JP4024623B2 - カード処理システム、およびカード処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば有料道路等に用いられるカード処理システム、およびカード処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有料道路等を利用するに際し利用料金の収受を行う料金収受システムが用いられている。この料金収受システムでは、キャッシュレス化が進められ、例えばクレジットカード、ETCなどが用いられるようになっている。
利用料金の支払いに、無線通信機能を有するプリペイドICカードを利用することが考えられ、例えば、鉄道ではプリペイドICカードを用いた料金の支払いシステムが実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
有料道路でプリペイドICカードを運用するには、入口料金所でプリペイドICカードに入口情報を記録し、出口料金所でプリペイドICカード内に記録された入口情報を元に通行料金を算出し、プリペイドICカードに記録された未使用金額から差し引く。このとき、車種や利用者(身障者か否か)に応じて利用料金が減額される場合がある。
このような出入口での処理は、できるだけ自動的に行えることが好ましいが、出口において自動的な処理が困難な場合がある。例えば、入口で確認され入口情報に含まれる車種が間違っている場合がある。また、出口で利用者から身障者割引の申請がなされる場合がある。
このような場合には、入口情報のみで通行料金の計算を行えず、出口で係員が何らかの確認作業を行うこととなるがこのときに誤りが発生することも考えられる。
上記に鑑み、本発明は係員による確認作業の誤りの発生を低減できるカード処理システムおよびカード処理方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
A.本発明に係るカード処理システムは、認識された車種を表す認識車種情報、および車種と処理件数との対応を表す車種処理件数情報をカードから読み取るカード読取部と、前記カード読取部が読み取った車種処理件数情報に基づいて、処理された車種が集中しているか否かを判断する車種集中判断部と、前記車種集中判断部が、処理された車種が集中していると判断した場合に、処理が集中した処理集中車種と前記認識車種情報が表す認識車種とが一致しているか否かを判断する車種一致判断部と、前記車種一致判断部が、前記処理集中車種と前記認識車種とが一致しないと判断した場合に、係員に対して車種の確認を促す表示を行う確認表示部と、を具備することを特徴とする。
【0005】
入口等で認識された車種を表す認識車種情報、および車種と処理件数との対応を表す車種処理件数情報をカードから読み取る。車種処理件数情報から処理された車種が集中していると判断された場合に、処理が集中した処理集中車種と認識車種情報が表す認識車種とが一致しているか否かを判断する。処理集中車種と認識車種とが一致しないと判断された場合に、係員に対して車種の確認を促す表示を行う。
カードは、同一人物が同一の車両(あるいは同一の車種)について利用する場合が多い。このため、カードに記録された処理車種が特定の車種に集中している場合が多い。従い、この処理が集中している車種が認識された車種と一致しない場合には、入口等での車種の認識が誤っている可能性がある。
このような場合に、係員に対して車種の確認を促す表示を行い、係員による確認作業の誤りの発生を低減することができる。
なお、カード読取部によるカードからの情報の読み出しは、例えば無線通信を用いて行うことができる。
【0006】
(1)ここで、前記車種集中判断部が、前記車種処理件数情報に基づき、処理件数が最大の件数最大車種の処理件数を導出し、導出した処理件数に基づき処理された車種が集中しているか否かを判断してもよい。
例えば、処理件数が最大の件数最大車種の処理件数を他の車種の処理件数(あるいは総処理件数)と比較することで、処理された車種が集中しているか否かを判断できる。一例として、他の車種の処理件数が0であれば、処理された車種が集中していると判断できる。
【0007】
(2)前記車種集中判断部が、書き換え可能なテーブルに記録された基準値に基づき、処理された車種が集中しているか否かを判断してもよい。
この「基準値」の例として、処理件数が最大の件数最大車種の処理件数が総処理件数に占める割合を挙げることができる。この割合が基準値以上であるときに、処理された車種が集中していると判断できる。
この基準値が書き換え可能なテーブルに記憶されていることから、このテーブルを書き換えることで適宜に基準値を変更できる。
【0008】
(3)前記カード処理システムが、係員が車種を確認したことを表す確認情報を入力する確認入力部、をさらに具備してもよい。
