以下、図面を参照して、本発明の回路基板及び電子機器を実施するための形態について説明する。まず、本発明の電子機器としての携帯電話機1の基本構造について説明する。図1は、第1実施形態における携帯電話機1の分解斜視図である。
図1に示すように、携帯電話機1は、筐体としての操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備える。操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、ヒンジ機構を備える連結部4を介して開閉可能に連結される。具体的には、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して連結される。これにより、携帯電話機1は、ヒンジ機構を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に動かすことが可能に構成される。つまり、携帯電話機1は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが開いた状態(開状態)と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(閉状態)とにすることができる。ここで、閉状態とは、両筐体が互いに重なるように配置された状態であり、開状態とは、両筐体が互いに重ならないように配置された状態をいう。
操作部側筐体2は、外面がフロントケース2aとリアケース2bとにより構成される。操作部側筐体2は、フロントケース2a側に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイクとしての音声入力部12とがそれぞれ露出するように構成される。
操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う操作部材としての決定操作キー15とにより構成される。操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や各種モード、或いは起動されているアプリケーション等の種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。そして、使用者が各キーを押圧することにより、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側と反対の外端部側に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1が開状態において一方の外端部側に配置される。
操作部側筐体2における一方側の側面には、外部機器(例えば、ホスト装置)と通信を行うためのインターフェース(図示せず)が配置される。操作部側筐体2の他方側の側面には、所定の機能が割り当てられているサイドキーと、外部メモリの挿入及び取り出しが行われるインターフェース(図示せず)とが配置される。インターフェースは、キャップにより覆われている。各インターフェースは、不使用時にはキャップにより覆われる。
表示部側筐体3は、外面がフロントパネル3aと、フロントケース3bと、リアケース3c(図3参照)と、リアパネル3d(図3参照)とにより構成される。表示部側筐体3には、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバとしての音声出力部22と、が外部に露出するように配置される。
表示部21は、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路と、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とから構成される。
次いで、図2及び図3により、操作部側筐体2及び表示部側筐体3の内部構造について説明する。図2は、操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。図3は、表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。
図2に示すように、操作部側筐体2は、フロントケース2aと、キー構造部40と、フレキシブル基板としてのキー基板50と、ケース体60と、基準電位パターン層75及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備える回路基板70と、バッテリリッド2cを備えたリアケース2bと、バッテリ80とを備える。キー基板50と回路基板70とは、キー基板50の一部であるFPC部90により電気的に接続される。
フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース2aとリアケース2bとの間には、キー構造部40と、FPC部90を有するキー基板50と、ケース体60と、回路基板70とが挟まれるようにして内蔵される。
