JP4084978B2 - 吊下げ式制振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの排気管等の制振対象を車体等の固定体に吊下げ支持する場合に用いられる吊下げ式制振装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、排気管を車体に吊下げ支持する場合等に用いられる吊下げ式制振装置として、例えば実公平3―55777号、実開平6―51588号、特開2000―55125号、特開2000―130501号、特開2001―263418号の各公報に示されるように種々のものが知られてている。
【0003】
この吊下げ式制振装置は、従来、例えば図13及び図14に示すように、車体下面の取付ロッドを挿通するための前後方向に貫通する第1取付孔2を有する上部の第1取付部1と、排気管の取付ロッドを挿通するための前後方向に貫通する第2取付孔6を有する下部の第2取付部5と、両取付部1,5を連結する1対のばね部9,9(側壁部)とにより環状に形成されたゴム等の弾性材からなるもので、1対のばね部9,9の弾性変形により、車両走行時の排気管の主として上下振動を抑制するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような吊下げ式制振装置においては、その動ばね定数が小さいほど排気管等の制振効果が増大するが、特定の周波数で共振により動ばね定数の増大するピークが生じるのは避けられない。そして、この動ばね定数がピークとなって排気管の制振効果の下がる周波数域が、例えば車体への振動伝達により車室内の籠もり音の生じる周波数域であると、車室内の騒音特性が悪化することとなる。
【0005】
上記特定周波数域での動ばね定数を下げるために、制振装置内にそれを構成する弾性材とは別の材料からなる剛体マスを設け、この剛体マスの同位相の振動により特定周波数での動ばね定数を下げて制振効果を得るようにすることが提案されている(例えば上記実公平3―55777号、特開2000―130501号、特開2001―263418号の各公報参照)。
【0006】
しかし、この提案のものでは、剛体マスを同位相に振動させて制振効果を得るため、動ばね定数のピークが現れた後、そのピークよりも高周波域で動ばね定数が下がる特性となり、この動ばね定数の下がった周波数域を上記籠もり音となる周波数域に一致させることが難しいという問題があった。
【0007】
また、弾性材とは別個に剛体マスを設けるため、その剛体マスの分だけ高コストになる難もある。
【0008】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、弾性材からなる吊下げ式制振装置の構造に特定の工夫を加えることにより、上記のような剛体マスを別途に設けることなく、弾性材のみの安価な構造で特定周波数域の動ばね定数を下げ得るようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、吊下げ式制振装置における1対のばね部を途中で分けて両分割部の中心部が互いにずれるようにした。
【0010】
具体的には、請求項1の発明では、固定体に取り付けられ、第1取付孔を有する上部の第1取付部と、制振対象に取り付けられ、上記第1取付孔と平行に延びる第2取付孔を有する下部の第2取付部と、両取付部を連結する1対のばね部(側壁部)とにより環状に形成された弾性材からなる吊下げ式制振装置が前提である。
【0011】
そして、上記各ばね部は、第1取付部側の第1ばね半部と、この第1ばね半部の下端部に上端部が接続された第2取付部側の第2ばね半部とに分けられてなり、上記第1ばね半部の中心部と第2ばね半部の中心部とが両ばね半部の接続部で互いにオフセットしている。
【0012】
上記の構成によると、各ばね部は、第1取付部側の第1ばね半部と第2取付部側の第2ばね半部とに分けられ、これら両ばね半部の中心部同士が該両ばね半部の接続部で互いにオフセットしているので、制振対象の振動時に該制振対象に取り付けられた第2取付部が振動したとき、この第2取付部側の第2ばね半部の振動入力に対し第1取付部側の第1ばね半部が逆位相で振動するようになり、この両ばね半部間の逆位相の振動により動ばね定数を下げることができる。そして、この逆位相の振動による動ばね定数の低下域を特定周波数域に設定することで、制振対象の特定周波数域での制振効果を高めることができる。
【0013】
しかも、各ばね部を途中で第1及び第2ばね半部に分けて、両ばね半部の中心部同士を両ばね半部の接続部でオフセットするだけで、上記制振効果が得られるので、剛体マスを別途に設ける場合に比べ、コストダウンを図ることができる。
