JP2015094932A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写部と定着部との間で適当なループを形成させて、画像不良の発生を防止可能な画像形成装置を提供すること。【解決手段】シートを搬送しつつトナー像を転写する転写ローラ209と、シートを搬送しつつトナー像を定着させる定着ユニット213と、転写ローラ209と定着ユニット213との間に設けられ、転写ローラ209と定着ユニット213との速度差から生じるシートの弛みに基づいて、所定の信号を出力するループ検知センサ217と、シートが定着ユニット213に到達してから、ループ検知センサ217が所定の信号を出力するまでの時間を計測する計測手段と、計測手段が計測する時間に基づいて、転写ローラ209の搬送速度よりも遅い第1搬送速度及び搬送速度よりも速い第2搬送速度の組み合わせを設定し、設定した搬送速度の組み合わせで定着ユニット213によるシートの搬送速度を切り換える制御部300と、を備えた。【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等、シートに画像を形成可能な画像形成装置に関する。
一般に、電子写真方式の画像形成装置は、感光ドラムや転写ベルト等の像担持体が担持するトナー像を転写手段でシートに転写し、トナー像が転写されたシートを定着手段で加熱及び加圧することでシートに定着させる。定着手段は、熱源により加熱される定着ローラ又は定着フィルム(以下、「定着部材」という)とそれらに当接して定着ニップを形成する加圧ローラとからなり、シートを搬送しながらトナー像を加熱定着させる。
しかし、電子写真方式の画像形成装置は、定着部材の熱源による加圧ローラの熱膨張、若しくは個体差、経年変化等により、定着手段における搬送速度(定着搬送速度)と、転写手段における搬送速度(転写搬送速度)と、に差(速度差)が生じる場合がある。このような場合、定着搬送速度が転写搬送速度を上回ると、転写手段と定着手段との間でシートが定着手段によって引っ張られ、画像不良を引き起こすおそれがある。
そこで、転写手段と定着手段との間でシートに弛み(ループ)を形成させ、弛み検出装置が検出するシートの弛み量(ループ量)に応じて、定着手段での搬送速度を第1搬送速度と第2搬送速度とに切り換える画像形成装置が開示されている(特許文献1参照)。
特開平05−107966号公報
ここで、転写搬送速度よりも遅い定着搬送速度(第1搬送速度)を設定する場合、上述した様々なばらつき要因を含んだ上で設定しなければならず、定着搬送速度が必要以上に遅くなる場合が生じてくる。これは、転写搬送速度よりも速い定着搬送速度(第2搬送速度)を設定する場合も同様である。このように、第1搬送速度と第2搬送速度との速度幅が必要以上に大きくなると、定着搬送速度を切り換える際に定着ニップでずれが生じ、トナーの飛び散り等から画像不良を引き起こすおそれがある。
そこで、本発明は、転写手段と定着手段との間で適当なループを形成させて、画像不良の発生を防止可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、画像形成装置において、像担持体に形成されたトナー像を、シートを搬送しつつ転写する転写手段と、シートに転写されたトナー像を、シートを搬送しつつ定着させる定着手段と、前記転写手段と前記定着手段との間に設けられ、前記転写手段と前記定着手段との速度差から生じるシートの弛みに基づいて、所定の信号を出力する弛み検出手段と、シートが前記定着手段に到達してから、前記弛み検出手段が前記所定の信号を出力するまでの時間を計測する計測手段と、前記計測手段が計測する時間に基づいて、前記転写手段の搬送速度よりも遅い第1搬送速度及び前記転写手段の搬送速度よりも速い第2搬送速度の組み合わせを設定し、設定した搬送速度の組み合わせで前記定着手段によるシートの搬送速度を切り換える制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、転写手段と定着手段との間で適当なループを形成させて、画像不良の発生を防止可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るプリンタを模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る転写ローラ及び定着ユニットを模式的に示す断面図である。 ループ制御を示すフローチャートである。 