換えられた場合であっても、直ちに自動停止を行うことができる。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、ドライバーに走行意志がある場合の違和感抑制と、ドライバーに走行意志がない場合の燃費向上との両立を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態に関するエンジン全体構成図、図2は本実施形態に関するシステムブロック図を示している。
図1において、1は筒内噴射式ガソリンエンジンのエンジン本体を示しており、エンジン本体1には、吸気系2、排気系3が接続されている。
吸気系2には、その上流側から下流側に向かって順次エアフロメータ4、スロットル弁5、及び燃焼室6に流入される空気流にタンブル流またはスワール流を与える吸気コントロール弁7が配設されている。
また、燃焼室6には、燃焼室6内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁8及び点火プラグ9が備えられている。
燃料噴射弁8には、燃料タンク10内に配設される低圧燃料ポンプ11、フィルタ12、高圧燃料ポンプ13が介在される燃料供給通路14を介して燃料が供給されるよう構成されている。また、低圧燃料ポンプ11から高圧燃料ポンプ13に供給される燃圧は、燃料供給通路14と後述するリターン通路15とを接続する通路に配設される低圧レギュレータ16によって、所定の燃圧(例えば、0.39MPa)に調圧される。
リターン通路15は、高圧燃料ポンプ13に内蔵される燃圧調整手段としての高圧レギュレータ(不図示)によって所定の目標燃圧(例えば、エンジンの運転状態に応じて可変に設定され、4〜11MPaの間で設定される)に調圧され、調圧後の余剰燃料を燃料タンク10にリターンする。
尚、高圧レギュレータは、高圧燃料ポンプ13内に形成される燃料通路中に配設され、その燃料通路に対する突出位置を変更することによって燃圧を上昇側と下方側とに変更可能に構成されるスプール弁と、そのスプール弁を駆動するソレノイド弁とから構成される。
また、燃料噴射弁8には、リリーフ弁17を介してリターン通路15に接続されるリリーフ通路18が接続されている。
リリーフ弁17は、燃料噴射弁8に供給される燃料の圧力が目標燃圧よりも所定圧高く設定されたリリーフ圧(例えば、12MPa)に達した時、開弁し、リリーフ通路18、リターン通路15を介して余剰燃料を燃料タンク10にリリーフするよう構成されている。
また、18は、燃料噴射弁8付近の燃圧を検出する燃圧センサである。
尚、本実施形態における筒内噴射式ガソリンエンジンにおいては、低回転・低負荷時、空燃比を理論空燃比よりもリーンに設定し、成層燃焼(圧縮行程で燃料を噴射)を行い、それ以外の領域では、空燃比を理論空燃比に設定し、均一燃焼(吸気行程で燃料を噴射)を行うよう構成されている。
【0013】
図2は、本実施形態に関するシステムブロック図であって、エンジン制御用のコントロールユニット20には、ブレーキペダル(不図示)の操作量を検出するブレーキペダルストロークセンサ21、車速を検出する車速センサ22、自動変速機(不図示)の変速位置を検出するインヒビタスイッチ23、パーキングブレーキによるブレーキ操作の有無を検出するパーキングブレーキスイッチ24、エアコン(不図示)の作動状態を検出するエアコンスイッチ25、エンジン水温を検出するエンジン水温センサ26、ウインカー(不図示)の作動状態を検出するウインカースイッチ27、ブレーキ用真空倍力装置(不図示)の負圧を検出するブレーキ負圧センサ28、ステアリング(不図示)の操舵角を検出する操舵角センサ29、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ30及び上述の燃圧センサ19の各種検出信号が入力され、入力された各種検出信号に基づいて燃料噴射弁8を駆動するドライバー31と、点火プラグ9に点火させるための点火コイル32とに対する制御を行い、エンジンを自動停止、再始動させるためのエンジン制御部20aと、エンジンの始動停止、再始動制御に同期して車両のインストゥルメントパネル(不図示)に専用に設けられた後述する3つの報知ランプ33乃至35の点灯、消灯を制御する表示制御部20bとが備えられている。
【0014】