係員が確認したことをカード処理システムに通知できる。
【0009】
▲1▼ここで、前記カード処理システムが、前記確認入力部から確認情報が入力されるまで、利用者に待機を促す表示を行う待機表示部、をさらに具備しても差し支えない。
利用者に待機を促すことで、係員による確認を速やかに行うことができる。
なお、確認作業終了後にはその旨を利用者に通知して、利用者への便宜と次の車両の処理への速やかな移行を図っても差し支えない。
【0010】
▲2▼前記カード処理システムが、前記確認入力部から入力された確認情報に基づき、車種処理件数情報を前記カードに記録するカード書込部と、をさらに具備してもよい。
カードに車種処理件数情報を記録することで、次回での処理においてこれをカード読取部で読み取って車種集中判断部での判断等に利用することができる。
【0011】
B.本発明に係るカード処理システムは、割引処理の件数を表す割引件数情報をカードから読み取るカード読取部と、前記カード読取部が読み取った割引件数情報に基づいて、割引処理が高頻度か否かを判断する割引頻度判断部と、前記割引頻度判断部が、割引処理が高頻度であると判断した場合に、係員に対して割引処理の有無の確認を促す表示を行う表示部と、を具備することを特徴とする。
【0012】
割引処理の件数を表す割引件数情報をカードから読み取り、これに基づいて割引処理が高頻度か否かを判断する。割引処理が高頻度であると判断された場合に係員に対して割引処理の有無の確認を促す表示を行い、係員の確認の便宜を図っている。
カードが同一人物によって利用されることが多いことから。利用者が例えば身障者の場合には身障者割引処理が高頻度で発生することを考慮したものである。
なお、「割引処理が高頻度であるか否か」は、例えば割引件数が総処理件数に占める割合を所定の基準値と比較して判断することができる。
【0013】
C.本発明に係るカード処理システムは、領収書を発行した件数を表す領収書発行件数情報を読み取るカード読取部と、前記カード読取部が読み取った領収書発行件数情報に基づいて、領収書発行処理が高頻度か否かを判断する領収書発行頻度判断部と、前記領収書発行頻度判断部が、領収書発行処理が高頻度であると判断した場合に、領収書を発行する領収書発行部と、を具備することを特徴とする。
【0014】
領収書を発行した件数を表す領収書発行件数情報をカードから読み取り、これに基づいて領収書発行処理が高頻度か否かを判断する。領収書発行処理が高頻度であると判断された場合には、領収書の発行を自動的に行い、係員および利用者への便宜を図っている。
カードが同一人物によって利用されることが多いことから。利用者が領収書を高頻度で請求する場合には領収書発行が高頻度で発生することを考慮したものである。
なお、「領収書発行処理が高頻度であるか否か」は、例えば領収書発行件数が総処理件数に占める割合を所定の基準値と比較して判断することができる。
【0015】
D.本発明に係るカード処理方法は、認識された車種を表す認識車種情報、および車種と処理件数との対応を表す車種処理件数情報をカードから読み取るカード読取ステップと、前記カード読取部ステップで読み取られた車種処理件数情報に基づいて、処理された車種が集中しているか否かを判断する車種集中判断ステップと、前記車種集中判断ステップで、処理された車種が集中していると判断された場合に、処理が集中した処理集中車種と前記認識車種情報が表す認識車種とが一致しているか否かを判断する車種一致判断ステップと、前記車種一致判断ステップで、前記処理集中車種と前記認識車種とが一致しないと判断された場合に、係員に対して車種の確認を促す表示を行う確認表示ステップと、を具備することを特徴とする。
【0016】
入口等で認識された車種を表す認識車種情報、および車種と処理件数との対応を表す車種処理件数情報をカードから読み取る。車種処理件数情報から処理された車種が集中していると判断された場合に、処理が集中した処理集中車種と認識車種情報が表す認識車種とが一致しているか否かを判断する。
処理集中車種と認識車種とが一致しないと判断された場合に、係員に対して車種の確認を促す表示を行い、係員による確認作業の誤りの発生を低減することができる。
【0017】
E.本発明に係るカード処理方法は、割引処理の件数を表す割引件数情報をカードから読み取るカード読取ステップと、前記カード読取ステップで読み取られた割引件数情報に基づいて、割引処理が高頻度か否かを判断する割引頻度判断ステップと、前記割引頻度判断ステップで、割引処理が高頻度であると判断された場合に、係員に対して割引処理の有無の確認を促す表示を行う表示ステップと、
を具備することを特徴とする。
割引処理の件数を表す割引件数情報をカードから読み取り、これに基づいて割引処理が高頻度か否かを判断する。割引処理が高頻度であると判断された場合に係員に対して割引処理の有無の確認を促す表示を行い、係員の確認の便宜を図っている。
