JP4035146B2 - 加熱定着装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は加熱定着装置に関し、例えば複写機やプリンタ、ファクシミリ等に用いられ、未定着トナーを加熱により定着させる加熱定着装置に適用して好適なものである。
この種の加熱定着装置は、例えば露光装置や転写ローラによって記録紙上に付着されたトナーを加熱及び加圧することにより定着させる。従来、この種の加熱定着装置の一つとして、誘導加熱を用いた加熱定着装置が提案されている。
この誘導加熱を用いた加熱定着装置は、励磁コイルに高周波電流を通電することにより、励磁コイルの近傍に配置した発熱ベルト等の加熱部材を誘電磁界により誘導加熱する。そして誘導加熱した加熱部材を用いて記録紙上のトナーを加熱して定着させるようになっている。誘導加熱を用いた加熱定着装置は、ハロゲンランプを用いた加熱定着装置に比して、発熱体のみを選択的に加熱できるため、発熱効率を高めて加熱定着装置の立ち上がり時間を短くし、装置全体の消費電力を低くしたり高速化を実現することができる。
ところで、加熱定着装置においては、加熱部材の温度を高くしすぎると、加熱部材が変形したり損傷するおそれがあるため、加熱部材の過昇温を防ぐ必要がある。特に、誘導加熱を用いた加熱定着装置においては、加熱部材の温度を急激に上昇させることができるので、過昇温を防ぐための技術が重要となり、従来種々の工夫がなされている。その一例として特許文献1で開示されている加熱定着装置がある。
特許文献1で開示されている加熱定着装置は、図1に示すように、ガイド1に装着された磁性金属フィルム2内部に支持部材3により支持して励磁コイル4を設置し、磁性金属フィルム2に加圧ローラ5を圧接させながら回転させる。この状態で、加圧ローラ5と従動回転する磁性金属フィルム2のニップ部に記録紙6を搬送し、記録紙6上の未定着トナー7を定着させる。このとき励磁コイル4に流れる電流と電圧から磁性金属フィルム2の抵抗率を算出し、算出した抵抗率から温度を検知している。そして、検知温度に応じて励磁コイル4に供給する電源のオンデューティー比を制御することで温度制御を行うようになっている。
このように、特許文献1で開示されている温度制御を行えば、加熱部材の温度変化を追従性良く検出できるので、加熱部材の過昇温を未然に防止できるようになる。また励磁コイルに流れる電流に応じて温度を検知するので、温度センサと比較して実際の加熱部材の温度に近い検知結果を得ることができるので、加熱部材の過昇温を一段と確実に防止できるようになる。
また空間的な制限があって加熱部材の近傍に温度センサを設けることができない場合にも対応できる。すなわち加熱部材から離れた位置に温度センサを設けた場合には、異常事態の発生により発熱部材が回転停止すると温度を検知できないので、加熱部材が過昇温状態となってしまう。特許文献1で開示されている技術を用いれば、これらの問題を良好に解決することができる。
しかしながら、上述した特許文献1の加熱定着装置では、励磁金属フィルムの抵抗率を算出し、算出した抵抗率から温度を検知しているので、演算量が増大したり回路構成が複雑化する問題がある。また励磁金属フィルムにばらつきがあった場合には、検知温度と実際の温度との間に差が生じるため、励磁フィルムの過昇温を確実に防止する点で未だ不十分であった。
さらに励磁コイルが励磁金属フィルムの近傍に配置されているといっても、励磁金属フィルムの熱が励磁コイルに伝わるには、ある程度の時間がかかるため、励磁金属フィルムと励磁コイルの温度は必ずしも同一にはならない。
つまり、励磁金属フィルムは短時間で加熱されるが、励磁コイルは短時間では加熱されない。このため、励磁金属フィルムの温度と励磁コイルの温度が異なる場合が発生する。例えば昇温直後は励磁金属フィルムは所定の定着温度であるが、励磁コイルは室温である。一方、長時間の使用後には、励磁金属フィルムの熱が十分に励磁コイルに伝わるため、励磁金属フィルムと励磁コイルの温度は同様の定着温度となる。
励磁コイルの温度が異なることにより、励磁コイルの電気抵抗が変化する。さらに励磁コイルのコアの透磁率も変化する。このため、励磁コイルの電圧と電流の関係は励磁金属フィルムの温度のみに依存せず、他の要因の影響が大きい。この結果、励磁金属フィルムの温度を正確に測定することは容易ではない。
特開平8−190300号公報
本発明の目的は、昇温直後や連続動作時などの動作モードの違いによらず、簡易な構成により、加熱部材の温度上昇を追従性良く検知して、加熱部材の過昇温を未然に回避することができる加熱定着装置及びその制御方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、加熱定着装置は、励磁コイルと、高周波電流を生成するインバータ回路を有し、生成した高周波電流により前記励磁コイルに電力供給を行い前記励磁コイルに誘電磁界を発生させる励磁回路と、発生した誘電磁界により誘導加熱されて記録紙上の被加熱像を定着させる加熱部材と、前記加熱部材の温度を測定する温度センサと、前記インバータ回路のスイッチング周波数を、測定した温度がウォームアップ終了温度に到達するまでのウォームアップ期間と、前記ウォームアップ期間後の定着動作期間とにおいてそれぞれ設定された閾値と比較する比較部と、前記比較部の比較結果に応じて前記励磁回路を制御する制御部と、を有し、前記励磁回路は、前記ウォームアップ期間において高電力供給を行い、前記定着動作期間において低電力供給を行い、前記制御部は、前記ウォームアップ期間において、前記高電力供給を維持するよう前記スイッチング周波数を制御して前記加熱部材を前記ウォームアップ終了温度まで昇温する一方、制御した前記スイッチング周波数と前記ウォームアップ期間の閾値との大小関係が、測定した温度が前記ウォームアップ終了温度未満のときに逆転した場合は、前記励磁回路の動作を停止させる。
また、本発明の他の態様によれば、加熱定着装置は、励磁コイルと、高周波電流を生成するインバータ回路を有し、生成した高周波電流により前記励磁コイルに電力供給を行い前記励磁コイルに誘電磁界を発生させる励磁回路と、発生した誘電磁界により誘導加熱されて記録紙上の被加熱像を定着させる加熱部材と、前記加熱部材の温度を測定する温度センサと、前記インバータ回路のスイッチング周波数を、測定した温度がウォームアップ終了温度に到達するまでのウォームアップ期間と、前記ウォームアップ期間後の定着動作期間とにおいてそれぞれ設定された閾値と比較する比較部と、前記比較部の比較結果に応じて前記励磁回路を制御する制御部と、を有し、前記励磁回路は、前記ウォームアップ期間において高電力供給を行い、前記定着動作期間において低電力供給を行い、前記制御部は、前記定着動作期間において、前記低電力供給を維持するよう前記スイッチング周波数を制御して前記加熱部材を定着温度に維持する一方、制御した前記スイッチング周波数と前記定着動作期間の閾値との大小関係が、測定した温度が前記定着温度であるときに逆転した場合は、前記励磁回路の動作を停止させる。
発明のさらに他の態様によれば、加熱定着装置の制御方法は、励磁コイルと、高周波電流を生成するインバータ回路を有し、生成した高周波電流により前記励磁コイルに電力供給を行い前記励磁コイルに誘電磁界を発生させる励磁回路と、発生した誘電磁界により誘導加熱されて記録紙上の被加熱像を定着させる加熱部材と、前記加熱部材の温度を測定する温度センサと、前記インバータ回路のスイッチング周波数を、測定した温度がウォームアップ終了温度に到達するまでのウォームアップ期間と、前記ウォームアップ期間後の定着動作期間とにおいてそれぞれ設定された閾値と比較する比較部と、前記比較部の比較結果に応じて前記励磁回路を制御する制御部と、を有する加熱定着装置の制御方法において、前記励磁回路が、前記ウォームアップ期間において高電力供給を行い、前記定着動作期間において低電力供給を行い、前記制御部が、前記ウォームアップ期間において、前記高電力供給を維持するよう前記スイッチング周波数を制御して前記加熱部材を前記ウォームアップ終了温度まで昇温する一方、制御した前記スイッチング周波数と前記ウォームアップ期間の閾値との大小関係が、測定した温度が前記ウォームアップ終了温度未満のときに逆転した場合は、前記励磁回路の動作を停止させる。
