JP4062205B2 - コネクタ付き多層基板 - Google Patents
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Description
また、ディジタル信号の高速化に伴ってコネクタからノイズが発生し、これがプリント基板に形成されている回路パターンや搭載されている電子部品に影響を及ぼしたりするが、別部品のコネクタではノイズの防止対策が難しい。
請求項1の発明では、2枚のプラスチック板に挟まれた少なくとも1枚のプラスチック板に切欠部を形成することによって構成されるコネクタ差込用凹部と、このコネクタ差込用凹部内に面するプラスチック板に形成された接続端子とによってコネクタが構成されるので、別部品としてのコネクタを必要とせず、安価にコネクタ付き多層基板とすることができる。
図1は本発明のコネクタ付き多層基板に相当する多層プリント配線板1を完成形態で示す。この多層プリント配線板1は、例えば携帯電話機やGPS通信衛星の受信機などの通信機器に使用されるもので、送受信回路を構成する電子ディバイス(図示せず)などが実装される。
即ち、プラスチック板2は、フレキシブルプリント板から構成され、熱可塑性樹脂、例えば結晶転移型の熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムaを基材としている。この樹脂フィルムaの成分の具体例を示すと、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂35〜65質量%、ポリマーエーテルイミド(PEI)35〜65質量%を含み、厚さは25〜75μmが好ましいとされている。このような結晶転移型の熱可塑性樹脂は、図3に示すように、例えば200℃付近では軟質となるが、それより低い温度でも高い温度でも硬質となる(更に高い温度(約400℃)では溶解する。)性状を呈し、また、高温から温度低下する際には、200℃付近でも硬質を保つ。
その後、保護フィルムd側からレーザを照射して、図2(c)に示すように、導体パターンcを底面とする有底のバイアホールeを形成する。バイアホールeの形成はレーザの出力と照射時間を調整することにより、導体パターンcに穴が開かないようにする。バイアホールeの形成に使用するレーザとしては、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザなどが考えられる。また、ドリル加工などの機械加工であっても良いが、微細な穴を明けるには、レーザが好ましい。
なお、フレキシブルプリント板gの積層の際、最下層のフレキシブルプリント板gの導体パターンcを保護するために、フレキシブルプリント板gはカバーレイヤhを最下層にしてその上に積層してゆく。また、最上層のフレキシブルプリント板gを導電パターンcが上を向くように積層した場合には、その導電パターンcを保護するためにカバーレイヤhを最上層のフレキシブルプリント板g上に載せる。
複数枚のプラスチック板2を積層時、図5(a)に示すように、3枚のプラスチック板2c〜2eの切欠部8a〜8c内に治具9を挿入し、この状態で図3(b)に示すように熱プレスを行って複数枚のプラスチック板2を相互に接着する。この熱プレス時、切欠部8a〜8c内に治具9が挿入されているので、熱プレス時に切欠部8a〜8cによって形成される空間(コネクタ差込用凹部6)が潰れることはない。そして、熱プレス後、図5(c)に示すように治具9を引き抜く。これにより、複数枚のプラスチック板2から配線板主体3が製造されると同時に、コネクタ差込用凹部6と当該凹部6内に面する接続端子7からなるコネクタ4が配線主体3に作り付けられる。
このように本実施例によれば、配線板主体3に別部品のコネクタを取り付ける方式ではなく、複数枚のプラスチック板2を積層して配線板主体3を製造する過程でコネクタを作り付けることができるので、安価にコネクタ付き多層プリント配線基板1とすることができる。
即ち、コネクタ差込用凹部6の左右両内側面には、係合部としてほぼ三角形の突条10が突設されている。この突条10は、切欠部8a〜8cを形成したプラスチック板2に、その切欠部8a〜8cの左右両内側面にほぼ三角形の突起10a〜10cを形成することによって設けられたものである。
