JP3496485B2 - 誘導加熱定着装置 - Google Patents

誘導加熱定着装置

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JP3496485B2
JP3496485B2 JP30703297A JP30703297A JP3496485B2 JP 3496485 B2 JP3496485 B2 JP 3496485B2 JP 30703297 A JP30703297 A JP 30703297A JP 30703297 A JP30703297 A JP 30703297A JP 3496485 B2 JP3496485 B2 JP 3496485B2
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哲朗 伊藤
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ミノルタ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式の複写
機、プリンタおよびファクシミリなどに用いられる定着
装置に関し、さらに詳しくは、電磁誘電加熱を利用して
現像剤を記録媒体に定着する誘導加熱定着装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真式の複写機やプリンタ、ファク
シミリなどには、記録媒体である記録紙ないし転写材な
どのシート上に転写された現像剤をシートに定着させる
定着装置が設けられている。
【0003】従来、定着装置の温度制御には、サーミス
タなどの温度検出素子を加熱媒体に接触させて温度検出
を行い、設定温度との比較で加熱源のオン・オフ制御、
あるいはデューティ制御を行うとともに、温度検出素子
の温度情報に基づき画像形成動作許可信号を発したり、
加熱異常判断を行っている。
【0004】一般の温度検出素子であるサーミスタは、
自身の熱容量と熱伝達の遅れがあるため、フィードバッ
ク制御を行うと温度検出遅れが生じるが、昇温速度のさ
ほど速くない熱容量の大きな定着ローラ方式においては
特に問題が生じなかった。
【0005】しかし、高速昇温の定着装置においては、
このサーミスタによる温度検出遅れが、特にウォームア
ップ時におけるオーバーシュートに影響する。そこで、
サーミスタによる検出温度の上昇温度により加熱具合を
予測する方法も考えられている。
【0006】高速昇温技術としては、出願人らは金属層
を含む回転体を誘導加熱で発熱させる電磁誘導加熱定着
方式を既に提案しており、この方式においては特願平8
−229934号に示されるように、加熱媒体である金
属回転体の温度によるインピーダンス変化をインバータ
回路の中で検出することにより温度検出を行う手段を提
案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように高速昇温
の定着装置においては、ウォームアップ時の異常検出や
予測温度制御を行うに当たり接触型サーミスタによる温
度検出方式では制御応答性が問題になる。
【0008】サーミスタによる検出温度の上昇温度によ
り加熱具合を予測する場合、サーミスタの接触状態の違
いや、ローラの温度状態の違いにより正確に温度上昇を
予測することは難しく安定した定着性を得ることができ
ない。
【0009】また、サーミスタにより異常検出を行う場
合は、例えばサーミスタによる温度検出遅れにより異常
検出タイミングが遅れ、加熱媒体の異常温度上昇により
機器が損傷しないように、この遅れを見込んだ高温耐熱
性のある部材を使用する必要が生じて、コストアップに
繋がるといった問題がある。
【0010】また、特願平8−229934号に示され
てる加熱媒体である金属回転体の温度によるインピーダ
ンス変化をインバーター回路の中で検出することにより
温度検出を行う手段においては、加熱媒体の温度制御を
電力制御で行うことを想定しており、加熱異常判断に対
しては電力・周波数のいずれか、もしくは両方が予め記
憶された所定値を上回った場合に電流量を制限するよう
にしている。
【0011】したがって、ウォームアップ時に高周波電
源のスイッチング周波数を可変することで電力一定制御
を行うような場合においては、周波数が所定値を上回っ
た場合に電流量を制限することになる為、加熱回転体の
温度が異常温度まで上昇しなければ加熱異常と判断でき
ない。また、例えば回転体の破損により、回転体の温度
が上昇しない様な場合においては、加熱異常の判断を行