ループ制御時におけるループ検知センサ、定着モータの回転速度及びシートのループ量の関係を示す図である。 本実施形態に係る画像形成ジョブを示すフローチャートである。 速度設定を示すフローチャートである。 補正ループ制御時のシート搬送速度を示す図である。 従来のループ制御時に切り換えられるシート搬送速度を示す図である。 補正ループ制御時のシート搬送速度を示す図である。 補正ループ制御時におけるループ検知センサ、定着モータの回転速度及びシートのループ量の関係を示す図である。 剛性の高い厚紙を搬送する際の初期ループを示す図である。 剛性の低い薄紙を搬送する際の初期ループを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれら複合機等、シートの弛み量(ループ量)を検出可能なループ検知センサ(弛み検出手段)を備えた画像形成装置である。以下の実施形態においては、画像形成装置として、電子写真方式のレーザビームプリンタ(以下、「プリンタ」という)200を用いて説明する。
まず、プリンタ200の概略構成について、図1から図4を参照しながら、シート(被転写材)Pの流れに沿って説明する。図1は、本発明の実施形態に係るプリンタ200を模式的に示す断面図である。図2は、本実施形態に係る転写ローラ209及び定着ユニット213を模式的に示す断面図である。図3は、ループ制御を示すフローチャートである。図4は、ループ制御時におけるループ検知センサ217、定着モータM2の回転速度及びシートPのループ量の関係を示す図である。
図1に示すように、プリンタ200は、給送カセット201に収納されているシートPを給送ローラ202が送り出し、送り出されたシートPを分離パッド203が1枚ずつに分離しながら給送する。給送ローラ202及び分離パッド203により分離給送されたシートPは、搬送ローラ対204によりレジストレーションローラ対206に搬送され、レジストレーションローラ対206によって斜行が補正される。斜行が補正されたシートPは、その後、レジストレーションローラ対206によって所定のタイミングで画像形成部207に搬送される。
画像形成部207は、プロセスカートリッジ211、露光装置212及び定着ユニット213等を備えており、まず、露光装置212からプロセスカートリッジ211の感光ドラム211a上にレーザ光(光像露光)Lが照射(図2参照)される。感光ドラム(像担持体)211aは、プロセスカートリッジ211の帯電ローラ211bにより所定の極性・電位に一様に帯電(一次帯電処理)されており、レーザ光Lが照射されることにより、静電潜像が形成される。
このとき感光ドラム211aは、図2に示すように、メインモータM1により、所定のプロセススピード(周速度)で矢印A方向に回転しており、メインモータM1はコントローラ32を介して制御部(制御手段)300のCPU30に駆動制御されている。なお、CPU30(速度選択手段)は、ROM61に格納された各種プログラム(後述するループ制御や速度制御等)に基づいて、プリンタ200の各構成を駆動制御するものであり、RAM62は、CPU30の作業領域として用いられるものである。
感光ドラム211a上に形成された静電潜像は、プロセスカートリッジ211の現像装置211cによって、トナー像として可視化される。可視化されたトナー像は、レジストレーションローラ対206によって転写ローラ(転写手段)209と感光ドラム211aとの転写ニップ(転写部)Tに搬送されるタイミングで、転写ローラ209によりシートPに転写される。なお、転写ローラ209は、感光ドラム211aとギアを介して接続されており、メインモータM1を駆動源として図2に示す矢印B方向に回転駆動される。また、感光ドラム211aは、クリーニング手段211dにより転写残トナー等の残存付着物の除去処理を受けることで繰り返し使用される。
トナー像が転写されたシートPは、搬送ガイド216に案内されながら、転写ニップTの搬送力で定着ユニット(定着手段)213に搬送され、定着ユニット213の定着ニップNを通過する際に加熱及び加圧されることで、トナー像が定着される。
ここで、転写ニップTと定着ニップNとの間の搬送ガイド(ガイド部材)216は、シートPを下方に湾曲させた状態(弛ませた状態)で定着ユニット213に案内するように形成されている。また、搬送ガイド216上のシート搬送路には、シートPのループ量(弛み量)を検知可能なループ検知センサ(弛み検出手段)217が設けられている。ループ検知センサ217は、検知フラグ(揺動部材)218及びフォトインタラプタ219から構成されている。
