JP4049035B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハの一面側にメッキにより形成されたメッキ膜を形成するとともに、半導体ウェハをその他面側から薄肉化するようにした半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の半導体装置として、半導体基板の素子形成面である表面側およびその反対側の裏面側に電極を形成してなるものがある。具体的には、例えばIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等のパワー素子等が挙げられる。
【0003】
そして、そのようなIGBT等の半導体装置をヒートシンク等で挟み込み、半導体基板における表裏両面の電極を介してヒートシンクと半導体装置とをはんだ接続するようにした構成が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−110893号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2003−110064号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、半導体基板の表面側の電極上にメッキによりメッキ膜を形成し、ヒートシンクとのはんだ接続性やボンディングワイヤ接続性を確保するようにすることが考えられる。
【0007】
そのような半導体装置の製造方法としては、次の図7に示す方法が考えられる。図7は、従来の一般的な半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。なお、同図において、ウェハや各膜の厚さは実際のものに比べてデフォルメしてある。
【0008】
この半導体装置は、シリコン半導体等からなる半導体ウェハにおいて、チップ単位毎に、周知の半導体プロセス技術を用いて製造され、ダイシングカット等により最終的にチップに分断されることで形成される。
【0009】
ここでは、例えば半導体ウェハ100として直径6インチ、厚さ600μmのものを用いることとする。そして、熱拡散やイオン注入等により半導体ウェハ100の表面100aに素子(図示せず)を形成するとともに(素子形成工程)、アルミニウム(以下、Alという)からなるAl電極11を形成する(Al電極形成工程、図7(a)参照)。
【0010】
その上に、ポリイミド等からなる保護膜12を形成するとともに、この保護膜12に開口部12aを形成する(保護膜加工工程、図7(b)参照)。そして、この開口部12aから臨むAl電極11の表面上に、金属電極13をメッキにより形成する(表面電極形成工程、図7(c)参照)。
【0011】
ここで、通常、金属電極13は無電解Ni/Auメッキにより形成することにより、下側からNiメッキ膜13a、金メッキ膜13bが積層されたメッキ膜として構成される。
【0012】
この後、半導体ウェハ100の裏面100bを研削して薄肉化する(ウェハ薄肉化工程、図7(d)参照)。このとき、例えば半導体ウェハ100厚さが200μm程度になるように研削する。
【0013】
その後、半導体基板の表裏両面に電極を有する半導体装置の場合、例えばNi膜を含む裏面電極をスパッタ等にて形成する(裏面電極形成工程)。
【0014】
すなわち、半導体ウェハ100の裏面100bに、スパッタ等により例えばAl膜5を成膜し、さらに、Ti膜4a、Ni膜4b、Au膜4cを順次成膜する。こうして、Al/Ti/Ni/Auの4層からなる裏面電極4、5ができあがる(図7(e)参照)。
【0015】
しかる後、ダイシングカットを行い、半導体ウェハ100をチップ単位毎に分断することにより、半導体装置ができあがる。
【0016】
ところで、このようにしてできあがった半導体装置において、メッキ膜である金属電極13は、はんだ等が接合されるため、金属電極13におけるNiメッキ膜13aの膜厚が大きいものとすることが望ましい。例えば、Niメッキ膜13aの膜厚は5μm程度となる。
【0017】
これは、はんだを構成する金属(例えばSn)のNiメッキ膜13aへの拡散が生じ、Niとはんだ構成金属との合金層が形成されることではんだ接合がなされることによる。つまり、金属電極13におけるNiメッキ膜13aが薄いものであると、はんだ接合の強度が不十分となってしまうからである。
【0018】
このようなNiメッキ膜13aは、膜応力が引っ張り応力であるうえに、その膜厚が大きいので、Niメッキ膜13aの全応力が大きいものとなる。