フロントケース2aには、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3の表示部21と対向する内側面に、キー孔13a、14a、15aが形成される。キー孔13a、14a、15aそれぞれからは、機能設定操作キー13を構成する機能設定操作キー部材13bの押圧面、入力操作キー14を構成する入力操作キー部材14bの押圧面、及び決定操作キー15を構成する決定操作キー部材15bの押圧面が露出される。この露出した機能設定操作キー部材13b、入力操作キー部材14b及び決定操作キー部材15bの押圧面を押し下げるように押圧することで、対応するキースイッチ51、52、53それぞれに設けられる後述のメタルドーム(椀状形状)の頂点が押圧され、スイッチ端子に接触して電気的に導通する。
キー構造部40は、操作部材40Aと、補強部材としてのキーフレーム40Bと、シート部材としてのキーシート40Cと、により構成される。
操作部材40Aは、複数のキー操作部材により構成される。具体的には、機能設定操作キー部材13bと、入力操作キー部材14bと、決定操作キー部材15bとにより構成される。操作部材40Aを構成する各操作キー部材それぞれは、キーフレーム40Bを挟んでキーシート40Cに接着される。キーシート40Cに接着された各操作キー部材それぞれにおける押圧面は、上述の通り、キー孔13a、14a、15aそれぞれから外部に露出して配置される。
キーフレーム40Bは、孔部14cが複数形成された金属性の板状部材である。キーフレーム40Bは、入力操作キー部材14bの押圧による回路基板70等への悪影響を防ぐための補強部材である。また、キーフレーム40Bは導電性の部材であり、入力操作キー部材14bにおける静電気を逃がすための部材としても機能する。キーフレーム40Bに形成される複数の孔部14cには、後述するキーシート40Cに形成される凸部14dが嵌合するように配置される。そして、この凸部14dに入力操作キー部材14bが接着される。
キーシート40Cは、可撓性を有するシリコンゴム製のシート状部材である。キーシート40Cには、上述の通り、複数の凸部14dが形成される。複数の凸部14dは、キーシート40Cにおけるキーフレーム40Bが配置される側の面に形成される。この複数の凸部14dそれぞれは、後述するキースイッチ52に対応する位置に形成される。
キー基板50は、複数の絶縁基板(絶縁フィルム)の間に配線を挟みこんで形成されたフレキシブル基板である。キー基板50は、キーシート40C側の面である第1面50aに配置される複数のキースイッチ51、52、53を有する。複数のキースイッチ51、52、53、それぞれは、各操作部材40Aに対応する位置に配置される。キー基板50に配置されるキースイッチ51、52、53は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する構造になっている。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、キー基板50の表面に印刷された電気回路(図示せず)に形成されるスイッチ端子に接触して電気的に導通するように構成される。また、キー基板50における第2面50b側には、複数の電極配線が形成される。
図2に示すように、キー基板50は、キースイッチ51、52、53が配置されたメイン部分のほか、FPC部90を備える。FPC部90は、キー基板50において連結部4側に延出された部分である。FPC部90は、端部に接続部91を備える。この接続部91は、表面側と裏面側にそれぞれ第2接続端子93、94(図4、図6参照)を備える。なお、FPC部90については後に詳述する。
ケース体60は、薄型の直方体における一の広い面が開口した形状を有する導電性の部材である。ケース体60は、平板部61における開口側の面に略垂直に形成されるリブ62を有する。リブ62は、回路基板70に実装される各種電子部品のうち最も高さのある電子部品の高さと同等又はそれよりも十分に高くなるよう形成される。リブ62は、平板部61の周縁及び内側に基準電位部を構成する基準電位パターン層75に対応するように形成される。具体的には、ケース体60が回路基板70に載置された状態で、基準電位パターン層75上に配置されるようにリブ62が形成される。なお、ケース体60は、金属により形成するほか、骨格を樹脂により形成し、その表面に導体膜を形成したものでもよい。
ケース体60は、リブの底面が基準電位パターン層75に当接されることで、該基準電位パターン層75と電気的に接続される。ケース体60は、基準電位パターン層75と電気的に導通して該基準電位パターン層75と同じ大きさの電位を有するようになる。つまり、ケース体60は、シールドケースとして機能する。ケース体60は、シールドケースとして外部からの高周波等のノイズが回路基板70に配置される各種電子部品に作用するのを抑制すると共に、RF(Radio Frequency)回路、CPU回路、電源回路等から放出されるノイズを遮蔽して、他の電子部品や不図示のアンテナに接続される受信回路等に作用することを抑制する。具体的には、ケース体60におけるリブ62の底面が基準電位パターン層75上に配置されることで、後述する各回路はリブ62により囲われると共に平板部61の一部により覆われる。リブ62は、各回路における隔壁として機能し、平板部61の一部と共に各回路をシールドする。
