JP4011640B2 - 半導体レーザ,及び半導体レーザの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は半導体レーザ,及び半導体レーザの製造方法に関し、特に端面部分に窓構造を有する高光出力動作が可能な半導体レーザ,及び半導体レーザの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は本願発明者が特願平5-84738 号に提案した従来の半導体レーザの構造を示す断面図であり、図4(a) は半導体レーザ全体を示す斜視図、図4(b) は図1(a) のIVa−IVa断面における断面図,即ち半導体レーザの共振器長方向の断面図であり、図1(c) は図1(a) のIVb−IVb断面における断面図,即ち、リッジ構造領域を含む共振器幅方向の断面図である。図において、1はn型GaAs半導体基板、2は厚さが1.5〜2μmであるn型Al0.5 Ga0.5 As下クラッド層、3はAl0.05Ga0.95Asウエル層(図示せず)とアルミ組成比zが0.3〜0.35であるAlzGa1-zAsバリア層(図示せず)から構成されている活性層として機能する量子井戸構造で、両端に厚さ0.2〜0.3μmの上記バリア層と同じ組成の光ガイド層を備え、その間に厚さ約80オングストロームのウエル層と厚さ50〜80オングストロームのバリア層が交互に合わせて3層、即ちウエル層2層とバリア層1層が積層されて構成されている。4は厚さが0.2〜0.3μmであるp型Al0.5 Ga0.5 As第1上クラッド層、5は厚さが約200オングストロームであるp型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層、6は厚さが1.5〜2μmであるn型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層、7は厚さが2〜3μmのp型GaAs第2コンタクト層、8はp側電極、9はn側電極、10は厚さ0.8〜1.3μmのp型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層、11は厚さが約0.7μmのp型GaAs第1コンタクト層、12はリッジ構造で、n側電極9側の共振器幅方向の幅が約4μm,p側電極8側の共振器幅方向の幅が約5〜6μmとなるような逆台形形状に形成されており、その共振器長方向においてはリッジ構造12の端部がレーザ共振器端面に達しない長さとなるように形成されている。14はシリコン(Si)のイオン注入によりディスオーダされた量子井戸構造層、30は半導体レーザの発光領域、31は半導体レーザの窓構造領域、dはレーザ共振器長方向におけるレーザ共振器端面とリッジ構造12との距離、即ち非点収差を示している。また、このレーザ素子の大きさは、共振器長方向の長さが300〜600μm、幅が約300μmである。
【0003】
図5は従来の半導体レーザの製造方法を半導体レーザの1チップについて示す工程図であり、図において、図4と同一符号は同一又は相当する部分を示し、20aは絶縁膜,25はSiのイオン注入を示している。
【0004】
次に、製造方法を図5について説明する。n型GaAs半導体基板1上に、下クラッド層2、量子井戸構造層3、第1上クラッド層4、エッチングストッパ層5、第2上クラッド層10、及び第1コンタクト層11を順次エピタキシャル結晶成長させ、半導体積層構造を得る。成長後の半導体積層構造の斜視図を図5(a) に示す。次に、この半導体積層構造上の全面に絶縁膜20aを形成する。材質としてはSi3 N4 、SiO2 等を用いる。この絶縁膜を図5(b) に示すように、半導体レーザの共振器端面から約20μmの間隔をあけて、共振器幅方向の長さが約5〜6μmとなるようにストライプ状にパターニングする。
【0005】
この絶縁膜20aはリッジエッチングのマスクとして機能するもので、図5(c) に示すように、この絶縁膜20aをマスクとしてリッジ構造12が形成されるようエッチングを行う。このエッチングはp型GaAs第1コンタクト層11、p型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層10はエッチングできるが、p型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層5はエッチングされないような選択エッチャントを用いることにより、再現性良くリッジ構造12を形成できる。このようなエッチャントの例として酒石酸と過酸化水素の混合液が挙げられる。リッジ構造12を形成した後、エッチングにより露出した面の上方から量子井戸構造層3にシリコンのイオン注入25を行なう。このイオン注入は、半導体積層構造の上面に対して同時に行なわれるが、リッジ構造12の上部には絶縁膜20aが形成されており、この高さの分だけリッジ構造12の第1コンタクト層11の上面と絶縁膜20aの上面とが該絶縁膜20aにより離されているため、イオンはリッジ構造12には達せず、該リッジ構造12にはイオン注入がなされないが、リッジ構造12の下方領域以外の領域の量子井戸構造層3にはシリコンがイオン注入された領域が形成される。イオン注入しただけでは量子井戸構造層3にはディスオーダは起こらず、なんらかの熱処理によりシリコン原子を結晶中で拡散させて初めてディスオーダが生じるので、イオン注入後、半導体積層構造をアニールするか、又はこの工程以後の結晶成長時の熱を利用して該半導体積層構造を加熱することによって、シリコン原子が拡散され、ディスオーダされた量子井戸構造層14が形成される。このディスオーダされた量子井戸構造層14のレーザ共振器端面近傍部が窓構造として機能する窓構造領域31となる。ここでは、まず、アニールを行いディスオーダされた量子井戸構造層14を形成する。次に、図5(d) のように、リッジ構造12を埋め込むようにn型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層6を選択成長させる。なお、リッジ部分12上には、上記絶縁膜20が結晶成長時のマスクともなるため、結晶成長はおこらない。次に、ウエットあるいはドライエッチングにより絶縁膜20を除去した後、さらにp型GaAs第2コンタクト層7を結晶成長し、n型GaAs半導体基板1側にn側電極9、p型GaAs第2コンタクト層7側にp側電極8を形成し、図4(a) に示す窓構造を有する半導体レーザが得られる。
【0006】
次に動作について説明する。図4(a) に示すリッジ構造を有する半導体レーザ15において、n型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層6により埋め込まれている領域では、p型AlGaAs第1上クラッド層4と、n型電流ブロック層6と、p型GaAs第2コンタクト層7との間でそれぞれpnp接合が形成されており、p側電極108側が正になるよう電圧を印加しても、該ブロック層6を有する領域には上記pnp接合のうちのいずれかの接合が逆バイアスとなるため電流は流れない。つまりn型電流ブロック層6は文字通り電流をブロックする機能を果たすものとなる。よって、p側電極8側に正、n側電極9側に負となるように電圧を印加すると、ホールはリッジ構造12のp型第1コンタクト層11、p型第2上クラッド層10、p型AlGaAs第1上クラッド層6を経てリッジ構造12下部の量子井戸構造層3に、また電子はn型GaAs半導体基板1、n型AlGaAsクラッド層2を経て、量子井戸構造層3に集中して注入され、該量子井戸構造層内で電子とホールの再結合が発生し、誘導放出光が生ずる。そしてキャリアの注入量を十分高くして導波路の損失を越える光が発生すればレーザ発振が生ずる。