検知フラグ218は、シートPが当接可能な当接部218bと、フォトインタラプタ219の光路を遮断/開放可能な遮光部218cと、を備えており、揺動軸218aを中心に、当接部218bと遮光部218cとが連動して揺動するようになっている。具体的には、当接部218bはシート搬送路に位置するように不図示の付勢バネに付勢されており、当接部218bがシート搬送路を移動するシートPのループに押されて揺動すると、遮光部218cも揺動するようになっている。遮光部218cは、当接部218bの揺動量が所定値を超えると、フォトインタラプタ219の光路を遮断/開放する。このように、ループ検知センサ217は、シートPのループ量に応じて揺動する検知フラグ218の揺動量(揺動位置)に基づいてフォトインタラプタ219がON/OFFすることで、シートPのループ量を検出する。
なお、ループ検知センサ217が検知するループ量とは、2点間の距離と、その2点間を実際にシートPがループを持って結んだ距離との差分である。即ち、定着ニップNの定着搬送速度Vfを、転写ニップTの転写搬送速度Vtと同じ速度とした場合におけるシート上の2点間の距離と、シートPがループを持つよう定着搬送速度Vfを制御した場合におけるシート上の2点間の距離との差分である。従って、定着搬送速度Vfを転写搬送速度Vtより遅くするとループ量が増加し、定着搬送速度Vfを転写搬送速度Vtより速くするとループ量が減少する。
ループ検知センサ217の出力はCPU30に取り込まれ、CPU30で処理された情報は、不揮発性の記憶装置(記憶手段)31に記憶され、必要に応じて、記憶装置31から読み出すことができるようになっている。つまり、CPU30は、画像形成時において、逐次、記憶装置31内の情報を読み出し、読み出した情報を基に制御できるようになっている。
本実施形態に係る定着ユニット213は、加圧部材駆動式・テンションレスタイプのフィルム加熱方式の加熱装置であり、定着フィルム214と、定着フィルム214に圧接される加圧ローラ215と、を備えて構成されている。定着フィルム214は、加熱体としてのヒータ214cを含む耐熱性樹脂製の横長ステイ214aに外嵌させたエンドレスの耐熱性フィルムであり、横長ステイ214aが内面ガイド部材となっている。ヒータ214cは、高熱伝導体であるアルミナ等でできた基板214dの表面に、Ag/Pd(銀パラジウム)等の電気抵抗材料(発熱体)214eを、略中央部に長手に沿って、厚み約10μm、幅1〜3mmにスクリーン印刷等により塗工してある。更に、その上に保護層214fとして、ガラスやフッ素樹脂等をコートしている。
加圧ローラ215は、アルミニウム・鉄・ステンレス等の芯金215aと、芯金215aに外装したシリコンゴム等の離型性のよい耐熱ゴム弾性体215bと、から構成されている。加圧ローラ215は、ヒータ214cとの間で定着フィルム214を挟んで定着ニップNを構成し、定着フィルム214を従動回転させる。本実施形態においては、肉厚4mm、外径30mmとし、表面にフッ素樹脂を分散させたコート層を設けた。コート層を設けることで、シートP及び定着フィルム214の搬送性が向上すると共に、トナー汚れ等が防止されるためである。
加圧ローラ215は、芯金215aの軸方向端部が定着モータM2により駆動されることで図2に示す矢印C方向に回転駆動され、その駆動力により定着部材214の内面がヒータ214cに密着摺動しながら矢印C方向に回転駆動される。具体的には、加圧ローラ215が回転駆動すると、定着ニップNにおいて、加圧ローラ215との摩擦力で定着フィルム214に移動力がかかる。このため、定着フィルム214が加圧ローラ215の回転周速と略同速度をもって、定着フィルムの内面がヒータ214c(=保護層214f)に摺動しつつ矢印C方向に回転駆動(従動回転)される。なお、定着モータM2は、コントローラ33を介して制御部300のCPU30に駆動制御されている。
この状態でシートPが定着ニップNに進入すると、ヒータ214cの熱エネルギーが定着フィルム214を介してシートPに付与されることでトナー像が瞬間的に溶融状態となる。そして、加圧ローラ215がトナー像をシートPに加圧することで、シートP上にトナー像が固着される。
ここで、CPU30は、シートPの搬送速度がプロセス速度Vp(=186mm/sec)になるように、コントローラ32を介して、メインモータM1を駆動制御する。また、CPU30は、転写ニップTと定着ニップNでのシートPのループ量を所定範囲内に保持するために、コントローラ33を介して、定着ニップNでの定着搬送速度Vfを定着モータM2の回転速度を切り換えて、ループ制御を実行する。
