JP2005173486A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録材の片面画像形成モード時の搬送方向先端部、及び記録材の両面画像形成モード時の二面目の搬送方向後端部について画像の欠損および巻きつきを防止する。
【解決手段】余白幅可変設定手段12aで記録材搬送方向先端余白幅aまたは記録材搬送方向後端余白幅bが設定される。制御手段13はその設定された記録材搬送方向先端余白幅または記録材搬送方向後端余白幅に応じて、片面画像形成モードの定着実行時と両面画像形成モードの定着実行時においては第1の動作手段43eと第2の動作手段44eについてそれぞれ記録材分離部材43a・44aを回転体に対して当接させる方向または離間させる方向に動作制御する。これによって、記録材の片面画像形成モード時における搬送方向先端部、及び記録材の両面画像形成モード時における二面目の搬送方向後端部について画像の欠損および巻きつきを防止できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置に関する。より詳しくは、給紙部より給紙された記録材(転写紙・静電記録紙・エレクトロファックス紙等)に適宜の作像原理・プロセス(転写方式或いは直接方式の電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等)の作像手段にて所要の画像情報に対応した画像(未定着トナー像)を形成担持させ、該記録材を定着手段の第1の回転体と第2の回転体との間の定着部(ニップ部)に導入して挟持搬送させて記録材に画像を定着(加熱加圧定着、圧力定着等)させるレーザービームプリンタ・複写機等の画像形成装置に関する。
例えば、転写式電子写真方式を利用した画像形成装置では、感光体ドラム等の像担持体上に形成されたトナー像を記録材上の転写した後に、定着手段としての加熱定着装置によって未定着トナー像を記録材に加熱定着させて画像形成物(コピー、プリント)を得ている。
加熱定着装置としては、例えば熱ローラ方式のものが用いられる。熱ローラ方式の加熱定着装置(以下、定着装置と記す)は、ハロゲンヒータ等の加熱体(発熱体)を内包し、該加熱体で加熱されて所定の定着温度に加熱温調維持される熱ローラ(以下、定着ローラと記す)と、該熱ローラと並行に配置された該熱ローラと相互圧接する弾性加圧ローラ(以下、加圧ローラと記す)とを基本構成とし、該ローラ対を回転させ、該ローラ対の相互圧接部である定着ニップ部(加熱ニップ部)に未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入して挟持搬送させて定着ローラの熱と、定着ニップ部の加圧力にて未定着トナー像を記録材面に加熱加圧定着させるものである。一般に、定着ローラは未定着トナー画像の加熱溶融効率を考慮して記録材の未定着トナー像担持面側に配置され、加圧ローラは未定着トナー像担持面と反対面側に配置される。
上記の電子写真方式を利用した画像形成装置では、例えば特許文献1および2等に開示されているように、記録材の一面のみに、もしくは記録材の両面(一面および二面)に画像を形成できるものがある。記録材の一面のみに画像を形成する場合(以下、片面画像形成モードと記す)、感光体ドラム上に形成されたトナー像を転写手段により記録材の一面に転写し、その記録材を定着装置のニップ部に通紙させて未定着トナー像を該記録材の一面に加熱定着させる。記録材の両面に画像を形成する場合(以下、両面画像形成モードと記す)には、上記の定着装置を通過した一方面画面形成済みの記録材を感光体ドラムにスイッチバック反転搬送して該感光体ドラム上に形成されたトナー像を転写手段により記録材の二面目に転写し、その記録材を定着装置のニップ部に通紙させて未定着トナー像を該記録材の二面目に加熱定着させる。
上記した電子写真方式を利用した画像形成装置では、未定着トナー像を定着する際に、一般に、片面画像形成モード時には記録材搬送方向に対して先端部に約2〜5mmの余白(以下、先端余白と呼ぶ)を形成する必要があり、両面画像形成モード時には記録材搬送方向に対して後端部に約2〜5mmの余白(以下、後端余白と呼ぶ)を形成する必要がある。先端余白は、定着装置の定着ローラから未定着トナー像をのせた記録材の分離を促すために、記録材先端部に設ける必要がある。次に後端余白の必要性について簡単に述べる。両面画像形成時には一面目画像定着後、両面搬送経路(スイッチバック反転搬送路)をとおり反転搬送されて二面目定着時には一面目トナー像が加圧ローラ側で且つ後端余白側が記録材搬送方向先端側になるために、後端余白を設けることにより加圧ローラからの分離を促しているのである。
特開2002−351158 特開2002−053257
上記したように従来の電子写真方式を利用した画像形成装置では、記録材先端部および記録材後端部に約2〜5mmの余白を形成するが、これによって以下のような問題が発生する可能性がある。
電子写真方式を利用した画像形成装置が例えば複写機の場合には、片面画像形成モード時において、記録材先端部に画像情報を有する原稿を複写する際などに、記録材先端に余白部があることによって画像情報の一部が欠損する。例えば、記録材先端に対応した画像情報を有する原稿を複写する際などに、画像情報を欠損させないようにすると、先端余白部がなくなることになり、上述したとおりトナー像を乗せた記録材を定着ローラから分離を促していた作用が少なくなり、記録材先端部上に担持したトナー量が多い場合には、定着ローラに記録材が巻きつく場合がある。
この問題はニップ出口近傍に定着ローラ表面に一定の加圧力によって接触させた分離爪を設けることにより、もしも記録材が定着ローラに巻きついた場合においても記録材の先端が分離爪によってはがされることによって回避される。しかしながら、分離爪は常時一定の加圧力によって定着ローラ表面に当接しているために、定着ローラの表面に摺擦傷が発生するようになり、摺擦傷が顕著になってくるとその部分が定着不良になり光沢ムラ等の画像不良として表れてくる。
