JP2004301153A - 変速制御装置 - Google Patents

変速制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004301153A
JP2004301153A JP2003091841A JP2003091841A JP2004301153A JP 2004301153 A JP2004301153 A JP 2004301153A JP 2003091841 A JP2003091841 A JP 2003091841A JP 2003091841 A JP2003091841 A JP 2003091841A JP 2004301153 A JP2004301153 A JP 2004301153A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
gear
speed
clutch
determination value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003091841A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4242189B2 (ja
Inventor
Isamu Sunaga
勇 須長
Atsushi Ishihara
淳 石原
Toshiji Kumagai
利治 熊谷
Tatsuya Yoneyama
竜也 米山
Tetsuo Matsumura
哲生 松村
Takashi Okada
岡田  隆
Hiroshi Sakamoto
博史 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2003091841A priority Critical patent/JP4242189B2/ja
Publication of JP2004301153A publication Critical patent/JP2004301153A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4242189B2 publication Critical patent/JP4242189B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】同期部品の寿命を延ばすことができ、ギヤ鳴りおよび変速ショックの発生を防止でき、商品性を向上させることができる変速制御装置を提供する。
【解決手段】変速制御装置1のECU2は、3速段から4速段にシフトアップする際、クラッチ4を接続状態に保持しかつ3−6速用アクチュエータ30Cを噛み合い状態に保持しながら、4−7速用アクチュエータ30Dのスリーブ21を遮断位置から噛合位置に摺動させるとともに、スリーブ21の摺動中、スリーブ21がボーク位置まで摺動した場合(ステップ4:YES)において、スリーブ21の摺動量STが第1判定値SREF1以上であるとき(ステップ8:YES)には、クラッチ4を遮断しかつ3−6速用アクチュエータ30Cの噛み合いを解除した後、4−7速用アクチュエータ30Dのスリーブ21を噛合位置に摺動させる(ステップ46〜54)。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有段の変速機の変速動作およびクラッチの接続・遮断動作を制御する変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の変速制御装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この変速制御装置は、前進6速段・後進1速段を有する自動車用の変速機に適用されたものである。この変速機は、エンジンと変速機の間を接続・遮断するクラッチと、前進6速段のうちの2つの変速段での変速動作を行うための3つの同期噛合機構とを備えている。これらの3つの同期噛合機構の各々は、ギヤ歯を有し、摺動自在のスリーブと、スリーブのギヤ歯と噛み合うように形成されたギヤ歯を有する円錐型の同期化手段とを備えている。
【0003】
また、変速制御装置は、クラッチを駆動するクラッチ用アクチュエータと、3つの同期噛合機構をそれぞれ駆動する3つの同期噛合機構用アクチュエータなどを備えている。各同期噛合機構は、対応する同期噛合機構用アクチュエータにより、そのスリーブが同期化手段側に軸線方向に押圧されることで、同期化手段と互いに同期し始め、その同期後に両者のギヤ歯が互いに噛み合う。その結果、エンジンのトルクが、1つの変速ギヤ段を介して駆動輪側に伝達される。また、その状態から、同期噛合機構用アクチュエータにより、スリーブが逆方向に押圧され、摺動することで、スリーブのギヤ歯と同期化手段のギヤ歯との噛合が解除され、変速段がニュートラル状態とされる。
【0004】
この変速制御装置では、例えば前進2速段から前進3速段に変速する指令信号が入力された場合、クラッチ用アクチュエータにより、クラッチが接続状態に保持されるとともに、その状態で、前進3速段用の同期噛合機構用アクチュエータにより、前進3速段用の同期噛合機構のスリーブがその同期化手段側に軸線方向に押圧され、両者が互いに同期し始める。これと同時に、前進2速段用の同期噛合機構用アクチュエータにより、前進2速段用の同期噛合機構のスリーブが同期化手段との噛合が外れるように軸線方向に押圧される。そして、前進3速段用の同期噛合機構の伝達トルクが、エンジントルクに等しくなったときに、前進2速段用の同期噛合機構のスリーブのギヤ歯と同期化手段のギヤ歯との噛み合いが外れる。その後、前進3速段用の同期噛合機構のスリーブは、同期化手段との同期が完了した後に両者のギヤ歯同士が噛み合い、それにより、変速動作が終了する。以上のような変速動作を行う理由は、変速中のトルク抜けの発生を可能な限り回避するためである。
【0005】
また、同期噛合機構として、例えば特許文献2に記載されたものが知られている。この同期噛合機構は、変速ギヤの外周面に形成されたクラッチギヤ、スリーブおよびシンクロリングを備えている。このシンクロリングは、その内周面および外周面がコーン面として形成されており、変速ギヤの外周面は、シンクロリングの内周面に接するコーン面として形成されている。この同期噛合機構では、変速の際、スリーブがニュートラル位置からシンクロリング側に押圧されると、シンクロリングを介して、スリーブおよびクラッチギヤが互いに同期し始めるとともに、この同期開始後、スリーブがボーク位置まで摺動すると、スリーブのスプライン歯がシンクロリングのギヤ歯に当接し、それにより、スリーブ、シンクロリングおよびクラッチギヤが互いに同期する。この同期後、スリーブがシンクロリングを越えてクラッチギヤ側に摺動し、スリーブのスプライン歯がクラッチギヤに噛み合うことにより、同期噛合機構が締結され、変速動作が終了する。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−213201号公報(第7〜9頁、第1図)
【特許文献2】
特許第2658539号公報(第4〜5頁、第1〜4図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載された変速制御装置の同期噛合機構として、特許文献2に記載されたものを適用した場合、以下のような問題が発生する。すなわち、アクチュエータによりスリーブをシンクロリング側に押圧した場合、そのスプライン歯がシンクロリングのギヤ歯に当接するボーク位置までのスリーブの摺動量は、シンクロリングの摩耗または熱膨張に起因して、必ずしも一定とならないとともに、同期噛合機構が新品のときの値よりも大きい値となる。そのため、例えば前進2速段から前進3速段に変速する際、アクチュエータにより、前進3速段用の同期噛合機構のスリーブをボーク位置まで一定の摺動量で摺動させると、スリーブがシンクロリングと同期する前に、これを越えてクラッチギヤと当接したり、クラッチギヤに一時的に噛み合ったりすることがある。その場合、クラッチが接続状態に保持され、かつ前進2速段用の同期噛合機構におけるスリーブとクラッチギヤとが噛合状態にあるため、ギヤ鳴りおよび変速ショックが発生したり、運転性が悪化したりするという問題がある。また、そのような状態までシンクロリングの摩耗している場合でも、変速動作の度に、クラッチが接続されかつ前進2速段用の同期噛合機構が噛み合った状態で、前進3速段用の同期噛合機構のボーク動作が実行されるため、シンクロリングの摩耗がさらに進んでしまうことで、その寿命が短くなってしまうとともに、上記ギヤ鳴りおよび変速ショックがより発生しやすくなる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、同期部品の寿命を延ばすことができ、ギヤ鳴りおよび変速ショックの発生を防止でき、商品性を向上させることができる変速制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、動力源(例えば実施形態における(以下、この項において同じ)エンジン3)の動力(エンジントルクTQE)を変速しながら被駆動体(駆動輪6)に伝達する変速機10の変速動作を制御するとともに、動力源と被駆動体との間を接続・遮断するクラッチ4の動作を制御する変速制御装置1において、変速機10は、動力源と被駆動体との間に設けられた複数の回転軸(入力軸11、出力軸12)と、複数の回転軸のうちの少なくとも2つの回転軸上にそれぞれ設けられ、少なくとも2つの回転軸のうちの1つの回転軸(入力軸11)に対して回転自在に支持された第1回転自在ギヤ(3速入力ギヤ15a)を含む複数の第1変速ギヤ(3速入出力ギヤ15a,15b)を有し、第1変速段(前進3速段)を構成する第1変速ギヤ列(3速ギヤ列15)と、複数の回転軸のうちの少なくとも2つの回転軸上にそれぞれ設けられ、少なくとも2つの回転軸のうちの1つの回転軸(入力軸11)に対して回転自在に支持された第2回転自在ギヤ(4速入力ギヤ16a)を含む複数の第2変速ギヤ(4速入出力ギヤ16a,16b)を有し、第1変速段と異なる変速比の第2変速段(前進4速段)を構成する第2変速ギヤ列(4速ギヤ列16)と、第1回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸と、第1回転自在ギヤとを連結することによって、動力源の動力を第1変速ギヤ列を介して被駆動体に伝達させるとともに、連結を解除する第1連結機構(3−6速用同期噛合機構20C)と、第2回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸と、第2回転自在ギヤとを互いに同期させながら連結することによって、動力源の動力を第2変速ギヤ列を介して被駆動体に伝達させるとともに、連結を解除する第2連結機構(4−7速用同期噛合機構20D)と、を有し、第2連結機構は、第2回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸上に回転自在に設けられ、第2回転自在ギヤ側に押圧されたときに、第2回転自在ギヤとの間の摩擦により第2回転自在ギヤと互いに同期するリング(ブロッキングリング22)と、第2回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸と第2回転自在ギヤとの間を遮断する遮断位置(ニュートラル位置)と、第2回転自在ギヤの係合部(ドグ歯162)と係合することにより第2回転自在ギヤを1つの回転軸に連結する連結位置(噛合位置)との間で摺動自在にかつ1つの回転軸と一体に回転するように1つの回転軸上に設けられ、連結位置側に摺動したときに連結位置と遮断位置との間のボーク位置でリングに当接することにより、リングを第2回転自在ギヤ側に押圧しながらリングと互いに同期するスリーブ21と、を有し、クラッチ4を駆動するクラッチ駆動装置(クラッチアクチュエータ30E)と、第1連結機構を駆動する第1駆動装置(3−6速用アクチュエータ30C)と、第2連結機構のスリーブ21を、遮断位置と連結位置との間で摺動させる第2駆動装置(4−7速用アクチュエータ30D)と、スリーブ21の摺動量STを検出する摺動量検出手段(ECU2、回転角度センサ52)と、スリーブ21がリング(ブロッキングリング22)に当接したか否かを判定する判定手段(ECU2)と、第1変速段から第2変速段への変速の際、クラッチ駆動装置、第1および第2駆動装置を制御することにより、クラッチ4を接続状態に保持しながら、第2連結機構(4−7速用アクチュエータ30D)のスリーブ21を遮断位置から連結位置に摺動させるとともに、スリーブ21の摺動中、判定手段によりスリーブ21がリングに当接したと判定された場合(ステップ4の判別結果がYESの場合)において、摺動量検出手段により検出されたスリーブ21の摺動量STが所定の第1判定値SREF1以上であるとき(ステップ8の判別結果がYESのとき)には、クラッチ4を遮断した後、スリーブ21を連結位置に摺動させる制御手段(ECU2、ステップ46,52)と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この変速制御装置によれば、第1変速段から第2変速段への変速の際、制御手段により、クラッチ駆動装置、第1および第2駆動装置が制御されることによって、クラッチを接続状態に保持したままで、第2連結機構のスリーブが遮断位置から連結位置に摺動するように駆動される。このスリーブの摺動中、スリーブは、遮断位置と連結位置の間のボーク位置でリングに当接することにより、リングおよび第2回転自在ギヤと互いに同期する。その際、スリーブがリングに当接したと判定された場合において検出されたスリーブの摺動量が所定の第1判定値以上であるときには、クラッチを遮断した後、第2連結機構のスリーブが連結位置に摺動される。したがって、クラッチを接続したままで同期動作を行う従来のものと比べて、同期部品としてのリングの摩耗を低減でき、その寿命を延ばすことができる。さらに、この変速制御装置を自動車用の変速機を制御するものに適用した場合には、リングが摩耗すると、第1変速段から第2変速段への変速の際、クラッチの遮断による動力の抜けが発生するようになるので、リングの摩耗を走行中に運転者に気付かせることができる。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の変速制御装置1において、第1連結機構(3−6速用同期噛合機構20C)は、第1回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸と、第1回転自在ギヤとを噛み合いにより連結し、第2連結機構(4−7速用同期噛合機構20D)のスリーブ21は、連結位置で第2回転自在ギヤの係合部と互いに噛み合うように構成され、制御手段は、第1変速段から第2変速段への変速の際、クラッチ4を接続状態に保持しかつ第1連結機構を噛み合い状態に保持しながら、第2連結機構のスリーブ21を遮断位置から連結位置に摺動させるとともに、スリーブ21の摺動中、判定手段によりスリーブ21がリング(ブロッキングリング22)に当接したと判定された場合において、摺動量検出手段により検出されたスリーブ21の摺動量STが所定の第1判定値SREF1以上であるときには、クラッチ4の遮断および第1連結機構の噛み合いの解除を実行した後、スリーブを連結位置に摺動させる(ステップ46,49,52)ことを特徴とする。
【0012】