ループ制御においては、図3に示すように、ループ検知センサ217の出力がONかOFFかを判断し、OFFの場合は、シートPのループが小さいので、CPU30は定着モータM2の回転速度をR(Lo)に切り換える(ステップS1、S3)。これにより、定着搬送速度Vfが、転写搬送速度Vtより遅い第1搬送速度V1に設定され、シートPのループが大きくなっていく。
なお、定着モータM2の回転速度R(Lo)は、定着搬送速度Vfが、転写搬送速度Vtより遅くなる回転速度である。第1搬送速度V1は、シートPの種類、連続通紙枚数、定着温度制御状況に応じた各部品の熱膨張、加圧力のばらつき、ローラ径の公差等が条件を考慮して、どのような状況においても必ずVt>V1となるように設定することが必要である。
一方、シートPが搬送されるにつれて、シートPのループ量が徐々に増し、所定のループ量を超えると、検知フラグ218が不図示の付勢バネの付勢力に抗しながら揺動し、フォトインタラプタ219がON(ループ検知センサ217の出力ON)する。ループ検知センサ217がON(フォトインタラプタ219がON)すると、シートPのループが大きいので、CPU30は定着モータM2の回転速度をR(Hi)に切り換える(ステップS1、S2)。これにより、定着搬送速度Vfが、転写搬送速度Vtよりも速い第2搬送速度V2に設定され、シートPのループが徐々に小さくなっていく。
なお、定着モータM2の回転速度R(Hi)は、定着搬送速度Vfが、転写搬送速度Vtより速くなる回転速度である。第2搬送速度V2においても、シートPの種類、連続通紙枚数、定着温度制御状況に応じた各部品の熱膨張、加圧力のばらつき、ローラ径の公差等が条件を考慮して、どのような状況においても必ずVt<V2となるように設定することが必要である。
そして、シートPのループ量がある程度減少すると、検知フラグ218が復帰する方向に揺動し、フォトインタラプタ219がOFFする。フォトインタラプタ219がOFFすると、CPU30は、シートPのループ量が所定量以下になったと判断して、定着モータM2の回転速度をR(Lo)に切り換える。これにより、定着ニップNの搬送速度Vfが第1搬送速度V1に設定され、転写ニップTと定着ニップNとの間でシートPのループ量が再度増加する。
このように、フォトインタラプタ219のON/OFFに応じて定着モータM2の回転速度を切り換えるループ制御を繰り返すことで、転写ニップTと定着ニップNとの間でのループ量を所定範囲内に保持しながらシートPが搬送される(図4参照)。
画像が定着されたシートPは、定着ユニット213の下流に位置するFU排出ローラ対220に搬送され、切換え部材221によって中間排出ローラ対222に案内される。中間排出ローラ対222に案内されたシートPは、中間排出ローラ対222によってFD排出ローラ対223に搬送され、FD排出ローラ対223によって機外に排出される。機外に排出されたシートPは、排出シート積載部224に積載される。
なお、シートPの裏面にも画像を形成する場合は、切換え部材221により搬送装置235に案内され、搬送装置235により両面搬送路236を介して画像形成部207に再搬送される。なお、画像形成部207での裏面への画像形成動作は、上述した表面への画像形成と同様であるため説明は省略する。
上述したように、転写ニップTを通過するまで、転写ニップTと定着ニップNとの間でのループ量を所定範囲内に保持しながらシートPを搬送することで、不要な弛みや引っ張りが生じない搬送状態を維持することができる。しかし、前述したように、様々な要因を見込んで第1搬送速度V1及び第2搬送速度V2を設定しているため、搬送速度の切り換え時において、シートPが定着フィルム214と微小なずれを起こす場合がある。この場合、シートP上で未定着トナーの飛び散り等の問題が生じることがある。そこで、これを回避するためには、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2との速度差を小さく設定すること好ましい。
