JP4037195B2 - 車両の動力伝達装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機の動力を駆動輪に伝達する車両の動力伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の動力伝達装置として、例えば実開昭61−204065公報に開示されたものが知られている。この動力伝達装置の変速機は、エンジンに連結された駆動軸上に、互いに歯数の異なる第1および第2の駆動変速ギヤがエンジン側から順に設けられ、駆動輪に連結された被動軸上には、第1および第2の駆動変速ギヤにそれぞれ噛み合う第1および第2の被動変速ギヤが回転自在に設けられている。被動軸上には、第1被動変速ギヤよりもエンジン側の位置に第1シンクロメッシュが配置されており、この第1シンクロメッシュの噛合いにより、第1被動変速ギヤと被動軸との間を接続・遮断することによって、変速機の変速段が、第1駆動変速ギヤおよび第1被動変速ギヤに対応する変速段に設定される。また、被動軸上には、第2被動変速ギヤよりもエンジンと反対側位置に第2シンクロメッシュが配置されており、この第2シンクロメッシュの噛合いにより、第2被動変速ギヤと被動軸とを接続・遮断することによって、変速機の変速段が、第2駆動変速ギヤおよび第2被動変速ギヤに対応する変速段に設定される。
【0003】
第1および第2の被動変速ギヤは、若干の間隙をもって隣接しており、この間隙に、被動軸に固定された環状の固定プレートが配置されている。また、固定プレートの外側には、環状の回転プレートが回転自在に設けられており、この回転プレートの両面は、第1および第2の被動変速ギヤにそれぞれ接している。
【0004】
このような構成により、回転プレートによって、第1および第2被動変速ギヤ間に摩擦を生じさせることにより、一方の回転に伴って、他方が引き摺られるようにして回転させることで、駆動変速ギヤと被動変速ギヤとの噛合い部のバックラッシュを解消し、それにより歯打音の発生を防止するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の動力伝達装置では、歯打音を防止するために、第1および第2被動変速ギヤ間に、回転プレートを介して常に摩擦力が作用している。そのため、この摩擦力が回転抵抗として作用するため、燃費が悪化してしまう。また、摩擦を生じさせるために固定プレートや回転プレートのような専用の構成部品を必要とするため、部品点数や組立て工数が増加し、製造コストが増大してしまう。
【0006】
また、回転プレートによる摩擦力によって、第1および第2被動変速ギヤが回転し難くなるため、変速段を上げる場合には、被動軸との回転の同期に時間を要し、変速段の変更が遅れ、シフトフィーリングの悪化を招くおそれがある。逆に、変速段を下げる場合には、回転プレートによる摩擦力が有効に作用し、被動軸との回転の同期が早く、変速段の変更が早く行われる。そのため、変速段を下げる場合と上げる場合とでシフトフィーリングにばらつきが生じてしまう。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、専用の部品を必要とすることなくギヤの歯打音の発生を防止できるとともに、燃費およびシフトフィーリングを向上させることができる車両の動力伝達装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、原動機(実施形態における(以下、本項において同じ)エンジン2)の動力(トルク)を駆動輪Wに伝達する車両の動力伝達装置であって、原動機に連結された入力軸14と、駆動輪Wに連結された出力軸15と、互いに噛み合う複数のギヤ(第1〜第6速入力ギヤGI1〜GI6、第1〜第6速出力ギヤGO1〜GO6)をそれぞれ有し、入力軸14から出力軸15へ互いに独立して動力を伝達する複数の動力伝達経路をそれぞれ構成する複数の動力伝達ギヤ列(第1〜第6速ギヤ対GP1〜GP6)と、複数の動力伝達ギヤ列を選択的に接続・遮断し、接続された動力伝達ギヤ列によって動力伝達経路を設定する複数のクラッチ(シンクロメッシュS12、S35、S46)と、複数のクラッチの動作を制御するクラッチ制御手段(ECU6、メインアクチュエータ13、変速アクチュエータ17)と、原動機、入力軸14および出力軸15の少なくとも1つの回転数(エンジン回転数NE)を検出する回転数検出手段(クランク角センサ3)と、を備え、クラッチ制御手段は、動力伝達ギヤ列のギヤ同士の噛合いによる歯打音の発生を防止するために、回転数検出手段によって検出された回転数が、車両の加減速状態およびシフトレバー21のシフト位置SHに応じて設定された所定の回転数領域にあるときに、接続された動力伝達ギヤ列以外の入力軸14と出力軸15との間にフリクションを発生させる少なくとも1つの動力伝達ギヤ列を、シフト位置SHに応じて決定し、決定された動力伝達ギヤ列に対応するクラッチを接続側へ駆動することを特徴とする。
