JP2008101643A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダブルクラッチ制御を伴なう変速を速やかに行なう。
【解決手段】ECUは、エンジンとトランスミッションとを連結するクラッチを解放状態にするステップ(S100)と、スリーブが、変速前のギヤ段に対応したクラッチギヤおよびシンクロナイザリングと当接した位置から移動するようにアクチュエータを制御するステップ(S210)と、スリーブの先端と変速前のギヤ段に対応するシンクロナイザリングのチャンファの先端とが一致する位置までスリーブが移動した時点で、ダブルクラッチ制御を開始するステップ(S212)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図10

Description

本発明は、車両の制御装置に関し、特に、常時噛合式歯車変速機を有する車両を制御する技術に関する。
従来より、常時噛合式歯車変速機を有する車両において、クラッチの断接と、ギヤ段の選択とをアクチュエータにより行なう技術が知られている。このような車両においては、変速(特にダウンシフト)する際、ニュートラルの状態で一旦クラッチをつなぎ、エンジン回転数を上昇させて、常時噛合式歯車変速機の入力軸と出力軸とを同期させる、いわゆるダブルクラッチ制御が行なわれるものがある。
特開2005−214346号公報(特許文献1)は、変速時に入力軸の回転数および出力軸の回転数を機械的に同期させる同期機構(シンクロナイザ)による同期に必要な時間よりも、ダブルクラッチ制御による同期に必要な時間が短い場合に、ダブルクラッチ制御を実行する変速装置を開示する。特許文献1に記載の変速装置は、常時噛合式歯車変速機を、入力軸と出力軸との機械的連結が解除された中立状態にするとともに、クラッチを接続し、動力機関の出力回転数を制御して、入力軸の回転数と出力軸の回転数とを同期させるための同期部と、同期機構による同期に必要な時間を算出するための第1の算出部と、同期部による同期に必要な時間を算出するための第2の算出部と、同期機構による同期に必要な時間が、同期部による同期に必要な時間よりも短い場合は、同期機構により入力軸の回転数と出力軸の回転数とを同期させて、常時噛合式歯車変速機を変速し、同期部による同期に必要な時間が、同期機構による同期に必要な時間よりも短い場合は、同期部により入力軸の回転数と出力軸の回転数とを同期させて、常時噛合式歯車変速機を変速するための変速制御部とを含む。
この公報に記載の変速装置によると、同期部は、常時噛合式歯車変速機を、入力軸と出力軸との機械的連結が解除された中立状態にするとともに、クラッチを接続し、動力機関の出力回転数を制御して、入力軸の回転数と出力軸の回転数とを同期させる。第1の算出部は、同期機構による同期に必要な時間を算出し、第2の算出部は、同期部による同期に必要な時間を算出する。算出された時間が比較され、変速制御部は、同期機構による同期に必要な時間が、同期部による同期に必要な時間よりも短い場合、同期機構を用いて入力軸の回転数と出力軸の回転数とを同期して、常時噛合式歯車変速機を変速し、同期部による同期に必要な時間が、同期機構による同期に必要な時間よりも短い場合は、同期部を用いて入力軸の回転数と出力軸の回転数とを同期して、常時噛合式歯車変速機を変速する。これにより、同期機構による同期および同期部による同期のうち、同期に必要な時間が短いものを用いて入力軸と出力軸とを同期し、変速を行なうことができる。
特開2005−214346号公報
ところで、シンクロナイザ(同期機構)の耐久性を考慮すると、できるだけダブルクラッチ制御による同期を行なうことが望ましい。しかしながら、特開2005−214346号公報に記載の変速装置ように、ダブルクラッチ制御を実行すると、変速に要する時間が長くなり易い。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、変速を速やかに行なうことができる車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、第1のギヤ段を形成する際に第1の部材と当接し、第2のギヤ段を形成する際に第2の部材と当接するようにアクチュエータにより移動される移動部材が設けられる常時噛合式歯車変速機と、常時噛合式歯車変速機と動力機関との連結を断接するクラッチとを有する車両の制御装置である。この制御装置は、第1のギヤ段から他のギヤ段に変速する際、移動部材が第1の部材および第2の部材に当接しない位置まで移動するようにアクチュエータを制御するための制御手段と、移動部材が第1の部材および第2の部材に当接しない状態において、クラッチを係合し、動力機関の出力回転数を制御して、入力軸の回転数と出力軸の回転数とを同期させる同期制御を実行するための実行手段とを含む。実行手段は、第1のギヤ段から他のギヤ段に変速する際、移動部材が第1の部材および第2の部材に当接しない位置まで移動部材が移動した後であって、常時噛合式歯車変速機をニュートラル状態にするために移動部材が停止されるニュートラル位置まで移動部材が移動する前に、同期制御を開始するための手段を含む。
第1の発明によると、第1のギヤ段から他のギヤ段に変速する際、移動部材が第1の部材および第2の部材に当接しない位置まで移動するようにアクチュエータが制御される。移動部材が第1の部材および第2の部材に当接しない状態において、クラッチを係合し、動力機関の出力回転数を制御して、入力軸の回転数と出力軸の回転数とを同期させる同期制御が実行される。この同期制御は、第1のギヤ段から他のギヤ段に変速する際、移動部材が第1の部材および第2の部材に当接しない位置まで移動部材が移動した後であって、常時噛合式歯車変速機をニュートラル状態にするために移動部材が停止されるニュートラル位置まで移動部材が移動する前に開始される。これにより、変速を開始してから同期制御を開始するまでの時間を短くすることができる。そのため、変速に要する時間を短くすることができる。その結果、変速を速やかに行なうことができる車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置は、第1の発明の構成に加え、第2のギヤ段に変速する際、同期制御の実行中に、ニュートラル位置よりも第2の部材に近い位置で移動部材が待機するようにアクチュエータを制御するための手段をさらに含む。