【0007】
ここで、リッジ構造12が形成されている領域、即ち、レーザ光が生ずる発光領域30に導波される光について説明する。半導体レーザの縦方向、つまり基板1の成長面と垂直な方向では、活性層となる量子井戸構造層3は、該量子井戸構造層3よりもバンドギャップエネルギーが大きい第2上クラッド層10と下クラッド層2により挟み込まれているため、半導体レーザの縦方向に屈折率分布が生じ、光は量子井戸構造層3近傍に閉じ込められて量子井戸構造層3に沿って導波される。また、半導体レーザの横方向、即ち共振器幅方向においては、リッジ構造12の両側の領域には、該リッジ構造12を構成するp型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層10よりもバンドギャップエネルギーの大きいn型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層6が上記リッジ構造12を挟みこむように形成されているため、半導体レーザの横方向において屈折率分布が生じ、レーザ光は第2上クラッド層10と電流ブロック層6との屈折率差により横方向に閉じ込められ、リッジ構造12に沿って導波される。
【0008】
次に窓構造について説明する。一般にコンパクトディスク(CD)等の光ディスク装置の光源として用いられる0.8μm帯の波長のレーザ光を発するAlGaAs系の半導体レーザでは、その最大光出力は、レーザ共振器端面破壊が発生する光出力で決定される。即ち、端面破壊は、端面領域の表面凖位の影響で端面近傍のバンドギャップエネルギーが実効的に大きくなることによって生じるレーザ光の吸収によって発生した熱で、半導体レーザの量子井戸構造層を構成する結晶自体が溶融するために発生するものであり、この端面破壊が発生すると共振器の機能を果たさなくなるからである。よって高光出力動作を実現するためには、より高い光出力でも端面破壊が生じない工夫が必要である。このためには端面領域でレーザ光を吸収しにくくする構造、つまりレーザ光に対して“透明”となるような窓構造を設けることが非常に有効である。この窓構造は、端面近傍の領域のバンドギャップエネルギーがレーザ光を発する量子井戸構造層のバンドキャップエネルギーよりも高くなるようにして形成される。図4(a) に示す従来の半導体レーザ15においては、活性層が量子井戸構造層3となっており、このレーザ共振器端面近傍の量子井戸構造層3の近傍部はSiのイオン注入によりディスオーダされており、このディスオーダはSi等の不純物を拡散させることにより、量子井戸構造層3を構成する厚さの非常に薄い各層の構成原子を混じりあわせてほぼ均一な組成の層とするもので、ディスオーダされた領域の量子井戸構造層14は、その他の領域の量子井戸構造層3よりも実効的なバンドギャップエネルギーが大きくなる。このため、上記従来の半導体レーザにおいては、レーザ光の導波路となるリッジ構造12の下方の量子井戸構造層3よりもレーザ共振器端面近傍の量子井戸構造層のほうがバンドギャップエネルギーが大きくなっており、この端面近傍が窓構造として機能する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の窓構造を有するリッジ構造の半導体レーザは以上のように構成されており、レーザ共振器端面破壊を防止するには非常に有効であるが、以下のような問題があった。すなわち、半導体レーザの縦方向においては、発光領域30と、窓構造領域31とのいずれの領域においても、活性層である量子井戸構造層3は、該量子井戸構造層3よりもバンドギャップエネルギーの大きいn型Al0.5 Ga0.5 As下クラッド層2とp型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層10とにより,または上記上クラッド層2とn型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層6とにより挟み込まれているため、縦方向の屈折率分布が存在しており、これによりレーザ光は半導体レーザの端面に達するまで量子井戸構造層3に沿って広がらずに進み、レーザ端面から出射された時点で広がりながら出射される。
【0010】
また、半導体レーザ15の横方向においては、発光領域30は、上述したように、リッジ構造12を構成するp型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層10の両側部に、該第2上クラッド層10よりもバンドギャップエネルギーの大きいn型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層6が設けられているので、横方向に屈折率分布が生じ、第2上クラッド層10の下方の領域に光が閉じ込められて、リッジ構造12の下方の量子井戸構造層3において発生した光はリッジ構造12に沿って導波される。
【0011】
しかしながら、窓構造領域31においては、光が導波されるリッジ構造12の延長上の領域にも、導波路領域以外の領域と,同じ電流ブロック層6が形成されており、横方向においては屈折率分布が存在しないため、横方向の屈折率分布の存在する発光領域30では、横方向に閉じ込められて広がらずに導波されたレーザ光が、該窓構造領域31では横方向に広がりながら導波される。この結果、縦方向と横方向においてレーザ光の広がり始める地点が異なり、リッジ端部とレーザ端面との距離の非点収差dが発生する。通常の半導体レーザを用いた装置においては、半導体レーザから出射された光をレンズにより集光してスポット径の非常に小さい光として利用されることが多く、このような場合においては、スポット径を微細なものとすることが望まれるが、このような非点収差dが発生すると、上記レーザ出射光を集光するレンズの焦点が半導体レーザの縦方向と横方向とで非点収差分だけずれてしまうため、縦方向と横方向の焦点を同時に合わせることができず、結果的にスポット径の大きなレーザ光しか得られないという問題があった。
【0012】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、窓構造を有しており、かつ、スポット径の小さなレーザ光を得ることができる半導体レーザ、及び半導体レーザの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体レーザは、第1導電型の半導体基板上に配置された第1導電型下クラッド層と、この下クラッド層上に配置された、バリア層とウエル層が交互に積層されてなる量子井戸構造活性層と、レーザ共振器端面近傍の上記量子井戸構造活性層に、不純物の導入により形成されたディスオーダ領域と、この量子井戸構造活性層上に配置された第2導電型の第1上クラッド層と、この第1上クラッド層上に配置された、半導体レーザの共振器長方向に伸びる、そのレーザ共振器端面近傍を除いた領域部分が、第2導電型の第2上クラッド層と、該第2上クラッド層上に配置された第2導電型の第1コンタクト層とからなり、そのレーザ共振器端面近傍の領域部分が、上記第2上クラッド層と材料が同じで上記第2上クラッド層と高さが同じである第1導電型の第1の半導体層と、この第1の半導体層上に配置された上記第1コンタクト層と材料が同じである第1導電型の第2の半導体層とからなる、レーザ共振器端面に達する長さのリッジ構造と、上記第1上クラッド層上に上記リッジ構造を埋め込むように配置された上記第2上クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい第1導電型電流ブロック層と、この電流ブロック層,及び上記リッジ構造上に配置された第2導電型第2コンタクト層とを備えたものである。