【0014】
請求項2の発明では、上記第1ばね半部の中心部と第2ばね半部の中心部とは、第1及び第2取付孔の中心線間を通る平面と略直交する厚さ方向に沿ってオフセットしている構成とする。
【0015】
その場合、請求項3の発明では、第1ばね半部の中心部が第2ばね半部の中心部に対し内側にオフセットしている。また、請求項4の発明では、第1ばね半部の中心部が第2ばね半部の中心部に対し外側にオフセットしている
【0016】
これらの発明によると、第1及び第2ばね半部の中心部間の望ましいオフセット構造を容易に具体化することができる。
【0017】
請求項の発明では、上記第1ばね半部の下端部と第2ばね半部の上端部との接続部に、他の部分と同じ弾性材からなるマス部を設ける。こうすると、そのマス部は、第2取付部への振動入力に対し出力が逆位相で振動するようにカウンタとして作用し、この逆位相のカウンタにより、上記第1及び第2ばね半部の中心部間のオフセットによる動ばね定数の低下作用をさらに促進することができる。
【0018】
請求項の発明では、上記固定体は車体とし、制振対象は車載エンジンに接続された排気管とする。このことで、エンジンの排気管を車体に吊下げ式制振装置により吊下げ支持する場合に、低コストでもって、排気管の特定周波数域での振動を制振することができ、延いては車室内の籠もり音を低減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1及び図2は本発明の実施形態1に係る吊下げ式制振装置Aを示す。この制振装置Aは、環状に形成された弾性材としてのゴム材のみからなる総ゴム製のもので、図示しないが、固定体としての車両の車体に対し、車載エンジンに接続された制振対象としての排気管を吊下げ支持するために用いられている。
【0020】
上記制振装置Aの上部には車体に取付支持される第1取付部1が設けられている。この第1取付部1には、前後方向(図1で紙面と直交する方向。図2では左右方向)に貫通する第1取付孔2が形成されており、この第1取付孔2に、車体下面から垂下した水平方向の取付ロッド(図示せず)を挿通して係止することで、制振装置Aを上部の第1取付部1にて車体に取付支持するようになっている。
【0021】
一方、制振装置Aの下部には上記第1取付部1の略真下でそれと所定の間隔をあけた位置に、排気管に取り付けられる第2取付部5が設けられている。この第2取付部5には、上記第1取付孔2の略真下の位置に第1取付孔2と平行に前後方向に貫通する第2取付孔6が形成されており、この第2取付孔6に、排気管から上側に突出した水平方向の取付ロッド(図示せず)を挿通して係止することで、制振装置Aを下部の第2取付部5にて排気管に取り付けるようにしている。
【0022】
上記第1及び第2取付部1,5同士はそれぞれ左右1対のばね部9,9(側壁部)により連結されて一体化され、これら両取付部1,5と両ばね部9,9とにより制振装置Aが環状(詳しくは略矩形枠状)に形成されている。
【0023】
上記左右のばね部9,9は上記両取付孔2,6の中心線間を通る上下方向の平面に対し対象に形成されている。両ばね部9,9はいずれも同じ構造のもので、その略上下中央部で第1取付部1側(上側)の第1ばね半部10と第2取付部5側(下側)の第2ばね半部11とに分けられている。上記第1ばね半部10は、第1取付部1の左右両側部から左右外側(第1取付孔2から離れる側)に延びた後に下方に折れ曲がって延びるものである。一方、第2取付部5側の第2ばね半部11は、第2取付部5の左右両側部から左右外側(第2取付孔6から離れる側)に延びた後に上方に折れ曲がって延びるものであり、第1ばね半部10の下端部に第2ばね半部11の上端部が一体に接続されている。
【0024】
上記両ばね半部10,11の厚さ、つまり第1及び第2取付孔2,6の中心線間を通る上下方向の平面と略直交する水平左右方向に沿った長さは互いに同じであり、両ばね半部10,11の幅、つまり各取付孔2,6の中心線と略平行の前後方向に沿った長さも互いに同じとされている。尚、この両ばね半部10,11の幅は取付部1,5の前後方向の厚さと同じであり、制振装置Aは一定厚さの環状体からなっている。
【0025】
そして、上記第1ばね半部10の第1取付部1からの左右方向の突出量は、第2ばね半部11の第2取付部5からの同突出量よりも小さくされていて、両ばね半部10,11の接続部では第1ばね半部10の中心部10aと第2ばね半部11の中心部11aとが互いに厚さ方向(第1及び第2取付孔2,6の中心線上を通る平面と略直交する水平左右方向)に一定のオフセット量dだけオフセットしており、より詳しくは、第1ばね半部10の中心部10aが第2ばね半部11の中心部11aに対し内側にオフセット量dだけオフセットしている。