第2の発明によると、同期制御の実行中、ニュートラル位置よりも第2の部材に近い位置で移動部材が待機するようにアクチュエータが制御される。これにより、同期後に移動部材と第1の部材とを当接させる際、速やかに当接させることができる。
第3の発明に係る車両の制御装置は、第1の発明の構成に加え、同期制御の実行中に、ニュートラル位置で移動部材が待機するようにアクチュエータを制御するための手段をさらに含む。
第3の発明によると、同期制御の実行中、ニュートラル位置で移動部材が待機するようにアクチュエータが制御される。これにより、入力軸および出力軸が確実に遮断されるニュートラル状態において同期制御を実行することができる。そのため、たとえばシンクロナイザリングに負担をかけずに入力軸と出力軸との同期を行なうことができる。
第4の発明に係る車両の制御装置は、第2または3の発明の構成に加え、入力軸の回転数と出力軸の回転数との同期後にクラッチが解放状態になるようにクラッチを制御するための手段と、第2のギヤ段に変速する際、第2の部材と当接する方向に移動部材を移動させるようにアクチュエータを制御することを、クラッチが解放状態になる前に開始するための手段とをさらに含む。
第4の発明によると、入力軸の回転数と出力軸の回転数との同期後にクラッチが解放状態になるようにクラッチが制御される。第2のギヤ段に変速する際、第2の部材と当接する方向に移動部材を移動させるようにアクチュエータを制御することが、クラッチが解放状態になる前に開始される。これにより、アクチュエータの作動遅れを補償することができる。そのため、変速を速やかに行なうことができる。
第5の発明に係る車両の制御装置は、第2または3の発明の構成に加え、入力軸の回転数と出力軸の回転数との同期後にクラッチが解放状態になるようにクラッチを制御するための手段と、第2のギヤ段に変速する際、第2の部材と当接する方向に移動部材を移動させるようにアクチュエータを制御することを、入力軸の回転数と出力軸の回転数との差に応じて定められるタイミングで開始するための手段とをさらに含む。
第5の発明によると、入力軸の回転数と出力軸の回転数との同期後にクラッチが解放状態にされる。第2のギヤ段に変速する際、第2の部材と当接する方向に移動部材を移動させるようにアクチュエータを制御することが、入力軸の回転数と出力軸の回転数との差に応じて定められるタイミングで開始される。これにより、たとえば、入力軸の回転数および出力軸の回転数の差の変化率が小さくなったタイミングを基準にして、クラッチが完全に解放される前に制御を開始することができる。そのため、アクチュエータの作動遅れを補償することができる。その結果、変速を速やかに行なうことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。車両100は、FF(Front drive Front engine)車両である。なお、本発明に係る制御装置を搭載した車両は、FF車両に限られない。
車両100は、従来のマニュアルトランスミッションと同じ形式の常時噛合式歯車変速機およびクラッチをアクチュエータにより作動させ、所望のギヤ段を形成するクラッチペダルレスの車両である。車両100においては、車速とスロットル開度とにより規定されるマップに基づいて、アップシフトおよびダウンシフトを行なうオートシフトモードと、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードとを選択することができる。オートシフトモードにおいては、通常よりも高いエンジン回転数で変速を行なうスポーツモードを選択することができる。
車両100は、エンジン200と、クラッチ300と、トランスミッション400と、デェファレンシャルギヤ(以下、デフと略して記載する)500と、ECU(Electronic Control Unit)600とを含む。本実施の形態に係る制御装置は、たとえばECU600のROM(Read Only Memory)630に記憶されたプログラムにより実現される。
エンジン200は、インジェクタ(図示せず)により噴射された燃料と空気との混合気を、気筒内で爆発させてピストン(図示せず)を押し下げ、クランクシャフト202を回転させる内燃機関である。エンジン200は、動力源として車両100に搭載されている。車両100は、エンジン200からの駆動力により走行する。なお、エンジン200の代わりに、その他、モータなどの動力機関を搭載してもかまわない。
クラッチ300は、乾式単板式の摩擦クラッチである。図2に示すように、クラッチ300は、クラッチ出力軸302と、クラッチ出力軸302に配設されたクラッチディスク304と、クラッチハウジング306と、クラッチハウジング306に配設されたプレッシャプレート308と、ダイヤフラムスプリング310と、クラッチレリーズシリンダ312と、レリーズフォーク314と、レリーズスリーブ316とを含む。
ダイヤフラムスプリング310が、プレッシャプレート308を図2において右方向に付勢することにより、クラッチディスク304が、エンジン200のクランクシャフト202に取り付けられたフライホイール204に押付けられ、クラッチが接続(係合)される。
クラッチレリーズシリンダ312が、レリーズフォーク314を介して図2において右方向へ、レリーズスリーブ316を移動させることにより、ダイヤフラムスプリング310の内端部が図2において右方向へ移動する。ダイヤフラムスプリング310の内端部が図2において右方向へ移動すると、プレッシャプレート308が図2において左方向に移動し、クラッチディスク304とフライホイール204とが離れてクラッチが切断(解放)される。