うために温度検出手段を別途設ける必要が生じる。
【0012】そこで、本発明の目的は、昇温特性に優れ
た電磁誘導加熱定着装置において、温度検出手段を別途
設けることなく、加熱異常判断を正確且つ迅速に行うこ
とができる定着装置を提供することにある。
【0013】また、本発明の別の目的は、昇温特性に優
れた電磁誘導加熱定着装置において、正確に温度上昇を
予測することにより、所定の温度で画像形成動作を開始
させ、オーバーシュートを起こさず、かつ安定した定着
性を得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載の本発明は、導電層を有する加熱媒体
と、該加熱媒体に誘導電流を生じさせる電磁誘導加熱源
と、該電磁誘導加熱源に高周波電流を流すための高周波
電源とよりなる電磁誘導加熱部を有し、前記加熱媒体を
誘導加熱することで、記録媒体上に現像剤を定着させる
定着装置において、前記電磁誘導加熱源に投入される電
力を一定に保つよう高周波電源のスイッチング周波数を
可変させるスイッチング周期可変手段と、前記スイッチ
ング周期可変手段により可変される周波数が任意に設定
された第1のスイッチング周波数から任意に設定された
第2のスイッチング周波数まで移行する時間を計測する
計測手段と、前記計測手段による計測時間によって前記
電磁誘導加熱部の異常を判断する異常検出手段と、を有
することを特徴とする誘導加熱定着装置である。
【0015】本発明の構成によると、ウォームアップ時
に高周波電源のスイッチング周波数を可変することで電
力一定制御を行う場合において、電源投入後における所
定のスイッチング周波数から任意に設定された所定の周
波数までの移行時間が予め設定された所定値とことなる
場合は異常と判断することにより、金属回転体の温度を
異常温度まで上昇させることなく、また、別途温度検出
手段を設けることもなく、迅速且つ正確に加熱異常判断
を行うことができる。
【0016】上記目的を達成するための請求項2記載の
本発明は、導電層を有する加熱媒体と、該加熱媒体に誘
導電流を生じさせる電磁誘導加熱源と、該電磁誘導加熱
源に高周波電流を流すための高周波電源とよりなる電磁
誘導加熱部を有し、前記加熱媒体を誘導加熱すること
で、記録媒体上に現像剤を定着させる定着装置におい
て、前記電磁誘導加熱源に投入される電力を一定に保つ
よう高周波電源のスイッチング周波数を可変させるスイ
ッチング周期可変手段と、前記スイッチング周期可変手
段により可変される周波数が第1のスイッチング周波数
から任意に設定された第2のスイッチング周波数まで移
行する時間を予測する予測手段と、前記予測手段の予測
値に基づき画像形成動作許可信号を出力する画像形成動
作制御手段と、を有することを特徴とする誘導加熱定着
装置である。
【0017】本発明の構成によると、スイッチング周波
数の変化割合から電源投入後における所定のスイッチン
グ周波数から任意に設定された所定の周波数までの移行
時間を予測演算し、予測値に基づき画像形成動作許可信
号を発することにより、画像形成動作を所定の温度で開
始させ、オーバーシュートの発生なく、かつ安定した定
着性を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の実施の形態を説明する。
【0019】《実施形態1》図1は本発明を適用した誘
導加熱定着装置を示す側面図である。
【0020】この誘導加熱定着装置は、図1に示すよう
に、コア1とこのコア1に巻回されたコイル2とによっ
て構成されたコイルアセンブリ9が、ホルダユニット4
内部に収納されていて、このホルダユニット4の回りを
コイル2の誘導電流によって発熱する金属製のフレキシ
ブルな定着スリーブ5が取り巻いている。そして、回転
駆動される加圧ローラ6が定着スリーブ5を挟んでホル
ダユニット4を押圧していて、記録媒体(用紙)8をニ
ップ部分に移動・通過させると共に、定着スリーブ5が
記録媒体8と共に従動して、記録媒体上の現像剤である
トナーを溶融し、定着させる。
【0021】定着スリーブ5は、例えば鉄やニッケルな
どの強磁性体が好ましく、強磁性体であれば多くの磁束
がこの定着スリーブ内を通過してより発熱効率がよくな
る。また、この定着スリーブ5は、例えば定着スリーブ
5の金属層の厚みが20〜60μm程度であるのが好ま
しい。定着スリーブ5の厚さは薄ければ薄いほどその熱
容量が小さくなるので、発熱させるための消費電力が少
なくなるが、定着スリーブ5の厚さをあまり薄くする
と、定着スリーブ5の強度が弱くなり破損しやすくな