回路基板70には、アンテナが送受信する信号を処理する信号処理部を含む不図示の各種電子部品や回路が配置される。各種電子部品は、所定の組み合わせにより複数の回路ブロックを形成する。例えば、RF回路、電源回路等を含む各種回路ブロックが形成される。また、回路基板70は、側面に開口部71を備える(図4等参照)。この開口部71については後に詳述する。
回路基板70におけるケース体60側の第1面70aには、上述の各種電子部品のほか、基準電位部を構成する基準電位パターン層75が形成される。基準電位パターン層75は、上述の各回路ブロックを区画するように形成される。基準電位パターン層75は、回路基板70の第1面70aの表面に導電性の部材を所定パターンで印刷することで形成される。
リアケース2bの一端側(図2において)には、取り外し可能なバッテリリッド2cが設けられており、バッテリ80をリアケース2bの外側から収納した後、リアケース2bに装着される。また、リアケース2bにおける一端側には、ユーザの音声を入力する不図示の音声入力部12(特にマイク)が収容される。
図3に示すように、表示部側筐体3は、フロントパネル3aと、音声出力部22と、フロントケース3bと、音声出力部22と、表示部21と、表示部21が接続されたプリント基板85と、リアケース3cと、リアパネル3dと、を備える。
表示部側筐体3は、フロントパネル3aと、フロントケース3bと、表示部21と、プリント基板85と、リアケース3cと、リアパネル3dとがそれぞれが積層的に配置される。具体的には、フロントケース3bとリアケース3cとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。
そして、フロントケース3bとリアケース3cとの間には、表示部21が接続されたプリント基板85が挟まれるようにして内蔵される。プリント基板85には、不図示のアンプと接続されるスピーカが接続される。
次に、第1実施形態における回路装置10について、キー基板50の一部であるFPC部90と回路基板70との接続構造を説明する。図4は、FPC部90と回路基板70との接続を説明するための斜視図である。図5は、FPC部90と回路基板70との実装状態を模式的に示す斜視図である。図6は、図5のA−A線断面図である。
図4に示すように、回路装置10は、回路基板70と、フレキシブル基板としてのキー基板50と、を備える。
回路基板70は、側面にFPC部90の接続部91が挿入される開口部71を備える。この開口部71は、回路基板70の一側面に形成された断面略凹形状のスリットである。開口部71は、内側にFPC部90の接続部91と電気的に接続する第1接続端子72を備える。第1接続端子72は、開口部71の内側の上面に設けられている。第1接続端子72は、回路基板70に形成された不図示のスルーホールを介して、回路基板70の第1面70aと電気的に接続されている。なお、第1接続端子72は、開口部71の内側の下面に設けられていてもよい。又は、第1接続端子72は、開口部71の内側の上面と下面の両方に設けられていてもよい。
開口部71は、例えば、回路基板70を構成する一部の部材を加工することにより作成することができる。一例を挙げると、回路基板70が複数の絶縁基板を積層したものである場合は、一部(1又は複数枚)の絶縁基板に、開口部71に対応する部位となる切り欠きを形成する。そして、この切り欠きを有する絶縁基板を厚み方向のほぼ中央に位置するようにして積層することにより、図6に示すような開口部71を有する回路基板70を作成することができる。なお、本実施形態に示す開口部71は、図4や図6に示すように、一方の端部が閉じていて、他方の端部が開いた形状となっている。しかしながら、上述の手法により、両方の端部が閉じた形状の開口部を作成することもできる。また、開口部71は、上述の手法以外にも種々の製造方法により作成することができる。
開口部71の内側に設けられる第1接続端子72は、回路基板70の表面に金属メッキ或いは金属の蒸着等の手法により形成することができる。例えば、上述のように、回路基板70が複数の絶縁基板を積層したものである場合は、一部の絶縁基板の表面に、あらかじめ第1接続端子72となる金属膜を形成する。そして、上述のような切り欠きを備える絶縁基板と共に積層することにより、開口部71の内側の上面に第1接続端子72を備える回路基板70を作成することができる(図6参照)。
一方、FPC部90の接続部91は、図4に示すように、表面側に第2接続端子93を備え、裏面側に第2接続端子94を備える。このFPC部90の接続部91を、回路基板70の開口部71に挿入することにより、FPC部90と回路基板70とを電気的に接続することができる。すなわち、FPC部90の接続部91を、回路基板70の開口部71に挿入すると、回路基板70の開口部71に設けられた第1接続端子72と、接続部91の第2接続端子93とが相互に接触して、回路基板70の第1面70aは、FPC部90と電気的に導通することになる。なお、本実施形態において、接続部91の裏面側に設けられた第2接続端子94は、第1接続端子72との電気的な接続に関与していない。