【0018】
F.本発明に係るカード処理方法は、領収書を発行した件数を表す領収書発行件数情報を読み取るカード読取ステップと、前記カード読取ステップで読み取られた領収書発行件数情報に基づいて、領収書発行が高頻度か否かを判断する領収書発行頻度判断ステップと、前記領収書発行頻度判断ステップで、領収書発行が高頻度であると判断された場合に、領収書を発行する領収書発行ステップと、
を具備することを特徴とする。
領収書を発行した件数を表す領収書発行件数情報をカードから読み取り、これに基づいて領収書発行処理が高頻度か否かを判断する。領収書発行処理が高頻度であると判断された場合には、領収書の発行を自動的に行い、係員および利用者への便宜を図っている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態である有料道路の料金収受システム1の全体構成の一例を表すブロック図である。
本図に示すように、料金収受システム1は、有料道路の入口に設置される入口システム10と、有料道路の出口に設置される出口システム20と、これら入口システム10、および出口システム20と通信回線30を介して接続されたホストコンピュータ等の上位装置40とから構成され、無線方式の非接触ICプリペイドカード(以下、「ICカード」という)を利用して道路の利用料金の収受を行うことができる。
【0020】
上位装置40は、入口システム10、および出口システム20からの情報に基づく総合的な処理を行う。例えば、入口、出口での情報を照合し、これらの情報がICカードに記録された情報と矛盾する場合に、このICカードを不正カードと判定することができる。
【0021】
(入口システム10の詳細)
図2、3はそれぞれ、入口システム10の構成、機器の概略配置の一例を表す図である。
図2、3に示すように、入口システム10は、アンテナユニット11,車種判別装置12、通行券発行装置13、路側表示装置15、発進検知装置16、発進制御装置17、入口車線制御装置19を有している。
【0022】
アンテナユニット11は、車線上や図示しない係員ブース等に設置され、ICカードが所定範囲内に近付けられる(タッチあるいはかざす)と、車種情報および入口情報を無線通信(非接触)でICカードに記録する。所定範囲内とは例えば数10cm以内の範囲である。
【0023】
ICカードは、種々の情報が記録されたICチップが内蔵され、その表面にカード個別のカードID番号が印字されている。また、ICカードは、内蔵されたアンテナによってアンテナユニット11と無線通信を行ない、その情報の読み書きを可能としている。
なお、ICカードに記録された情報の詳細は後述する。
【0024】
通行券発行装置13は、ICカードによる入口処理が正常に終了しなかった場合に、進入した車両の車種に応じた通行券を利用者に発行する。
路側表示装置15は、処理状況および誘導内容を表示して車両の運転者に車両の誘導内容を案内通知する。
発進検知装置16は、車両が発進を始め車線から退出するのを検知する。
発進制御装置17は、入口処理の結果に応じて車両の通過を許可あるいは阻止するためのものである。
入口車線制御装置19は、上記アンテナユニット11を含む各装置と通信線で接続されており、個々の装置から情報を取得し、有料道路の利用に関するさまざまな処理(入口処理等)および路側の各機器の制御(アンテナユニット11の処理機能を有効/無効にする制御、発進制御装置17の開閉制御等)を行う。
【0025】
(出口システム20の詳細)
図4、5はそれぞれ、出口システム20の構成、機器の概略配置の一例を表す図である。
図4,5に示すように、出口システム20は、通行券確認装置21,領収書発行装置22,カード処理装置23,出口車線制御装置24、アンテナユニット25,料金表示装置26,発進制御装置27、発進検知装置28を有し、有料道路の利用者からの通行料金徴収を実施する。
出口車線制御装置24に他の装置(通行券確認装置21,領収書発行装置22,カード処理装置23,アンテナユニット25,料金表示装置26,発進制御装置27、発進検知装置28)は接続、制御され、各種の処理を実施する。
通行券確認装置21,領収書発行装置22,カード処理装置23,出口車線制御装置24は、係員のいる係員ブース5内に設置されている。
【0026】
通行券確認装置21は、係員に対する操作表示部を有し、通行券、クレジットカードなどの磁気カードの読み取り機能を有する。また、通行券確認装置21は、図示しない表示部および確認ボタンを有する。
この表示部は、係員に対して車種の確認を促す表示を行う確認表示部として機能する。また、確認ボタンは、係員による車種等の確認が完了した場合に押し下げられ、確認情報を入力する確認入力部として機能する。