る。また、定着スリーブ5の製造の際に、厚みを均一に
することが困難となる。一方、定着スリーブ5の厚さを
あまり厚くすると、曲げに対して弱くなり、ニップ部に
おける部分的な曲げに対する耐久性が低くなる。また、
定着スリーブ5の外周面にはごく薄いフッ素樹脂による
耐熱性の離型層(不図示)が形成してある。
【0022】この定着スリーブ5は、装置内のいずれに
も固定されておらず、ホルダユニット4の回りを自由に
回転できる。一方、ホルダユニット4は、装置本体に固
定されており、その表面、少なくとも定着スリーブ5と
接触する部分は、平滑な耐熱性の樹脂材料により形成さ
れていて、記録媒体8と定着スリーブ5との摩擦抵抗よ
りホルダユニット4と定着スリーブ5との摩擦抵抗の方
が小さくなっており、加圧ローラ6の回転によって記録
媒体8の移動に定着スリーブ5が従動する。さらにホル
ダユニット4は、その両端に定着スリーブ5がホルダユ
ニット4の長手方向にずれないように規制するつば(不
図示)が設けられている。
【0023】コイルアセンブリ9は、コア1の周囲に絶
縁性のボビン3を有し、このボビン3の周りに銅線を巻
記回してコイル2を形成してある。ボビン3は、例え
ば、セラミックや耐熱絶縁性エンジニアリング・プラス
チックで形成すればよく、また、コイル2としては表面
に融着層と絶縁層を持つ単一またはリッツ銅線を用いる
ことが好ましい。また、コア1は、例えばフェライトコ
アまたは積層コアからなる。
【0024】加圧ローラ6は、軸芯61の周囲に、表面
離型性耐熱ゴム層であるシリコンゴム層62が形成され
たもので、その両端に図示しないスベリ軸受部が形成さ
れ、装置本体の定着ユニットフレーム55などにばね材
50によって定着スリーブ5を間に挟みホルダユニット
4方向に押圧され、かつ回転自在に取り付けられてい
る。さらに、加圧ローラ6は、その片端に図示しない駆
動ギアが固定され、この駆動ギアに接続されたモータな
どの図示しない駆動源によって回転駆動される。
【0025】図2は、この定着装置の制御系を示すブロ
ック図である。
【0026】高周波電流は、商用電源21の交流を整流
回路22と平滑コンデンサ23によって整流し、コイル
2、共振用コンデンサ24およびスイッチ回路25から
なるインバータ回路によってコイル2に高周波電流が供
給されるようになっている。そして高周波電流の制御
は、後述するように電圧検出回路28および電流検出回
路29によって検出された電圧および電流によって制御
回路27により行われる。また、本装置の制御系には、
電圧検出回路28および電流検出回路29によって検出
された電圧および電流から電力を算出する演算回路30
と、後述するようにスイッチング周波数とその変化から
異常を判断するための異常判断回路31が設けられてい
る。これら演算回路30や異常判断回路31の動作につ
いては後に詳細に説明する。なお、図示する場合にはこ
れらを機能ごとに分けてブロックとして表しているが、
マイコンを使用した場合には、これらを一つのマイコン
によって機能させることも可能である。なお、商用電源
21から整流回路22に至る経路には電源スイッチ20
が設けられている。
【0027】高周波電流の基本的な制御は、制御回路2
7から発せられる制御信号によりドライブ回路26が、
例えばトランジスタ、FETあるいはIGBTなどから
なるスイッチ回路25をオンし、これによって、コイル
2に電流が流れる。そして、演算回路30が電流検出回
路29によって検出された電流値、および電圧検出回路
28が検出した電圧値に基づき投入電力量を算出してそ
の結果を制御回路27に通知する。制御回路27では、
電力量が常に一定の値となるように、スイッチ回路25
をオン、オフさせるための制御信号を出力する。これに
よりインバータ回路に投入される電力量は常に一定とな
る。一方、スイッチング周期(周波数)は、後述するよ
うに、投入電力を一定に保とうとする結果、スリーブ5
の温度上昇に伴い変化させることになる。
【0028】このようにして、コイル2に高周波(数k
Hz〜数十kHz)の電流が流されると、「アンペアの
右ネジの法則」に従って、コア1から定着スリーブ5の
長手軸方向に対し直交する磁束が発生し、そして、この
ように集中した磁束の作用により、定着スリーブ5には
「レンツの法則」に従って、渦状の誘導電流が発生す
る。この誘導電流は、定着スリーブ5の表皮抵抗により
ジュール熱に変換されて、定着スリーブ5が発熱するこ
ととなる。
【0029】ここで、投入電力とスリーブ温度、および
スイッチング周波数の関係について説明する。