同様に、両面画像形成モード時において、記録材後端に対応した画像情報を有する原稿を複写する際などに画像情報を欠損させないようにすると、記録材後端余白部がなくなるため、一面目定着後、反転搬送されて二面目定着時には、加圧ローラ側に一面目画像後端部から定着ニップに進入するようになる。その結果、余白によって分離を促していた作用がすくなくなり、後端余白部にのっているトナー量が多くなると加圧ローラに巻きつく問題が生じる。加圧ローラ表面に一定の加圧力によって常時分離爪を当接することにより上記問題は回避できるが、加圧ローラ摺擦傷による画像不良の問題が生じる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録材の片面画像形成モード時の搬送方向先端部、及び記録材の両面画像形成モード時の二面目の搬送方向後端部について画像の欠損および巻きつきを防止でき、画像不良の発生をも回避できる画像形成装置を提供することにある。
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
(1)記録材上に未定着トナー像を形成する作像手段と、ニップ部を形成し該ニップ部で前記記録材を挟持搬送して未定着トナー像を加熱定着する、記録材の未定着トナー像担持面側に対向する第1の回転体とその反対面側に対向する第2の回転体とを具備した定着手段と、を有し、記録材の一面に画像を形成する片面画像形成モードと、前記定着手段を通過した一方面画像形成済みの記録材の二面に未定着トナー像を形成し前記定着手段で加熱定着させる両面画像形成モードと、を選択できる画像形成装置において、
前記第1の回転体に接離動作する第1の記録材分離部材と、
前記第2の回転体に接離動作する第2の記録材分離部材と、
前記第1の記録材分離部材を前記第1の回転体に対して接離動作させる第1の動作手段と、
前記第2の記録材分離部材を前記第2の回転体に対して接離動作させる第2の動作手段と、
前記作像手段において記録材上に画像形成する際に記録材搬送方向先端余白幅及び記録材搬送方向後端余白幅を可変設定できる余白幅可変設定手段と、
前記余白幅可変設定手段で設定した記録材搬送方向先端余白幅または記録材搬送方向後端余白幅に応じて、前記片面画像形成モードの定着実行時と前記両面画像形成モードの定着実行時においては前記第1の動作手段と前記第2の動作手段についてそれぞれ記録材分離部材を回転体に対して当接または離間の動作制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
(2)前記制御手段は、前記片面画像形成モードの定着実行時、または前記両面画像形成モードの一面目定着時においては、前記余白幅可変設定手段で設定された先端余白幅が規定幅以上の場合には前記第1の回転体に対して前記第1の記録材分離部材を離間させる方向に前記第1の動作手段を制御し、規定幅未満の場合には前記第1の回転体に対して前記第1の記録材分離部材を当接させる方向に前記第1の動作手段を制御し、前記第2の回転体に対して前記第2の記録材分離部材を離間させる方向に前記第2の動作手段を制御することを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記制御手段は、前記両面画像形成モードの二面目定着時においては、一面目の画像形成時に前記余白幅可変設定手段で設定された後端余白幅が規定幅以上の場合には前記第2の回転体に対して前記第2の記録材分離部材を離間させる方向に前記第2の動作手段を制御し、規定幅未満の場合には前記第2の回転体に対して前記第2の記録材分離部材を当接させる方向に前記第2の動作手段を制御することを特徴とする(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記第2の回転体に対して前記第2の記録材分離部材を当接させるタイミングは一面目定着から二面目定着直前までの間とすることを特徴とする(3)に記載の画像形成装置。
(5)通紙使用される記録材の種類に応じて、前記先端余白幅の規定幅及び前記後端余白幅の規定幅が変更されることを特徴とする(2)から(4)の何れかに記載の画像形成装置。
(6)環境に応じて、前記先端余白幅の規定幅及び前記後端余白幅の規定幅が変更されることを特徴とする(2)から(4)の何れかに記載の画像形成装置。
(7)前記余白設定手段は、画像形成装置本体に設けられた操作部からの設定情報に応じて余白幅を設定することを特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の画像形成装置。
即ち、余白幅可変設定手段で記録材搬送方向先端余白幅または記録材搬送方向後端余白幅が設定され、制御手段はその設定された記録材搬送方向先端余白幅または記録材搬送方向後端余白幅に応じて、片面画像形成モードの定着実行時と両面画像形成モードの定着実行時においては第1の動作手段と第2の動作手段についてそれぞれ記録材分離部材を回転体に対して当接させる方向または離間させる方向に動作制御するので、記録材の片面画像形成モード時における搬送方向先端部、及び記録材の両面画像形成モード時における二面目の搬送方向後端部について画像の欠損および巻きつきを防止でき、それぞれの記録材分離部材による回転体摺擦傷に伴う画像不良の発生をも回避できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に従って詳しく説明する。
(1)画像形成装置例
図1は本実施例の画像形成装置の概略構成模型図であり、図2は画像形成装置の制御ブロック図である。
