JP4046976B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、像加熱装置を備えた電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
便宜上、複写機・プリンタ等の画像形成装置を例にして説明する。
【0003】
従来、画像形成装置における画像定着の方式は、電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像形成プロセス手段で転写材(転写材シート・エレクトロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印刷用紙・フォ一マット紙など)に転写方式あるいは直接方式にて形成担持させた目的の画像情報の未定着画像(トナー像)を、転写材面に永久固着画像として熱圧定着させる方式が一般的である。
【0004】
熱圧定着には、像加熱装置が用いられる。
【0005】
なお、画像形成装置内の像加熱装置を、以下、定着装置と呼ぶ。
【0006】
転写材上に形成されたトナー像は、定着装置の熱源により溶かされ、圧力を加えられることにより、永久画像として転写材上に固着させられる。
【0007】
通常前記画像形成装置は、複数の転写材検知手段が設けられており、それぞれの位置において正規のタイミングで転写材が検知されない場合は、ジャム等の異常が発生したと判断して装置を緊急停止させる。
【0008】
前記複数の転写材検知手段の一つである定着前センサは、中間転写体から転写材へのトナー像転写位置である二次転写ニップ部と定着ニップ部との間に配置されるものである。
【0009】
また、前記定着前センサは、転写体の定着ローラへの巻付き、中間転写体への巻付きの検知以外に、緊急停止時に二次転写ニップ部−定着ニップ部間に残留した転写材を検知するのにも用いられる。
【0010】
定着前センサの検知方法としては、転写材が非画像面側に配置されたフラグを倒すことによってメカ的に検知する方法が一般的である。
【0011】
このとき、転写材の搬送に悪影響を与えないためフラグの長さは制限される。
【0012】
何らかの異常が発生した場合、画像形成装置は、正規のプリントジョブ終了動作をおこなうことなく緊急で動作を停止させる。
【0013】
したがって、連続プリント動作の途中で緊急停止がおこなわれた場合、画像形成装置内には複数の転写材が残留することになる。
【0014】
このとき、本来はユーザがすべての残留転写材を取り除いたことが確認されなければ、画像形成装置は再始動しない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、画像形成装置各部に配置された転写材検知手段が、残留転写材を正常に検知しなかった場合、転写材が機内に残留している状態で画像形成装置の立上げ動作が開始されてしまうことがあった。
【0016】
このようなとき、立上げ動作中の画像形成装置各部の動作は、プリント時の動作と異なる場合があるため、残留転写材が正常に搬送されずジャムとなってしまうことがある。
【0017】
特に、転写材へのトナー像転写位置である二次転写ニップ部と定着ニップ部の間では、前述した残留転写材の非検知が発生しやすい。
【0018】
その原因を以下に述べる。
【0019】
まず、転写材へのトナー像転写位置から定着ニップ部までの間は、未定着画像が転写材上に静電的に保持されているだけの状態なので転写材を規制することが困難であることが挙げられる。
【0020】
また、画像形成装置の高速化に伴う定着ローラの大径化、作像系に対する定着装置熱源からの熱的影響防止等の理由で、転写位置から定着ニップ部までの距離をある程度確保せざるをえないことも加えられる。
【0021】
さらに、画像擦れを避けるため、搬送路の上下方向に幅を持たせる必要があり、そのためこの部分での転写材の搬送経路を一定に規定するのは困難である。
【0022】
また、通常転写位置から定着装置に至る部分における転写材搬送パスHは、転写材が定着ニップ部にやや下方向から突入するように非画像面側にループLを形成するような形をとる(図3参照)。
【0023】
これは、定着ニップ部に転写材が突入する際、転写材上の未定着画像が定着ローラ表面の熱により過剰に加熱されることによりトナーが定着ローラへホットオフセットするのを防止するため、定着ローラへの接触によるトナー像擦れの防止のため、さらに転写速度と定着速度のずれを吸収するためである。
【0024】
プリント中は、このように転写材を非画像面側に弛ませて搬送しているわけであるが、緊急停止した場合少しでもこの弛み(ループ)量が大きくなると、画像面側にループL′ができてしまうことがある(図6参照)。
【0025】
画像面側にループL′ができてしまうと、定着前センサのフラグを跨ぐかたちとなり、転写材が残留しているのに定着前センサでは検知不能になる。
【0026】
以上のようにして起こるジャムの再発が、ユーザビリティ上の問題になっていた。
【0027】
そこで本発明では、転写位置−定着装置間、または像加熱前位置−像加熱装置間に残留した転写材を確実に検知することでジャムの再発を防止し、良好なユーザビリティを実現することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0028】