【0014】
また、上記半導体レーザにおいて、上記半導体基板をn型GaAsとし、上記下クラッド層をn型AlxGa1-xAs(x>0)とし、上記量子井戸構造活性層を、AlyGa1-yAs(y>0)バリア層とAlzGa1-zAs(y>z≧0)ウエル層とにより構成された、その実効的なバンドギャップエネルギーが上記下クラッド層よりも小さいものとし、上記第1,第2の上クラッド層を、実効的なバンドギャップエネルギーが上記量子井戸構造活性層よりも大きいp型AlwGa1-wAsとし、上記第1,第2のコンタクト層をp型GaAsとし、上記第1の半導体層をn型AlwGa1-wAsとし、上記第2の半導体層をn型GaAsとし、上記電流ブロック層をn型AlvGa1-vAs(v>w)としたものである。
【0015】
また、この発明に係る半導体レーザの製造方法は、第1導電型の半導体基板上に、第1導電型下クラッド層と、バリア層とウエル層が交互に積層されてなる量子井戸構造活性層と、第2導電型の第1上クラッド層と、第2導電型の第2上クラッド層と、第2導電型の第1コンタクト層とを順次エピタキシャル成長させ、この第1コンタクト層上のレーザ共振器端面近傍となる領域上を除いたレーザ発光領域となる領域を含む領域上に第1の絶縁膜を形成し、これをマスクとして、レーザ共振器端面近傍となる領域上の上記第1コンタクト層及び第2上クラッド層を第1の除去工程により除去し、この第1の除去工程により除去された領域の下方の量子井戸構造活性層に、上記第2上クラッド層上から該第2上クラッド層の導電型を反転させない濃度で不純物のイオン注入を行った後、このイオン注入領域の量子井戸構造活性層を熱処理によりディスオーダさせ、上記第1の絶縁膜をマスクとして、上記第1の除去工程により除去された領域を埋め込むように、該第2上クラッド層と同じ材料からなる第1導電型の第1半導体層を、上記第2上クラッド層と同じ高さに再結晶成長させ、さらに、上記第1半導体層上に、上記第1の絶縁膜をマスクとして、該第1コンタクト層と同じ材料からなる第1導電型の第2半導体層を、上記第1コンタクト層と同じ高さに再結晶成長させ、上記第1の絶縁膜を除去した後、上記第1コンタクト層のレーザ発光領域となる領域上の領域を含むよう、上記第1コンタクト層上,及び第2半導体層上に、レーザ共振器端面に達する長さのストライプ状の第2の絶縁膜を形成し、これをマスクとして、上記第1コンタクト層,第2半導体層,第2上クラッド層,及び第1半導体層を第2の除去工程により除去してリッジ構造を形成した後、上記第2の除去工程で露出した上記第1上クラッド層上に、上記リッジ構造を埋め込むように上記第2上クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい第1導電型の電流ブロック層を形成し、さらに、上記第2の絶縁膜を除去した後、上記リッジ構造上,及び電流ブロック層上に第2導電型の第2コンタクト層を形成するようにしたものである。
【0016】
また、上記半導体レーザの製造方法において、上記半導体基板をn型GaAsとし、上記下クラッド層をn型AlxGa1-xAs(x>0)とし、上記量子井戸構造活性層を、AlyGa1-yAs(y>0)バリア層とAlzGa1-zAs(y>z≧0)ウエル層とにより構成された、その実効的なバンドギャップエネルギーが上記下クラッド層よりも小さいものとし、上記第1,第2の上クラッド層を、実効的なバンドギャップエネルギーが上記量子井戸構造活性層よりも大きいp型AlwGa1-wAsとし、上記第1,第2のコンタクト層をp型GaAsとし、上記第1の半導体層をn型AlwGa1-wAsとし、上記第2の半導体層をn型GaAsとし、上記電流ブロック層をn型AlvGa1-vAs(v>w)としたものである。
【0017】
また、上記半導体レーザの製造方法において、上記第2導電型の第1上クラッド層と第2導電型の第2上クラッド層との間に第2導電型エッチングストッパ層をエピタキシャル成長させる工程をさらに含み、上記第1の除去工程を、上記第1の絶縁膜をマスクとして、上記第1コンタクト層及び第2上クラッド層を上記エッチングストッパ層まで選択的にエッチングして行なうようにし、上記第2の除去工程を、上記第2の絶縁膜をマスクとして、上記第1コンタクト層,第2半導体層,第2上クラッド層,及び第1半導体層を上記エッチングストッパ層まで選択的にエッチングして行なうようにしたものである。
【0018】
【作用】
この発明においては、第1導電型の半導体基板上に配置された第1導電型下クラッド層と、この下クラッド層上に配置された、バリア層とウエル層が交互に積層されてなる量子井戸構造活性層と、レーザ共振器端面近傍の上記量子井戸構造活性層に、不純物の導入により形成されたディスオーダ領域と、この量子井戸構造活性層上に配置された第2導電型の第1上クラッド層と、この第1上クラッド層上に配置された、半導体レーザの共振器長方向に伸びる、そのレーザ共振器端面近傍を除いた領域部分が、第2導電型の第2上クラッド層と、該第2上クラッド層上に配置された第2導電型の第1コンタクト層とからなり、そのレーザ共振器端面近傍の領域部分が、上記第2上クラッド層と材料が同じで上記第2上クラッド層と高さが同じである第1導電型の第1の半導体層と、この第1の半導体層上に配置された上記第1コンタクト層と材料が同じである第1導電型の第2の半導体層とからなる、レーザ共振器端面に達する長さのリッジ構造と、上記第1上クラッド層上に上記リッジ構造を埋め込むように配置された上記第2上クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい第1導電型電流ブロック層とを備えたから、上記量子井戸構造活性層のレーザ共振器端面近傍の領域をその他の領域よりもそのバンドギャップエネルギーを大きくして、これを窓構造とすることができるとともに、該窓構造が形成された領域においても横方向の屈折率分布を得ることができ、レーザ光を共振器端面間の全体のリッジ構造の下方にて横方向に閉じ込めることができ、レーザの縦方向と横方向の屈折率分布の有無による非点収差をなくすことができる。
【0019】
また、この発明においては、上記半導体基板をn型GaAsとし、上記下クラッド層をn型AlxGa1-xAs(x>0)とし、上記量子井戸構造活性層を、AlyGa1-yAs(y>0)バリア層とAlzGa1-zAs(y>z≧0)ウエル層とにより構成された、その実効的なバンドギャップエネルギーが上記下クラッド層よりも小さいものとし、上記第1,第2の上クラッド層を、その実効的なバンドギャップエネルギーが上記量子井戸構造活性層よりも大きいp型AlwGa1-wAsからなるものとし、上記第1コンタクト層をp型GaAsとし、上記第1の半導体層をn型AlwGa1-wAsとし、上記第2の半導体層をn型GaAsとし、上記電流ブロック層をn型AlvGa1-vAs(v>w)としたから、レーザ共振器端面近傍に窓構造を形成できるとともに、該窓構造が形成された領域においても横方向に屈折率分布を形成することができ、レーザ光を共振器端面間の全体のリッジ構造の下方にて横方向に閉じ込めることができ、レーザの縦方向と横方向の屈折率分布の有無の差による非点収差をなくすことができる。
【0020】
また、この発明においては、第1導電型の半導体基板上に、第1導電型下クラッド層と、バリア層とウエル層が交互に積層されてなる量子井戸構造活性層と、第2導電型の第1上クラッド層と、第2導電型の第2上クラッド層と、第2導電型の第1コンタクト層とを順次エピタキシャル成長させ、この第1コンタクト層上のレーザ共振器端面近傍となる領域上を除いたレーザ発光領域となる領域を含む領域上に第1の絶縁膜を形成し、これをマスクとして、レーザ共振器端面近傍となる領域上の上記第1コンタクト層及び第2上クラッド層を第1の除去工程により除去し、この第1の除去工程により除去された領域の下方の量子井戸構造活性層に、上記第2上クラッド層上から該第2上クラッド層の導電型を反転させない濃度で不純物のイオン注入を行った後、このイオン注入領域の量子井戸構造活性層を熱処理によりディスオーダさせ、上記第1の絶縁膜をマスクとして、上記第1の除去工程により除去された領域を埋め込むように、該第2上クラッド層と同じ材料からなる第1導電型の第1半導体層を、上記第2上クラッド層と同じ高さに再結晶成長させ、さらに、上記第1半導体層上に、上記第1の絶縁膜をマスクとして、該第1コンタクト層と同じ材料からなる第1導電型の第2半導体層を、上記第1コンタクト層と同じ高さに再結晶成長させ、上記第1の絶縁膜を除去した後、上記第1コンタクト層のレーザ発光領域となる領域上の領域を含むよう、上記第1コンタクト層上,及び第2半導体層上に、レーザ共振器端面に達する長さのストライプ状の第2の絶縁膜を形成し、これをマスクとして、上記第1コンタクト層,第2半導体層,第2上クラッド層,及び第1半導体層を第2の除去工程により除去してリッジ構造を形成した後、上記第2の除去工程で露出した上記第1上クラッド層上に、上記リッジ構造を埋め込むように上記第2上クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい第1導電型の電流ブロック層を形成するようにしたから、上記量子井戸構造活性層のレーザ共振器端面近傍の領域をその他の領域よりもそのバンドギャップエネルギーを大きくして、これを窓構造とすることができるとともに、該窓構造が形成された領域においても横方向の屈折率分布を得ることができ、レーザ光を共振器端面間の全体のリッジ構造の下方にて横方向に閉じ込めることができ、レーザの縦方向と横方向の屈折率分布の有無による非点収差をなくすことができる。
【0021】
また、この発明においては、上記半導体基板をn型GaAsとし、上記下クラッド層をn型AlxGa1-xAs(x>0)とし、上記量子井戸構造活性層を、AlyGa1-yAs(y>0)バリア層とAlzGa1-zAs(y>z≧0)ウエル層とにより構成された、その実効的なバンドギャップエネルギーが上記下クラッド層よりも小さいものとし、上記第1,第2の上クラッド層を、実効的なバンドギャップエネルギーが上記量子井戸構造活性層よりも大きいp型AlwGa1-wAsからなるものとし、上記第1コンタクト層をp型GaAsとし、上記第1の半導体層をn型AlwGa1-wAsとし、上記第2の半導体層をn型GaAsとし、上記電流ブロック層をn型AlvGa1-vAs(v>w)としたから、レーザ共振器端面近傍に窓構造を形成できるとともに、該窓構造が形成された領域においても横方向の屈折率分布を得ることができ、レーザ光を共振器端面間の全体のリッジ構造の下方にて横方向に閉じ込めることができ、レーザの縦方向と横方向の屈折率分布の有無による非点収差をなくすことができる。
【0022】
また、この発明においては、上記第2導電型の第1上クラッド層と第2導電型の第2上クラッド層との間に第2導電型エッチングストッパ層をエピタキシャル成長させる工程をさらに含み、上記第1の除去工程を、上記第1の絶縁膜をマスクとして、上記第1コンタクト層及び第2上クラッド層を上記エッチングストッパ層まで選択的にエッチングして行なうようにし、上記第2の除去工程を、上記第2の絶縁膜をマスクとして、上記第1コンタクト層,第2半導体層,第2上クラッド層,及び第1半導体層を上記エッチングストッパ層まで選択的にエッチングして行なうようにしたから、制御性よく容易にエッチングを行なうことができる。
【0023】
【実施例】
実施例1.
図1は本発明の第1の実施例による半導体レーザの構造を示す断面図であり、図1(a) は半導体レーザ全体を示す斜視図、図1(b) は図1(a) のIa−Ia断面における断面図,即ち半導体レーザの共振器長方向の断面図であり、図1(c) は図1(a) のIb−Ib断面における断面図,即ちリッジ構造領域を含む共振器幅方向の断面図である。図において、1はn型GaAs半導体基板、2は厚さが1.5〜2μmであるn型Al0.5 Ga0.5 As下クラッド層、3はAl0.05Ga0.95Asウエル層(図示せず)とアルミ組成比zが0.3〜0.35であるAlzGa1-zAsバリア層(図示せず)から構成されている活性層として機能する量子井戸構造層で、両端に厚さ0.2〜0.3μmの上記バリア層と同じ組成の光ガイド層を備え、その間に厚さ約80オングストロームのウエル層と厚さ50〜80オングストロームのバリア層が交互に3層、即ちウエル層2層とバリア層1層が積層されて構成されている。4は厚さが0.05〜0.5μmであるp型Al0.5 Ga0.5 As第1上クラッド層、5は厚さが約200オングストロームであるp型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層、6は厚さが1.5〜2μmであるn型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層、7は厚さが2〜3μmのp型GaAs第2コンタクト層、8はp側電極、9はn側電極、10は厚さ0.8〜1.3μmのp型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層、11は厚さが約0.7μmのp型GaAs第1コンタクト層、22はリッジ構造で、n側電極9側の共振器幅方向の幅が約4μm,p側電極8側の共振器幅方向の長さが約5〜6μmとなるような逆台形形状に形成されており、その共振器長方向においてはその端部がレーザ共振器端面に達する長さに形成されており、そのレーザ共振器端面近傍以外の領域はp型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層10と該第2上クラッド層10上に形成されたp型GaAsコンタクト層11とにより構成され、そのレーザ共振器端面近傍部分は上記p型第2上クラッド層10と組成が等しく導電型が反対であるn型Al0.5 Ga0.5 As第1埋込み層10aと、該第1埋込み層10a上に形成された、上記p型第1コンタクト層11と組成が等しく導電型が反対であるn型GaAs第2埋込み層11aとにより構成されている。14はシリコン(Si)のイオン注入によりディスオーダされた量子井戸構造層3を示している。本実施例の半導体レーザの大きさは共振器長方向の長さが300〜600μm、幅が約300μmとなっている。
【0024】
図2は本実施例1の半導体レーザの製造方法を半導体レーザの1チップについて示す工程図であり、図において、図1と同一符号は、同一又は相当する部分を示し、20は第1の絶縁膜,21は第2の絶縁膜、25はSiのイオン注入、32は台状構造で、その共振器幅方向の長さは、上記第1のリッジ構造よりも長く、その共振器長方向の長さは、上記第2上クラッド層10と第1コンタクト層11の共振器長方向の長さと等しく、この台状構造32のレーザ出射端面側の端部とレーザ出射端面との距離は両側とも約20μmとなっている。
【0025】
次に、製造方法について説明する。まず、n型GaAs半導体基板1上に、n型Al0.5 Ga0.5 Asクラッド層2、量子井戸構造層3、p型Al0.5 Ga0.5 As第1上クラッド層4、p型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層5、p型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層10、p型GaAs第1コンタクト層11を順次エピタキシャル結晶成長させて、半導体積層構造を得る。成長後の半導体積層構造の斜視図を図2(a) に示す。
【0026】
続いて、半導体積層構造の上面にSi3 N4 、SiO2 等の絶縁膜20を形成し、該絶縁膜20に窓構造領域31とする領域で一部途切れているストライプ形状のパターニングを行なう。このストライプ状の絶縁膜20の幅は、その後工程で形成するリッジ構造22の幅よりも広い値となるようにする。この絶縁膜20はエッチングのマスクとして機能する。図2(b) に絶縁膜20のパターニング後の斜視図を示す。
【0027】
次にこの絶縁膜20をマスクとしてエッチングを行なう。このエッチングによりp型GaAs第1コンタクト層11、p型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層10のみをエッチングし、p型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層5でエッチングを止めて、台状構造32を形成する。このエッチングストッパ層5はエッチング時にエッチングをこの層5でストップさせる機能を有するもので、p型GaAs第1コンタクト層7とp型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層6をエッチングし、p型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層5でストップするような選択エッチングとしては、酒石酸と過酸化水素の混合液を用いることによってこれを実現できる。さらに、図2(c) に示すように、上記エッチングの後に、上記エッチングにより除去した領域から量子井戸構造層3にイオン注入25を行う。ここで、ディスオーダを生じさせるためのイオン種としてはSiが適当である。この結果、第1のリッジ構造32の下部領域以外の量子井戸構造層3にはSiイオンが注入された領域が形成される。なお、このイオン注入は上記半導体積層構造の上面の全領域に対して行なわれるが、台状構造32に対しては、これはその上部に絶縁膜20を有しており、その表面の第1コンタクト層11と絶縁膜20の表面との間には絶縁膜20の厚さ分だけの距離があるため、イオン注入が行なわれない。ここで、イオン注入しただけでは量子井戸構造層3のディスオーダは起こらず、なんらかの熱処理によりSi原子を結晶中で拡散させて始めてディスオーダが生じる。この熱処理としてはウエハにAs圧をかけながら700℃以上でアニールする方法が一般的である。このような熱処理を行なうことで、量子井戸構造層3ではSiが拡散しウエル層のディスオーダが生じて、そのSiイオンが注入された領域がディスオーダされた量子井戸構造層領域14となり、このディスオーダされた領域14の実効的バンドギャップエネルギーは、台状構造32の下方に位置するディスオーダされていない量子井戸構造層3の領域のバンドギャップエネルギーよりも大きくなり、このディスオーダされた量子井戸構造層領域14のレーザ共振器端面近傍がレーザ光の窓構造部として機能する窓構造領域31となる。ここで、本実施例では、台状構造32以外の領域の半導体積層構造の表面から量子井戸構造層3までの距離、すなわちp型Al0.5 Ga0.5 As第1上クラッド層4の層厚は上述したように0.05〜0.5μmであるので、イオン注入時の加速電圧は60〜600keV程度とする。また、このイオン注入は、上記第1上クラッド層4の導電型がイオン注入によって反転させないような条件に設定する。
【0028】
その後、第1の絶縁膜20を選択成長マスクとしてn型Al0.5 Ga0.5 As第1埋込み層10a,及びn型GaAs第2埋込み層11aを、それぞれp型第2上クラッド層10,及びp型第1コンタクト層11と同じ高さとなるように成長させる。図2(d) はその埋込み成長後の斜視図である。この選択成長後、第1の絶縁膜20を除去する。除去方法としてはフッ酸系エッチャントによるウェットエッチングあるいはCF4 ガスによるドライエッチング等の方法が挙げられる。
【0029】
次に、再度、半導体積層構造全面に第2の絶縁膜21を形成し、幅約5〜6μmのストライプ状にパターニングする。その材質としてはSi3 N4 、SiO2 等が用いられる。この第2の絶縁膜21のストライプは、上記第1コンタクト層11上を経てレーザ共振器端面に達するよう伸びている。この絶縁膜16はリッジエッチングのマスクとして機能する。図2(e) に絶縁膜16のパターニング後の斜視図を示す。
【0030】
続いて、この絶縁膜16をリッジエッチングのマスクとして再度選択エッチングを行ない、第2のリッジ構造22を形成する。このエッチングにおいても、上記台状構造32を形成する際のエッチングと同様に、第1コンタクト層10,第2上クラッド層11,n型Al0.5 Ga0.5 As第1埋込み層10a,及びn型GaAs第2埋込み層10bをエッチングし、p型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層5でエッチングを止める。よってエッチングストッパ層5は2度のエッチングのストッパ層として機能する。図2(f) にエッチング後の斜視図を示す。
【0031】
さらに、図2(g) に示すように、第2の絶縁膜21をマスクとして選択再成長を行い、リッジ構造22を埋め込むようにn型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層6を形成する。この時、リッジ構造22部分に対しては上記第2の絶縁膜21が結晶成長時のマスクとなり、この上には結晶成長は行なわれない。
【0032】
最後に、図示していないが、ウェットあるいはドライエッチングにより第2の絶縁膜21を除去した後、さらにp型GaAs第2コンタクト層11を結晶成長し、n型GaAs半導体基板1側にn側電極13、p型GaAs第2コンタクト層11側にp側電極12を形成することにより、図1(a) に示すような窓構造を有する半導体レーザが得られる。
【0033】
次に動作について説明する。図1(a) に示すリッジ構造を有する半導体レーザ16において、ストライプ状のリッジ構造22が形成されている領域以外の領域である、n型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層6が形成されている領域では、p型Al0.5 Ga0.5 As第1上クラッド層4と,n型電流ブロック層6と,p型GaAs第2コンタクト層7との間でpnp接合が形成されており、p側電極8側が正になるよう電圧を印加しても上記pnp接合のうちのいずれかの接合が逆バイアスとなるため電流は流れない。つまり、n型電流ブロック層6は文字通り電流をブロックする機能を果たすものとなる。また、リッジ構造22のレーザ共振器端面近傍においては、p型Al0.5 Ga0.5 As第1上クラッド層4と、n型GaAs第2埋込み層11a及びn型Al0.5 Ga0.5 As第1埋込み層と、p型GaAs第2コンタクト層7との間でpnp接合か形成されており、よって、p側電極8側に正、n側電極9側に負となるように電圧を印加すると、ホールはp側電極8より、リッジ構造22の共振器端面近傍を除いた領域であるp型第1コンタクト層11、p型第2上クラッド層10、p型第1上クラッド層6を経てリッジ構造22の下方に位置する量子井戸構造層3へ、また電子はn側電極9よりn型GaAs半導体基板1、n型AlGaAs下クラッド層2を経て、リッジ構造22の下部の量子井戸構造層3に注入され、リッジ構造22のp型第2上クラッド層10下部の量子井戸構造層3内で電子とホールの再結合が発生し、誘導放出光が生ずる。そしてキャリアの注入量を十分高くして導波路の損失を越える光が発生すればレーザ発振が生ずる。これにより、p型第2上クラッド層10の下方の領域がこの半導体レーザの発光領域30となる。
【0034】
本実施例の半導体レーザにおいては、レーザ共振器端面近傍のディスオーダされた量子井戸構造層14が、発光領域30の量子井戸構造層3よりも大きなバンドギャップエネルギーを有するものとなっているため、該ディスオーダされた量子井戸構造層14のレーザ端面近傍の領域においては、レーザ光が吸収されず、このディスオーダされた量子井戸構造層14のレーザ共振器端面近傍が窓構造部として機能する。これにより、レーザ光の吸収による端面破壊を防ぐことができ、通常の窓構造部を有しない半導体レーザの2〜3倍の光出力でも充分実用に耐え得る高信頼性の半導体レーザを得ることができる。
【0035】
ここで、この半導体レーザは、その縦方向,即ち半導体基板1の成長面と垂直な方向については、リッジ構造22の下方に位置する量子井戸構造層3は、その発光領域30部分がp型Al0.Ga0.5 As第2上クラッド層10とn型Al0.Ga0.5 As下クラッド層2により挟み込まれ、また、その窓構造領域31部分がn型Al0.Ga0.5 As第1埋込み層10aとn型Al0.Ga0.5 As下クラッド層2により挟み込まれて、そのいずれの領域も上下をバンドギャップエネルギーの大きい半導体層で挟み込まれた構造となっている。このため、この半導体レーザ16はその縦方向において屈折率分布を生じ、レーザ光はその縦方向において量子井戸構造層3近傍に閉じ込められて量子井戸構造層3に沿って、広がらずに導波されレーザ共振器端面より出射される。
【0036】
また、この半導体レーザ16は、その横方向、即ち共振器幅方向については、まず、上記発光領域30では、リッジ構造22の共振器幅方向の両側の領域にはリッジ構造22を構成するp型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層10よりもバンドギャップエネルギーの大きいn型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層6が形成されているため、リッジ構造22下方の量子井戸構造層3とその両側の量子井戸構造層3とにわたって屈折率分布が生じ、リッジ構造22の下部の量子井戸構造層3において発生したレーザ光は、第2上クラッド層10と電流ブロック層6との屈折率差によりリッジ構造22の下方に閉じ込められ、リッジ構造22に沿って広がらずに導波される。一方、リッジ構造22のn型Al0.Ga0.5 As第1埋込み層10aにより構成される領域, 即ち窓構造領域31では、リッジ構造22の共振器幅方向の両側の領域には、リッジ構造22を構成するn型Al0.5 Ga0.5 As第1埋込み層よりもバンドギャップエネルギーの大きいn型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層6が形成されているため、量子井戸構造層3のリッジ構造22の下部の領域とその両側の領域とにわたって屈折率分布が生じ、発光領域30において発生した光は、窓構造領域31においてもリッジ構造22の下方に閉じ込められてリッジ構造22に沿って、広がらずに導波され、レーザ共振器端面から出射される。このため、従来の半導体レーザにおいては、縦方向と横方向において非点収差が存在し、レーザ光が縦方向においてはレーザ共振器端面より広がって出射され、横方向においては窓構造領域より広がって導波および出射されてしまい、スポット径を小さくすることができなかったが、本実施例においては、このような非点収差をなくして、レーザ光を半導体レーザの内部においては縦方向と横方向ともに広がらないように導波させて、レーザ共振器端面から出射させることができ、縦方向と横方向ともにレーザ光の焦点を合わせることができ、スポット径を小さくすることができる。
【0037】
なお、発光領域30上のリッジ構造22と、窓構造領域31上のリッジ構造22とは、バンドギャップエネルギーの等しい材料により構成されているため、レーザ特性に影響を与えることはない。
【0038】
このように本発明の第1の実施例では、レーザ共振器端面近傍の活性層である量子井戸構造層3をディスオーダするとともに、レーザ共振器端面近傍領域がn型Al0.5 Ga0.5 As第1埋込み層10aと、その上のn型GaAs第2埋込み層11aからなり、その他の領域がp型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層10と、その上のp型GaAs第1コンタクト層11からなるリッジ構造22を設け、このリッジ構造22を上記n型Al0.5 Ga0.5 As第1埋込み層10a,及びp型Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層10よりもバンドギャップエネルギーの大きいn型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層6で埋め込む構成としたから、レーザ共振器端面近傍の量子井戸構造層のバンドギャップエネルギーを発光領域の量子井戸構造層のバンドギャップエネルギーよりも大きくして窓構造を形成できるととともに、レーザの縦方向と横方向の屈折率分布の有無の差による非点収差をなくすことができ、窓構造を備えた、スポット径の小さい半導体レーザを提供することができる効果がある。
【0039】
実施例2.