本例に示す画像形成装置はデジタル方式のコピー機(複写機)であり、記録材の片面のみに画像を形成する片面画像形成、及び記録材の両面に画像を形成する両面画像形成が可能な構成とされる。
図1において、Aは画像形成装置本体(以下、装置本体と記す)、Bは装置本体Aの上に搭載したイメージリーダーである。
イメージリーダーBは、図2に示されるように、原稿1に対して図示しない照明ランプから光が照射された後、該原稿から反射した光はコリメータレンズ2を経てCCD3に入射される。CCD3はその入射光に応じたアナログの電気信号を画像信号処理回路4に出力し、該画像信号処理回路4はアナログの電気信号をデジタルの画像信号に変換処理する。
画像信号処理回路4によってデジタル変換処理された画像信号は、先端余白幅及び後端余白幅設定部(以下、余白幅設定部と記す)5に出力され、該余白幅設定部によって記録材の先端余白幅及び後端余白幅に対応する画像信号とされた後、ROMやRAMなどのメモリ6に一度格納され、この後、後述の感光体ドラム20に対する露光器としてのレーザースキャナーCのレーザ駆動回路7に送られるようになっている。そして、レーザ駆動回路7は、この画像信号に基づきレーザ発振器8を駆動してレーザ光Lを発光させるようにしている。
このようにして発光した画像信号(画像データ)に対応するレーザ光Lはポリゴンミラー9、レンズ10、ミラー11を介して作像手段としての作像部Dの感光体ドラム20の表面に照射されるようになっている。
作像部Dは電子写真作像機構であり、像担持体としての電子写真感光体ドラム20を有し、その回りに一次帯電器21、現像装置22、二次帯電器23、クリーニング装置24などの電子写真プロセス機器が配置されている。感光体ドラム20は、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料をアルミニウムやニッケル等のシリンダ状の基板上に形成して構成されている。
Eは定着手段としての定着装置であり、第1の回転体としての定着ローラ40と、これに加圧された第2の回転体としての加圧ローラ41とで記録材を挟持搬送する圧接部(以下、ニップ部と記す)Nを形成している。定着装置Dの構成については次の(2)項で説明する。
Fは両面画像形成の際に使用されるスイッチバック反転搬送機構であり、定着装置Dの出口側からフラッパ28を介して記録材を先端側から搬入する搬入路29aと、その記録材を後端側から取り込んで表裏を反転させて後述のシートパス34に送り出す反転搬送路29bとを有する構成とされる。搬送路29a及び反転搬送路29bには再給紙ローラ29c・29dが所定の位置に配置されている。
次に本例の画像形成装置の動作を説明する。
感光体ドラム20は矢印の反時計方向に所定のプロセススピードで回転駆動され、その表面は帯電器21によって一様に、例えば−700Vに帯電され、この後、原稿に対応した画像露光であるレーザ光Lが感光体ドラム上に照射され、これにより感光体ドラム上に静電潜像が形成される。
次に、この静電潜像が現像装置22によって現像されてトナー像として顕像化される。現像方法としては、ジャンピング現像法等が用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合わせで用いられることが多い。本実施例では現像剤として絶縁性一成分トナーを用いた現像装置である。
一方、記録材カセット30、あるいは手差し給紙トレイ31に積載収納させた記録材(以下、転写材と記す)Pが給紙ローラ32の回転動作によって給送され、分離ローラ対33で1枚分離給送され、シートパス34を通ってレジストローラ対35に給送される。なお、手差し給紙トレイ31は最小給紙サイズものから最大給紙サイズ間の任意のサイズの転写材Pを収納、給紙することができるようになっている。
給送された転写材Pは、レジストローラ対35によって、感光体ドラム20の表面に形成されたトナー像と同期を取り、感光体ドラム20と二次帯電器23とで形成される転写部に供給される。転写部において、感光体ドラム20上のトナー像は不図示の電源による転写バイアスの作用で転写材Pの片面(表面)に静電転写される。
ところで、本実施例に係るコピー機は、感光体ドラム20にレーザ光を照射して電位が下がった所を現像するいわゆる反転現像方式のものであり、このような方式のものの場合には、画像露光を行わないことで画像露光部周囲に余白が形成される。即ち、仮にベタ黒画像を出力する時にも転写材Pの周囲部分にはレーザ露光はしないので現像されずに余白ができる。
トナー像が片面に転写された転写材Pは、分離帯電器25による帯電バイアスの作用によって感光体ドラム面から分離された後、定着装置Eの定着ローラ40と加圧ローラ41間のニップ部Nに搬送される。そして、転写材Pはニップ部Nで加熱加圧されて未定着トナー像の定着を受けることにより片面に画像形成が行われる。
片面画像形成時には、定着装置Eにより片面にトナー像が定着された転写材Pは、そのまま排紙ローラ36の回転動作によって排紙トレイ37に排出される。
一方、両面画像形成時には、定着装置Eにより一面目にトナー像が定着された転写材Pは、フラッパ28の揺動動作によって搬送方向先端側からスイッチバック反転搬送機構Fの搬入路29aに搬入される。この際、転写材Pは、上下対の再給紙ローラ29cの回転動作によって、転写材先端が反転搬送路29bの合流部よりも下方に位置するまで搬入される。次に、転写材Pは、搬入路29aの再給紙ローラ29cと反転搬送路29bの再給紙ローラ29dの回転動作によって、反転搬送路29bに転写材後端側から搬送されてシートパス34に送り出される。これによって、転写材Pの表裏が反転され、その反転姿勢のままレジストローラ対35に給送される。
給送された転写材Pは、再びレジストローラ35によって、感光体ドラム20の表面に形成されたトナー像と同期を取り、感光体ドラム20と二次帯電器15とで形成される転写部に供給される。転写部において、感光体ドラム20上のトナー像は不図示の電源による転写バイアスの作用で転写材Pの二面目に静電転写される。
トナー像が二面目に転写された転写材Pは、分離帯電器25による帯電バイアスの作用によって感光体ドラム面から分離され、定着装置Dの定着ローラ40と加圧ローラ41間のニップ部Nに搬送される。その転写材Pはニップ部Nで加熱加圧されて未定着トナー像の定着を受けることにより二面目に画像形成が行われ、その後、排紙ローラ36の回転動作によって排紙トレイ37に排紙される。
このように、両面画像形成時においては、転写材Pにおいて、未定着トナー像の一面目定着後、スイッチバック反転搬送機構Eによって反転搬送されて未定着トナー像の二面目定着時に、一面目トナー像が加圧ローラ41側で、且つ後端側が転写材搬送方向先端側になる。
転写材分離後の回転感光体ドラム20はその表面に残る転写残留トナーがクリーニング器24により除去されて、繰り返して作像に供される。
(2)定着装置
定着装置Eは、ヒートローラ方式の定着装置であり、図3に示されるように、互いに圧接して回転する定着ローラ40とこれに加圧された加圧ローラ41のニップ部Nに、未定着のトナー像tを担持した転写材Pを導入して挟持搬送させることで、未定着トナー像tを転写材Pの面に熱と圧力で定着させるものである。
定着ローラ40は、アルミニウム等の芯金40aの外周にシリコンゴム等の弾性層40bを設け、更に該弾性層の表面にPFA・PTFE等のフッ素樹脂の離型層40cを設け、芯金40aの内部に熱源としてのヒータ40dを設けることで構成されている。
また加圧ローラ41は、芯金41aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させたシリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性弾性材層41bと、前記弾性材層41bの表面に設けられたPFA・PTFE等のフッ素樹脂の離型層41cで構成され、不図示の加圧手段により定着ローラ40に圧接して該定着ローラとの間にニップ部Nを形成する。
加圧ローラ41は矢示の反時計方向に所定の周速度で回転し、定着ローラ40は加圧ローラ41の回転によって矢示の時計方向に従動回転する。
そして、定着ローラ40のローラ表面には温度検知器としてのサーミスタ42が当接され、該サーミスタで検出されたローラ表面温度に基づいて、不図示のヒータ駆動回路により定着ローラ表面温度が温調目標温度になるように定着ローラ40が温調制御される。
定着ローラ40の表面温度が温調目標温度に達した後、未定着トナー像tを形成担持した転写材Pが定着装置Eのニップ部Nに搬送され、転写材Pがニップ部Nを挟持搬送されていく過程において未定着トナー像tが転写材Pの面に熱と圧力で定着される。
(3)転写材分離機構の構成
図3において、43は定着ローラ40に巻きついた転写材Pを分離して排出するための定着分離機構であり、44は加圧ローラ41に巻きついた転写材Pを分離して排出するための加圧分離機構である。
定着分離機構43は、定着ローラ40の回転方向において、ニップ部Nと近接する下流側の位置で定着ローラ表面に所定角度をもって接離動作する第1の記録材分離部材としての分離爪43aを有し、該分離爪は装置本体Aに軸43bを介して揺動自在に保持された支持部材43cの一端に回動自在に支持されている。分離爪43aの後端には引張りコイルバネ43dが連結され、該コイルバネによって分離爪43aの先端が定着ローラ表面側に付勢されている。支持部材43bの他端には第1の動作手段としてのソレノイド43eが接続されており、該ソレノイドは図2に示される制御手段としての分離機構制御部13によりオン・オフ制御される。支持部材43cは、ソレノイド43eがオフされた場合には実線にて示すように分離爪43aを定着ローラ表面から離間させるが、ソレノイド43eがオンされると破線にて示すように軸43bを中心に反時計方向に回動されて分離爪43aの先端を定着ローラ表面に押し付けるように当接させる。このとき、分離爪43aは、定着ローラ表面から受ける抗力が圧縮コイルバネ43dの付勢力よりも大きい場合、該圧縮コイルバネの付勢力に抗して反時計方向に回動してローラ表面から退避するようになっている。これによって、分離爪43aを定着ローラ表面に当接させるときの当接力による定着ローラ表面への傷付きが適切に防止される。
加圧分離機構44も定着分離機構43と同様な構成とされる。すなわち、加圧ローラ41の回転方向において、ニップ部Nと近接する下流側の位置で加圧ローラ表面に所定角度をもって接離動作する第2の記録材分離部材としての分離爪44aを有し、該分離爪は装置本体Aに軸44bを介して揺動自在に保持された支持部材44cの一端に回動自在に支持されている。分離爪44aの後端には引張りコイルバネ44dが連結され、該コイルバネによって分離爪44aの先端が加圧ローラ表面側に付勢されている。支持部材44bの他端には第2の動作手段としてのソレノイド44eが接続されており、該ソレノイドは上記の分離機構制御部13によりオン・オフ制御される。支持部材44cは、ソレノイド44eがオフされた場合には実線にて示すように分離爪44aを加圧ローラ表面から離間させるが、ソレノイド44eがオンされると破線にて示すように軸44bを中心に時計方向に回動されて分離爪44aの先端を加圧ローラ表面に押し付けるように当接させる。このとき、分離爪44aは、加圧ローラ表面から受ける抗力が圧縮コイルバネ44dの付勢力よりも大きい場合、該圧縮コイルバネの付勢力に抗して時計方向に回動してローラ表面から退避するようになっている。これによって、分離爪44aを加圧ローラ表面に当接させるときの当接力による加圧ローラ表面への傷付きが適切に防止させる。
(4)転写材の先端余白幅及び後端余白幅の設定構成