【0026】
また、上記第1ばね半部10の下端部と第2ばね半部11の上端部との接続部には、第1及び第2取付部1,5、両ばね半部10,11と同じゴム材からなるゴム製のマス部14,14,…が各ばね部9の内外側面からそれぞれ左右水平方向に突出するように設けられている。
【0027】
したがって、この実施形態においては、吊下げ式制振装置Aにおける上部の第1取付部1の第1取付孔2に車体下面の取付ロッドが挿通されて係止される一方、下部の第2取付部5の第2取付孔6に排気管の取付ロッドが挿通されて係止され、このことで排気管が制振装置Aを介して車体に吊下げ支持される。
【0028】
そして、上記吊下げ式制振装置Aにおける上部の第1取付部1と下部の第2取付部5とを連結する左右のばね部9,9の各々は、第1取付部1側の第1ばね半部10と第2取付部5側の第2ばね半部11とに分けられ、これら両ばね半部10,11の中心部10a,11a同士が厚さ方向に沿って互いにオフセットしているので、車両の走行時にその走行に伴う排気管の振動が制振装置Aに第2取付部5から入力されたとき、この第2取付部5側の第2ばね半部11の振動に対し第1取付部1側の第1ばね半部10が逆位相で振動するようになり、この両ばね半部10,11間の逆位相の振動により動ばね定数を下げることができる。この逆位相の振動による動ばね定数の低下域を、車室内の籠もり音となる特定周波数域(例えば100〜400Hz)に調整すれば、その特定周波数域での排気管の制振効果を高めて、車室内の籠もり音を低減することができる。
【0029】
また、上記第1ばね半部10の下端部と第2ばね半部11の上端部との接続部に、他の部分と同じゴム材からなるゴム製マス部14,14,…が設けられているので、その各マス部14が、第2取付部5への振動入力に対し出力を逆位相とするカウンタとして作用し、この逆位相のカウンタにより、上記第1及び第2ばね半部10,11の中心部10a,11a間のオフセットによる動ばね定数の低下作用をさらに促進することができる。
【0030】
さらに、上記制振装置Aにおける各ばね部9を途中で第1及び第2ばね半部10,11に分けて、両ばね半部10,11の中心部10a,11a同士をオフセットするだけで、上記制振効果が得られるので、制振装置Aを構成するゴム材とは別材料の剛体マスを別途に設ける場合に比べ、コストダウンを図ることができる。
【0031】
(実施形態2)
図3は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1及び図2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、マス部14の配置構成を変えたものである。
【0032】
すなわち、この実施形態では、上記実施形態1とは異なり、1対のマス部14,14が各ばね部9の外側面のみから左右水平方向に突出するように設けられている。その他は上記実施形態1と同様の構成であり、よって、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0033】
(実施形態3)
図4は実施形態3を示し、実施形態1,2では、第1ばね半部10の中心部10aを第2ばね半部11の中心部11aに対し内側にオフセットしているのに対し、逆方向にオフセットしたものである。
【0034】
すなわち、この実施形態では、第1ばね半部10の第1取付部1からの左右方向の突出量は、第2ばね半部11の第2取付部5からの同突出量よりも大きくされていて、両ばね半部10,11の接続部では、第1ばね半部10の中心部10aが第2ばね半部11の中心部11aに対し厚さ方向に外側にオフセット量dだけオフセットしている。
【0035】
この実施形態では、第1ばね半部10の下端部と第2ばね半部11の上端部との接続部にマス部14,14,…は設けられていない。その他の構成は上記実施形態1と同様であり、従って、この実施形態においても、マス部14の持つ効果を除き、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0036】
(実施形態4)
図5及び図6は実施形態4を示し、上記実施形態3の構成(図4参照)に対しマス部14を設けたものである。
【0037】
すなわち、この実施形態においては、実施形態3と同様に、第1及び第2ばね半部10,11の接続部では、第1ばね半部10の中心部10aが第2ばね半部11の中心部11aに対し厚さ方向に外側にオフセット量dだけオフセットしている。
【0038】
また、左右のばね部9,9のうち、図5で左側のばね部9の幅方向一側面(例えば前面)には一方のマス部14が、また右側のばね部9の幅方向他側面(例えば後面)には他方のマス部14がそれぞれ水平前後方向に互いに平行に突出するように設けられている。その他の構成は上記実施形態3と同様である。
