JP2009158755A - 基板接続構造及び電子機器 - Google Patents

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Yuji Ishida
裕司 石田
Hideto Takegawa
秀人 竹川
Masato Harikae
正人 張替
Kazutaka Terada
一高 寺田
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Abstract

【課題】本発明は、異方導電性フィルムにより接続された回路基板とフレキシブルプリント基板とにおける接続状態を維持する固定部であって回路基板又はフレキシブルプリント基板から剥離することが抑制された固定部を有する基板接続構造及び電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】基板接続構造は、
端面310が凹凸形状331を有して形成されたキー基板50と、フレキシブルプリント基板90と、異方導電性フィルムとを備え、フレキシブルプリント基板90に形成される開孔部98と、端面310の全部又は一部と開孔部98における内面の全部又は一部とをつなぐように配置される固定部200であって、流動性を有する接着剤を固化させてキー基板50とフレキシブルプリント基板90とを固定する固定部200と、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、異方導電性フィルムを用いた基板接続構造及び該基板接続構造を備える電子機器に関する。
基板とFPC(フレキシブルプリント基板:Flexible Printed Circuit)とを接続する基板接続構造して、基板とFPCとの間にACF(異方導電性フィルム:Anisotropic Conductive Film)を配置した基板接続構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ACFを用いた基板接続構造において、FPCにおける導電部は、表層である絶縁層を除去して内層である導電層の一部を露出して形成される。この導電部は、ACFで構成される接続部により基板と接続される。ここで、対向する他の基板にFPCの一端を接続させるために湾曲部を形成した場合、接続部の外縁に対応する部分には曲げ応力が集中する。このため、導電部における接続部の外縁に対応する部分(一般的には絶縁層との境界)において、導電部(層)が割れる場合がある。
これに対し、FPCにおける導電部(層)の割れを防止するため、FPCと該基板との間にUV硬化ボンドを流し込んで固定する接続構造が提案されている。
特開2003−264353号公報
しかし、FPCと該基板との間にUV硬化ボンドを流し込んで固定する接続構造において、回路基板の端面に接着された部分が剥離してFPCがACFの近傍で折れ曲がる場合がある。この場合、FPCにおけるACFの近傍において導電層に割れが生じる場合があった。
また、回路基板とFPCとの間に十分なUV硬化ボンドを流し込むことができない場合がある。この場合、上述の剥離が生じやすくなり、上述の導電層における割れが生じやすくなる場合があった。
本発明は、異方導電性フィルムにより接続された回路基板とフレキシブルプリント基板とにおける接続状態を維持する固定部であって回路基板又はフレキシブルプリント基板から剥離することが抑制された固定部を有する基板接続構造及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、第1外縁を有すると共に一方の面における前記第1外縁側に第1導電部が形成される第1基板と、導電層及び前記導電層を被覆する絶縁層を有すると共に前記絶縁層に被覆されず前記導電層の一部が露出して形成される第2導電部が形成されるフレキシブルプリント基板と、前記第1導電部と前記第2導電部との間に配置され前記第1導電部と前記第2導電部とを接続する異方導電性フィルムと、前記フレキシブルプリント基板に形成される開孔部と、前記第1外縁における端面の全部又は一部と前記開孔部における内面の全部又は一部とをつなぐように配置される固定部であって、流動性を有する接着剤を固化させて前記第1基板における前記第1外縁側の部分と前記フレキシブルプリント基板とを固定する固定部と、を備える基板接続構造に関する。
また、前記孔外線は前記端面が凹凸形状を有して形成されていることが好ましい。
また、前記凹凸形状における凹部は、前記端面に形成される開口と、前記開口に連続して形成される窪み部と、を有し、前記窪み部は、該窪み部における前記第1外縁が延びる方向における長さが前記開口における前記第1外縁が延びる方向における長さよりも長くなるよう形成されることが好ましい。