【0030】例えば本実施形態に用いる定着スリーブ5
として、金属層が肉厚20〜60μmのニッケルスリー
ブを加熱媒体として用いた場合、高周波(ここでは30
kHz付近)をコイルに流すと、投入電力が一定であれ
ばニッケルの温度特性により図3に示すように高温ほど
周波数が低く、逆に低温時に高い周波数が必要となるこ
とが分かる。このような現象は投入電力量がかわって
も、その傾向は同じである。
【0031】このような定着スリーブ温度とスイッチン
グ周波数との関係は、定着スリーブがある温度のとき
に、投入電力量が一定であれば定着スリーブをその温度
から昇温するために必要な周波数は、定着スリーブの温
度に依存した同じ周波数となる、といった関係を導くも
のである。そして、定着スリーブの昇温時間、すなわ
ち、ある温度から定着適性温度(例えば180〜200
℃)に達するまでの時間は、同一装置であれば毎回同じ
時間となる。
【0032】そこで本実施形態1では、このような関係
を利用し、定着スリーブ5の昇温開始後の所定の周波数
f1から、予め設定された周波数f2となるまでの時間
を測定して、その時間が予め設定された時間範囲内にな
らない場合には、何等かの異常があるものと判断して電
力の供給を遮断するものである。なお、このときの電力
の遮断には、電源スイッチ20を開放して回路への電力
の供給をすべて停止する。
【0033】図4は、上記した定着スリーブ温度とスイ
ッチング周波数との関係から異常判断を行うための動作
を説明するための図面である。先程説明したように、電
力を一定に保つために、スイッチング周波数は定着スリ
ーブ5の温度上昇に伴って減少させることになる。ここ
で、電源投入後の所定の周波数f1から任意に設定した
周波数f2までの時間は、正常な動作であれば周囲の気
温などの影響を加味したとしても一定の範囲内に収ま
る。
【0034】ここで、f1およびf2の値、およびその
間の正常なときの時間としての具体例をあげると、定着
スリーブ5として金属層の肉厚20〜60μmのニッケ
ルスリーブを用いた場合、f1の値は室温の影響を受け
ないように、例えば定着スリーブ5が50℃程度のとき
の周波数とし、f2は定着適性温度より低い、150℃
程度のときの周波数とすれば、この間の正常動作時にお
ける周波数移行時間は5〜7秒程度となる。
【0035】この異常判断は、異常判断回路31により
行われる。このf1からf2までの時間を計測するため
に、異常判断回路31は、制御回路26を介してスイッ
チ回路25のスイッチ動作からスイッチング周波数を検
出し、検出した周波数はマイコン内のメモリに一時的に
記憶され、この記憶した周波数が予め設定された周波数
f1となった時点からf2になるまでの時間が計測され
る。そして、この間の時間が予め定めた所定時間範囲を
外れたときに異常があると判断する。
【0036】図5は上記異常判断回路31の動作を示す
フローチャートである。ここでは、上記定着装置が複写
機に用いられている場合を例に説明する。
【0037】まず、異常判断回路31(具体的にはマイ
コン)内のスイッチング周波数を記憶するためのメモリ
エリアをクリアする(S1)。そして、複写機本体の制
御装置(不図示)からコピースタートの指令があったか
否かを判断し(S2)、コピースタートの指令が入って
いれば、昇温を開始する(S3)。そして昇温中におい
て前記したように異常判断を行い、異常がなければ(S
4)、定着適性温度となるのを待ち(S5)、定着適性
温度になれば、複写機本体の制御装置に対して画像形成
動作を開始させるための信号を出力する(S6)。ここ
で定着適性温度になったか否かは、上記したようにスリ
ーブ温度とスイッチング周波数との関係から、スイッチ
ング周波数を監視することにより検出している(図3参
照)。
【0038】そして、コピー終了信号を受信するまで定
着適性温度を維持するために温調制御を行う(S7、S
8)。コピー終了信号を受信すると、投入電力をオフし
て(S9)、終了する。
【0039】一方、ステップS4において異常であると
判断されたときには、電源スイッチ20を開放してイン
バータ回路への電力を遮断し(S11)、異常があるこ
とを示す信号を出力する(S12)。この異常信号は複
写機本体の制御装置に伝えられて表示される。
【0040】これにより、定着装置に異常が発生した場
合には、定着装置への電力供給を遮断すると共にプリン
ト動作そのものを停止する。
【0041】このように、スイッチング周波数の変化時
間から異常を判断することで、定着スリーブが高温にな
る前に、事前に異常を判断することができるようにな