(1)トナー像を担持する像担持体と前記像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写ローラとを互いに接触させて転写ニップ部を形成し、前記転写ニップ部で転写材を挟持搬送しつつ前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、回転自在に配設された定着ローラと加圧部材とを互いに押圧して定着ニップ部を形成し、前記定着ニップ部で前記転写手段によって前記トナー像が転写された転写材を挟持搬送しつつ、前記トナー像を転写材に定着させる定着手段を具備し、前記定着ニップ部と前記転写ニップ部とで転写材を挟持した状態で前記転写手段による転写材の搬送動作と前記定着手段による転写材の搬送動作との停止動作を実行する際に、前記定着手段での転写材の搬送動作を停止するタイミングが、前記転写手段での転写材の搬送動作を停止するタイミングよりも遅くなるようにして、前記転写手段による転写材の搬送動作が停止した状態で、前記定着手段によって、転写材の搬送方向に転写材を搬送させてから該定着手段による転写材の搬送動作を停止するする画像形成装置であって、
前記転写ニップ部よりも転写材を搬送する方向の上流側に配置される、前記転写材を検知するための第1検知センサと、
前記転写ニップ部と前記定着ニップ部との間に搬送される前記転写材を検知するための第2検知センサと、
前記定着ニップ部よりも転写材を搬送する方向の下流側に配置される、前記転写材を検知するための第3検知センサと、
前記第1検知センサで転写材を検知してから第1の時間経過後に前記第2検知センサによって前記転写材を検知し、前記第2検知センサで転写材を検知してから第2の時間経過後に前記第3検知センサによって転写材が検知されない場合に、前記定着ローラに転写材が巻き付いたと判断する判断手段とを有し、
前記判断手段によって前記定着ローラに転写材が巻き付いたと判断した場合に、前記定着手段による転写材の搬送動作を停止するタイミングを、前記定着ローラに転写材が巻き付く長さが前記定着ローラの周長より短くなるようなタイミングに設定することを特徴とする画像形成装置。
(2)前記第1の時間と前記第2の時間とを、転写材の搬送速度に応じて異なる時間に設定することを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
【0043】
すなわち、本発明は、作像側と定着装置それぞれに駆動手段を持たせ、緊急停止時には定着装置への転写材搬送動作と定着装置の転写材搬送動作を異なるタイミングで停止させることにより、二次転写ニップ部−定着ニップ部間における転写材のループを防止し、定着前センサによる残留転写材検知を確実におこなうことができ、ジャム再発が防止できる。
【0044】
また、定着装置への転写材搬送動作停止と定着装置の転写材搬送動作停止のタイミングの間隔を、転写材が定着ローラ周長に相当する距離を進む時間より短くすることで、定着ローラへの転写材巻付きが発生した場合でもジャム処理が容易におこなえる。
【0045】
さらに、画像形成装置のスループットや転写材サイズに応じて定着装置への転写材搬送動作停止と、定着装置の転写材搬送動作停止、上記両者のタイミング時間差を調節することで、転写位置−定着装置間に残留した転写材ループをスループットや転写材サイズによらず確実に防止し、ジャム再発を防止することができる。
【0046】
その上、定着前センサと他の転写材検知手段を組み合わせて用いることで、残留転写材の検知精度をさらに向上させることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、複数の実施例に基づき、発明の実施の形態を説明する。
【0048】
(実施例1)
説明の都合上、以下の実施例における画像形成装置について実施の形態を述べる。
【0049】
以下に図面を用いて本発明の実施例を述べる。
【0050】
図1は、一般的な電子写真プロセスを用いたカラーレーザプリンタ断面の概略図である。
【0051】
1a〜1dは像担持体(感光ドラム)、2a〜2dは現像器、3a〜3dは一次帯電ローラ、4a〜4dはクリーニング器、5a〜5dはレーザスキャナである。ここで、各構成のa〜dは、aはイエロー用、bはマゼンタ用、cはシアン用、dはブラック用を示す。
【0052】
6は中間転写ベルト、7は二次転写ローラ、8は定着装置、9は定着ローラ、10は、加圧部材である加圧ローラ、S1〜S4は一次転写バイアス電圧源、S5は二次転写バイアス電圧源である。
【0053】
14は、第一の転写材検知手段である定着前センサ、NFは定着ニップ部、NTは二次転写ニップ部、Pは転写材である。
【0054】
d1は感光ドラム1a〜1dの回転方向、d2は中間転写ベルト6の回転方向、d3は二次転写ローラ7の回転方向、d4は定着ローラ9の回転方向、d5は加圧ローラ10の回転方向を示す。
【0055】
図1に示されたカラーレーザプリンタ(画像形成装置)は、中間転写体として中間転写ベルト6を使用し、各色ごとに現像器2a〜2d、露光手段であるレーザスキャナ5a〜5d、像担持体(以下「感光ドラム」と呼ぶ)1a〜1d、帯電器である一次帯電ローラ3a〜3d、クリーニング手段であるクリーニング器4a〜4dを備えており、A3サイズまでの転写材に対応するものである。
【0056】
図1中の感光ドラム1aは、矢印d1の方向に所定の周速で回転駆動されながら一次帯電ローラ3aにて一様に帯電され、レーザスキャナ5aから走査されるデジタル画像信号に対応して変調されたレーザビームを結像露光光学系を介して受けることにより、第1の色成分(ここではイエロー成分)の静電潜像を形成する。
