JP4659172B2 - 自動車用内燃機関制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用内燃機関制御装置に関し、特にブレーキブースタを備え、内燃機関の運転中に内燃機関停止条件が満足された場合に内燃機関への燃料供給を停止する自動車用内燃機関制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用内燃機関において、燃費の改善などのために自動車の停止時に自動的に内燃機関を停止し、発進操作時にスタータを回転させて内燃機関を始動して自動車を発進させる自動停止始動装置が知られている。しかし、このような自動停止始動装置では自動車の停止時のみの燃料節約となり、減速走行時においては実行されないため燃費の改善は不十分である。
【0003】
このため、自動車の減速中から停止に至るまで燃料供給を停止して、更に燃費の改善を行う自動停止始動装置(実開昭60−43147号公報)が知られている。この自動停止始動装置では、「スロットル所定開度以下、クラッチ接続状態、変速位置高速側またはニュートラル」のとき、あるいは「スロットル所定開度以下、クラッチ接続状態、変速位置低速側、エンジン所定回転(2000rpm)以上」のときに、燃料供給を停止している。
【0004】
そして、「スロットル所定開度以上」のとき、「スロットル所定開度以下、クラッチ断状態」のとき、あるいは「スロットル所定開度以下、クラッチ接続状態、変速位置低速側、エンジン所定回転(2000rpm)以下」のときに燃料供給を再開している。
【0005】
このような構成により減速時から停止まで燃料の供給が停止できるとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、自動車の制動装置として、自動車用内燃機関が発生する負圧を導入することによりブレーキ操作力を増加するブレーキブースタを備えていた場合には、前述した従来技術の条件にて内燃機関の運転を停止したのではブレーキ操作力の増加が不十分となるおそれがある。
【0007】
すなわち、ブレーキブースタは内燃機関が発生する吸気負圧を第1圧力室と第2圧力室とに導入している。そして、ブレーキ操作時には第2圧力室に大気圧を導入し、このことにより負圧と大気圧との差を利用してブレーキ操作力を増加させている。このため、自動車の減速中にブレーキ操作を繰り返すと、第2圧力室を大気圧にしたり負圧にしたりする度にブレーキブースタに導入した負圧を消費する。
【0008】
内燃機関が運転状態にあって十分に負圧を発生している場合には、このような負圧の消費は問題ないが、内燃機関の運転が停止しており、次第に回転数が低下している場合には、ブレーキブースタへの負圧の供給が不十分となる。このため負圧の消費が繰り返されると第1圧力室内が十分な低圧とならず、ブレーキ操作時に大気導入した第2圧力室との間の差圧が小さくなってブレーキ操作力の増加が不十分となるおそれが生じるのである。
【0009】
本発明は、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の増加機能を阻害することなく内燃機関の自動停止によって燃費を改善することが可能な自動車用内燃機関制御装置の提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の自動車用内燃機関制御装置は、自動車用内燃機関が発生する負圧をブレーキブースタ圧力として導入することによりブレーキ操作力を増加するブレーキブースタを備え、内燃機関の運転中に、内燃機関停止条件が満足された場合に燃料供給を停止して内燃機関の燃焼を停止し、内燃機関始動条件が満足された場合に燃料供給を再開して内燃機関の燃焼を開始する自動車用内燃機関制御装置であって、前記ブレーキブースタは、ブレーキペダルの踏み込み時に縮小する第1圧力室と、前記ブレーキペダルの踏み込み時に拡大する第2圧力室とを備え、前記第1圧力室内の圧力である前記ブレーキブースタ圧力は、前記ブレーキペダルの踏み込み時における前記第1圧力室の容積縮小による上昇圧力と、前記ブレーキペダルの踏み戻し時に前記第1圧力室に導入される大気圧に基づく上昇圧力と、前記ブレーキペダルの踏み込み時および踏み戻し時における前記自動車用内燃機関の前記負圧に基づく下降圧力とにより算出されるものであり、前記内燃機関停止条件は、次の(a)〜(d)のすべての条件が満足された場合に成立することを特徴とする。
【0011】
(a)大気圧と前記ブレーキブースタ圧力との差が基準圧力差より大きい。
(b)内燃機関のスロットル開度が基準開度より小さい。
(c)内燃機関と車輪とが連動している。
【0012】
(d)機関回転数が基準回転数よりも大きいこと、及びこの基準回転数は、燃料供給の再開により内燃機関の運転再開が可能な値、且つアイドル回転数未満の値であること。
上記(a)の条件により、内燃機関の燃焼停止を継続していても、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の十分な増加を可能にできる。
【0013】
上記(b)の条件により、内燃機関の駆動による車両の走行が要求されていないことが判明し、適切に燃料供給を停止させることができる。しかも、スロットル開度が小さいことにより内燃機関に十分な負圧を発生させることができ、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の増加を保証できる。
【0014】
上記(c)の条件により、ブレーキ操作にてブレーキブースタ内の負圧が消費されても、内燃機関の回転が車輪を介して路面から受けるエネルギーにより維持される。このため、ブレーキブースタへの十分な負圧供給が可能となり、ブレーキ操作力の十分な増加が可能となる。しかも、路面からのエネルギーを受けていることにより再始動も容易である。
【0015】
上記(d)の条件により、内燃機関の回転が、燃料供給の再開により内燃機関の運転再開が可能な回転数であることが判明し、迅速な再始動を保証できる。しかも、回転数が低下し過ぎることがないので十分な負圧の発生も維持でき、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の増加を保証できる。また、基準回転数は、アイドル回転数未満であるが燃料供給の再開により内燃機関の運転再開が可能な回転数に設定される。このことにより迅速な再始動が保証される。しかも、ブレーキブースタへの十分な負圧供給を可能とする回転数であるので、ブレーキ操作力の十分な増加を保証できる。更に、アイドル回転数未満の機関回転数まで燃料供給を停止しているため、燃費改善効果が特に大きくなる。
【0016】
したがって、これら(a)〜(d)の条件がすべて満足されることにより、減速時などの内燃機関の駆動力による車両の走行が要求されていない期間に、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の増加を阻害することなく燃料供給を停止して燃費を改善することが可能となる。しかも内燃機関の運転を再開しようとする場合も再始動を困難とすることがない。
ブレーキブースタ圧力は、ブレーキ操作に基づいて演算により求められる。
ブレーキブースタには内燃機関が発生する負圧が供給されてブレーキブースタ圧力として保持される。このため内燃機関の回転数が低下して内燃機関が発生する負圧が小さくなったとしても、ブレーキブースタ圧力としては当初の負圧が保持される。この保持された負圧はブレーキ操作を繰り返す毎に消費される。
このようなことに基づいて、ブレーキブースタ圧力はブレーキ操作に基づいて演算により求められる。このため、特別にブレーキブースタに圧力センサを設けなくても、自動車用内燃機関制御装置の構成を簡素化して、製造コストを抑えることができる。
【0024】
請求項2記載の自動車用内燃機関制御装置は、自動車用内燃機関が発生する負圧をブレーキブースタ圧力として導入することによりブレーキ操作力を増加するブレーキブースタを備え、内燃機関の運転中に、内燃機関停止条件が満足された場合に燃料供給を停止して内燃機関の燃焼を停止し、内燃機関始動条件が満足された場合に燃料供給を再開して内燃機関の燃焼を開始する自動車用内燃機関制御装置であって、前記ブレーキブースタは、ブレーキペダルの踏み込み時に縮小する第1圧力室と、前記ブレーキペダルの踏み込み時に拡大する第2圧力室とを備え、前記第1圧力室内の圧力である前記ブレーキブースタ圧力は、前記ブレーキペダルの踏み込み時における前記第1圧力室の容積縮小による上昇圧力と、前記ブレーキペダルの踏み戻し時に前記第1圧力室に導入される大気圧に基づく上昇圧力と、前記ブレーキペダルの踏み込み時および踏み戻し時における前記自動車用内燃機関の前記負圧に基づく下降圧力とにより算出されるものであり、前記内燃機関停止条件は、次の(a)〜(e)のすべての条件が満足された場合に成立することを特徴とする。