エンジン制御部20aは、後述する予め設定された自動停止条件が成立した時、燃料噴射弁8による燃料噴射を停止し、点火プラグ9による点火を停止してエンジンを自動停止させ、エンジンを自動停止中に後述する予め設定された再始動条件が成立した時、燃料噴射弁8からの燃料噴射を再開し、点火プラグ9による点火を再開してエンジンを再始動する自動停止・再始動手段20cと、車両停車開始からの経過時間を計測する停車経過時間計測手段20dと、その停車経過時間計測手段20dにより検出された車両停車時間が所定停車時間(変速レンジ切換時における変速レンジ変更遅れ時間相当で、例えば、0.5秒)経過したことが計測された後に検出された変速レンジに基づいて車両停車時における変速レンジが走行レンジか非走行レンジ(Nレンジ、またはPレンジ)であるかを検出する変速レンジ検出手段20eと、自動停止・再始動手段20cによる前回の自動停止時間を計測する自動停止時間計測手段20fと、変速レンジ検出手段20eにより検出された変速レンジと、自動停止時間計測手段20fにより計測された自動停止時間とに基づいて自動停止・再始動手段20cにおける自動停止条件との一つであるエンジンの再始動後の経過時間が所定経過時間以上であるか否か判定する場合の「所定経過時間」を設定する自動停止条件設定手段20gとを備えている。
自動停止条件設定手段20gにおける「所定経過時間」の設定について、詳述すると、変速レンジが走行レンジである場合は、最も長い第1所定経過時間(例えば、10秒)を設定し、非走行レンジで、かつ前回の自動停止時間が所定自動停止時間よりも短い場合上記第1所定経過時間よりも短い第2所定時間(例えば、7秒)を設定し、非走行レンジで、かつ前回の自動停止時間が所定自動停止時間よりも長い場合最も短い第3所定時間(例えば、5秒)を設定する。
【0015】
また、表示制御手段20aは、上記自動停止・再始動手段20cにより自動停止が実行された時、自動停止中であること報知する報知ランプ33と、上記自動停止条件設定手段20gにより再始動後の経過時間が所定経過時間未満で自動停止の実行が禁止されている時、自動停止禁止中であることを報知する報知ランプ34と、自動停止・再始動手段20cにより再始動がなされた時、再始動開始から所定時間再始動であることを報知する報知ランプ35とをエンジン制御手段20aからの信号に基づいて行うよう構成されている。
尚、これの報知は、インストゥルメントパネルに専用のランプを設ける以外に、ナビゲーション装置の表示画面を利用してもよく、またランプ以外音声を利用して報知するものであってもよい。
【0016】
ここで、自動停止・再始動手段20cの自動停止条件、再始動条件について、図3に基づき詳述する。
まず、自動停止条件は、図3(a)に示すように、ブレーキ操作量が所定値a以上でブレーキが踏まれ、車速が0で車両停車時、再始動後の経過時間が所定経過時間以上、路面勾配が所定値a以下で略平坦な路面、操舵角が所定角以下で略ステアリングが操舵されていない状態、エアコンがオフまたは、エアコンがオンされていても目標温度と実温度との偏差が所定値以下で実質エアコンが作動していない状態、エンジン水温が所定値以上で触媒が略暖機された状態の全ての条件が成立した時、運転者に走行の意志がなく、車両が実際に停車され、エンジンを停止しても車両の後退やエアコンが乗員の意志に反して切れるという弊害がないとみなし、エンジンの自動停止を許容する。
【0017】
次に、再始動条件について、説明する。
再始動条件は、図3(b)に示すように、ブレーキ操作量が略零となりブレーキが完全に解除される、車速が所定値以上の状態が所定時間継続される、ウインカーがオフからオン操作される、ブレーキ負圧が所定値a以下(ブレーキ負圧が小さくなり、ブレーキ性能が低下する状態)になる、エアコンスイッチがオンされるの内、いずれか一つでも成立すると、運転者に走行の意志がある、または、ブレーキ性能の低下や冷房性能の低下があるとみなされ、強制的に再始動される。
【0018】
次に、図4のフローチャートに基づき、本実施形態に係る自動停止、再始動制御について、説明する。
図4のステップS1において、既に自動停止が実行されているか否か判定する。
ステップS1でNOと判定された時、ステップS2に進み、車両停車後所定時間、例えば、車速が0になってから0.5秒(変速レンジ切換時における変速レンジ変更遅れ時間相当)経過しているか否か判定する。
ステップS2でYESと判定された時、つまり、車両停車後の変速レンジが確定しているとみなせる場合、以降ステップS3乃至S7の処理を実行して自動停止条件の一つであるエンジンの再始動後の経過時間が所定経過時間以上であるか否か判定する場合の「所定経過時間」を設定する。