クラッチレリーズシリンダ312は、油圧回路(図示せず)によって油圧が供給されることにより作動する。クラッチレリーズシリンダ312は、ECU600により制御される。クラッチ300は、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではさらなる説明は繰返さない。なお、クラッチ300を、電力により断接するようにしてもよい。
図1に戻って、トランスミッション400は、インプットシャフト402と、アウトプットシャフト404と、ハウジング406とを含む。トランスミッション400は、デフ500と共に、ハウジング406内に収容されている。トランスミッション400は、常時噛合式歯車変速機である。
インプットシャフト402とアウトプットシャフト404とは、平行に設けられている。インプットシャフト402とアウトプットシャフト404との間には、ギヤ比が異なる複数の変速ギヤ対411〜415と、後進ギヤ対416とが配設されている。
各変速ギヤ対を構成する2つのギヤのうち、一方はインプットシャフト402に設けられており、他方はアウトプットシャフト404に設けられている。また、各変速ギヤ対を構成する2つのギヤのうち、一方は、設けられているシャフトに対して空転可能であり、他方は、設けられているシャフトと一体的に回転する。各変速ギヤ対を構成する2つのギヤは、常に噛合っている。
各変速ギヤ対411〜415には、それぞれと対応したクラッチギヤ421〜425が設けられている。シャフトとクラッチギヤ421〜425との間には、シャフトの回転数と、クラッチギヤ421〜425の回転数とを同期させて、連結するシンクロメッシュ機構431〜433が設けられている。いずれかのクラッチギヤ421〜425が、シンクロメッシュ機構431〜433のいずれかによりシャフトに連結されて、1速から5速のいずれかのギヤ段が成立する。全てのクラッチギヤがシャフトに連結されていなければ、トランスミッション400はニュートラル状態となる。
後進ギヤ対416は、カウンタシャフト(図示せず)に配設された後進用アイドル歯車と噛合わされる。後進ギヤ対416が後進用アイドル歯車と噛合わされることにより、後進ギヤ段が成立させられる。
シンクロメッシュ機構431〜433は、フォークシャフト441を介して、ECU600により制御されるアクチュエータ444により作動させられる。シンクロメッシュ機構431〜433は、キー式シンクロメッシュ機構である。なお、キー式シンクロメッシュ機構の代わりに、その他、ダブルコーンシンクロメッシュ機構などを用いてもかまわない。
以下、シンクロメッシュ機構についてさらに説明する。なお、本実施の形態において、各シンクロメッシュ機構431〜433は同様の構成を有する。したがって、以下の説明では、シンクロメッシュ機構431について説明し、シンクロメッシュ機構431,433については、それらの詳細な説明は繰り返さない。
図3に示すように、シンクロメッシュ機構は、スリーブ470と、シンクロナイザキー472、キースプリング474と、シンクロナイザリング480と、変速ギヤ対411を構成するギヤのうち、インプットシャフト402に対して空転可能に設けられた入力ギヤ482に設けられた、テーパ状のコーン部484とを含む。
スリーブ470は、フォークシャフト441を介して、アクチュエータ444により、クラッチギヤ421の方向に移動させられる。シンクロナイザキー472は、キースプリング474により、スリーブ470に対して付勢され、スリーブ470に係合している。スリーブ470とシンクロナイザキー472とは、シンクロナイザハブ(図示せず)と共に、インプットシャフト402と一体的に回転する。
シンクロナイザリング480は、入力ギヤ482とシンクロナイザキー472との間に設けられている。シンクロナイザリング480に設けられた溝には、シンクロナイザキー472が係合しており、シンクロナイザリング480とシンクロナイザキー472とは共に回転する。
スリーブ470が図3において右方向へ移動させられると、シンクロナイザキー472がスリーブ470と共に移動させられる。シンクロナイザキー472が移動すると、シンクロナイザリング480がコーン部484に押圧されてテーパ嵌合させられる。
シンクロナイザリング480とコーン部484とがテーパ嵌合させられると、シンクロナイザリング480とコーン部484との間の摩擦により、徐々にインプットシャフト402から入力ギヤ482に動力が伝達され、シンクロナイザリング480と入力ギヤ482とがある程度スリップしながら、インプットシャフト402の回転数と入力ギヤ482の回転数とが次第に等しくなる(同期する)。
入力ギヤ482は、変速ギヤ対411を構成するギヤのうち、アウトプットシャフト404に一体的に設けられたギヤと常に噛合っているため、インプットシャフト402の回転数と入力ギヤ482の回転数とが同期することにより、インプットシャフト402の回転数とアウトプットシャフト404の回転数とが同期する。
スリーブ470が更に右方向へ移動させられると、図4に示すように、スリーブ470に設けられたスプライン490が、シンクロナイザリング480に設けられたチャンファ492および入力ギヤ482に設けられたクラッチギヤ421と噛合わされる。スリーブ470のスプライン490が、クラッチギヤ421と噛合うと、インプットシャフト402とアウトプットシャフト404とが連結されて、変速ギヤ対411を介して、インプットシャフト402からアウトプットシャフト404に、動力が伝達される。
本実施の形態において、スリーブ470は、各シンクロメッシュ機構431〜433に対して一つずつ設けられる。これらの各スリーブ470に対して、図5に示すように、一本ずつ、合計3本のフォークシャフト441,442,443が設けられる。
図5において右端のフォークシャフト441を操作することにより、5速ギヤ段が形成される。図5において中央のフォークシャフト442を操作することにより、3速ギヤ段もしくは4速ギヤ段が形成される。図5において左端のフォークシャフト443を、操作することにより、1速ギヤ段もしくは2速ギヤ段が形成される。なお、形成されるギヤ段は5つに限らない。
アクチュエータ444により操作されるフォークシャフトは、セレクタ446により選択される。すなわち、セレクタ446と係合するフォークシャフトがアクチュエータ444により操作される。さらに、セレクタ446が、アクチュエータ444により操作される。
図1に戻って、インプットシャフト402は、スプライン450によってクラッチ300のクラッチ出力軸302に連結されているとともに、アウトプットシャフト404には出力歯車460が配設されてデフ500のリングギヤ502と噛合わされている。
デフ500は、一対のサイドギヤ504、506を含む。サイドギヤ504、506にはそれぞれドライブシャフト508、510がスプライン嵌合などによって連結されている。ドライブシャフト508、510を介して、左右の前輪512、514に動力が伝達される。
ECU600には、アクセル開度センサ602、スポーツモードスイッチ604、シフトレバー606、回転数センサ608、温度センサ610、車速センサ612、入力回転数センサ614および出力回転数センサ616が接続されている。さらに、ECU600には、シフトストロークセンサ618およびクラッチストロークセンサ620が接続されている。
アクセル開度センサ602は、アクセル踏み量を検出し、検出結果を表す信号をECU600に送信する。スポーツモードスイッチ604は、通常よりも高いエンジン回転数で変速を行ない、加速性を重視したスポーティな走行を嗜好する場合に、運転者により操作される。
シフトレバー606は、所望のギヤ段が選択されるように、運転者が操作する。シフトレバー606と対応したレンジ(たとえばDレンジ)に応じて、トランスミッション400のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択することができる。
回転数センサ608は、エンジン200の回転数を検出し、検出結果を表す信号をECU600に送信する。温度センサ610は、エンジン200の油温を検出し、検出結果を表す信号をECU600に送信する。車速センサ612は、ドライブシャフト508の回転数から車両100の車速を検出し、検出結果を表す信号をECU600に送信する。入力回転数センサ614はインプットシャフト402の回転数を検出し、検出結果を表す信号をECU600に送信する。出力回転数センサ616はアウトプットシャフト404の回転数を検出し、検出結果を表す信号をECU600に送信する。
シフトストロークセンサ618は、アクチュエータ444のストローク量(フォークシャフト441,442,443のストローク量)を検出し、検出結果を表わす信号をECU600に送信する。アクチュエータ444のストローク量に対応して、スリーブ470の位置が定まる。
クラッチストロークセンサ620は、クラッチ300のストローク量、すなわち、クラッチレリーズシリンダ312の作動量を検出する。クラッチ300のストローク量に対応して、クラッチ300の状態が定まる。
ECU600は、これらのセンサおよびスロットル開度センサ(図示せず)などから送られた信号と、ROM630に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両100が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態においては、変速時(特にダウンシフト時)にトランスミッション400がニュートラル状態で一旦クラッチ300を接続し、エンジン回転数を制御して、インプットシャフト402の回転数を、変速後のアウトプットシャフト404の回転数に同期させる制御(以下、ダブルクラッチ制御と記載する)が実行される。
図6を参照して、ECU600の機能について説明する。なお、以下に説明するECU600の機能はハードウェアにより実現するようにしてもよく、ソフトウェアにより実現するようにしてもよい。
ECU600は、第1クラッチ解放部700と、第1アクチュエータ制御部710と、同期実行部720と、第2アクチュエータ制御部730と、第3アクチュエータ制御部740と、第2クラッチ解放部750と、第4アクチュエータ制御部760と、第5アクチュエータ制御部770とを含む。
第1クラッチ解放部700は、変速時にクラッチ300が解放状態になるように制御する。第1アクチュエータ制御部710は、変速時にクラッチ300が解放状態になると、スリーブ470が、変速前のギヤ段に対応したクラッチギヤおよびシンクロナイザリング480と当接した位置から移動するようにアクチュエータ444を制御する。
同期実行部720は、図7に示すように、スリーブ470の先端と変速前のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480のチャンファ492の先端とが一致する位置までスリーブ470が移動した時点で、ダブルクラッチ制御を開始する。
すなわち、スリーブ470が変速前後のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480のいずれにも当接しない位置まで移動した後であって、トランスミッション400をニュートラル状態にするためにスリーブ470が停止されるニュートラル位置までスリーブ470が移動する前に、ダブルクラッチ制御が開始される。
なお、スリーブ470の先端と変速前のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480のチャンファ492の先端とが一致する位置までスリーブ470が移動した後であって、ニュートラル位置までスリーブ470が移動する前の任意の位置でダブルクラッチ制御を開始するようにしてもよい。
第2アクチュエータ制御部730は、変速前後において操作されるフォークシャフトが同じ場合(たとえば4速ギヤ段から3速ギヤ段へダウンシフトする場合)、ダブルクラッチ制御の実行中において、図8に示すように、スリーブ470の先端が待機点と一致する位置でスリーブ470が待機するようにアクチュエータ444を制御する。
待機点は、スリーブ470の先端と変速後のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480のチャンファ492とが当接を開始するボーク点の手前に定められる。すなわち、ダブルクラッチ制御の実行中、ニュートラル位置よりも変速後のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480に近い位置でスリーブ470が待機される。
ボーク点は、たとえば変速時において、スリーブ470をシンクロナイザリング480に当接する方向に移動させるときに、インプットシャフト402の回転が上昇を開始する点として学習される。
なお、スリーブ470の先端が待機点と一致する位置とニュートラル位置との間の任意の位置でスリーブ470が待機するようにしてもよい。
第3アクチュエータ制御部740は、変速前後において操作されるフォークシャフトが異なる場合(たとえば3速ギヤ段から2速ギヤ段へダウンシフトする場合)、ダブルクラッチ制御の実行中において、図9に示すように、ニュートラル位置でスリーブ470が待機するようにアクチュエータ444を制御する。
第2クラッチ解放部750は、インプットシャフト402とアウトプットシャフト404との同期が完了した後にクラッチ300が解放状態になるように制御する。たとえば、インプットシャフト402の回転数と、アウトプットシャフト404の回転数に変速後のギヤ比を乗じた同期回転数との差がしきい値以内になると、同期が完了したと判定される。
第4アクチュエータ制御部760は、変速前後において操作されるフォークシャフトが同じ場合に、変速後のギヤ段に対応するボーク点にスリーブ470の先端が移動するようにアクチュエータ444を制御する。すなわち、変速後のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480に当接する方向へスリーブ470が移動するようにアクチュエータ444が制御される。
第4アクチュエータ制御部760は、クラッチ300が解放状態になる前であって、クラッチ300のストローク量がしきい値ST(1)になると、アクチュエータ444の制御を開始する。
しきい値ST(1)は、クラッチ300が実際に解放状態になるタイミングに合わせてスリーブ470の先端が実際にボーク点に到達するように、待機点とボーク点との距離、静止摩擦力、無応答時間、電流制御系の応答遅れなどを考慮して定められる。
第5アクチュエータ制御部770は、変速前後において操作されるフォークシャフトが異なる場合に、変速後のギヤ段に対応するボーク点にスリーブ470の先端が移動するようにアクチュエータ444を制御する。
第5アクチュエータ制御部770は、クラッチ300が解放状態になる前であって、クラッチ300のストローク量がしきい値ST(2)になると、アクチュエータ444の制御を開始する。
しきい値ST(2)は、クラッチ300が実際に解放状態になるタイミングに合わせてスリーブ470の先端が実際にボーク点に到達するように、ニュートラル位置におけるスリーブ470の先端とボーク点との距離、静止摩擦力、無応答時間、電流制御系の応答遅れなどを考慮して定められる。
図10〜12を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU600が変速時に実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU600は、クラッチ300を解放状態にする。S102にて、ECU600は、変速前後で操作されるフォークシャフトが同じ変速であるか否かを判断する。変速前後で操作されるフォークシャフトが同じ変速であると(S102にてYES)、処理はS200に移される。もしそうでないと(S102にNO)、処理はS300に移される。
S200にて、ECU600は、ダブルクラッチ要求があるか否かを判断する。たとえば、ダウンシフト時において、スポーツモードが選択されているという条件など、予め定められた条件が満たされていると、ダブルクラッチ要求があると判断される。ダブルクラッチ要求があると(S200にてYES)、処理はS210に移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS400に移される。
S210にて、ECU600は、スリーブ470が、変速前のギヤ段に対応したクラッチギヤおよびシンクロナイザリング480と当接した位置から移動するようにアクチュエータ444を制御する。
S212にて、ECU600は、スリーブ470の先端と変速前のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480のチャンファ492の先端とが一致する位置までスリーブ470が移動した時点で、ダブルクラッチ制御を開始する。
S214にて、ECU600は、ダブルクラッチ制御の実行中において、スリーブ470が待機点で待機するように、すなわち、待機点とスリーブ470の先端とが一致する位置でスリーブ470が待機するようにアクチュエータ444を制御する。
S216にて、ECU600は、インプットシャフト402とアウトプットシャフト404との同期が完了したか否かを判断する。たとえばインプットシャフト402の回転数と同期回転数との差がしきい値ΔN(0)以下であると、同期が完了したと判断される。同期が完了すると(S216にてYES)、処理はS218に移される。もしそうでないと(S216にてNO)、処理はS216に戻される。
S218にて、ECU600は、クラッチ300の解放を開始する。S220にて、ECU600は、クラッチ300のストローク量がしきい値ST(1)になったか否かを判断する。クラッチ300のストローク量がしきい値ST(1)になると(S220にてYES)、処理はS400に移される。もしそうでないと(S220にてNO)、処理はS220に戻される。
S300にて、ECU600は、ダブルクラッチ要求があるか否かを判断する。ダブルクラッチ要求があると(S300にてYES)、処理はS310に移される。もしそうでないと(S300にてNO)、処理はS324に移される。
S310にて、ECU600は、スリーブ470が、変速前のギヤ段に対応したクラッチギヤおよびシンクロナイザリング480と当接した位置から移動するようにアクチュエータ444を制御する。