【0025】
(a)大気圧と前記ブレーキブースタ圧力との差が基準圧力差より大きい。
(b)内燃機関のスロットル開度が基準開度より小さい。
(c)内燃機関と車輪とが連動している。
【0026】
(d)機関回転数が基準回転数よりも大きいこと、及びこの基準回転数は、燃料供給の再開により内燃機関の運転再開が可能な値、且つアイドル回転数未満の値であること。
(e)車速が基準車速より高い。
上記(a)の条件により、内燃機関の燃焼停止を継続していても、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の十分な増加を可能にできる。
【0027】
上記(b)の条件により、内燃機関の駆動による車両の走行が要求されていないことが判明し、適切に燃料供給を停止させることができる。しかも、スロットル開度が小さいことにより内燃機関に十分な負圧を発生させることができ、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の増加を保証できる。
【0028】
上記(c)の条件により、ブレーキ操作にてブレーキブースタ内の負圧が消費されても、内燃機関の回転が車輪を介して路面から受けるエネルギーにより維持される。このため、ブレーキブースタへの十分な負圧供給が可能となり、ブレーキ操作力の十分な増加が可能となる。しかも、路面からのエネルギーを受けていることにより再始動も容易である。
【0029】
上記(d)の条件により、内燃機関の回転が、燃料供給の再開により内燃機関の運転再開が可能な回転数であることが判明し、迅速な再始動を保証できる。しかも、回転数が低下し過ぎることがないので十分な負圧の発生も維持でき、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の増加を保証できる。また、基準回転数は、アイドル回転数未満であるが燃料供給の再開により内燃機関の運転再開が可能な回転数に設定される。このことにより迅速な再始動が保証される。しかも、ブレーキブースタへの十分な負圧供給を可能とする回転数であるので、ブレーキ操作力の十分な増加を保証できる。更に、アイドル回転数未満の機関回転数まで燃料供給を停止しているため、燃費改善効果が特に大きくなる。
【0030】
上記(e)の条件により、十分な車速により、車輪の回転に連動する内燃機関の回転数も維持され、迅速な再始動を保証できる。しかも回転数が低下し過ぎることがないので、ブレーキブースタへの十分な負圧供給を可能とし、ブレーキ操作力の十分な増加を保証できる。
【0031】
したがって、これら(a)〜(e)の条件がすべて満足されることにより、減速時などの内燃機関の駆動による車両の走行が要求されていない期間に、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の増加を阻害することなく燃料供給を停止して燃費を改善することが可能となる。しかも内燃機関の運転を再開しようとする場合も再始動を困難とすることがない。
ブレーキブースタ圧力は、ブレーキ操作に基づいて演算により求められる。
ブレーキブースタには内燃機関が発生する負圧が供給されてブレーキブースタ圧力として保持される。このため内燃機関の回転数が低下して内燃機関が発生する負圧が小さくなったとしても、ブレーキブースタ圧力としては当初の負圧が保持される。この保持された負圧はブレーキ操作を繰り返す毎に消費される。
このようなことに基づいて、ブレーキブースタ圧力はブレーキ操作に基づいて演算により求められる。このため、特別にブレーキブースタに圧力センサを設けなくても、自動車用内燃機関制御装置の構成を簡素化して、製造コストを抑えることができる。
【0032】
請求項3に記載の自動車用内燃機関制御装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記基準圧力差は、ブレーキ性能が確保できる圧力差に設定されていることを特徴とする。
【0033】
より具体的には前記基準圧力差は、ブレーキ性能が確保できる圧力差に設定される。このことにより、内燃機関の燃焼停止を継続していても、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の十分な増加を可能にできる。
【0034】
請求項4に記載の自動車用内燃機関制御装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記基準開度は、車両が惰性による走行状態となるスロットル開度に設定されていることを特徴とする。
【0035】
より具体的には前記基準開度は、車両が惰性による走行状態となるスロットル開度に設定される。このことにより、内燃機関の駆動力による車両の走行が要求されていないことが判明し、適切に燃料供給を停止させることができる。しかも、スロットル開度が小さいことにより内燃機関に十分な負圧を発生させることができ、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の増加を保証できる。
【0036】
請求項5に記載の自動車用内燃機関制御装置は、請求項1又は2に記載の構成において、自動変速機が用いられている場合には、前記内燃機関と車輪との連動は、変速機のシフト位置にて判定されることを特徴とする。
【0037】
より具体的には、自動変速機が用いられている場合には、内燃機関と車輪との連動は、変速機のシフト位置にて判定することができる。このことにより、ブレーキ操作によりブレーキブースタ内の負圧が消費されても、内燃機関の回転が車輪を介して路面から受けるエネルギーにより維持される状態を判定できる。この状態では、ブレーキブースタへの十分な負圧供給が可能となり、ブレーキ操作力の十分な増加が可能となる。しかも、路面からのエネルギーを受けていることにより再始動も容易である。
【0038】
請求項6に記載の自動車用内燃機関制御装置は、請求項1又は2に記載の構成において、自動変速機以外の変速機が用いられている場合には、前記内燃機関と車輪との連動は、変速機のシフト位置およびクラッチ状態にて判定されることを特徴とする。
【0039】
より具体的には、自動変速機以外の変速機が用いられている場合には、内燃機関と車輪との連動は、変速機のシフト位置およびクラッチ状態にて判定することができる。このことにより、ブレーキ操作によりブレーキブースタ内の負圧が消費されても、内燃機関の回転が車輪を介して路面から受けるエネルギーにより維持される状態を判定できる。この状態では、ブレーキブースタへの十分な負圧供給が可能となり、ブレーキ操作力の十分な増加が可能となる。しかも、路面からのエネルギーを受けていることにより再始動も容易である。
【0042】
請求項7に記載の自動車用内燃機関制御装置は、請求項2に記載の構成において、前記基準車速は、路面から受けるエネルギーにより燃料供給の再開にて内燃機関の運転再開が可能な車速に設定されていることを特徴とする。
【0043】
より具体的には前記基準車速は、路面から受けるエネルギーにより燃料供給の再開にて内燃機関の運転再開が可能な車速に設定される。このことにより、十分な車速により、車輪の回転に連動する内燃機関の回転数も維持され、迅速な再始動を保証できる。しかも回転数が低下し過ぎることがないので、ブレーキブースタへの十分な負圧供給を可能とし、ブレーキ操作力の十分な増加を保証できる。
【0044】
請求項に記載の自動車用内燃機関制御装置は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の構成において、前記内燃機関始動条件は、前記内燃機関停止条件の1つ以上が不満足となった状態であることを特徴とする。
【0045】
内燃機関始動条件を、前述した内燃機関停止条件の1つ以上が不満足となった状態として設定することにより、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の十分な増加状態を維持しつつ、再始動を容易に行うことができる。
【0046】
請求項に記載の自動車用内燃機関制御装置は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の構成において、前記内燃機関停止条件は、前記各条件のすべてが満足されている状態が基準時間以上継続した条件を含むことを特徴とする。
【0047】