【0019】
その結果、図8に示すように、上記製造工程において金属電極13を形成し、さらに半導体ウェハ100を研削して薄肉化した後には、半導体ウェハ100は、金属電極13側すなわち表面100a側が凹となり裏面100b側が凸となるように大きく反ることになる。
【0020】
なお、半導体ウェハ100の反りは、図8に示されるように、半導体ウェハ100の中央部から端部との間における反りtのことである。この寸法tの大きさが、反りの大きさすなわち反り量となる。
【0021】
また、この半導体ウェハ100の反りtには、半導体ウェハ100の裏面100bの研削後において当該裏面100bの表層に形成される破砕層(図示せず)も関係すると考えられる。
【0022】
この破砕層は、一般に知られているもので、研削された半導体ウェハ100の裏面100bの最外面から約10μmくらいの深さまで形成された層であり、例えばアモルファス構造等、半導体ウェハ100の結晶構造がくずれている層である。
【0023】
そして、この破砕層から何らかの応力がさらに半導体ウェハ100の裏面100bに発生することによって、半導体ウェハ100の反りtが大きくなると考えられる。
【0024】
このような半導体ウェハ100における大きな反りtは、本発明者らの検討では、数mm程度にも及んでおり、後工程での処理、検査に不具合を生じる。さらに、半導体ウェハ100をダイシングカットしてチップとした後においても、上記反りtの影響が及ぶため、半導体装置を実装する時等においても不具合が発生する。
【0025】
例えば、半導体ウェハ100として直径6インチ、厚さ600μmのものとし、金属電極13におけるNiメッキ膜13aの膜厚を7μmとした場合、金属電極形成工程後であってウェハ薄肉化工程前には、半導体ウェハ100の厚さが600μmと厚いため、ほとんど反りtは発生しない。
【0026】
しかし、この場合において、研削を行って半導体ウェハ100を厚さ200μmと薄肉化した後には、図8に示す半導体ウェハ100の反りtは3mm程度となり、例えば研削装置内での搬送ができなくなってしまう等の不具合を生じることになる。
【0027】
さらに、理由はよくわからないが、上記図7(e)に示すように、半導体ウェハ100の裏面100bにNi膜4bを形成すると、反りtが助長され、例えば、ウェハ100の反りtは5mm程度に大きくなってしまった。
【0028】
いずれにせよ、半導体ウェハが製造工程に大きく反ることは、工程の実現に障害をきたし、歩留まりや生産性の悪化につながるため、好ましくない。
【0029】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、半導体ウェハの面側にメッキによりッキ膜を形成して表面電極を形成するとともに、半導体ウェハをその面側から薄肉化し、薄肉化した裏面に裏面電極を形成するようにした半導体装置の製造方法において、半導体ウェハの反りを極力抑制できるようにすることを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体ウェハ(100)の表面(100a)側にメッキによりメッキ膜(13a)を形成して表面電極を形成するとともに、半導体ウェハ(100)を表面(100a)とは反対側の裏面(100b)側から薄肉化し、薄肉化した裏面(100b)にNi膜(4b)を含む裏面電極を形成するようにした半導体装置の製造方法であって、半導体ウェハ(100)を薄肉化する工程を行った後に、裏面電極を形成する工程を行い、この後、メッキ膜(13a)を形成して表面電極のみを形成する工程を行うことを特徴としている。
【0031】
本発明は、実験的に見出されたものであり、このように半導体ウェハ(100)を薄肉化してからメッキ膜(13a)を形成すれば、従来よりも半導体ウェハ(100)の反りを大幅に低減できることがわかった。
【0032】
よって、本発明によれば、半導体ウェハ(100)の面(100a)側にメッキによりッキ膜(13a)を形成して表面電極を形成するとともに、半導体ウェハ(100)をその面(100b)側から薄肉化し、薄肉化した裏面に裏面電極を形成するようにした半導体装置の製造方法において、半導体ウェハ(100)の反りを極力抑制することができる。
【0033】
ここで、請求項2に記載の発明のように、メッキ膜としてNiメッキ膜(13a)を形成することができる。
【0034】
また、請求項3に記載の発明のように、そのNiメッキ膜(13a)の膜厚は2μm以上であることが好ましい。
【0035】