また、前記異方導電性フィルムの外縁は、前記第1基板における前記第1外縁よりも内側の領域と対向して配置され、前記第1基板における前記第1外縁近傍であって前記フレキシブルプリント基板に対向する部分には、前記第1外縁側に向かうに従って前記フレキシブルプリント基板から離間するように形成される傾斜面が形成され、前記固定部における一部は、前記傾斜面と前記フレキシブルプリント基板との間に入り込むと共に前記傾斜面と前記フレキシブルプリント基板とをつなぐように配置されることが好ましい。
また、前記固定部は、前記開孔部に挿通される挿通部と、前記挿通部における前記第1基板側とは反対側の端部に前記フレキシブルプリント基板における前記第1基板側と反対側の面から突出して形成される前記開孔部の内径よりも径が大きい抜け止め部と、を有することが好ましい。
また、前記フレキシブルプリント基板における前記第1基板側と反対側の面には、前記抜け止め部と並んでオーバーコート部が形成されることが好ましい。
また、前記凹凸形状における凹部は、前記端面に形成される開口と、前記開口に連続して形成される窪み部と、を有し、前記窪み部は、該窪み部における前記第1外縁が延びる方向における長さが前記開口における前記第1外縁が延びる方向における長さよりも長くなるよう形成されることが好ましい。
本発明は、上述の基板接続構造を備える電子機器に関する。
本発明によれば、異方導電性フィルムにより接続された回路基板とフレキシブルプリント基板とにおける接続状態を維持する固定部であって回路基板又はフレキシブルプリント基板から剥離することが抑制された固定部を有する基板接続構造及び電子機器を提供することができる。
また、本発明によれば、フレキシブルプリント基板における導電層に割れが発生することが抑制された基板接続構造及び電子機器を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1により、電子機器としての携帯電話機1における基本構造を説明する。図1は、携帯電話機1を開いた状態における外観斜視図を示す。
図1に示すように、携帯電話機1は、筐体としての操作部側筐体2と、表示部側筐体3と、を備える。操作部側筐体2と表示部側筐体3とは、ヒンジ機構を備える連結部4を介して開閉可能に連結される。具体的には、操作部側筐体2の上端部と表示部側筐体3の下端部とは、連結部4を介して連結される。これにより、携帯電話機1は、ヒンジ機構を介して連結された操作部側筐体2と表示部側筐体3とを相対的に動かすことが可能に構成される。つまり、携帯電話機1は、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが開いた状態(開状態)と、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが折り畳まれた状態(閉状態)とにすることができる。ここで、閉状態とは、両筐体が互いに重なるように配置された状態であり、開状態とは、両筐体が互いに重ならないように配置された状態をいう。
操作部側筐体2は、外面がフロントケース2aとリアケース2bとにより構成される。操作部側筐体2は、フロントケース2a側に、操作キー群11と、携帯電話機1の使用者が通話時に発した音声が入力されるマイクとしての音声入力部12とがそれぞれ露出するように構成される。
操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメール等の文字等を入力するための入力操作キー14と、各種操作における決定や上下左右方向のスクロール等を行う操作部材としての決定操作キー15とにより構成される。操作キー群11を構成する各キーそれぞれには、操作部側筐体2と表示部側筐体3との開閉状態や各種モード、或いは起動されているアプリケーション等の種類に応じて所定の機能が割り当てられる(キー・アサイン)。そして、使用者が各キーを押圧することにより、各キーに割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
音声入力部12は、操作部側筐体2の長手方向における連結部4側と反対の外端部側に配置される。つまり、音声入力部12は、携帯電話機1が開状態において一方の外端部側に配置される。
操作部側筐体2における一方側の側面には、外部機器(例えば、ホスト装置)と通信を行うためのインターフェース(図示せず)が配置される。操作部側筐体2の他方側の側面には、所定の機能が割り当てられているサイドキーと、外部メモリの挿入及び取り出しが行われるインターフェース(図示せず)とが配置される。インターフェースは、キャップにより覆われている。各インターフェースは、不使用時にはキャップにより覆われる。