このように前述した内燃機関停止条件の各条件がすべて満足されていても、この状態が基準時間以上継続しなければ、内燃機関停止を実行しないようにしても良い。すなわち、前述したすべての条件が満足した状態で基準時間が経過すれば内燃機関を停止することになる。このことにより内燃機関停止条件の判定を的確に行うことができ、更に制御のハンチングも防止できる。
【0050】
請求項10に記載の自動車用内燃機関制御装置は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の構成において、前記ブレーキブースタ圧力は、前記ブレーキペダルの踏み込み時においては、前回算出により求めた前記ブレーキブースタ圧力に、前記第1圧力室の容積縮小による前記上昇圧力と前記下降圧力との差を加えることにより、求められ、前記ブレーキペダルの踏み戻し時においては、前回算出により求めた前記ブレーキブースタ圧力に、前記第1圧力室に導入される大気圧に基づく前記上昇圧力と前記下降圧力との差を加えることにより、求められることを特徴とする。
【0051】
これにより、ブレーキブースタ圧力をブレーキのオン・オフ状態から算出することができる。
【0052】
請求項11に記載の自動車用内燃機関制御装置は、請求項10に記載の構成において、前記ブレーキペダルの踏み込みの継続時間が長くなるほど、前記第1圧力室の容積縮小による前記上昇圧力を小さくし、前記ブレーキペダルの踏み戻しの継続時間が長くなるほど、前記第1圧力室に導入される大気圧に基づく前記上昇圧力を小さくすることを特徴とする。
【0053】
ブレーキペダルの踏み込みの継続時間が長いほど、ブレーキブースタ圧力の下降が大きくなる。また、ブレーキペダルの踏み戻しの継続時間が長いほど、ブレーキブースタ圧力の下降が大きくなる。上記構成では、この点を考慮しているため、ブレーキブースタ圧力をより正確に求めることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用されたガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)4および関連装置の概略構成を表すブロック図である。
【0056】
エンジン4のシリンダブロック6には燃焼室を有する第1気筒8、第2気筒10、第3気筒12および第4気筒14が形成されている。各気筒8〜14にはインテークマニホールド16、サージタンク18を介して吸気通路20が接続されている。この吸気通路20の上流側にはエアクリーナ22が設けられており、このエアクリーナ22を介して吸気通路20内に外気が導入される。
【0057】
インテークマニホールド16には、各気筒8〜14に対応してフューエルインジェクタ24,26,28,30がそれぞれ設けられている。このフューエルインジェクタ24〜30は通電制御により開閉駆動されて燃料を吸気ポート(図示略)へ噴射する電磁弁であって、燃料タンク(図示略)内の燃料が燃料ポンプ(図示略)から圧送されてくる。フューエルインジェクタ24〜30から噴射された燃料はインテークマニホールド16内の吸入空気と混合されて混合気となる。そしてこの混合気は、各気筒8〜14毎に設けられた吸気バルブ(図示略)が開弁することによって開かれた吸気ポートから各気筒8〜14の燃焼室内へ導入される。
【0058】
吸気通路20には吸入空気量を調節するスロットルバルブ32がサージタンク18の上流側に位置して設けられている。このスロットルバルブ32は、吸気通路20に設けられたスロットルモータ34により開閉駆動されることにより、その開度、すなわちスロットル開度TAが調節される。スロットルバルブ32の近傍にはスロットルセンサ36が設けられている。このスロットルセンサ36はスロットル開度TAを検出し、スロットル開度TAに応じた信号を出力する。
【0059】
また、自動車の運転室内にはアクセルペダル38が設けられており、このアクセルペダル38の踏み込み量、すなわちアクセル開度PDLAがアクセルセンサ40によって検出される。そして、後述する電子制御装置(以下、「ECU」と略す)50はこのアクセル開度PDLA等に基づいてスロットルモータ34を制御することによりスロットル開度TAを運転者の要求に応じた開度に調節する。
【0060】
各気筒8〜14にはエグゾーストマニホールド60を介して排気通路62が接続されている。この排気通路62には触媒コンバータ64およびマフラ66がそれぞれ設けられている。排気通路62を流れる排気はこれら触媒コンバータ64およびマフラ66を通過して外部に排出される。
【0061】
吸気通路20においてエアクリーナ22とスロットルバルブ32との間にはエアフローメータ68が設けられている。このエアフローメータ68は各気筒8〜14の燃焼室に導入される吸入空気量GAを検出し、この吸入空気量GAに応じた信号を出力する。
【0062】
また、エンジン4のシリンダヘッド6aには各気筒8〜14に対応してそれぞれ点火プラグ70,72,74,76が設けられている。各点火プラグ70〜76は、イグニッションコイル70a,72a,74a,76aが付属することにより、ディストリビュータを用いないダイレクトイグニッションシステムとして構成されている。各イグニッションコイル70a〜76aは、ECU50内の点火駆動回路から供給される一次側電流の遮断に基づいて発生する高電圧を直接点火プラグ70〜76に与えている。
【0063】
また、触媒コンバータ64より上流における排気通路62には、空燃比センサ80が設けられている。この空燃比センサ80は、排気の成分に現れる混合気の空燃比に応じた信号Voxを出力する。この信号Voxに基づいて、空燃比フィードバック制御時には、燃料噴射量の調整により、空燃比が理論空燃比に調整される。
【0064】
なお、回転数センサ90は、エンジン4のクランク軸(図示略)の回転に基づいてエンジン4の回転数NEに応じた数のパルス信号を出力し、気筒判別センサ92は第1気筒8が吸気上死点にある場合に基準信号となるパルス信号を出力する。ECU50はこれら回転数センサ90および気筒判別センサ92からの出力信号に基づいて回転数NEおよびクランク角度の算出、更に気筒判別を行う。
【0065】
また、シリンダブロック6にはエンジン冷却水温を検出するための水温センサ94が設けられて、冷却水温THWに応じた信号を出力する。またクラッチペダル(図示略)にはクラッチセンサ95が設けられて、クラッチ状態CLに応じた信号を出力する。手動変速機(図示略)にはシフトポジションセンサ96が設けられて、シフト位置SHFTPに応じた信号を出力する。手動変速機の出力側には車速センサ97が設けられて、車速VTに応じた信号を出力する。また大気圧センサ98が設けられて大気圧APに応じた信号を出力する。
【0066】
ブレーキペダル99には、ブレーキペダル99の踏み込み力を増加させるブレーキブースタ100が取り付けられている。このブレーキブースタ100は、ダイヤフラム102により区画されて形成された2つの圧力室104,106を有している。この内で、第1圧力室104にブレーキブースタ圧力センサ104aが設けられている。このブレーキブースタ圧力センサ104aは第1圧力室104内のブレーキブースタ圧力を検出してブレーキブースタ圧力に対応する信号をECU50に出力する。また、ブレーキペダル99にはブレーキスイッチ108が設けられてブレーキペダル99の踏み込み状態BSWを表す信号を出力する。すなわちブレーキスイッチ108は、ブレーキペダル99が踏み込まれていない場合にはオフ(OFF)信号を、ブレーキペダル99が踏み込まれている場合にはオン(ON)信号をECU50に出力する。
【0067】
上記ブレーキブースタ100は次のように機能する。すなわち、ブレーキブースタ100の第1圧力室104へは、逆止弁110を介してサージタンク18から吸気負圧が供給されている。この逆止弁110は第1圧力室104からサージタンク18への空気の流れを許し、逆の流れは禁止するものである。そして、ブレーキペダル99が踏み込まれていないときには、ブレーキブースタ100内に設けられた負圧制御バルブ112は第1圧力室104内の負圧を第2圧力室106へ導入している。このため第1圧力室104と第2圧力室106とは同じ負圧状態となるので、スプリング114によりダイヤフラム102はブレーキペダル99側に押し戻されている。このためダイヤフラム102と連動するプッシュロッド116はマスタシリンダ118内のピストン(図示略)を押すことはない。
【0068】
一方、ブレーキペダル99が踏み込まれると、ブレーキペダル99に設けられた入力側ロッド99aに連動して負圧制御バルブ112が第1圧力室104と第2圧力室106との間を遮断するとともに、大気を第2圧力室106に導入する。このことにより吸気負圧状態の第1圧力室104と大気圧となった第2圧力室106との間に圧力差が生じる。このためブレーキペダル99に対する踏み込み力が倍増されてダイヤフラム102はスプリング114の付勢力に抗してプッシュロッド116をマスタシリンダ118側に押し込む。このことにより、マスタシリンダ118内のピストンが押されて制動が行われる。