本発明のさらに他の態様によれば、加熱定着装置の制御方法は、励磁コイルと、高周波電流を生成するインバータ回路を有し、生成した高周波電流により前記励磁コイルに電力供給を行い前記励磁コイルに誘電磁界を発生させる励磁回路と、発生した誘電磁界により誘導加熱されて記録紙上の被加熱像を定着させる加熱部材と、前記加熱部材の温度を測定する温度センサと、前記インバータ回路のスイッチング周波数を、測定した温度がウォームアップ終了温度に到達するまでのウォームアップ期間と、前記ウォームアップ期間後の定着動作期間とにおいてそれぞれ設定された閾値と比較する比較部と、前記比較部の比較結果に応じて前記励磁回路を制御する制御部と、を有する加熱定着装置の制御方法において、前記励磁回路が、前記ウォームアップ期間において高電力供給を行い、前記定着動作期間において低電力供給を行い、前記制御部が、前記定着動作期間において、前記低電力供給を維持するよう前記スイッチング周波数を制御して前記加熱部材を定着温度に維持する一方、制御した前記スイッチング周波数と前記定着動作期間の閾値との大小関係が、測定した温度が前記定着温度であるときに逆転した場合は、前記励磁回路の動作を停止させる
本発明の発明者らは、加熱定着装置には、ウォームアップモードや定着動作モードのように複数の動作モードがあり、各動作モードでは励磁回路から励磁コイルに供給する電力や加熱部材から励磁コイルへの伝熱の程度が異なることに着目し、過昇温の発生を判定するための閾値を動作モード毎に設定し、各モードでそれぞれ一定電力を供給するために変化する励磁回路内の動作状態量又は各部材の温度変化に応じて変化する励磁回路内の動作状態量(例えば、スイッチング周波数又は印加電圧等)を閾値判定して電流供給を停止又は抑制すれば、簡易な構成により加熱部材の過昇温を防止できると考え、本発明に至った。
本発明の骨子は、供給電力値が異なる複数の動作モードのそれぞれに異なる閾値を設定し、電力を一定に維持して励磁コイルに高周波電流を供給した場合に、その電力値に対応する閾値を用いて実際に励磁コイルに供給されている例えば高周波電流の周波数又は印加電圧を閾値判定し、その結果に応じて高周波電流の供給を停止又は抑制することである。
また、好適な供給停止(抑制)制御の一例としては、例えばウォームアップ期間のように昇温速度の速いモード時には、励磁コイルに供給されている高周波電流の周波数又は印加電圧を閾値判定しその結果に応じて高周波電源の供給を遮断し、例えば定着動作期間のように温度変化の緩やかなモード時には、サーモスタットの特性を用いて高周波電流の供給を遮断することが挙げられる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
(1)全体構成
図2に画像形成装置の全体構成を示す。画像形成装置10は、露光装置11から画像信号に応じた4本のレーザ光12Y、12M、12C、12Bkを出力する。これにより、感光体13Y、13M、13C、13Bkにレーザ光12Y、12M、12C、12Bkによる潜像が形成される。現像器14Y、14M、14C、14Bkは、感光体13Y、13M、13C、13Bk上の潜像にトナーを付着して顕像化する。この感光体と現像器の組み合わせは、Y、M、C、Bkの4組あり、それぞれの現像器14Y、14M、14C、14Bkにはイエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色のトナーが内包されている。各色の上記部材を示す番号にY、M、C、Bkを付す。
感光体13Y、13M、13C、13Bk上に形成された4色のトナー像18は、支持軸に保持されて図中矢印の方向に移動される中間転写ベルト15の表面に重ね合わされる。このトナー像18は2次転写ローラ16の位置で記録紙17に転写される。
2次転写ローラ16は、中間転写ベルト15に隣接するように設けられている。また、2次転写ローラ16は、中間転写ベルト15への圧接状態で記録紙17を挟んで電界を印加することにより、中間転写ベルト15上に重ね合わされたトナー像18を記録紙17に転写する。給紙ユニット19はタイミングを合わせて記録紙17を送出する。
トナー像18が転写された記録紙17は加熱定着装置20へと送出される。加熱定着装置20は、トナー像18が転写された記録紙17を170℃の定着温度で加熱及び加圧することにより、トナー像18を記録紙17に定着する。
図3に、この実施の形態による加熱定着装置20の構成を示す。加熱定着装置20は、図示しない回転軸により回転可能に支持された発熱ローラ21と、発熱ローラ21との間に記録紙17を挟んで圧接する加圧ローラ22と、発熱ローラ21の外周面に沿うように設けられ、内部に発熱ローラ21の表面に設けられた加熱部材としての発熱ベルト21dを誘導加熱するための励磁コイル24を有する励磁ユニット23とにより構成されている。
このようにこの実施の形態の加熱定着装置20は、発熱ローラ21の外部に励磁ユニット23を設け、発熱ローラ21の発熱ベルト21dを外部の励磁ユニット23により誘導加熱するように構成されている。
次に発熱ローラ21、加圧ローラ22及び励磁ユニット23の詳細構成について説明する。発熱ローラ21は、アルミ等からなる中空の芯金21aに、絶縁材料からなる磁性層21bと、断熱性と弾性の高いスポンジ層21cが積層されて形成されている。また発熱ローラ21の表面には発熱ベルト21dが設けられている。発熱ベルト21dは、誘電発熱層としてのアルミ基材上に弾性層と離型層が順次形成されている。そして励磁ユニット23内に設けられた励磁コイル24からの誘導磁界により発熱ベルト21dが誘導加熱されるようになっている。
本実施の形態では、発熱層として電気伝導度の大きいアルミを用いていて、後述する磁気回路も良好な特性を有している。このため、発熱層の温度上昇により励磁コイル24のインピーダンス実数成分は増加する方向に大きく変化する特性を持っている。なお、発熱ベルト21dは、アルミに限らず銅、銀又は金等の電気伝導度の大きい材料を用いてもよい。又は、樹脂等の絶縁材料に電気伝導度の大きい材料を複合させ電気伝導度を改良した材料を用いてもよい。又は、所定の厚み(例えば30μm以上)を持つニッケル等のような中程度の電気伝導度を有する金属材料を用いてもよい。これらのうち任意の材料を用いても、仕様によってアルミと同様の傾向のインピーダンス温度特性を持たせることが可能である。
なお発熱ベルト21dはスポンジ層21cに接着して一体として構成してもよく、又は、スポンジ層21cの外周に嵌め合わせるだけで構成してもよい。また、誘導加熱層をスポンジ層21c上に直接形成してもよい。
加圧ローラ22は、芯金22aとシリコンゴム層22bとから構成されており、発熱ベルト21dに圧接して定着ニップ部を形成する。加圧ローラ22は、装置本体の駆動手段(不図示)によって回転駆動される。これにより発熱ローラ21が従動回転し、発熱ローラ21と加圧ローラ22との間に挟まれた記録紙17が図中の矢印aの方向に移動される。このとき記録紙17上のトナー像18は、発熱ベルト21dにより加熱されると共に発熱ローラ21と加圧ローラ22とにより加圧されることにより、定着される。
励磁ユニット23は、全体としてその断面が円弧状をなす。また、その外周部分には背面コア25が設けられていると共に、その内周部分にはコイル保持部材26が設けられており、背面コア25とコイル保持部材26との間に励磁コイル24が設けられている。
励磁コイル24は、表面を絶縁した導線からなる所定数の線材を束ねて発熱ローラ21の軸方向に延伸し周回して形成されている。換言すれば、励磁コイル24は、発熱ベルト21dを覆うように線束を発熱ベルト21dの周方向に沿って互いに密着して周回するように設けられている。励磁コイル24の端部は線束を重ねることにより盛り上がっており、全体として鞍のような形状をなす。励磁コイル24は、発熱ベルト21dの外周面から約3mmの間隔をなすように配置される。
このように励磁コイル24は、発熱ベルト21dの極めて近傍に配設されているので、発熱ベルト21dの温度が上昇すると、それに応じて追従性良く温度が上昇するようになる。
背面コア25は、主に例えばフェライトからなり、コイル周回の内周に配置された中心コア25aと、アーチ形状を有するアーチコア25bと、励磁コイル24の外周に配置された先端コア25cとからなる。図3の矢印Eの方向から見た図5に示すように、所定数(例えば7個)のアーチコア25bが、励磁コイル24の背面に間隔をあけて配列される。軸方向に連続している中心コア25a、先端コア25c及びアーチコア25bは、それぞれ複数の部材を組み合わせて構成されている。背面コア25の材料としては、フェライトの他、パーマロイ等の高透磁率で高抵抗率の材料が望ましい。
コイル保持部材26は、厚さが1.5mmで、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)材やPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの耐熱温度の高い樹脂からなり、励磁コイル24を保持する。