まず、ステップS3では、変速レンジが非走行レンジ(Nレンジ、またはPレンジ)か否か判定する。
ステップS3でNOと判定された時、つまり、走行レンジが選択され、ドライバーに走行の意志があるとみなせる場合は、ステップS4に進み、最も長い所定経過時間Tとして、例えば、10秒を設定する。
また、ステップS3でYESと判定された場合、ステップS5に進み、前回の自動停止時間が所定自動停止時間よりも短いか否か判定する。
ステップS5でNOと判定された時、つまり、非走行レンジで、かつ前回の自動停止時間が短く、渋滞度合が小さいとみなせる場合は、ステップS6に進み、最も短い所定経過時間Tとして、例えば、5秒を設定する。
また、ステップS5でYESと判定された時、つまり、非走行レンジで、かつ前回の自動停止時間が短く、渋滞度合が大きいとみなせる場合は、ステップS7に進み、ステップS6において設定される所定経過時間Tよりも長い、例えば、7秒を設定する。
続く、ステップS8では、図3(a)で示す自動停止条件が成立したか否か判定し、YESと判定された時は、ステップS9に進む。
ステップS9では、再始動からの経過時間が、ステップS4、S6、S7において設定した所定経過時間T以上か否か判定する。
ステップS9でYESと判定された時、ステップS10に進み、燃料噴射弁8による燃料噴射を停止するとともに、点火プラグ9による点火を禁止してエンジンを自動停止し、また、自動停止中であることを報知する報知ランプ33を点灯するともに、自動停止禁止中であることを報知する報知ランプ34及び再始動であることを報知する報知ランプ35を消灯する。
ステップS12では、後述するステップS17でそのカウントが開始され、再始動からの経過時間をカウントする経過時間タイマーのカウントをリセットし、続く、ステップS13では、自動停止時間をカウントする自動停止時間タイマーのカウントを開始する。
また、ステップS9でNOと判定された時は、ステップS11に進み、自動停止禁止中であることを報知する報知ランプ34を点灯するとともに、自動停止中であることを報知する報知ランプ33及び再始動であることを報知する報知ランプ35を消灯する。
また、ステップS1でYESと判定された時、つまり、自動停止が既に実行されている時は、ステップS14に進む。
ステップS14では、図3(b)に示す再始動条件が成立したか否か判定する。
ステップS14でYESと判定された時は、ステップS15に進み、燃料噴射弁8からの燃料噴射を再開するとともに、点火プラグ9による点火を再開してエンジンを再始動し、また、再始動されたことを報知する報知ランプ35を所定時間点灯するとともに、自動停止中であることを報知する報知ランプ33及び自動停止禁止中であることを報知する報知ランプ34を消灯する。
続く、ステップS16では、ステップS13でカウントを開始した自動停止時間タイマーのカウントを停止し、そのカウンター値を記憶した後、カウンターをリセットする。ここで、このカウンター値は、前回の自動停止時間を示す値であり、上述したステップS5の判断において使用される。
また、ステップS17では、上述の経過時間タイマーのカウントを開始する。
【0019】
以上のように、本実施形態によれば、図5のタイムチャートに示すように、ドライバーに走行意志のないとみなせる非走行レンジが選択されている場合は、自動停止開始までの所定経過時間Tが短い5秒または7秒に設定され、早目に自動停止されることが許容されるため、燃費向上を図れるとともに、ドライバーに走行意志があるとみなせる走行レンジが選択されている場合は、自動停止開始までの所定経過時間Tが長い10秒に設定され、自動停止、再始動が頻繁に行われることに伴う違和感を抑制することができる。
また、車両停車時間が所定停車時間経過したことが計測された後に検出された変速レンジに基づいて上記自動停止条件における所定経過時間Tが設定されるため、車両停車後に確定した変速レンジに基づいて自動停止条件における所定経過時間Tを設定することができる。
また、非走行レンジであっても、前回の自動停止時間が短く、渋滞度合が大きいとみなせる場合は、前回の自動停止時間が長く、渋滞度合が小さいとみせる場合に設定される場合に対して所定経過時間Tが長い7秒に設定されるため、渋滞度合が大きい場合の頻繁な自動停止・再始動の繰返しに伴う違和感を抑制することができる。