【0069】
そして、ブレーキペダル99が踏み戻されると、ブレーキペダル99に設けられた入力側ロッド99aに連動して負圧制御バルブ112が第2圧力室106と外気側との連通を遮断し、第1圧力室104と第2圧力室106との間を連通状態にする。このことにより第2圧力室106内に第1圧力室104から吸気負圧を導入する。このため第1圧力室104と第2圧力室106とは同圧となる。したがってダイヤフラム102はスプリング114の付勢力によりブレーキペダル99側に移動して、元の非制動状態に戻る。
【0070】
次に本実施の形態1における制御系統の電気的構成について図2のブロック図を参照して説明する。
ECU50は、中央処理装置(CPU)50a、読み出し専用メモリ(ROM)50b、ランダムアクセスメモリ(RAM)50c、およびバックアップRAM50d等を備えている。そして、これら各部50a〜50dと、入力回路50eおよび出力回路50f等とを双方向バス50gにより接続してなる論理演算回路としてECU50は構成されている。ROM50bには後述する自動停止始動制御等の各種制御プログラムや各種データが予め記憶されている。RAM50cには各種制御処理におけるCPU50aの演算結果等が一時的に記憶される。
【0071】
また、入力回路50eはバッファ、波形整形回路およびA/D変換器等を含んだ入力インターフェースとして構成されており、前記スロットルセンサ36、アクセルセンサ40、エアフローメータ68、空燃比センサ80、回転数センサ90、気筒判別センサ92、水温センサ94、クラッチセンサ95、シフトポジションセンサ96、車速センサ97、大気圧センサ98、ブレーキブースタ圧力センサ104a、ブレーキスイッチ108、各イグニッションコイル70a〜76aの点火確認信号IGfのライン等がそれぞれ接続されている。各種センサ36,40,68,80,90,92,94,95,96,97,98,104a,108等の出力信号はデジタル信号に変換されて入力回路50eから双方向バス50gを介してCPU50aに読み込まれる。
【0072】
一方、出力回路50fは各種駆動回路等を有しており、前記フューエルインジェクタ24〜30、イグニッションコイル70a〜76a、スロットルモータ34等がそれぞれ接続されている。ECU50は各種センサ36,40,68,80,90,92,94,95,96,97,98,104a,108等からの出力信号に基づいて演算処理を行い、フューエルインジェクタ24〜30、イグニッションコイル70a〜76a、スロットルモータ34等を制御する。
【0073】
例えば、ECU50は、エアフローメータ68により検出される吸入空気量GA、回転数センサ90により検出される回転数NE等に基づいて、フューエルインジェクタ24〜30による燃料噴射量や燃料噴射時期、あるいはイグニッションコイル70a〜76aによる点火時期を制御している。そして空燃比フィードバック制御時には、空燃比センサ80により検出される空燃比に基づいて、フューエルインジェクタ24〜30による燃料噴射量の補正を実行する。また、空燃比フィードバック制御時以外では、エンジン4の各種運転状態に応じて混合気の空燃比を必要な空燃比に調整している。
【0074】
次に、本実施の形態1においてECU50により実行されるエンジン4の自動停止始動制御処理について図3および図4のフローチャートに基づいて説明する。本処理は周期的に繰り返し実行される。なお各処理に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
【0075】
自動停止始動制御処理が開始されると、まず、スロットルセンサ36、回転数センサ90、シフトポジションセンサ96、車速センサ97、大気圧センサ98およびブレーキブースタ圧力センサ104aの信号から得られているスロットル開度TA、エンジン回転数NE、シフトポジションSHFTP、車速VT、大気圧APおよびブレーキブースタ圧力BBPをRAM50cの作業領域に読み込む(S200)。次に、ECU50自身の制御システムに異常がないか否かが判定される(S210)。これはECU50が別途実行している異常診断処理により各種検出データや処理自身に異常を生じていないか否かかの判定結果から判断するものである。もし異常があれば(S210で「NO」)、異常に応じた処理を行うために異常時処理(S215)に移行し、異常の内容に応じた適切な処理がなされて、一旦終了する。
【0076】
制御システムに異常がなければ(S210で「YES」)、次に大気圧APとブレーキブースタ圧力BBPとの差「AP−BBP」が基準圧力差Px以上であるか否かが判定される(S220)。この基準圧力差Pxとしては、エンジンの種類によって異なるが、例えば「55.9kPa」の値が用いられる。
【0077】
ここで、AP−BBP<Pxであれば(S220で「NO」)、燃料噴射実行が設定され(S280)、点火実行が設定され(S290)、このまま一旦処理を終了する。このように燃料噴射と点火とが共に実行されるように設定されることから、エンジン4は燃焼を継続する。
【0078】
一方、AP−BBP≧Pxであれば(S220で「YES」)、ブレーキブースタ圧力BBPが、ブレーキブースタ100によるブレーキ操作力の十分な増加を可能にできる負圧状態にあることから、次にスロットル開度TAが基準開度θx以下か否かが判定される(S230)。この基準開度θxとしては、エンジンの種類によって異なるが、例えば「3°」の値が用いられる。
【0079】
ここで、TA>θxであれば(S230で「NO」)、燃料噴射実行が設定され(S280)、点火実行が設定されて(S290)、一旦処理を終了する。このことによりエンジン4は燃焼を継続する。
【0080】
一方、TA≦θxであれば(S230で「YES」)、エンジン4の駆動力による車両の走行が要求されていないこと、すなわち惰性による走行が要求されていることと、エンジン4を停止してもスロットル開度TAが小さいことによりサージタンク18内に十分な負圧を発生できることが判明する。このことから、次に、エンジン回転数NEが基準回転数Nx以上か否かが判定される(S240)。この基準回転数Nxとしては、エンジンの種類によって異なるが、例えば「300rpm」の値が用いられる。ここで基準回転数Nx=「300rpm」は、本エンジン4においてはアイドル回転数(=400rpm)よりも低い回転数であり、かつ再始動が可能な回転数である。
【0081】
ここで、NE<Nxであれば(S240で「NO」)、燃料噴射実行が設定され(S280)、点火実行が設定されて(S290)、一旦処理を終了する。このことによりエンジン4は燃焼を継続する。
【0082】
一方、NE≧Nxであれば(S240で「YES」)、エンジン4が、燃料供給の再開によって運転再開が可能な回転数であることが判明し、迅速な再始動を保証できる。しかも、エンジン回転数NEが低下し過ぎることがないので十分な負圧の発生も維持できブレーキブースタ100によるブレーキ操作力の増加を保証できる。このことから、次に、シフトポジションSHFTPがニュートラルでないか否かが判定される(S250)。
【0083】
ここで、SHFTP=ニュートラルであれば(S250で「NO」)、燃料噴射実行が設定され(S280)、点火実行が設定されて(S290)、一旦処理を終了する。このことによりエンジン4は燃焼を継続する。
【0084】
一方、SHFTP≠ニュートラルであれば(S250で「YES」)、ブレーキ操作によりブレーキブースタ100内の負圧が消費されても、後述するごとくクラッチが接続状態にあればエンジン4の回転が、車輪を介して路面から受けるエネルギーにより維持される。このためブレーキブースタ100への十分な負圧供給が可能となる。しかも、路面からのエネルギーを受けていることにより再始動も容易である。したがって、次にクラッチ状態CLが接続状態であるか否かが判定される(S260)。
【0085】
ここで、クラッチ状態CLがエンジン4と駆動系との間を切断している状態であると(S260で「NO」)、燃料噴射実行が設定され(S280)、点火実行が設定されて(S290)、一旦処理を終了する。このことによりエンジン4は燃焼を継続する。
【0086】