そこで、本実施形態においては、ループ制御時の定着モータM2の回転速度を、定着ニップNへのシートPの突入タイミング、ループ検知センサ217の検知タイミング及び定着モータM2の切り換えタイミングを関連付けて記憶装置31に複数記憶させる。そして、シートPが定着ニップNに到達してからの所定の搬送時間に基づいて、定着ニップNにおける搬送速度の切り換え時の定着搬送速度Vfの最適値を選択する処理を行う。本実施形態においては、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2との速度差を小さくするための、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2の最適な組み合わせを選択する処理を行う。なお、所定の搬送時間に基づいて、CPU30に第1搬送速度V1及び第2搬送速度V2を演算させてもよい。
以下、第1搬送速度と第2搬送速度の最適な組み合わせを選択する画像形成ジョブについて、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成ジョブを示すフローチャートである。
図5に示すように、プリンタ200の電源がONされた後、画像形成開始信号が入力(画像形成開始)されると、まず、定着モータM2の回転速度をR3に設定する(ステップS11、12)。次に、定着ユニット213の定着ニップNにシートPの先端が突入(到達)すると、CPU30の計測手段がカウントを開始する(ステップS13、S14)。なお、シートPの先端が定着ニップNに突入するタイミングは、CPU30の計測手段により画像形成開始のタイミングから算出される。
そして、シートPの先端が検知フラグ218を経て定着ニップNに挟持されまでの間に、シートPには下向きに湾曲した凸ループが形成されることになる。すなわち、転写ニップTのシート分離角度や定着ユニット213への搬送ガイド216の傾斜角度により、シートPには下向きの凸ループが形成されることになる。また、シートPは、その下面が検知フラグ218上に支持された状態で搬送され、検知フラグ218は、シートPに押されてフォトインタラプタ219をONする位置まで揺動する。
シートPが定着ニップNに到着後、定着モータM2は、転写ニップTの転写搬送速度Vtよりも搬送速度が速くなるように設定された回転速度R3で駆動されているので、シートPのループは小さくなっていく。そして、ループ検知センサ(フォトインタラプタ219)217がOFF(所定の信号を出力)したら、カウントを終了する(ステップS15、16)。即ち、定着ニップNにシートPが突入してからループ検知センサ(フォトインタラプタ219)217がOFFするまでの時間(初期ループ消滅時間)T1を計測する。
言い換えると、シートPの先端が定着ニップNに突入した時にシートPが持つ初期のループ量X0を、定着モータM2の回転速度R3での第2搬送速度V3で、ループ検知センサ217がOFFになるまで巻き取るまでの時間T1を検出する。これは、転写ニップTの転写搬送速度Vtと定着ニップNの定着搬送速度Vfとの間の相互関係を、ループ検知センサ217の出力を基に判断するためである。
次に、時間T1に基づいて、ループ制御時の定着モータM2の回転速度(R(Hi)、R(Lo))の組み合わせを設定し、設定した定着モータM2の回転速度で、前述したループ制御(図3参照)を行う(ステップS17、S18)。言い換えると、時間T1に基づいて、第1搬送速度及び第2搬送速度の組み合わせを設定し、設定した第1搬送速度及び第2搬送速度となるように定着モータM2の回転速度を制御して、ループ制御を行う。これをシートPの後端が転写ニップTを通過するまで行う(ステップS19)。なお、シートPの後端が転写ニップTを通過するタイミングも、CPU30の計測手段により画像形成開始のタイミングから算出される。
次に、時間T1に基づいて、ループ制御時の定着モータM2の回転速度の設定に係るサブルーチン(上述したステップS17)について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、速度設定を示すフローチャートである。図7は、補正ループ制御時のシート搬送速度を示す図である。
ここで、様々な諸条件を含んだ構成の中で、時間T1が長い場合は定着ニップNの搬送状態が比較的弱い状態であることを意味する。一方、時間T1が短い場合は定着ニップNの搬送状態が比較的強い状態であることを意味する。本実施形態では、時間T1の閾値を140(msec)、540(msec)として、以下のように記憶装置31に記憶させている。
T1≦140の場合、「定着搬送状態=強」と記憶(ステップS171、S172)。
140<T1≦540の場合、「定着搬送状態=中」と記憶(ステップS173、S174)。
540<T1の場合、「定着搬送状態=弱」と記憶(ステップS175、S176)。
つまり、時間T1の値が、「T1≦140(定着搬送状態強)」、「140<T1≦540(定着搬送状態中)」、「540<T1(定着搬送状態弱)」のいずれであるかを確認する。そして、それぞれ定着モータM2の回転速度を以下のように補正する。すなわち、定着搬送状態(上述の強、中、弱)に応じて、複数記憶された組合せの中から、転写搬送速度Vtよりも速くなる回転速度R(Hi)と、転写搬送速度Vtよりも遅くなる回転速度R(Lo)の最適な組み合せを選択する。これにより、ループ検知センサ217がONしてからOFFするまでの時間を、通常ループ制御時よりも長くして、ループ量の急激な変化を効果的に緩和することができる。
なお、本実施形態においては、各回転速度R1,R2,R3,R4と定着ニップNの定着搬送速度Vf及び転写ニップTの転写搬送速度Vtとの関係は、図6及び図7に示すように設定している。具体的には、「T1≦140(=強)」の時は、定着モータM2の回転速度を、R(Hi)=R4、R(Lo)=R2に設定し、「140<T1≦540(=中)」の時は、定着モータM2の回転速度をR(Hi)=R3、R(Lo)=R4に設定している。また、「540<T1(=弱)」の時は、定着モータM2の回転速度をR(Hi)=R1、R(Lo)=R3に設定している。
ここで、通常ループ制御と補正ループ制御との違いを図8から図10に示す。図8は、従来のループ制御時に切り換えられるシート搬送速度を示す図である。図9は、補正ループ制御時のシート搬送速度を示す図である。図10は、補正ループ制御時におけるループ検知センサ、定着モータの回転速度及びシートのループ量の関係を示す図である。
図8及び図9に示すように、例えば、定着モータM2の回転速度が同じR1のときであっても、定着ユニット213が高温(Hot)状態では定着搬送速度Vfは高速になり、低温(Cold)状態では定着搬送速度Vfは低速になる。そのため、図8に示す従来の態様のように、回転速度R1と回転速度R2の2段階だけでは定着ニップNの速度差Lが大きくなる。一方、図9に示す本実施形態の態様では、定着搬送速度Vfが強、中、弱のいずれの場合も、補正ループ制御は、通常ループ制御に比べてR(Hi)とR(Lo)の間の速度差(速度幅)Lを減少させることができる。ループ制御時における定着モータM2の回転速度変化を効果的に抑えることができるので、転写ニップT、定着ニップN間においてシートPに弛みや引っ張りの生じない搬送状態を維持することができ、文字等の飛び散り画像も発生しなくなる。
次に、シートPの剛性(コシ)等によって、シートPが持つ初期のループ量X0に差が生じないように搬送ガイド216を配置した効果について、図11及び図12を参照しながら説明する。図11は、剛性の高い厚紙を搬送する際の初期ループを示す図である。図12は、剛性の低い薄紙を搬送する際の初期ループを示す図である。
図11及び図12に示すように、搬送ガイド216は、転写ローラ209の下流(直後)にある拍車216aと、定着ユニット213の上流(直前)の搬送ガイド216の頂部216bと、にシートPが触れるように配設されている。
このように配設することで、剛性の高い(コシの強い)シートPが定着ニップNに到達した瞬間(ループ制御開始)に図11に示す姿勢Phとなり、検知フラグ218が図11に示す位置hに回動することとなる。そのとき、フォトインタラプタ219がOFFする検知フラグ218の検知位置rまで、検知フラグ218が回動するのに必要な回動角は、回動角Rhとなる。同様に、剛性の低い(コシの弱い)シートPが定着ニップNに到達した瞬間(ループ制御開始)に図12に示す姿勢Plをとり、検知フラグ218を図12に示す位置lに回動することとなる。そのとき、フォトインタラプタ219がOFFする検知フラグ218の検知位置rまで検知フラグ218が回動するのに必要な回動角は、回動角Rlとなる。
つまり、コシの強いシートPは、T1を小さくするような味付けが働くようになり、逆にコシの弱いシートPは、T1を大きくするような味付けが働くこととなる。これにより、先に述べた速度選択時には、コシの強いシートPに対して「定着搬送状態強」との判断が為され易く、コシの弱いシートPに対して「定着搬送状態弱」との判断が為され易くなる。元々、コシの強いシートPは、定着ユニット213がシートPを引っ張り気味の時に、画像伸びなどの問題を抱えている。一方、コシの弱いシートPは、定着ユニット213の転写ニップTに対する搬送速度が遅くなり過ぎの時に、搬送ガイド216に対する定着前画像擦れなどの問題を抱えている。そのため、この味付けによって各々のシートPの特性にあった更なるマージンを持って、転写ニップT、定着ユニット213間においてシートPに弛みや引っ張りの生じない搬送状態を維持することができるようになる。