領収書発行装置22は、利用者に対する領収書の発行を実施する。
カード処理装置23は、ICカードからの情報の読み取り、書き込みを行うものであり、アンテナユニット23aを備えている。アンテナユニット23aは、カード処理装置23の上面に取り付けられ、道路の利用者から係員がICカードを受けとって処理する場合に利用され、無線通信によりICカードからの情報の読み取り、書き込みを行う。即ち、アンテナユニット23aは、カードから情報を読み取るカード読取部およびカードに情報を書き込むカード書込部として機能する。
出口車線制御装置24は、出口システム20の料金所データ処理装置(図示せず)と接続され、料金の収受に必要な通行料金などの情報を含むテーブルの受信、料金の収受結果の送信を行う。出口車線制御装置24は、後述する車種確認表示フラグ、身障者確認表示フラグ、領収書発行フラグを記憶するメモリを有する。また出口車線制御装置24は、後述する処理車種の集中の有無、身障者処理率の高低、領収書処理率の高低をそれぞれ確認するための基準値が記録されたテーブルをも有する。即ち、出口車線制御装置24は、車種集中判断部、車種一致判断部として機能する。
【0027】
アンテナユニット25は、係員ブース5の外壁面に車両の運転席高さに応じて複数設置される。利用者がICカードを手でかざして、アンテナユニット25の無線通信領域に進入すると、アンテナユニット25とICカードとの無線通信が実施される。即ち、アンテナユニット25を介してICカードの情報の読み取り、書き込みが行われる。即ち、アンテナユニット25は、カードから情報を読み取るカード読取部およびカードに情報を書き込むカード書込部として機能する。また、アンテナユニット25は、図示しない表示部を有し、利用者、係員に処理の状況などを案内(ガイダンス)する。即ち、この表示部は、利用者に待機を促す表示を行う待機表示部として機能する。なお、この表示部を独立したユニットとして、アンテナユニット25の近傍に設置しても良い。
【0028】
料金表示装置26は利用者に対して収受する通行料金を表示する。表示する情報は出口車線制御装置24より通知される。
発進制御装置27は、自動開閉式のバリアであり、発進検知装置28の前方に設置され車両の発進をバーの開閉で制御する。
発進検知装置28は、主として、車両分離器28a、および踏み板28bより構成される。
車両分離器28aは、通行路の対行する位置に設置される複数対の投受光器からなり、車両による遮蔽情報を検出する。
踏み板28bは、車両分離器28aの対向線上の通行路面に埋設され、通過する車両の車輪よりの押圧により軸数等を検出する。
発進検知装置28は、車両分離器28aでの光の遮蔽、踏み板28bへのタイヤの押圧により車両を認識し、この遮蔽および押圧が解除される事により車両の通過を検出する。
【0029】
(ICカードに記録される情報の詳細)
ICカードには以下のような情報が記録される。
A.カードID情報
▲1▼カードID:ICカードを互いに識別するための情報であり、具体的にはICカード毎に固有な番号である。
▲2▼カード種別:利用可能なサービスなどの情報であり、例えば、料金が前納式(プリペイド)であることやクレジットの与信の有無等である。
【0030】
B.利用明細情報
利用明細情報は、入口システム10および出口システム20等を利用する度にICカードに記録され、ICカードの利用履歴を表す情報である。
利用明細情報には、入口システム10、出口システム20それぞれで書き込まれる入口情報、出口情報が含まれる。
ICカードには、入口システム10および出口システム20等を数百回以上利用した場合でもデータ蓄積が可能とするのが通例である。
【0031】
(1)入口情報
入口情報は、車両が入口システム10を通過するときに更新記録される情報であり、以下▲1▼〜▲7▼に示す情報が含まれる。
▲1▼入口料金所番号:入口料金所(入口システム10)を識別するための情報である。
▲2▼入口指定車種:入口で認識された車種を表す情報であり、認識車種情報として機能する。車種の認識は、係員、または車両判別装置12によって行われる。
▲3▼入口通過日付時分:入口料金所(入口システム10)を通過したときの時刻を表す情報である。
▲4▼車両番号:車両を識別するための情報、具体的にはナンバープレートに示された番号である。
▲5▼入口計測軸数:入口料金所で計測された軸数を表す情報である。
▲6▼入口係員番号:入口料金所で処理を行った係員を識別する情報である。
▲7▼勤務番号:ある範囲の勤務内容を他と識別するための情報である。
【0032】
(2)出口情報
出口情報は、車両が出口システム20を通過するときに更新記録される情報であり、以下▲1▼〜▲8▼に示す情報が含まれる。
▲1▼出口料金所番号:出口料金所(出口システム20)を識別するための情報である。