表示部側筐体3は、外面がフロントパネル3aと、フロントケース3bと、リアケース3c(図3参照)と、リアパネル3d(図3参照)とにより構成される。表示部側筐体3におけるフロントケース3bには、各種情報を表示するための表示部21と、通話の相手側の音声を出力するレシーバとしての音声出力部22と、が露出するように配置される。ここで、表示部21は、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路と、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とから構成される。
次いで、図2から図6により、操作部側筐体2及び表示部側筐体3の内部構造について説明する。図2は、操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。図3は、表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。図4は、図1におけるD−D断面図である。図5は、キー基板50とフレキシブルプリント基板90との接続構造を説明する平面図である。図6は、図5におけるS−S断面図である。
図2に示すように、操作部側筐体2は、フロントケース2aと、キー構造部40と、第1基板としてのキー基板50と、ケース体60と、基準電位パターン層75及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備える回路基板70と、バッテリリッド2cを備えたリアケース2bと、バッテリ80とを備える。キー基板50と回路基板70とは、フレキシブルプリント基板90により電気的に接続される。携帯電話機1は、キー基板50とフレキシブルプリント基板90とを電気的に接続する基板接続構造を有して構成される。
フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース2aとリアケース2bとの間には、キー構造部40と、キー基板50と、ケース体60と、回路基板70と、フレキシブルプリント基板90とが挟まれるようにして内蔵される。
フロントケース2aには、携帯電話機1を折り畳んだ状態で表示部側筐体3の表示部21と対向する内側面に、キー孔13a、14a、15aが形成される。キー孔13a、14a、15aそれぞれからは、機能設定操作キー13を構成する機能設定操作キー部材13bの押圧面、入力操作キー14を構成する入力操作キー部材14bの押圧面、及び決定操作キー15を構成する決定操作キー部材15bの押圧面が露出される。この露出した機能設定操作キー部材13b、入力操作キー部材14b及び決定操作キー部材15bの押圧面を押し下げるように押圧することで、対応するキースイッチ51、52、53それぞれに設けられる後述のメタルドーム(椀状形状)の頂点が押圧され、スイッチ端子に接触して電気的に導通する。
キー構造部40は、操作部材40Aと、補強部材としてのキーフレーム40Bと、シート部材としてのキーシート40Cと、により構成される。
操作部材40Aは、複数のキー操作部材により構成される。具体的には、機能設定操作キー部材13bと、入力操作キー部材14bと、決定操作キー部材15bとにより構成される。操作部材40Aを構成する各操作キー部材それぞれは、後述するキーフレーム40Bを挟んでキーシート40Cに接着される。キーシート40Cに接着された各操作キー部材それぞれにおける押圧面は、上述の通り、キー孔13a、14a、15aそれぞれから外部に露出して配置される。
キーフレーム40Bは、孔部14cが複数形成された金属性の板状部材である。キーフレーム40Bは、入力操作キー部材14bの押圧による回路基板70等への悪影響を防ぐための補強部材である。また、キーフレーム40Bは導電性の部材であり、入力操作キー部材14bにおける静電気を逃がすための部材としても機能する。キーフレーム40Bに形成される複数の孔部14cには、後述するキーシート40Cに形成される凸部14dが嵌合するように配置される。そして、この凸部14dに入力操作キー部材14bが接着される。
キーシート40Cは、可撓性を有するシリコンゴム製のシート状部材である。キーシート40Cには、上述の通り、複数の凸部14dが形成される。複数の凸部14dは、キーシート40Cにおけるキーフレーム40Bが配置される側の面に形成される。この複数の凸部14dそれぞれは、後述するキースイッチ52に対応する位置に形成される。
キー基板50は、キーシート40C側の面である第1面50aに配置される複数のキースイッチ51、52、53を有する。複数のキースイッチ51、52、53、それぞれは、各操作部材40Aに対応する位置に配置される。キー基板50に配置されるキースイッチ51、52、53は、椀状に湾曲して立体的に形成された金属板のメタルドームを有する構造になっている。メタルドームは、その椀状形状の頂点が押圧されると、キー基板50の表面に印刷された電気回路(図示せず)に形成されるスイッチ端子に接触して電気的に導通するように構成される。なお、キー基板50は、複数の絶縁層(絶縁フィルム)の間に配線を挟み込んだものである。