【0039】
したがって、この実施形態においても上記実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0040】
(実施形態5)
図7及び図8は実施形態5を示し、両ばね半部10,11のオフセット方向を変更したものである。
【0041】
すなわち、この実施形態では、各ばね部9において、第1取付部1側の第1ばね半部10は、第1取付部1の左右両側部から左右外側に斜め下方に延びている。一方、第2取付部5側の第2ばね半部11は、第2取付部5の左右両側部から左右外側に斜め上方に延びており、第1ばね半部10の下端部と第2ばね半部11の上端部とが一体に接続されている。
【0042】
そして、図8に示すように、上記第1ばね半部10の中心部10aと第2ばね半部11の中心部11aとは、取付孔2,6の中心線と略平行の幅方向(前後方向)に沿って一定のオフセット量dだけオフセットしている。
【0043】
上記第1取付部1の前後方向中心部は第1ばね半部10の幅方向中心部10aと、また第2取付部5の前後方向中心部は第2ばね半部11の幅方向中心部11aとそれぞれ一致しており、このことで、第1及び第2取付部1,5の前後方向中心部同士は前後方向に沿って上記オフセット量dだけオフセットしている。
【0044】
さらに、上記第1ばね半部10の下端部と第2ばね半部11の上端部との接続部には、ゴム材からなるマス部14,14,…が各ばね部9の幅方向の両側面(前後面)から前後水平方向に突出するように設けられている。
【0045】
したがって、この実施形態においても、上記実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0046】
(実施形態6)
図9及び図10は実施形態6を示し、上記実施形態5の構成(図7及び図8参照)において、全てのマス部14,14,…を省略したものである。よって、この実施形態でも上記実施形態3と同様の作用効果を奏することができる。
【0047】
(他の実施形態)
尚、上記各実施形態では、各ばね部9の第1ばね半部10と第2ばね半部11との幅及び厚さはいずれも同じにしているが、両ばね半部10,11の幅又は厚さの少なくとも一方を異ならせた上で、第1ばね半部10の中心部10aと第2ばね半部11の中心部11aとを互いにオフセットさせるようにしてもよい。
【0048】
また、上記各実施形態は、排気管を車体に吊下げ支持する構造に適用したものであるが、本発明は、この実施形態の構造に限定されず、固定体に制振対象を吊下げ支持する構造に適用することができる。
【0049】
【実施例】
次に、具体的に実施した実施例について説明する。上記実施形態1の構成を有する本発明例の吊下げ式制振装置(図1及び図2参照)と、従来の制振装置(図13及び図14参照)とについて、下部の第2取付部5に対し100〜700Hzの振動を入力し、その振動が上部の第1取付部1に出力されるときの位相特性を調べたところ、図11に示す結果が得られた。この図11によると、従来例では、300Hzから500Hzの周波数域にかけて位相がマイナスとなるのに対し、本発明例では、同じ周波数域の一部で位相がプラス側に反転しており、このことで第2取付部5側の第2ばね半部11の振動に対し第1取付部1側の第1ばね半部10が逆位相で振動することが判る。
【0050】
また、上記本発明例及び従来例について動ばね定数を調べたところ、図12に示す結果が得られた。これによると、本発明例では従来例に比して、上記位相がプラス側に反転する周波数を中心とする100〜400Hzの周波数域で動ばね定数が下がっている。すなわち、この100〜400Hzの周波数域は、例えば車室内の籠もり音となる周波数域であり、この周波数域での動ばね定数を従来例よりも下げ得ることにより、車室内の籠もり音を低減できるのに有効であることが判る。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、固定体に取り付けられる上部の第1取付部と、支持対象に取り付けられる下部の第2取付部と、両取付部を連結する1対のばね部とにより環状に形成された弾性材からなる吊下げ式制振装置において、各ばね部を、第1取付部側の第1ばね半部と第2取付部側の第2ばね半部とに分け、両ばね半部の中心部間を両ばね半部の接続部で互いにオフセットしたことにより、第2取付部側の第2ばね半部の振動に対し第1取付部側の第1ばね半部が逆位相で振動して動ばね定数を下げることができ、よって、剛体マスを別途に設ける場合のようにコストアップを招くことなく、制振対象の特定周波数域での制振効果を高めることができる。