【0057】
続いて、現像器2aの保持する色トナー(ここではイエロートナー)を用いて静電潜像を現像し、第1の色成分に対する可視像を得る。
【0058】
以上に記した手順を第2色(マゼンタ)、第3色(シアン)、第4色(ブラック)についてもおこなう。
【0059】
そして、上記中間転写ベルト6は、矢印d2の方向に感光ドラム1aと同じ周速で回転駆動され、普通紙をプリントする通常モードでは120[mm/sec]、グロス(光沢)紙やOHTなどの特殊紙モードでは60[mm/sec]で駆動される。
【0060】
感光ドラム1aから中間転写ベルト6へのイエロー可視像の転写(一次転写)は、電源S1から供給される一次転写バイアスを印加することによりおこなう。
【0061】
マゼンタ、シアン、ブラックについても同様の手段を用いて順次中間転写ベルト6の上に可視像を重ねあわせて一次転写することによってカラートナー像を得る。
【0062】
中間転写ベルト6上に形成されたカラートナー像は二次転写ローラ7とのニップ部NTにおいて搬送されてくる転写材P上に一括転写(二次転写)される。
【0063】
カラートナー像を二次転写された転写材Pは、定着装置8へ搬送され、定着ローラ9と加圧ローラ10の定着ニップ部NFにおいて熱と圧力によってカラー画像が定着される。
【0064】
中間転写ベルト6と二次転写ローラ7との二次転写ニップ部NTの下流、定着装置8の上流に定着前センサ14が配設されている。
【0065】
定着前センサ14は、転写材Pが中間転写ベルト6に巻き付いたのを検知するためと、後述する定着装置8の定着ローラ9への転写材Pの巻付きを検知するために用いられる。
【0066】
本実施例は、この転写材検知手段、すなわち、定着ローラへ転写材が巻き付いたことを検知するためと、主に中間転写方式の画像形成装置において中間転写体への転写材の巻付きを検知するための定着前センサ14を有するものに関わるものである。
【0067】
図2は、実施例1における定着装置の断面模式図である。
【0068】
9aは定着ローラ芯金、9bは弾性層、9cはハロゲンランプ、10aは加圧ローラ芯金、10bは弾性層、10cはハロゲンランプ、11は、定着装置の入口ガイドである。
【0069】
12、13は温調サーミスタ、15は、転写材検知手段である定着排紙センサである。
【0070】
Rは定着ローラ9の外径、R′は加圧ローラ10の外径である。
【0071】
実施例1における定着装置8は、熱ローラ方式の定着装置である。
【0072】
定着ローラ芯金9aにはアルミニウムの中空金属ローラを用いており、その内空に熱源としてのハロゲンランプ9cが挿入配設されている。
【0073】
定着ローラ芯金9aの周囲には、定着ローラ芯金9aを覆うようにシリコンゴムが弾性層9bとして設けられており、さらに最表層に離型層として不図示のPFAのチューブが被覆されている。
【0074】
温調サーミスタ12によって定着ローラ9の外周面温度が検知され、所定の定着ローラ表面温度を維持するようにハロゲンランプ9cへの通電が制御される。
【0075】
一方、加圧ローラ10も定着ローラ9と同様にアルミニウムの中空金属ローラを用いて加圧ローラ芯金10aとし、その周囲にシリコンゴムの弾性層10b、さらに最表層に不図示のPFA離型層が設けられている。
【0076】
温調サーミスタ13によって加圧ローラ10の外周面温度が検知され、所定の加圧ローラ表面温度を維持するようにハロゲンランプ10cへの通電が制御される。
【0077】
本実施例では、定着ローラ9の外径R=50φ、加圧ローラ10の外径R′=45φである。
【0078】
定着ローラ9と加圧ローラ10は互いに押圧して、転写材Pを加熱しつつ挟持搬送することでトナー像を転写材Pへ熱圧定着する。
【0079】
適度に高グロスな定着画像を得るため、本実施例の定着装置8では定着ローラ9に対して加圧ローラ10を約1.5×105[N/m2]の力で加圧している。
【0080】
上記加圧力により弾性層9b、10bが潰れることにより定着ニップ部NFが形成される。
【0081】
本実施例の画像形成装置ではNF=10[mm]である。
【0082】
定着装置8の転写材搬送動作は、定着ローラ9が不図示の駆動手段である定着駆動モータにより駆動され、加圧ローラ10は定着ニップ部NFでの摩擦力により定着ローラ9の回転に従動して回転することにより行われる。
【0083】
そして、本実施例の画像形成装置の前記定着駆動モータは、定着装置8への転写材搬送動作を駆動する不図示のメインモータとは別に備えられるものである。
【0084】
すなわち、定着装置8の転写材搬送動作は、定着装置8への転写材搬送動作とは、異なる駆動手段により駆動される。
【0085】
これは以下に記す理由からである。
【0086】
定着後のカラー画像に適度なグロスをもたせるため、定着ニップ部NFでは熱でトナーを十分融かしつつ、高い加圧力でトナー像表面の平滑度を上げる動作がおこなわれる。
【0087】
したがって、高い加圧力の下で定着ローラ9を回転させる必要ために、駆動トルクも大きくなっている。
【0088】
一方、装置停止時にこの高加圧力でローラの弾性層9b、10bが永久変形してセットするのを防止するための自動加圧力解除機構が必要となる。
【0089】
この自動加圧力解除機構は、上記定着駆動モータが転写材Pを搬送するときの方向と逆に回転することによっておこなうが、この逆回転駆動トルクは正回転トルクより大きな値となってしまう。