このNiメッキ膜(13a)の膜厚を2μm未満とした場合、Niメッキ膜(13a)にはんだ接合を行ったときに、はんだ材料との合金化によるNiの消失が起こり、当該はんだ接合の強度が不十分になりやすい。はんだにより消失するNiメッキ膜(13a)の厚さは1μm程度であるが、製造上の加工誤差等を考慮すれば、Niメッキ膜(13a)の厚さは2μm以上あることが好ましい。
【0036】
また、半導体ウェハ(100)から製造された半導体チップ(10)と何らかの相手材とをメッキ膜(13a)を介して接合する場合、当該半導体チップ(10)と相手材との熱膨張係数の差が小さいほうがよい。これは、当該熱膨張係数差が大きいと、熱応力により接合部の剥離や半導体チップ(10)へのクラックの進展等が発生しやすくなるためである。
【0037】
そこで、半導体チップ(10)すなわち半導体ウェハ(100)は薄い方がよい。本発明者らが冷熱サイクル試験等を行って検討したところ、薄肉化された半導体ウェハ(100)の厚さとして200μm以下であれば、熱応力による接合部の剥離や半導体チップ(10)の破壊等が防止できることがわかった。
【0038】
このことから、請求項4に記載の発明のように、半導体ウェハ(100)の薄肉化により半導体ウェハ(100)の厚さを200μm以下とすることが好ましい。
【0039】
それによれば、請求項5に記載の発明のように、メッキ膜(13a)が、はんだ付けによって金属製のヒートシンク(20)が接合されるものであるような場合等に、熱応力による接合部の剥離や半導体チップ(10)の破壊等を防止することができる。
【0040】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る半導体装置10を用いた実装構造を示す概略断面図である。
【0042】
また、図2は、本実施形態の要部拡大図であって、(a)は図1中の半導体装置10におけるエミッタ電極2の近傍部の拡大断面図、(b)は図1中の半導体装置10におけるコレクタ電極4の一部を拡大して示す概略断面図である。
【0043】
図1に示すように、本実施形態では、半導体装置10としては、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)が形成された半導体チップ10を採用している。
【0044】
そして、この半導体チップ10の実装形態としては、半導体チップ10をその両面にはんだ付けされたヒートシンク20、30、40によって挟み込み、さらに樹脂50にてモールドした構成としている。以下、この実装形態を両面はんだ付けモールド構造ということにする。
【0045】
半導体チップ10は、シリコン半導体等の半導体基板1を本体として構成されている。この半導体基板1の厚みは例えば70μm〜400μm程度のものにすることができ、好ましくは200μm以下である。
【0046】
以下、半導体チップ10すなわち半導体基板1の外表面のうち、図1中の上面側に相当する素子形成面側の面を基板表面1aといい、基板表面1aとは反対側の面を基板裏面1bという。なお、図示しないが、半導体基板1の基板表面1a側には、熱拡散やイオン注入等により不純物拡散層が形成されることにより、いGBTを構成するトランジスタ構造の素子が形成されている。
【0047】
そして、半導体チップ10の基板表面1aにはエミッタ電極2およびゲート電極3が形成されており、基板裏面1bには裏面電極としてのコレクタ電極4が形成されている。ここで、エミッタ電極2には、はんだ60を介して第1のヒートシンク20が接合されており、さらに、第1のヒートシンク20の外側には、はんだ60を介して第2のヒートシンク30が接合されている。
【0048】
また、ゲート電極3にはボンディングワイヤ70が接続されており、このボンディングワイヤ70を介して、ゲート電極3と半導体チップ10の周辺に設けられた外部接続用のリード80とが結線され電気的に接続されている。
【0049】
また、コレクタ電極4は、はんだ60を介して第3のヒートシンク40と接合されている。ここで、はんだ60としては、鉛フリーはんだが用いられるが、例えば、鉛フリーはんだとしては、Sn−Ag−Cu系はんだやSn−Ni−Cu系はんだ等を採用することができる。
【0050】
また、ヒートシンク20、30、40は銅(Cu)等の熱伝導性に優れた材料からなるものである。ボンディングワイヤ70は、一般的なAlや金(Au)等からなるワイヤをワイヤボンディング法により形成したものである。
【0051】