本例の画像形成装置は、図2に示されるように、コピー時にユーザーによって操作される操作パネル12を装置本体に備えており、この操作パネル12には、余白幅可変設定手段としての余白幅入力部12aと、片面画像形成モード12bと、両面画像形成モード12cと、紙種選択部12dが表示される。片面画像形成モード12b及び両面画像形成モード12cは転写材Pへの画像形成開始前に適宜選択される。余白幅入力部12aは、片面画像形成時に図4(a)に示される転写材Pの転写材搬送方向の先端余白幅aを、もしくは両面画像形成時に同図(b)に示される転写材Pの二面目の搬送方向後端余白幅bを手動で可変設定できるようになっている。紙種選択部12dは転写材Pの種類を選択可能となっており、例えば、図7に示されるように、普通紙1、普通紙2、厚紙1〜厚紙3の5種類の中から1つ選択される。操作パネル12では、片面画像形成モード12b及び両面画像形成モード12cのモード選択信号Saと、余白幅入力部12aで設定された先端余白幅a及び後端余白幅bに応じた設定値信号Sbを余白幅設定部5に出力し、紙種選択部12dの紙種信号Seを制御手段としての分離機構制御部13に出力する。
余白幅設定部5では、操作パネル12からのモード選択信号Saに基づいて片面画像形成か両面画像形成かの判断を行う。片面画像形成と判断した場合、操作パネル12から先端余白幅aに応じた設定値信号Sbを入力し、その設定値信号Sbに基づき画像信号処理回路4からの画像信号を上記先端余白幅aに対応する画像信号とする信号処理を実行してメモリ6に格納すると共に、該設定値信号Sbを先端余白幅設定値Sa1として分離機構制御部13に出力する。両面画像形成と判断した場合には、操作パネル12から後端余白幅bに応じた設定値信号Sbを入力し、その設定値信号Sbに基づき画像信号処理回路4からの画像信号を上記後端余白幅bに対応する画像信号とする信号処理を実行してメモリ6に格納すると共に、該設定値信号Sbを後端余白幅設定値Sb1として分離機構制御部13に出力する。
分離機構制御部13は、余白幅設定部5から先端余白幅設定値Sa1及び後端余白幅設定値Sb1を入力し、該先端余白幅設定値に応じて、もしくは該後端余白幅設定値に応じて定着分離機構43及び加圧分離機構44のソレノイド43e・44eを所定のタイミングで動作制御する。あるいは、操作パネル12からの紙種信号Seに基づいて転写材Pの種類を判定し、該転写材に応じた上記の先端余白幅設定値Sa1に応じて、もしくは後端余白幅設定値Sb1に応じて定着分離機構43及び加圧分離機構44のソレノイド43e・44eを所定のタイミングで動作制御する。または、図2に示されるように、装置本体A内において記録材カセット30の実装位置に温度・湿度センサ50を配設して、これで記録材カセット30付近の温度・湿度を検知させて、上記の先端余白幅設定値Sa1に応じて、もしくは後端余白幅設定値Sb1に応じて定着分離機構43及び加圧分離機構44のソレノイド43e・44eを所定のタイミングで動作制御する。
分離機構制御部13では、先端余白幅設定値Sa1及び後端余白幅設定値Sb1の入力前はソレノイド43e・44eをオフ状態に保持し、片面画像形成時に先端余白幅設定値Sa1に応じて定着分離機構43のソレノイド43eを所定のタイミングでオン・オフ動作させ、両面画像形成時には後端余白幅設定値Sb1に応じて加圧分離機構44のソレノイド44eを所定のタイミングでオン・オフ動作させる。
すなわち、
1)片面画像形成時においては、転写材Pの先端余白幅aに応じた先端余白幅設定値Sa1が0〜2mmの範囲にある場合に、転写材Pの定着ローラ40からの分離不良が発生する確率が高いと判断して、定着分離機構43のソレノイド43eを所定のタイミングでオン動作させる。従って、片面画像形成時における転写材Pの定着ローラ40からの分離を保証できうる最低規定幅Mとして先端余白幅a=2mmを定着分離機構43のソレノイド43eのオン動作制御の判断基準としている。
2)両面画像形成時においては、転写材Pの1面目(1回目の画像形成)の後端余白幅が、1面目定着後スイッチバッグ機能によりスイッチバックして再度定着NIPに到達する際には加圧ローラ側では先端側になる。そのため、1面目(1回目の画像形成)の後端余白幅が、両面定着時の加圧ローラ分離に影響する。従って、一面目の後端余白幅に応じた後端余白幅設定値が2mmを超える場合に、転写材Pの定着ローラ40からの分離不良が発生する確率が低いと判断して、定着分離機構43のソレノイド43eをオフ状態に維持し、二面目の後端余白幅bに応じた後端余白幅設定値Sb1が0〜2mmの範囲にある場合には、転写材Pの加圧ローラ41からの分離不良が発生する確率は高いと判断して、加圧分離機構44のソレノイド44eを所定のタイミングでオン動作制御する。従って、両面画像形成時における転写材Pの加圧ローラ41からの分離を保証できうる最低規定幅Nとして後端余白幅b=2mmを加圧分離機構44のソレノイド44eのオン動作制御の判断基準としている。
上記のソレノイド43e・44eをオン動作させるタイミングは図2に示される転写材検知センサ51からの検知信号Scに基づいて行い、ソレノイド43e・44eをオフ動作させるタイミングは同図に示される排紙センサ52からの検知信号Sdに基づいて行う。
転写材検知センサ51は、レジストローラ対35と、感光体ドラム20と二次帯電器23間の転写部との間に配設され、そこで転写材Pの先端を検知して分離機構制御部13に検知信号Scを出力する。排紙センサ52は、定着分離機構43及び加圧分離機構44の転写材出口側に配設され、そこで転写材Pの先端を検知して分離機構制御部13に検知信号Sdを出力する。
(5)転写材分離機構の動作制御の説明
1)片面画像形成の場合
図5は、片面画像形成時に分離機構制御部13で実行する定着分離機構43及び加圧分離機構44のソレノイド43e・44eの動作制御を示すフローチャート図である。