【0090】
これは逆回転により、不図示の加圧解除カムを介して加圧バネを押し縮める力が必要になるためで、加圧力が増加するほど大きな力が必要となる。
【0091】
以上のように定着ローラの回転駆動に大きなトルクが必要となるため、メインモータとは別に定着駆動モータが設けられている。
【0092】
なお、画像形成と定着装置を別モータで駆動する場合、プリント動作時に、定着装置への転写材搬送速度と、定着装置の転写材搬送速度をそれぞれ適正に制御しないと、搬送方向への画像の伸縮や、未定着トナー像が搬送路の部材に接触することによる画像擦れといった画像不良問題を発生させてしまう。
【0093】
本発明の画像形成装置では、このような問題を避けるため二次転写ニップ部NT−定着ニップ部NF間では転写材Pを非画像面側へ弛ませてループLを形成した状態で搬送させることで、定着装置への転写材搬送速度と、定着装置の転写材搬送速度とにある程度速度差が生じても、速度差を吸収できるようにしている。
【0094】
図3に、実施例1における画像形成装置の二次転写ニップ部−定着ニップ部近傍の拡大模式図を示す。
【0095】
16は、転写材検知手段である転写前センサ、Hは転写材搬送パス、Lは非画像面側のループである。
【0096】
Kは検知状態の定着前センサ、K′は非検知状態の定着前センサである。
【0097】
Sは、二次転写ニップ部NTと定着ニップ部NFとを繋いだ線である。
【0098】
二次転写ニップ部NTと定着ニップ部NFの間に、第一の転写材検知手段である定着前センサ14が配設されている。
【0099】
その他の転写材検知手段として、二次転写ニップ部NTの上流に転写前センサ16、定着ニップ部NFの下流に定着排紙センサ15が配設されている。
【0100】
定着排紙センサ15、転写前センサ16は、転写材Pの存在を、配置されたフラグが倒されることによってメカ的に検知する転写材検知手段である。
【0101】
定着前センサ14の先端位置は、転写材Pの非検知状態K′では破線Sを超えている。
【0102】
これはプリント中二次転写ニップ部NTと定着ニップ部NFの間で転写材搬送パスHが上下にぶれを生じても、定着前センサ14で確実に検知できるようにするためである。
【0103】
定着速度が二次転写速度より相対的に速い場合、転写材Pの弛みは少なくなり定着装置8が転写材Pを引っ張る状態となる。
【0104】
しかし、転写材Pが定着装置8に最大引っ張られた状態でも、転写材Pが破線Sより上を通ることは通常では起こらない。
【0105】
そのため、定着前センサ14の長さを、二次転写ニップ部NTと定着ニップ部NFを繋いだ直線Sを超える長さとすることで、転写材Pの存在を検知するようにしている。
【0106】
図4に定着前センサの拡大模式図を示す。
【0107】
141はセンサフラグ、142は、センサフラグ141が転写材Pと擦れることにより転写材P上の未定着トナー像を乱さないためと、転写材Pの搬送を妨げないための先端コロである。
【0108】
143はセンサフラグ遮光部、144はフォトインタラプタである。
【0109】
KLは検知光である。
【0110】
センサフラグ141の先端には転写材の搬送抵抗を低減するための先端コロ142が設けられている。
【0111】
フォトインタラプタ144は、センサフラグ141の倒れを検知するものであり、不図示の検知光照射部とそれに対向して設けられた検知光受光部から成る。
【0112】
センサフラグ141が転写材Pにより倒されると、センサフラグ遮光部143がフォトインタラプタ144の検知光KLを遮断して転写材Pの検知状態Kとなる。
【0113】
転写材Pが定着前センサ14を倒して通りすぎた後、不図示のばねの力により非検知位置へセンサフラグ141が復帰して再び非検知状態K′となる。
【0114】
<プリント時の転写材検知>
本実施例の画像形成装置においては、プリント動作中は前述したように転写材Pは非画像面側へループLを形成した状態で搬送される。
【0115】
これは前述したように、定着ニップ部NFに転写材Pが突入する際、転写材上の未定着画像が定着ローラ表面の熱により過剰に加熱されることでトナーが定着ローラへホットオフセットするのを防止するため、定着ローラへの接触によるトナー像擦れを防止するため、転写速度と定着速度のずれを吸収するためである。
【0116】
本実施例の画像形成装置は、転写前センサ16、定着前センサ14、定着排紙センサ15を用いることで、二次転写ニップ部NT−定着ニップ部NF近傍で発生したジャムを検知することが可能である。
【0117】
図5に本実施例における各転写材検知センサ間の距離を模式的に示した。
【0118】
本実施例における各転写材検知センサ間の距離は以下の通りである。
【0119】
転写前センサ16−定着前センサ14間の距離LA:106mm
定着前センサ14−定着排紙センサ15間の距離LB:112mm
また、二次転写ニップ部NT、定着ニップ部NFから各センサ14、15、16までの距離は、
転写前センサ16−二次転写ニップ部NT間の距離L1:40mm
二次転写ニップ部NT−定着前センサ14間の距離L2:62mm
定着前センサ14−定着ニップ部NF間の距離L3:62mm
定着ニップ部NF−定着排紙センサ15間の距離L4:40mm
である。
【0120】
図5中では直線上に各位置を示しているが、表示された距離は転写材の搬送経路における距離である。
【0121】