る。なお、何等かの異常により定着スリーブが高温にな
る場合の他、適性定着温度にならないような異常にも対
応することができる。
【0042】《実施形態2》上記実施形態1では、スイ
ッチング周波数の変化時間から定着装置の異常を判断す
るだけであったが、本実施形態2では、投入電力を一定
としたときの定着スリーブ温度とスイッチング周波数と
の関係から定着適性温度となるまでの時間を予測し、こ
の定着装置が設けられている画像形成装置のその他の部
分を制御するものである。ここで、画像形成装置とは、
例えば電子写真方式によるプリンタや複写機、またファ
クシミリなどであり、このような画像形成装置における
定着装置以外の構成部分は、レーザやLEDによって感
光体ドラム上に静電潜像を形成する画像形成部、静電潜
像をトナーによって現像する現像部などであるが、この
ような画像形成装置自体の構成は既に一般的に用いられ
ているものであり、周知であるので、ここではこれらの
説明は省略する。
【0043】また、本実施形態2における誘導加熱定着
装置のハードウェア構成(制御系を含む)についても前
述の実施形態1と同様であるので、その説明は省略し、
ここでは、本発明を適用した定着装置が複写機に用いら
れた場合の制御例について説明する。
【0044】図6は、本実施形態2における定着装置の
動作手順を示すフローチャートである。
【0045】まず、異常判断回路31(具体的にはマイ
コン)内のスイッチング周波数を記憶するためのメモリ
エリアをクリアする(S21)。そして、複写機本体の
制御装置(不図示)からコピースタートの指令があった
か否かを判断し(S22)、コピースタートの指令が入
っていれば、昇温を開始する(S23)。
【0046】そして昇温中において定着適性温度に至る
時間を予測する(昇温時間予測)予測した時間は変数T
に入れ、また後述のように画像形成開始時間を決めるた
めの変数Tsを決定する(S24)。ここで、昇温時間
予測は、例えば昇温中に一定時間間隔(例えば0.5
秒)ごとにスイッチング周波数を検出して、その周波数
の変化割合を求め、求めた周波数の変化割合から、予め
求めておいた定着適性温度に至った時点の周波数となる
時間を予測する。また、例えば周波数の変化割合から何
秒後に定着適性温度に至るかを予め測定しておいて、こ
れをテーブルデータとして記憶しておき、このテーブル
を参照することにより予測時間を求めてもよい。
【0047】ここで画像形成開始時間Tsを決めるに当
たり予測結果時間を入れた変数Tから変数tを引いてい
るのは、複写機などにおいて画像形成の開始を定着適性
時間に至る少し前から開始するためであり、このtの時
間は複写機の構造などにより決定され、例えば画像形成
時において、現像工程を経た用紙が定着装置に至るまで
の搬送時間などによって決定するとよく、これにより、
前述した実施形態1のように定着適性温度となった後に
画像形成を開始した場合と比較して、画像形成動作全体
の時間を短縮することが可能となる。なお、これら昇温
時間の予測などは、演算回路30が、制御回路27(図
2参照、以下同様)を介してスイッチ回路25のスイッ
チイング周波数を検出することにより行われる。
【0048】ついで、予測時間を計時するためにタイマ
をスタートする(S25)。そして、この間、前述の実
施形態1同様に異常判断を行い、異常がなければ(S2
6)、タイマ値が定着適性温度となる少し前の時間であ
るTsとなるのを待ち(S27)、タイマ値がTsとな
れば、演算回路30が、画像形成開始信号を出力する
(S28)。
【0049】ついで、タイマ値が定着適性温度となる時
間Tとなるのを待ち(S29)、タイマ値がTとなれ
ば、温調制御を開始する(S30)。これにより定着適
性温度となったのを検出してから温調制御を行う場合と
比較して、定着適性温度になった時点でのオーバーシュ
ートを起こすことなく温調制御に移ることが可能とな
る。
【0050】そして、コピー終了信号を受信するまで定
着適性温度を維持するために温調制御を行う(S30、
S31)。コピー終了信号を受信すると、投入電力をオ
フして(S32)、終了する。
【0051】一方、ステップS26において異常である
と判断されたときには、インバータ回路への電力を遮断
し(S41)、異常を示す信号を出力する(S42)。
この異常信号は複写機本体の制御装置に伝えられて表示
される。
【0052】これにより、定着適性温度になる前の適切
な時点から画像形成動作を開始することができ、かつ定
着適性温度になった時点で即、温調制御に移行すること