【0009】
この動力伝達装置によれば、複数のクラッチによって、複数の動力伝達ギヤ列が選択的に接続・遮断され、接続された動力伝達ギヤ列によって、動力伝達経路が設定される。原動機の動力は、これに連結された入力軸、設定された動力伝達経路および出力軸を介して、駆動輪に伝達される。また、回転数検出手段によって、原動機、入力軸および出力軸の少なくとも1つの回転数が検出される。この検出された回転数が、車両の加減速状態およびシフトレバーのシフト位置に応じて設定された所定の回転数領域にあるときには、動力伝達ギヤ列のギヤ同士の噛合いによる歯打音の発生を防止するために、クラッチ制御手段によって、接続された動力伝達ギヤ列以外の入力軸と出力軸との間にフリクションを発生させる少なくとも1つの動力伝達ギヤ列が決定される。そして、決定された動力伝達ギヤ列に対応するクラッチが、接続側に駆動されることによって、入力軸と出力軸との間にフリクションが発生する。
【0010】
以上により、上記のように駆動されたクラッチによって、動力伝達のために接続された動力伝達ギヤ列以外の少なくとも1つの動力伝達ギヤ列に、フリクションが回転抵抗として作用するので、この回転抵抗によってバックラッシュが解消される。それにより、ギヤの歯打音を防止することができる。また、その際には、原動機などの回転数が、車両の加減速状態およびシフト位置に応じて設定された所定の回転数領域にあるときのみ、フリクションを発生させる。これは、以下の理由による。すなわち、エンジンの回転は、回転が安定している電動モータなどとは異なり、ある周期で振動するように変動しており、歯打音は、エンジンの回転数が所定の回転数領域にある場合に特に発生しやすい。すなわち、アイドリング時や加速・減速時において回転数が所定の回転数領域にある場合などに、動力を伝達しない遮断された動力伝達ギヤ列のギヤがエンジンの振動と共振し、それにより、バックラッシュのためにギヤの歯同士が互いに衝突を繰り返すことによって、歯打音が発生しやすい。したがって、エンジンの回転数がそのような所定の回転数領域にあるときのみ、フリクションを発生させることにより、フリクションによる燃費の悪化を最小限に止めることができる。また、同じ理由から、フリクションが回転抵抗として作用することによって生じるシフトフィーリングの悪化およびばらつきの発生もまた、最小限に止めることができる。さらに、フリクションを発生させるための専用の構成部品が不要になるので、その分、部品点数や組立て工数が減少し、製造コストを低減させることができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両の動力伝達装置において、所定の回転数領域は、車両の加速時と減速時とで互いに異なる領域に設定されることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の車両の動力伝達装置において、原動機と入力軸14との間を接続・遮断するメインクラッチ5と、シフトレバー21のシフト位置SHを検出するシフト位置検出手段(シフト位置センサ22)と、車両が停止状態にあるか否かを検出する車両停止検出手段(車速センサ20)と、をさらに備え、クラッチ制御手段は、検出されたシフトレバー21のシフト位置SHがニュートラル位置であるとき、および/または検出された車両が停止状態であると検出されたときに、メインクラッチ5を遮断するとともに、複数のクラッチの作動を停止することを特徴とする。
【0016】
この動力伝達装置によれば、クラッチ制御手段は、シフトレバーがニュートラル位置にあるか、および/または車両が停止しているとき、すなわち、駆動輪に動力を伝達する必要のないときに、メインクラッチによって原動機と入力軸との間を遮断する。それにより、歯打音の原因となる原動機からの動力の伝達が無くなるため、歯打音の発生を防止することができる。また、メインクラッチが遮断されている間、クラッチ制御手段によって、複数のクラッチの作動が停止される。それにより、クラッチの作動に伴うエネルギーの無駄な消費を回避することができる。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両の動力伝達装置について説明する。図1は、本発明を適用した車両の動力伝達装置(以下、単に「動力伝達装置」という)1およびこれを搭載した車両(図示せず)の概略構成を示している。この動力伝達装置1は、エンジン(原動機)2の動力を変速して駆動輪W、Wに伝達するものであり、有段の変速機4と、エンジン2と変速機4との間を接続・遮断するメインクラッチ5と、変速機4およびメインクラッチ5などの動作を制御するECU6を備えている。