この変速制御装置によれば、第1変速段から第2変速段への変速の際、クラッチが接続状態に保持されかつ第1連結機構が噛み合い状態に保持されたままで、すなわち動力源の動力が第1ギヤ列を介して被駆動体に伝達されている状態で、第2連結機構のスリーブが遮断位置から連結位置に摺動するように駆動される。このスリーブの摺動中、スリーブがリングに当接したと判定された場合において検出されたスリーブの摺動量が所定の第1判定値以上であるときには、クラッチの遮断および第1連結機構の噛み合いの解除を実行した後、第2連結機構のスリーブを連結位置に摺動させる。したがって、この所定の第1判定値を適切に設定することにより、リングの摩耗または熱膨張に起因して、スリーブのボーク位置までの摺動量が新品のときよりも増大した場合でも、従来と異なり、クラッチが接続状態に保持されかつ第1連結機構が噛み合い状態に保持されたままで、第2連結機構のスリーブが第2回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合うのを防止できる。その結果、ギヤ鳴りおよび変速ショックの発生を防止でき、商品性を向上させることができる。さらに、この変速制御装置を自動車用の変速機を制御するものに適用した場合には、上記の理由により、運転性を向上させることができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の変速制御装置1において、制御手段は、スリーブ21がリング(ブロッキングリング22)に当接したと判定された場合におけるスリーブ21の摺動量STが所定の第1判定値SREF1以上であるときには、クラッチ4の遮断および第1連結機構(3−6速用アクチュエータ30C)の噛み合いの解除を実行する前に、第2連結機構(4−7速用アクチュエータ30D)のスリーブ21を遮断位置に摺動させる(ステップ40〜42)ことを特徴とする。
【0014】
この変速制御装置によれば、スリーブがリングに当接したと判定された場合におけるスリーブの摺動量が所定の第1判定値以上であるときには、クラッチの遮断および第1連結機構の噛み合いの解除を実行する前に、第2連結機構のスリーブを遮断位置に摺動させるので、スリーブが第2回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合うのを確実に防止できる。さらに、クラッチを遮断してからスリーブを連結位置に摺動させるので、リングが第2回転自在ギヤと同期する際の摩擦力を、クラッチを接続したままのときよりも低減することができる。それにより、リングの摩耗をさらに抑制でき、その寿命をさらに延ばすことができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項2または3に記載の変速制御装置1において、第2連結機構の負荷LDを検出する負荷検出手段(ECU2、クランク角センサ54、アクセル開度センサ55)をさらに備え、制御手段は、第1変速段から第2変速段への変速の際、スリーブ21の遮断位置から連結位置への摺動中、スリーブ21がリング(ブロッキングリング22)に当接したと判定された場合(ステップ4の判別結果がYESの場合)において、検出されたスリーブ21の摺動量STが所定の第1判定値SREF1よりも小さい所定の第2判定値SREF2以上で所定の第1判定値SREF1よりも小さく、かつ検出された負荷LDが所定の負荷判定値LREF以上のとき(ステップ7〜9の判別結果がYESのとき)には、クラッチ4の遮断および第1連結機構の噛み合いの解除を実行した後(ステップ46〜51)、第2連結機構のスリーブ21を連結位置に摺動させる(ステップ52〜54)ことを特徴とする。
【0016】
この変速制御装置によれば、スリーブの摺動量が所定の第1判定値よりも小さい所定の第2判定値以上でかつ所定の第1判定値よりも小さい範囲にある場合でも、負荷検出手段により検出された負荷が所定の負荷判定値以上のときには、クラッチの遮断および第1連結機構の噛み合いの解除を実行した後、第2連結機構のスリーブを連結位置に摺動させるので、リングを第2回転自在ギヤに同期させる際、第2連結機構における負荷が大きいことで、リングの摩耗度合いが大きくなると想定される状態での同期動作を回避することができる。その結果、リングの摩耗をより一層、抑制でき、その寿命をより一層、延ばすことができる。また、第2連結機構における負荷が大きいと、リングの熱膨張の度合いが大きくなることによって、スリーブが第2回転自在ギヤの係合部と係合する位置まで摺動する可能性が高くなるけれども、所定の第1判定値を適切に設定することにより、そのようなスリーブの摺動を防止することができる。その結果、第2連結機構のスリーブが第2回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合うのを確実に回避でき、ギヤ鳴りおよび変速ショックの発生をさらに確実に防止することができる。さらに、負荷検出手段により検出された負荷が所定の負荷判定値よりも小さいときには、クラッチを接続状態に保持しかつ第1連結機構を噛み合い状態に保持しながら、第2連結機構のスリーブを遮断位置から連結位置に摺動させることにより、変速中の動力抜けの発生を可能な限り回避することができ、商品性をさらに向上させることができる。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の変速制御装置1において、スリーブ21が連結位置側に摺動する際にスリーブ21に作用する第2駆動装置の駆動力(押圧荷重F4TH)を検出する駆動力検出手段(ECU2)と、検出された第2駆動装置の駆動力(押圧荷重F4TH)が大きいほど、所定の第2判定値SREF2をより大きい値に設定する第2判定値設定手段(ECU2、ステップ5)と、をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
この変速制御装置では、第2駆動装置の駆動力により第2連結機構のスリーブを摺動させた際、機械部品に生じるたわみは、駆動力が大きいほど、より大きくなる。したがって、この変速制御装置によれば、所定の第2判定値を、上記のような機械部品に生じるたわみを補償しながら設定することができ、それに応じて、前述したような制御を適切に行うことができる。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の変速制御装置1において、スリーブ21が連結位置側に摺動する際にスリーブ21に作用する第2駆動装置の駆動力(押圧荷重F4TH)を検出する駆動力検出手段(ECU2)と、検出された第2駆動装置の駆動力(押圧荷重F4TH)が大きいほど、所定の第1判定値SREF1をより小さい値に設定する第1判定値設定手段(ECU2、ステップ5)と、をさらに備えることを特徴とする。
【0020】
この変速制御装置では、第2駆動装置の駆動力により第2連結機構のスリーブを摺動させた際、駆動力が大きいほど、応答遅れなどに起因してオーバーシュート量が大きくなるので、そのようなオーバーシュート量の増大に起因して、クラッチが接続状態に保持されかつ第1連結機構が噛み合い状態に保持されたままで、第2連結機構のスリーブが第2回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合う可能性が生じる。また、第2駆動装置の駆動力が大きいほど、第2連結機構のスリーブを摺動させる際に機械部品に生じるたわみがより大きくなるのに起因して、リングを介して、第2連結機構のスリーブと第2回転自在ギヤが互いに同期した後、そのたわみが解放されたときに、第2連結機構のスリーブが第2回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合う可能性が生じる。したがって、駆動力が大きいほど、所定の第1判定値をより小さい値に設定することにより、第2連結機構のスリーブが第2回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合うのを確実に回避でき、ギヤ鳴りおよび変速ショックの発生をさらに確実に防止することができる。
【0021】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の変速制御装置1において、第1判定値設定手段は、所定の第1判定値SREF1を、スリーブ21が連結位置側に摺動した際に第2回転自在ギヤの係合部(ドグ歯162)との接触を開始するときのスリーブ21の摺動量(しきい値STLMT)に基づいて設定することを特徴とする。
【0022】
この変速制御装置によれば、所定の第1判定値が、スリーブが連結位置側に摺動した際に第2回転自在ギヤの係合部との接触を開始するときのスリーブの摺動量に基づいて設定されるので、クラッチが接続状態に保持されかつ第1連結機構が噛み合い状態に保持されたままで、第2連結機構のスリーブが第2回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合うのをより一層、確実に防止できる。
【0023】
請求項8に係る発明は、動力源(エンジン3)の動力(エンジントルクTQE)を変速しながら被駆動体(駆動輪6)に伝達する変速機10の変速動作を制御するとともに、動力源と被駆動体との間を接続・遮断するクラッチ4の動作を制御する変速制御装置1において、変速機10は、動力源と被駆動体との間に設けられた複数の回転軸(入力軸11、出力軸12)と、複数の回転軸のうちの少なくとも2つの回転軸上にそれぞれ設けられ、少なくとも2つの回転軸のうちの1つの回転軸(入力軸11)に対して回転自在に支持された第1回転自在ギヤ(3速入力ギヤ15a)を含む複数の第1変速ギヤ(3速入出力ギヤ15a,15b)を有し、第1変速段(前進3速段)を構成する第1変速ギヤ列(3速ギヤ列15)と、複数の回転軸のうちの少なくとも2つの回転軸上にそれぞれ設けられ、少なくとも2つの回転軸のうちの1つの回転軸(入力軸11)に対して回転自在に支持された第2回転自在ギヤ(4速入力ギヤ16a)を含む複数の第2変速ギヤ(4速入出力ギヤ16a,16b)を有し、第1変速段と異なる変速比の第2変速段(前進4速段)を構成する第2変速ギヤ列(4速ギヤ列16)と、複数の回転軸のうちの少なくとも2つの回転軸上にそれぞれ設けられ、少なくとも2つの回転軸のうちの1つの回転軸(出力軸12)に対して回転自在に支持された第3回転自在ギヤ(5速出力ギヤ17b)を含む複数の第3変速ギヤ(5速入出力ギヤ17a,17b)を有し、第1および第2変速段と異なる変速比の第3変速段(前進5速段)を構成する第3変速ギヤ列(5速ギヤ列17)と、第1回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸と、第1回転自在ギヤとを連結することによって、動力源の動力を第1変速ギヤ列を介して被駆動体に伝達させるとともに、連結を解除する第1連結機構(3−6速用同期噛合機構20C)と、第2回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸と、第2回転自在ギヤとを連結することによって、動力源の動力を第2変速ギヤ列を介して被駆動体に伝達させるとともに、連結を解除する第2連結機構(4−7速用同期噛合機構20D)と、第3回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸と、第3回転自在ギヤとを互いに同期させながら連結することによって、動力源の動力を第3変速ギヤ列を介して被駆動体に伝達させるとともに、連結を解除する第3連結機構(2−5速用同期噛合機構20B)と、を有し、第3連結機構は、第3回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸上に回転自在に設けられ、第3回転自在ギヤ側に押圧されたときに、第3回転自在ギヤとの間の摩擦により第3回転自在ギヤと互いに同期するリングと、第3回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸と第3回転自在ギヤとの間を遮断する遮断位置(ニュートラル位置)と、第3回転自在ギヤの係合部(ドグ歯)と係合することにより第3回転自在ギヤを1つの回転軸に連結する連結位置(噛合位置)との間で摺動自在にかつ1つの回転軸と一体に回転するように1つの回転軸上に設けられ、連結位置側に摺動したときに連結位置と遮断位置との間のボーク位置でリングに当接することにより、リングを第3回転自在ギヤ側に押圧しながらリングと互いに同期するスリーブと、を有し、クラッチ4を駆動するクラッチ駆動装置(クラッチアクチュエータ30E)と、第1および第2連結機構をそれぞれ駆動する第1および第2駆動装置(3−6速用および4−7速用アクチュエータ30C,30D)と、第3連結機構のスリーブを、遮断位置と連結位置との間で摺動させる第3駆動装置(2−5速用アクチュエータ30B)と、スリーブの摺動量を検出する摺動量検出手段(ECU2、回転角度センサ)と、スリーブがリングに当接したか否かを判定する判定手段(ECU2)と、第1変速段から第2変速段への変速の際、クラッチ駆動装置、第1、第2および第3駆動装置を制御することにより、クラッチ4を接続状態に保持しながら、第3連結機構(2−5速用同期噛合機構20B)のスリーブを遮断位置からボーク位置に摺動させるとともに、スリーブの摺動中、判定手段によりスリーブがリングに当接したと判定された場合(ステップ104の判別結果がYESの場合)において、摺動量検出手段により検出されたスリーブの摺動量ST2が所定の第3判定値SREF3以上であるとき(ステップ108の判別結果がYESのとき)には、スリーブの遮断位置への摺動およびクラッチ4の遮断を実行した後、第2連結機構(4−7速用同期噛合機構20D)を連結状態に駆動する制御手段(ECU2、ステップ140,146,152)と、を備えることを特徴とする。
【0024】
この変速制御装置によれば、第1変速段から第2変速段への変速の際、制御手段により、クラッチ駆動装置、第1、第2および第3駆動装置が制御されることによって、クラッチを接続状態に保持したままで、第3連結機構のスリーブが遮断位置からボーク位置に摺動するように駆動される。このスリーブの摺動中、スリーブがボーク位置でリングに当接したと判定された場合において検出されたスリーブの摺動量が所定の第3判定値以上であるときには、スリーブの遮断位置への摺動およびクラッチの遮断を実行した後、第2連結機構が噛み合い状態に駆動される。したがって、従来のクラッチを接続したままで同期動作を行うものと比べて、同期部品としてのリングの摩耗を低減でき、その寿命を延ばすことができる。さらに、この変速制御装置を自動車用の変速機を制御するものに適用した場合には、リングが摩耗すると、第1変速段から第2変速段への変速の際、クラッチの遮断による動力の抜けが発生するようになるので、リングの摩耗を走行中に運転者に気付かせることができる。
【0025】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の変速制御装置1において、第1連結機構(3−6速用同期噛合機構20C)は、第1回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸と、第1回転自在ギヤとを噛み合いにより連結し、第2連結機構(4−7速用同期噛合機構20D)は、第2回転自在ギヤを回転自在に支持する1つの回転軸と、第2回転自在ギヤとを噛み合いにより連結し、第3連結機構(2−5速用同期噛合機構20B)のスリーブは、連結位置で第3回転自在ギヤの係合部と互いに噛み合うように構成され、制御手段は、第1変速段から第2変速段への変速の際、クラッチ4を接続状態に保持しかつ第1連結機構を噛み合い状態に保持しながら、第3連結機構のスリーブを遮断位置から連結位置に摺動させるとともに、スリーブの摺動中、判定手段によりスリーブがリングに当接したと判定された場合において、摺動量検出手段により検出されたスリーブの摺動量ST2が所定の第3判定値SREF3以上であるときには、クラッチ4の遮断、第1連結機構の噛み合いの解除およびスリーブの遮断位置への摺動を実行した後、第2連結機構を噛み合い状態に駆動する(ステップ140,146,149,152)ことを特徴とする。
【0026】