図2に示すように、キー基板50における第1面50aと反対側の面である第2面50bには、フレキシブルプリント基板90における一端90Aが接続される。具体的には、図4に示すように、フレキシブルプリント基板90は、一端90Aにおける第1面90a側が異方導電性フィルム100によりキー基板50に接続される。フレキシブルプリント基板90は、他端90Bが回路基板70における第2面70bに実装されたコネクタ77に取り付けられる。これにより、フレキシブルプリント基板90は、一端90Aから他端90Bとの間の部分に第1面90aと反対側の第2面90bを内側にして湾曲軸を中心に湾曲される湾曲部94を有して構成される。ここで、フレキシブルプリント基板90は、導電層としての金メッキ層193及び銅パターン層195と、該導電層の両面に配置される絶縁層としてのカバーレイ191、197とを有して構成される。
詳細には、キー基板50における第2面50bには、第1導電部としてのキー基板側導電部57が形成される。フレキシブルプリント基板90における一端90Aの第1面90aには、キー基板側導電部57に対向するように配置される第2導電部としてのFPC側導電部91が形成される。FPC側導電部91は、絶縁層としてのカバーレイ191を取り除くことで形成される。FPC側導電部91は、金メッキ層193の一部が露出されて形成される。また、FPC側導電部91において、銅パターン層195における一方側の外側には金メッキ層193が配置され、他方側の外側にはカバーレイ197が配置される。
図4に示すように、フレキシブルプリント基板90は、他端90Bがケース体60を挟んでキー基板50と対向して配置される回路基板70に配置されるコネクタ77に取り付けられる。上述の通り、フレキシブルプリント基板90は、一端90Aから他端90Bとの間の部分に第2面90bを内側にして湾曲軸を中心に湾曲される湾曲部94を有して構成される。湾曲部94は、ケース体60の外縁と回路基板70の外縁との外側を囲むように配置される。
接続部95は、フレキシブルプリント基板90に形成されたFPC側導電部91と、キー基板50に形成されたキー基板側導電部57との間に配置された異方導電性フィルム100により構成される。接続部95は、FPC側導電部91とキー基板側導電部57との間に配置された異方導電性フィルム100が熱圧着処理されることで形成される。
FPC側導電部91は、接続部95における外縁96の形状に対応してカバーレイ191が取り除かれることで形成される。
異方導電性フィルム100は、一方の面がFPC側導電部91に固定されると共に他方の面がキー基板側導電部57に固定される。言い換えると、異方導電性フィルム100は、FPC側導電部91とキー基板側導電部57とを物理的及び電気的に接続する。
湾曲部94に連続する一端90A側には、特に湾曲部94を形成する際や携帯電話機1を分解する際に、キー基板50から離間するような力が加えられる。この力がFPC側導電部91の後述する接続部95における湾曲部94側の外縁96近傍に位置する部分に集中した場合、該FPC側導電部91を構成する銅パターン層195に割れが生じる場合がある。具体的には、この力が銅パターン層195における接続部の外縁96とカバーレイ191の外縁93との間に対応する部分に割れを生じさせる場合がある。
本実施形態においては、図5又は図6に示すように、キー基板50における第1外縁300側と、フレキシブルプリント基板90とを所定の流動性を有するUV硬化性樹脂を硬化させて固定することで、上述の銅パターン層195に割れが発生することを抑制している。具体的には、以下に説明する、UV硬化性樹脂により形成される固定部200を含む基板接続構造を有することで、キー基板50とフレキシブルプリント基板90との剥離を抑制すると共に、該剥離により生じるフレキシブルプリント基板90の銅パターン層195に割れが生じることを抑制している。
図5又は図6に示すように、基板接続構造を構成する固定部200は、キー基板50の第1外縁300における端面310と開孔部98の内面とをつなぐように配置される。
固定部200は、流動性を有する状態のUV硬化性樹脂をフレキシブルプリント基板90におけるキー基板50の第1外縁300に対向する位置の近傍に滴下すると共に、紫外線を含む光を照射して該UV硬化性樹脂を硬化させることで形成される。
図5に示すように、固定部200が接着されるキー基板50の第1外縁300における端面310は、凹凸形状部311を有する。凹凸形状部311は、第1外縁300の端面310におけるフレキシブルプリント基板90と対向する部分(幅方向における一部)に形成される。凹凸形状部311は、複数のU字状に形成された凹部313を有して構成される。