一方、クラッチ状態CLがエンジン4と駆動系との間を接続している状態であると(S260で「YES」)、前述したごとくブレーキ操作によりブレーキブースタ100内の負圧が消費されても、変速機がニュートラル状態に無いので(S250で「YES」)、エンジン4の回転が車輪を介して路面から受けるエネルギーにより維持される。このためブレーキブースタ100への十分な負圧供給が可能となる。しかも、路面からのエネルギーを受けていることにより再始動も容易である。したがって、次に、車速VTが基準車速Vxより高いか否かが判定される(S270)。ここで基準車速Vxとしては、エンジン4の種類によって異なるが、例えば「15km/h」の値が用いられる。
【0087】
ここで、VT<Vxであれば(S270で「NO」)、燃料噴射実行が設定され(S280)、点火実行が設定されて(S290)、一旦処理を終了する。このことによりエンジン4は燃焼を継続する。
【0088】
一方、VT≧Vxであれば(S270で「YES」)、車輪の十分な回転に連動してエンジン4の回転数が維持され、迅速な再始動を保証できる。しかもエンジン回転数NEが低下し過ぎることがないので、ブレーキブースタ100への十分な負圧供給を可能とし、ブレーキ操作力の十分な増加を保証できる。したがって、次にステップS270にて「YES」と判定されている状態が基準時間Tx以上継続しているか否かが判定される(S275)。すなわち、ステップS220〜S270の6つの条件がすべて満足された状態が、基準時間Tx以上継続したか否かが判定される。ここで基準時間Txとしては、エンジン4の種類によって異なるが、例えば「2秒」の値が用いられる。この基準時間Tx以上継続することを条件とすることにより、エンジン4の停止条件の判定を的確に行うことができ、更に制御のハンチングも防止できる。
【0089】
なお、基準時間Txが経過しない内に、ステップS220〜S270の6つの条件の1つでも不満足となれば、経過時間のカウントはキャンセルされ、再度ステップS220〜S270の6つの条件がすべて満足されれば、0から経過時間がカウントされる。
【0090】
ここで、未だ基準時間Txを経過していなければ(S275で「NO」)、燃料噴射実行が設定され(S280)、点火実行が設定されて(S290)、一旦処理を終了する。このことによりエンジン4は燃焼を継続する。
【0091】
ステップS220〜S270の6つの条件がすべて満足されたままで基準時間Txが経過すると(S275で「YES」)、次に燃料噴射停止が設定され(S300)、点火停止が設定されて(S310)、一旦処理を終了する。このことによりエンジン4への燃料供給と点火とが停止して、エンジン4の運転は停止する。こうして一旦処理を終了する。
【0092】
以後、制御システムに異常が無く(S210で「YES」)、ステップS220〜S270の各条件がすべて満足されている状態が継続している限り、エンジン4の運転停止(S300,S310)が継続する。そして、ステップS220〜S270の条件の1つでも不満足となると、エンジン4の運転が再開される。
【0093】
上述した自動停止始動制御処理による制御の一例を図5のタイミングチャートに示す。ここでは、時刻t0にてステップS220〜S270の条件がすべて満足され、時刻t1にてステップS275が満足されて、エンジン4への燃料供給と点火とが停止し(S300,S310)てエンジン4の運転が停止する。
【0094】
この後、時刻t2にて、運転者がブレーキペダル99を踏み込むと、エンジン回転数NEも車速VTも急速に低下し始める。この時、負圧制御バルブ112による大気導入が第2圧力室106になされる。なお、第1圧力室104についてもダイヤフラム102により押圧されるので少し圧力が上昇する。
【0095】
そして時刻t3にてブレーキペダル99が踏み戻されると、負圧制御バルブ112により第1圧力室104と第2圧力室106とが連通されるので、ブレーキブースタ圧力BBPは大きく上昇する。更に踏み込み(時刻t4,t6)と踏み戻し(時刻t5,t7)の繰り返しにより、ステップ的にブレーキブースタ圧力BBPは上昇する。そして時刻t7の踏み戻しでは、AP−BBP<Pxとなるので(S220で「NO」)、燃料噴射と点火とが共に実行され(S280,S290)、エンジン4の運転が再開される。
【0096】
このエンジン運転の再開時においては、特にスタータを駆動しなくても、エンジン回転数NEはNx(ここでは300rpm)以上であるので、容易に運転を再開できる。
【0097】
このため、エンジン回転数NEが直ちに上昇に転じ、ブレーキブースタ圧力BBPも低下する。したがって、以後、クラッチを切断して(時刻t8)、ブレーキペダル99の踏み込み(時刻t9,t11)および踏み戻し(時刻t10,t12)を繰り返しても、AP−BBP≧Pxの状態を維持するので、ブレーキブースタ100は運転者によるブレーキ操作力を十分に増加させることができる。
【0098】
また、他の一例を図6のタイミングチャートに示す。ここでは、時刻t20にてステップS220〜S270の条件がすべて満足され、時刻t21にてステップS275が満足されて、エンジン4への燃料供給と点火とが停止し(S300,S310)てエンジン4の運転が停止する。
【0099】
この後、時刻t22にて、運転者がブレーキペダル99を踏み込むと、エンジン回転数NEも車速VTも急速に低下し始める。そして時刻t23にてブレーキペダル99が踏み戻される。更に踏み込み(時刻t24)と踏み戻し(時刻t25)の繰り返しにより、ステップ的にブレーキブースタ圧力BBPは上昇する。そして、まだAP−BBP≧Pxである時刻t26において、エンジン回転数NEがNx(ここでは300rpm)より小さくなった場合には(S240で「NO」)、燃料噴射と点火とが共に実行され(S280,S290)、エンジン4の運転が再開される。
【0100】
このエンジン運転の再開時においては、特にスタータを駆動しなくても、エンジン回転数NEはNx(ここでは300rpm)の近傍であるので、容易に運転を再開できる。
【0101】
このため、エンジン回転数NEが直ちに上昇に転じ、ブレーキブースタ圧力BBPも低下する。したがって、以後、ブレーキペダル99の踏み込み(時刻t27)および踏み戻し(時刻t28)を繰り返しても、AP−BBP≧Pxの状態を継続でき、ブレーキブースタ100によるブレーキ操作力の増加を継続させることができる。
【0102】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).エンジン4の自動停止は、前述したごとくステップS220〜S270の6つの条件がすべて満足された場合に実行している。
【0103】
ステップS220の条件の存在により、エンジン4の燃焼停止を継続していても、ブレーキブースタ100によるブレーキ操作力の十分な増加を可能にできる。ステップS230の条件の存在により、エンジン4の駆動力による車両の走行が要求されていないことが判明し、適切に燃料供給を停止させることができる。しかも、スロットル開度TAが小さいことによりエンジン4に十分な負圧を発生させることができ、ブレーキブースタ100によるブレーキ操作力の増加を保証できる。ステップS240の条件の存在により、エンジン4の回転が、燃料供給の再開によりエンジン4の運転再開が可能な回転数であることが判明し、迅速な再始動を保証できる。しかも、回転数が低下し過ぎることがないので十分な負圧の発生も維持できブレーキ操作力の増加を保証できる。ステップS250,S260の条件の存在により、ブレーキ操作にてブレーキブースタ100内の負圧が消費されても、エンジン4の回転が車輪を介して路面から受けるエネルギーにより維持されるので、ブレーキブースタ100への十分な負圧供給が可能となり、ブレーキ操作力の十分な増加が可能となる。しかも、路面からのエネルギーを受けていることにより再始動も容易である。ステップS270の条件の存在により、十分な車速により、車輪の回転に連動するエンジン4の回転数も維持され、迅速な再始動を保証できる。しかも回転数が低下し過ぎることがないので、ブレーキブースタ100への十分な負圧供給を可能とし、ブレーキ操作力の十分な増加を保証できる。
【0104】
したがって、これらの条件(ステップS220〜S270)がすべて満足されることにより、減速時などのエンジン4の駆動力による車両の走行が要求されていない期間に、ブレーキブースタ100によるブレーキ操作力の増加を阻害することなく燃料供給を停止して燃費を改善することが可能となる。しかもエンジン4の運転を再開しようとする場合も再始動を困難とすることがない。
【0105】
(ロ).ステップS240における基準回転数Nxは、アイドル回転数(ここでは400rpm)未満であるが燃料供給の再開によりエンジン4の運転再開が可能な回転数(ここでは300rpm)に設定されている。このことにより迅速なエンジン4の再始動が保証される。しかも、ブレーキブースタ100への十分な負圧供給を可能とする回転数であるので、ブレーキ操作力の十分な増加を保証できる。