なお、凸条10を雄側のコネクタ5に設け、凹条11をコネクタ差込用凹部6の内面に設けるようにしても良い。
これに対し、相手方の雄側のコネクタ5の上面には、被係合部としての凹部13が形成されている。このコネクタ5をコネクタ差込用凹部6内に挿入すると、突起12が弾性変形して雄側コネクタ5のコネクタ差込用凹部6内への挿入を許し、当該コネクタ5が正規の位置まで差し込まれると、突起12が復元して凹部13に係合する。これにより、コネクタ5がコネクタ差込用凹部6から不用意に抜け出ることが防止される。
なお、突起12を雄側のコネクタ5に設け、凹部13をコネクタ差込用凹部6の内面に設けるようにしても良い。
即ち、複数枚のプラスチック板2のうち、コネクタ差込用凹部6を囲む位置にあるプラスチック板に、板状のシールドパターン14a,14bを形成し、このシールドパターン14a,14bによってコネクタ差込用凹部6を上下から挟むようにしている。
即ち、この第5の実施例では、コネクタ差込用凹部6を左右から挟む位置にある複数枚のプラスチック板に互いに上下に繋がるスリット状のバイアホール15aを形成し、このバイアホール15aに導電性ペースト15bを詰めることによってシールドパターンを形成したものである。
即ち、複数枚のプラスチック板2を積層して熱プレスする際に使用する熱プレスの上型19には、ハウジング形成用のキャビティ20が形成されていると共に、このキャビティ20に溶融プラスチックを供給するためのノズル21が形成されている。一方、最上層のプラスチック板2fには、接続端子22が形成されている。
そして、複数枚のプラスチック板2の熱プレス時に上方8のキャビティ20内にプラスチック板2と同一材料からなる溶融プラスチックを供給する。これにより、配線板主体3が製造されると同時に当該配線板主体3に、ハウジング17が形成され、このハウジング17と接続端子22とによってコネクタ16が構成される。
そして、配線板主体23を構成する最上層のプラスチック板に予め接続端子38が形成されており、この接続端子38が膨出部35の凸側に位置されることによって雄側のコネクタ23が構成される。また、配線板主体26を構成する最下層のプラスチック板に予め接続端子39が形成されており、この接続端子39が一対の膨出部36及び37間の空間によって構成されるコネクタ差込用凹部40内に位置されることによって雌側のコネクタ25が構成される。
図16は本発明の第8の実施例を示す。この実施例は配線板主体41の表面の一側縁部に接続端子42を形成することによってエッジコネクタ43として構成したものである。そして、このエッジコネクタ43を構成する一側縁部の左右両側に一対の板状のガイド部44が形成されている。
このエッジコネクタ43は図16に示す基板用コネクタ45のコネクタ差込用凹部46内に差し込み接続される。このとき、ガイド部44が差し込みのためのガイドとして機能することにより、配線板主体41のエッジコネクタ43を容易に基板用コネクタ45に差し込み接続することができる。
Claims (1)
- 薄板状のプラスチック板を3枚以上積層して構成された基板主体と、
前記プラスチック板うち、他のプラスチック板に表裏両側から挟まれた少なくとも1枚のプラスチック板に形成された切欠部によって構成され、前記基板主体の側面において外側方に向って開放するコネクタ差込用凹部と、
前記プラスチック板のうち前記コネクタ差込用凹部内に面するプラスチック板に設けられ、当該コネクタ差込用凹部に差し込まれる相手側コネクタに電気的に接続される接続端子と、
前記プラスチック板のうち前記コネクタ差込用凹部内に面するプラスチック板に、当該コネクタ差込用凹部内に差し込まれた相手側のコネクタに係合して抜け止めを行う係合部と、
前記プラスチック板のうち前記コネクタ差込用凹部を上下から挟む位置にあるプラスチック板の表面に形成されたシールドパターンおよび前記プラスチック板のうち前記コネクタ差込用凹部を左右から挟む位置にある複数枚のプラスチック板に連続するように設けられたバイアホール内に形成されたシールドパターンによって前記コネクタ差込用凹部を四方から囲むように構成されたシールドパターンと
を具備してなるコネクタ付き多層基板。
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