複数の凹部313それぞれには、固定部200の一部を構成する複数の凸部205それぞれが嵌合するようにして配置される。複数の凸部205それぞれは、流動性を有する状態のUV硬化性樹脂が複数の凹部313それぞれに入り込んで形成される。固定部200の一部を構成する凸部205の外面は、凹部313の内面に接着される。固定部200における第1外縁300の端面310との接着面は、端面310が平面状である場合に比べて広くなっている。言い換えると、第1外縁300の端面に凹凸形状部311が形成されることで、固定部200により固定されるための接着面が広くなるよう構成されている。つまり、第1外縁300の端面310に複数の凹部313を有する凹凸形状部311を形成することで、固定部200と端面310との接着強度を向上させている。
また、図6に示すように、固定部200には、フレキシブルプリント基板90に形成された開孔部98に挿通して配置される挿通部210と、挿通部210におけるキー基板50側とは反対側の端部に第2面90bから突出して形成される抜け止め部220が形成される。
挿通部210は、流動性を有した状態のUV硬化性樹脂が開孔部98に流入して形成された部分である。挿通部210は、外周面が開孔部98の内周面に接着された状態で開孔部98に嵌合するように配置される。挿通部210の外周面が開孔部98の内周面に接着されることで、フレキシブルプリント基板90に対して加えられる固定部200をフレキシブルプリント基板90から剥離させる力に対して略平行な方向に接着領域が延びるように形成されることになる。これにより、上述の固定部200をフレキシブルプリント基板90から剥離させる力に対抗する力(接着力)が大幅に増すので、剥離が生じることを抑制できる。
抜け止め部220は、流動性を有した状態のUV硬化性樹脂が開孔部98を介して第2面90b側に流れ出ると共に、第2面90b上に沿って広がるようにして形成された部分である。抜け止め部220は、挿通部210の端部に開孔部98(挿通部210)の径よりも大きな径を有して形成される。抜け止め部220は、フレキシブルプリント基板90における第2面90bから突出して形成され、挿通部210が開孔部98から抜けることを抑制する。また、抜け止め部220は、第2面90b側の部分が該第2面90bに接着される。抜け止め部220が形成されることで、挿通部210の外周面が開孔部98の内周面から剥離した場合であっても、挿通部210が開孔部98から抜けることを抑制できる。
フレキシブルプリント基板90における第2面90bには、抜け止め部220と並んでオーバーコート部99が形成される。オーバーコート部99は、開孔部98を介して第2面90b側上に広がるV硬化性樹脂が第2面90b側に形成される信号線等の上に流れていかないようにするための部材である。
図6に示すように、異方導電性フィルム100の外縁96は、前記フレキシブルプリント基板90における第1外縁300よりも内側の領域と対向して配置される。キー基板50の第1外縁300側には、キー基板50とフレキシブルプリント基板90と異方導電性フィルム100とに囲まれた領域325が存在する。
図6に示すように、キー基板50における第1外縁300近傍であってフレキシブルプリント基板90に対向する部分には、第1外縁300側に向かうに従ってフレキシブルプリント基板90から離間する傾斜面320が形成される。流動性を有した状態のUV硬化性樹脂は、傾斜面320に当接すると共に、傾斜面320に沿ってキー基板50とフレキシブルプリント基板90との間の領域325に入り込むように流れる。
このように、キー基板50とフレキシブルプリント基板90との間の領域325に多くのUV硬化性樹脂が入り込むことで進入部230が形成される。固定部200の一部である進入部230は、キー基板50における第2面50bとフレキシブルプリント基板90における第1面90aとをつなぐように形成され、キー基板50とフレキシブルプリント基板90とを接着する。これにより、キー基板50とフレキシブルプリント基板90とを接着する部分が増えるので、キー基板50とフレキシブルプリント基板90との接着強度が増強される。
固定部200を形成するために用いられる接着剤としてのUV硬化性樹脂は、流動性を有した状態でフレキシブルプリント基板90の第1面90aに滴下される。
また、キー基板50がケース体60における平板部61に載置されるので、操作部材40Aそれぞれが押圧されることによる圧力や撓みは、ケース体60の下方に配置される回路基板70に伝達されにくい。