【0106】
更に、アイドル回転数未満の機関回転数(ここでは300rpm)まで燃料供給を停止しているため、燃費改善効果が特に大きくなる。
(ハ).エンジン4の自動停止は、ステップS220〜S270がすべて満足されても直ちに行うのでなく、すべての条件が満足されている状態が基準時間Tx以上継続した場合に行っている。このことによりエンジン4の停止条件の判定を的確に行うことができ、更に制御のハンチングも防止できる。
【0107】
(ニ).また、ステップS220〜S270の条件が1つでも成立しなかった場合には、直ちに、エンジン4の運転を再開させている。このため、ブレーキブースタ100によるブレーキ操作力の十分な増加状態を維持しつつ、再始動を容易に行うことができる。
【0108】
[実施の形態2]
本実施の形態2が前記実施の形態1と異なる点は、ブレーキブースタ圧力センサ104aが設けられていない点であり、ブレーキブースタ圧力BBPをブレーキスイッチ108のオン・オフ状態から算出している点である。他の構成は基本的に前記実施の形態1と同じである。
【0109】
ブレーキブースタ圧力BBP算出処理を図7〜図9のフローチャートに示す。
本処理は周期的に繰り返し実行される処理である。
ブレーキブースタ圧力BBP算出処理が開始されると、まず、吸入空気量GA、エンジン回転数NE、ブレーキスイッチ状態BSWおよび大気圧APの値が読み込まれる(S410)。
【0110】
次に、ECUのROM内に記憶されている図10に示すマップに基づいて、吸入空気量GAとエンジン回転数NEとからサージタンク18内における吸気圧PMを算出する(S420)。この吸入空気量GAとエンジン回転数NEとをパラメータとするマップは、予め実験にて実際の吸入空気量GAとエンジン回転数NEとに応じて変化するサージタンク18内の吸気圧を測定することにより求めたデータをROMに格納したものである。
【0111】
次に、ブレーキスイッチ状態BSWが「ON」か否かが判定される(S430)。ここでBSW=「ON」であれば(S430で「YES」)、次にBSW=「OFF」状態の継続時間Toffをクリアする(S440)。次にBSW=「ON」状態の継続時間Tonをカウントアップする(S450)。
【0112】
次に、ブレーキスイッチ108が「ON」状態である時のブレーキブースタ圧力BBP算出処理を実行する(S460)。このブレーキスイッチ・オン時の処理を図9に示す。本処理では、まず、大気圧APと前回周期にて求めたブレーキブースタ圧力BBP(i−1)との差、および継続時間Tonに基づいて、図11に傾向を示すマップからブレーキスイッチ・オン時上昇圧力Ponを算出する(S462)。
【0113】
図1に示したごとく、ブレーキペダル99の踏み込みにより、ブレーキブースタ100の第2圧力室106内に大気圧が導入される。そして、この大気圧によりダイヤフラム102が第1圧力室104側に移動して、第1圧力室104の容積を縮小する。上述したブレーキスイッチ・オン時上昇圧力Ponは、この第1圧力室104の容積縮小に伴う第1圧力室104内の単位時間(ここでは制御周期に相当、以下同じ)当たりの圧力上昇分を示している。この第1圧力室104内の単位時間当たりの圧力上昇分について、予め実験により大気圧APとブレーキブースタ圧力BBP(i−1)との差、および継続時間Tonの経過による変化を求めて、ROM内に格納したものが、図11に示したブレーキスイッチ・オン時上昇圧力Ponを求めるマップである。
【0114】
次に、前回周期のブレーキブースタ圧力BBP(i−1)とステップS420にて求めた吸気圧PMとの差に基づいて、図13に傾向を示すマップからブレーキスイッチ・オン時の下降圧力Pinを算出する(S464)。
【0115】
図1に示したごとく、第1圧力室104は逆止弁110を介してサージタンク18に接続されている。このためブレーキブースタ圧力BBP(i−1)と吸気圧PMとの差圧が逆止弁110の開弁圧P0より大きい場合は、第1圧力室104内の空気はサージタンク18へ吸引される。この吸引による単位時間当たりの減圧分をブレーキブースタ圧力BBP(i−1)と吸気圧PMとの差圧に応じて予め実験により求めて、ROM内に格納したものが、図13に示した下降圧力Pinを求めるマップである。
【0116】
そして、次に今回の制御周期におけるブレーキブースタ圧力BBP(i)を次式1に示すごとく算出する(S466)。
【0117】
【数1】
BBP(i) ← BBP(i−1) + Pon − Pin
… [式1]
すなわち、前回の制御周期におけるブレーキブースタ圧力BBP(i−1)にブレーキスイッチ・オン時上昇圧力Ponにて増加補正し、下降圧力Pinにて減少補正することにより、今回の制御周期におけるブレーキブースタ圧力BBP(i)を算出する。こうして一旦処理を終了する。
【0118】
一方、ブレーキスイッチ状態BSW=「OFF」であると判定された場合(S430で「NO」)、次にBSW=「ON」状態の継続時間Tonをクリアする(S470)。次にBSW=「OFF」状態の継続時間Toffをカウントアップする(S480)。
【0119】
次に、ブレーキスイッチ108が「OFF」状態である時のブレーキブースタ圧力BBP算出処理を実行する(S490)。このブレーキスイッチ・オフ時の処理を図8に示す。本処理では、まず、大気圧APと前回周期にて求めたブレーキブースタ圧力BBP(i−1)との差、および継続時間Toffに基づいて、図12に傾向を示すマップからブレーキスイッチ・オフ時上昇圧力Poffを算出する(S492)。
【0120】
図1に示したごとく、ブレーキペダル99の踏み戻しにより、ブレーキブースタ100の第1圧力室104には第2圧力室106から大気圧が導入される。このことにより第1圧力室104内の圧力は大きく上昇する。上述したブレーキスイッチ・オフ時上昇圧力Poffは、この第2圧力室106から第1圧力室104への大気圧の導入に伴う第1圧力室104内の単位時間当たりの圧力上昇分を示している。この第1圧力室104内の単位時間当たりの圧力上昇分について、予め実験により大気圧APとブレーキブースタ圧力BBP(i−1)との差、および継続時間Toffの経過による変化を求めて、ROM内に格納したものが、図12に示したブレーキスイッチ・オフ時上昇圧力Poffを求めるマップである。
【0121】
次に、ブレーキブースタ圧力BBP(i−1)とステップS420にて求めた吸気圧PMとの差に基づいて、図13に傾向を示すマップからブレーキスイッチ・オフ時の下降圧力Pinを算出する(S494)。下降圧力Pinの意味およびそのマップについては前述したごとくである。
【0122】
そして、次に今回の制御周期におけるブレーキブースタ圧力BBP(i)を次式2に示すごとく算出する(S496)。
【0123】
【数2】
BBP(i) ← BBP(i−1) + Poff − Pin
… [式2]
すなわち、前回の制御周期におけるブレーキブースタ圧力BBP(i−1)にブレーキスイッチ・オフ時上昇圧力Poffにて増加補正し、下降圧力Pinにて減少補正することにより、今回の制御周期におけるブレーキブースタ圧力BBP(i)を算出する。こうして一旦処理を終了する。
【0124】
以後、制御周期毎に上述した処理がなされて、ブレーキブースタ圧力BBPが更新されて行く。そして、このブレーキブースタ圧力BBPを用いて、前記実施の形態1にて説明したごとく、自動停止始動制御処理(図3)のステップS220にて用いることにより、適切にエンジンの自動停止および自動始動を行うことができる。
【0125】
上述したブレーキブースタ圧力算出処理によるブレーキブースタ圧力BBPの算出例を図14および図15のタイミングチャートに示す。図14の例では、ブレーキペダル99の踏み込み・踏み戻し周期が長い。このため、図11および図12に示したブレーキスイッチ・オン時上昇圧力Ponあるいはブレーキスイッチ・オフ時上昇圧力Poffによる増加は時間の経過と共に消滅する。そして、図13に示した下降圧力Pinが十分に機能するので、ブレーキブースタ圧力BBPの上昇は比較的小さく抑えられていることが分かる。
【0126】
しかし、図15の例では、ブレーキペダル99の踏み込み・踏み戻し周期が短い。このため、図13に示した下降圧力Pinが十分に機能する前に、図11および図12に示したブレーキスイッチ・オン時上昇圧力Ponあるいはブレーキスイッチ・オフ時上昇圧力Poffによる増加がブレーキブースタ圧力BBPを押し上げる。したがって、ブレーキブースタ圧力BBPの上昇は急速に大きくなることが分かる。このように実際に対応したブレーキブースタ圧力を算出することができる。