▲2▼課金車種:出口で最終的に課金された車種を表す情報である。
▲3▼出口通過日付時分:出口料金所を通過したときの時刻を表す情報である。
▲4▼出口計測軸数:出口料金所で計測された軸数を表す情報である。
▲5▼出口係員番号:出口料金所で処理を行った係員を識別する情報
▲6▼通行料金:利用者が支払った利用料金を表す情報である。
▲7▼カード使用額:利用者がICカードで支払った利用料金を表す情報(通行料金からカード使用額を差し引いた金額は現金等他の支払い手段で支払われる)
▲8▼割引処理フラグ:身障者割引等の割引処理が行われたか否かを表す情報である。
【0033】
C.カード残額情報
・カード残額:未使用の金額を表す情報である。
D.カード使用回数
・カード使用回数:ICカードの総利用回数を表す情報である。
【0034】
E.処理件数累計情報
処理件数累計情報は、ICカードによる決済の度に更新される情報であり、以下のような欄毎にそれぞれの累計件数が記録される。
なお、将来の車種区分の増加に備えて図示しない決済車種6〜10の欄を設けても良い。
▲1▼決済車種1:決済時の車両が車種1であった件数を表す情報である。
▲2▼決済車種2:決済時の車両が車種2であった件数を表す情報である。
▲3▼決済車種3:決済時の車両が車種3であった件数を表す情報である。
▲4▼決済車種4:決済時の車両が車種4であった件数を表す情報である。
▲5▼決済車種5:決済時の車両が車種5であった件数を表す情報である。
以上の決済車種1〜5は、車種と処理件数との対応を表す車種処理件数情報として機能する。
▲6▼身障者処理件数:身障者割引処理の件数を表す情報であり、割引件数情報として機能する。
▲7▼車種変更件数:入口で設定された車種と異なる区分の車種で決済された件数を表す情報である。
▲8▼領収書発行件数:領収書が発行された件数を表す情報であり、領収書を発行した件数を表す領収書発行件数情報として機能する。
【0035】
(料金収受システム1の動作)
図6は、料金収受システム1の動作手順の1例を表すブロック図である。
A.入口システムでの処理(ICカードへの入口情報の記録)(ステップS1)入口システム10において、車線上や係員ブース内に設置されたアンテナユニット11に利用者または係員がICカードを翳すことにより、入口情報が記録される。
この入口情報には既述のように、車種の情報(入口指定車種)が含まれる。
車種は、係員または車種判別装置12のいずれかにより判断、入力される。
【0036】
B.出口システム20での処理
車種、あるいは利用者が身障者であるか否かにより、利用料金が異なるため、出口システム20では車種等に応じた利用料金の算出が行われる。
この料金の算出に関連して係員が何らかの確認等の処理を要する場合がある。
例えば、入口での係員の指定、車種判別装置12の判定に誤りが発生する可能性がある。車種判別装置12が、1台の車両を2台としたり、車両の検出が不良で車種を誤ったり、車長の極端に短い普通車を軽自動車と誤判定等することが考えられる。
このように誤った指定情報が入口システム10でICカードに記録される場合があることから、出口システム20の係員は車種を確認する必要があるが、後述のように料金収受システム1ではこの確認処理の負担が軽減される。
【0037】
また、身障者割引はICカードでの支払い時に利用者の希望に基づいて行われるが(身障者手帳の確認、証明書受理後に身障者割引処理を行う)、後述のように料金収受システム1ではこの処理の負担が軽減される。
【0038】
ICカードはその近接無線通信機能を利用して出口システム20と決済情報を瞬時に交換可能であるが、前述した車種の確認、訂正、身障者処理の登録のために、ICカードと出口システム20とは1回のコンタクトでは決済を完了し難くなる。例えば、係員ブース5の壁面に設けられたアンテナユニット25を利用した場合には、次のような運用フローとなる。
カード翳し(カード情報読み取り)→入口IC番号、車種、通行料金、処理後の残額表示→確認、追加操作→カード翳し(カードに決済結果書き込み)
後述のように料金収受システム1ではこの処理の負担が軽減される。
【0039】
(1)ICカードからの情報の読み込みが行われる(ステップS2)。
出口システム20では、ICカードがアンテナユニット13a、15の通信領域に翳されたとき、カードID情報、入口情報、カード残額情報、カード使用回数、処理件数累計情報をICカードより取得する。
【0040】
(2)ICカードから読み込まれた情報に基づいて、処理車種集中の有無、身障者処理率、領収書発行率が確認される(ステップS3)。
通行料金の算出は、入口情報に含まれる入口料金所番号、入口指定車種に基づき、通行料金テーブルを参照して行われるが、通行料金の算出に先だって、処理件数累計情報等により処理車種集中の有無等を確認する。