図3は本発明の第2の実施例による半導体レーザの製造方法の主要工程を示す斜視図であり、図において、図2と同一符号は同一または相当する部分を示しており、42は絶縁膜である。
【0040】
本実施例2は、上記実施例1において示した半導体レーザの製造方法において、台状構造32を形成する代わりに、図3に示すように、レーザ共振器端面近傍に開口部を有する絶縁膜42をマスクとして、半導体積層構造を選択的にエッチングストッパ層5に達するまでエッチングし、該エッチングにより除去された領域にSiイオン注入25を行い、量子井戸構造層をディスオーダした後、上記エッチングにより除去した領域にn型Al0.5 Ga0.5 As第1埋込み層10aとn型GaAs第2埋込み層11aとを形成し、上記図2(e) に示す工程以降と同様の工程により半導体レーザを形成するようにしたものであり、このような実施例においても、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
なお、上記実施例1,2においては半導体基板としてn型の基板を用いるようにしたが、本発明はp型の基板を用いた場合においても適用できるものであり、このような場合においても上記実施例と同様の効果を奏する。
【0042】
また、上記実施例1,2においては、活性層である量子井戸構造層として3層構造の量子井戸構造層を用いるようにしたが、本発明は例えば多重量子井戸構造層等のその他の構造の量子井戸構造層にも適用できるものであり、このような場合においても上記実施例と同様の効果を奏する。
【0043】
さらに、上記実施例1,2においては、AlGaAs系材料を用いた半導体レーザについて説明したが、本発明はその他のInP系等の材料を用いた半導体レーザについても適用できるものであり、このような場合においても上記実施例と同様の効果を奏する。
【0044】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、第1導電型の半導体基板上に配置された第1導電型下クラッド層と、この下クラッド層上に配置された、バリア層とウエル層が交互に積層されてなる量子井戸構造活性層と、レーザ共振器端面近傍の上記量子井戸構造活性層に、不純物の導入により形成されたディスオーダ領域と、この量子井戸構造活性層上に配置された第2導電型の第1上クラッド層と、この第1上クラッド層上に配置された、半導体レーザの共振器長方向に伸びる、そのレーザ共振器端面近傍を除いた領域部分が、第2導電型の第2上クラッド層と、該第2上クラッド層上に配置された第2導電型の第1コンタクト層とからなり、そのレーザ共振器端面近傍の領域部分が、上記第2上クラッド層と材料が同じで上記第2上クラッド層と高さが同じである第1導電型の第1の半導体層と、この第1の半導体層上に配置された上記第1コンタクト層と材料が同じである第1導電型の第2の半導体層とからなる、レーザ共振器端面に達する長さのリッジ構造と、上記第1上クラッド層上に上記リッジ構造を埋め込むように配置された上記第2上クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい第1導電型電流ブロック層とを備えたから、レーザ共振器端面近傍を窓構造とすることができるとともに、非点収差をなくすことができ、窓構造を備えたスポット径の小さい半導体レーザを提供できる効果がある。
【0045】
また、この発明によれば、上記半導体基板をn型GaAsとし、上記下クラッド層をn型AlxGa1-xAs(x>0)とし、上記量子井戸構造活性層を、AlyGa1-yAs(y>0)バリア層とAlzGa1-zAs(y>z≧0)ウエル層とにより構成された、その実効的なバンドギャップエネルギーが上記下クラッド層よりも小さいものとし、上記第1,第2の上クラッド層を、実効的なバンドギャップエネルギーが上記量子井戸構造活性層よりも大きいp型AlwGa1-wAsとし、上記第1コンタクト層をp型GaAsとし、上記第1の半導体層をn型AlwGa1-wAsとし、上記第2の半導体層をn型GaAsとし、上記電流ブロック層をn型AlvGa1-vAs(v>w)としたから、窓構造を備えたスポット径の小さい半導体レーザを提供できる効果がある。
【0046】
また、この発明によれば、第1導電型の半導体基板上に、第1導電型下クラッド層と、バリア層とウエル層が交互に積層されてなる量子井戸構造活性層と、第2導電型の第1上クラッド層と、第2導電型の第2上クラッド層と、第2導電型の第1コンタクト層とを順次エピタキシャル成長させ、この第1コンタクト層上のレーザ共振器端面近傍となる領域上を除いたレーザ発光領域となる領域を含む領域上に第1の絶縁膜を形成し、これをマスクとして、レーザ共振器端面近傍となる領域上の上記第1コンタクト層及び第2上クラッド層を第1の除去工程により除去し、この第1の除去工程により除去された領域の下方の量子井戸構造活性層に、上記第2上クラッド層上から該第2上クラッド層の導電型を反転させない濃度で不純物のイオン注入を行った後、このイオン注入領域の量子井戸構造活性層を熱処理によりディスオーダさせ、上記第1の絶縁膜をマスクとして、上記第1の除去工程により除去された領域を埋め込むように、該第2上クラッド層と同じ材料からなる第1導電型の第1半導体層を、上記第2上クラッド層と同じ高さに再結晶成長させ、さらに、上記第1半導体層上に、上記第1の絶縁膜をマスクとして、該第1コンタクト層と同じ材料からなる第1導電型の第2半導体層を、上記第1コンタクト層と同じ高さに再結晶成長させ、上記第1の絶縁膜を除去した後、上記第1コンタクト層のレーザ発光領域となる領域上の領域を含むよう、上記第1コンタクト層上,及び第2半導体層上に、レーザ共振器端面に達する長さのストライプ状の第2の絶縁膜を形成し、これをマスクとして、上記第1コンタクト層,第2半導体層,第2上クラッド層,及び第1半導体層を第2の除去工程により除去してリッジ構造を形成した後、上記第2の除去工程で露出した上記台上クラッド層上に、上記リッジ構造を埋め込むように上記第2上クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい第1導電型の電流ブロック層を形成するようにしたから、レーザ共振器端面近傍に窓構造を形成できるとともに、非点収差をなくすことができ、窓構造を備えたスポット径の小さい半導体レーザを提供できる効果がある。
【0047】
また、この発明によれば、上記半導体基板をn型GaAsとし、上記下クラッド層をn型AlxGa1-xAs(x>0)とし、上記量子井戸構造活性層を、AlyGa1-yAs(y>0)バリア層とAlzGa1-zAs(y>z≧0)ウエル層とにより構成された、その実効的なバンドギャップエネルギーが上記下クラッド層よりも小さいものとし、上記第1,第2の上クラッド層を、実効的なバンドギャップエネルギーが上記量子井戸構造活性層よりも大きいp型AlwGa1-wAsとし、上記第1コンタクト層をp型GaAsとし、上記第1の半導体層をn型AlwGa1-wAsとし、上記第2の半導体層をn型GaAsとし、上記電流ブロック層をn型AlvGa1-vAs(v>w)としたから、レーザ共振器端面近傍に窓構造を形成できるとともに、非点収差をなくすことができ、窓構造を備えたスポット径の小さい半導体レーザを提供できる効果がある。
【0048】
また、この発明によれば、上記第2導電型の第1上クラッド層と第2導電型の第2上クラッド層との間に第2導電型エッチングストッパ層をエピタキシャル成長させる工程をさらに含み、上記第1の除去工程を、上記第1の絶縁膜をマスクとして、上記第1コンタクト層及び第2上クラッド層を上記エッチングストッパ層まで選択的にエッチングして行なうようにし、上記第2の除去工程を、上記第2の絶縁膜をマスクとして、上記第1コンタクト層,第2半導体層,第2上クラッド層,及び第1半導体層を上記エッチングストッパ層まで選択的にエッチングして行なうようにしたから、制御性よく容易にエッチングを行なうことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例による半導体レーザの構造を示す図である。