【0052】
請求項2の発明では、第1及び第2ばね半部の中心部同士を、第1及び第2取付孔の中心線間を通る平面と略直交する厚さ方向に沿ってオフセットした。また、請求項3の発明では、第1ばね半部の中心部を第2ばね半部の中心部に対し内側に、また請求項4の発明では、第1ばね半部の中心部を第2ばね半部の中心部に対し外側にそれぞれオフセットした。従って、これらの発明によると、第1及び第2ばね半部の中心部間の望ましいオフセット構造を容易に具体化できる。
【0053】
請求項の発明によると、第1ばね半部の下端部と第2ばね半部の上端部との接続部に、他の部分と同じ弾性材からなるマス部を設けたことにより、そのマス部を第2取付部への振動入力に対し出力が逆位相となるようにカウンタとして作用させて、第1及び第2ばね半部の中心部間のオフセットによる動ばね定数の低下作用をさらに促進することができる。
【0054】
請求項の発明によれば、固定体は車体とし、制振対象は車載エンジンの排気管としたことで、エンジンの排気管を車体に吊下げ式制振装置により吊下げ支持する場合に、低コストでもって、排気管の特定周波数域での振動を制振することができ、延いては車室内の籠もり音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る吊下げ式制振装置の正面図である。
【図2】 実施形態1に係る吊下げ式制振装置の側面図である。
【図3】 実施形態2に係る吊下げ式制振装置の図1相当図である。
【図4】 実施形態3に係る吊下げ式制振装置の図1相当図である。
【図5】 実施形態4に係る吊下げ式制振装置の図1相当図である。
【図6】 実施形態4に係る吊下げ式制振装置の図2相当図である。
【図7】 実施形態5に係る吊下げ式制振装置の図1相当図である。
【図8】 実施形態5に係る吊下げ式制振装置の図2相当図である。
【図9】 実施形態6に係る吊下げ式制振装置の図1相当図である。
【図10】 実施形態6に係る吊下げ式制振装置の図2相当図である。
【図11】 実施形態1の吊下げ式制振装置において周波数に応じた出力振動の位相特性を従来例と対比して示す特性図である。
【図12】 実施形態1の吊下げ式制振装置において周波数に応じた動ばね定数の特性を従来例と対比して示す特性図である。
【図13】 従来例を示す図1相当図である。
【図14】 従来例を示す図2相当図である。
【符号の説明】
A 吊下げ式制振装置
1 第1取付部
2 第1取付孔
5 第2取付部
6 第2取付孔
9 ばね部
10 第1ばね半部
10a 中心部
11 第2ばね半部
11a 中心部
14 マス部
d オフセット量

Claims (6)

  1. 固定体に取り付けられ、第1取付孔を有する上部の第1取付部と、制振対象に取り付けられ、上記第1取付孔と平行に延びる第2取付孔を有する下部の第2取付部と、両取付部を連結する1対のばね部とにより環状に形成された弾性材からなる吊下げ式制振装置において、
    上記各ばね部は、第1取付部側の第1ばね半部と、該第1ばね半部の下端部に上端部が接続された第2取付部側の第2ばね半部とに分けられてなり、
    上記第1ばね半部の中心部と第2ばね半部の中心部とが両ばね半部の接続部で互いにオフセットしていることを特徴とする吊下げ式制振装置。
  2. 請求項1の吊下げ式制振装置において、
    第1ばね半部の中心部と第2ばね半部の中心部とは、第1及び第2取付孔の中心線間を通る平面と略直交する厚さ方向に沿ってオフセットしていることを特徴とする吊下げ式制振装置。
  3. 請求項2の吊下げ式制振装置において、
    第1ばね半部の中心部が第2ばね半部の中心部に対し内側にオフセットしていることを特徴とする吊下げ式制振装置。
  4. 請求項2の吊下げ式制振装置において、
    第1ばね半部の中心部が第2ばね半部の中心部に対し外側にオフセットしていることを特徴とする吊下げ式制振装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1つの吊下げ式制振装置において、
    第1ばね半部の下端部と第2ばね半部の上端部との接続部には、他の部分と同じ弾性材からなるマス部が設けられていることを特徴とする吊下げ式制振装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1つの吊下げ式制振装置において、
    固定体は車体であり、
    制振対象は車載エンジンに接続された排気管であることを特徴とする吊下げ式制振装置。
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