S312にて、ECU600は、スリーブ470の先端と変速前のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480のチャンファ492の先端とが一致する位置までスリーブ470が移動した時点で、ダブルクラッチ制御を開始する。
S314にて、ECU600は、ダブルクラッチ制御の実行中において、ニュートラル位置でスリーブ470が待機するようにアクチュエータ444を制御する。S316にて、ECU600は、変速後のギヤ段に対応したフォークシャフトと係合する位置にセレクタ446が移動するようにアクチュエータ444を制御する。
S318にて、ECU600は、インプットシャフト402とアウトプットシャフト404との同期が完了したか否かを判断する。同期が完了すると(S318にてYES)、処理はS320に移される。もしそうでないと(S318にてNO)、処理はS318に戻される。
S320にて、ECU600は、クラッチ300の解放を開始する。S322にて、ECU600は、クラッチ300のストローク量がしきい値ST(2)になったか否かを判断する。クラッチ300のストローク量がしきい値ST(2)になると(S322にてYES)、処理はS500に移される。もしそうでないと(S322にてNO)、処理はS220に戻される。
S324にて、ECU600は、スリーブ470がニュートラル位置まで移動するようにアクチュエータ444を制御する。S326にて、ECU600は、変速後のギヤ段に対応したフォークシャフトと係合する位置にセレクタ446が移動するようにアクチュエータ444を制御する。
S400にて、ECU600は、スリーブ470がボーク点まで移動するようにアクチュエータ444を制御することを開始する。S402にて、ECU600は、スリーブ470が、変速後のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480およびクラッチギヤと噛合うまで移動するようにアクチュエータ444を制御する。S404にて、ECU600は、クラッチ300を係合状態にする。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU600の動作について説明する。
車両の走行中、変速する際、クラッチ300が解放状態にされる(S100)。たとえば、4速ギヤ段から3速ギヤ段にダウンシフトする場合もしくは2速ギヤ段から1速ギヤ段にダウンシフトする場合など、変速前後で操作されるフォークシャフトが同じ変速であると(S102にてYES)、ダブルクラッチ要求があるか否かが判断される(S200)。
ダブルクラッチ要求があると(S200にてYES)、スリーブ470が、変速前のギヤ段に対応したクラッチギヤおよびシンクロナイザリング480と当接した位置から移動するようにアクチュエータ444が制御される(S210)。
前述した図7に示すように、スリーブ470の先端と変速前のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480のチャンファ492の先端とが一致する位置までスリーブ470が移動した時点で、ダブルクラッチ制御の実行が開始される(S212)。これにより、変速を開始してからダブルクラッチ制御を開始するまでに要する時間を短くすることができる。
前述した図8に示すように、ダブルクラッチ制御の実行中において、スリーブ470が待機点で待機するように、アクチュエータ444が制御される(S214)。これにより、スリーブ470とシンクロナイザリング480との距離を短くすることができる。そのため、スリーブ470とシンクロナイザリング480とを当接させる際に要する時間を短くすることができる。
ダブルクラッチ制御によるインプットシャフト402とアウトプットシャフト404との同期が完了すると(S216にてYES)、クラッチ300の解放が開始される(S218)。
図13に示すように、時間T(1)において、クラッチ300のストローク量がしきい値ST(1)になると(S220にてYES)、スリーブ470がボーク点まで移動するようにアクチュエータ444を制御することが開始される(S400)。クラッチ300が解放状態になる前にアクチュエータ444の制御が開始されるため、アクチュエータ444の作動遅れを補償することができる。
その後、スリーブ470が、変速後のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480およびクラッチギヤと噛合うまで移動するようにアクチュエータ444が制御され(S402)、クラッチ300が係合状態にされる(S404)。
ダブルクラッチ要求がない場合は(S200にてNO)、ダブルクラッチ制御を行なうことなく、スリーブ470がボーク点まで移動するようにアクチュエータ444を制御することが開始される(S400)。その後、スリーブ470が、変速後のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480およびクラッチギヤと噛合うまで移動するようにアクチュエータ444が制御され(S402)、クラッチ300が係合状態にされる(S404)。
たとえば、5速ギヤ段から4速ギヤ段にダウンシフトする場合もしくは3速ギヤ段から2速ギヤ段にダウンシフトする場合など、変速前後で操作されるフォークシャフトが異なる変速であると(S102にてNO)、ダブルクラッチ要求があるか否かが判断される(S300)。
ダブルクラッチ要求があると(S300にてYES)、スリーブ470が、変速前のギヤ段に対応したクラッチギヤおよびシンクロナイザリング480と当接した位置から移動するようにアクチュエータ444が制御される(S310)。
前述した図7に示すように、スリーブ470の先端と変速前のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480のチャンファ492の先端とが一致する位置までスリーブ470が移動した時点で、ダブルクラッチ制御の実行が開始される(S312)。