S1では、定着分離機構43及び加圧分離機構44のソレノイド43e・44eをオフ状態に保持しており、ソレノイド43e・44eのオフ状態で余白幅設定部5から先端余白幅設定値Sa1を入力する(S2)と、S3に進む。
S3では、先端余白幅設定値Sa1が最低規定幅Mよりも大きいか否かを判断する。Sa1>MであればS4に進む。Sa1<MであればS8に進み、先端余白幅設定値Sa1をクリア(消去)して、片面画像形成時の定着・加圧分離機構43・44の動作制御を終了する。
S4では、転写材検知センサ51から検知信号Scを入力すると、S5に進む。
S5では、定着分離機構43のソレノイド43eをオンすると、S6に進む。定着分離機構43は、ソレノイド43eがオンされることで、図3にて破線で示すように、支持部材43cが軸43bを中心に反時計方向に回動されて分離爪43aの先端を定着ローラ表面に当接させる。これによって、もしも転写材Pが先端余白幅aの部分で定着ローラ40に巻きついた状態のまま定着ローラ40と共に回転するようになったとしても、定着ローラ表面に当接された分離爪43aにより転写材Pの搬送方向先端(先端余白部分)を定着ローラ表面から分離することができる。
S6では、排紙センサ52から検知信号Sdを入力すると、S7に進む。
S7では、定着分離機構43のソレノイド43eをオフする。定着分離機構43は、ソレノイド43eがオフされることで、図3にて実線で示すように、支持部材43cが軸43bを中心に時計方向に回動されて分離爪43aの先端を定着ローラ表面から離間させる。S7において定着分離機構43のソレノイド43eをオフした後に、片面画像形成時の定着・加圧分離機構43・44の一連の動作制御を終了する。
このように、ユーザーによって操作パネル12の余白幅設定部12aで転写材Pの先端余白幅aが設定され、その設定された先端余白幅aの大きさに基づいて、未定着トナー像が定着された転写材Pが定着ローラ40から分離不良しやすい状況下においてのみ、定着分離機構43の分離爪43aを定着ローラ表面に対して当接させることができるので、転写材先端の画像の欠損を防止できると共に、転写材Pの定着ローラ40への巻きつきを防止でき、分離爪43aによる定着ローラ摺擦傷に伴う画像不良の発生を回避できる。
2)両面画像形成の場合
図6は、両面画像形成時に分離機構制御部13で実行する定着分離機構43及び加圧分離機構44のソレノイド43e・44eの動作制御を示すフローチャート図である。
S11〜S18は転写材Pの一面目への画像形成時のソレノイド43e・44eの動作制御を、S19〜S25は転写材Pの二面目への画像形成時のソレノイド43e・44eの動作制御をそれぞれ示すものである。S11〜S17は上述の片面画像形成のS1〜S7と同じであるので説明を省略する。
S11〜S18において、S18で先端余白幅設定値Sa1をクリアすると、両面画像形成時の定着・加圧分離機構43・44の動作制御を終了して、S19に進む。
S19では、定着分離機構43及び加圧分離機構44のソレノイド43e・44eのオフ状態で余白幅設定部5から二面目の後端余白幅設定値Sb1を入力すると、S20に進む。
S20では、後端余白幅設定値Sb1が最低規定幅Nよりも大きいか否かを判断する。Sb1>NであればS21に進む。Sb1<NであればS25に進み、後端余白幅設定値Sb1をクリア(消去)して、両面画像形成時の定着・加圧分離機構43・44の動作制御を終了する。
S21では、転写材検知センサ52から検知信号Scを入力すると、S22に進む。
S22では、加圧分離機構44のソレノイド44eをオンすると、S23に進む。加圧分離機構44は、ソレノイド44eがオンされることで、図3にて破線で示すように、支持部材44cが軸44bを中心に時計方向に回動されて分離爪44aの先端を加圧ローラ表面に当接させる。これによって、もしも転写材Pが後端余白幅bの部分で加圧ローラ41に巻きついた状態のまま加圧ローラ41と共に回転するようになったとしても、加圧ローラ表面に当接された分離爪44aにより転写材Pの搬送方向先端(後端余白部分)を加圧ローラ表面から分離することができる。
S23では、排紙センサ52から検知信号Sdを入力すると、S24に進む。
S24では、加圧分離機構44のソレノイド44eをオフする。加圧分離機構44は、ソレノイド44eがオフされることで、図3にて実線で示すように、支持部材44cが軸44bを中心に反時計方向に回動されて分離爪44aの先端を加圧ローラ表面から離間させる。S24において加圧分離機構44のソレノイド44eをオフした後に、両面画像形成時の定着・加圧分離機構43・44の一連の動作制御を終了する。
このように、ユーザーによって操作パネル12の余白幅設定部12aで転写材Pの後端余白幅bが設定され、その設定された後端余白幅bの大きさに基づいて、未定着トナー像が定着された転写材Pが加圧ローラ41から分離不良しやすい状況下においてのみ、加圧分離機構44の分離爪44aを加圧ローラ表面に対して当接させることができるので、転写材後端の画像の欠損を防止できると共に、転写材Pの加圧ローラ41の巻きつきを防止でき、分離爪44aによる加圧ローラ摺擦傷に伴う画像不良の発生を回避できる。
実施例1では、転写材Pの種類に問わず、転写材Pの先端余白幅a及び後端余白幅bの最低規定幅M・Nを定めており、その最低規定幅M・Nと操作パネル12で設定された余白幅a・bに応じて定着ローラ40及び加圧ローラ41に分離爪43a・44aを当接・離間させていた。
実施例2では、通紙される転写材Pの種類すなわち坪量の異なる複数の転写材Pに応じて、先端余白幅a及び後端余白幅bの最低規定幅を変更している。