この変速制御装置によれば、第1変速段から第2変速段への変速の際、クラッチが接続状態に保持されかつ第1連結機構が噛み合い状態に保持されたままで、すなわち動力源の動力が第1ギヤ列を介して被駆動体に伝達されている状態で、第3連結機構のスリーブが遮断位置から連結位置に摺動するように駆動される。このスリーブの摺動中、スリーブがリングに当接したと判定された場合において検出されたスリーブの摺動量が所定の第3判定値以上であるときには、クラッチの遮断および第1連結機構の噛み合いの解除を実行した後、第2連結機構が噛み合い状態に駆動される。したがって、この所定の第3判定値を適切に設定することにより、リングの摩耗または熱膨張に起因して、スリーブのボーク位置までの摺動量が新品のときよりも増大した場合でも、従来と異なり、クラッチが接続状態に保持されかつ第1連結機構が噛み合い状態に保持されたままで、第3連結機構のスリーブが第3回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合うのを防止できる。その結果、ギヤ鳴りおよび変速ショックの発生を防止でき、商品性を向上させることができる。さらに、この変速制御装置を自動車用の変速機を制御するものに適用した場合には、上記の理由により、運転性を向上させることができる。
【0027】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の変速制御装置1において、制御手段は、スリーブがリングに当接したと判定された場合におけるスリーブの摺動量ST2が所定の第3判定値SREF3以上であるときには、クラッチ4の遮断および第1連結機構(3−6速用アクチュエータ30C)の噛み合いの解除を実行する前に、スリーブを遮断位置に摺動させる(ステップ140〜142)ことを特徴とする。
【0028】
この変速制御装置によれば、スリーブがリングに当接したと判定された場合におけるスリーブの摺動量が所定の第3判定値以上であるときには、クラッチの遮断および第1連結機構の噛み合いの解除を実行する前に、第3連結機構のスリーブを遮断位置に摺動させるので、スリーブが第3回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合うのを確実に防止できるとともに、リングの寿命を延ばすことができる。
【0029】
請求項11に係る発明は、請求項9または10に記載の変速制御装置1において、第3連結機構の負荷LD2を検出する負荷検出手段(ECU2、クランク角センサ54、アクセル開度センサ55)をさらに備え、制御手段は、第1変速段から第2変速段への変速の際、スリーブの遮断位置から連結位置への摺動中、スリーブがリングに当接したと判定された場合(ステップ104の判別結果がYESの場合)において、検出されたスリーブの摺動量ST2が所定の第3判定値SREF3よりも小さい所定の第4判定値SREF4以上で所定の第3判定値SREF3よりも小さく、かつ検出された負荷LD2が所定の負荷判定値LREF2以上のとき(ステップ107〜109の判別結果がYESのとき)には、クラッチ4の遮断、第1連結機構の噛み合いの解除およびスリーブの遮断位置への摺動を実行した後、第2連結機構を噛み合い状態に駆動する(ステップ140,146,149,152)ことを特徴とする。
【0030】
この変速制御装置によれば、スリーブの摺動量が所定の第3判定値よりも小さい所定の第4判定値以上でかつ所定の第3判定値よりも小さい範囲にある場合でも、負荷検出手段により検出された負荷が所定の負荷判定値以上のときには、クラッチの遮断、第1連結機構の噛み合いの解除およびスリーブの遮断位置への摺動を実行した後、第2連結機構が噛み合い状態に駆動されるので、ボーク位置にあるスリーブによりリングが第3回転自在ギヤ側に押圧され、同期を開始する際、第3連結機構における負荷が大きいことで、リングの摩耗度合いが大きくなると想定される状態での同期動作を回避することができる。その結果、リングの摩耗をより一層、抑制でき、その寿命をより一層、延ばすことができる。また、負荷検出手段により検出された負荷が所定の負荷判定値よりも小さいときには、クラッチを接続状態に保持しかつ第1連結機構を噛み合い状態に保持しながら、第3連結機構のスリーブを遮断位置からボーク位置に摺動させることにより、変速中の動力抜けの発生を可能な限り回避することができ、商品性をさらに向上させることができる。
【0031】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の変速制御装置1において、スリーブが連結位置側に摺動する際にスリーブに作用する第3駆動装置の駆動力(押圧荷重F5TH)を検出する駆動力検出手段(ECU2)と、検出された第3駆動装置の駆動力(押圧荷重F5TH)が大きいほど、所定の第4判定値SREF4をより大きい値に設定する第4判定値設定手段(ECU2、ステップ105)と、をさらに備えることを特徴とする。
【0032】
この変速制御装置によれば、第3駆動装置の駆動力により第3連結機構のスリーブを摺動させた際、機械部品に生じるたわみは、駆動力が大きいほど、より大きくなる。したがって、この変速制御装置によれば、所定の第4判定値を、上記のような機械部品に生じるたわみを補償しながら設定することができ、それに応じて、前述したような制御を適切に行うことができる。
【0033】
請求項13に係る発明は、請求項9ないし11のいずれかに記載の変速制御装置1において、スリーブが連結位置側に摺動する際にスリーブに作用する第3駆動装置の駆動力(押圧荷重F5TH)を検出する駆動力検出手段(ECU2)と、検出された第3駆動装置の駆動力(押圧荷重F5TH)が大きいほど、所定の第3判定値SREF3をより小さい値に設定する第3判定値設定手段(ECU2、ステップ105)と、をさらに備えることを特徴とする。
【0034】
この変速制御装置では、第3駆動装置の駆動力により第3連結機構のスリーブを摺動させた際、駆動力が大きいほど、応答遅れなどに起因してオーバーシュート量が大きくなるので、そのようなオーバーシュート量の増大に起因して、クラッチが接続状態に保持されかつ第1連結機構が噛み合い状態に保持されたままで、第3連結機構のスリーブが第3回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合う可能性が生じる。したがって、駆動力が大きいほど、所定の第3判定値をより小さい値に設定することにより、第3連結機構のスリーブが第3回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合うのを確実に回避でき、ギヤ鳴りおよび変速ショックの発生をさらに確実に防止することができる。
【0035】
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の変速制御装置1において、第3判定値設定手段は、所定の第3判定値SREF3を、スリーブが連結位置側に摺動した際に第3回転自在ギヤの係合部(ドグ歯)との接触を開始するときのスリーブの摺動量(しきい値STLMT2)に基づいて設定することを特徴とする。
【0036】
この変速制御装置によれば、所定の第3判定値が、スリーブが連結位置側に摺動した際に第3回転自在ギヤの係合部との接触を開始するときのスリーブの摺動量に基づいて設定されるので、クラッチが接続状態に保持されかつ第1連結機構が噛み合い状態に保持されたままで、第3連結機構のスリーブが第3回転自在ギヤの係合部と誤って噛み合うのをより一層、確実に防止できる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る変速制御装置について説明する。図1は、本実施形態に係る変速制御装置1およびこれが適用された変速機10およびクラッチ4を有する車両駆動系の概略構成を示している。この変速制御装置1は、変速機10の変速動作およびクラッチ4の接続・遮断動作を制御するものであり、後述するECU2、各種のアクチュエータ30A〜30Fおよび各種のセンサ50〜55などを備えている。
【0038】
この車両駆動系は、動力源としてのエンジン3の動力(エンジントルクTQE)を変速しながら駆動輪6,6(被駆動体)に伝達するものであり、クラッチ4、変速機10および差動ギヤ機構5などを備えている。
【0039】
クラッチ4は、エンジン3のクランクシャフト3aに連結されたクラッチ板4aと、このクラッチ板4aと対をなす、変速機10の入力軸11に連結されたクラッチ板4bと、これをクラッチ板4a側に付勢するダイヤフラムスプリングなどを備えている。また、クラッチ4には、クラッチアクチュエータ30Eが連結されている。このクラッチアクチュエータ30E(クラッチ駆動装置)は、ECU2に接続された電動式のものであり、ECU2からの制御信号により作動・非作動状態に制御される。
【0040】
以上の構成により、クラッチアクチュエータ30Eが非作動のときには、ダイヤフラムスプリングの付勢力により、クラッチ板4a,4bが互いに当接する状態に保持される。すなわちクラッチ4が接続状態に保持される。一方、クラッチアクチュエータ30Eが作動すると、クラッチ板4bが、ダイヤフラムスプリングの付勢力に抗しながら、クラッチ板4aから離間する方向に駆動され、それにより、クラッチ4は遮断される。
【0041】
また、クラッチアクチュエータ30Eには、クラッチセンサ50が設けられている。このクラッチセンサ50は、クラッチアクチュエータ30Eの作動・非作動に起因してクラッチ4が接続・遮断状態にあることを検出し、それを表す検出信号をECU2に出力する。
【0042】
変速機10は、前進1〜7速段および後進1速段(以下「後進段」という)を有し、シフトレバー9が操作されたときに、ECU2により各種のアクチュエータ30A〜30Dが後述するように駆動されることによって、変速動作が制御される自動変速機タイプのものである。ECU2には、シフト位置センサ51が電気的に接続されており、このシフト位置センサ51は、シフトレバー9の操作により、ニュートラル位置、1〜7速段位置および後進段位置のいずれのシフト位置が選択されたかを検出し、それを表す検出信号をECU2に出力する。
【0043】
変速機10は、入力軸11(回転軸、1つの回転軸)、出力軸12(回転軸、1つの回転軸)、前進1〜7速ギヤ列13〜19、後進ギヤ軸RSおよび後進ギヤ列RGなどを備えている。これらの入力軸11、出力軸12および後進ギヤ軸RSは、互いに平行に配置されている。なお、以下の説明では、「前進1〜7速」を「1〜7速」と略す。
【0044】
1〜7速ギヤ列13〜19は、入力軸11に設けられた1〜7速入力ギヤ13a〜19aと、出力軸12に設けられ、1〜7速入力13a〜19aとそれぞれ対をなし、常に噛み合う1〜7速出力ギヤ13b〜19bで、それぞれ構成されており、変速段が高いほど小さいギヤ比に設定されている。
【0045】
1〜7速ギヤ列13〜19および後進ギヤ列RGは、エンジン3側から、後進ギヤ列RG→1速ギヤ列13→2速ギヤ列14→5速ギヤ列17→3速ギヤ列15→6速ギヤ列18→4速ギヤ列16→7速ギヤ列19の順に、配置されている。
【0046】
後進ギヤ列RGは、入力軸11と一体の後進入力ギヤRGaと、後進ギヤ軸RSと一体の後進中間ギヤRGmと、出力軸12上に回動自在に設けられた後進出力ギヤRGbとで構成されている。
【0047】
また、1速ギヤ列13では、1速入力ギヤ13aが入力軸11に一体に設けられ、1速出力ギヤ13bが出力軸12上に回転自在に設けられている。これと同様に、2速ギヤ列14でも、2速入力ギヤ14aが入力軸11に一体に設けられ、2速出力ギヤ14bが出力軸12上に回転自在に設けられている。さらに、5速ギヤ列17(第3変速ギヤ列)でも、5速入力ギヤ17a(第3変速ギヤ)が入力軸11に一体に設けられ、5速出力ギヤ17b(第3変速ギヤ、第3回転自在ギヤ)が出力軸12上に回転自在に設けられている。
【0048】
一方、3速ギヤ列15(第1変速ギヤ列)では、3速入力ギヤ15a(第1変速ギヤ、第1回転自在ギヤ)が入力軸11上に回転自在に設けられ、3速出力ギヤ15b(第1変速ギヤ)が出力軸12に一体に設けられている。また4速ギヤ列16(第2変速ギヤ列)でも、4速入力ギヤ16a(第2変速ギヤ、第2回転自在ギヤ)が入力軸11上に回転自在に設けられ、4速出力ギヤ16b(第2変速ギヤ)が出力軸12に一体に設けられている。これと同様に、6速および7速ギヤ列18,19でも、6速および7速入力ギヤ18a,19aが入力軸11上に回転自在に設けられ、6速および7速出力ギヤ18b,19bが出力軸12に一体に設けられている。
【0049】
また、後進出力ギヤRGbと1速出力ギヤ13bの間には、R−1速用同期噛合機構20Aが設けられている。このR−1速用同期噛合機構20Aは、後述するように、変速動作中、R−1速用アクチュエータ30Aにより駆動されることで、後進出力ギヤRGbまたは1速出力ギヤ13bを、出力軸12に同期させながら噛み合いにより連結する。これにより、後進段または1速段への変速動作が実行される。これと同様に、2速出力ギヤ14bと5速出力ギヤ17bの間にも、2−5速用同期噛合機構20B(第3連結機構)が設けられている。この2−5速用同期噛合機構20Bも、R−1速用同期噛合機構20Aと同様に、変速動作中、2−5速用アクチュエータ30Bにより駆動されることで、2速出力ギヤ14bまたは5速出力ギヤ17bを、出力軸12に同期させながら噛み合いにより連結する。これにより、2速段または5速段への変速動作が実行される。
【0050】
さらに、3速入力ギヤ15aと6速入力ギヤ18aの間、および4速入力ギヤ16aと7速入力ギヤ19aの間にも、3−6速用および4−7速用同期噛合機構20C,20D(第1および第2連結機構)がそれぞれ設けられている。これらの同期噛合機構20C,20Dもそれぞれ、変速動作中、3−6速用および4−7速用アクチュエータ30C,30Dにより駆動されることで、3速入力ギヤ15aと6速入力ギヤ18aの一方、および4速入力ギヤ16aと7速入力ギヤ19aの一方を、入力軸11に同期させながら噛み合いにより連結する。これにより、3速段と6速段の一方、および4速段と7速段の一方への変速動作が実行される。
【0051】
一方、出力軸12には、これと一体に駆動ギヤ7が設けられている。この駆動ギヤ7は、差動ギヤ機構5の被駆動ギヤ5aと常に噛み合っており、これにより、出力軸12の回転に伴い、差動ギヤ機構5を介して駆動輪6,6が駆動される。
【0052】
次に、前述した4つの同期噛合機構20A〜20Dについて説明する。これらの同期噛合機構20A〜20Dは、互いに同様に構成されているので、以下、4−7速用同期噛合機構20Dを例にとって説明する。この4−7速用同期噛合機構20Dでは、4速および7速入力ギヤ16a,19aの同期動作を行う構造は互いに同様に構成されているので、以下、4速入力ギヤ16a側の同期動作を行う構造を例にとって説明する。
【0053】
図2は、ニュートラル状態にある4−7速用同期噛合機構20Dの断面を示しており、同図では、7速入力ギヤ19a側の同期動作を行う構造は省略されている。なお、以下の説明において、図2の左側を「左」、右側を「右」という。
【0054】
同図に示すように、4−7速用同期噛合機構20Dは、スリーブ21、ブロッキングリング22(リング)およびシンクロスプリング26などを備えている。スリーブ21は、円環状に形成され、その内周面には、多数のスプライン歯21aが周方向に沿って所定間隔で配列されている(図3参照)。
【0055】
また、入力軸11には、ハブ27がスプライン嵌め合いにより取り付けられており、このハブ27は、図示しないカラーおよび軸受などにより入力軸11に対して軸線方向に移動不能に固定されている。このハブ27の外周面には、多数のスプライン歯27aが周方向に沿って形成されている。スリーブ21は、そのスプライン歯21aがハブ27のスプライン歯27aと互いに噛み合っていることにより、ハブ27に軸線方向に摺動自在に設けられており、4−7速用同期噛合機構20Dがニュートラル状態にあるときには、図2に示すニュートラル位置に保持される。