【図2】 本発明の第1の実施例による半導体レーザの製造方法を示す工程図である。
【図3】 本発明の第2の実施例による半導体レーザの製造方法の主要工程を示す図である。
【図4】 従来の半導体レーザの構造を示す図である。
【図5】 従来の半導体レーザの製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs半導体基板、2 n型Al0.5 Ga0.5 As下クラッド層、3 量子井戸構造層(活性層)、4 p型Al0.5 Ga0.5 As第1上クラッド層、5 p型Al0.7 Ga0.3 Asエッチングストッパ層、6 n型Al0.7 Ga0.3 As電流ブロック層、7 p型GaAs第2コンタクト層、8 p側電極、9 n側電極、10 p側Al0.5 Ga0.5 As第2上クラッド層、10a n型Al0.5 Ga0.5 As第1埋込み層、11 p型GaAs第1コンタクト層、11a n型GaAs第2埋込み層、12,22 リッジ構造、14 ディスオーダされた量子井戸構造層、20,20a,21,42 絶縁膜、25 Siイオン注入、30 発光領域、31 窓構造領域、32 台状構造。
Claims (5)
- 第1導電型の半導体基板上に配置された第1導電型下クラッド層と、
該下クラッド層上に配置された、バリア層とウエル層が交互に積層されてなる量子井戸構造活性層と、
レーザ共振器端面近傍の上記量子井戸構造活性層に、不純物の導入により形成されたディスオーダ領域と、
該量子井戸構造活性層上に配置された第2導電型の第1上クラッド層と、
該第1上クラッド層上に配置された、半導体レーザの共振器長方向に伸びる、そのレーザ共振器端面近傍を除いた領域部分が、第2導電型の第2上クラッド層と、該第2上クラッド層上に配置された第2導電型の第1コンタクト層とからなり、そのレーザ共振器端面近傍の領域部分が、上記第2上クラッド層と材料が同じで上記第2上クラッド層と高さが同じである第1導電型の第1の半導体層と、該第1の半導体層上に配置された上記第1コンタクト層と材料が同じである第1導電型の第2の半導体層とからなる、レーザ共振器端面に達する長さのリッジ構造と、
上記第1上クラッド層上に上記リッジ構造を埋め込むように配置された上記第2上クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい第1導電型電流ブロック層と、
該電流ブロック層,及び上記リッジ構造上に配置された第2導電型第2コンタクト層とを備えたことを特徴とする半導体レーザ。 - 請求項1に記載の半導体レーザにおいて、
上記半導体基板はn型GaAsからなり、
上記下クラッド層はn型AlxGa1-xAs(x>0)からなり、
上記量子井戸構造活性層は、AlyGa1-yAs(y>0)バリア層とAlzGa1-zAs(y>z≧0)ウエル層とからなり、その実効的なバンドギャップエネルギーが上記下クラッド層よりも小さいものであり、
上記第1,第2の上クラッド層は、実効的なバンドギャップエネルギーが上記量子井戸構造活性層よりも大きいp型AlwGa1-wAsからなり、
上記第1,第2のコンタクト層は、p型GaAsからなり、
上記第1の半導体層は、n型AlwGa1-wAsからなり、
上記第2の半導体層は、n型GaAsからなり、
上記電流ブロック層は、n型AlvGa1-vAs(v>w)からなることを特徴とする半導体レーザ。 - 第1導電型の半導体基板上に第1導電型下クラッド層と、バリア層とウエル層が交互に積層されてなる量子井戸構造活性層と、第2導電型の第1上クラッド層と、第2導電型の第2上クラッド層と、第2導電型の第1コンタクト層とを順次エピタキシャル成長させる工程と、
該第1コンタクト層上のレーザ共振器端面近傍となる領域上を除いたレーザ発光領域となる領域を含む領域上に、第1の絶縁膜を形成する工程と、
上記第1の絶縁膜をマスクとして、レーザ共振器端面近傍となる領域上の上記第1コンタクト層及び第2上クラッド層を除去する第1の除去工程と、
上記第1の除去工程により除去された領域の下方の量子井戸構造活性層に、上記第2上クラッド層上から該第2上クラッド層の導電型を反転させない濃度で不純物のイオン注入を行う工程と、
上記イオン注入を行なった領域の量子井戸構造活性層を熱処理によりディスオーダさせる工程と、
上記第1の絶縁膜をマスクとして、上記第1の除去工程により除去された領域を埋め込むように、上記第2上クラッド層と同じ材料からなる第1導電型の第1半導体層を、上記第2上クラッド層と同じ高さに再結晶成長させる工程と、
上記第1半導体層上に、上記第1の絶縁膜をマスクとして、上記第1コンタクト層と同じ材料からなる第1導電型の第2半導体層を、上記第1コンタクト層と同じ高さに再結晶成長させる工程と、
上記第1の絶縁膜を除去した後、上記第1コンタクト層のレーザ発光領域となる領域上の領域を含むよう、上記第1コンタクト層上,及び第2半導体層上に、レーザ共振器端面に達する長さのストライプ状の第2の絶縁膜を形成する工程と、
上記第2の絶縁膜をマスクとして、上記第1コンタクト層,第2半導体層,第2上クラッド層,及び第1半導体層を除去してリッジ構造を形成する第2の除去工程と、
上記第2の除去工程で露出した上記第1上クラッド層上に、該リッジ構造を埋め込むように上記第2上クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きい第1導電型の電流ブロック層を結晶成長する工程と、
上記第2の絶縁膜を除去した後、上記リッジ構造上,及び電流ブロック層上に第2導電型の第2コンタクト層を形成する工程とを備えたことを特徴とする半導体レーザの製造方法。 - 請求項3に記載の半導体レーザの製造方法において、
上記半導体基板はn型GaAsからなり、
上記下クラッド層はn型AlxGa1-xAs(x>0)からなり、
上記量子井戸構造活性層は、AlyGa1-yAs(y>0)バリア層とAlzGa1-zAs(y>z≧0)ウエル層とからなり、その実効的なバンドギャップエネルギーが上記下クラッド層よりも小さいものであり、
上記第1,第2のクラッド層は、実効的なバンドギャップエネルギーが上記量子井戸構造活性層よりも大きいp型AlwGa1-wAsからなり、
上記第1,第2のコンタクト層は、p型GaAsからなり、
上記第1の半導体層は、n型AlwGa1-wAsからなり、
上記第2の半導体層は、n型GaAsからなり、
上記電流ブロック層は、n型AlvGa1-vAs(v>w)からなることを特徴とする半導体レーザの製造方法。 - 請求項3に記載の半導体レーザの製造方法において、
上記第2導電型の第1上クラッド層と第2導電型の第2上クラッド層との間に第2導電型エッチングストッパ層をエピタキシャル成長する工程をさらに含み、上記第1の除去工程は、上記第1の絶縁膜をマスクとして、上記第1コンタクト層及び第2上クラッド層を、上記エッチングストッパ層まで選択的にエッチングすることにより行なうものであり、
上記第2の除去工程は、上記第2の絶縁膜をマスクとして、上記第1コンタクト層,第2半導体層,第2上クラッド層,及び第1半導体層を、上記エッチングストッパ層まで選択的にエッチングすることにより行なうものであることを特徴とする半導体レーザの製造方法。
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