ケース体60は、薄型の直方体における一の広い面が開口した形状を有する導電性の部材である。ケース体60は、平板部61における開口側の面に略垂直に形成されるリブ62を有する。リブ62は、回路基板70に実装される各種電子部品のうち最も高さのある電子部品の高さと同等又はそれよりも十分に高くなるよう形成される。リブ62は、平板部61の周縁及び内側に基準電位部を構成する基準電位パターン層75に対応するように形成される。具体的には、ケース体60が回路基板70に載置された状態で、基準電位パターン層75上に配置されるようにリブ62が形成される。なお、ケース体60は、金属により形成するほか、骨格を樹脂により形成し、その表面に導体膜を形成したものでもよい。
ケース体60は、リブの底面が基準電位パターン層75に当接されることで、該基準電位パターン層75と電気的に接続される。ケース体60は、基準電位パターン層75と電気的に導通して該基準電位パターン層75と同じ大きさの電位を有するようになる。つまり、ケース体60は、シールドケースとして機能する。ケース体60は、シールドケースとして外部からの高周波等のノイズが回路基板70に配置される各種電子部品に作用するのを抑制すると共に、RF(Radio Frequency)回路、CPU回路、電源回路等から放出されるノイズを遮蔽して、他の電子部品やアンテナに接続される受信回路等に作用することを抑制する。具体的には、ケース体60におけるリブ62の底面が基準電位パターン層75上に配置されることで、後述する各回路はリブ62により囲われると共に平板部61の一部により覆われる。リブ62は、各回路における隔壁として機能し、平板部61の一部と共に各回路をシールドする。
回路基板70には、アンテナ108が送受信する信号を処理する信号処理部を含む不図示の各種電子部品や回路が配置される。各種電子部品は、所定の組み合わせにより複数の回路ブロックを形成する。例えば、RF(Radio Frequency)回路、電源回路等を含む各種回路ブロックが形成される。
回路基板70におけるケース体60側の第1面70aには、上述の各種電子部品のほか、基準電位部を構成する基準電位パターン層75が形成される。基準電位パターン層75は、上述の各回路ブロックを区画するように形成される。基準電位パターン層75は、回路基板70の第1面70aの表面に導電性の部材を所定パターンで印刷することで形成される。
リアケース2bの一端側(図2において)には、取り外し可能なバッテリリッド2cが設けられており、バッテリ80をリアケース2bの外側から収納した後、リアケース2bに装着される。また、リアケース2bにおける一端側には、ユーザの音声を入力する不図示の音声入力部12(特にマイク)が収容される。
図3に示すように、表示部側筐体3は、フロントパネル3aと、音声出力部22と、フロントケース3bと、音声出力部22と、表示部21と、表示部21が接続されたプリント基板85と、リアケース3cと、リアパネル3dと、を備える。
表示部側筐体3は、フロントパネル3aと、フロントケース3bと、表示部21と、プリント基板85と、リアケース3cと、リアパネル3dとがそれぞれが積層的に配置される。具体的には、フロントケース3bとリアケース3cとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。
そして、フロントケース3bとリアケース3cとの間には、表示部21が接続されたプリント基板85が挟まれるようにして内蔵される。プリント基板85には、不図示のアンプと接続されるスピーカが接続される。
続けて、図7から図9により、固定部200が形成される過程について説明する。
図7は、固定部200を形成するためにUV硬化性樹脂Lをフレキシブルプリント基板90上に滴下する状態を説明する図である。図8は、固定部200が形成される過程を説明する図である。図9は、固定部200が形成された状態を説明する図である。
まず、図7に示すように、フレキシブルプリント基板90の第1面90aにおけるキー基板50の第1外縁300に対向する位置近傍にUV硬化性樹脂Lを滴下させる。具体的には、フレキシブルプリント基板90の第1面90aに対して垂直方向上側に配置されるノズルNからUV硬化性樹脂Lを滴下させる。この滴下されたUV硬化性樹脂Lは、フレキシブルプリント基板90の第1面90a上に広がると共に、一部が開孔部98に流れ込んで垂直方向下側に移動する。
次いで、図8に示すように、UV硬化性樹脂Lの滴下を更に行うことで、UV硬化性樹脂Lは、フレキシブルプリント基板90の第1面90a上で更に広がり第1外縁300の端面310に当接する。また、UV硬化性樹脂Lの一部は、更に開孔部98に流れ込んで開孔部98全体を満たすと共に、滴下された側と反対側の第2面90b側に流れ出る。
続けて、図9に示すように、UV硬化性樹脂Lの滴下を更に行うことで、UV硬化性樹脂Lは、キー基板50の第1外縁300における端面310とフレキシブルプリント基板90の第1面90aとをつなぐように配置されると共に、端面310と開孔部98の内面とをつなぐように形成される。