【0056】
また、スリーブ21の外周面には、4−7速用シフトフォーク28のフォーク28bが嵌合している。図4に示すように、この4−7速用シフトフォーク28は、軸28a、フォーク28bおよびピース28cを一体に形成したものであり、軸28aは、図示しない軸受により、4速入力ギヤ16a側(同図の左側)または7速入力ギヤ19a側(同図の右側)に所定範囲内で摺動可能に支持されている。
【0057】
また、ピース28cの凹部28dには、図4および図5に示すように、4−7速用アクチュエータ30Dの後述するシフトアーム33が係合しており、例えばシフトレバー9の操作により4速段位置が選択されると、4−7速用アクチュエータ30Dのシフトアーム33によって、スリーブ21は4速入力ギヤ16a側に押圧され、摺動する。
【0058】
一方、ブロッキングリング22は、半径方向の外側および内側に配置されたアウターリング23およびインナーリング24と、両リング23,24間に配置されたテーパーコーン25とで構成されている。これらのアウターリング23およびインナーリング24は、それぞれに形成された係止片23a,24a同士の係合によって、相対回転不能に互いに係止されている。
【0059】
テーパーコーン25の外周面および内周面はそれぞれ、テーパー面25a,25bになっており、アウターリング23の内周面およびインナーリング24の外周面に回転自在に接している。さらに、インナーリング24の内周面も、テーパ面24bになっており、4速入力ギヤ16aの後述するテーパー面163に回転自在に接している。以上のように、この4−7速用同期噛合機構20Dは、マルチコーンタイプのものとして構成されている。
【0060】
また、アウターリング23の外周面には、ドグ歯状のリングギヤ歯23bが、周方向に沿って所定間隔で形成されている(図3参照)。このリングギヤ歯23bのチャンファ面は、軸線方向の中心線に対して互いに対称に形成され、スリーブ21のスプライン歯21aのチャンファ面と同じ傾斜角度に設定されている。
【0061】
また、シンクロスプリング26は、アウターリング23とハブ27の間に配置され、アウターリング23によって支持されている。4−7速用同期噛合機構20Dがニュートラル状態にあって、スリーブ21がニュートラル位置(図2および図3(a)に示す位置)にあるときには、シンクロスプリング26は、スリーブ21のスプライン歯21aに当接しない状態に保持される。
【0062】
一方、4速入力ギヤ16aは、4速入力ギヤ歯が形成された基部160と、これからハブ27側に突出する円筒部161とからなり、この円筒部161の右端部の外周面は、前記インナーリング24の内周のテーパー面24bに接するテーパー面163になっている。また、円筒部161の外周面には、ドグ歯162(係合部)が周方向に沿って所定間隔で形成されている。
【0063】
このドグ歯162のチャンファ面は、軸線方向の中心線に対して互いに対称に形成され、スリーブ21のスプライン歯21aのチャンファ面と同じ傾斜角度に設定されている。
【0064】
また、テーパーコーン25は、図示しない係合部を介して4速入力ギヤ16aの円筒部161に係合しており、それにより、4速入力ギヤ16aが入力軸11に対して相対的に回転する際、テーパーコーン25は4速入力ギヤ16aと一体に回転する。
【0065】
以上のように構成された4−7速用同期噛合機構20Dの動作を、図3を参照しながら説明する。同図は、ニュートラルから4速段に変速する際の動作例を示している。
【0066】
図3(a)に示すように、シフトレバー9が4速段位置および7速段位置以外の変速位置、またはニュートラル位置にあることで、スリーブ21がニュートラル位置にあるときには、スプライン歯21aはシンクロスプリング26に接していない状態にあることで、シンクロスプリング26のばね力がアウターリング23に作用しないため、アウターリング23およびインナーリング24と、テーパーコーン25とは、相対回転可能な状態に保持される。したがって、アウターリング23およびインナーリング24はハブ27と一体に回転する一方、テーパーコーン25は4速入力ギヤ16aと一体に回転するが、その際、両リング23,24に対して相対回転可能な状態に保持されることで、同期動作は生じない。
【0067】
この状態から、スリーブ21が4−7速用シフトフォーク28により4速入力ギヤ16a側に押圧され、摺動すると、そのスプライン歯21aが、シンクロスプリング26を介してブロッキングリング22を4速入力ギヤ16a側に押圧する。これにより、互いに接している2つのテーパ面を介して押圧力が伝達されることで、アウターリング23とテーパーコーン25との間、テーパーコーン25とインナーリング24との間、およびインナーリング24と4速入力ギヤ16aの円筒部161との間に摩擦力が生じ、アウターリング23が回転する。その結果、図3(b)に示すボーク位置で、スリーブ21のスプライン歯21aがリングギヤ歯23bに当接し、それにより、スリーブ21がブロッキングリング22と同期する。
【0068】
以上のような同期動作により、入力軸11と4速入力ギヤ16aが互いに同期し、スプライン歯21aの回転速度と、ドグ歯162の回転速度が同じ値になる。その状態から、スリーブ21がそのスプライン歯21aでアウターリング23のリングギヤ歯23bをかき分けながら、図3(c)に示す噛合位置(連結位置)まで摺動すると、スプライン歯21aとドグ歯162が互いに噛み合う。これにより、4速入力ギヤ16aが入力軸11に連結され、変速動作が完了する。
【0069】
次に、4つの同期噛合機構20A〜20Dをそれぞれ駆動する4つのアクチュエータ30A〜30Dについて説明する。これらの4つのアクチュエータ30A〜30Dは、互いに同様に構成されているので、以下、4−7速用アクチュエータ30Dを例にとって説明する。
【0070】
図5(a)に示すように、この4−7速用アクチュエータ30Dは、駆動回路40(図1参照)を介してECU2に電気的に接続された電気モータ31と、電気モータ31のケーシング31aに取り付けられたステー32と、電気モータ31の回転軸31b上に一体に設けられたシフトアーム33などを備えている。回転軸31bは、ステー32内に設けられた軸受34により回転自在に支持されている。
【0071】
この4−7速用アクチュエータ30Dでは、ECU2からの制御信号が駆動回路40に入力されていないときには、シフトアーム33が図5(b)および図4に示す角度に保持され、それにより、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21が、図3(a)に示すニュートラル位置に保持される。シフトレバー9の操作により、4速段位置または7速段位置が選択されると、電気モータ31の回転軸31bが図5(b)および図4の反時計回りまたは時計回りに回転し、それに伴うシフトアーム33の回転により、4−7速用シフトフォーク28が、図4の左側または右側に駆動され、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21を4速入力ギヤ16a側または7速入力ギヤ19a側に押圧する。これにより、前述したように、4速段または7速段への変速動作が実行される。
【0072】
また、ステー32には、回転角度センサ52(摺動量検出手段)が取り付けられている。この回転角度センサ52は、回転軸31bの回転角度を検出して、その検出信号を駆動回路40を介してECU2に出力する。ECU2は、この回転角度センサ52の検出信号に基づいて、スリーブ21の、ニュートラル位置から4速入力ギヤ16a側または7速入力ギヤ19a側への摺動量STを算出する。
【0073】
一方、エンジン3の吸気管3bのスロットル弁3cには、スロットル弁アクチュエータ30Fが連結されている。このスロットル弁アクチュエータ30Fは、ECU2に電気的に接続された電気モータ式のものであり、ECU2の制御信号により制御され、それにより、スロットル弁3cを開閉駆動する。
【0074】
また、吸気管3bには、スロットル弁開度センサ53が設けられている。このスロットル弁開度センサ53は、スロットル弁3cの開度(以下「スロットル弁開度」という)THを検出して、その検出信号をECU2に出力する。
【0075】
さらに、ECU2には、クランク角センサ54(負荷検出手段)およびアクセル開度センサ55(負荷検出手段)が電気的に接続されている。このクランク角センサ54は、マグネットロータおよびMREピックアップ(いずれも図示せず)を組み合わせて構成されており、クランクシャフト3aの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。このCRK信号は、所定のクランク角(例えば30゜)ごとに1パルスが出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3のエンジン回転数NEを算出する。
【0076】
また、アクセル開度センサ55は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量であるアクセル開度APを検出して、その検出信号をECU2に出力する。
【0077】
一方、ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェースなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、前述した各種のセンサ50〜55の検出信号に応じて、後述するように、変速機10の変速動作およびクラッチ4の接続・遮断を制御する変速制御を実行する。また、ECU2は、エンジン3の運転状態およびアクセル開度APに応じて、スロットル弁3cの目標開度を算出し、スロットル弁開度THがその目標開度に収束するように、スロットル弁アクチュエータ30Fを介してスロットル弁3cを制御する。なお、本実施形態では、ECU2により、摺動量検出手段、判定手段、制御手段、負荷検出手段、駆動力検出手段、第1判定値設定手段および第2判定値設定手段が構成されている。
【0078】
次に、ECU2により実行されるシフトアップ時の変速制御について説明する。図6は、3速段から4速段にシフトアップするときの変速制御の例を示している。なお、1→2速段、2→3速段、4→5速段および5→6速段のシフトアップ時にも、同様の変速制御が実行される。
【0079】
この変速制御では、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)において、シフト位置センサ51の検出信号に基づき、3速段位置から4速段位置への変速動作すなわちシフトアップ動作が行われたか否かを判別する。なお、この時点では、クラッチ4が接続状態に、3−6速用同期噛合機構20Cが噛み合い状態にそれぞれ保持されている。
【0080】
この判別結果がYESのときには、ステップ2に進み、クラッチ遮断フラグF_CLOFFが「1」であるか否かを判別する。このクラッチ遮断フラグF_CLOFFの値は、後述するように設定される。
【0081】
この判別結果がNOのときには、後述するアシスト変速制御を実行すべき状態にあるとして、ステップ3に進み、4−7速用アクチュエータ30Dを介して、4−7速用同期噛合機構20D(図中では「4TH」と記す。以下同様)を4速ギヤ列16側にボーク駆動する。より具体的には、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21を、4速入力ギヤ16a側のボーク位置に駆動する。
【0082】
次いで、ステップ4で、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21がボーク位置まで摺動したか否か、すなわちスリーブ21のスプライン歯21aがブロッキングリング23のリングギヤ歯23bに当接したか否かを判別する。この判別は、具体的には、駆動回路40を介して4−7速用アクチュエータ30Dの電気モータ31に流れる電流の値に基づいて行われる。この判別結果がNOのときには、上記ステップ3に戻る。
【0083】
一方、ステップ4の判別結果がYESで、スリーブ21がボーク位置まで摺動したときには、以下のステップ5〜9の変速制御判定処理を実行する。この変速制御判定処理は、今回の変速制御において、後述するアシスト変速制御を実行すべきか否かを判定するものである。まず、ステップ5で、アシスト変速制御の実行判定に用いる第1および第2判定値SREF1,SREF2を算出する。具体的には、ボーク位置にあるスリーブ21に作用している4−7速用アクチュエータ30Dの押圧荷重F4TH(駆動力)に応じて、図7に示すテーブルを検索することにより、第1および第2判定値SREF1,SREF2を算出する。なお、この押圧荷重F4THは、電気モータ31に流れる電流値に基づいて算出される。
【0084】
同図において、初期値STINIは、新品の4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21を、ニュートラル位置から4速入力ギヤ16a側のボーク位置まで摺動させたときの摺動量STの値を示しており、しきい値STLMTは、スリーブ21をニュートラル位置から4速入力ギヤ16a側に摺動させたときに、スリーブ21のスプライン歯21aがドグ歯162との当接を開始する位置(図3(d)に示す位置)までの摺動量STの値を示している。なお、これらの初期値STINIおよびしきい値STLMTは、測定結果に基づいて予め設定されている。
【0085】
同図に示すように、第1定値SREF1は、しきい値STLMTに基づいて、これより小さくなるように予め設定されている。これは、4−7速用アクチュエータ30Dによりスリーブ21をボーク位置に駆動した際、スリーブ21が、ボーク位置を越えてドグ歯162と当接する位置まで摺動するのを防止するためである。また、第1定値SREF1は、押圧荷重F4THが大きいほど、より小さい値に設定されている。これは、以下の理由による。すなわち、スリーブ21をボーク位置に駆動した際、スリーブ21への押圧荷重F4THが大きいほど、応答遅れなどに起因してスリーブ21が摺動したときのオーバーシュート量が大きくなることで、スリーブ21の4速入力ギヤ16a側への摺動量がより大きくなる。これに加えて、スリーブ21への押圧荷重F4THが大きいほど、シフトフォーク28のたわみが大きくなることで、ブロッキングリング22を介したスリーブ21と4速入力ギヤ16aとの同期完了後、たわみの解放に起因して、スリーブ21の4速入力ギヤ16a側への摺動量が大きくなる。以上のような、スリーブ21の4速入力ギヤ16a側への摺動量の増大に起因して、スリーブ21がドグ歯162との当接位置まで摺動する可能性が生じるので、それを防止するために、第1定値SREF1は上記のように設定されている。
【0086】
さらに、第2判定値SREF2は、押圧荷重F4THが大きいほど、より大きい値に設定されている。これは、4−7速用同期噛合機構20Dの動作中、押圧荷重F4THが大きいほど、シフトフォーク28のたわみが大きくなることによって、スリーブ21のボーク位置までの摺動量STがより大きくなるので、それに対応するためである。また、第2判定値SREF2は、初期値STINIよりも所定値分、大きい値として設定されている。これは、4−7速用同期噛合機構20Dの動作中、ブロッキングリング22の摩耗や熱膨張に起因して、ブロッキングリング22のリングギヤ歯23bのドグ歯162側端面と、ドグ歯162の先端部との間隔d1(図3(b)参照)が新品のときよりも狭くなることで、ボーク位置までの摺動量STが初期値STINIよりも大きい値となるので、それに対応するためである。
【0087】