かかる構成に加えて、加熱定着装置20は、温度センサ28を有する。温度センサ28は、発熱ローラ21が励磁ユニット23から抜け出た位置に設けられており、誘導加熱後の発熱ベルト21dの温度を検知できるようになっている。
ここで励磁ユニット23による発熱ベルト21dの誘導加熱動作について、図4及び図5を用いて説明する。
励磁コイル24には、励磁回路30(図5)から所定の周波数を有する高周波電流が供給される。この周波数は、発熱ベルト21dの基材の材質に応じて、好ましくは約20〜100kHzの周波数範囲から選択される。例えば、発熱ベルト21dがアルミ基材の場合、約60kHzの周波数が選択される。励磁回路30は、温度センサ28から得られる温度信号に基づいて励磁コイル24に供給する高周波電流の電力を制御することにより、発熱ベルト21d表面の温度を所定の定着温度(例えば摂氏170度)となるようにする。
ここで励磁回路30からの高周波電源により励磁コイル24が発生させる磁束は、図4中の破線Mのように先端コア25cから発熱ベルト21dを貫通して磁性層21bに達する。磁性層21bの磁性のため、磁束Mは磁性層21b内を円周方向に貫通する。そして、再び発熱ベルト21dを貫通して中心コア25aを経るループをなす交番磁界を形成する。この磁束の変化により発生する誘導電流が発熱ベルト21dの基材層に流れ、ジュール熱を発生させる。磁性層21bは絶縁性なので誘導加熱されない。
また磁束Mは発熱ローラ21の芯金21aに達しないので、芯金21aの加熱に誘導加熱エネルギーが直接使われることはない。さらに発熱ベルト21dを断熱性の高いスポンジ層21cで保持しているので、発熱ベルト21dからの熱の流出が小さい。このため加熱される部分の熱容量が小さく、熱伝導も小さいため、発熱ベルト21dを短時間で所望の温度(例えば、定着設定温度)まで昇温させることができる。
(2)励磁回路の構成
図6に、励磁回路30の構成を示す。励磁回路30は、商用電源31を整流素子32で整流し、平滑化回路33にて平滑化することにより得た直流電源又は脈流電源をインバータ34に供給する。インバータ34は、スイッチング素子35、36を駆動することにより高周波電流を発生させ、これを励磁コイル24に供給する。これにより励磁コイル24からは高周波磁界、つまり誘導磁界が発生し、発熱ベルト21dが誘導加熱される。
この実施の形態では、励磁コイル24に直列に共振コンデンサ37が接続されているので、インバータ34はSEPP(シングル エンデッド プッシュプル)インバータ構成をなす。従って、励磁回路30は、励磁コイル24とキャパシタとしての共振コンデンサ37とを有するLCR直列共振回路を負荷として交流定電圧電源により駆動する回路になる。この回路は、励磁コイル24のインピーダンス実数成分が小さい負荷(例えば、2Ω以下)に対してLCR直列共振回路の共振周波数f0近傍の周波数で駆動することにより大きな入力電力が得られる利点がある。また、入力電力特性は、LCR直共振回路の共振周波数f0をピークとした図7中に実線で示すような共振のQが大きくなり、周波数に対して急峻に入力電力が変化する特性となる。
ここで、発熱ベルト21dの温度が上昇すると、励磁コイル24のインピーダンス実数成分が大きくなるので、励磁コイル24と共振コンデンサ37との直共振回路の共振のQが小さくなるため、温度変化に応じて図7の点線のように入力電力特性が変化していく。
コントローラ42は、ウォームアップモード時や定着動作モード時等の各種モードに応じて、電力設定部41での設定電力を指定する。電力設定部41は、モードに応じた電力値を設定し、これを周波数制御部40に送出する。
ここで電力設定部41は、温度センサ28により検知された温度に応じて設定電力値を補正する。例えば定着動作モード時の設定電力値が500Wであり、目標とする定着温度が170℃であるにも拘わらず、温度センサ28で測定された温度が160℃の場合には、500Wよりも若干大きな補正設定電力値を周波数制御部40に与える。
周波数制御部40は、設定電力値と電流検知部38により検知された電流値とに応じて、スイッチング素子35、36のスイッチング周波数を制御することで、励磁コイル24に供給する電力が設定電力となるようにする。つまり、入力電流値が所定値となるようにスイッチング周波数を制御する。
具体的には、図7に示した入力電力の周波数特性を利用する。すなわち、励磁回路30の動作点を励磁コイル24と共振コンデンサ37との直列共振回路の共振周波数f0に置くのではなく、共振周波数f0から高周波数側あるいは低周波数側のどちらかにずらした位置に置く。そして、駆動周波数の変化により入力電力が変化する領域において、励磁回路30を使用する。本実施の形態では、図7中に周波数領域Aまたは周波数領域Bの矢印で示したように、動作点を高周波数側にずらす。そして、電力を大きくする場合にはスイッチング周波数を小さくし、電力を小さくする場合にはスイッチング周波数を大きくする。
なお、図7中に周波数領域Cまたは周波数領域Dの矢印で示したように、励磁回路30の動作点を共振周波数から低周波数側にずらした場合には、スイッチング周波数の大小と入力電力の大小との関係を逆転させればよい。
また、周波数制御部40により制御されたスイッチング周波数は、閾値判定部43に送出される。閾値判定部43には、閾値設定部44によって設定電力に応じて設定された閾値が入力される。閾値設定部44による閾値の設定は、図7に示すように、入力電力と、インバータ34及び励磁コイル24との温度周波数特性に基づいて行われる。
具体的には、図7中に実線で示す低温での入力電力の周波数特性が、温度上昇により、図7中に破線で示す高温での入力電力の周波数特性に変化するので、入力電力を一定にする(つまり励磁コイル24に供給する電力を設定電力に維持する)ために、スイッチング周波数を変化させる必要があることを考慮する。本実施の形態のように、励磁回路30の動作点を励磁コイル24と共振コンデンサ37との直列共振回路の共振周波数f0から高周波数側にずらした場合、入力電力を一定にする周波数制御部40の動作は、スイッチング周波数が、
Figure 0004035146
よりも小さい周波数領域Aと、大きい周波数領域Bとで異なる。周波数領域Aは、大電力入力を必要とするモードで使用し、温度が高くなるほど周波数を低くするように動作させるが、小電力入力を必要とするモードで使用する周波数領域Bでは、温度が高くなるほど周波数を高くするように動作させる。そして、過昇温と認める温度の周波数に相当する閾値を、各モードでの電力毎に設定する。
なお、励磁回路30の動作点を励磁コイル24と共振コンデンサ37との直列共振回路の共振周波数から低周波数側にずらした場合には、入力電力を一定にする周波数制御部40の動作は、スイッチング周波数が、
Figure 0004035146
よりも大きい周波数領域Cと、小さい周波数領域Dとで異なる。周波数領域Cは、大電力入力を必要とするモードで使用し、温度が高くなるほど周波数を高くするように動作させるが、小電力入力を必要とするモードで使用する周波数領域Dでは、温度が高くなるほど周波数を低くするように動作させる。そして、過昇温と認める温度の周波数に相当する閾値を、各モードでの電力毎に設定する。実際上、閾値設定部44はROM(Read Only Memory)テーブルでなり、設定電力に対応付けられた閾値が記憶されている。
また、閾値判定部43は、周波数制御部40で制御されているスイッチング周波数と、現在供給されている電力に応じた閾値とを比較する。本実施の形態のように、励磁回路30の動作点を励磁コイル24と共振コンデンサ37との直列共振回路の共振周波数から高周波数側にずらした場合、大電力入力を必要とする周波数領域Aでの動作ならば、比較の結果としてスイッチング周波数が閾値以下となったとき、周波数制御部40にスイッチング素子35、36をオフ制御することを指示する比較判定信号を送出する。また、小電力入力を必要とする周波数領域Bでの動作ならば、比較の結果としてスイッチング周波数が閾値以上となったとき、周波数制御部40にスイッチング素子35、36をオフ制御することを指示する比較判定信号を送出する。これにより、発熱ベルト21dの過昇温を回避することができる。
なお、励磁回路30の動作点を励磁コイル24と共振コンデンサ37との直列共振回路から低周波数側にずらした場合、大電力入力を必要とする周波数領域Cでの動作ならば、閾値判定部43は、比較の結果としてスイッチング周波数が閾値以上となったときに、周波数制御部40にスイッチング素子35、36をオフ制御することを指示する比較判定信号を送出する。また、小電力入力を必要とする周波数領域Dでの動作ならば、比較の結果としてスイッチング周波数が閾値以下となったとき、周波数制御部40にスイッチング素子35、36をオフ制御することを指示する比較判定信号を送出する。
特に発熱ベルト21dの材質としてアルミニウムや銅などの低抵抗の金属を用いる場合のように、励磁コイル24の誘導抵抗すなわちインピーダンスの実数成分が小さい場合(例えば、1Ω以下)、励磁コイル24と共振コンデンサ37との直列共振回路の共振のQが大きくなるため、温度変化に伴うQの変化によって急峻に入力電力が変化する。従って、スイッチング周波数の変化を容易に検知することができるので、温度検知の時間遅れが発生せず、発熱ベルト21dの温度変化を追従性良く検知できる。
なお、本実施の形態では、励磁回路30の動作を停止させるとき、スイッチング素子35、36をオフ制御することを指示する比較判定信号を送出する。ただし、動作停止方法はこれだけに限られない。例えば、スイッチング素子35、36のドライバ(不図示)への電源供給を停止してもよいし、又は、リレーにより励磁回路30への商用電源31の入力又はインバータ回路34の直流電源入力又はスイッチング素子35、36のドライバへの電源供給を遮断してもよい。
次に、図8、図9A、図9B及び図9Cを用いて加熱定着装置20の動作を説明する。
加熱定着装置20は、ステップST1で処理を開始すると、ステップST2で温度センサ28により温度を測定し、ステップST3で測定温度が所定温度よりも小さいか否か判断する。測定温度が所定温度よりも小さい場合には、ステップST4に移って電力設定部41で最大電力を設定し、続くステップST5において閾値設定部44で判定閾値としてこの最大電力に応じた最大閾値th1を設定し、ステップST6に移る。
ステップST6では、ステップST5で設定した判定閾値と制御対象量(すなわち、制御の基準となる動作状態量)との閾値判定を行う。実際上、この実施の形態では、制御対象量として周波数制御部40により発生されるスイッチング周波数を用いているので、ステップST6では、閾値判定部43によってスイッチング周波数と判定閾値th1との比較を行う。この実施の形態の場合、ステップST4を経過して最大電力が設定されたモードでは、図7に示した周波数領域Aで動作するので、閾値判定の結果、スイッチング周波数が判定閾値th1以下の場合に、ステップST7(所定時間の経過を待機する処理)を経てステップST8に移ってステップST6と同様の処理を行う。
そしてステップST6及びST8の両方で肯定結果が得られた場合には、発熱ベルト21dが過昇温状態にあると判断し、ステップST13に移って励磁回路30による励磁コイル24への電流供給動作を停止する。一方、ステップST6又はステップST8のいずれかで判定閾値よりもスイッチング周波数のほうが大きい判定結果が得られた場合には、ステップST2に戻る。
このように、この実施の形態の加熱定着装置20においては、高周波電流の周波数が閾値以下となった場合に、即座に励磁コイル24への高周波電流の供給を停止するのではなく、所定時間(例えば0.1秒)間隔で閾値判定を行い、複数回(例えば2回)の判定に基づいて電流供給を停止させるようになっている。換言すれば、スイッチング周波数が閾値以下となるような判定結果が所定時間にわたり持続してから電流供給を停止させるようになっている。
これにより、発熱ベルト21dに損傷を与えない範囲の過昇温に対して、不必要に電流供給を停止させてしまうといった不都合を有効に回避できるようになる。より具体的には、ノイズの影響により過昇温を誤検出することを防止することができる。また、モード切替時に制御対象量が過渡的に閾値を通過する場合の誤動作も回避できる。さらにこのようにすれば、電源遮断のための閾値を正常動作範囲に近い値に設定しても、誤判定による電源遮断を防止できるようになるので、発熱ベルト21dの過昇温による損傷を一段と確実に防止できるようになる。
加えて、本実施の形態では、閾値判定において最初の肯定結果が得られてから実際に電流供給が停止されるまでに最小の待機期間を設けているので、この期間において、スイッチング周波数が閾値以下となるような判定結果の持続期間と閾値との積、又は、スイッチング周波数の時間積分を算出してもよい。要するに、動作状態量に対して時間の次元が掛け合わされた量(つまり、演算量=電力×時間)を算出する。すなわち、動作状態量が電力との対応関係を有するのに対して、この演算量は熱量との対応関係を有する。熱量との対応関係を有するならば、温度上昇量との対応関係を有すると言うこともできる。よって、この演算量は、発熱ベルト21dの少なくとも最低温度には対応が取れていることになり、発熱ベルト21dの温度変化をより正確に予測することが可能となる。そして、発熱ベルト21dに所定の熱量が入力され所定温度(例えば、後の実施の形態にて説明するサーモスタットの供給停止温度)になった場合にのみ、電流遮断を実施するように設定することが可能となる。
なお、本実施の形態では、ステップST13の最も好適な形態として、電流供給を停止する処理について説明した。ただし、ステップST13において電流供給を停止する代わりに、発熱ベルト21dの過昇温による損傷を防止できる程度まで電流供給を抑制する処理を実行してもよい。
ここで、ステップST2〜ステップST8の処理ループは、図9A、図9B及び図9Cのウォームアップ期間(つまりウォームアップモード)の処理に相当する。つまり、温度センサ28により発熱ベルト21dの温度を測定しながら、定着温度(例えば170℃)よりも低い所定温度(例えば150℃)まで、最大電力W1で誘導加熱を行う。このとき温度上昇によって発熱ベルト21dの発熱層の抵抗率が変化するので、一定の最大電力W1を供給するためには、周波数fを低下させる必要がある。この実施の形態においては、励磁回路30が温度上昇に応じて周波数fを低下させていくことで、最大電力W1(例えばW1=1000W)を維持して発熱ベルト21dを昇温させる。
具体的には、ウォームアップ期間では周波数制御部40が最大電力W1を維持するような周波数f1でスイッチング素子35、36を駆動し始める。このウォームアップ期間においては、発熱ベルト21dの温度が急激に上昇するが、伝熱速度の関係上、励磁コイル24の温度上昇速度は発熱ベルト21dよりも遅くなる。周波数制御部40は、このような状況下で、励磁コイル24に一定電力を供給するために、発熱ベルト21dのみに起因するインピーダンス変化に対応して高周波電源の周波数を小さくしていく。
因みに、閾値判定部43がウォームアップ期間で用いる閾値th1も発熱ベルト21dのみに起因するインピーダンス変化に対応したものとなっている。
そして図9Cに示すように、周波数が電力W1に対応する閾値th1よりも大きい状態のまま所定温度T1となったときには、時点t1でウォームアップ期間を終了して、すなわちステップST3で否定結果を得てステップST9に移る。
一方、図9Cに示すように、所定温度T1になる前の時点tAで周波数が閾値th1以下となった場合、このことは発熱ベルト21dの温度が許容温度を超えて過昇温になったことを意味するので、ステップST8からステップST13に移ってインバータ34の動作を停止させて励磁コイル24への電力供給を停止する。
このように加熱定着装置20は、ステップST2〜ステップST8でのウォームアップ期間を終了してステップST9に移ると、定着動作期間(つまり定着動作モード)に入り、温度センサ28による測定温度に基づくフィードバック制御を行う。これは電力設定部41が定着動作期間に対応する目標温度T2と測定温度とを比較し、その差分に応じて定着動作期間での設定電力W2を微調整して周波数制御部40に送出することにより行う。
ステップST10では、閾値設定部44が定着動作期間での設定電力2に対応する制御対象量(この実施の形態の場合、周波数の判定閾値th2)を算出する。またステップST11では、さらに動作モード(例えば保温動作モード、薄紙印字モード、普通紙印字モード、厚紙印字モードなど)を判定すると共に環境温度を測定する。この環境温度は、図示しない温度センサにより測定する。ステップST12では、環境温度を加味して各動作モードに対応した閾値を設定する。
ここでは、環境温度が低いほど発熱ベルト21dの温度よりも励磁コイル24の温度が低くなることを考慮する。そして、例えば、環境温度が低いほど電源の供給停止がされやすい閾値を設定する。こうすることによって、発熱ベルト21dの過昇温に応じて一段と的確に電流供給を停止できるようになる。実際には、低温環境時と高温環境時とでは励磁コイル24に供給する電力値を変えることになるので、これらの電力値に応じて閾値を変えることで、より的確に発熱ベルト21dの過昇温を防止できるようになる。
加熱定着装置20は、このように定着動作期間中の閾値を設定した後に、ステップST6に進む。そして、ウォームアップ期間と同様に閾値判定を行うが、この実施の形態では、定着動作期間における設定電力W2は小さいので、温度変化とスイッチング周波数変化の関係は、ウームアップ期間と逆になることを考慮する。すなわち、一定電力の下でのスイッチング周波数が閾値th2以上となったときに、励磁コイル24への電力供給を停止して発熱ベルト21dの過昇温を防止する。尚、図8のST6及びST8に記載の条件式の不等号は、この実施の形態のウォームアップ期間での動作説明に対応して記してあるが、これに限定されるものではなく、制御対象量の特性に応じてST5及びST12における閾値の算出と同時に決定される。すなわち、判定閾値には、判定の際の不等号の方向が含まれる。因みに、定着動作期間においては、励磁コイル24の温度は発熱ベルト21dの温度と同等となる。周波数制御部40は、このような状況下で、励磁コイル24に一定電力を供給するために、発熱ベルト21dとともに励磁コイル24に起因するインピーダンス変化に対応して高周波電流の周波数を変化させる。
因みに、閾値判定部43が定着動作期間で用いる閾値th2も、ウォームアップ期間で用いられる閾値th1とは異なり、発熱ベルト21dとともに励磁コイル24に起因するインピーダンス変化に対応したものとなっている。
この定着動作期間の設定電力W2、温度センサ28による測定温度、スイッチング周波数及び判定閾値th2の関係を、図9A、図9B及び図9Cに示す。なお図9A、図9B及び図9Cでは、簡単化のため、定着動作期間の動作モードは保温動作モード、薄紙印字モード、普通紙印字モード及び厚紙印字モードのうちの一つとし、その動作モードに対応する設定電力がW2であり、その設定電力に対応する判定閾値がth2である場合を示している。
図9A、図9B及び図9Cに示すように、時点t2で測定温度が定着動作時の目標温度であるT2に達すると、設定電力がW2とされ、この電力を維持するようにスイッチング周波数が制御される。この定着動作時において、発熱ローラ21が正常に回転して励磁ユニット23の下流側に設けられた温度センサ28により発熱ベルト21dの温度を検知できる場合は問題ない。ただし、例えば発熱ローラ21が停止したり、温度センサ28に埃等が付着した場合には、実際には励磁ユニット23に対向する部分の発熱ベルト21dが過昇温に達しているにも拘わらず温度センサ28ではこれを検知できない状態が生じる。
しかし、この実施の形態の加熱定着装置20においては、このような場合でも、発熱ベルト21dの温度が上昇するとそのごく近傍に設けられた励磁コイル24の温度もこれに応じて上昇する。このとき、周波数制御部40は、供給電力を一定値W2に維持しようとするので、周波数は図9Cに示すように上昇していく。やがて、時点tBにおいて、周波数が供給電力W2に対する閾値th2以上となったときに、閾値判定部43により発熱ベルト21dが過昇温状態であると判断され、周波数制御部40によりインバータ34の動作がオフ制御される。これにより、励磁コイル24への高周波電流の供給が停止される。この結果、発熱ベルト21dの過昇温を確実に防止することができる。
かくして以上の構成によれば、励磁コイル24に高周波電流を供給する励磁回路30において、各モードでの供給電力それぞれに対応した複数の閾値を設け、励磁コイル24に設定電力を供給するのに必要な高周波電流の周波数を対応する閾値と比較することで過昇温を検知して電流供給を停止するようにしたことにより、全モードで加熱部材(発熱ベルト21d)の過昇温による変形を確実に回避することができる加熱定着装置20を実現できる。しかも、動作状態量と閾値とを比較するコンパレータを設けるだけの簡単な構成で、上記の効果を実現することができる。
また発熱ローラ21の表面に設けられた加熱部材としての発熱ベルト21dを、発熱ローラ21の外周に沿って設けられた励磁ユニット23の励磁コイル24により誘導加熱する加熱定着装置20に本発明を適用したことにより、次のような効果を得ることができる。すなわち、このような加熱定着装置20では、発熱ベルト21dと励磁ユニット23との間の距離が非常に小さく、空間的な制限から実際の発熱部分のすぐ近くに温度センサを設けることが困難となるが、発熱ベルト21dのごく近傍に配置された励磁コイル24に供給される高周波電流の周波数や印加電圧により発熱ベルト21dの過昇温を検知して、高周波電源の供給を停止するようにしているので、発熱ローラ21の表面に設けられた加熱部材をその外側から励磁コイル24により加熱する場合に、発熱ベルト21dの過昇温による損傷を有効に回避できるようになる。
(実施の形態2)
図6との対応部分に同一符号を付して示す図10に、本発明の実施の形態2における励磁回路50の構成を示す。励磁回路50は、実施の形態1で説明した加熱定着装置20において、励磁回路30の代わりに使用されるものである。
実施の形態1の励磁回路30では、励磁コイル24に一定電力を供給するのに必要な高周波電流の周波数の変化を検知して励磁コイル24への電流供給を停止させる。これに対して本実施の形態の励磁回路50では、励磁コイル24に一定電力を供給するのに必要な印加電圧の変化を検知して励磁コイル24への電流供給を停止させる。すなわち、本実施の形態では、制御の基準となる動作状態量としてスイッチング周波数の代わりに印加電圧を採用する。ただし、印加電圧の変化を検知するための回路構成は、本実施の形態で説明する励磁回路50に限定されず、他の様々な構成の回路において実施することが可能である。
励磁回路50は、電圧検出部51において励磁コイル24に印加されている電圧を検出し、検出結果を閾値判定部52に送出する。電力設定部54は、コントローラ55から指示された各動作モードに応じた電力値を設定し、これを周波数制御部56及び閾値設定部53に送出する。閾値設定部53は、メモリテーブルにより構成されており、電力値に対応した閾値を閾値判定部52に送出する。閾値判定部52の判定結果は、周波数制御部56に送出される。
周波数制御部56は、電流検知部38により得られた電流値に基づいて、励磁コイル24への供給電力が電力設定部54で設定された値となるようにインバータ34のスイッチング周波数を変化させる。
加えて、周波数制御部56は、閾値判定部52から検出電圧が閾値以下となったことを示す判定結果が得られたときには、インバータ34をオフ動作させる。つまりスイッチング素子35、36をオフ動作させることにより、励磁コイル24への電源供給を停止するようになっている。
この実施の形態の加熱定着装置20の動作について、図11、図12A、図12B及び図12Cを用いて説明する。図11は、スイッチング周波数と電圧検出部51に検出される電圧との関係を表した図である。この実施の形態においては、励磁コイル24と共振コンデンサ37との直列共振回路を、ほぼ定電圧で駆動しているので、電圧検出部51で検出される電圧は、温度上昇に伴うインピーダンス実数成分の増加に対して、すべての周波数領域で減少する。ここで、加熱定着装置20は、ウォームアップ期間では周波数制御部56が最大電力W1を維持するような周波数f1でスイッチング素子35、36を駆動し始める。このウォームアップ期間において、発熱ベルト21dの温度が急激に上昇するが、伝熱速度の関係上、励磁コイル24の温度上昇速度は発熱ベルト21dよりも遅くなる。周波数制御部56は、このような状況下で、励磁コイル24に一定電力を供給するために、発熱ベルト21dのみに起因するインピーダンス変化に対応して高周波電流の周波数を小さくしていく。このとき、電圧検出部51で検出される印加電圧は、図11の矢印A並びに図12Cに示すように、スイッチング周波数が小さくなる場合でも小さくなる。
そして、印加電圧が電力W1に対応する閾値th3よりも大きい状態のまま所定温度T1になったときには、時点t1でウォームアップ期間を終了する。一方、所定温度T1になる前の時点tCで印加電圧が閾値th3以下となった場合、周波数制御部56はインバータ34の動作を停止させて励磁コイル24への電力供給を停止する。
因みに、閾値判定部52がウォームアップ期間で用いる閾値th3は、発熱ベルト21dのみに起因するインピーダンス変化に対応したものとなっている。
加熱定着装置20は、温度センサ28から得られる温度が所定温度T2になった時点t2から定着動作期間に入り、この時点t2から設定電力をW2に切り換える。このとき閾値設定部53では電力W2に対応した閾値th4を設定し、これを閾値判定部52に送出する。
因みに、閾値判定部52が定着動作期間で用いる閾値th4は、ウォームアップ期間で用いられる閾値th3とは異なり、発熱ベルト21dとともに励磁コイル24に起因するインピーダンス変化に対応したものとなっている。
閾値判定部52は定着動作期間において、常時、励磁コイル24への印加電圧と閾値th4とを閾値判定し、印加電圧が閾値th4以下となった時点tDで周波数制御部56にインバータ34をオフ動作させることを指示する。これにより、定着動作期間における発熱ベルト21dの過昇温による変形を防止することができる。
かくして以上の構成によれば、励磁コイル24に高周波電流を供給する励磁回路50において、各モードでの供給電力それぞれに対応した複数の閾値を設け、励磁コイル24に設定電力値を維持するのに必要な高周波電源を供給したときの励磁コイル24への印加電圧を対応する閾値と比較することで過昇温を検知して電源供給を停止するようにしたことにより、実施の形態1と同様に、全モードで加熱部材(発熱ベルト21d)の過昇温による変形を確実に回避することができる加熱定着装置を実現できる。
(実施の形態3)
図6との対応部分に同一符号を付して示す図13に、本発明の実施の形態3に係る励磁回路30の構成を示す。励磁回路30は、実施の形態1で説明した加熱定着装置20において、励磁回路30の代わりに使用されるものである。この実施の形態の加熱定着装置20は、インバータ34により得た高周波電流をサーモスタット60を介して励磁コイル24に供給するようになされている。
この実施の形態の場合、サーモスタット60は、図3及び図5に示すように、背面コア25の中心コア25aの軸方向の中央部に2個縦続接続されるように取り付けられている。但し、サーモスタット60の個数及び取付位置はこれに限らず、要は、発熱ベルト21dの過昇温を検知できるような位置であればよい。因みに、この実施の形態の場合、サーモスタット60は、内蔵された感温部材のバイメタルの温度が、例えば190℃になると両端の電流を遮断するようになっている。また、サーモスタット60の電気回路上の配置位置も、本実施の形態のように励磁コイル24の直前部に限定されない。要は、励磁回路の動作が停止する位置に配置すればよく、スイッチング素子35、36のドライバ(不図示)への電源供給を遮断してもよいし、また、励磁回路30への商用電源入力又はインバータ回路34の直流電源入力を遮断してもよい。
閾値設定部44及び閾値判定部43は、基本的には実施の形態1と同様に、設定電力毎に、電力供給を遮断するための閾値を設定し、この閾値と周波数制御部40でのスイッチング周波数とを比較し、スイッチング周波数が所定条件を満たした場合になったときに励磁コイルへ24の電源供給を停止する。
但し、この実施の形態の場合、実施の形態1とは異なり、閾値設定部44はウォームアップ時の供給電力W1(図9A)に対応した閾値th1(図9C)のみを設定すると共に、閾値判定部43はウォームアップ時にのみこの閾値th1とスイッチング周波数とを比較判定するようになっている。
つまり、この実施の形態の加熱定着装置20では、ウォームアップ期間において、発熱ベルト21dの過昇温を電力一定の下で励磁コイル24に供給される高周波電流の周波数に基づいて検知し、その閾値判定結果に応じて電源供給を停止する。一方、定着期間においては、発熱ベルト21dの過昇温はサーモスタット60による断線により防止するようになっている。
かくして、この実施の形態の加熱定着装置においては、発熱ベルト21dの温度が急激に上昇するウォームアップ期間においては、急激な温度上昇に対して追従性良く異常過熱を検知して電源を遮断することができる周波数の閾値判定による過昇温判定及び電源停止処理を適用する。一方、発熱ベルト21dの温度上昇が緩やかな定着動作期間においては、サーモスタット60による電源停止処理を適用する。これにより、ウォームアップ期間及び定着動作期間のいずれの期間でも発熱ベルト21dの過昇温を確実に防止することができる加熱定着装置を実現できる。
また定着動作期間の過昇温による電流供給停止動作をサーモスタット60に受け持たせたことにより、閾値判定部43や周波数制御部40の処理量を低減させることができ、この分だけ励磁回路30の構成を簡単化することができるようになる。
(実施の形態4)
図10との対応部分に同一符号を付して示す図14に、本発明の実施の形態4に係る励磁回路50の構成を示す。励磁回路50は、実施の形態1で説明した加熱定着装置20において、励磁回路30の代わりに使用されるものである。励磁回路50は、インバータ34により得た高周波電流をサーモスタット70を介して励磁コイル24に供給するようになされている。このサーモスタット70の配置位置及び特性は、実施の形態3のサーモスタット60と同様である。
閾値設定部53及び閾値判定部52は、基本的には実施の形態2と同様に、設定電力毎に、電力供給を遮断するための閾値を設定し、この閾値と電圧検出部51により検出された励磁コイル24への印加電圧とを比較する。そして、印加電圧が閾値以下となったときに励磁コイル24への電流供給を停止する。
但し、この実施の形態の場合、実施の形態2の場合とは異なり、閾値設定部53はウォームアップの供給電力W1(図12A)に対応した閾値th3(図12C)のみを設定すると共に、閾値判定部52はウォームアップ時にのみこの閾値th3と印加電圧とを比較判定するようになっている。
つまり、この実施の形態の加熱定着装置20においては、ウォームアップ期間における発熱ベルト21dの過昇温を電力一定の下で励磁コイル24に印加される電圧に基づいて検知し、その閾値判定結果に応じて電流供給を停止する。一方、定着期間における発熱ベルト21dの過昇温はサーモスタット70による断線により防止するようになっている。
かくして、この実施の形態の加熱定着装置20においては、発熱ベルト21dの温度が急激に上昇するウォームアップ期間においては、急激な温度上昇に対して追従性良く異常過熱を検知して電流を遮断することができる印加電圧の閾値判定による過昇温判定及び電源停止処理を適用する。一方、発熱ベルト21dの温度上昇が緩やかな定着動作期間においては、サーモスタット70による電源停止処理を適用する。これにより、ウォームアップ期間及び定着動作期間のいずれの期間でも発熱ベルト21dの過昇温を確実に防止することができる加熱定着装置を実現できる。
また定着動作期間の過昇温による電流供給停止動作をサーモスタット70に受け持たせたことにより、閾値判定部52や周波数制御部56の処理量を低減させることができ、この分だけ励磁回路50の構成を簡単化することができるようになる。
(実施の形態5)
上述した実施の形態3、4では、ウォームアップ期間での加熱部材(発熱ベルト21d)の過昇温を励磁回路30、50により防止し、定着動作期間での過昇温をサーモスタット60、70により防止する場合について述べた。これに対して、この実施の形態では、ウォームアップ期間及び定着動作期間の過昇温を励磁回路30、50により防止すると共に、定着動作期間での過昇温をサーモスタット60、70により防止する加熱定着装置を提案する。
具体的には、実施の形態1や実施の形態2で説明したように、励磁回路30、50でウォームアップ時及び定着動作時のそれぞれに対応する閾値判定を行うことにより、ウォームアップ期間及び定着動作期間の両方で励磁回路30、50により電源を遮断できる構成とする。これに加えて、サーモスタット60、70を設けることにより、定着動作期間中はサーモスタット60、70でも電源を遮断できる構成とする。
これにより、ウォームアップ期間では励磁回路30、50により過昇温を防止でき、定着動作期間では励磁回路30、50及びサーモスタット60、70の両方により過昇温を防止できるようになる。この結果、実施の形態1〜4と比較して、定着動作期間での過昇温を一段と確実に防止できるようになる。
例えば定着動作期間において、発熱ローラ21の停止や温度センサ28への異物の付着などの、何らかの異常により温度センサ28が加熱された発熱ベルト21dの表面温度を正確に検知できない事態が発生した場合を想定する。この場合には発熱ベルト21dの温度が瞬時に異常高温となって、発熱ベルト21dの表面が変形するおそれがある。このような昇温時には、発熱ベルト21dの温度上昇速度が例えば15℃/秒と大きい。このため、熱伝導により動作する非接触のサーモスタット60、70では、サーモスタット60、70のバイメタルが遮断設定温度(例えば200℃)に達しないために、回路を遮断することができない。