UV硬化性樹脂Lの一部は、キー基板50における第1外縁300の端面310に沿って配置される。UV硬化性樹脂Lの一部は、端面310の凹凸形状部311を構成する複数の凹部313に入り込むと共に、傾斜面320に沿って領域325に入り込む。
また、開孔部98に流れ込んだUV硬化性樹脂Lは、フレキシブルプリント基板90の第2面90b側に流れ出でると共に、第2面90b上に沿って広がるように流れて抜け止め部220に相当する部分を形成する。
そして、上述のように配置されたUV硬化性樹脂Lに対してライト部LTから紫外線を含む光UVが所定時間照射されることで、流動性を有する状態のUV硬化性樹脂Lが硬化して上述した固定部200が形成される。
本実施形態によれば、キー基板50の第1外縁300における端面310に凹凸形状部311が形成されるので、固定部200におけるキー基板50の端面310との接着面積は、従来に比べて大きくなるよう構成される。これにより、固定部200は、キー基板50の端面310から剥離されることが抑制される。
また、本実施形態によれば、フレキシブルプリント基板90に形成された開孔部98に固定部200の一部としての挿通部210が形成されると共に、挿通部210の端部に抜け止め部220が形成される。これにより、固定部200は、フレキシブルプリント基板90の第1面90aから剥離されることが抑制される。
また、本実施形態によれば、キー基板50の第1外縁300側に傾斜面320が形成されるので、キー基板50とフレキシブルプリント基板90との間に入り込むような進入部230が形成される。これにより、固定部200は、キー基板50又はフレキシブルプリント基板90から剥離されることが抑制される。
また、本実施形態によれば、上述の通り、固定部200は、キー基板50から剥離されることが抑制されると共に、フレキシブルプリント基板90から剥離されることが抑制される。また、固定部200は、キー基板50との接着強度が強化されていると共に、フレキシブルプリント基板90との接着強度が強化されている。ここで、一方側の接着強度だけが強化された場合には、接着強度が強化されていない側において剥離が生じ、実質的に接着強度を強化したことによる剥離抑制効果が得られない態様となることがある。本実施形態においては、このような態様となることを回避でき、好適な剥離抑制効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、上述のように、固定部200がキー基板50及びフレキシブルプリント基板90から剥離されることが抑制されるので、フレキシブルプリント基板90における導電層を構成する銅パターン層195に割れが生じることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、フレキシブルプリント基板90の第2面90bに開孔部98から所定距離だけ離間した位置にオーバーコート部99が形成される。これにより、開孔部98を介して第2面90b上に流れ出たUV硬化性樹脂が信号線等を覆うように流れることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、キー基板50の第1外縁300側に傾斜面320を形成したので、フレキシブルプリント基板90上に滴下したUV硬化性樹脂がキー基板50の第1面50aにのり上がることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、キー基板50とフレキシブルプリント基板90とが上述の固定部200により固定された基板接続構造を有する携帯電話機を提供することができる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、電子機器として携帯電話機1について説明しているが、これに限定されず、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等であってもよい。
また、本実施形態において、連結部4により折り畳み可能な携帯電話機1の説明をしているが、このような折り畳み式ではなく、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3との重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転(ターン)式や、操作部側筐体2と表示部側筐体3とが一つの筐体に配置され連結部を有さない型式(ストレートタイプ)でもよい。また、携帯電話機1は、開閉及び回転可能ないわゆる2軸ヒンジタイプであってもよい。
また、本実施形態において、第1外縁300の端面310に形成される凹凸形状部311は、U字状に形成された凹部313を複数有して構成されが、これに限定されない。凹凸形状部311は、ジグザグ形状や、波状に形成されていてもよい。また、複数の凹部313それぞれは、V字状やコの字状であってもよい。