前述した図9に示すように、ダブルクラッチ制御の実行中において、ニュートラル位置でスリーブ470が待機するようにアクチュエータ444が制御され(S314)、変速後のギヤ段に対応したフォークシャフトと係合する位置にセレクタ446が移動するようにアクチュエータ444が制御される(S316)。
ダブルクラッチ制御の実行中は、スリーブ470がニュートラル位置にあるため、ニュートラル状態であることが確実な状態で、ダブルクラッチ制御を行なうことができる。そのため、シンクロナイザリング480への負担を小さくすることができる。
ダブルクラッチ制御によるインプットシャフト402とアウトプットシャフト404との同期が完了すると(S318にてYES)、クラッチ300の解放が開始される(S320)。
クラッチ300のストローク量がしきい値ST(2)になると(S322にてYES)、スリーブ470がボーク点まで移動するようにアクチュエータ444を制御することが開始される(S400)。その後、スリーブ470が、変速後のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480およびクラッチギヤと噛合うまで移動するようにアクチュエータ444が制御され(S402)、クラッチ300が係合状態にされる(S404)。
ダブルクラッチ要求がない場合は(S300にてNO)、ダブルクラッチ制御を行なうことなく、スリーブ470がニュートラル位置まで移動するようにアクチュエータ444が制御され(S324)、変速後のギヤ段に対応したフォークシャフトと係合する位置にセレクタ446が移動するようにアクチュエータ444が制御される(S326)。
さらに、スリーブ470がボーク点まで移動するようにアクチュエータ444を制御することが開始される(S400)。その後、スリーブ470が、変速後のギヤ段に対応するシンクロナイザリング480およびクラッチギヤと係合するまで移動するようにアクチュエータ444が制御され(S402)、クラッチ300が係合状態にされる(S404)。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置であるECUによれば、変速する際、ダブルクラッチ要求があると、スリーブが、変速前のギヤ段に対応したクラッチギヤおよびシンクロナイザリングと当接した位置から移動するようにアクチュエータが制御される。スリーブの先端と変速前のギヤ段に対応するシンクロナイザリングのチャンファの先端とが一致する位置までスリーブが移動した時点で、ダブルクラッチ制御の実行が開始される。これにより、変速を開始してからダブルクラッチ制御を開始するまでに要する時間を短くすることができる。そのため、変速を速やかに行なうことができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、ダブルクラッチ要求がある場合において、スリーブ470がボーク点まで移動するようにアクチュエータ444を制御することを開始するタイミングを、インプットシャフト402の回転数と同期回転数との差により定める点で、前述の第1の実施の形態と相違する。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらの機能についても同じである。したがって、ここではそれらの詳細な説明は繰り返さない。
図14を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU600の機能について説明する。なお、以下に説明するECU600の機能はハードウェアにより実現するようにしてもよく、ソフトウェアにより実現するようにしてもよい。また、前述の第1の実施の形態と同じ構成については、同じ符号を付してある。したがって、ここではそれらの詳細な説明は繰り返さない。
本実施の形態に係る制御装置であるECU600の第4アクチュエータ制御部762は、変速前後において操作されるフォークシャフトが同じ場合、インプットシャフト402の回転数と同期回転数との差の絶対値の変化率がしきい値ΔN(1)以下であると、変速後のギヤ段に対応するボーク点にスリーブ470が移動するようにアクチュエータ444を制御することを開始する。
しきい値ΔN(1)は、クラッチ300が実際に解放状態になるタイミングに合わせてスリーブ470の先端が実際にボーク点に到達するように、待機点とボーク点との距離、静止摩擦力、無応答時間、電流制御系の応答遅れなどを考慮して定められる。
本実施の形態に係る制御装置であるECU600の第5アクチュエータ制御部772は、変速前後において操作されるフォークシャフトが異なる場合、インプットシャフト402の回転数と同期回転数との差の絶対値の変化率がしきい値ΔN(2)以下であると、変速後のギヤ段に対応するボーク点にスリーブ470が移動するようにアクチュエータ444を制御することを開始する。
しきい値ΔN(2)は、クラッチ300が実際に解放状態になるタイミングに合わせてスリーブ470の先端が実際にボーク点に到達するように、ニュートラル位置におけるスリーブ470の先端とボーク点との距離、静止摩擦力、無応答時間、電流制御系の応答遅れなどを考慮して定められる。
図15〜17を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU600が変速時に実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、前述の第1の実施の形態と同じ処理には、同じステップ番号を付してある。したがって、ここではそれらの詳細な説明は繰り返さない。
図15を参照して、S500にて、ECU600は、インプットシャフト402の回転数と同期回転数との差の絶対値の変化率がしきい値ΔN(1)以下であるか否かを判断する。インプットシャフト402の回転数と同期回転数との差の絶対値がしきい値ΔN(1)以下であると(S500にてYES)、処理は図17に示すS400に移される。