一般に、転写材Pの剛性が高い、いわゆる“紙のコシ”が強い場合は、転写材Pが定着ローラ40及び加圧ローラ41に巻きつく可能性は低くなる。特に剛性がある程度以上大きい厚紙では先端余白幅a及び後端余白幅bに依存せずローラからの分離不良は発生しなくなる。逆に転写材Pの剛性が低い“紙のコシ”が小さい場合は、定着ローラ40及び加圧ローラ41からの分離性が悪くなるために、先端余白幅a及び後端余白幅bは剛性の高い紙に比べて大きく取る必要がある。
そこで、本例では、図1に示す分離機構制御部13に、図7に示されるような紙種−最低規定幅設定テーブルT1を具備させ、片面画像形成時及び両面画像形成時において、該テーブルに基づき、コピー時に操作パネル12の紙種選択部12dから選択された転写材Pの種類、及び余白幅入力部12aから選択された先端余白幅aや後端余白幅bに応じて、定着分離機構43及び加圧分離機構44のソレノイド43e・44eのオン・オフ動作制御を行う。
紙種−最低規定幅設定テーブルT1において余白幅規定量が上記の最低規定幅M・Nに対応する。したがって、分離機構制御部13では、片面画像形成時に、操作パネル12からの紙種信号Seに基づいて転写材Pの種類を判定すると共に、余白幅設定部12aからの先端余白幅設定値Sa1が当該転写材の種類に対応する余白幅規定量Mよりも大きいか否かを判断して、定着分離機構43のソレノイド43eをオン・オフ動作することで分離爪43aを定着ローラ40に当接・離間させる。両面画像形成時には、操作パネル12からの紙種信号Seに基づいて転写材Pの種類を判定する。そして、一面目画像形成時に、余白幅設定部12aからの先端余白幅設定値Sa1が当該転写材の種類に対応する余白幅規定量Mよりも大きいか否かを判断して、定着分離機構43のソレノイド43eをオン・オフ動作することで分離爪43aを定着ローラ40に当接・離間させる。二面目画像形成時には、余白幅設定部12aからの後端余白幅設定値Sb1が当該転写材の種類に対応する余白幅規定量Nよりも大きいか否かを判断して、加圧分離機構44のソレノイド44eをオン・オフ動作することで分離爪44aを加圧ローラ41に当接・離間させる。
よって、本例においても実施例1と同様の作用・効果を得ることができる。その他に、転写材Pにおいて坪量が150gを超える厚紙1及び2では、上記の余白幅入力部から選択された先端余白幅および後端余白幅が0mmでも分離爪なしで転写材を定着ローラ40及び加圧ローラ41から分離できることから、不必要に分離爪をローラに当接させなくてもよいために、実施例1の効果をより向上させることが可能となる。
実施例1では転写材Pのおかれている環境に問わず、転写材Pの先端余白幅a及び後端余白幅bの最低規定幅M・Nを定めており、その最低規定幅M・Nと操作パネル12で設定された余白幅a・bに応じて定着ローラ40及び加圧ローラ41に分離爪43a・44aを当接・離間させていた。
実施例3では、環境に応じて、先端余白幅a及び後端余白幅bの最低規定幅を変更している。
一般に、転写材がおかれている環境が高温高湿度条件になると、転写材中の水分量が増加し、いわゆる紙のコシが弱くなる。その結果、コシが弱くなった転写材Pが定着ローラ40及び加圧ローラ41に巻きつく可能性が高くなるのである。逆に低温低湿環境下では、転写材の水分量が小さいために紙のコシが強くなり、転写材Pが定着ローラ40及び加圧ローラ41に巻きつく可能性は著しく小さくなる。
そこで、本例では、図1に示す分離機構制御部13に、図8に示されるような高温高湿環境仕様の紙種−最低規定幅設定テーブルT21と低温低湿環境仕様の紙種−最低規定幅設定テーブルT22の二つのテーブルを具備させ、片面画像形成時及び両面画像形成時において、該各テーブルに基づき、コピー時に操作パネル12の紙種選択部12dから選択された転写材Pの種類、及び余白幅入力部12aから選択された先端余白幅aや後端余白幅bに応じて、定着分離機構43及び加圧分離機構44のソレノイド43e・44eのオン・オフ動作制御を行う。
各紙種−最低規定幅設定テーブルT21・T22において余白幅規定量が上記の最低規定幅M・Nに対応する。したがって、分離機構制御部13では、温度・湿度センサ50からの出力信号Sfに基づいて記録材カセット30の実装位置の環境温度及び湿度を求め、その環境温度及び湿度に基づき高温高湿環境か若しくは低温低湿環境かを判定し、その判定結果に対応する紙種−最低規定幅設定テーブルを用いて、片面画像形成時および両万画像形成時に、実施例2と同様に、定着分離機構43及び加圧分離機構44のソレノイド43e・44eをオン・オフ動作する。
よって、本例においても実施例1と同様の作用・効果を得ることができる。その他に、
上記の高温高湿環境仕様テーブルT21では、転写材Pにおいて坪量が150gを超える厚紙2・3について余白幅入力部から選択された先端余白幅および後端余白幅が0mmでも分離爪なしで転写材が定着ローラ及び加圧ローラから分離でき、また低温低湿環境仕様テーブルT22では、転写材Pにおいて坪量が105gを超える厚紙1〜3のついて余白幅入力部から選択された先端余白幅および後端余白幅が0mmでも分離爪なしで転写材が定着ローラ及び加圧ローラから分離できるために、分離爪を対応するローラに当接する必要がなくなることになる。
このように本実施例3では、環境に応じて先端余白幅及び後端余白幅の最低規定幅を変更することにより不必要に分離爪を当接することがなくなり、実施例1の効果をより向上させることが可能となる。
[その他]
1)各実施例において、両面画像形成モードで分離爪44aを加圧ローラ41に当接させるのは、転写材Pの二面目に未定着トナー像を定着させた後の加圧ローラ41からの分離を保証するためであり、よって分離爪44aを加圧ローラ41に当接させるタイミングは、最低限二面目定着直前であれば良い。例えば、本実施の形態で示したように、レジストローラ35の直後に転写材検知センサー51を設けて、一面目定着後、スイッチバック反転搬送機構Eによって反転搬送されて再度レジストローラ対35を通り、上記転写材センサー51が検知したタイミングで分離爪44aを加圧ローラ41に当接させることにより、分離爪44aを加圧ローラ41に当接する時間を短くでき、分離爪44aによる加圧ローラ摺擦傷に伴う画像不良の発生をより低減することが可能となる。