更には、複数の凹部313それぞれは、端面310に形成される開口と、開口に連続して形成され第1外縁300が延びる方向における長さ(窪みの幅)が開口の第1外縁300が延びる方向における長さ(開口の幅)よりも長く(幅広く)なるように形成されてもよい。
この場合、固定部200における第1外縁300の端面310との接着面積が広くなるだけでなく、固定部200の一部を構成する複数の凸部205それぞれの端部側が幅広い形状になると共に、上述のような形状に形成された複数の凹部313それぞれに嵌合して配置される。これにより、複数の凸部205それぞれは、単に端面310の一部に接着されているだけでなく、複数の凹部313それぞれにより抜けることが規制された状態で保持されている。よって、この場合には、固定部200がキー基板50の第1外縁300における端面310から剥離されることが更に抑制される。
携帯電話機1を開いた状態における外観斜視図である。 操作部側筐体2に内蔵される部材の分解斜視図である。 表示部側筐体3に内蔵される部材の分解斜視図である。 図1におけるD−D断面図である。 キー基板50とフレキシブルプリント基板90との接続構造を説明する平面図である。 図5におけるS−S断面図である。 固定部200を形成するためにUV硬化性樹脂Lをフレキシブルプリント基板90上に滴下する状態を説明する図である。 固定部200が形成される過程を説明する図である。 固定部200が形成された状態を説明する図である。
符号の説明
1 携帯電話機
2 操作部側筐体
3 表示部側筐体
50 キー基板(第1基板)
50b 第2面
57 キー基板側導電部(第1導電部)
90 フレキシブルプリント基板
91 FPC側導電部(第2導電部)
98 開孔部
99 オーバーコート部
100 異方導電性フィルム
200 固定部
210 挿通部
220 抜け止め部
300 第1外縁
310 端面
320 傾斜面

Claims (7)

  1. 第1外縁を有すると共に一方の面における前記第1外縁側に第1導電部が形成される第1基板と、
    導電層及び前記導電層を被覆する絶縁層を有すると共に前記絶縁層に被覆されず前記導電層の一部が露出して形成される第2導電部が形成されるフレキシブルプリント基板と、
    前記第1導電部と前記第2導電部との間に配置され前記第1導電部と前記第2導電部とを接続する異方導電性フィルムと、
    前記フレキシブルプリント基板に形成される開孔部と、
    前記第1外縁における端面の全部又は一部と前記開孔部における内面の全部又は一部とをつなぐように配置される固定部であって、流動性を有する接着剤を固化させて前記第1基板における前記第1外縁側の部分と前記フレキシブルプリント基板とを固定する固定部と、を備える基板接続構造。
  2. 前記第1外縁は、前記端面が凹凸形状を有して形成されている請求項1に記載の基板接続構造。
  3. 前記凹凸形状における凹部は、
    前記端面に形成される開口と、
    前記開口に連続して形成される窪み部と、を有し、
    前記窪み部は、該窪み部における前記第1外縁が延びる方向における長さが前記開口における前記第1外縁が延びる方向における長さよりも長くなるよう形成される請求項2に記載の基板接続構造。
  4. 前記異方導電性フィルムの外縁は、前記第1基板における前記第1外縁よりも内側の領域と対向して配置され、
    前記第1基板における前記第1外縁近傍であって前記フレキシブルプリント基板に対向する部分には、前記第1外縁側に向かうに従って前記フレキシブルプリント基板から離間するように形成される傾斜面が形成され、
    前記固定部における一部は、前記傾斜面と前記フレキシブルプリント基板との間に入り込むと共に前記傾斜面と前記フレキシブルプリント基板とをつなぐように配置される請求項1から3のいずれかに記載の基板接続構造。
  5. 前記固定部は、
    前記開孔部に挿通される挿通部と、
    前記挿通部における前記第1基板側とは反対側の端部に前記フレキシブルプリント基板における前記第1基板側と反対側の面から突出して形成される前記開孔部の内径よりも径が大きい抜け止め部と、を有する請求項1から4のいずれかに記載の基板接続構造。
  6. 前記フレキシブルプリント基板における前記第1基板側と反対側の面には、前記抜け止め部と並んでオーバーコート部が形成される請求項5に記載の基板接続構造。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の基板接続構造を備える電子機器。
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