図16を参照して、S500にて、ECU600は、インプットシャフト402の回転数と同期回転数との差の絶対値の変化率がしきい値ΔN(2)以下であるか否かを判断する。インプットシャフト402の回転数と同期回転数との差の絶対値がしきい値ΔN(2)以下であると(S500にてYES)、処理は図17に示すS400に移される。このようにしても、前述の第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る制御装置が搭載された車両を示す概略構成図である。 クラッチの断面図である。 シンクロメッシュ機構の部分断面図(その1)である。 シンクロメッシュ機構の部分断面図(その2)である。 フォークシャフトを示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるECUの機能ブロック図である。 スリーブとシンクロナイザリングとの位置関係を示す図(その1)である。 スリーブとシンクロナイザリングとの位置関係を示す図(その2)である。 スリーブとシンクロナイザリングとの位置関係を示す図(その3)である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その3)である。 インプットシャフトの回転数の推移を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるECUの機能ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その3)である。
符号の説明
100 車両、200 エンジン、300 クラッチ、400 トランスミッション、402 インプットシャフト、404 アウトプットシャフト、411,412,413,414,415 変速ギヤ対、416 後進ギヤ対、421 クラッチギヤ、431,432,33 シンクロメッシュ機構、441,442,443 フォークシャフト、444 アクチュエータ、470 スリーブ、480 シンクロナイザリング、492 チャンファ、600 ECU、614 入力回転数センサ、616 出力回転数センサ、618 シフトストロークセンサ、620 クラッチストロークセンサ、700 第1クラッチ解放部、710 第1アクチュエータ制御部、720 同期実行部、730 第2アクチュエータ制御部、740 第3アクチュエータ制御部、750 第2クラッチ解放部、760,762 第4アクチュエータ制御部、770,772 第5アクチュエータ制御部。

Claims (5)

  1. 第1のギヤ段を形成する際に第1の部材と当接し、第2のギヤ段を形成する際に第2の部材と当接するようにアクチュエータにより移動される移動部材が設けられる常時噛合式歯車変速機と、前記常時噛合式歯車変速機と動力機関との連結を断接するクラッチとを有する車両の制御装置であって、
    前記第1のギヤ段から他のギヤ段に変速する際、前記移動部材が前記第1の部材および前記第2の部材に当接しない位置まで移動するように前記アクチュエータを制御するための制御手段と、
    前記移動部材が前記第1の部材および前記第2の部材に当接しない状態において、前記クラッチを係合し、前記動力機関の出力回転数を制御して、前記入力軸の回転数と前記出力軸の回転数とを同期させる同期制御を実行するための実行手段とを含み、
    前記実行手段は、前記第1のギヤ段から他のギヤ段に変速する際、前記移動部材が前記第1の部材および前記第2の部材に当接しない位置まで前記移動部材が移動した後であって、前記常時噛合式歯車変速機をニュートラル状態にするために前記移動部材が停止されるニュートラル位置まで前記移動部材が移動する前に、前記同期制御を開始するための手段を含む、車両の制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記第2のギヤ段に変速する際、前記同期制御の実行中に、前記ニュートラル位置よりも前記第2の部材に近い位置で前記移動部材が待機するように前記アクチュエータを制御するための手段をさらに含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記制御装置は、前記同期制御の実行中に、前記ニュートラル位置で前記移動部材が待機するように前記アクチュエータを制御するための手段をさらに含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. 前記制御装置は、
    前記入力軸の回転数と前記出力軸の回転数との同期後に前記クラッチが解放状態になるように前記クラッチを制御するための手段と、
    前記第2のギヤ段に変速する際、前記第2の部材と当接する方向に前記移動部材を移動させるように前記アクチュエータを制御することを、前記クラッチが解放状態になる前に開始するための手段とをさらに含む、請求項2または3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記入力軸の回転数と前記出力軸の回転数との同期後に前記クラッチが解放状態になるように前記クラッチを制御するための手段と、
    前記第2のギヤ段に変速する際、前記第2の部材と当接する方向に前記移動部材を移動させるように前記アクチュエータを制御することを、前記入力軸の回転数と前記出力軸の回転数との差に応じて定められるタイミングで開始するための手段とをさらに含む、請求項2または3に記載の車両の制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102072319A (zh) * 2011-01-20 2011-05-25 浙江吉利汽车研究院有限公司 一种用于双离合器自动变速器中的同步器监视方法
JP2012167713A (ja) * 2011-02-10 2012-09-06 Toyota Motor Corp 車両制御装置
JP2013216151A (ja) * 2012-04-05 2013-10-24 Aisin Ai Co Ltd 車両の動力伝達制御装置

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