以上説明したように、転写ニップTと定着ニップNのシート搬送速度間の相互関係を判断して、定着搬送速度Vfの切り換え制御時の速度幅を補正すると、次のような効果が得られる。すなわち、プリンタの設計寸法ばらつき、各ローラの表面性ばらつきを全て含んだシート搬送速度設定をする必要がなくなり、実際に使用しているプリンタにおいて最適なシート搬送速度で制御することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
例えば、本実施形態においては、弛み検出手段(ループ検知センサ217)として、検知フラグ218とフォトインタラプタ219を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。弛み検出手段(ループ検知センサ217)は、例えば、非接触センサを用いてシートの弛み位置を検出することで、シートPの弛み量を検知する構成であってもよい。
また、各々のシート自身によって求められた設定を各々のシート搬送速度へと反映させる形態を例示したが、先行するシートPで求めた初期ループ消滅時間(T1)に応じて次のシートP以降における定着搬送速度Vfを設定するようにしてもよい。例えば、ジョブの最初の1枚目の初期ループ消滅時間T1を計測し、計測したT1に基づいてループ制御時の定着モータの回転速度R(Hi)、R(Lo)を設定する。そして、そのジョブ内では設定した定着搬送速度Vfでループ制御する。または、複数枚毎に初期ループ消滅時間T1を計測し、この複数枚のシートを搬送するときには、計測したT1に基づいて設定した回転速度R(Hi)、R(Lo)でループ制御するようにしてもよい。
30 CPU(速度選択手段)
31 記憶装置(記憶手段)
200 プリンタ(画像形成装置)
207 画像形成部
209 転写ローラ(転写手段)
211a 感光ドラム(像担持体)
213 定着ユニット
216 搬送ガイド(ガイド部材)
217 ループ検知センサ(弛み検出手段)
218 検知フラグ(揺動部材)
219 フォトインタラプタ
300 制御部(制御手段)
P シート

Claims (5)

  1. 像担持体に形成されたトナー像を、シートを搬送しつつ転写する転写手段と、
    シートに転写されたトナー像を、シートを搬送しつつ定着させる定着手段と、
    前記転写手段と前記定着手段との間に設けられ、前記転写手段と前記定着手段との速度差から生じるシートの弛みに基づいて、所定の信号を出力する弛み検出手段と、
    シートが前記定着手段に到達してから、前記弛み検出手段が前記所定の信号を出力するまでの時間を計測する計測手段と、
    前記計測手段が計測する時間に基づいて、前記転写手段の搬送速度よりも遅い第1搬送速度及び前記転写手段の搬送速度よりも速い第2搬送速度の組み合わせを設定し、設定した搬送速度の組み合わせで前記定着手段によるシートの搬送速度を切り換える制御手段と、を備えた、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記定着手段により切り換えられる搬送速度の組み合わせを複数記憶する記憶手段と、前記計測手段により計測された時間に基づいて、前記記憶手段に記憶された搬送速度の組み合わせから所定の搬送速度の組み合わせを選択し、選択した搬送速度の組み合わせで前記定着手段によるシートの搬送速度を切り換える速度選択手段と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記記憶手段に記憶される複数の搬送速度の組み合わせは、前記定着手段によるシートの搬送状態に基づいて予め設定されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記転写手段でトナー像が転写されたシートを、湾曲させながら前記定着手段に案内するガイド部材を有する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記弛み検出手段は、シートに接触してシートの弛み量に応じて揺動する揺動部材と、前記揺動部材の揺動位置に応じて所定の信号を出力するフォトインタラプタと、を有する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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