ここで、エミッタ電極2およびゲート電極3の詳細な構成は図2(a)に示される。図2(a)はエミッタ電極2を表しているが、ゲート電極3も、接続相手がはんだ60とボンディングワイヤ70との違いはあるもののエミッタ電極2と同様の構成である。
【0052】
図2(a)に示すように、半導体基板1の基板表面1a上に、AlからなるAl電極11が形成されている。Al電極11は蒸着やスパッタ等の物理的気相成長法(PVD法)により形成されたAlの膜であり、例えば膜厚は1μm程度とすることができる。
【0053】
このAl電極11の上には、電気絶縁性材料からなる保護膜12が形成されている。この保護膜12は、例えばポリイミド系樹脂等の電気絶縁性材料を用いたスピンコート法により成膜することができる。
【0054】
また、この保護膜12には、Al電極11の表面を開口させる開口部12aが形成されている。この開口部12aは、例えばフォトリソグラフ技術を用いたエッチングを行うことにより形成することができる。
【0055】
そして、開口部12aから臨むAl電極11の表面上には、金属電極13が形成されている。この金属電極13は外部接続用の電極であって、エミッタ電極2においてははんだ付け用であり、ゲート電極3においてはワイヤボンディング用である。
【0056】
本実施形態では、金属電極13は、Al電極11の表面側からNiメッキ層13a、Auメッキ層13bが順次無電解メッキにより形成され積層されてなる膜すなわち無電解Ni/Auメッキ膜としている。例えば、Niメッキ層13aの厚さは5μm程度、Auメッキ層13bの厚さは0.1μm程度にすることができる。
【0057】
このように、本実施形態では、エミッタ電極2およびゲート電極3は、Al電極11と無電解Ni/Auメッキ膜である金属電極13との積層膜として構成されている。
【0058】
また、図1において、半導体基板1の基板裏面1bに形成され且つ第3のヒートシンク40とはんだ付けされているコレクタ電極4は、裏面電極として構成されるものであって、基板裏面1bの略全面にスパッタや蒸着等の物理的気相成長法(PVD法)により形成されたNi膜からなる。
【0059】
ここで、コレクタ電極4がNi膜からなることとは、コレクタ電極4がNi膜のみからなるものでもよいし、Ni膜と他の膜との積層膜からなるものでもよいことを意味する。
【0060】
図2(b)では、上記図1に示す半導体チップ10において本例のコレクタ電極4の一部が拡大して示されている。本例では、コレクタ電極4は、基板裏面1b側から順次、Al膜5、Ti(チタン)膜4a、Ni膜4b、Au膜4cがスパッタにより積層形成されたAl/Ti/Ni/Au膜としている。つまり、本例のコレクタ電極4はAl膜5も含むものである。
【0061】
例えば、Al膜5は200nm程度、Ti(チタン)膜4aは200nm程度、Ni膜4bは600nm程度、Au膜4cは100nm程度の膜厚とすることができる。
【0062】
また、半導体チップ10においては、基板表面1a側の電極2、3は、パターニングされた形状であるが、基板裏面1b側のコレクタ電極4は、基板裏面1bのほぼ全域に形成されている。
【0063】
図3は、半導体チップ10における基板表面1a側からみたときのエミッタ電極2およびゲート電極3におけるAl電極11の平面パターンの一例を示す平面図であり、Al電極11の表面には便宜上ハッチングが施してある。
【0064】
また、上記図1において、樹脂50は少なくとも第2のヒートシンク30と第3のヒートシンク40との間に充填され、当該ヒートシンク30、40間に位置する構成部品を封止している。
【0065】
ここで、リード80については、ボンディングワイヤ70との接続部が樹脂50にて封止されている。樹脂50としてはエポキシ系樹脂等、通常のモールド材料を採用することができる。
【0066】
このようにして、本実施形態における半導体チップ10の実装構造が構成されている。この実装構造では、半導体チップ10からの発熱を熱伝導性にも優れたはんだ60を介して各ヒートシンク20、30、40に伝え、放熱を行うことができるようになっている。つまり、本実施形態では、半導体チップ10の表裏両面1a、1bからの放熱が可能となっている。
【0067】
また、各ヒートシンク20、30、40は半導体チップ10との電気的な経路となっている。つまり、第1および第2のヒートシンク20、30を介して半導体チップ10のエミッタ電極2の導通が図られ、第3のヒートシンク40を介して半導体チップ10のコレクタ電極4の導通が図られるようになっている。
【0068】
次に、半導体チップ10の製造方法および製造された半導体チップ10の実装方法について、図4および図5も参照して述べる。