また、二次転写ニップ部NT及び定着ニップ部NFの幅はそれぞれ二次転写ニップ部NT=4[mm]、定着ニップ部NF=10[mm]である。
【0123】
転写材Pの搬送中は、前記各センサ14、15、16があらかじめ定められたタイミングで転写材Pを検知しなかったときに、ジャムが発生したと判断する。
【0124】
ここで普通紙の場合の搬送速度は120[mm/sec]で、転写前センサ16から定着前センサ14の距離は106mmである。
【0125】
正規の転写材搬送パスHで転写材Pが搬送されれば、転写前センサ16が転写材Pを検知してから0.88sec後には定着前センサ14が検知状態になるはずである。
【0126】
しかし、本実施例の画像形成装置では、搬送時の転写材のぶれ等を考慮して、転写前センサ16の検知後上記時間に0.1secの余裕をもたせた0.98secの時間内に、定着前センサ14が転写材Pを検知すれば正常に転写材が搬送されているものと判断する。
【0127】
中間転写ベルト6に転写材Pが巻き付いてしまった場合、転写前センサ16が転写材Pを検知した後、上記規定時間を経過しても定着前センサ14が検知状態とならないため、ジャム発生が検知されて装置が緊急停止される。
【0128】
また、転写材PがOHT等の特殊紙の場合、搬送速度が1/2速の60[mm/sec]となるが、転写前センサ16の転写材検知から定着前センサ14の転写材検知までの時間が、1/1速時の2倍である1.96sec以内であれば正常と判断する。
【0129】
そして、転写材Pが定着ローラ9に巻き付いてしまった場合も、転写材Pが定着前センサ14に検知されてから、定着排紙センサ15に検知されるまでの時間を上記と同様に指定しておけば良い。
【0130】
具体的には1/1速時は1.03sec、1/2速時は2.06secを指定し、定着前センサ14が転写材Pを検知してから、この時間内に定着排紙センサ15が転写材Pを検知しなければ、転写材Pが定着ローラ9に巻き付いたと判断して装置を緊急停止する。
【0131】
プリント中のジャムは上記のように検知され、さらにその発生場所についてもどのセンサ14、15、16が定められたタイミングで転写材Pを検知しなかったのかを調べることによって、転写材Pが中間転写ベルト6に巻き付いたのか、または定着ローラ8に巻き付いたのかを知ることができる。
【0132】
<緊急停止時の残留転写材検知>
定着装置8は、前述したように自動加圧力解除機構を備えており、緊急停止時には定着駆動モータが逆回転し、さらに定着ローラ9と加圧ローラ10が離間する。
【0133】
また、二次転写部においてもジャム処理性を考慮して二次転写ローラ7が中間転写ベルト6から離間する機構を有しており、緊急停止時には離間状態となる。
【0134】
ジャムが検知されると上述したように装置が緊急停止されるが、機内にはジャムを起こした転写材の他に連続通紙中であれば多数の転写材が残留することになる。
【0135】
機内に残留したすべての転写材Pが取り除かれないと、装置を再始動させた時に再びジャムが発生し、しかも、よりジャム処理が困難な状態に陥りやすい。
【0136】
これは再始動時の動作シーケンスがプリントジョブ時と異なる場合が多いことや、機内の転写材の残留状態に由来する。
【0138】
先端を定着ニップ部NFに挟持された転写材P上には、すでにトナー像が転写されており、定着ニップ部NFに達していない部分では未定着のままであるが、定着ニップ部NFに挟持され停止している部分ではトナーが転写材Pを定着ローラ9に貼付ける接着剤の役目を果たしてしまう。
【0139】
この転写材Pが取り除かれないまま画像形成装置が再始動してしまうと、上記理由から転写材Pが定着ローラ9に巻き付いてしまう。
【0140】
この場合、前述した各センサ14、15、16を利用したジャム検知ができないため、定着ローラ9に転写材Pが完全に巻き付いてしまう。
【0141】
この状態になるとユーザが巻き付いた転写材Pを取り除くことが困難となり、最悪の場合定着装置8を交換しなくてはならなくなってしまう。
【0142】
このような事態を回避するには、ジャムを検知して緊急停止した後、機内に残留した転写材Pが全て取り除かれないと再始動不可能にする必要がある。
【0143】
したがって、機内に残留した転写材が確実に検知されなければならないが、前述したように二次転写ニップ部NT−定着ニップ部NF間の転写材Pは規制できない。
【0144】
例えば、図6は、二次転写ニップ部NTと定着ニップ部NFの間に残留した転写材がループを作り、定着前センサ14で検知されないループ状態を示している。
【0145】
L′は画像面側のループである。
【0146】
前述したように本実施例の画像形成装置は、ジャムによる緊急停止時は二次転写ニップ部NT及び定着ニップ部NFが離間して転写材Pの搬送動作が停止するが、両者が同時に停止しない場合は前記ループL′が形成されてしまうことがある。
【0147】
二次転写ニップ部NTにおいては、二次転写ローラ7が不図示の加圧ばね(不図示)により中間転写ベルト6に押圧された状態でメインモータにより駆動され、中間転写ベルト6は二次転写ローラ7に従動して回転する。
【0148】
二次転写ローラ7を中間転写ベルト6から離間する際は、不図示のカム(二次転写ローラカム)が前記加圧ばねを押し下げる。
【0149】
前記カムの回転はコストダウンを図るため、不図示のクラッチ(二次転写ローラカムクラッチ)を介して二次転写ローラ7の回転駆動手段と同じメインモータでおこなっている。
【0150】