2)画像形成装置の作像部は、実施例では転写方式の電子写真作像機構であるが、これに限られず任意である。例えば、転写紙として感光紙を用いた直接方式の電子写真作像機構、転写方式あるいは直接方式の静電記録プロセス機構や磁気記録作像機構であってもよい。
3)定着装置は、実施例では定着ローラと加圧ローラを用いたヒートローラ型の定着装置であるが、これに限られず任意である。例えば、加圧ローラも熱源としてのヒータを内部に有する定着ローラとすることもできる。定着ローラの加熱方式も電磁誘導加熱機構にするなど任意である。圧力定着装置であってもよい。定着ローラ・加圧ローラは回転体に限られず、無端ベルトタイプの回転体の形態のものにすることもできる。
実施例1の画像形成装置の概略構成模型図。 画像形成装置の制御ブロック図。 定着装置、定着分離機構及び加圧分離機構の概略構成模型図。 (a)は片面画像形成モード時の先端余白幅の説明図、(b)は両面画像形成モード時の二面目の後端余白幅の説明図。 片面画像形成時の定着分離機構及び加圧分離機構の動作制御を示すフローチャート図。 両面画像形成時の定着分離機構及び加圧分離機構の動作制御を示すフローチャート図。 実施例2の画像形成装置に適用される紙種−最低規定幅設定テーブルの説明図。 実施例3の画像形成装置に適用される高温高湿環境仕様の紙種−最低規定幅設定テーブルおよび低温低湿環境仕様の紙種−最低規定幅設定テーブルの説明図。
符号の説明
12:操作パネル、12a:余白幅入力部、40:定着ローラ、41:加圧ローラ、
43:定着分離機構、44:加圧分離機構、43a・44a:分離爪、
43e・44e:ソレノイド、
D:作像部、N:ニップ部、E:定着装置、F:スイッチバック反転搬送機構。

Claims (7)

  1. 記録材上に未定着トナー像を形成する作像手段と、ニップ部を形成し該ニップ部で前記記録材を挟持搬送して未定着トナー像を加熱定着する、記録材の未定着トナー像担持面側に対向する第1の回転体とその反対面側に対向する第2の回転体とを具備した定着手段と、を有し、記録材の一面に画像を形成する片面画像形成モードと、前記定着手段を通過した一方面画像形成済みの記録材の二面に未定着トナー像を形成し前記定着手段で加熱定着させる両面画像形成モードと、を選択できる画像形成装置において、
    前記第1の回転体に接離動作する第1の記録材分離部材と、
    前記第2の回転体に接離動作する第2の記録材分離部材と、
    前記第1の記録材分離部材を前記第1の回転体に対して接離動作させる第1の動作手段と、
    前記第2の記録材分離部材を前記第2の回転体に対して接離動作させる第2の動作手段と、
    前記作像手段において記録材上に画像形成する際に記録材搬送方向先端余白幅及び記録材搬送方向後端余白幅を可変設定できる余白幅可変設定手段と、
    前記余白幅可変設定手段で設定した記録材搬送方向先端余白幅または記録材搬送方向後端余白幅に応じて、前記片面画像形成モードの定着実行時と前記両面画像形成モードの定着実行時においては前記第1の動作手段と前記第2の動作手段についてそれぞれ記録材分離部材を回転体に対して当接または離間の動作制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記片面画像形成モードの定着実行時、または前記両面画像形成モードの一面目定着時においては、前記余白幅可変設定手段で設定された先端余白幅が規定幅以上の場合には前記第1の回転体に対して前記第1の記録材分離部材を離間させる方向に前記第1の動作手段を制御し、規定幅未満の場合には前記第1の回転体に対して前記第1の記録材分離部材を当接させる方向に前記第1の動作手段を制御し、前記第2の回転体に対して前記第2の記録材分離部材を離間させる方向に前記第2の動作手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記両面画像形成モードの二面目定着時においては、一面目の画像形成時に前記余白幅可変設定手段で設定された後端余白幅が規定幅以上の場合には前記第2の回転体に対して前記第2の記録材分離部材を離間させる方向に前記第2の動作手段を制御し、規定幅未満の場合には前記第2の回転体に対して前記第2の記録材分離部材を当接させる方向に前記第2の動作手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第2の回転体に対して前記第2の記録材分離部材を当接させるタイミングは一面目定着から二面目定着直前までの間とすることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 通紙使用される記録材の種類に応じて、前記先端余白幅の規定幅及び前記後端余白幅の規定幅が変更されることを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の画像形成装置。
  6. 環境に応じて、前記先端余白幅の規定幅及び前記後端余白幅の規定幅が変更されることを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の画像形成装置。
  7. 前記余白設定手段は、画像形成装置本体に設けられた操作部からの設定情報に応じて余白幅を設定することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の画像形成装置。
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