【0069】
図4は、本製造方法に用いる半導体ウェハ100の概略平面図であり、ダイシングライン(スクライブライン)によって多数のチップ単位Uが区画されている。図5は、半導体チップ10の製造方法を示す工程図であり、半導体ウェハ100の概略断面図として示してある。なお、同図において、ウェハや各膜の厚さは実際のものに比べてデフォルメしてある。
【0070】
まず、図4に示すように、半導体ウェハ100を用意する。図示しないが、この半導体ウェハ100の表面100aには、素子形成工程を経ることによってチップ単位毎に注入や拡散等によりトランジスタ等の素子が形成されている。
【0071】
ここでは、例えば半導体ウェハ100として直径6インチ、厚さ600μmのものを用い、薄肉化によって最終的には半導体ウェハ100の厚さを200μmにするものとする。
【0072】
次に、図5(a)に示すように、Al電極形成工程では、半導体ウェハ100の表面100aにスパッタやフォトリソグラフ技術等を用いてAl電極11を形成する。
【0073】
次に、図5(b)に示すように、保護膜加工工程では、Al電極11の上に保護膜12をスピンコート法等を用いて形成し、フォトエッチング等により保護膜12に開口部12aを形成する。
【0074】
次に、本実施形態では、図5(c)に示すように、ウェハ薄肉化工程を行い、半導体ウェハ100の裏面100bを研削して薄肉化する。この研削は一般的な研削装置を用いて行うことができ、例えば半導体ウェハ100の厚さが200μmになるように研削する。
【0075】
次に、図5(d)に示すように、裏面電極形成工程を行い、半導体ウェハ100の裏面100bに、スパッタによりAl膜5を成膜し、さらに、Ti膜4a、Ni膜4b、Au膜4cを順次成膜する。こうして、裏面電極としてのコレクタ電極4ができあがる。
【0076】
次に、図5(e)に示すように、表面電極形成工程を行い、開口部12aから臨むAl電極11の表面に、無電解メッキにより無電解Ni/Auメッキ膜としての金属電極13を形成する。
【0077】
それによって、半導体ウェハ100の表面100a側にメッキによりNiメッキ膜13aおよびAuメッキ膜13bが形成される。こうして、Al電極11および金属電極13より構成されるエミッタ電極2およびゲート電極3ができあがる。
【0078】
しかる後、ダイシングカットを行い、半導体ウェハ100をチップ単位毎に分断することにより、半導体装置としての半導体チップ10ができあがる。そして、できあがった半導体チップ10の厚さは、最終的な半導体ウェハ100の厚さであり、本例では200μmとなる。
【0079】
この半導体チップ10の実装方法は次の通りである。半導体チップ10における各電極2〜4の表面にはんだ60を配設する。そして、半導体チップ10に対して、はんだ60を介して、第1および第3のヒートシンク20、40を接合する。
【0080】
また、半導体チップ10のゲート電極3とリード80とを、ワイヤボンディングを行ってボンディングワイヤ70により電気的に接続する。そして、第1のヒートシンク20の外側に、第2のヒートシンク30をはんだ60を介して接合する。続いて、樹脂50によるモールドを行う。こうして、上記図1に示す実装構造が完成する。
【0081】
ところで、本実施形態によれば、半導体ウェハ100の一面100a側にメッキにより形成されたメッキ膜13aを形成するとともに、半導体ウェハ100を一面100aとは反対側の他面100b側から薄肉化するようにした半導体装置10の製造方法において、半導体ウェハ100を薄肉化する工程を、メッキ膜13aを形成する工程の前に行うことを主たる特徴としている。
【0082】
このように半導体ウェハ100を薄肉化してからメッキ膜13aを形成すれば、従来よりも半導体ウェハ100の反りt(上記図8参照)が大幅に低減できる。このことは、本発明者らによる実験によって確認されている。
【0083】
具体的に、上記製造方法中に示した例では、半導体ウェハ100として直径6インチ、厚さ600μmのものを用い、薄肉化によって最終的には半導体ウェハ100の厚さを200μmにするものとしている。
【0084】
この例では、保護膜加工工程までは半導体ウェハ100の反りtはほぼ0であった。そして、ウェハ薄肉化工程によって半導体ウェハ100の裏面100bを研削して、半導体ウェハ100を厚さ200μmまで薄肉化したとき、半導体ウェハ100の反りtは、裏面100bを凸として約150μmであった。
【0085】