緊急停止時には二次転写ローラ7が回転を継続したまま、前記二次転写ローラカムクラッチが繋がり前記二次転写ローラカムが作動して離間動作がおこなわれる。
【0151】
二次転写ローラ7の回転は離間動作が終了するまで停止されない。
【0152】
したがって、二次転写ニップ部NTを転写材Pが通過中に緊急停止が行われても、転写材Pは即時に止まるわけではなく、ある程度下流に搬送されてから停止する。
【0153】
一方、定着装置8においてはメインモータとは別の定着駆動モータにより、正回転時は定着ローラ9が回転駆動され、逆回転時は加圧ローラ10が定着ローラ9から離間される。
【0154】
定着駆動モータは、不図示の1ウエイクラッチを介して定着ローラ9を駆動しており、逆回転時には定着ローラ9への駆動伝達がカットされるため定着ローラ9が逆回転することはない。
【0155】
このため、緊急停止時は定着駆動モータは正回転を一旦停止してから逆回転する。
【0156】
加圧ローラ10が定着ローラ9に対して押圧される力は、約1.5×105[N/m2]と大きなものであるため、定着駆動モータが停止するのとほぼ同時に定着ローラ9の回転は停止する。
【0157】
ジャムによる緊急停止時に転写材Pが定着ニップ部NFを通過中でれば、定着モータ8の正回転停止と同時に転写材Pは停止する。
【0158】
前記の理由から、緊急停止命令により、二次転写部と定着装置8が同時に停止動作を開始しても、それぞれの場所で実際に転写材Pの搬送が停止するまでの時間が異なり、二次転写ニップ部NTでは定着ニップ部NFより転写材Pが停止するのが遅れるため、図6に示すループL′ができてしまう。
【0159】
そこで本実施例では緊急停止する場合、二次転写部の緊急停止動作開始に対して定着装置8の緊急停止動作を遅らせる。
【0160】
図7は、転写材搬送動作の停止手順を時系列で示したものである。
【0161】
TSは、定着装置への転写材搬送動作停止タイミングと、定着装置の転写材搬送動作停止タイミングとの時間差、Tdは、二次転写ニップ部NTと定着ニップ部NFにおける停止動作開始タイミングの時間差である。
【0162】
ジャムが検知されると、緊急停止命令によりまず二次転写ニップ部NTで停止動作が開始されるが、定着ニップ部NFでの停止動作は開始されず搬送動作は継続されている。
【0163】
二次転写ニップ部NTでは、まず二次転写ローラカムクラッチが繋がり、二次転写ローラ7の離間が開始される。
【0164】
二次転写ローラ7の離間が終了した後、メインモータが停止してこの時点でようやく転写材Pが停止する。
【0165】
メインモータが停止してからTS後に定着装置8の停止動作が開始される。
【0166】
まず、定着駆動モータが正回転を停止することで定着ニップ部NF内の転写材Pが停止する。
【0167】
その後定着駆動モータが逆回転することで、加圧ローラ10が定着ローラ9から離間されて、停止動作終了となる。
【0168】
二次転写ニップ部NTと定着ニップ部NFにまたがって残留する転写材PのループL′を防止するには、両位置で実際に転写材Pが停止する停止タイミングの時間差TSを制御しなくてはならない。
【0169】
しかし、二次転写ニップ部NTの転写材Pが実際に停止したことを検知することはできないため、上記時間差TSを制御するには、二次転写ニップ部NTと定着ニップ部NFにおける停止動作開始タイミングの時間差Tdを制御する。
【0170】
搬送速度が1/1速時にレターサイズの転写材P(搬送方向長さ216mm)を横送りする場合を例にとり説明する。
【0171】
図8に緊急停止時に二次転写ニップ部NTと定着ニップ部NFにまたがって転写材Pが残留した時の状態を模式的に示す。
【0172】
PaはA4サイズの転写材、Pbはレターサイズの転写材である。
【0173】
図に示すように、A4サイズの転写材Paやレターサイズの転写材Pbだと前記位置に転写材Pa、Pbが残留すると、これを検知する手段が定着前センサ14のみになることがある。
【0174】
ここで、図7に示した時間Td=0msecの場合を考える。
【0175】
二次転写ニップ部NTと定着ニップ部NFで同時に搬送停止動作を開始すると、定着ニップ部NFでの転写材停止が二次転写ニップ部NTでの転写材停止より早くなってしまうため、図6に示す転写材ループL′ができてしまう。
【0176】
したがって、この転写材Pa、Pbは画像形成装置がその存在を検知することができずに再始動時のジャムを引き起こしてしまう。
【0177】
一方、実施例1の画像形成装置では、Td=800msecとして、二次転写ニップ部NTで転写材が停止してから、定着ニップ部NFでの転写材Pa、Pbを停止させてループL′を防止する。
【0178】
ここで、搬送速度が1/1速の時、二次転写ニップ部NTでは搬送停止動作開始から、実際に転写材Pが停止するまでの時間t1は300msecである。
【0179】
よって実際に転写材Pが停止する時間は、定着ニップ部NFが二次転写ニップ部NTに対してTs=500msec遅れる。
【0180】
これにより転写材Pa、Pbは図6中の直線Sで示す状態で停止することになり、定着前センサ14で検知される。
【0181】
ここまでは1/1速時について述べたが、1/2速時も搬送速度に適したTs、Tdを設定することで同様の効果を得ることができる。
【0182】
以上のように実施例1では、緊急停止時に定着ニップ部NFにおける搬送動作停止を、二次転写ニップ部NTにおける停止動作より遅らせることで、残留転写材の検知を確実なものとする。