【0018】
メインクラッチ5は、エンジン2のクランクシャフト2aに連結されたフライホイール2bと変速機4との間に順に配置された、フリクションディスク7、プレッシャディスク8およびダイヤフラムスプリング9を備えている。フリクションディスク7は、入力軸14に摺動自在に支持されている。ダイヤフラムスプリング9の中央部はクラッチカバー10に支持され、内端部はレリーズベアリング11に連結されている。また、ダイヤフラムスプリング9の外端部は、プレッシャディスク8に当接し、これをフリクションディスク7側に付勢している。レリーズベアリング11には、レリーズフォーク12が連結され、このレリーズフォーク12は、その中間部で支点12aに回動自在に支持されるとともに、他端部には、メインアクチュエータ13が連結されている。
【0019】
以上の構成により、メインアクチュエータ13が作動していない状態では、ダイヤフラムスプリング9の付勢力により、フリクションディスク7がプレッシャディスク8とフライホイール2bとの間に挟持されることで、変速機4の入力軸14がフリクションディスク7およびフライホイール2bを介して、エンジン2のクランク軸2aに接続され、メインクラッチ5は接続状態となる。一方、メインアクチュエータ13が作動すると、レリーズフォーク12が支点12aを中心として、同図の時計方向に回動するのに伴い、レリーズベアリング11がダイヤフラムスプリング9を押圧し、プレッシャディスク8から離れるように弾性変形させることによって、フリクションディスク7の挟持が解かれることで、変速機4の入力軸14とエンジン2のクランク軸2aとの間が遮断され、メインクラッチ5は遮断状態になる。
【0020】
なお、メインアクチュエータ13は、油圧式または電気式のものであり、その動作は、ECU6からの制御信号によって制御される。
【0021】
変速機4は、シフトレバー21のシフト位置などに応じて、ECU6により変速動作が制御される自動変速機タイプのものである。変速機4は、メインシャフトである前記入力軸14、カウンタシャフトである出力軸15、前進用の第1〜第6速ギヤ対GP1〜GP6(以下、総称するときは「ギヤ対GP」という)、後進ギヤ軸および後進ギヤ列(ともに図示せず)などを備えている。これらの入力軸14、出力軸15および後進ギヤ軸は、互いに平行に配置されている。
【0022】
第1〜第6速ギヤ対GP1〜GP6は、エンジン2側からGP1〜GP3、GP5、GP4、GP6の順に配置されている。また、第1〜第6速ギヤ対GP1〜GP6は、入力軸14上に設けられた第1〜第6速入力ギヤGI1〜GI6と、出力軸15上に設けられ、第1〜第6速入力ギヤGI1〜GI6に常に噛み合う第1〜第6速出力ギヤGO1〜GO6とによって、それぞれ構成されていて、変速段が高いほど小さな所定のギヤ比に設定されている。以下、これらの構成を、エンジン2側から順に説明する。
【0023】
第1、2速ギヤ対GP1、GP2の第1、2速入力ギヤGI1、GI2は、入力軸14に一体に設けられ、第1、2速出力ギヤGO1、GO2は出力軸15に回転自在に設けられている。これらの第1、2速出力ギヤGO1、GO2の間に、変速段を第1速と第2速に選択的に切り替えるための第1・2速用シンクロメッシュS12が配置されている。
【0024】
この第1・2速用シンクロメッシュS12(クラッチ)は、周知の構成のものであり、また、後述する第3・5速用シンクロメッシュS35および第4・6速用シンクロメッシュS46も同じ構成を有するので、以下、これらを代表して、その構成および動作を、図2および図3を参照して説明する。また、この第1・2速用シンクロメッシュS12は、第1・2速出力ギヤGO1、GO2の間で左右対称に構成されているので、第2速出力ギヤGO2側の構成を中心として説明を行うものとする。
【0025】