【0127】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)〜(ニ)の効果を生じる。
(ロ).ブレーキブースタ圧力BBPを求めるためにブレーキブースタ圧力センサをブレーキブースタの第1圧力室に設けるのではなく、ブレーキペダル99の踏み込み・踏み戻し状態をブレーキスイッチ108の信号から検出して、この検出結果に基づいてブレーキブースタ圧力BBPを演算により求めている。このため、制御装置の構成を簡素化して、製造コストを抑えることができる。
【0128】
(ハ).ブレーキブースタ圧力BBPは、ブレーキペダル99の踏み込み回数、踏み戻し回数、踏み込み時間および踏み戻し時間に基づいて演算している。したがって、より的確なブレーキブースタ圧力BBPを計算により得ることができ、一層精密な制御が可能となる。
【0129】
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1,2において、変速機として手動変速機を用いていたので、エンジンと車輪との連動状態の検出は、シフト位置SHFTPがニュートラルでないとの判定とクラッチが接続状態にあることの判定であった。自動クラッチを用いた変速機でも同じである。またこのような変速機でなく、自動変速機の場合にはニュートラル「Nレンジ」でなく、かつパーキング「Pレンジ」でない状態か否かを判定する。
【0130】
・前記実施の形態2において、吸気圧PMを吸入空気量GAとエンジン回転数NEとから求めたが、サージタンク18に吸気圧センサを設けたエンジンであれば、吸気圧センサの検出値を用いれば良い。
【0131】
・前記実施の形態2においては、ブレーキスイッチ108のオン時、すなわちブレーキペダル99の踏み込み時も、ステップS460にてブレーキブースタ圧力を計算していた。しかし、ブレーキスイッチ108のオフ時の方が大きくブレーキブースタ圧に影響するので、ブレーキスイッチ108のオフ時のみ、ステップS490でブレーキブースタ圧力を計算することでも良い。
【0132】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態には、次のような形態を含むものであることを付記しておく。
(1).自動車用内燃機関が発生する負圧をブレーキブースタ圧力として導入することによりブレーキ操作力を増加するブレーキブースタを備え、内燃機関の運転中に、内燃機関停止条件が満足された場合に燃料供給を停止して内燃機関の燃焼を停止し、内燃機関始動条件が満足された場合に燃料供給を再開して内燃機関の燃焼を開始する自動車用内燃機関制御装置であって、
前記ブレーキブースタ圧力を検出するブレーキブースタ圧力検出手段と、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
内燃機関のスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、
内燃機関と車輪との連動状態を検出する連動状態検出手段と、
内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、
前記大気圧検出手段にて検出された大気圧と前記ブレーキブースタ圧力検出手段にて検出されたブレーキブースタ圧力との差が基準圧力差より大きく、前記スロットル開度検出手段にて検出されたスロットル開度が基準開度より小さく、前記連動状態検出手段にて内燃機関と車輪とが連動していると検出され、および前記機関回転数検出手段にて検出された機関回転数が基準回転数より大きい場合には、内燃機関停止条件が満足されたとして燃料供給を停止する内燃機関停止手段と、
を備えたことを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
【0133】
(2).自動車用内燃機関が発生する負圧をブレーキブースタ圧力として導入することによりブレーキ操作力を増加するブレーキブースタを備え、内燃機関の運転中に、内燃機関停止条件が満足された場合に燃料供給を停止して内燃機関の燃焼を停止し、内燃機関始動条件が満足された場合に燃料供給を再開して内燃機関の燃焼を開始する自動車用内燃機関制御装置であって、
前記ブレーキブースタ圧力を検出するブレーキブースタ圧力検出手段と、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
内燃機関のスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、
内燃機関と車輪との連動状態を検出する連動状態検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前記大気圧検出手段にて検出された大気圧と前記ブレーキブースタ圧力検出手段にて検出されたブレーキブースタ圧力との差が基準圧力差より大きく、前記スロットル開度検出手段にて検出されたスロットル開度が基準開度より小さく、前記連動状態検出手段にて内燃機関と車輪とが連動していると検出され、および前記車速検出手段にて検出された車速が基準車速より大きい場合には、内燃機関停止条件が満足されたとして燃料供給を停止する内燃機関停止手段と、
を備えたことを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
【0134】
(3).自動車用内燃機関が発生する負圧をブレーキブースタ圧力として導入することによりブレーキ操作力を増加するブレーキブースタを備え、内燃機関の運転中に、内燃機関停止条件が満足された場合に燃料供給を停止して内燃機関の燃焼を停止し、内燃機関始動条件が満足された場合に燃料供給を再開して内燃機関の燃焼を開始する自動車用内燃機関制御装置であって、
前記ブレーキブースタ圧力を検出するブレーキブースタ圧力検出手段と、
大気圧を検出する大気圧検出手段と、
内燃機関のスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、
内燃機関と車輪との連動状態を検出する連動状態検出手段と、
内燃機関の回転数を検出する機関回転数検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前記大気圧検出手段にて検出された大気圧と前記ブレーキブースタ圧力検出手段にて検出されたブレーキブースタ圧力との差が基準圧力差より大きく、前記スロットル開度検出手段にて検出されたスロットル開度が基準開度より小さく、前記連動状態検出手段にて内燃機関と車輪とが連動していると検出され、前記機関回転数検出手段にて検出された機関回転数が基準回転数より大きく、および前記車速検出手段にて検出された車速が基準車速より大きい場合には、内燃機関停止条件が満足されたとして燃料供給を停止する内燃機関停止手段と、
を備えたことを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
【0135】
(4).(1)〜(3)のいずれか記載の構成に加えて、
前記内燃機関停止手段における判定条件の内で、1つでも不満足の条件が存在した場合には、内燃機関始動条件が満足されたとして燃料供給を再開する内燃機関始動手段を備えたことを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
【0136】
(5).(1)〜(3)のいずれか記載の構成において、前記内燃機関停止手段は、前記各判定条件のすべてが満足されている状態が基準時間以上継続した場合に、内燃機関停止条件が満足されたとして燃料供給を停止することを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のエンジンおよび関連装置の概略構成を表すブロック図。
【図2】実施の形態1の制御系統のブロック図。
【図3】実施の形態1のECUが実行する自動停止始動制御処理のフローチャート。
【図4】実施の形態1のECUが実行する自動停止始動制御処理のフローチャート。
【図5】実施の形態1の作用効果の一例を表すタイミングチャート。
【図6】実施の形態1の作用効果の一例を表すタイミングチャート。
【図7】実施の形態2にてECUが実行するブレーキブースタ圧力算出処理のフローチャート。
【図8】実施の形態2にてECUが実行するブレーキスイッチ・オン時のBBP(i)算出処理のフローチャート。
【図9】実施の形態2にてECUが実行するブレーキスイッチ・オフ時のBBP(i)算出処理のフローチャート。
【図10】実施の形態2のブレーキブースタ圧力算出処理にて用いられる吸入空気量GAおよびエンジン回転数NEから吸気圧PMを求めるためのマップ説明図。