上記のように構成された回路基板70とFPC部90とを、図5に示すような実装状態とするには、例えば、ケース体60の上面にキー基板50を載置した後、図5及び図6に示すように、FPC部90の部分を湾曲させて、図4に示すように、FPC部90の先端にある接続部91を回路基板70の開口部71に挿入する。或いは、図4に示すように、FPC部90の先端にある接続部91を回路基板70の開口部71に挿入した後、FPC部90の部分を湾曲させて、図5及び図6に示すように、ケース体60の上面にキー基板50を載置するようにしてもよい。
なお、回路基板70の開口部71の厚み方向の隙間寸法を適宜に設定することにより、回路基板70の開口部71に挿入するだけで、FPC部90の接続部91を開口部71の内側に固定することができる。なお、携帯電話機1(図2参照)のように、操作部側筺体2と、その内部に配設されるキー基板50、ケース体60、回路基板70などの部品との隙間が狭い場合には、キー基板50、ケース体60及び回路基板70を、図5に示す実装状態のまま操作部側筺体2内に組み込むことにより、FPC部90の接続部91が開口部71から抜けないようにすることができる。
また、FPC部90の接続部91を、回路基板70の開口部71の内側に接着部材により固定してもよい。例えば、FPC部90の接続部91に、ACF(Anisotropic Condactive Film:異方性導電フィルム)を貼り付けた後、回路基板70の開口部71に挿入して、加圧及び加熱する。或いは、FPC部90の接続部91を、回路基板70の開口部71の内側に挿入した後、ACP(Anisotropic Condactive Paste:異方性導電ペースト)を注入し、開口部71内をACPで充填して、加圧及び加熱する。このような手法により、FPC部90の接続部91を回路基板70の開口部71の内側に接着により固定することができる。なお、FPC部90の接続部91を開口部71の内側に接着するための接着部材は、上記のACFやACPに限定されるものではなく、同等に機能し得る接着部材であればどのようなものでもよい。
上記のように構成された第1実施形態の携帯電話機1によれば、以下のような効果を奏する。
回路基板70は、側面に開口部71を備えると共に、その内側にFPC部90の接続部91と電気的に接続される第1接続端子72を備える。このため、FPC部90の接続部91と接続するためのコネクタなどの部品が不要となる。これにより、コネクタなどを実装するための回路基板70上のスペースを削減することができる。したがって、回路基板70の更なる省スペース化を図ることができる。また、FPC部90の部分を湾曲させて、FPC部90の接続部91を回路基板70の開口部71に挿入することにより、FPC部90と回路基板70とを電気的に接続することができる。したがって、省スペースの中でFPC部90を回路基板70に接続することができる。
回路基板70とFPC部90との接続にコネクタなどの部品を使用しないので、部品コストを削減することができる。また、回路基板70の開口部71にFPC部90の接続部91を挿入するだけで接続が完了するため、接続作業の手間と時間を短縮することができる。
なお、回路基板70とFPC部90とを半田付けにより接続するようにした場合は、回路基板70に半田付けのための作業エリアや半田付け冶具をセットするためのスペースが必要となる。また、作業者に半田付けの技能が必要となり、接続作業にも手間と時間がかかることになる。更に、半田付け部分に掛かる熱ストレスの軽減対策が必要となる。しかしながら、本実施形態では、作業エリアや冶具をセットするためのスペースが不要となる。また、回路基板70の開口部71にFPC部90の接続部91を挿入するだけで接続が完了するため、作業者に格別な技能を必要とせず、接続作業の手間や時間も短縮することができる。更に、回路基板70とFPC部90との接続部分に熱を加えることがないので、接続部分に掛かる熱ストレスの軽減を考慮することがない。このため、回路基板70やFPC部90の設計に自由度を持たせることができる。
FPC部90の接続部91は、表面側に第2接続端子93を有し、裏面側に第2接続端子94を備える。そして、これら第2接続端子93、94のうちの少なくとも一方が開口部71の第1接続端子72と接続する。このため、FPC部90の回路基板70に対する接続の自由度を高めることができる。これによれば、FPC部90と回路基板70とを接続する際に、FPC部90の接続部91の裏表を考慮する必要がないため、組み立て作業性を向上させることができる。
また、ACFやACPなどの接着部材を用いて、FPC部90の接続部91を回路基板70の開口部71の内側で固定するようにした場合は、FPC部90の接続部91を回路基板70の開口部71内に確実に固定することができる。このため、接続端子同士の接触不良を防止することができる。