図2に示すように、第1・2速用シンクロメッシュS12は、出力軸15にスプライン結合され、外周面に軸線方向に延びる多数のスプライン歯51aを有するハブ51と、内周面に多数のスプライン歯52aを有し、スプライン歯51aとの噛合いによって、ハブ51に対して軸線方向に摺動自在の環状のスリーブ52と、ハブ51の軸線方向の端面に形成された凹部51bに収容されたブロッキングリング53と、ブロッキングリング53の外周面に配置されたシンクロスプリング54などを備えている。
【0026】
スリーブ52の外周面には、シフトフォーク55が嵌合しており、このシフトフォーク55をこれに連結された変速アクチュエータ17(図1参照)で駆動することによって、スリーブ52がハブ51に対して軸線方向に駆動される。スリーブ52の一部のスプライン歯52aの軸線方向端部には、半径方向内方に突出する凸部52bが形成されており、凸部52bの下面には、第1および第2傾斜面52c、52dが、外側から順に連続するように形成されている。
【0027】
ブロッキングリング53は、半径方向外側および内側に配置されたアウターリング56およびインナーリング57と、両リング56、57間に配置されたテーパコーン58で構成されている。アウターリング56およびインナーリング57は、それぞれに形成した係止片56a、57a同士の係合によって、相対回転不能に係止されている。テーパコーン58の外周面および内周面はそれぞれテーパ面58a、58bになっており、アウターリング56の内周面およびインナーリング57の外周面にそれぞれ回転自在に接している。
【0028】
アウターリング56の軸線方向端部には、半径方向外方に突出する多数のドグ歯56b(図3参照)が形成され、これらのドグ歯56bに臨む第2速出力ギヤGO2の端部にも、多数のドグ歯59a(図3参照)が形成されていて、これらのドグ歯56b、59aにスリーブ52のスプライン歯52aが噛合い可能になっている。また、図3に示すように、スリーブ52のスプライン歯52aの端部には斜面部52eが形成されており、アウターリング56のドグ歯56bおよび第2速出力ギヤGO2のドグ歯59aの端部には、斜面部52eが当接可能な斜面部56c、59bがそれぞれ形成されている。さらに、テーパコーン58には軸線方向外方に突出する凸部58cが形成されており、この凸部58cが、第2速出力ギヤGO2に形成された凹部59cに緩く係合している。
【0029】
シンクロスプリング54は、アウターリング56の外周面に周方向に間隔を隔てて形成した複数のスプリング支持部(図示せず)に支持されている。図2に示すように、スリーブ52がニュートラル位置にあるときには、シンクロスプリング54は、アウターリング56のドグ歯56bと、ハブ51の軸線方向の端面と、スリーブ52のスプライン歯52aの軸線方向端部とに取り囲まれた状態になっている。
【0030】
以上の構成によれば、スリーブ52が図2に示すニュートラル位置にあるときには、そのスプライン歯52aの凸部52bがシンクロスプリング54に接していない状態にあることで、シンクロスプリング54のばね力がアウターリング56に作用しないため、ブロッキングリング53のアウターリング56およびインナーリング57とテーパコーン58とは、相対回転可能な状態にある。したがって、アウターリング56およびインナーリング57はハブ51と一体に回転する一方、テーパコーン58は第2速出力ギヤGO2と一体に回転するため、スリーブ52にしたがって出力軸15と第2速出力ギヤGO2との同期動作は生じない(図3(a))。
【0031】
この状態から、スリーブ52を、変速アクチュエータ17によりシフトフォーク55を介して、第2速出力ギヤGO2側へ摺動させると、スリーブ52の第1斜面部52cが、シンクロスプリング54を介して、ブロッキングリング53のアウターリング56を第2速出力ギヤGO2側に押圧し、移動させる。また、スリーブ52のスプライン歯52aの斜面部52eが、アウターリング56のドグ歯56bの斜面部56cに押圧された状態になる(同図(b))ことで、ブロッキングリング53のアウターリング56およびインナーリング57と、テーパコーン58との間に大きな摩擦力が発生する。この状態で、出力軸15と第2速出力ギヤGO2との同期動作がなされる。
【0032】
そして、この同期動作が終了すると、両者の回転差が無くなることで、両者が同期し、ブロッキングリング53がスリーブ52の移動に抵抗する力が減少しまたは無くなり、スリーブ52のスプライン歯52aはアウターリング56のドグ歯56b、56b間に移動し(同図(b)破線)、さらに第2速出力ギヤGO2のドグ歯59aの斜面部59bに当たった(同図(c))後、ドグ歯59a、59a間に噛み合う(同図(d))。これにより、第2速出力ギヤGO2が出力軸15と完全に一体化されることで、第2速ギヤ対GP2が接続状態になり、変速機4の変速段が第2速に設定される。
【0033】
一方、図示しないが、スリーブ52を第1速出力ギヤGO1側(図2の左側)へ摺動させると、上記とまったく同じ動作により、スリーブ52のスプライン歯52aが、同期動作の後、第1速出力ギヤGO1のドグ歯59aに噛み合う。これにより、第1速出力ギヤGO1が出力軸15と完全に一体化されることで、第1速ギヤ対GP1が接続状態になり、変速機4の変速段が第1速に設定される。また、スリーブ52がニュートラル位置に位置しているときには、第1、2速ギヤ対GP1、GP2がいずれも遮断状態になる。
【0034】
なお、スリーブ52を駆動する変速アクチュエータ17は、油圧式または電気式のものであり、その動作は、ECU6によって制御される。また、スリーブ52のスプライン歯52aが、ブロッキングリング53のドグ歯56bを押圧している同期動作中に、その押圧荷重を制御することにより、第1・2速用シンクロメッシュS12を介して入力軸14から出力軸15に伝達されるトルク(動力)の大きさや、入力軸14と出力軸15の間のフリクションの大きさを制御することが可能である。この押圧荷重もまた、変速アクチュエータ17を介して、ECU6によって制御される。また、第1・2速用シンクロメッシュS12を、後述する他のシンクロメッシュS35、S46とともに総称するときには、「シンクロメッシュS」という。
【0035】
上記の第1、2速ギヤ対GP1、GP2とは逆に、第3、5速ギヤ対GP3、GP5の第3、5速入力ギヤGI3、GI5は、入力軸14に回転自在に設けられ、第3、5速出力ギヤGO3、GO5は出力軸15に一体に設けられている。また、第3、5速入力ギヤGI3、GI5の間に、上述した第1・2速用シンクロメッシュS12と同様の構成の第3・5速用シンクロメッシュS35(クラッチ)が配置されている。したがって、この第3・5速用シンクロメッシュS35は、変速アクチュエータ17により駆動されることで、第3速入力ギヤGI3または第5速入力ギヤGI5を、入力軸14に選択的に接続するか、あるいは同時に遮断する。これにより、変速機4の変速段が、第3速または第5速に設定される。
【0036】
これと同様に、次の第4、6速ギヤ対GP4、GP6の第4、6速入力ギヤGI4、GI6は、入力軸14に回転自在に設けられ、第4・6速出力ギヤGI4、GI6は、出力軸15に一体に設けられており、第4、6速入力ギヤGI4、GI6の間に、同様の第4・6速用シンクロメッシュS46(クラッチ)が配置されている。したがって、この第4・6速用シンクロメッシュS46は、第4速入力ギヤGI4または第6速入力ギヤGI6を、入力軸14に選択的に接続するか、あるいは同時に遮断する。これにより、変速機4の変速段が、第4速または第6速に設定される。
【0037】
なお、図示しない後進ギヤ列は、入力軸14、後進ギヤ軸および出力軸15上にそれぞれ設けられ、互いに噛み合う後進用ギヤ(図示せず)で構成されている。また、これらの後進用ギヤの1つが、対応する軸に、回転自在に設けられるとともに、後進用シンクロメッシュで接続・遮断されるように構成されていて、それにより、変速機4の変速段が後進に設定される。
【0038】
一方、出力軸15には、連結ギヤ18が一体に設けられており、この連結ギヤ18は、ディファレンシャル19のギヤ19aと常に噛み合っている。したがって、エンジン2のトルクは、変速機4の変速比で変速された後、出力軸15からディファレンシャル19を介して駆動輪W、Wに伝達され、駆動輪W、Wが回転駆動される。
【0039】
エンジン2の本体には、クランク角センサ3(回転数検出手段)が取り付けられている。このクランク角センサ3は、エンジン3のクランク軸2aの回転に伴い、所定のクランク角ごとに、パルス信号であるCRK信号をECU6に出力する。ECU6は、このCRK信号に基づき、エンジン回転数NEを求める。また、エンジン2の吸気管(図示せず)に設けられたスロットル弁(図示せず)の開度(以下「スロットル弁開度」という)THがスロットル弁開度センサ23によって検出され、その検出信号はECU6に出力される。また、車速センサ20(車両停止検出手段)から、車速Vを表す検出信号がECU6に出力される。シフトレバー21には、シフト位置SHを検出するシフト位置センサ22(シフト位置検出手段)が設けられており、その検出信号はECU6に出力される。
【0040】
ECU6は、本実施形態において、メインアクチュエータ13および変速アクチュエータ17とともにクラッチ制御手段を構成するものである。ECU6は、RAM、ROM、CPUおよびI/Oインターフェースなどからなるマイクロコンピュータ(いずれも図示せず)で構成されている。ECU6は、シフト位置センサ22により検出されたシフトレバー21のシフト位置SHなどに応じて、メインアクチュエータ13および変速アクチュエータ17を介してメインクラッチ5およびシンクロメッシュSの動作を制御することによって、変速機4の動作を制御する。
【0041】
次に、ECU6で実行されるクラッチ制御処理を、図4から図6を参照しながら説明する。このクラッチ制御処理は、接続状態にあるギヤ対GP以外のギヤ対GPの噛合い部のバックラッシュによって発生する歯打音を防止するために実行されるものである。
【0042】
まず、ステップ1(図面では「S1」と表示する。以下同じ)において、シフトレバー21のシフト位置SHがニュートラル位置であるか否かを判別する。この判別結果がNOであるときには、車速Vが値0より大きいか否か、すなわち車両が走行中か否かを判別する(ステップ2)。
【0043】
ステップ1の判別結果がYESで、シフト位置がニュートラル位置であるとき、またはステップ2の判別結果がNO、すなわち車速が0で車両が停止状態にあるときには、駆動輪W、Wにトルク(動力)を伝達する必要がないとして、メインアクチュエータ13を介してメインクラッチ5を遮断状態に制御する(ステップ9)。また、変速アクチュエータ17を介して、すべてのシンクロメッシュSを遮断状態に制御し(ステップ10)、本処理を終了する。
【0044】
一方、ステップ3の判別結果がYESのとき、すなわち、シフト位置SHがニュートラル位置以外であり、且つ車両が走行中であるときには、スロットル弁開度THに基づき、車両が減速中であるか否かを判別する(ステップ3)。この判別結果がNOで、減速中でないときには、車両が加速中であるか否かを判別する(ステップ4)。この判別結果がYESで、車両が加速中のときには、ECU6のROMに記憶されたNE判定値マップから、エンジン回転数NEの加速時用の下限値NEAおよび上限値NEBを読み出し、設定する(ステップ5)。図5はそのNE判定値マップの一例であり、エンジン回転数NEの加速時用の下限値NEAおよび上限値NEBと、減速時用の下限値NECおよび上限値NEDを、エンジン2との共振によりギヤ対GPに歯打音が発生しやすい所定の回転数領域を規定するものとして、シフト位置SHごとに定めたものである。
【0045】
具体的には、ギヤ対GPの共振特性のシミュレーション結果に基づき、加速時用のNEA、NEBは、シフト位置が高速段であるほど大きくなるように、且つ下限値NEAおよび上限値NEBによって規定される所定の回転数領域が拡大するように設定されている。また、減速時用の下限値NECはシフト位置にかかわらず一定であり、上限値NEDは高速段であるほど小さくなるように設定されていて、それにより、下限値NECおよび上限値NEDによって規定される所定の回転数領域が縮小するように設定されている。
【0046】
次いで、エンジン回転数NEが、ステップ5において設定した下限値NEAよりも大きく且つ上限値NEBよりも小さいか否か、すなわち、エンジン回転数NEが所定の回転数領域にあるか否かを判別する(ステップ6)。この判別結果がYESのときには、図6の決定マップに基づき、シフト位置SHに応じてフリクションを発生させるべきギヤ対GPを決定する(ステップ7)。図6は、その決定マップの一例であり、この決定マップは、接続状態にあるシンクロメッシュS以外のシンクロメッシュSによって、接続・遮断されるギヤ対GPのうち、歯打音がより発生しやすいものを、フリクションを発生させるべきギヤ対GPとしてあらかじめ定めたものである。例えば、シフト位置が第1速であるときには、シンクロメッシュS12によってギヤ対GP1が接続されているので、フリクション発生用に、第3・5速および第4・6速用のシンクロメッシュS35、S46が用いられるとともに、歯打音が発生しやすい第3速および第4速用のギヤ対GP3およびGP4にフリクションを発生させる。
【0047】
次いで、ステップ8に進み、この決定に従って変速アクチュエータ17を駆動することによって、該当するシンクロメッシュSを作動させ、決定したギヤ対GPに、所定の大きさのフリクションを発生させるようにし、本処理を終了する。この場合の所定のフリクションは、前述したシンクロメッシュSのスプライン歯52aをドグ歯56bに当接させた状態で生じる小さなものであり、このフリクションにより、そのギヤ対GPのバックラッシュが解消されることによって、歯打音が防止される。
【0048】
一方、ステップ6の判別結果がNOであるとき、すなわち、エンジン回転数NEが、下限値NEAと上限値NEBで規定される所定の回転数領域にないときには、歯打音が発生するおそれがほとんどないとして、ステップ11に進み、変速アクチュエータ17を介して、接続状態にあるギヤ対GP以外のギヤ対GPに対応するシンクロメッシュSを遮断状態に制御し、フリクションが生じない状態とし、本処理を終了する。また、前記ステップ4の判別結果がNOで、車両が加速中および減速中のいずれでもない一定の定速状態にあるときも同様に、前記ステップ11を実行する。
【0049】
一方、ステップ4の判別結果がYESのとき、すなわち、車両が減速中であるときには、ステップ5と同様に、図5のNE判定値マップに基づき、シフト位置SHに応じて、エンジン回転数NEの減速時用の下限値NECおよび上限値NEDを設定する(ステップ12)。
【0050】
次いで、ステップ6と同様に、エンジン回転数NEが、ステップ12において設定した下限値NECよりも大きく、且つ上限値NEDよりも小さいか否かを判別する(ステップ13)。この判別結果がYESで、エンジン回転数NEが所定の回転数領域にあるときには、ステップ7と同様にして、図6の決定マップに基づき、シフト位置SHに応じて、フリクションを発生させるべきギヤ対GPを決定する(ステップ14)。
【0051】
次いで、この決定に従って、該当するシンクロメッシュSを作動させ、決定したギヤ対GPに所定の大きさのフリクションを発生させるようにし(ステップ15)、本処理を終了する。
【0052】
一方、ステップ13の判別結果がNOのとき、すなわちエンジン回転数NEが所定の回転数領域にないときには、歯打音が発生するおそれがないとして、前記ステップ11に進み、接続状態にあるギヤ対GP以外のシンクロメッシュSを遮断状態に制御し、本処理を終了する。
【0053】
以上のように、本実施形態の動力伝達装置1によれば、接続状態にあるギヤ対GP以外のギヤ対GPに、上述したように駆動されたシンクロメッシュSによって発生するフリクションが回転抵抗として作用することによって、バックラッシュが解消される。それにより、ギヤ対GPでの歯打音の発生を防止することができる。また、その際には、エンジン回転数NEが、ギヤ対GPにおいて歯打音が発生しやすい所定の回転数領域にあるときのみフリクションを発生させる。それにより、フリクションによる燃費の悪化を最小限に止めることができる。また、同じ理由から、フリクションが回転抵抗として作用することにより生じるシフトフィーリングの悪化およびばらつきの発生もまた、最小限に止めることができる。さらに、フリクションを発生させるための専用の構成部品を必要としないことによって、部品点数や組立て工数が減少し、製造コストを低減させることができる。
【0054】
また、シンクロメッシュSを用いて、ギヤ対GPの接続・遮断が行われることによって、シンクロメッシュSを接続側に駆動する度合いを制御することにより、所望の大きさのフリクションを得ることができる。また、ギヤ対GPが遮断された状態では、引きずりが無く、不要なフリクションの発生を無くすことができる。それにより、燃費をさらに向上させることができる。また、ギヤ対GPで発生する歯打音だけでなく、入力軸14または出力軸15とシンクロメッシュSのハブ51との間、アウターリング56とハブ51の間、およびハブ51とスリーブ52の間のそれぞれで発生する歯打音も防止することができる。さらに、ブロッキングリング53と出力ギヤGOの間、およびアウターリング56とインナーリング57の間で発生する打音も防止することができる。
【0055】
また、シンクロメッシュSの作動によってフリクションを発生させるか否かを判定するための所定の回転数領域は、加速時と減速時とでそれぞれ別個に設定されるため、車両の走行状態に応じて、歯打音の発生を適切かつ確実に防止することができる。
【0056】
また、シフトレバー21がニュートラル位置にあるか、および/または車両が停止しているとき、すなわち、駆動輪Wに動力伝達する必要のないときに、メインクラッチ5によってエンジン2と入力軸14との間を遮断する。それにより、歯打音の原因となるエンジン2からのトルクの伝達が無くなるため、歯打音の発生を防止することができる。また、メインクラッチ5が遮断されている間、すべてのシンクロメッシュSを遮断状態に制御するので、シンクロメッシュSの作動に伴うエネルギーの無駄な消費を回避することができる。
【0057】
なお、本実施形態においては、フリクションを発生させるか否かの決定を、クランク角センサ22を用いて検出したエンジン回転数NEに応じて行っているが、入力軸14または出力軸15の回転数を検出するとともに、検出した回転数が、対応する所定の回転数領域内にあるか否かに応じて行うようにしてもよい。また、実施形態では、変速機4のクラッチとしてシンクロメッシュSを用いているが、前述したように、このシンクロメッシュSは、接続状態に制御されることによりエンジン2からのトルクを伝達するとともに対応するギヤ対GPに回転抵抗として作用するフリクションを発生させるために用いられるので、そのような機能を有する他のタイプのクラッチを用いてもよい。例えば、湿式多板クラッチは、遮断状態において、オイルの粘性によって若干の引きずりが生じるものの、シンクロメッシュSに代えて用いることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明の車両の動力伝達装置によれば、専用の部品を必要とすることなくギヤの歯打音の発生を防止できるとともに、燃費およびシフトフィーリングを向上させることができる、などの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した動力伝達装置、およびこれを搭載した車両の概略構成を示す図である。
【図2】シンクロメッシュの構成を示す部分縦断面図である。
【図3】シンクロメッシュの動作を説明するための図である。
【図4】クラッチ制御処理を示すフローチャートの一例である。
【図5】所定の回転数領域を設定するためのマップの一例である。
【図6】フリクションを発生させるギヤ対を決定するためのマップの一例である。
【符号の説明】
1 動力伝達装置
2 エンジン
3 クランク角センサ(回転数検出手段)
5 メインクラッチ
6 ECU(クラッチ制御手段)
13 メインアクチュエータ(クラッチ制御手段)
14 入力軸
15 出力軸
17 変速アクチュエータ(クラッチ制御手段)
20 車速センサ(車両停止検出手段)
21 シフトレバー
22 シフト位置センサ(シフト位置検出手段)
GP1〜GP6 第1〜第6速ギヤ対(動力伝達ギヤ列)
GI1〜GI6 第1〜第6速入力ギヤ(ギヤ)
GO1〜GO6 第1〜第6速出力ギヤ(ギヤ)
S12 第1・2速用シンクロメッシュ(クラッチ)
S35 第3・5速用シンクロメッシュ(クラッチ)
S46 第4・6速用シンクロメッシュ(クラッチ)
W 駆動輪
NE エンジン回転数
V 車速
SH シフト位置
Claims (3)
- 原動機の動力を駆動輪に伝達する車両の動力伝達装置であって、
当該原動機に連結された入力軸と、
前記駆動輪に連結された出力軸と、
互いに噛み合う複数のギヤをそれぞれ有し、前記入力軸から前記出力軸へ互いに独立して動力を伝達する複数の動力伝達経路をそれぞれ構成する複数の動力伝達ギヤ列と、
当該複数の動力伝達ギヤ列を選択的に接続・遮断し、当該接続された動力伝達ギヤ列によって前記動力伝達経路を設定する複数のクラッチと、
当該複数のクラッチの動作を制御するクラッチ制御手段と、
前記原動機、前記入力軸および前記出力軸の少なくとも1つの回転数を検出する回転数検出手段と、を備え、
前記クラッチ制御手段は、前記動力伝達ギヤ列の前記ギヤ同士の噛合いによる歯打音の発生を防止するために、前記回転数検出手段によって検出された回転数が、前記車両の加減速状態およびシフトレバーのシフト位置に応じて設定された所定の回転数領域にあるときに、前記接続された動力伝達ギヤ列以外の前記入力軸と前記出力軸との間にフリクションを発生させる少なくとも1つの動力伝達ギヤ列を、前記シフト位置に応じて決定し、当該決定された動力伝達ギヤ列に対応する前記クラッチを接続側へ駆動することを特徴とする車両の動力伝達装置。 - 前記所定の回転数領域は、前記車両の加速時と減速時とで互いに異なる領域に設定されることを特徴とする請求項1に記載の車両の動力伝達装置。
- 前記原動機と前記入力軸との間を接続・遮断するメインクラッチと、
シフトレバーのシフト位置を検出するシフト位置検出手段と、
前記車両が停止状態にあるか否かを検出する車両停止検出手段と、をさらに備え、
前記クラッチ制御手段は、前記検出されたシフトレバーのシフト位置がニュートラル位置であるとき、および/または前記車両が停止状態にあると検出されたときに、前記メインクラッチを遮断するとともに、前記複数のクラッチの作動を停止することを特徴とする請求項1に記載の車両の動力伝達装置。
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