次に、ステップ6に進み、スリーブ21のボーク位置までの摺動量STに応じて、図8に示すテーブルを検索することにより、負荷判定値LREFを算出する。同図に示すように、このテーブルでは、負荷判定値LREFは、摺動量STが大きいほど、言い換えれば第1判定値SREF1に近くなるほど、より小さい値に設定されている。これは、以下の理由による。すなわち、4−7速用アクチュエータ30Dによりスリーブ21をボーク位置に駆動した際、4−7速用同期噛合機構20Dの後述する負荷LDが大きいと、ブロッキングリング22の熱膨張の度合いも大きくなる。そのため、スリーブ21のボーク位置までの摺動量STが第1判定値SREF1に近くなるほど、スリーブ21がドグ歯162に当接する位置まで摺動する可能性が出てくるので、それを防止するためである。
【0088】
次いで、ステップ7に進み、スリーブ21のボーク位置までの摺動量STが、前記ステップ5で算出した第2判定値SREF2以上であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、ST<SREF2のときには、アシスト変速制御を実行すべきであるとして、ステップ10に進み、後述するようにアシスト変速制御を実行した後、本プログラムを終了する。
【0089】
一方、ステップ7の判別結果がYESで、ST≧SREF2のときには、ステップ8に進み、スリーブ21のボーク位置までの摺動量STが、前記ステップ5で算出した第1判定値SREF1以上であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、SREF2≦ST<SREF1のときには、ステップ9に進み、4−7速用同期噛合機構20Dにかかる負荷LDが、前記ステップ6で算出した負荷判定値LREF以上であるか否かを判別する。なお、この4−7速用同期噛合機構20Dにかかる負荷LDは、エンジントルクTQEをアクセル開度APおよびエンジン回転数NEに応じて算出した後、このエンジントルクTQEとエンジン回転数NEなどに応じて算出される。
【0090】
このステップ9の判別結果がNOで、LD<LREFのときには、アシスト変速制御を実行すべきであるとして、前述したステップ10を実行した後、本プログラムを終了する。
【0091】
一方、ステップ8またはステップ9の判別結果がYESで、ST≧SREF1またはLD≧LREFのときには、アシスト変速制御を実行すべきでないとして、ステップ11に進み、後述するようにクラッチ遮断変速制御を実行した後、本プログラムを終了する。
【0092】
一方、前記ステップ2の判別結果がYESのときには、アシスト変速制御を実行すべきでないとして、ステップ12に進み、変速制御判定処理を含むクラッチ遮断変速制御を後述するように実行した後、本プログラムを終了する。
【0093】
次に、図9を参照しながら、図6のステップ10のアシスト変速制御について説明する。このアシスト変速制御では、まず、ステップ20で、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21に作用している4−7速用アクチュエータ30Dの押圧荷重F4THをアップする。これにより、4−7速用同期噛合機構20Dの伝達トルクTQ4THが上昇するとともに、その分、3−6速用同期噛合機構20Cの伝達トルクTQ3RDが低下する。
【0094】
次いで、ステップ21で、4−7速用同期噛合機構20Dの伝達トルクTQ4THが、エンジントルクTQEにほぼ等しくなったか否かを判別する。この伝達トルクTQ4THは、エンジントルクTQEおよび押圧荷重F4THに応じて、算出される。この判別結果がNOのときには、上記ステップ20に戻る。
【0095】
一方、ステップ21の判別結果がYESで、TQ4TH≒TQEとなったときには、ステップ22に進み、押圧荷重F4THを現在の値に保持すると同時に、3−6速用アクチュエータ30Cを介して、3−6速用同期噛合機構20C(図中では「3RD」と記す。以下同様)のスリーブをニュートラル位置側に駆動する。
【0096】
次いで、ステップ23に進み、3−6速用同期噛合機構20Cのスリーブがニュートラル位置に摺動したか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、上記ステップ22に戻る。一方、この判別結果がYESで、3−6速用同期噛合機構20Cのスリーブがニュートラル位置に摺動したときには、ステップ24に進み、3−6速用アクチュエータ30Cによる3−6速用同期噛合機構20Cの駆動を停止する。これにより、3−6速用同期噛合機構20Cがニュートラル状態に保持される。
【0097】
次いで、ステップ25に進み、エンジントルクTQEをダウンし、4−7速用アクチュエータ30Dによる押圧荷重F4THをダウンすると同時に、2−5速用アクチュエータ30Bを介して、2−5速用同期噛合機構20B(図中では「5TH」と記す。以下同様)を5速ギヤ列17側にボーク駆動する。
【0098】
次に、ステップ26で、4−7速用同期噛合機構20Dによる入力軸11と4速入力ギヤ16aとの同期が終了したか否かを判別する。この判別は、電気モータ31に流れる電流値に基づいて実行される。この判別結果がNOのときには、上記ステップ25に戻る。
【0099】
一方、ステップ26の判別結果がYESで、4−7速用同期噛合機構20Dによる、入力軸11と4速入力ギヤ16aとの同期が終了したときには、ステップ27に進み、エンジントルクTQEをアップし、押圧荷重F4THを現在の値に保持すると同時に、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブに作用している2−5速用アクチュエータ30Bの押圧荷重F5THをアップする。
【0100】
次に、ステップ28で、2−5速用同期噛合機構20Bの伝達トルクTQ5THが、エンジントルクTQEにほぼ等しくなったか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ27に戻る。一方、この判別結果がYESで、TQ5TH≒TQEとなったときには、ステップ29に進み、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21を噛合位置に駆動する。これにより、スリーブ21のスプライン歯21aが、4速入力ギヤ16aのドグ歯162と噛み合い始める。
【0101】
次いで、ステップ30で、スリーブ21が噛合位置まで摺動したか否かを判別する。この判別は、具体的には、回転角度センサ52の検出信号に基づいて行われる。この判別結果がNOのときには、上記ステップ29に戻る。一方、この判別結果がYESで、スリーブ21が噛合位置まで摺動し、そのスプライン歯21aと4速入力ギヤ16aのドグ歯162との噛み合いが完了したときには、ステップ31に進み、4−7速用アクチュエータ30Dによる4−7速用同期噛合機構20Dの駆動を停止する。
【0102】
次に、ステップ32に進み、2−5速用アクチュエータ30Bを介して、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブをニュートラル位置側に駆動する。次いで、ステップ33で、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブがニュートラル位置に摺動したか否かを判別する。
【0103】
この判別結果がNOのときには、上記ステップ32に戻る。一方、この判別結果がYESで、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブがニュートラル位置に摺動したときには、ステップ34に進み、2−5速用アクチュエータ30Bによる2−5速用同期噛合機構20Bの駆動を停止する。これにより、2−5速用同期噛合機構20Bがニュートラル状態に保持される。
【0104】
次いで、ステップ35に進み、クラッチ遮断フラグF_CLOFFを「0」に設定した後、本プログラムを終了する。このように、今回の変速制御において、アシスト変速制御を実行したときには、次回の変速制御においてアシスト変速制御を実行すべきであることを表すために、クラッチ遮断フラグF_CLOFFが「0」に設定される。
【0105】
以上のアシスト変速制御では、4−7速用同期噛合機構20Dの同期終了からスプライン歯21aとドグ歯162との噛み合いが完了するまでの間には、スプライン歯21aがリングギヤ23bから外れることで、4−7速用同期噛合機構20Dの伝達トルクTQ4THが値0またはそれに近い値になるが、この時点では、前述したように、2−5速用同期噛合機構20Bの伝達トルクTQ5THが、エンジントルクTQEにほぼ等しい値まで高められているので、運転者がトルク抜けを感じることなく、それにより、空走感を確実に防止できる。
【0106】
次に、図10を参照しながら、図6の前記ステップ11のクラッチ遮断変速制御について説明する。このクラッチ遮断変速制御では、まず、ステップ40で、4−7速用アクチュエータ30Dを介して、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21をニュートラル位置側に駆動する。
【0107】
次いで、ステップ41で、スリーブ21がニュートラル位置に摺動したか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ40に戻る。一方、この判別結果がYESで、スリーブ21がニュートラル位置に摺動したときには、ステップ42に進み、4−7速用アクチュエータ30Dによる4−7速用同期噛合機構20Dの駆動を停止する。これにより、4−7速用同期噛合機構20Dがニュートラル状態に保持される。
【0108】
次に、ステップ43に進み、スロットル弁アクチュエータ30Fを介して、スロットル弁3cを閉鎖側に駆動する。次いで、ステップ44で、スロットル弁開度センサ53により検出されたスロットル弁開度THが、所定開度THREF(例えば0%)以下になったか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ43に戻る。一方、この判別結果がYESで、スロットル弁3cが閉鎖されたときには、ステップ45に進み、スロットル弁アクチュエータ30Fによるスロットル弁3cの駆動を停止する。これにより、スロットル弁3cが閉鎖状態に保持される。
【0109】
次に、ステップ46に進み、クラッチアクチュエータ30Eを介して、クラッチ4を遮断状態に駆動した後、ステップ47で、クラッチセンサ50の検出信号に基づき、クラッチ4が遮断されたか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ46に戻る。一方、この判別結果がYESで、クラッチ4が遮断されたときには、ステップ48に進み、クラッチアクチュエータ30Eを作動状態に保持する。これにより、クラッチ4が遮断状態に保持される。
【0110】
次いで、ステップ49に進み、3−6速用アクチュエータ30Cを介して、3−6速用同期噛合機構20Cのスリーブをニュートラル位置側に駆動する。次いで、ステップ50に進み、3−6速用同期噛合機構20Cのスリーブがニュートラル位置に摺動したか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、上記ステップ49に戻る。一方、この判別結果がYESで、3−6速用同期噛合機構20Cのスリーブがニュートラル位置に摺動したときには、ステップ51に進み、3−6速用アクチュエータ30Cによる3−6速用同期噛合機構20Cの駆動を停止する。これにより、3−6速用同期噛合機構20Cがニュートラル状態に保持される。
【0111】
次いで、ステップ52で、4−7速用アクチュエータ30Dを介して、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21を、ニュートラル位置から噛合位置まで駆動する。次いで、ステップ53に進み、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21が噛合位置まで摺動したか否か、すなわちスリーブ21のスプライン歯21aが4速入力ギヤ16aのドグ歯162に噛み合ったか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、上記ステップ52に戻る。
【0112】
一方、ステップ53の判別結果がYESで、スリーブ21が噛合位置まで摺動したときには、ステップ54に進み、4−7速用アクチュエータ30Dによる4−7速用同期噛合機構20Dの駆動を停止する。これにより、4−7速用同期噛合機構20Dが噛み合い状態に保持される。
【0113】
次に、ステップ55に進み、クラッチアクチュエータ30Eの作動を停止することにより、クラッチ4を接続する。次いで、ステップ56に進み、クラッチ4が接続されたか否かを判別する。
【0114】
この判別結果がNOのときには、ステップ55に戻る。一方、この判別結果がYESで、クラッチ4が遮断されたときには、ステップ57に進み、クラッチ遮断フラグF_CLOFFを「1」に設定した後、本プログラムを終了する。このように、今回の変速制御において、クラッチ遮断変速制御を実行したときには、次回の変速制御においてアシスト変速制御を実行すべきでないことを表すために、クラッチ遮断フラグF_CLOFFが「1」に設定される。これにより、次回の変速制御を実行する際に、前述したステップ2の判別結果がYESとなり、その場合には、前述したステップ12の変速制御判定処理を含むクラッチ遮断変速制御が、後述するように実行される。
【0115】
なお、以上のクラッチ遮断変速制御において、ステップ40〜42の処理を、ステップ43〜48の処理の後に実行するようにしてもよい。
【0116】
次に、図11を参照しながら、前記ステップ12の変速制御判定処理を含むクラッチ遮断変速制御について説明する。同図に示すように、この制御は、前述した図10のクラッチ遮断変速制御と一部を除いて同様に構成されているので、以下、図10のクラッチ遮断変速制御と異なる点を中心に説明する。
【0117】
すなわち、この制御では、ステップ60〜68を、前述した図10のステップ43〜51と同様に実行した後、ステップ69で、4−7速用アクチュエータ30Dを介して、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21を、4速入力ギヤ16a側にボーク駆動する。
【0118】
次いで、ステップ70で、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21がボーク位置まで摺動したか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、上記ステップ69に戻る。一方、この判別結果がYESで、スリーブ21がボーク位置まで摺動したときには、以下のステップ71〜74の変速制御判定処理を実行する。
【0119】
すなわち、ステップ71で、スリーブ21に作用している押圧荷重F4THに応じて、図7のテーブルを検索することにより、第2判定値SREF2を算出する。次に、ステップ72で、スリーブ21のボーク位置までの摺動量STが第2判定値SREF2以上であるか否かを判別する。
【0120】
この判別結果がYESのときには、次回の変速制御においてアシスト変速制御を実行すべきであることを表すために、ステップ73に進み、クラッチ遮断フラグF_CLOFFを「0」に設定する。一方、ステップ72の判別結果がNOのときには、次回の変速制御においてアシスト変速制御を実行すべきでないことを表すために、ステップ74に進み、クラッチ遮断フラグF_CLOFFを「1」に設定する。
【0121】
以上のステップ73または74に続くステップ75では、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21を噛合位置に駆動する。次いで、ステップ76で、スリーブ21が噛合位置まで摺動したか否かを判別し、この判別結果がNOのときには、上記ステップ75に戻る。一方、この判別結果がYESで、スリーブ21が噛合位置まで摺動したときには、ステップ77〜79を、前述した図10のステップ54〜56と同様に実行した後、本プログラムを終了する。