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態以後の説明では、第1実施形態と同じ構成要素に同一符号を付し、その説明を適宜に省略する。図7は、第2実施形態の構成を模式的に示す斜視図である。第2実施形態では、キー基板50を「キー基板50A」と標記する。
図7に示すように、第2実施形態のキー基板50Aは、FPC部90の根元部分の近傍に孔部54を備える。この孔部54は、キー基板50Aの内部にある不図示の配線や電子部品などに影響しない位置であって、FPC部90の接続部91が回路基板70の第1接続端子72と電気的に接続する以外の位置に形成されている。すなわち、孔部54は、キー基板50Aの電気的な性能や接続に影響しない位置に形成されている。また、ケース体60、回路基板70にも平面視において孔部54と対応する位置に、表裏面で貫通する不図示の孔部が形成されている。これらの孔部についても、ケース体60や回路基板70の電気的な性能や接続に影響しない位置に形成されている。そして、これら孔部を貫通するように、固定部材としての長ネジ101を挿入し、同じく固定部材としてのナット102を長ネジ101のネジ端から回し入れてネジ止めすることにより、キー基板50A、ケース体60、及び回路基板70を一体的に固定することができる。なお、上記の各孔部を、キー基板50Aの図示している側とは反対側の両端にも形成し、キー基板50Aの四隅をそれぞれ長ネジ101とナット102とでネジ止めにより固定するようにしてもよい。
上記のように構成された第2実施形態の携帯電話機1によれば、キー基板50Aが回路基板70に対して固定されるため、キー基板50Aの回路基板70に対するずれや傾きを防ぐことができる。したがって、FPC部90の接続部91と回路基板70との接触不良を防止することができる。
また、第2実施形態では、固定部材として長ネジ101とナット102とを用いてネジ止めする構成としたので、キー基板50A、ケース体60、及び回路基板70を一体的に固定することができる。したがって、積層された基板全体の剛性を高めることができる。
次に、第3実施形態について説明する。図8は、第3実施形態の構成を模式的に示す斜視図である。第3実施形態では、キー基板50を「キー基板50B」と標記する。
図8に示すように、第3実施形態のキー基板50Bは、FPC部90の根元部分の近傍に孔部55を備える。この孔部55は、キー基板50Bの内部にある不図示の配線や電子部品などに影響しない位置であって、FPC部90の接続部91が回路基板70の第1接続端子72と電気的に接続する以外の位置に形成されている。すなわち、孔部55は、キー基板50Bの電気的な性能や接続に影響しない位置に形成されている。また、ケース体60は、平面視において孔部55と対応する位置に、固定部材としての凸部63を備える。この凸部63は、ケース体60の一部分を突出させたものである。ただし、凸部63は、ケース体60に別体の部品を取り付けたものであってもよい。
本実施形態では、ケース体60の上面にキー基板50Bを載置する際に、孔部55と凸部63とを係合させる。そして、FPC部90を湾曲させ、FPC部90の接続部91を回路基板70の開口部71に挿入する。これにより、キー基板50Bをケース体60に対し平面方向に移動しないように固定することができる。なお、上記の孔部55と凸部63とを、キー基板50Bの図示している側とは反対側の両端にも形成し、キー基板50bの四隅をそれぞれ孔部55と凸部63とで係合させるようにしてもよい。
上記のように構成された第3実施形態の携帯電話機1によれば、キー基板50Bが回路基板70の凸部63と係合することにより平面方向への移動が抑制されるため、キー基板50Bの回路基板70に対するずれや傾きを防ぐことができる。したがって、FPC部90の接続部91と回路基板70との接触不良を防止することができる。
また、第3実施形態では、固定部材としての凸部63を孔部55に係合させる構成としたので、表裏面に貫通する孔部をケース体60及び回路基板70に形成する必要がない。このため、加工コストの増加を必要最小限とすることができる。また、固定部材による部品コストの増加を必要最小限とすることができると共に、簡単な構成でキー基板50Bの回路基板70に対するずれや傾きを防ぐことができる。
次に、第4実施形態について説明する。図9は、第4実施形態の構成を説明するための斜視図である。第4実施形態では、回路基板70を「回路基板70A」と標記する。また、開口部71を「開口部71A」と標記する。また、FPC部90を「FPC部90A」、「FPC部90B」と標記する。
本実施形態の回路基板70Aは、隣接する2つの側面に亘って連通する開口部71Aを備える。開口部71Aは、それぞれの側面に対応する内側に、第1接続端子72A、72Bを備える。このような回路基板70Aでは、開口部71AにFPC部90Aの接続部91Aを挿入することで、回路基板70Aと接続部91Aとを接続することができる。また、開口部71BにFPC部90Bの接続部91Bを挿入することで、回路基板70Aと接続部91Bとを接続することができる。FPC部90A、90Bは、同一又は異なるキー基板50から延出されたものである。図9に示すように、FPC部90Aは、接続部91Aの表面側に第2接続端子93Aを備え、裏面側に第2接続端子94Aを備える。また、FPC部90Bは、接続部91Bの表面側に第2接続端子93Bを備え、裏面側に第2接続端子94Bを備える。