また、自動停止・再始動手段における所定経過時間Tは、自動停止条件成立判定(図4中ステップS8)前に設定され、常に、最新の変速レンジに対応して設定されることになるため、その切換えられた時点における最新の変速レンジに対応して設定された所定経過時間Tに基づいて自動停止を実行するか否か判定することができ、車両停車後に変速レンジが走行レンジから非走行レンジに切換えられた場合であっても、直ちに自動停止を行うことができる。
【0020】
尚、本実施形態では、本発明を筒内噴射式ガソリンエンジンに適用する例を示したが、吸気ポートに燃料噴射するポート噴射式ガソリンエンジンや、ディーゼルエンジンに適用するようにしてもよい。
また、本実施形態で示した自動停止条件、再始動条件は、一例であって、スロットル開度等その他の条件を追加したり、或いは実施形態で示した条件のいずれかを削除する等、適宜設定可能である。
また、本実施形態では、常に、最新の走行レンジに対応させて所定経過時間Tを設定することによって走行レンジから非走行レンジに切換えられた時、直ちに自動停止を実行可能とする例を示したが、走行レンジから非走行レンジに切換えられた時、非走行レンジに対応して設定される所定経過時間Tと、切換えられた時点まで計測された時間とを比較し、計測された時間が非走行レンジに対応して設定される所定経過時間Tを経過している場合、直ちに自動停止を実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に関するエンジン全体構成図。
【図2】実施形態に関するシステムブロック図。
【図3】実施形態1に関する自動停止条件、再始動条件を示す表。
【図4】実施形態に関する制御フローチャート。
【図5】実施形態に関するタイムチャート。
【符号の説明】
1:筒内噴射式ガソリンエンジン本体
8:燃料噴射弁
9:点火プラグ
13:高圧燃料ポンプ
17:リリーフ弁
18:リリーフ通路
19:燃圧センサ
20:コントロールユニット
20a:エンジン制御部
20c:自動停止・再始動手段
20d:停車時間計測手段
20e:変速レンジ検出手段
20f:自動停止時間計測手段
20g:自動停止条件設定手段
Claims (4)
- 少なくとも車両停車時であること、エンジンの再始動からの経過時間が所定経過時間以上であることとを含む予め設定された所定の自動停止条件が成立した時エンジンを自動停止し、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立した時エンジンを再始動する自動停止・再始動手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
車両に搭載される変速機の変速レンジを検出する変速レンジ検出手段と、
該変速レンジ検出手段により検出された車両停車時における変速レンジが非走行レンジである時は、走行レンジが検出された時に対して上記自動停止条件における所定経過時間を短く設定する自動停止条件設定手段とを備えたことを特徴とする車両のエンジン制御装置。 - 車両停車開始からの経過時間を計測する停車時間計測手段を備え、
上記自動停止条件設定手段は、上記停車時間計測手段により車両停車時間が所定停車時間経過したことが計測された後に上記変速レンジ検出手段により検出された変速レンジに基づいて上記自動停止条件における所定経過時間を設定するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のエンジン制御装置。 - 上記自動停止・再始動手段による自動停止時間を計測する自動停止時間計測手段を備え、
上記自動停止条件設定手段は、上記自動停止・再始動手段により計測された前回の自動停止時間が所定自動停止時間以下である場合、非走行レンジにおける所定経過時間を長くする方向に補正するよう構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両のエンジン制御装置。 - 上記自動停止・再始動手段は、車両停車時に変速レンジが走行レンジから非走行レンジに切換えられたことが検出された時、その切換えられた時点における再始動からの経過時間が非走行レンジに対応して設定される所定経過時間を経過している場合、直ちに自動停止を実行するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車両のエンジン制御装置。
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