【図11】実施の形態2のブレーキブースタ圧力算出処理にて用いられる大気圧APと前回周期にて求めたブレーキブースタ圧力BBP(i−1)との差、および継続時間Tonからブレーキスイッチ・オン時上昇圧力Ponを求めるためのマップ説明図。
【図12】実施の形態2のブレーキブースタ圧力算出処理にて用いられる大気圧APと前回周期にて求めたブレーキブースタ圧力BBP(i−1)との差、および継続時間Toffからブレーキスイッチ・オフ時上昇圧力Poffを求めるためのマップ説明図。
【図13】実施の形態2のブレーキブースタ圧力算出処理にて用いられるブレーキブースタ圧力BBP(i−1)と吸気圧PMとの差から下降圧力Pinを求めるためのマップ説明図。
【図14】実施の形態2において計算で求められるブレーキブースタ圧力BBPの推移の一例を示すタイミングチャート。
【図15】実施の形態2において計算で求められるブレーキブースタ圧力BBPの推移の一例を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
4…エンジン、6…シリンダブロック、6a…シリンダヘッド、8,10,12,14…気筒、16…インテークマニホールド、18…サージタンク、20…吸気通路、22…エアクリーナ、24,26,28,30…フューエルインジェクタ、32…スロットルバルブ、34…スロットルモータ、36…スロットルセンサ、38…アクセルペダル、40…アクセルセンサ、50…ECU、50a…CPU、50b…ROM、50c…RAM、50d…バックアップRAM50e…入力回路、50f…出力回路、50g…双方向バス、60…エグゾーストマニホールド、62…排気通路、64…触媒コンバータ、66…マフラ、68…エアフローメータ、70,72,74,76…点火プラグ、70a,72a,74a,76a…イグニッションコイル、80…空燃比センサ、90…回転数センサ、92…気筒判別センサ、94…水温センサ、95…クラッチセンサ、96…シフトポジションセンサ、97…車速センサ、98…大気圧センサ、99… ブレーキペダル、99a…入力側ロッド、100…ブレーキブースタ、102…ダイヤフラム、104…第1圧力室、104a…ブレーキブースタ圧力センサ、106…第2圧力室、108…ブレーキスイッチ、110…逆止弁、112…負圧制御バルブ、114…スプリング、116…プッシュロッド、118…マスタシリンダ。

Claims (11)

  1. 自動車用内燃機関が発生する負圧をブレーキブースタ圧力として導入することによりブレーキ操作力を増加するブレーキブースタを備え、内燃機関の運転中に、内燃機関停止条件が満足された場合に燃料供給を停止して内燃機関の燃焼を停止し、内燃機関始動条件が満足された場合に燃料供給を再開して内燃機関の燃焼を開始する自動車用内燃機関制御装置であって、
    前記ブレーキブースタは、ブレーキペダルの踏み込み時に縮小する第1圧力室と、前記ブレーキペダルの踏み込み時に拡大する第2圧力室とを備え、
    前記第1圧力室内の圧力である前記ブレーキブースタ圧力は、前記ブレーキペダルの踏み込み時における前記第1圧力室の容積縮小による上昇圧力と、前記ブレーキペダルの踏み戻し時に前記第1圧力室に導入される大気圧に基づく上昇圧力と、前記ブレーキペダルの踏み込み時および踏み戻し時における前記自動車用内燃機関の前記負圧に基づく下降圧力とにより算出されるものであり、
    前記内燃機関停止条件は、次の(a)〜(d)のすべての条件が満足された場合に成立することを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
    (a)大気圧と前記ブレーキブースタ圧力との差が基準圧力差より大きい。
    (b)内燃機関のスロットル開度が基準開度より小さい。
    (c)内燃機関と車輪とが連動している。
    (d)機関回転数が基準回転数よりも大きいこと、及びこの基準回転数は、燃料供給の再開により内燃機関の運転再開が可能な値、且つアイドル回転数未満の値であること。
  2. 自動車用内燃機関が発生する負圧をブレーキブースタ圧力として導入することによりブレーキ操作力を増加するブレーキブースタを備え、内燃機関の運転中に、内燃機関停止条件が満足された場合に燃料供給を停止して内燃機関の燃焼を停止し、内燃機関始動条件が満足された場合に燃料供給を再開して内燃機関の燃焼を開始する自動車用内燃機関制御装置であって、
    前記ブレーキブースタは、ブレーキペダルの踏み込み時に縮小する第1圧力室と、前記ブレーキペダルの踏み込み時に拡大する第2圧力室とを備え、
    前記第1圧力室内の圧力である前記ブレーキブースタ圧力は、前記ブレーキペダルの踏み込み時における前記第1圧力室の容積縮小による上昇圧力と、前記ブレーキペダルの踏み戻し時に前記第1圧力室に導入される大気圧に基づく上昇圧力と、前記ブレーキペダルの踏み込み時および踏み戻し時における前記自動車用内燃機関の前記負圧に基づく下降圧力とにより算出されるものであり、
    前記内燃機関停止条件は、次の(a)〜(e)のすべての条件が満足された場合に成立することを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
    (a)大気圧と前記ブレーキブースタ圧力との差が基準圧力差より大きい。
    (b)内燃機関のスロットル開度が基準開度より小さい。
    (c)内燃機関と車輪とが連動している。
    (d)機関回転数が基準回転数よりも大きいこと、及びこの基準回転数は、燃料供給の再開により内燃機関の運転再開が可能な値、且つアイドル回転数未満の値であること。
    (e)車速が基準車速より高い。
  3. 請求項1又は2に記載の構成において、前記基準圧力差は、ブレーキ性能が確保できる圧力差に設定されていることを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
  4. 請求項1又は2に記載の構成において、前記基準開度は、車両が惰性による走行状態となるスロットル開度に設定されていることを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
  5. 請求項1又は2に記載の構成において、自動変速機が用いられている場合には、前記内燃機関と車輪との連動は、変速機のシフト位置にて判定されることを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
  6. 請求項1又は2に記載の構成において、自動変速機以外の変速機が用いられている場合には、前記内燃機関と車輪との連動は、変速機のシフト位置およびクラッチ状態にて判定されることを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
  7. 請求項2に記載の構成において、前記基準車速は、路面から受けるエネルギーにより燃料供給の再開にて内燃機関の運転再開が可能な車速に設定されていることを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の構成において、前記内燃機関始動条件は、前記内燃機関停止条件の1つ以上が不満足となった状態であることを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の構成において、前記内燃機関停止条件は、前記各条件のすべてが満足されている状態が基準時間以上継続した条件を含むことを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の構成において、前記ブレーキブースタ圧力は、
    前記ブレーキペダルの踏み込み時においては、前回算出により求めた前記ブレーキブースタ圧力に、前記第1圧力室の容積縮小による前記上昇圧力と前記下降圧力との差を加えることにより、求められ、
    前記ブレーキペダルの踏み戻し時においては、前回算出により求めた前記ブレーキブースタ圧力に、前記第1圧力室に導入される大気圧に基づく前記上昇圧力と前記下降圧力との差を加えることにより、求められることを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
  11. 請求項10に記載の構成において、
    前記ブレーキペダルの踏み込みの継続時間が長くなるほど、前記第1圧力室の容積縮小による前記上昇圧力を小さくし、
    前記ブレーキペダルの踏み戻しの継続時間が長くなるほど、前記第1圧力室に導入される大気圧に基づく前記上昇圧力を小さくすることを特徴とする自動車用内燃機関制御装置。
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