これは、ICカードの所持者は、同じ車両または、同じ車種の車両に乗っている可能性が高いことに着眼して収受処理の改善を図らんとしたものである。また、身障者がICカードを所持した場合をも考慮している。
【0041】
▲1▼処理車種集中の有無の確認
過去の決済車種が特定の車種に集中しているか否かを確認する。
決済車種1〜5の欄それぞれでの累計件数に基づき、処理された車両が特定の車種に集中しているか否かを判断する。
例えば、特定の車種以外の車種欄が0件の時、処理車種が集中していると判断し、この特定の車種欄の車種を比較対象車種(処理集中車種)とする。また、特定の車種が車種全体からみて所定の率以上である場合に処理車種が集中していると判断することができる。
このとき所定の値(基準値)は例えば80%であり、所望により変更できるようにテーブルに記憶させても良い。
処理集中車種と、入口情報内の入口指定車種が同じ場合は、入口指定車種が正しいものとして扱う。処理集中車種と入口指定車種が異なっていた場合は、出口車線制御装置24のメモリー内の車種確認表示フラグをONにする。
【0042】
▲2▼身障者処理率の確認
カード使用回数、身障者処理件数から身障者処理率を算出し、テーブルに定められた値を超えた値であれば、出口車線制御装置24のメモリー内の身障者確認表示フラグをONにする。
【0043】
▲3▼領収書処理率の確認
カード使用回数、領収書発行件数から領収書処理率を算出し、テーブルに定められた値を超えた値であれば、出口車線制御装置24のメモリー内の領収書発行フラグをONにする。
【0044】
(3)係員、利用者への表示(ステップS4,S5)
係員、利用者への表示を行う。これらの処理は実質的に同時並行で行われる。
【0045】
▲1▼通行券確認装置21での係員への表示(ステップS4)
1)ステップS3の判定の結果、車種確認表示フラグ、身障者確認表示フラグがともにOFFの場合は、変更の可能性が少ないため、次のように対応する。
入口料金所番号、入口指定車種、通行料金、カード残額を表示し、確認ボタンの押下を誘導するための表示を行う。
係員による確認ボタンの押下により、車両前進方向に設置された発進制御装置27が開状態となる。発進検知装置28が車両の発進を検出したとき、発進制御装置27は閉となる。車種変更、身障者登録処理が必要な場合は、入口料金所番号、入口指定車種、通行料金、カード残額を表示している間に手続き用ボタンを押すことにより、処理することができる。
【0046】
2)ステップS3の判定の結果、車種確認表示フラグ、身障者確認表示フラグのいずれか又は双方がONの場合は、変更の可能性があるため、次のように対応する。
入口料金所番号、入口指定車種、通行料金、カード残額に加え、車種変更、身障者処理の追加の有無を確認する表示を行う。
【0047】
・車種確認表示フラグがONの場合は、例えば「車種1へ変更か? 変更の有無を確認し、変更するなら車種ボタンを押せ」と表示する。この「車種1」としては処理件数累計情報の決済車種として集中していた車種(処理集中車種)を表示する。
・身障者確認表示フラグがONの場合は、例えば「身障者か? 身障者処理無しなら確認ボタンを、身障者処理なら身障ボタンを押せ」と表示する。
この表示状態において係員には車種変更、身障者処理を実施するためのボタンと、訂正を実施せず確認するためのボタン操作が有効となる。
【0048】
車種変更、身障者処理の完了、または変更無しの確認ボタンの押下により、車両前進方向に設置された発進制御装置17が開状態となる。発進検知装置28が車両の発進を検出したとき、発進制御装置17は閉となる。
【0049】
▲2▼アンテナユニット25での利用者への表示(ステップS5)
1)ステップS3の判定の結果、車種確認表示フラグ、身障者確認表示フラグがともにOFFの場合は、変更の可能性が少ないため、次ように対応する。
ステップS4において、通行券確認装置21に入口料金所番号、入口指定車種、通行料金、カード残額を表示すると同時に、アンテナユニット25に完了を示す表示「OK」などを表示する。
係員が車種変更、身障者登録処理を開始した場合は、「OK」表示から係員処理に移行したことを示す「係員の指示に従ってください」などを表示する。
車種変更、身障者登録処理の完了時には、アンテナユニット25にICカードを再度翳すよう「カードを翳してください」などを表示する。
【0050】
2)ステップS3の判定の結果、車種確認表示フラグ、身障者確認表示フラグのいずれか又は双方がONの場合は、変更の可能性があるため、次のように対応する。
ステップS4において、通行券確認装置21に例えば「車種1へ変更か? 変更の有無を確認し、変更するなら車種ボタンを押せ」、または「身障者か? 身障者処理無しなら確認ボタンを、身障者処理なら身障ボタンを押せ」と表示した時に、係員の判断待ちであることを示す「係員の指示に従ってください」などを表示する。