【0183】
これによりジャム再発が防止され、ユーザビリティの向上が実現できる。
【0184】
(実施例2)
本実施例の画像形成装置の構成は実施例1と同じものである。
【0185】
画像形成装置の転写材搬送速度も実施例1と同じであり、普通紙で120[mm/sec]、OHTやグロスフィルム等の特殊紙では1/2速の60[mm/sec]である。
【0186】
また、プリント中の各転写材検知センサの検知タイミングも実施例1と同じである。
【0187】
緊急停止する場合、二次転写部の緊急停止動作開始に対して定着装置8の緊急停止動作を遅らせる手法は実施例1と同じであるが、さらにジャム処理を容易にしてユーザビリティを向上させるため、ジャムの発生した場所により図1におけるTdを可変とする。
【0188】
実施例1の手法を用いると、定着ローラ9への転写材巻付きジャムにより緊急停止する場合は、二次転写ニップ部NTの緊急停止動作開始に対して定着装置8の緊急停止動作を遅らせているので、転写材Pの巻付き量が増加してしまう。
【0189】
特に転写材がOHTの場合、巻付き量が定着ローラ9の周長以上になると、巻き付いたOHT同士がトナーにより接着されるため、ユーザがジャム処理することが困難である。
【0190】
ここでレターサイズのOHTを横送り(搬送方向長さ216mm)する場合を考える。
【0191】
搬送速度は60[mm/sec]であり、図7においてt0〜t1=700msec、TS=1200msec確保すれば残留OHTのループL′を防止できる。
【0192】
よって緊急停止時にはTd=1900msecほど定着ニップ部NFでの搬送停止動作開始を遅らせる。
【0193】
上記設定時にOHTが定着ローラ9に巻き付いたとすると、巻付き量は166mmとなり、定着ローラ9の周長157mmより大きくなってしまう。
【0194】
定着ニップ部NFの入口の上流には40mmのOHTしか残されていないため、定着前センサ14でこのOHTを検知することはできない。
【0195】
しかも、上述したようにジャム処理がやや困難である。
【0196】
そこで、実施例2では、定着ローラ9への転写材巻付きジャムを検知した場合に限り、Ts=600msecになるようにTd=1300msecと変更し、二次転写ニップ部NTに対し定着ニップ部NFの停止動作開始タイミングを1300msecだけ遅らせるに留める。
【0197】
Td=1300msecにすることで巻付き量は130mmに減少させることができ、定着ローラ9の周長157mmよりも少なくなる。
【0198】
よってジャム処理を容易におこなうことが可能になる。
【0199】
この時に定着ニップ部NF入口より上流に残るOHTの長さLmは、76mmである。
【0200】
図5に示した長さL2、L3と比較すると、
L3(=62mm)<Lm(=76mm)<L2+L3(=124mm)
となる。
【0201】
このため巻き付いたOHTはループL′を形成せず、定着前センサ14で検知することができ、かつジャム処理も容易にできる。
【0202】
以上のように実施例2ではジャムが検知された場所によって、緊急停止時に定着装置の搬送動作停止を遅らせる時間Tdを可変にすることで、ジャム再発防止及びジャム処理性向上を同時に実現することができる。
【0203】
(実施例3)
本実施例の画像形成装置の構成は実施例1、実施例2と同じものである。
【0204】
画像形成装置の転写材搬送速度も実施例1、実施例2と同じであり、普通紙で120[mm/sec]、OHTやグロスフィルム等の特殊紙では1/2速の60[mm/sec]である。
【0205】
また、プリント中の各転写材検知センサの検知タイミングも実施例1、実施例2と同じである。
【0206】
緊急停止する場合、二次転写部の緊急停止動作開始に対して定着装置8の緊急停止動作を遅らせる手法は実施例1、実施例2と同じであるが、実施例3では転写材サイズに応じて図7におけるTdを可変とする。
【0207】
すべての転写材サイズに対してTdを固定すると、例えば小サイズの転写材が機内に残留しても、転写前センサ16、定着前センサ14、定着排紙センサ15のいずれにも検知されない可能性がある。
【0208】
レターサイズの転写材を横送りする場合の緊急停止時は、実施例3の設定は実施例1と同じである。
【0209】
すなわち、Td=800msecとして、二次転写ニップNTで転写材が停止してから、定着ニップNFでの転写材を停止させてループL′の発生を防止する。
【0210】
搬送速度が1/1速の時、二次転写ニップNTでは搬送停止動作開始から、実際に転写材が停止するまでの時間t0〜t1は300msecである。
【0211】
よって実際に転写材が停止する時間は、定着ニップ部NFが二次転写ニップ部NTに対してTs=500msec遅れる。
【0212】
しかし上記設定のまま、B5サイズの転写材Pを横送り(搬送方向長さ182mm)して定着ローラ9に巻き付いてしまうと、転写材検知手段が転写材Pを検知しにくい。
【0213】
実施例1と同じ設定であれば、転写材の巻付き量は148mmであり、定着ニップ部NF入口から上流は、転写材が24mmしか残らないため、定着排紙センサ15で検知できないのはもちろんのこと、定着前センサ14でも検知できずジャム再発を招いてしまう可能性がある。
【0214】
そこで実施例3の画像形成装置では、転写材PのサイズがB5サイズ横であるとき緊急停止時のTdを400msecに変更する。
【0215】