さらに、裏面電極であるコレクタ電極4を、例えばTi膜4aの厚さ200nm程度、Ni膜4bの厚さ600nm程度、Au膜4cの厚さ100nm程度となるように形成したとき、半導体ウェハ100の反りtは、裏面100bを凸として約500μmであった。ここまでの半導体ウェハ100の反りtの度合いは、実用レベルで問題ない大きさである。
【0086】
そして、半導体ウェハ100の表面100a側に、厚さ7μmのNiメッキ膜13aおよび厚さ0.1μmのAuメッキ膜13bを形成したとき、半導体ウェハ100の反りtは、裏面100bを凸として約1mmであった。
【0087】
ここで、比較例として図6を示す。図6は、上記図7に示した製造方法において、半導体ウェハ100の表面100aに位置するNiメッキ膜13aの厚さ(図中、Ni厚と図示)を3μm、5μm、7μmと変えたときの製造工程毎の反り量(単位:μm)を示す図である。なお、この反り量は上記図8に示す反りtである。
【0088】
図6では、工程として、保護膜加工、表面電極形成、ウェハ薄肉化、裏面電極形成の各工程が挙げられており、これら各工程後における反り量が表されている。なお、図6から、Niメッキ膜13aが厚くなるほど、膜応力が大きくなり反り量も大きくなっている。
【0089】
図6に示すように、表面電極形成工程を行い、半導体ウェハ100の表面100a側にNiメッキ膜13aを形成したときには、ほぼ反り量tは0である。しかし、ウェハ薄肉化工程後は、反り量は1mmから2mm以上と大きくなり、さらに裏面電極形成工程後は、反り量は1mmから4mm以上とさらに大きくなっている。
【0090】
本発明者らの検討では、ウェハの搬送や製造装置への取り付け等を考慮すると、実用的には半導体ウェハ100の反りtを1.3mm以下に抑えることが必要である。
【0091】
従来では、この反りtを1.3mm以下に抑えることは困難であったが、本実施形態ではそれが実現できており、後工程での処理、検査ひいてはチップとしての半導体装置を実装する際の不具合の発生を防止できる。
【0092】
ここで、半導体チップ実装時の不具合とは、次のようなことである。例えば、大きな反りを持つ半導体ウェハを、仮に最終的に製造できたとしても、ダイシング後チップとした場合には、反ったチップとなってしまう。
【0093】
そして、例えば、このようなチップをリードフレーム等に組付けた場合、チップ中心とチップ端部とではんだ付けしたとき、中心部に比べ端部の強度が弱くなり、結果としてチップ全体の強度も弱くなってしまう。
【0094】
このように、本実施形態によれば、半導体ウェハ100の一面100a側にメッキにより形成されたメッキ膜13aを形成するとともに、半導体ウェハ100をその他面100b側から薄肉化するようにした半導体装置の製造方法において、半導体ウェハ100の反りtを極力抑制することができる。
【0095】
ここで、本実施形態ではメッキ膜としてNiメッキ膜13aを形成しているが、それ以外のメッキ膜でもよい。また、そのNiメッキ膜13aの場合、その膜厚は2μm以上であることが好ましい。
【0096】
このNiメッキ膜13aの膜厚を2μm未満とした場合、上記図1および図2に示す実装構造のように、Niメッキ膜13aにはんだ接合を行ったときに、はんだ60によるNiの消失、すなわちはんだ材料との合金化によるNiの消失が起こり、当該はんだ接合の強度が不十分になりやすい。
【0097】
はんだ60により消失するNiメッキ膜13aの厚さは1μm程度であるが、製造上の加工誤差等を考慮すれば、Niメッキ膜13aの厚さは2μm以上あることが好ましい。
【0098】
また、半導体ウェハ100から製造された半導体チップ10と何らかの相手材とをメッキ膜13aを介して接合する場合、当該半導体チップ10と相手材との熱膨張係数の差が小さいほうがよい。上記図1および図2に示す例では、相手材はCu等からなるヒートシンク20である。
【0099】
これは、半導体チップ10と相手材との熱膨張係数差が大きいと、熱応力により、両者の接合部の剥離や半導体チップ10へのクラックの進展等が発生しやすくなる。そこで、半導体チップ10すなわち半導体ウェハ100は薄い方がよい。
【0100】
本発明者らは、上記図1に示す両面はんだ付けモールド構造について、冷熱サイクル試験を行って検討した。その結果、半導体チップ10の厚さすなわち薄肉化された半導体ウェハ100の厚さが250μmの場合では、接合部の剥離や半導体チップ10の破壊等が発生した。
【0101】