【0122】
なお、以上の図11の制御プログラムにおいて、ステップ71で、第1判定値SREF1を算出し、ステップ72で、スリーブ21の摺動量STを第1判定値SREF1と比較するようにしてもよい。
【0123】
以上のように、第1実施形態に係る変速制御装置1によれば、3速段から4速段への変速制御の際、クラッチ遮断フラグF_CLOFFが「0」のときには、クラッチ4が接続状態に保持されかつ3−6速用同期噛合機構20Cが噛み合い状態に保持された状態で、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21がボーク位置まで駆動される。そして、スリーブ21がボーク位置に達した場合に、スリーブ21の摺動量STが第1判定値SREF1以上のとき、または、SREF2≦ST<SREF1でも4−7速用同期噛合機構20Dの負荷LDが負荷判定値LREF以上のときには、アシスト変速制御を行うことなく、クラッチ4を遮断した状態で変速動作を行うクラッチ遮断変速制御が実行される。
【0124】
これにより、ブロッキングリング22の摩耗または熱膨張に起因して、スリーブ21のボーク位置までの摺動量STが新品のときよりも増大した場合でも、従来と異なり、クラッチ4が接続状態に保持されかつ3−6速用同期噛合機構20Cが噛み合い状態に保持されたままで、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21が4速入力ギヤ16aのドグ歯162と誤って噛み合うのを防止できる。その結果、ギヤ鳴りおよび変速ショックの発生を防止でき、運転性を向上させることができるとともに、ブロッキングリング22が摩耗すると、3速段から4速段への変速の際、クラッチ4の遮断によるトルク抜けが発生するようになるので、ブロッキングリング22の摩耗を走行中に運転者に気付かせることができる。
【0125】
さらに、SREF2≦ST<SREF1およびLD≧LREFのときには、クラッチ遮断変速制御が実行されるので、同期動作の際、4−7速用同期噛合機構20Dにおける負荷LDが大きいことで、ブロッキングリング22などの摩耗度合いが大きくなると想定される状態での同期動作を回避することができる。その結果、ブロッキングリング22の摩耗を抑制でき、4−7速用同期噛合機構20Dの寿命を延ばすことができる。さらに、クラッチ遮断変速制御の際、クラッチ4の遮断および3−6速用同期噛合機構20Cの噛み合いの解除を実行する前に、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21をニュートラル位置に摺動させるので、スリーブ21が4速入力ギヤ16aのドグ歯162と誤って噛み合うのを確実に防止できる。また、クラッチ4を遮断してからスリーブ21を噛合位置に摺動させるので、ブロッキングリング22が4速入力ギヤ16aと同期する際の摩擦力を、クラッチ4を接続したままのときよりも低減することができる。それにより、ブロッキングリング22の摩耗をさらに抑制でき、4−7速用同期噛合機構20Dの寿命を延ばすことができる。さらに、SREF2≦ST<SREF1およびLD<LREFのときには、アシスト変速制御が実行されることにより、変速中のトルク抜けの発生を可能な限り回避することができ、商品性を向上させることができる。
【0126】
また、第1判定値SREF1がしきい値STLMTに基づいて、これより小さくなるように予め設定されているとともに、押圧荷重F4THが大きいほど、より小さい値に設定されているので、スリーブ21をボーク位置に駆動した際、スリーブ21がボーク位置を越えてドグ歯162との当接位置まで摺動するのを確実に防止することができる。また、第2判定値SREF2が、押圧荷重F4THが大きいほど、より大きい値に設定されているので、これを、スリーブ21をボーク位置に駆動した際にシフトフォーク28に生じるたわみを補償しながら設定することができ、それに応じて、前述したようなアシスト変速制御を適切に実行することができる。
【0127】
なお、第1実施形態は、シフトアップする際の変速制御の例であるが、本発明の変速制御装置1はこれ限らず、シフトダウンする際の変速制御にも適用可能である。例えば、4速段から3速段にシフトダウンする場合には、4−7速用同期噛合機構20Dを噛み合い状態に保持しかつクラッチ4を接続状態に保持したままで、3−6速用同期噛合機構20Cのスリーブを遮断位置からボーク位置まで駆動するとともに、そのボーク位置までの摺動量に基づいて、変速制御判定処理を実行することにより、アシスト変速制御の実行の有無を決定し、さらにアシスト変速制御を実行すると決定されたときには、2−5速用同期噛合機構20Bを2速ギヤ列14側にボーク駆動することにより、3−6速用同期噛合機構20Cのスリーブが同期してから噛合位置まで摺動する間のトルク抜けを補償するようにしてもよい。
【0128】
また、第1実施形態のアシスト変速制御では、3速段から4速段にシフトアップする際、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21をボーク状態に保持したままで、2−5速用同期噛合機構20Bを5速ギヤ列17側にボーク駆動した後、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21を同期させ、噛合位置に駆動したが、2−5速用同期噛合機構20Bを5速ギヤ列17側にボーク駆動することなく、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21を、4速入力ギヤ16aおよびブロッキングリング22と同期させた後、噛合位置に駆動するようにしてもよい。
【0129】
さらに、第1実施形態のアシスト変速制御では、3速段から4速段にシフトアップする際、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21の摺動量STに基づいて、アシスト変速制御の実行の有無を決定したが、4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21をボーク駆動した後、これをボーク状態に保持したままで、2−5速用同期噛合機構20Bを5速ギヤ列17側にボーク駆動する際の2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブの摺動量に基づいて、アシスト変速制御の実行の有無を決定してもよい。
【0130】
次に、本発明の第2実施形態に係る変速制御装置1について説明する。この変速制御装置1は、第1実施形態の変速制御装置1と比べて、ECU2により実行される変速制御のみが異なり、それ以外は第1実施形態のものと同様に構成されているので、以下、異なる点を中心に説明するとともに、第1実施形態と同じ構成要素については、同一の参照番号を付し、その説明は適宜、省略する。なお、本実施形態では、ECU2により、摺動量検出手段、判定手段、制御手段、負荷検出手段、駆動力検出手段および第1〜第4判定値設定手段が構成されている。
【0131】
図12は、3速段から4速段にシフトアップするときの変速制御の例を示しており、この変速制御は、前述した図6の変速制御と比べて、ステップ103〜111のみが異なっているので、以下、これらの点を中心に説明する。なお、1→2速段、2→3速段、4→5速段および5→6速段のシフトアップ時にも、同様の変速制御が実行される。
【0132】
この変速制御では、ステップ102において、クラッチ遮断フラグF_CLOFFが「1」であるか否かを判別し、この判別結果がYESのときには、ステップ112に進み、変速制御判定処理を含むクラッチ遮断変速制御を、前述した図11のプログラムと同様に実行した後、本プログラムを終了する。一方、この判別結果がNOのときには、アシスト変速制御を実行すべき状態にあるとして、ステップ103に進み、2−5速用アクチュエータ30Bを介して、2−5速用同期噛合機構20Bを5速ギヤ列17側にボーク駆動する。より具体的には、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブを、5速入力ギヤ17a側のボーク位置に駆動する。
【0133】
次いで、ステップ104で、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブがボーク位置まで摺動したか否か、すなわちスリーブのスプライン歯がブロッキングリングのリングギヤ歯に当接したか否かを判別し、この判別結果がNOのときには、上記ステップ103に戻る。
【0134】
一方、ステップ104の判別結果がYESで、スリーブがボーク位置まで摺動したときには、以下のステップ105〜109の変速制御判定処理を実行する。この変速制御判定処理は、今回の変速制御において、ステップ110のアシスト変速制御を実行すべきか否かを判定するものである。まず、ステップ105で、アシスト変速制御の実行判定に用いる第3および第4判定値SREF3,SREF4を算出する。具体的には、ボーク位置にあるスリーブに作用している2−5速用アクチュエータ30Bの押圧荷重F5TH(駆動力)に応じて、図13に示すテーブルを検索することにより、第3および第4判定値SREF3,SREF4を算出する。
【0135】
図13において、初期値STINI2は、新品の2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブを、ニュートラル位置から5速入力ギヤ17a側のボーク位置まで摺動させたときの摺動量ST2の値を示しており、しきい値STLMT2は、スリーブをニュートラル位置から5速入力ギヤ17a側に摺動させたときに、スリーブのスプライン歯が5速入力ギヤ17aのドグ歯との当接を開始する位置までの摺動量ST2の値を示している。同図に示すように、第3および第4判定値SREF3,SREF4は、押圧荷重F5TH、初期値STINI2およびしきい値STLMT2に対して、前記図7の説明で述べた理由により、第1および第2判定値SREF1,SREF2と同様の傾向に設定されている。
【0136】
次に、ステップ106に進み、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブのボーク位置までの摺動量ST2に応じて、図14に示すテーブルを検索することにより、負荷判定値LREF2を算出する。同図に示すように、この負荷判定値LREF2は、摺動量ST2に対して、前記図8の説明で述べた理由により、負荷判定値LREFと同様の傾向に設定されている。
【0137】
次いで、ステップ107に進み、スリーブのボーク位置までの摺動量ST2が、前記ステップ105で算出した第4判定値SREF4以上であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、ST2<SREF4のときには、アシスト変速制御を実行すべきであるとして、ステップ110に進み、後述するようにアシスト変速制御を実行した後、本プログラムを終了する。
【0138】
一方、ステップ107の判別結果がYESで、ST2≧SREF4のときには、ステップ108に進み、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブのボーク位置までの摺動量ST2が、前記ステップ105で算出した第3判定値SREF3以上であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、SREF4≦ST2<SREF3のときには、ステップ109に進み、2−5速用同期噛合機構20Bにかかる負荷LD2が、前記ステップ106で算出した負荷判定値LREF2以上であるか否かを判別する。
【0139】
このステップ109の判別結果がNOで、LD2<LREF2のときには、アシスト変速制御を実行すべきであるとして、前述したステップ110を実行した後、本プログラムを終了する。
【0140】
一方、ステップ108またはステップ109の判別結果がYESで、ST2≧SREF3またはLD2≧LREF2のときには、アシスト変速制御を実行すべきでないとして、ステップ111に進み、後述するようにクラッチ遮断変速制御を実行した後、本プログラムを終了する。
【0141】
次に、図13を参照しながら、図12のステップ110のアシスト変速制御について説明する。このアシスト変速制御は、前述した図9のアシスト変速制御と比べて、ステップ120〜126のみが異なっているので、以下、これらの点を中心に説明する。
【0142】
このアシスト変速制御では、まず、ステップ120で、エンジントルクTQEをダウンすると同時に、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブに作用している2−5速用アクチュエータ30Bの押圧荷重F5THをアップする。
【0143】
次いで、ステップ121で、2−5速用同期噛合機構20Bの伝達トルクTQ5THが、エンジントルクTQEにほぼ等しくなったか否かを判別し、この判別結果がNOのときには、上記ステップ120に戻る。一方、ステップ121の判別結果がYESで、TQ5TH≒TQEとなったときには、ステップ122に進み、押圧荷重F5THを現在の値に保持すると同時に、3−6速用アクチュエータ30Cを介して、3−6速用同期噛合機構20Cのスリーブをニュートラル位置側に駆動する。
【0144】
次いで、ステップ123に進み、3−6速用同期噛合機構20Cのスリーブがニュートラル位置に摺動したか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、上記ステップ122に戻る。一方、この判別結果がYESで、3−6速用同期噛合機構20Cのスリーブがニュートラル位置に摺動したときには、ステップ124に進み、3−6速用アクチュエータ30Cによる3−6速用同期噛合機構20Cの駆動を停止する。これにより、3−6速用同期噛合機構20Cがニュートラル状態に保持される。
【0145】
次いで、ステップ125に進み、4−7速用アクチュエータ30Dを介して4−7速用同期噛合機構20Dを4速ギヤ列16側にボーク駆動すると同時に、2−5速用アクチュエータ30Bによる押圧荷重F5THを現在の値に保持する。
【0146】
次に、ステップ126で、4−7速用同期噛合機構20Dによる入力軸11と4速入力ギヤ16aとの同期が終了したか否かを判別し、この判別結果がNOのときには、上記ステップ125に戻る。一方、ステップ126の判別結果がYESで、4−7速用同期噛合機構20Dによる、入力軸11と4速入力ギヤ16aとの同期が終了したときには、ステップ127〜133を、前述した図9のステップ29〜35と同様に実行した後、本プログラムを終了する。
【0147】
以上のアシスト変速制御でも、図9のアシスト変速制御と同様に、4−7速用同期噛合機構20Dの同期終了からスプライン歯21aとドグ歯162との噛み合いが完了するまでの間において、トルク抜けを運転者が感じることなく、それにより、空走感を確実に防止できる。
【0148】
次に、図16を参照しながら、図12の前記ステップ111のクラッチ遮断変速制御について説明する。同図に示すように、このクラッチ遮断変速制御は、前述した図10のクラッチ遮断変速制御と比べて、ステップ140〜142のみが異なっているので、以下、これらのステップ140〜142のみについて説明する。
【0149】