係員が判断を終え、車種変更、身障者登録処理を完了した時、または変更が無いことを確認して確認ボタンを押下操作した時点で、アンテナユニット25にICカードを再度翳すよう「カードを翳してください」などを表示する。
【0051】
(4)ICカードへの情報の書込(ステップS6)
1)ステップS3の判定の結果、車種確認表示フラグ、身障者確認表示フラグがともにOFFの場合は、変更の可能性が少ないため、次のように対応する。
係員による確認ボタンの押下を待たず、ICカードの残額から今回の通行料金を引き去り、利用履歴(利用明細情報)、処理件数累計情報の決済車種欄のカウントアップ書き込み処理を実施する。
車種変更、身障者登録処理が実施された場合は、ICカードとの通信が可能となった時に、今回通信したときのカードIDと前回訂正前に通信したときのカードIDが同じことを確認して記録を訂正する。即ち、処理件数累計情報(車種変更の場合は決済車種欄、身障者登録の場合は身障者処理件数)を訂正する。なお、カードIDが異なる場合は訂正を行わない。これは例えば、利用者が2つのICカードを所持し、誤って前回と異なるICカードを用いた場合に対応するためである。
【0052】
2)ステップS3での判定の結果、車種確認表示フラグ、身障者確認表示フラグのいずれか又は双方がONの場合は、変更の可能性があるため、次のように対応する。
係員が車種変更、身障者登録処理を完了した時、または変更が無いことを確認して確認ボタンを押下操作した時点で、初めてICカードの残額から今回の通行料金を引き去り、利用履歴の書き込み処理を実施する。
車種変更、身障者登録処理が実施された場合は、ICカードとの通信が可能となった時に、今回通信のカードIDと前回訂正前に通信したカードIDが同じことを確認して記録を訂正する。即ち、処理件数累計情報(車種変更の場合は決済車種欄、身障者登録の場合は身障者処理件数)を訂正する。なお、カードIDが異なる場合は訂正を行わない。これは例えば、利用者が2つのICカードを所持し、誤って前回と異なるICカードを用いた場合に対応するためである。
【0053】
(5)領収書の発行
領収書発行フラグがONの場合には処理完了時点で領収書を係員操作に関わらず自動的に発行する。
【0054】
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記実施形態に限られず拡張、変更することができ、拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、入口指定車種から車種を変更した履歴を出口システム20で記録しておき、これを用いて係員への確認等を促してもよい。
入口指定車種から車種を変更した場合に、例えば車種5→車種1のように記録しておき、ICカードの使用件数に対して車種の変更が高い割合で発生している場合には車種5を要注意車種として指定しておく。これは、車種によっては他の車種と誤認しやすいものがあることを考慮したものである。
そして、入口指定車種が車種5のときに係員に注意を促すための情報を表示する。係員は処理対象車両がこのような場合に相当するか否かを判定して、車種を訂正する。なお、場合により車種の自動補正を実施しても良い。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば係員による確認作業の誤りの発生を低減できるカード処理システムおよびカード処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である有料道路の料金収受システムの全体構成の一例を表すブロック図である。
【図2】 図1に示した入口システムの構成の一例を表す図である。
【図3】 図1に示した入口システムの機器の概略配置の一例を表す図である。
【図4】 図1に示した出口システムの構成の一例を表す図である。
【図5】 図1に示した出口システムの機器の概略配置の一例を表す図である。
【図6】 料金収受システムの動作手順の1例を表すブロック図である。
【符号の説明】
1…料金収受システム、5…係員ブース、10…入口システム、11…アンテナユニット、12…車種判別装置、13a…アンテナユニット、13…通行券発行装置、14…出口車線制御装置、15…路側表示装置、16…発進検知装置、17…発進制御装置、19…入口車線制御装置、20…出口システム、21…通行券確認装置、22…領収書発行装置、23…カード処理装置、23a…アンテナユニット、24…出口車線制御装置、25…アンテナユニット、26…料金表示装置、27…発進制御装置、28…発進検知装置、28a…車両分離器、28b…踏み板、30…通信回線、40…上位装置

Claims (11)