上記のような第4実施形態の構成とした場合においても、コネクタなどの部品を実装するための回路基板70A上のスペースを削減して、回路基板70Aの更なる省スペース化を図ることができる。また、省スペースの中で2つのFPC部90A、90Bを回路基板70Aに接続することができる。
次に、第5から第8実施形態を、図10から図13を用いて説明する。図10は、第5実施形態の構成を説明するための斜視図である。第5実施形態では、回路基板70を「回路基板70B」と標記し、開口部71を「開口部71B」と標記する。
図10に示す回路基板70Bは、側面に2つの開口部71Bを備える。これら開口部71Bは、回路基板70Bの厚み方向に沿って2段に形成されている。また、開口部71Bは、幅方向における一方の端部が閉じていて、他方の端部が開いた形状となっている。
このような構成とした場合においても、コネクタなどの部品を実装するための回路基板70B上のスペースを削減して、回路基板70Bの更なる省スペース化を図ることができる。また、省スペースの中で2つのFPC部(不図示)を回路基板70Bに接続することができる。
図11は、第6実施形態の構成を説明するための斜視図である。第6実施形態では、回路基板70を「回路基板70C」と標記し、開口部71を「開口部71C」と標記する。図11に示す回路基板70Cは、側面に2つの開口部71Cを備える。これら開口部71Cは、回路基板70Cの厚み方向に沿って2段に形成されている。また、開口部71Cは、幅方向の両端がそれぞれ閉じた形状となっている。
このような構成とした場合においても、コネクタなどの部品を実装するための回路基板70C上のスペースを削減して、回路基板70Cの更なる省スペース化を図ることができる。また、省スペースの中で2つのFPC部(不図示)を回路基板70Cに接続することができる。更に、各開口部71Cの幅方向の両端部における剛性を高めることができる。ので、回路基板70Cの撓みなどによる接触不良の発生を抑制することができる。
図12は、第7実施形態の構成を説明するための斜視図である。第7実施形態では、回路基板70を「回路基板70D」と標記し、開口部71を「開口部71D」と標記する。図12に示す回路基板70Dは、側面に2つの開口部71Dを備える。これら開口部71Dは、回路基板70Dの幅方向の両端に形成されている。それぞれの開口部71Dは、隣接する2つの側面に亘って連通するように構成されている。すなわち、それぞれの開口部71Dは、幅方向における一方の端部が閉じていて、他方の端部が開いた形状となっている。
このような構成とした場合においても、コネクタなどの部品を実装するための回路基板70D上のスペースを削減して、回路基板70Dの更なる省スペース化を図ることができる。また、省スペースの中で2つのFPC部(不図示)を回路基板70Dに接続することができる。
図13は、第8実施形態の構成を説明するための斜視図である。第8実施形態では、回路基板70を「回路基板70E」と標記し、開口部71を「開口部71E」と標記する。図13に示す回路基板70Eは、側面に2つの開口部71Eを備える。これら開口部71Dは、回路基板70Eの幅方向に沿って2列に形成されている。また、開口部71Eは、両端部がそれぞれ閉じた形状となっている。
このような構成とした場合においても、コネクタなどの部品を実装するための回路基板70E上のスペースを削減して、回路基板70Eの更なる省スペース化を図ることができる。また、省スペースの中で2つのFPC部(不図示)を回路基板70Eに接続することができる。更に、開口部71Eの幅方向の両端部における剛性を高めることができるので、回路基板70Eの撓みなどによる接触不良の発生を抑制することができる。
上記第5から第8実施形態では、回路基板の側面に開口部を2つ形成した例について示したが、回路基板の厚みや強度に応じて、更に多くの開口部を形成することもできる。また、開口部の一方の端部が開いていて、他方の端部が閉じている開口部と、両端部が閉じている開口部とを組み合わせることも可能である。その場合は、複数の開口部を、図10及び図11に示すように、基板の厚み方向に沿って形成してもよいし、また図12及び図13に示すように、基板の幅方向に沿って形成するようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、PHS(登録商標:Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノート型パソコン、ポータブルゲーム機、携帯型オーディオのほか、操作部を備えるEL又は液晶ディスプレイなどの電子機器に適用することができる。更に、本発明の電子機器は、電子辞書、電卓、電子手帳、卓上電話機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、一般オーディオ機器などの形態で実施することができる。