この制御では、ステップ140で、2−5速用アクチュエータ30Bを介して、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブをニュートラル位置側に駆動し、次いで、ステップ141で、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブがニュートラル位置に摺動したか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ140に戻る。
【0150】
一方、この判別結果がYESで、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブがニュートラル位置に摺動したときには、ステップ142に進み、2−5速用アクチュエータ30Bによる2−5速用同期噛合機構20Bの駆動を停止する。これにより、2−5速用同期噛合機構20Bがニュートラル状態に保持される。この後、ステップ143〜157を、前述した図10のステップ43〜57と同様に実行した後、本プログラムを終了する。
【0151】
以上のように、第2実施形態の変速制御装置1によれば、3速段から4速段への変速制御の際、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブがボーク位置に達した場合に、スリーブの摺動量ST2が第3判定値SREF3以上のとき、または、SREF4≦ST2<SREF3でも2−5速用同期噛合機構20Bの負荷LD2が負荷判定値LREF2以上のときには、アシスト変速制御を行うことなく、クラッチ4を遮断した状態で変速動作を行うクラッチ遮断変速制御が実行される。
【0152】
これにより、2−5速用同期噛合機構20Bのブロッキングリングの摩耗または熱膨張に起因して、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブのボーク位置までの摺動量ST2が新品のときよりも増大した場合でも、従来と異なり、クラッチ4が接続状態に保持されかつ3−6速用同期噛合機構20Cが噛み合い状態に保持されたままで、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブが5速入力ギヤ17aのドグ歯と誤って噛み合うのを防止できる。その結果、ギヤ鳴りおよび変速ショックの発生を防止でき、運転性を向上させることができるとともに、ブロッキングリングが摩耗すると、3速段から4速段への変速の際、クラッチ4の遮断によるトルク抜けが発生するようになるので、2−5速用同期噛合機構20Bのブロッキングリングの摩耗を走行中に運転者に気付かせることができる。
【0153】
さらに、SREF4≦ST2<SREF3およびLD2≧LREF2のときには、クラッチ遮断変速制御が実行されるので、同期動作の際、2−5速用同期噛合機構20Bにおける負荷LD2が大きいことで、そのブロッキングリングなどの摩耗度合いが大きくなると想定される状態での同期動作を回避することができる。その結果、ブロッキングリングの摩耗を抑制でき、2−5速用同期噛合機構20Bの寿命を延ばすことができる。さらに、クラッチ遮断変速制御の際、クラッチ4の遮断および3−6速用同期噛合機構20Cの噛み合いの解除を実行する前に、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブをニュートラル位置に摺動させるので、スリーブが5速入力ギヤ17aのドグ歯と誤って噛み合うのを確実に防止できる。また、クラッチ4を遮断してから4−7速用同期噛合機構20Dのスリーブ21を噛合位置に摺動させるので、ブロッキングリング22が4速入力ギヤ16aと同期する際の摩擦力を、クラッチ4を接続したままのときよりも低減することができる。それにより、4−7速用同期噛合機構20Dのブロッキングリング22の摩耗を抑制でき、4−7速用同期噛合機構20Dの寿命を延ばすことができる。さらに、SREF4≦ST2<SREF3およびLD2<LREF2のときには、アシスト変速制御が実行されることにより、変速中のトルク抜けの発生を可能な限り回避することができ、商品性を向上させることができる。
【0154】
また、第3判定値SREF3がしきい値STLMTに基づいて、これより小さくなるように予め設定されているとともに、押圧荷重F5THが大きいほど、より小さい値に設定されているので、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブをボーク位置に駆動した際、スリーブがボーク位置を越えて5速入力ギヤ17aのドグ歯との当接位置まで摺動するのを確実に防止することができる。また、第4判定値SREF4が、押圧荷重F5THが大きいほど、より大きい値に設定されているので、これを、2−5速用同期噛合機構20Bのスリーブをボーク位置に駆動した際にシフトフォークに生じるたわみを補償しながら設定することができ、それに応じて、前述したようなアシスト変速制御を適切に実行することができる。
【0155】
なお、第2実施形態は、シフトアップする際の変速制御の例であるが、本発明の変速制御装置1はこれ限らず、シフトダウンする際の変速制御にも適用可能であることは言うまでもない。
【0156】
さらに、変速機10の回転軸は、複数であればよく、変速ギヤ列を構成するギヤがその複数の回転軸上に設けられているものであればよい。また、各実施形態では、4つのアクチュエータ30A〜30Dにより4つの同期噛合機構20A〜20Dをそれぞれ駆動したが、複数の電気モータを組み合わせた構造の1つのアクチュエータにより、4つの同期噛合機構20A〜20Dを駆動するようにしてもよい。
【0157】
また、クラッチ4は、機械式のものに限らず、電磁クラッチなどのエンジン3と駆動輪6の間を接続・遮断できるものであればよい。また、クラッチ4は、エンジン3と変速機10の間に配置された各実施形態の例に限らず、エンジン3と駆動輪6との間に配置されていればよい。例えば、クラッチ4を変速機10と駆動輪6との間に配置してもよい。
【0158】
さらに、各実施形態は、本発明の変速制御装置1を自動車用の変速機10に適用した例であるが、本発明の変速制御装置はこれに限らず、船舶用の変速機などの他の産業機械に用いられる有段の変速機に適用可能であることは言うまでもない。
【0159】
【発明の効果】
以上のように、本発明の変速制御装置によれば、同期部品の寿命を延ばすことができ、ギヤ鳴りおよび変速ショックの発生を防止でき、商品性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る変速制御装置およびこれが適用された変速機およびクラッチを有する車両駆動系の概略構成を示す図である。
【図2】4−7速用同期噛合機構の概略構成を示す断面図である。
【図3】4−7速用同期噛合機構の動作を説明するための模式図である。
【図4】4−7速用シフトフォークの概略構成を示す図である。
【図5】4−7速用アクチュエータの概略構成を示す一部を破断した(a)側面図と(b)正面図である。
【図6】3速段から4速段にシフトアップする際の変速制御を示すフローチャートである。
【図7】第1および第2判定値SREF1,SREF2の算出に用いるテーブルの一例を示す図である。
【図8】負荷判定値LREFの算出に用いるテーブルの一例を示す図である。
【図9】図6のステップ10のアシスト変速制御の内容を示すフローチャートである。
【図10】図6のステップ11のクラッチ遮断変速制御の内容を示すフローチャートである。
【図11】図6のステップ12の変速制御判定処理を含むクラッチ遮断変速制御の内容を示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態に係る変速制御装置による、3速段から4速段にシフトアップする際の変速制御を示すフローチャートである。
【図13】第3および第4判定値SREF3,SREF4の算出に用いるテーブルの一例を示す図である。
【図14】負荷判定値LREF2の算出に用いるテーブルの一例を示す図である。
【図15】図12のステップ110のアシスト変速制御の内容を示すフローチャートである。
【図16】図12のステップ111のクラッチ遮断変速制御の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 変速制御装置
2 ECU(摺動量検出手段、判定手段、制御手段、負荷検出手段、駆動力検出手段、第1〜第4判定値設定手段)
3 エンジン(動力源)
4 クラッチ
6 駆動輪(被駆動体)
10 変速機
11 入力軸(回転軸、1つの回転軸)
12 出力軸(回転軸、1つの回転軸)
15 3速ギヤ列(第1変速ギヤ列)
15a 3速入力ギヤ(第1変速ギヤ、第1回転自在ギヤ)
15b 3速出力ギヤ(第1変速ギヤ)
16 4速ギヤ列(第2変速ギヤ列)
16a 4速入力ギヤ(第2変速ギヤ、第2回転自在ギヤ)
162 ドグ歯(第2回転自在ギヤの係合部)
16b 4速出力ギヤ(第2変速ギヤ)
17 5速ギヤ列(第3変速ギヤ列)
17a 5速入力ギヤ(第3変速ギヤ)
17b 5速出力ギヤ(第3変速ギヤ、第3回転自在ギヤ)
20B 2−5速用同期噛合機構(第3連結機構)
20C 3−6速用同期噛合機構(第1連結機構)
20D 4−7速用同期噛合機構(第2連結機構)
21 スリーブ
22 ブロッキングリング(リング)
30C 3−6速用アクチュエータ(第1駆動装置)
30D 4−7速用アクチュエータ(第2駆動装置)
30E クラッチアクチュエータ(クラッチ駆動装置)
52 回転角度センサ(摺動量検出手段)
54 クランク角センサ(負荷検出手段)
55 アクセル開度センサ(負荷検出手段)
TQE エンジントルク(動力)
ST 4−7速用同期噛合機構のスリーブの摺動量
ST2 2−5速用同期噛合機構のスリーブの摺動量
SREF1 第1判定値
SREF2 第2判定値
SREF3 第3判定値
SREF4 第4判定値
STLMT しきい値(係合部との接触を開始するときの摺動量)
STLMT2 しきい値(係合部との接触を開始するときの摺動量)
LD 4−7速用同期噛合機構の負荷(第2連結機構の負荷)
LD2 2−5速用同期噛合機構の負荷(第3連結機構の負荷)
LREF 負荷判定値
LREF2 負荷判定値
F4TH 押圧荷重(第2駆動装置の駆動力)
F5TH 押圧荷重(第3駆動装置の駆動力)

Claims (14)

  1. 動力源の動力を変速しながら被駆動体に伝達する変速機の変速動作を制御するとともに、前記動力源と前記被駆動体との間を接続・遮断するクラッチの動作を制御する変速制御装置において、
    前記変速機は、
    前記動力源と前記被駆動体との間に設けられた複数の回転軸と、
    当該複数の回転軸のうちの少なくとも2つの回転軸上にそれぞれ設けられ、当該少なくとも2つの回転軸のうちの1つの回転軸に対して回転自在に支持された第1回転自在ギヤを含む複数の第1変速ギヤを有し、第1変速段を構成する第1変速ギヤ列と、
    前記複数の回転軸のうちの少なくとも2つの回転軸上にそれぞれ設けられ、当該少なくとも2つの回転軸のうちの1つの回転軸に対して回転自在に支持された第2回転自在ギヤを含む複数の第2変速ギヤを有し、前記第1変速段と異なる変速比の第2変速段を構成する第2変速ギヤ列と、
    前記第1回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸と、前記第1回転自在ギヤとを連結することによって、前記動力源の前記動力を前記第1変速ギヤ列を介して前記被駆動体に伝達させるとともに、当該連結を解除する第1連結機構と、
    前記第2回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸と、前記第2回転自在ギヤとを互いに同期させながら連結することによって、前記動力源の動力を前記第2変速ギヤ列を介して前記被駆動体に伝達させるとともに、当該連結を解除する第2連結機構と、
    を有し、
    前記第2連結機構は、
    前記第2回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸上に回転自在に設けられ、前記第2回転自在ギヤ側に押圧されたときに、当該第2回転自在ギヤとの間の摩擦により当該第2回転自在ギヤと互いに同期するリングと、
    前記第2回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸と前記第2回転自在ギヤとの間を遮断する遮断位置と、前記第2回転自在ギヤの係合部と係合することにより前記第2回転自在ギヤを前記1つの回転軸に連結する連結位置との間で摺動自在にかつ前記1つの回転軸と一体に回転するように前記1つの回転軸上に設けられ、前記連結位置側に摺動したときに当該連結位置と前記遮断位置との間のボーク位置で前記リングに当接することにより、当該リングを前記第2回転自在ギヤ側に押圧しながら当該リングと互いに同期するスリーブと、
    を有し、
    前記クラッチを駆動するクラッチ駆動装置と、
    前記第1連結機構を駆動する第1駆動装置と、
    前記第2連結機構の前記スリーブを、前記遮断位置と前記連結位置との間で摺動させる第2駆動装置と、
    前記スリーブの摺動量を検出する摺動量検出手段と、
    前記スリーブが前記リングに当接したか否かを判定する判定手段と、
    前記第1変速段から前記第2変速段への変速の際、前記クラッチ駆動装置、前記第1および前記第2駆動装置を制御することにより、前記クラッチを接続状態に保持しながら、前記第2連結機構の前記スリーブを前記遮断位置から前記連結位置に摺動させるとともに、当該スリーブの摺動中、前記判定手段により前記スリーブが前記リングに当接したと判定された場合において、前記摺動量検出手段により検出された前記スリーブの摺動量が所定の第1判定値以上であるときには、前記クラッチを遮断した後、前記スリーブを前記連結位置に摺動させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする変速制御装置。
  2. 前記第1連結機構は、前記第1回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸と、前記第1回転自在ギヤとを噛み合いにより連結し、前記第2連結機構の前記スリーブは、前記連結位置で前記第2回転自在ギヤの前記係合部と互いに噛み合うように構成され、
    前記制御手段は、前記第1変速段から前記第2変速段への変速の際、前記クラッチを接続状態に保持しかつ前記第1連結機構を噛み合い状態に保持しながら、前記第2連結機構の前記スリーブを前記遮断位置から前記連結位置に摺動させるとともに、当該スリーブの摺動中、前記判定手段により前記スリーブが前記リングに当接したと判定された場合において、前記摺動量検出手段により検出された前記スリーブの摺動量が前記所定の第1判定値以上であるときには、前記クラッチの遮断および前記第1連結機構の噛み合いの解除を実行した後、前記スリーブを前記連結位置に摺動させることを特徴とする請求項1に記載の変速制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記スリーブが前記リングに当接したと判定された場合における前記スリーブの摺動量が前記所定の第1判定値以上であるときには、前記クラッチの遮断および前記第1連結機構の噛み合いの解除を実行する前に、前記スリーブを前記遮断位置に摺動させることを特徴とする請求項2に記載の変速制御装置。
  4. 前記第2連結機構の負荷を検出する負荷検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第1変速段から前記第2変速段への変速の際、前記スリーブの前記遮断位置から前記連結位置への摺動中、前記スリーブが前記リングに当接したと判定された場合において、前記検出された前記スリーブの摺動量が前記所定の第1判定値よりも小さい所定の第2判定値以上で前記所定の第1判定値よりも小さく、かつ前記検出された負荷が所定の負荷判定値以上のときには、前記クラッチの遮断および前記第1連結機構の噛み合いの解除を実行した後、前記スリーブを前記連結位置に摺動させることを特徴とする請求項2または3に記載の変速制御装置。