ができるため、画像形成動作時間を短縮し、かつオーバ
ーシュートなどの不具合を起こすことなく、きれいな画
像形成を行うことが可能となる。
【0053】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項ご
とに以下のような効果を奏する。
【0054】請求項1記載の本発明によれば、昇温特性
に優れた電磁誘導加熱定着装置において、金属回転体の
温度を異常温度まで上昇させることなく、また、別途温
度検出手段を設けることもなく、迅速且つ正確に加熱異
常判断を行うことができる。また、請求項2記載の本発
明によれば、画像形成動作の予測スタートを行う場合に
おいてオーバーシュートの発生がなく、かつ安定した定
着性を得ることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した実施形態1の誘導加熱定着
装置を示す側面図である。
【図2】 上記実施形態1の誘導加熱定着装置の制御系
のブロック図である。
【図3】 ニッケル(Ni)スリーブの温度と周波数お
よび投入電力の関係を示す図面である。
【図4】 ニッケル(Ni)スリーブの温度と周波数の
関係から異常判断を行う際の動作原理を説明するための
図面である。
【図5】 実施形態1における上記定着装置の制御手順
を示すフローチャートである。
【図6】 実施形態2における上記定着装置の制御手順
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…コア、 2…コイル、 3…ボビン、 4…ホルダ、 5…定着スリーブ、 6…加圧ローラ、 20…電源スイッチ、 21…電源、 22…整流器、 23…平滑コンデンサ、 24…共振用コンデンサ、 25…スイッチ回路、 26…ドライブ回路、 27…制御回路、 28…電圧検出回路、 29…電流検出回路、 30…演算回路、 31…異常判断回路。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20 H05B 6/00 - 6/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電層を有する加熱媒体と、該加熱媒体
    に誘導電流を生じさせる電磁誘導加熱源と、該電磁誘導
    加熱源に高周波電流を流すための高周波電源とよりなる
    電磁誘導加熱部を有し、前記加熱媒体を誘導加熱するこ
    とで、記録媒体上に現像剤を定着させる定着装置におい
    て、 前記電磁誘導加熱源に投入される電力を一定に保つよう
    高周波電源のスイッチング周波数を可変させるスイッチ
    ング周期可変手段と、 前記スイッチング周期可変手段により可変される周波数
    が任意に設定された第1のスイッチング周波数から任意
    に設定された第2のスイッチング周波数まで移行する時
    間を計測する計測手段と、 前記計測手段による計測時間によって前記電磁誘導加熱
    部の異常を判断する異常検出手段と、を有することを特
    徴とする誘導加熱定着装置。
  2. 【請求項2】 導電層を有する加熱媒体と、該加熱媒体
    に誘導電流を生じさせる電磁誘導加熱源と、該電磁誘導
    加熱源に高周波電流を流すための高周波電源とよりなる
    電磁誘導加熱部を有し、前記加熱媒体を誘導加熱するこ
    とで、記録媒体上に現像剤を定着させる定着装置におい
    て、 前記電磁誘導加熱源に投入される電力を一定に保つよう
    高周波電源のスイッチング周波数を可変させるスイッチ
    ング周期可変手段と、 前記スイッチング周期可変手段により可変される周波数
    が第1のスイッチング周波数から任意に設定された第2
    のスイッチング周波数まで移行する時間を予測する予測
    手段と、 前記予測手段の予測値に基づき画像形成動作許可信号を
    出力する画像形成動作制御手段と、を有することを特徴
    とする誘導加熱定着装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁誘導加熱源に投入される電力を
    検出する電力検出手段を有し、前記 スイッチング周期可変手段は、前記電力検出手段に
    より検出される電力を一定に保つよう高周波電源のスイ
    ッチング周波数を可変させることを特徴とする請求項
    乃至2のいずれかに記載の誘導加熱定着装置。
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