  1. 認識された車種を表す認識車種情報、および車種と処理件数との対応を表す車種処理件数情報をカードから読み取るカード読取部と、
    前記カード読取部が読み取った車種処理件数情報に基づいて、処理された車種が集中しているか否かを判断する車種集中判断部と、
    前記車種集中判断部が、処理された車種が集中していると判断した場合に、処理が集中した処理集中車種と前記認識車種情報が表す認識車種とが一致しているか否かを判断する車種一致判断部と、
    前記車種一致判断部が、前記処理集中車種と前記認識車種とが一致しないと判断した場合に、係員に対して車種の確認を促す表示を行う確認表示部と、
    を具備することを特徴とするカード処理システム。
  2. 前記車種集中判断部が、前記車種処理件数情報に基づき、処理件数が最大の件数最大車種の処理件数を導出し、導出した処理件数に基づき処理された車種が集中しているか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項1記載のカード処理システム。
  3. 前記車種集中判断部が、書き換え可能なテーブルに記録された基準値に基づき、処理された車種が集中しているか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項1記載のカード処理システム。
  4. 前記カード処理システムが、係員が車種を確認したことを表す確認情報を入力する確認入力部、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のカード処理システム。
  5. 前記カード処理システムが、前記確認入力部から確認情報が入力されるまで、利用者に待機を促す表示を行う待機表示部、
    をさらに具備することを特徴とする請求項4記載のカード処理システム。
  6. 前記カード処理システムが、前記確認入力部から入力された確認情報に基づき、車種処理件数情報を前記カードに記録するカード書込部と、をさらに具備することを特徴とする請求項4記載のカード処理システム。
  7. 割引処理の件数を表す割引件数情報をカードから読み取るカード読取部と、
    前記カード読取部が読み取った割引件数情報に基づいて、割引処理が高頻度か否かを判断する割引頻度判断部と、
    前記割引頻度判断部が、割引処理が高頻度であると判断した場合に、係員に対して割引処理の有無の確認を促す表示を行う表示部と、
    を具備することを特徴とするカード処理システム。
  8. 領収書を発行した件数を表す領収書発行件数情報を読み取るカード読取部と、
    前記カード読取部が読み取った領収書発行件数情報に基づいて、領収書発行処理が高頻度か否かを判断する領収書発行頻度判断部と、
    前記領収書発行頻度判断部が、領収書発行処理が高頻度であると判断した場合に、領収書を発行する領収書発行部と、
    を具備することを特徴とするカード処理システム。
  9. 認識された車種を表す認識車種情報、および車種と処理件数との対応を表す車種処理件数情報をカードから読み取るカード読取ステップと、
    前記カード読取部ステップで読み取られた車種処理件数情報に基づいて、処理された車種が集中しているか否かを判断する車種集中判断ステップと、
    前記車種集中判断ステップで、処理された車種が集中していると判断された場合に、処理が集中した処理集中車種と前記認識車種情報が表す認識車種とが一致しているか否かを判断する車種一致判断ステップと、
    前記車種一致判断ステップで、前記処理集中車種と前記認識車種とが一致しないと判断された場合に、係員に対して車種の確認を促す表示を行う確認表示ステップと、
    を具備することを特徴とするカード処理方法。
  10. 割引処理の件数を表す割引件数情報をカードから読み取るカード読取ステップと、
    前記カード読取ステップで読み取られた割引件数情報に基づいて、割引処理が高頻度か否かを判断する割引頻度判断ステップと、
    前記割引頻度判断ステップで、割引処理が高頻度であると判断された場合に、係員に対して割引処理の有無の確認を促す表示を行う表示ステップと、
    を具備することを特徴とするカード処理方法。
  11. 領収書を発行した件数を表す領収書発行件数情報を読み取るカード読取ステップと、
    前記カード読取ステップで読み取られた領収書発行件数情報に基づいて、領収書発行処理が高頻度か否かを判断する領収書発行頻度判断ステップと、
    前記領収書発行頻度判断ステップで、領収書発行処理が高頻度であると判断された場合に、領収書を発行する領収書発行ステップと、
    を具備することを特徴とするカード処理方法。
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