Td=400msecの時は、定着ローラ9への転写材巻付き量は100mmとなり、定着ニップ部NF入口から上流に転写材Pは72mm残ることになる。
【0216】
これによって、B5サイズの転写材Pを定着前センサ14により検知可能となり、確実にジャム再発が防止できる。
【0217】
また、上記B5等小サイズの転写材Pの場合とは逆に、A3等の大サイズ転写材Pを用いるときは、転写材Pの搬送方向長さが転写前センサ16から定着排紙センサ15までの距離より長いのでTd=0msecとしても良い。
【0218】
以上のように、実施例3では、転写材のサイズに応じて、二次転写ニップ部と定着ニップ部における停止動作開始タイミングの時間差Tdを可変にすることで、転写材のサイズに左右されずにジャム再発防止を実現することができる。
【0219】
なお、実施例1〜3では画像形成装置について説明したが、本発明はそれのみに限定されるものではなく、転写材を搬送して像加熱をおこなう像加熱装置であれば本発明を用いることが可能である。
【0220】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ジャムが発生したことによる画像形成装置の緊急停止時に、定着手段による転写材の搬送動作の停止タイミングを転写手段による転写材の搬送動作の停止タイミングより遅くして、ジャムした転写材を確実に検知し、かつ、ジャムが定着巻き付きジャムの場合に、ジャム処理を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な電子写真プロセスを用いたカラーレーザプリンタ断面の概略図
【図2】 実施例1における定着装置の断面模式図
【図3】 実施例1における画像形成装置の二次転写ニップ部−定着ニップ部近傍の拡大模式図
【図4】 定着前センサの拡大模式図
【図5】 各転写材検知センサの位置関係を示した図
【図6】 ループ状態を示した図
【図7】 転写材搬送動作の停止手順を時系列で示した図
【図8】 二次転写ニップ部と定着ニップ部にまたがって転写材が残留した時の状態を模式的に示す図
【符号の説明】
1a、1b、1c、1d 感光ドラム
2a、2b、2c、2d 現像器
3a、3b、3c、3d 一次帯電ローラ
4a、4b、4c、4d クリーニング器
5a、5b、5c、5d レーザスキャナ
6 中間転写ベルト
7 二次転写ローラ
8 定着装置
9 定着ローラ
10 加圧ローラ
14 定着前センサ
15 定着排紙センサ
16 転写前センサ
S1、S2、S3、S4 一次転写バイアス電圧源
S5 二次転写バイアス電圧源
H 転写材搬送パス
NF 定着ニップ部
NT 二次転写ニップ部
P 転写材
L 非画像面側のループ
L′ 画像面側のループ
TS 定着装置への転写材搬送動作停止タイミングと、定着装置の転写材搬送動作停止タイミングとの時間差
Td 二次転写ニップ部と定着ニップ部における停止動作開始タイミングの時間差
Claims (2)
- トナー像を担持する像担持体と前記像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写ローラとを互いに接触させて転写ニップ部を形成し、前記転写ニップ部で転写材を挟持搬送しつつ前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、回転自在に配設された定着ローラと加圧部材とを互いに押圧して定着ニップ部を形成し、前記定着ニップ部で前記転写手段によって前記トナー像が転写された転写材を挟持搬送しつつ、前記トナー像を転写材に定着させる定着手段を具備し、前記定着ニップ部と前記転写ニップ部とで転写材を挟持した状態で前記転写手段による転写材の搬送動作と前記定着手段による転写材の搬送動作との停止動作を実行する際に、前記定着手段での転写材の搬送動作を停止するタイミングが、前記転写手段での転写材の搬送動作を停止するタイミングよりも遅くなるようにして、前記転写手段による転写材の搬送動作が停止した状態で、前記定着手段によって、転写材の搬送方向に転写材を搬送させてから該定着手段による転写材の搬送動作を停止する画像形成装置であって、
前記転写ニップ部よりも転写材を搬送する方向の上流側に配置される、前記転写材を検知するための第1検知センサと、
前記転写ニップ部と前記定着ニップ部との間に搬送される前記転写材を検知するための第2検知センサと、
前記定着ニップ部よりも転写材を搬送する方向の下流側に配置される、前記転写材を検知するための第3検知センサと、
前記第1検知センサで転写材を検知してから第1の時間経過後に前記第2検知センサによって前記転写材を検知し、前記第2検知センサで転写材を検知してから第2の時間経過後に前記第3検知センサによって転写材が検知されない場合に、前記定着ローラに転写材が巻き付いたと判断する判断手段とを有し、
前記判断手段によって前記定着ローラに転写材が巻き付いたと判断した場合に、前記定着手段による転写材の搬送動作を停止するタイミングを、前記定着ローラに転写材が巻き付く長さが前記定着ローラの周長より短くなるようなタイミングに設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の時間と前記第2の時間とを、転写材の搬送速度に応じて異なる時間に設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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