しかし、半導体チップ10の厚さすなわち薄肉化された半導体ウェハ100の厚さが190μmの場合では、接合部の剥離や半導体チップ10の破壊等が発生しなかった。このことから、半導体ウェハ100の薄肉化により半導体ウェハ100の厚さを200μm以下とすることが好ましい。
【0102】
以上述べてきたように、本実施形態によれば、半導体ウェハ100の一面100a側にメッキにより形成されたメッキ膜13aを形成するとともに、半導体ウェハ100を一面100aとは反対側の他面100b側から薄肉化するようにした半導体装置の製造方法において、半導体ウェハ100を薄肉化する工程を、メッキ膜13aを形成する工程の前に行うようにした製造方法が提供される。そして、それにより、半導体ウェハ100の反りを極力抑制することができる。
【0103】
また、本実施形態では、メッキ膜としてNiメッキ膜13aを形成するようにしており、そのNiメッキ膜13aの膜厚は2μm以上であることが好ましいとしているが、メッキ膜はNiメッキ膜以外のものであってもよいし、その膜厚も2μm以上に限定されず適宜設計変更可能である。
【0104】
また、半導体ウェハ100の薄肉化により半導体ウェハ100の厚さを200μm以下とすることが好ましいとしているが、もちろん、薄肉化された半導体ウェハ100の厚さを200μmより厚いものとしてもよい。
【0105】
なお、半導体装置の実装形態は、上記したヒートシンク20〜40を用いた両面はんだ付けモールド構造に限定されるものではなく、例えば、リードフレームやプリント基板、セラミック基板等を用いた実装を行うようにしてもよい。
【0106】
また、本発明においては、半導体ウェハ100を薄肉化する工程を、メッキ膜13aを形成する工程の前に行うことを要部とするものであり、その他の工程や各構成要素については、適宜設計変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体装置としての半導体チップを用いた実装構造を示す概略断面図である。
【図2】(a)は図1中の半導体チップにおけるエミッタ電極の近傍部の拡大断面図であり、(b)は図1中の半導体チップにおけるコレクタ電極の一部を拡大して示す概略断面図である。
【図3】半導体チップの基板表面におけるAl電極の平面パターンの一例を示す平面図である。
【図4】半導体チップの製造に用いる半導体ウェハの概略平面図である。
【図5】半導体チップの製造方法を示す工程図である。
【図6】図7に示した製造方法において、半導体ウェハの表面に位置するNiメッキ膜の厚さを3μm、5μm、7μmと変えたときの製造工程毎の反り量を示す図である。
【図7】比較例の半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図8】半導体ウェハの反りの様子を示す図である。
【符号の説明】
13a…Niメッキ膜、20…ヒートシンク、100…半導体ウェハ、100a…半導体ウェハの表面、100b…半導体ウェハの裏面。

Claims (5)

  1. 半導体ウェハ(100)の表面(100a)側にメッキによりメッキ膜(13a)を形成して表面電極を形成するとともに、前記半導体ウェハ(100)を前記表面(100a)とは反対側の裏面(100b)側から薄肉化し、薄肉化した前記裏面(100b)にNi膜(4b)を含む裏面電極を形成するようにした半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体ウェハ(100)を薄肉化する工程を行った後に、前記裏面電極を形成する工程を行い、この後、前記メッキ膜(13a)を形成して前記表面電極のみを形成する工程を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記メッキ膜としてNiメッキ膜(13a)を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記Niメッキ膜(13a)の膜厚は2μm以上であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記半導体ウェハ(100)の薄肉化により前記半導体ウェハ(10)の厚さを200μm以下とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記メッキ膜(13a)は、はんだ付けによって金属製のヒートシンク(20)が接合されるものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
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