しかし、このように定着動作期間において急激な温度上昇があった場合でも、励磁回路30、50により励磁コイル24への電流供給を停止できるので、発熱ベルト21dの過昇温を未然に防止できるようになる。当然、発熱ベルト21dの温度が緩やかに上昇する場合には、サーモスタット60、70により励磁コイル24への電流供給が停止される。
加えて、この実施の形態の場合、励磁回路30、50による電流供給停止温度は、サーモスタット60、70による供給停止温度よりも高く設定されている。換言すれば、定着動作期間における閾値は、図15に示すように、閾値判定の結果として電流供給が停止されるときの発熱ベルト21dの温度Kがサーモスタット60、70の供給停止温度Kよりも高くなるように設定されている。なお、図15において、曲線Cは、動作状態量の制御又は検知の結果として認識される発熱ベルト21dの温度の変化を表すものであり、曲線Cは、サーモスタット60、70の温度の変化を表すものである。
つまり、瞬時の異常高温による発熱ベルト21d損傷のリスクに対しては励磁回路30、50が対処する一方、異常高温より若干低い温度が比較的長い時間にわたり継続することにより発熱ベルト21d損傷のリスクに対してはサーモスタット60、70が対処するようになる。この結果、発熱ベルト21dの実際の過昇温による損傷を加味した電流供給停止処理を実現できるようになる。なお、図15に示した例では、比較的長い時間にわたり発熱ベルト21dの温度が温度Kを超過し続けた結果、時点tdでサーモスタット60、70が電流供給を遮断する。
また、本実施の形態では、上記の実施の形態と同様に、閾値判定を所定時間間隔で行い、所定回数の判定に基づいて電流遮断を実施する。換言すれば、電流供給停止の実行を肯定するような判定結果が所定時間にわたり持続してから電流供給を停止させるようになっている。例えば、図15に示すように、時点taでの閾値判定では、電流供給停止の実行を肯定するような判定結果が得られているが、所定時間(Tdur)経過後の時点tbでの閾値判定では、電流供給停止の実行を肯定するような判定結果が得られていない。したがって、この時点tbでは、電流供給は停止されない。これにより、実際に発熱ベルト21dの損傷の可能性の小さい短時間の過昇温時にも追従性の良い励磁回路30、50によって不必要に電源供給が停止されることを回避できるようになる。そして、発熱ベルト21dが損傷を受けるおそれがあるときだけ有効に電流供給を停止できるようになる。
さらに、本実施の形態では、上記の実施の形態と同様に、閾値判定において最初の肯定結果が得られてから実際に電流供給が停止されるまでに最小の待機期間を設けているので、この期間において、スイッチング周波数が閾値以下となるような判定結果の持続期間と閾値との積、又は、スイッチング周波数の時間積分を算出してもよい。要するに、動作状態量に対して時間の次元が掛け合わされた量(つまり、演算量=電力×時間)を算出する。これにより、発熱ベルト21dの温度変化をより正確に予測することが可能となる。
かくして以上の構成によれば、実施の形態1や実施の形態2の励磁回路30、50に加えて、サーモスタット60、70を設けたことにより、実施の形態1〜4と比較して、定着動作期間での過昇温を一段と確実に防止できる加熱定着装置を実現できる。
(他の実施の形態)
なお上述した実施の形態では、インバータ34をいわゆるSEPP構成とした場合について述べたが、インバータ34の回路構成はこれに限らない。
また、上述した実施の形態では、高周波電流の周波数や印加電圧を閾値判定対象の動作状態量としたが、本発明はこれに限られない。以下、どのような動作状態量を閾値判定の対象として採用可能であるかについて、励磁コイル24及び発熱ベルト21dの温度上昇並びに励磁コイル24のインピーダンス変化と共に、詳細に説明する。
励磁コイル24は、発熱ベルト21dの近傍に設けられているが、短時間の発熱ベルト21dの温度上昇時には、励磁コイル24の温度は急速には上昇しない。このような短時間での温度上昇時には、発熱ベルト21dの温度が上昇し発熱ベルト21dの抵抗値が大きくなるのに対して、励磁コイル24の直流抵抗値は変化しない。この場合、励磁コイル24のインピーダンスは、誘導抵抗成分が変化する。例えば、アルミ、銅又は銀等の電気伝導度の大きい材質を用いた発熱ベルト21dの場合、温度上昇に対して、インピーダンスの実数成分が増加する変化を示す。しかし、発熱ベルト21dの材質や仕様によっては減少する場合もある。また、温度変化に対するインピーダンス変化の感度は、励磁コイル24及び発熱ベルト21dを通過する磁気回路の構成によって変化する。
一方、例えば、連続的に動作する場合には、発熱ベルト21dの温度が高温になると同時に、伝熱により励磁コイル24の温度も同等に高くなる。このような状態では、励磁コイル24の直流抵抗が温度上昇と共に増加するので、励磁コイル24のインピーダンスは、実数成分が増加する。この場合の直流抵抗の増加は、励磁コイル24の材質及び温度のみで決定され、他の構成要素の影響はほとんど受けない。したがって、発熱ベルト21dの温度変化を推定するには、励磁コイル24のインピーダンス変化から励磁コイル24の温度変化による抵抗変化分を差し引く必要がある。
このように、昇温直後と連続動作時との動作モードの違いにより、励磁コイル24でのインピーダンスの変化の仕方が異なる。昇温直後と連続動作時とで変化の仕方が同様になることは有り得るが、この場合でも変化の原因が異なる。したがって、動作モードによって、インピーダンス変化から発熱ベルト21dの温度変化を推定する手順を切り分けることが必要になる。
励磁コイル24のインピーダンス変化により、励磁回路30、50では、回路の動作状態量が変化する。変化する動作状態量の種類や性質は、励磁回路の構成により異なる。
例えば、定電圧電源にて励磁コイル24が駆動される場合には、インピーダンスの増加により励磁コイル24の駆動電流が減少する。よって、励磁コイル24の駆動電流の最小値を閾値として設定することができる。この場合、入力電力も減少するので、インバータ34が定電圧駆動される場合にはインバータ34への供給電流が減少し、インバータ34が定電流駆動される場合にはインバータ34への供給電圧が減少する。よって、インバータ34への供給電流又は供給電圧の最小値を閾値として設定することができる。
また、低電流電源にて励磁コイル24が駆動される場合には、インピーダンスの増加は励磁コイル24の駆動電圧の上昇として検出される。よって、励磁コイル24の駆動電圧の最大値を閾値として設定することができる。この場合、入力電力は増加するので、インバータ34が定電圧駆動される場合にはインバータ34への供給電流が増加し、インバータ34が低電流駆動される場合にはインバータ34への供給電圧が増加する。よって、インバータ34への供給電流又は供給電圧の最大値を閾値として設定することができる。
さらに、定電力制御が行われる励磁回路30、50では、電力制御に用いる制御パラメータがインピーダンス変化に追従して大きく変化する。よって、制御パラメータを閾値として設定することができる。例えば、インバータ34のオンデューティー比を用いて定電流制御がかけられる励磁回路30、50の場合、インピーダンス増加による負荷電流の減少がオンデューティー比増加で自動的に補われる。よって、オンデューティー比の最大値を閾値として設定することができる。
このように、励磁回路30、50の構成に応じた好適な動作状態量を選択した上で閾値を設定し、動作モードに応じて変化する動作状態量を動作モード毎の閾値と比較し、比較結果に応じて励磁コイルへの高周波電流の供給を停止又は抑制する。この結果、全ての動作モードで発熱ベルト21dが異常過熱した場合に容易かつ迅速に発熱ベルト21dへの電流供給を停止又は抑制できる。
さらに上述した実施の形態では、表面に発熱ベルト21dが配置された発熱ローラ21の外周に励磁ユニット23を設け、この励磁ユニット23に内蔵された励磁コイル24により発熱ベルト21dを誘導加熱する加熱定着装置20について述べた。ただし、本発明はこれに限られない。例えば、円環状のフィルムやローラの内部に励磁コイルを配置して加熱部材を誘導加熱する他の構成の加熱定着装置に適用した場合でも上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに上述した実施の形態では、閾値判定により過昇温であることを示す判定結果が得られた場合、励磁コイル24への高周波電源の供給を停止する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばスイッチング素子35、36のスイッチング周波数を大きくしたり、オンデューティー比を低くすることにより、高周波電流の供給を抑制するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、供給電力値が異なるモード間で異なる閾値を設定しておき、励磁コイルに各モードに対応した一定電力を供給するのに必要な高周波電源の周波数又は印加電圧をそのモードに対応した閾値を用いて閾値判定し、その結果に応じて高周波電源の供給を遮断又は抑制するようにしたことにより、簡易な構成により、加熱部材の温度上昇を追従性良く検知して、加熱部材の過昇温を未然に回避することができる加熱定着装置を実現できる。
本明細書は、2003年2月20日出願の特願2003−043129に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明は、昇温直後や連続動作時などの動作モードの違いによらず、簡易な構成により、加熱部材の温度上昇を追従性良く検知して、加熱部材の過昇温を未然に回避することができる効果を有し、例えば複写機やプリンタ、ファクシミリ等に用いられ、未定着トナーを加熱により定着させる加熱定着装置に適用することができる。
従来の加熱定着装置の構成例を示す 本発明の加熱定着装置が適用される画像形成装置の全体構成を示す図 実施の形態1の加熱定着装置の構成を示す図 加熱定着装置による誘導加熱の動作の説明に供する 図3の矢印Eの方向から見た加熱定着装置の斜視 実施の形態1による励磁回路の構成を示す接続 図6の励磁回路における駆動周波数と入力電力の関係を示す特性曲線 実施の形態1の動作の説明に供するフローチャー 実施の形態1に係る加熱定着装置の動作に伴う、設定電力の変動を示す 実施の形態1に係る加熱定着装置の動作に伴う、測定温度の変動を示す 実施の形態1に係る加熱定着装置の動作に伴う、制御周波数の変動を示す 実施の形態2による励磁回路の構成を示す接続 図10の励磁回路における駆動周波数と検出電圧の関係を示す特性曲線 実施の形態2に係る加熱定着装置の動作に伴う、設定電力の変動を示す 実施の形態2に係る加熱定着装置の動作に伴う、測定温度の変動を示す 実施の形態2に係る加熱定着装置の動作に伴う、検出電圧の変動を示す 実施の形態3による励磁回路の構成を示す接続 実施の形態4による励磁回路の構成を示す接続 実施の形態5に係る加熱定着装置の動作説明に供する

Claims (6)

  1. 励磁コイルと、
    高周波電流を生成するインバータ回路を有し、生成した高周波電流により前記励磁コイルに電力供給を行い前記励磁コイルに誘電磁界を発生させる励磁回路と、
    発生した誘電磁界により誘導加熱されて記録紙上の被加熱像を定着させる加熱部材と、
    前記加熱部材の温度を測定する温度センサと、
    前記インバータ回路のスイッチング周波数を、測定した温度がウォームアップ終了温度に到達するまでのウォームアップ期間と、前記ウォームアップ期間後の定着動作期間とにおいてそれぞれ設定された閾値と比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に応じて前記励磁回路を制御する制御部と、を有し、
    前記励磁回路は、
    前記ウォームアップ期間において高電力供給を行い、前記定着動作期間において低電力供給を行い、
    前記制御部は、
    前記ウォームアップ期間において、前記高電力供給を維持するよう前記スイッチング周波数を制御して前記加熱部材を前記ウォームアップ終了温度まで昇温する一方、制御した前記スイッチング周波数と前記ウォームアップ期間の閾値との大小関係が、測定した温度が前記ウォームアップ終了温度未満のときに逆転した場合は、前記励磁回路の動作を停止させる、
    加熱定着装置。
  2. 励磁コイルと、
    高周波電流を生成するインバータ回路を有し、生成した高周波電流により前記励磁コイルに電力供給を行い前記励磁コイルに誘電磁界を発生させる励磁回路と、
    発生した誘電磁界により誘導加熱されて記録紙上の被加熱像を定着させる加熱部材と、
    前記加熱部材の温度を測定する温度センサと、
    前記インバータ回路のスイッチング周波数を、測定した温度がウォームアップ終了温度に到達するまでのウォームアップ期間と、前記ウォームアップ期間後の定着動作期間とにおいてそれぞれ設定された閾値と比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に応じて前記励磁回路を制御する制御部と、を有し、
    前記励磁回路は、
    前記ウォームアップ期間において高電力供給を行い、前記定着動作期間において低電力供給を行い、
    前記制御部は、
    前記定着動作期間において、前記低電力供給を維持するよう前記スイッチング周波数を制御して前記加熱部材を定着温度に維持する一方、制御した前記スイッチング周波数と前記定着動作期間の閾値との大小関係が、測定した温度が前記定着温度であるときに逆転した場合は、前記励磁回路の動作を停止させる、
    加熱定着装置。
  3. 前記制御部は、
    前記大小関係が逆転した旨の比較結果が得られ且つ持続した場合は、前記励磁回路の動作を停止させる一方、前記大小関係が逆転した旨の比較結果が得られたが持続しなかった場合は、前記励磁回路の動作を停止させない、
    請求項1又は2に記載の加熱定着装置。
  4. 前記加熱部材の昇温よりも遅く昇温する感温部材を内蔵し、前記加熱部材の昇温により前記感温部材が停止温度まで昇温した場合に、前記励磁回路の動作を停止させるサーモスタットをさらに有し、
    前記定着動作期間の閾値は、前記大小関係が逆転した旨の比較結果が得られるときの前記加熱部材の温度が、前記停止温度よりも高くなるよう設定される、
    請求項記載の加熱定着装置。
  5. 励磁コイルと、高周波電流を生成するインバータ回路を有し、生成した高周波電流により前記励磁コイルに電力供給を行い前記励磁コイルに誘電磁界を発生させる励磁回路と、発生した誘電磁界により誘導加熱されて記録紙上の被加熱像を定着させる加熱部材と、前記加熱部材の温度を測定する温度センサと、前記インバータ回路のスイッチング周波数を、測定した温度がウォームアップ終了温度に到達するまでのウォームアップ期間と、前記ウォームアップ期間後の定着動作期間とにおいてそれぞれ設定された閾値と比較する比較部と、前記比較部の比較結果に応じて前記励磁回路を制御する制御部と、を有する加熱定着装置の制御方法において、
    前記励磁回路が、前記ウォームアップ期間において高電力供給を行い、前記定着動作期間において低電力供給を行い、
    前記制御部が、前記ウォームアップ期間において、前記高電力供給を維持するよう前記スイッチング周波数を制御して前記加熱部材を前記ウォームアップ終了温度まで昇温する一方、制御した前記スイッチング周波数と前記ウォームアップ期間の閾値との大小関係が、測定した温度が前記ウォームアップ終了温度未満のときに逆転した場合は、前記励磁回路の動作を停止させる、
    加熱定着装置の制御方法。
  6. 励磁コイルと、高周波電流を生成するインバータ回路を有し、生成した高周波電流により前記励磁コイルに電力供給を行い前記励磁コイルに誘電磁界を発生させる励磁回路と、発生した誘電磁界により誘導加熱されて記録紙上の被加熱像を定着させる加熱部材と、前記加熱部材の温度を測定する温度センサと、前記インバータ回路のスイッチング周波数を、測定した温度がウォームアップ終了温度に到達するまでのウォームアップ期間と、前記ウォームアップ期間後の定着動作期間とにおいてそれぞれ設定された閾値と比較する比較部と、前記比較部の比較結果に応じて前記励磁回路を制御する制御部と、を有する加熱定着装置の制御方法において、
    前記励磁回路が、前記ウォームアップ期間において高電力供給を行い、前記定着動作期間において低電力供給を行い、
    前記制御部が、前記定着動作期間において、前記低電力供給を維持するよう前記スイッチング周波数を制御して前記加熱部材を定着温度に維持する一方、制御した前記スイッチング周波数と前記定着動作期間の閾値との大小関係が、測定した温度が前記定着温度であるときに逆転した場合は、前記励磁回路の動作を停止させる、
    加熱定着装置の制御方法。
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