  5. 前記スリーブが前記連結位置側に摺動する際に前記スリーブに作用する前記第2駆動装置の駆動力を検出する駆動力検出手段と、
    当該検出された前記第2駆動装置の駆動力が大きいほど、前記所定の第2判定値をより大きい値に設定する第2判定値設定手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の変速制御装置。
  6. 前記スリーブが前記連結位置側に摺動する際に前記スリーブに作用する前記第2駆動装置の駆動力を検出する駆動力検出手段と、
    当該検出された前記第2駆動装置の駆動力が大きいほど、前記所定の第1判定値をより小さい値に設定する第1判定値設定手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の変速制御装置。
  7. 前記第1判定値設定手段は、前記所定の第1判定値を、前記スリーブが前記連結位置側に摺動した際に前記第2回転自在ギヤの前記係合部との接触を開始するときの前記スリーブの摺動量に基づいて設定することを特徴とする請求項6に記載の変速制御装置。
  8. 動力源の動力を変速しながら被駆動体に伝達する変速機の変速動作を制御するとともに、前記動力源と前記被駆動体との間を接続・遮断するクラッチの動作を制御する変速制御装置において、
    前記変速機は、
    前記動力源と前記被駆動体との間に設けられた複数の回転軸と、
    当該複数の回転軸のうちの少なくとも2つの回転軸上にそれぞれ設けられ、当該少なくとも2つの回転軸のうちの1つの回転軸に対して回転自在に支持された第1回転自在ギヤを含む複数の第1変速ギヤを有し、第1変速段を構成する第1変速ギヤ列と、
    前記複数の回転軸のうちの少なくとも2つの回転軸上にそれぞれ設けられ、当該少なくとも2つの回転軸のうちの1つの回転軸に対して回転自在に支持された第2回転自在ギヤを含む複数の第2変速ギヤを有し、前記第1変速段と異なる変速比の第2変速段を構成する第2変速ギヤ列と、
    前記複数の回転軸のうちの少なくとも2つの回転軸上にそれぞれ設けられ、当該少なくとも2つの回転軸のうちの1つの回転軸に対して回転自在に支持された第3回転自在ギヤを含む複数の第3変速ギヤを有し、前記第1および前記第2変速段と異なる変速比の第3変速段を構成する第3変速ギヤ列と、
    前記第1回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸と、前記第1回転自在ギヤとを連結することによって、前記動力源の前記動力を前記第1変速ギヤ列を介して前記被駆動体に伝達させるとともに、当該連結を解除する第1連結機構と、
    前記第2回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸と、前記第2回転自在ギヤとを連結することによって、前記動力源の動力を前記第2変速ギヤ列を介して前記被駆動体に伝達させるとともに、当該連結を解除する第2連結機構と、
    前記第3回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸と、前記第3回転自在ギヤとを互いに同期させながら連結することによって、前記動力源の前記動力を前記第3変速ギヤ列を介して前記被駆動体に伝達させるとともに、当該連結を解除する第3連結機構と、
    を有し、
    前記第3連結機構は、
    前記第3回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸上に回転自在に設けられ、前記第3回転自在ギヤ側に押圧されたときに、当該第3回転自在ギヤとの間の摩擦により当該第3回転自在ギヤと互いに同期するリングと、
    前記第3回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸と前記第3回転自在ギヤとの間を遮断する遮断位置と、前記第3回転自在ギヤの係合部と係合することにより前記第3回転自在ギヤを前記1つの回転軸に連結する連結位置との間で摺動自在にかつ前記1つの回転軸と一体に回転するように前記1つの回転軸上に設けられ、前記連結位置側に摺動したときに当該連結位置と前記遮断位置との間のボーク位置で前記リングに当接することにより、当該リングを前記第3回転自在ギヤ側に押圧しながら当該リングと互いに同期するスリーブと、
    を有し、
    前記クラッチを駆動するクラッチ駆動装置と、
    前記第1および前記第2連結機構をそれぞれ駆動する第1および第2駆動装置と、
    前記第3連結機構の前記スリーブを、前記遮断位置と前記連結位置との間で摺動させる第3駆動装置と、
    前記スリーブの摺動量を検出する摺動量検出手段と、
    前記スリーブが前記リングに当接したか否かを判定する判定手段と、
    前記第1変速段から前記第2変速段への変速の際、前記クラッチ駆動装置、前記第1、前記第2および前記第3駆動装置を制御することにより、前記クラッチを接続状態に保持しながら、前記第3連結機構の前記スリーブを前記遮断位置から前記ボーク位置に摺動させるとともに、当該スリーブの摺動中、前記判定手段により前記スリーブが前記リングに当接したと判定された場合において、前記摺動量検出手段により検出された前記スリーブの摺動量が所定の第3判定値以上であるときには、前記スリーブの前記遮断位置への摺動および前記クラッチの遮断を実行した後、前記第2連結機構を連結状態に駆動する制御手段と、
    を備えることを特徴とする変速制御装置。
  9. 前記第1連結機構は、前記第1回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸と、前記第1回転自在ギヤとを噛み合いにより連結し、前記第2連結機構は、前記第2回転自在ギヤを回転自在に支持する前記1つの回転軸と、前記第2回転自在ギヤとを噛み合いにより連結し、
    前記第3連結機構の前記スリーブは、前記連結位置で前記第3回転自在ギヤの前記係合部と互いに噛み合うように構成され、
    前記制御手段は、前記第1変速段から前記第2変速段への変速の際、前記クラッチを接続状態に保持しかつ前記第1連結機構を噛み合い状態に保持しながら、前記第3連結機構の前記スリーブを前記遮断位置から前記連結位置に摺動させるとともに、当該スリーブの摺動中、前記判定手段により前記スリーブが前記リングに当接したと判定された場合において、前記摺動量検出手段により検出された前記スリーブの摺動量が前記所定の第3判定値以上であるときには、前記クラッチの遮断、前記第1連結機構の噛み合いの解除および前記スリーブの前記遮断位置への摺動を実行した後、前記第2連結機構を噛み合い状態に駆動することを特徴とする請求項8に記載の変速制御装置。
  10. 前記制御手段は、前記スリーブが前記リングに当接したと判定された場合における前記スリーブの摺動量が前記所定の第3判定値以上であるときには、前記クラッチの遮断および前記第1連結機構の噛み合いの解除を実行する前に、前記スリーブを前記遮断位置に摺動させることを特徴とする請求項9に記載の変速制御装置。
  11. 前記第3連結機構の負荷を検出する負荷検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第1変速段から前記第2変速段への変速の際、前記スリーブの前記遮断位置から前記連結位置への摺動中、前記スリーブが前記リングに当接したと判定された場合において、前記検出された前記スリーブの摺動量が前記所定の第3判定値よりも小さい所定の第4判定値以上で前記所定の第3判定値よりも小さく、かつ前記検出された負荷が所定の負荷判定値以上のときには、前記クラッチの遮断、前記第1連結機構の噛み合いの解除および前記スリーブの前記遮断位置への摺動を実行した後、前記第2連結機構を噛み合い状態に駆動することを特徴とする請求項9または10に記載の変速制御装置。
  12. 前記スリーブが前記連結位置側に摺動する際に前記スリーブに作用する前記第3駆動装置の駆動力を検出する駆動力検出手段と、
    当該検出された前記第3駆動装置の駆動力が大きいほど、前記所定の第4判定値をより大きい値に設定する第4判定値設定手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の変速制御装置。
  13. 前記スリーブが前記連結位置側に摺動する際に前記スリーブに作用する前記第3駆動装置の駆動力を検出する駆動力検出手段と、
    当該検出された前記第3駆動装置の駆動力が大きいほど、前記所定の第3判定値をより小さい値に設定する第3判定値設定手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の変速制御装置。
  14. 前記第3判定値設定手段は、前記所定の第3判定値を、前記スリーブが前記連結位置側に摺動した際に前記第3回転自在ギヤの前記係合部との接触を開始するときの前記スリーブの摺動量に基づいて設定することを特徴とする請求項13に記載の変速制御装置。
JP2003091841A 2003-03-28 2003-03-28 変速制御装置 Expired - Fee Related JP4242189B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003091841A JP4242189B2 (ja) 2003-03-28 2003-03-28 変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003091841A JP4242189B2 (ja) 2003-03-28 2003-03-28 変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004301153A true JP2004301153A (ja) 2004-10-28
JP4242189B2 JP4242189B2 (ja) 2009-03-18

Family

ID=33405106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003091841A Expired - Fee Related JP4242189B2 (ja) 2003-03-28 2003-03-28 変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4242189B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008528892A (ja) * 2005-01-25 2008-07-31 ゲットラーク ゲットリーベ ウント ツァーンラトファブリーク ヘルマン ハーゲンマイアー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト 有段変速機及び該有段変速機の制御方法
WO2012066740A1 (ja) * 2010-11-19 2012-05-24 株式会社イケヤフォーミュラ トランスミッション及び変速制御システム
JP2012112396A (ja) * 2010-11-19 2012-06-14 Ikeya Formula Kk 変速制御システム
CN104006149A (zh) * 2013-02-25 2014-08-27 本田技研工业株式会社 自动变速装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008528892A (ja) * 2005-01-25 2008-07-31 ゲットラーク ゲットリーベ ウント ツァーンラトファブリーク ヘルマン ハーゲンマイアー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト 有段変速機及び該有段変速機の制御方法
JP4781367B2 (ja) * 2005-01-25 2011-09-28 ゲットラーク ゲットリーベ ウント ツァーンラトファブリーク ヘルマン ハーゲンマイアー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト 有段変速機及び該有段変速機の制御方法
WO2012066740A1 (ja) * 2010-11-19 2012-05-24 株式会社イケヤフォーミュラ トランスミッション及び変速制御システム
JP2012112396A (ja) * 2010-11-19 2012-06-14 Ikeya Formula Kk 変速制御システム
CN103299104A (zh) * 2010-11-19 2013-09-11 池谷方程式株式会社 变速器及变速控制系统
US9175765B2 (en) 2010-11-19 2015-11-03 Ikeya Forumla Co., Ltd. Transmission and shift control system
US10035512B2 (en) 2010-11-19 2018-07-31 Ikeya Formula Co., Ltd. Transmission and shift control system
CN104006149A (zh) * 2013-02-25 2014-08-27 本田技研工业株式会社 自动变速装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4242189B2 (ja) 2009-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5847521B2 (ja) デュアルクラッチ式自動変速機
JP6189051B2 (ja) 自動変速装置
JP4701957B2 (ja) 変速終了判定装置
JP2019078270A (ja) 変速機の制御装置
JP6114128B2 (ja) 自動変速装置
JP4502103B2 (ja) 自動変速機
JP2013047532A (ja) デュアルクラッチ式自動変速機
JP2013035403A (ja) ハイブリッド車両
JP5985435B2 (ja) 自動変速装置
JP4242189B2 (ja) 変速制御装置
JP4742928B2 (ja) 複数クラッチ式変速機の変速制御装置
JP5818565B2 (ja) デュアルクラッチ式自動変速機
JP5892763B2 (ja) デュアルクラッチ式自動変速機およびその変速制御方法
US9273778B2 (en) Method of controlling a transmission
JP5634967B2 (ja) ハイブリッド車両及びその制御方法
JP6212581B2 (ja) 自動変速機および自動変速機の制御方法
JP5769579B2 (ja) デュアルクラッチ式自動変速機
JP2014177251A (ja) 変速機の制御装置
JP2010071424A (ja) 変速機の制御装置
JP2008101643A (ja) 車両の制御装置
JP2010096235A (ja) クラッチの制御装置
CN113710928A (zh) 用于控制载具动力系以克服或避免嵌齿对接状况的控制装置和方法、计算机程序、计算机可读介质和载具
JP6457837B2 (ja) 車両の動力伝達制御装置
JP5769580B2 (ja) 自動変速機
JP4037195B2 (ja) 車両の動力伝達装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051031

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081125

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees