JP4060442B2 - メモリデバイス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラッシュメモリ等の半導体を利用した不揮発性メモリデバイスに関し、特に、非同期の読み出し動作とクロックに同期した読み出し動作を切換可能にしたメモリデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体を利用したメモリデバイスは、高速にアクセスすることができ、コンピュータシステムにおいて、メインメモリやその他の高速アクセスを要求されるメモリとして利用される。一方、半導体メモリデバイスは、大容量のデータやプログラムを記憶するには不向きであり、かかる大容量メモリとしては、依然としてハードディスクが利用されている。また、半導体メモリデバイスのうち、主にメインメモリに利用されるダイナミックRAMは、電源が切られると記憶データが失われる揮発性メモリであり、一時的に保持するだけのデータやプログラムを記憶するには好適であるが、コンピュータの立ち上がり時に読み出されるBIOSや、その他のプログラムを記憶するには不向きである。
【0003】
そのような中で、電源が切られても記憶データが消失しない不揮発性メモリが注目されている。特に、不揮発性メモリを利用したフラッシュメモリは、消去動作に一定の制限があるものの、そのメモリの動作原理から電源がオフ状態でも記憶データを保持する不揮発性メモリであり、しかも、ハードディスク等の外部記憶装置に比較すると高速アクセスが可能である。したがって、近年において、コンピュータシステム内において、コンピュータの立ち上げ時に自動的に読み出されるBIOSを、かかるフラッシュメモリに記憶させることが頻繁に行われるようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
コンピュータの立ち上げ時に行われる動作には、電源オンに伴いBIOSが記憶されているフラッシュメモリが自動的にアクセスされ、そのBIOSのデータが読み出されること、更に、ハードディスク内に記憶されているオペレーティング・システム(OS)が読み出され、ダイナミックRAMで構成されるメインメモリに記憶されることなどが含まれる。そして、その後のアプリケーションプログラムの実行時には、メインメモリに記憶されているOSを逐次読みだして、ハードディスク等の外部記憶装置内のアプリケーションプログラムを実行する。近年のダイナミックRAMは、SDRAM等の様にクロックに同期して読み出し動作を行う同期型のメモリである。特に、クロックに同期して複数ビットのデータを連続して出力するバーストモードの読み出し動作は、高速読み出しには欠かせない機能である。従って、かかるバースト読み出し動作により、メインメモリ内のOSが高速に読み出される。
【0005】
一方、従来のフラッシュメモリは、非同期型のメモリであり、あるアドレスの入力に応答して一定のアクセス時間後にそのアドレスに記憶されているデータが読み出される。
【0006】
上記したOSは、通常のアプリケーションに比較してそのデータ容量は小さく、一方、フラッシュメモリの大容量化に伴い、OS程度のデータ容量であれば十分にフラッシュメモリに記憶させることができるようになってきた。もしOSがフラッシュメモリに記憶されると、ハードディスクからメインメモリへの転送動作が不要になり、コンピュータの立ち上がりに必要な時間を従来に比較して大幅に短くすることできる。ところが、従来のフラッシュメモリは非同期型であるので、システム側は、メインメモリに対するバースト読み出しと同様な読み出し動作を、OS等を記憶したフラッシュメモリに対しては行うことができない。従って、フラッシュメモリへの読み出し動作が遅いという理由で、OS等をフラッシュメモリに記憶させる提案は、さほど魅力的でない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、クロック同期型の読み出し動作を可能にするフラッシュメモリ等の不揮発性メモリデバイスを提供することにある。
【0008】
更に、本発明の目的は、バースト読み出しを可能にするフラッシュメモリ等の不揮発性メモリデバイスを提供することにある。
【0009】
更に、本発明の目的は、クロック同期型の読み出し動作と非同期型の読み出し動作の両方が可能なフラッシュメモリ等のメモリデバイスを提供することにある。
【0010】
更に、本発明の目的は、システム側から見て、従来の非同期型の読み出し動作も可能であり、メインメモリと同様なクロック同期型の読み出し動作も可能であり、必要に応じて両方の間で切換可能なフラッシュメモリを提供することにある。
【0011】
更に、本発明の目的は、非同期型の読み出し動作と、バースト読み出し動作とを適宜切換可能なフラッシュメモリを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する為に、本発明は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリデバイスにおいて、クロックに同期したバースト読み出しモードとクロックに非同期の通常読み出しモードの両方の読み出し動作を可能にした構成であり、電源投入に応答して通常読み出しモードに設定され、バースト読み出しを指令する制御信号に応答してバースト読み出しモードに設定されることを特徴とする。そのために、メモリデバイスは、内部にバーストモード切換回路を有し、このバーストモード切換回路が、電源投入に応答して出力回路を通常読み出しモードに設定し、電源投入後はクロックに非同期な読み出し動作を可能にする。更に、システム側から供給されるバーストモード制御信号に応答して、バーストモード切換回路が出力回路をバースト読み出しモードに設定する。従って、システム側は、従来のメインメモリにアクセスするのと同様な環境化で、不揮発性メモリデバイスへのバースト読み出しを実行することができる。
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明は、不揮発性のメモリセルを有するメモリデバイスにおいて、
前記メモリセルからの読み出しデータを、クロックに同期したバースト読み出し動作、またはクロックに非同期の通常読み出し動作を行う出力回路と、
電源投入時に、前記出力回路を前記通常読み出しモードに設定し、外部からの所定の制御信号に応答して、前記出力回路を前記バースト読み出しモードに設定するバーストモード切換回路とを有することを特徴とする。
【0014】
上記の発明によれば、電源投入時は、通常読み出しモードでの動作を行い、バースト読み出しモードを指令する制御信号に応答してバースト読み出しモードに設定されるので、電源投入時とその後の動作時で、クロックに非同期の動作モードとクロックに同期する動作モードとに設定することができる。
【0015】
更に、上記の目的を達成する為に、本発明は、バースト制御信号に応じて、クロックに同期した第1の読み出しモードまたは該クロックに非同期の第2の読み出しモードに切り換えられるメモリデバイスにおいて、
前記第1の読み出しモードでは、第1の制御信号が活性化レベルの時に前記クロックに同期してアドレス信号が取り込まれ、前記第1の制御信号から所定の時間後において第2の制御信号が活性化レベルの間、複数の読み出しデータが前記クロックに同期して出力され、
電源投入時に、前記バースト制御信号を第2の読み出しモードの状態に設定し、前記第1の制御信号の活性化レベルに応答して、前記バースト制御信号を第1の読み出しモードの状態に設定するバーストモード切換回路を有することを特徴とする。
【0016】
上記の発明によれば、電源投入時は強制的にクロックに非同期な通常読み出しモードでの動作を行い、その後は、バーストモード読み出しを指令する信号に応答してクロックに同期したバースト読み出しを可能にすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に従って説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲がその実施の形態に限定されるものではない。
【0018】
図1は、本発明にかかる不揮発性メモリデバイスであるフラッシュメモリが使用されるシステム例を示す図である。このシステム例は、パーソナルコンピュータ等の例であり、CPU10は、メインメモリ12、フラッシュメモリ14または16及び外部記憶装置18に、バス22を経由して接続される。外部記憶装置18は、例えばハードディスクであり、所定のインターフェース20を介してバス22に接続される。外部記憶装置18内には、オペレーティング・システム(OS)とそれ以外のアプリケーションプログラムが記録される。フラッシュメモリ16は、コンピュータが電源投入された時のブートROMとして利用され、例えばBIOSが格納される。通常は、かかるブートROMとして利用されるフラッシュメモリ16は、クロックに非同期の読み出しモードで動作する。尚、フラッシュメモリ16と14とは、いずれか一方が利用される。後述する通り、フラッシュメモリ14が、本発明にかかる不揮発性メモリデバイスで構成される。
【0019】
メインメモリ12は、例えばシンクロナスDRAM(SDRAM)等のようなクロックに同期して内部が動作する高速半導体メモリデバイスで構成される。従って、メインメモリ12は、CPU10により、或いは図示しないメモリコントローラにより制御され、少なくともクロックに同期したバースト読み出しモードで動作することが可能である。
【0020】
従って、コンピュータに電源が投入された時、CPU10は、先ずブートROMであるフラッシュメモリ16内のBIOSを読み出す。この読み出し動作は、クロックに非同期の通常の読み出しモードである。その後、外部記憶装置18内に格納されているOSが、メインメモリ12内に読み出され、CPU10は、メインメモリ12からOSを適宜読み出して、所定のアプリケーションプログラムを実行する。CPU10は、メインメモリ12から、クロックに同期した高速読み出しモードでOSを読み出す。
【0021】
ところで、本発明にかかるフラッシュメモリは、クロックに非同期の通常読み出しモードと、クロックに同期したバースト読み出しモードとの両方をサポートする。従って、上記の一般的なシステム上での使用環境では、フラッシュメモリ14内に、BIOSに加えて外部記憶装置18内のOSも記憶させることが可能になる。そして、フラッシュメモリ14は、電源投入時に、クロックに非同期の通常読み出しモードでBIOSが読み出され、その後、メインメモリと同様にクロックに同期したバースト読み出しモードでOSが読み出される。従って、CPU10は、従来のフラッシュメモリ16からのBIOS読み出し制御と、メインメモリ12からのOS読み出し制御の方法を変更する必要がない。しかも、OSは、既にフラッシュメモリ14内に記憶されているので、電源投入時に外部記憶装置18からメインメモリ12に読み出して記憶する必要がなく、コンピュータの立ち上がり時間を大幅に短縮することができる。
【0022】
上記の様に、比較的データ容量の少ないOSをフラッシュメモリ内に記憶し、そのフラッシュメモリにバースト読み出しモード機能をもたせることにより、パーソナルコンピュータ等の立ち上げ時間を短縮させることが可能になる。また、比較的データ容量の少ないアプリケーションプログラムをフラッシュメモリ内に記憶することにより、そのアプリケーションプログラムを立ち上げる時間も短くすることの可能になる。しかも、CPU10或いは図示しないメモリコントローラは、フラッシュメモリからのOSやプログラムの読み出しを、メインメモリに記憶された場合と同様にして行うことができる。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態例にかかるフラッシュメモリの構成図である。図2のフラッシュメモリは、不揮発性メモリのセルアレイ21と、そのワード線を選択する行デコーダ22と、列方向の選択を行う列デコーダ23と、列デコーダ23により選択されるビット線とセンスアンプSAとを接続する列選択回路24とを有する。更に、複数のアドレス(ADD)32を取り込み、行デコーダ22及び列デコーダ23にアドレスを供給するアドレスバッファ25と、出力ゲートトランジスタ27〜30を制御するセンスアンプデコーダ26とを有する。センスアンプデコーダ26は、4つのセンスアンプSAの出力を適宜出力バッファ31に供給する為に、出力ゲートトランジスタ27〜30のいずれかを導通状態に制御する。
【0024】
アドレスバッファ25には、アドレス(ADD)32、制御信号であるイニシャルアドレス(/IA)33及びクロック(CLK)34が供給される。また、センスアンプデコーダ26には、クロック(CLK)34、アドレスバッファからの2ビットのアドレス40及び制御信号であるバーストアドレス(/BA)36が供給される。更に、イニシャルアドレス(/IA)33と、リセット信号(/RESET)38とが供給されるバーストモード切換回路39が設けられる。このバーストモード切換回路39は、バースト制御信号(BURST)35を生成し、内部のアドレスバッファ25及びセンスアンプデコーダ26等に供給する。
【0025】
上記のセンスアンプデコーダ26と、出力ゲートトランジスタ27〜30と出力バッファ31とで出力回路が構成され、バースト制御信号に応答して、クロックに同期したバースト読み出しモードまたはクロックに非同期の通常読み出しモードのいずれかの動作で読み出しを行う。また、バースト制御信号35は、アドレスバッファ25にも供給され、アドレスバッファ25は、バースト制御信号35に応答して、外部から供給されるアドレス32をクロック34に同期して取り込む。バースト制御信号35が非バーストモードの場合は、アドレスバッファ25は、クロック34に非同期でアドレス32を取り込む。
【0026】
図3は、バースト読み出しモードのタイミングチャート図である。また、図4は、通常読み出しモードのタイミングチャート図である。図2に示したフラッシュメモリは、クロックに同期したバースト読み出しモードと、クロックに非同期の通常読み出しモードの両方で動作可能である。以下に、両読み出しモードの動作を、図3,4のタイミングチャート図を参照して説明する。
【0027】
先ず、バースト読み出しモードの時は、バーストモード切換回路39が、バースト制御信号35をバーストモード状態(Hレベル)に設定する。そして、図3に示される通り、イニシャルアドレス/IAがLレベルの期間に、クロックCLKの立ち上がりエッジに応答して、外部から供給されたアドレスADDがアドレスバッファ25に取り込まれる。この取り込まれたアドレスが、バースト読み出しの先頭アドレスとなる。アドレスバッファ25から供給されるアドレスに応じて、行デコーダが1本のワード線を選択し、列デコーダ23が4本のビット線を選択する。その結果、4ビットのデータが4つのセンスアンプSAに出力され増幅される。
【0028】
アドレスバッファ25は、更にセンスアンプデコーダ26にアドレス40を供給し、センスアンプデコーダ26は、先頭アドレスに対応した1つのセンスアンプSAを選択し、対応する出力ゲート27〜30を導通させる。その結果、先頭アドレスに対応する読み出しデータが、出力バッファ31に供給され、入出力端子37から出力される。図3のタイミングチャートによれば、イニシャルアドレス/IAがLレベルになってから3クロック後のクロックCLKの立ち上がりエッジに同期して、先頭アドレスに対応するデータDnが出力される。そして、制御信号であるバーストアドレス/BAがLレベルの期間において、クロックCLKの立ち上がりエッジに応答して、残りのセンスアンプSA内の読み出しデータが、出力バッファ31に供給される。図3の例では、バーストアドレス/BAがLレベルの間に、3つのクロックCLKの立ち上がりエッジが存在するので、読み出しデータDn+1 、Dn+2 及びDn+3 が、連続して出力される。
【0029】
上記の通り、バースト読み出しモードでは、アドレスバッファ25がアドレスADDをクロックの立ち上がりエッジに同期して取り込む動作を行い、出力回路部分は、クロックCLKの立ち上がりエッジに同期してセンスアンプのデータを出力し、更に、バーストアドレス/BAのLレベルの期間中のクロックCLKの立ち上がりエッジに応答して、残りのセンスアンプのデータを出力する。この様に、バースト読み出しでは、クロックに同期して動作し、連続して複数の読み出しデータを出力することができるので、高速読み出し動作が可能である。
【0030】
次に、クロックに非同期の通常読み出しモードでは、バーストモード切換回路39が、バースト制御信号35を通常モード(Lレベル)に設定する。それに伴い、アドレスバッファ25はクロックとは無関係に、外部から供給されたアドレスADDを取り込み、行デコーダ22及び列デコーダ23にそれらのアドレスを供給する。同様に、アドレスバッファ25は、2ビットのアドレス40をセンスアンプデコーダ26に供給する。行デコーダ22がアドレスに対応する1つのワード線を選択し、列デコーダ23がアドレスに対応する4本のビット線を選択する。そして、4つのセンスアンプSAが同時に4つのデータを読み出す。
【0031】
センスアンプデコーダ26は、供給される2ビットのアドレスに従って、1つのセンスアンプSAの出力を出力バッファ31に供給する為に、1つの出力ゲートトランジスタ27〜30を導通する。
【0032】
上記の通り、非バースト読み出しである通常読み出しモードでは、クロックに非同期にアドレスが取り込まれ、1つのデータのみが読み出される。従って、図4のタイミングチャートに示される通り、アドレスAn〜An+3 に対応するデータDn〜Dn+3 が、アドレスの供給に応答して順次読み出される。4ビットのデータを読み出す為には、4セットのアドレスを供給する必要があり、バースト読み出しモードよりも低速動作となる。
【0033】
図2に示されたフラッシュメモリは、更に、メモリセルの消去または書き込み(プログラム)モードを有する。フラッシュメモリは、ある大きなブロックの単位でメモリセルアレイのデータを一括して消去し、新たなデータの書き込みを行う。図5は、かかる消去または書き込み時のタイミングチャート図である。フラッシュメモリは、制御信号/WEがLレベルの期間に、複数の入出力端子I/Oに供給されるコマンドを取り込み、そのコマンドをデコードして、消去モードあるいは書き込みモードを検出する。かかる検出された消去或いは書き込みモードに応じて、図示しない消去回路または書き込み回路が制御される。具体的には、ワード線レベルやビット線レベルが、消去時のレベル或いは書き込み時のレベルに制御される。
【0034】
図6は、バーストモード切換回路の第1の例を示す図である。また、図7は、図6のバーストモード切換回路の動作の真理値表を示す図である。真理値表内のXは、HまたはLレベルのいずれでもよいことを意味する。
【0035】
図6のバースト切換回路内に設けられた電源判定回路50は、電源が投入された時に電源Vccのレベルを判定して、電源Vccが所定の基準レベルより低い間は、判定信号P0をLレベルにし、電源Vccが所定の基準レベルより高くなると判定信号P0をHレベルにする。また、バーストモード切換回路では、NORゲート52とインバータ53からなるラッチ回路54が、バースト制御信号(BURST)35の状態を保持する。このラッチ回路54は、電源判定信号P0とリセット信号/RESETとが入力されるNANDゲート51の出力、またはイニシャルアドレス(/IA)33によりインバータ55を経由して制御されるトランジスタ56のドレインレベルにより、反転制御される。
【0036】
このバーストモード切換回路は、図7に示される通り、電源が投入された時またはリセット動作を行った時に、自動的にバースト制御信号BURSTをLレベルに設定して、非バーストモード(通常読み出しモード)にする。また、イニシャルアドレス/IAがLレベルになると、自動的にバースト制御信号BURSTをHレベルに設定して、バースト読み出しモードにする。
【0037】
先ず、通常状態では、リセット信号/RESTはHレベルにある。そこで、電源が投入され、電源Vccの電圧が徐々に上がっていく過程で、基準値以下の間は判定信号P0=Lが出力され、NANDゲート51の出力がHレベルとなり、バースト制御信号BURSTはLレベルとなり、非バースト読み出しモード(通常読み出しモード)に設定される。この状態が、図7でのケース1の状態である。更に、電源Vccの電圧が上昇して基準値以上になると、電源判定信号P0=Hが出力され、NANDゲート51の出力がLレベルとなるが、インバータ53の出力がHレベルであるので、NORゲート52の出力であるバースト制御信号BURSTはLレベルのまま変化しない。従って、非バースト読み出し状態が、ラッチ回路54により保持される。この状態が、図7でのケース4の状態である。
【0038】
次に、バースト読み出しを行う場合は、外部からイニシャルアドレス/IAがLレベルに制御され、インバータ55の出力がHレベルになり、Nチャネルトランジスタ56を強制的に導通させ、トランジスタ56のドレイン端子57をLレベルに引き下げ、NANDゲート51の出力のLレベルとあいまって、NORゲート52の出力であるバースト制御信号BURSTをHレベルに切り替える。その結果、バースト制御信号BURSTはバースト読み出しモードに設定される。この状態は、ラッチ回路54により保持され、その後イニシャルアドレス/IAがHレベルに切り換わっても、バーストモード状態は保持される。これが、図7のケース3の状態である。
【0039】
更に、バーストモード状態から、リセット動作がされると、リセット信号/RESETがLレベルになるので、電源投入時と同様にして、バースト制御信号BURSTは、再度Lレベルに切り換えられ、非バースト読み出しモードに設定される。これが、図7のケース2の状態である。この状態がラッチ回路54により保持されるので、リセット信号/RESETがHレベルに戻っても、バースト制御信号BURST=Lの状態が保持される。そして、この状態でイニシャルアドレス/IAがLレベルになってバースト読み出しが指令されると、上記と同様に、バースト制御信号BURSTは再度Hレベルとなり、バースト読み出しモードになる。
【0040】
以上の通り、図6に示されたバーストモード切換回路によれば、電源投入時に非バースト読み出しモードに設定され、イニシャルアドレス/IA=Lによりバースト読み出しモードに切り換えられ、リセット信号/RESET=Lにより非バースト読み出しモードに切り換えられる。従って、図1のフラッシュメモリ14は、BIOSとOS等のプログラムとが記録され、電源投入時はクロックに同期しない非バースト読み出しモードで動作し、バースト読み出しを指令するとクロックに同期したバースト読み出しモードに切り換えられてメインメモリと同様な高速が読み出し動作をすることができる。かかるフラッシュメモリを利用することにより、立ち上がり時間を短縮したパーソナルコンピュータを提供することが可能になる。
【0041】
図8は、バーストモード切換回路の別の例を示す図である。図9は、図8のバーストモード切換回路の動作の真理値表を示す図である。真理値表内のXは、HまたはLレベルのいずれでもよいことを意味する。
【0042】
図8に示されたバーストモード切換回路例は、図6の例と同様に、電源判定回路50、その出力P0とリセット信号/RESETが供給されるNANDゲート51、NORゲート52とインバータ53とで構成されるラッチ回路54及びNチャネルトランジスタ56を有する。更に、Pチャネルトランジスタ57が設けられ、ライトイネーブル信号/WE、複数の入出力端子のうちに所定の入出力端子I/O、イニシャルアドレス/IA、及び複数の入出力端子I/Oに供給されるコマンドから生成されるセット信号SETにより、トランジスタ56,57が制御され、ラッチ回路54の状態が所望の状態に切り換えられる。
【0043】
電源投入時に、電源判定回路50が電源Vccの低い状態を検出して出力P0をLレベルにし、NORゲート52の出力がLレベルとなり、バースト制御信号BURSTが非バースト読み出しモード(通常読み出しモード、Lレベル)に設定される(ケース10)。また、一旦バースト読み出しモードに設定されても、リセット信号/RESETをLレベルに制御することにより、ラッチ回路54のNORゲート52の出力をLレベルに切り換えることができる(ケース11)。更に、イニシャルアドレス/IA=Lにより、NANDゲート64の出力がHレベルとなり、トランジスタ56を導通させ、NORゲート52の出力を強制的にHレベルに切り換える。その結果、バースト制御信号BURSTは、バースト読み出しモード(Hレベル)となり、その状態がラッチ回路54により保持される(ケース14)。以上の動作は、図6のバーストモード切換回路例の場合と同じである。
【0044】
図8のバーストモード切換回路は、更に、消去または書き込み(プログラム)動作時のライトイネーブル信号/WE=Lレベルに応答して、バースト制御信号BURSTをLレベルの非バースト読み出しモードに設定し、メモリをクロックに非同期の動作状態にする(ケース13)。また、このバーストモード切換回路は、複数の入出力端子I/Oに供給される所定のコマンドにより、セット信号SETをモード切換状態(Hレベル)にし、その後特定の入出力端子I/OをHレベルまたはLレベルにすることにより、バースト読み出しモードまたは非バースト読み出しモードに設定することを可能にする(ケース19,20)。
【0045】
即ち,フラッシュメモリは,図5で説明したとおり,消去または書き込み時は,ライトイネーブル信号/WE=Lレベルに応答して,所定のコマンドが与えられる。従って,ライトイネーブル信号/WE=Lレベルにより,インバータ59の出力はHレベル,NORゲート58の出力はLレベルとなり,Pチャネルトランジスタ57が導通し,NORゲート52の出力が強制的にLレベルに切り換えられる。その結果,バースト制御信号BURSTはLレベルの非バースト読み出し状態に設定され,その状態がラッチ回路54により保持される(ケース13)。従って,この状態では,フラッシュメモリはクロックに非同期の状態となる。
【0046】
図8の回路において、複数の入出力端子I/Oに所定のコマンドを入力することにより、コマンドデコーダ65がそれをデコードし、セット信号のラッチ回路66の出力SETをHレベルに保持する。この状態が、モード設定状態である。そこで、その後、特定の入出力端子I/OがHレベルになると、NANDゲート63の入力が全てHレベルとなりその出力はLレベルとなる。従って、NANDゲート64の出力がHレベルとなり、トランジスタ56が導通し、NORゲート52の出力がHレベルとなり、バースト制御信号BURSTがバースト読み出し状態(Hレベル)に設定される(ケース20)。
【0047】
更に、モード設定状態(SET=H)において、特定の入出力端子I/OがLレベルになると、ANDゲート62の入力が全てHレベルとなり、その出力がHレベルとなる。従って、NORゲート58の出力がLレベルとなり、トランジスタ57が導通し、NORゲート52の出力がLレベルとなり、バースト制御信号BURSTが非バースト読み出し状態(Lレベル)に設定され、フラッシュメモリは、クロックに非同期の状態となる(ケース19)。
【0048】
図10は、図8のバーストモード切換回路の動作のフローチャート図である。上記した通り、電源投入時(S2)に、自動的に非バーストモードに設定される(S4)。その後、バースト読み出しを指令するイニシャルアドレス/IAがLレベルになると(S6)、バースト読み出しモードに設定される(S8)。更に、消去或いは書き込み(プログラム)を指令するライトイネーブル/WEがLレベルになると(S10)、再度、非バースト読み出しモードとなり、クロックに非同期の動作となる(S12)。
【0049】
そして、複数の入出力端子I/Oに所定のコマンドが入力されると、内部のセット信号SETがHレベルとなり(S14)、その後の特定の入出力端子I/OがHレベルまたはLレベルに応じて、バースト読みだしモードまたは非バースト読みだしモードに設定される(S16,S18,S20)。また、リセット動作されてリセット信号/RESETがLレベルになると(S22)、強制的に非バースト読みだしモードに設定される(S24)。
【0050】
モード設定状態において特定の入出力端子I/Oにより、モードの設定を行う際に、セット信号SET=Hレベルにしてから後の特定の入出力端子I/OのHレベルまたはLレベルにより、モード設定が可能になるように構成される。その理由は、ライトイネーブル信号/WE=Lはコマンド入力状態を意味し、消去または書き込み時とモード設定状態でのモード設定とを区別するためである。
【0051】
フラッシュメモリ内のバースト読み出し及び通常の非同期の読み出しの動作については、一般的なSDRAM等のメモリと同様である。
【0052】
上記実施の形態例では、フラッシュメモリを例にして説明したが、本発明はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリに限定されず、それ以外の半導体を利用したメモリデバイスであって、クロックに同期したバースト読み出しモードと非同期の非バースト読み出しモードを併用することが要求されるメモリデバイスにおいて、同様に適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、メモリデバイスにおいて、クロックに同期したバースト読み出しモードと非同期の非バースト読み出しモードを併用し、電源投入時は自動的に非バースト読み出しモードになり、バースト読み出しを指令する制御信号に応答してバースト読み出しモードに切換られる。また、リセット動作によって、非バーストモードに切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる不揮発性メモリデバイスであるフラッシュメモリが使用されるシステム例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態例にかかるフラッシュメモリの構成図である。
【図3】バースト読み出しモードのタイミングチャート図である。
【図4】通常読み出しモードのタイミングチャート図である。
【図5】消去または書き込み時の簡単なタイミングチャート図である。
【図6】バーストモード切換回路の第1の例を示す図である。
【図7】図6のバーストモード切換回路の動作の真理値表を示す図である。
【図8】バーストモード切換回路の別の例を示す図である。
【図9】図8のバーストモード切換回路の動作の真理値表を示す図である。
【図10】図8のバーストモード切換回路の動作のフローチャート図である。
【符号の説明】
14 フラッシュメモリ
26 センスアンプデコーダ
SA センスアンプ
27〜30 出力ゲートトランジスタ
31 出力バッファ
I/O 入出力端子
39 バーストモード切換回路
54 ラッチ回路
Claims (4)
- バースト制御信号に応じて、クロックに同期したバースト読み出しモードまたは該クロックに非同期の通常の読み出しモードに切り換えられるメモリデバイスにおいて、
前記メモリデバイスは,通常の読み出しモードで読み出されるBIOSとバースト読み出しモードで読み出される比較的データ容量の少ないOSまたはアプリケーションプログラムを記憶した不揮発性メモリからなり、
前記バースト読み出しモードでは、第1の制御信号が活性化レベルの時に前記クロックに同期してアドレス信号が取り込まれ、前記第1の制御信号から所定の時間後において第2の制御信号が活性化レベルの間、複数の読み出しデータが前記クロックに同期して出力され、
電源投入時に、前記バースト制御信号を通常の読み出しモードの状態に設定し、前記第1の制御信号の活性化レベルに応答して、前記バースト制御信号をバースト読み出しモードの状態に設定するバーストモード切換回路を有することを特徴とするメモリデバイス。 - 請求項1において、
前記バーストモード切換回路は、リセット動作に応答して、前記バースト制御信号を前記通常の読み出しモードの状態に設定することを特徴とするメモリデバイス。 - 請求項1において、
更に、複数の入力端子を有し、
第3の制御信号が活性化レベルの時に、前記複数の入力端子に供給される消去または書き込みコマンドに応答して、メモリセルへの消去または書き込みが行われ、
前記バーストモード切換回路は、前記第3の制御信号の活性化レベルに応答して、前記バースト制御信号を前記通常の読み出しモードの状態に設定することを特徴とするメモリデバイス。 - 請求項3において、
前記バーストモード切換回路は、前記複数の入力端子に供給される所定のコマンドに応答してモード切換状態となり、更に、前記モード切換状態の時に、前記複数の入力端子のいずれかの入力端子に供給されるモード切換信号に応答して、前記バースト制御信号を、該モード切換信号に対応した前記バースト又は通常の読み出しモードに切り換え設定することを特徴とするメモリデバイス。
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