JPH10233556A - リッジ型半導体レーザダイオードとその製造方法 - Google Patents

リッジ型半導体レーザダイオードとその製造方法

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JPH10233556A
JPH10233556A JP3651197A JP3651197A JPH10233556A JP H10233556 A JPH10233556 A JP H10233556A JP 3651197 A JP3651197 A JP 3651197A JP 3651197 A JP3651197 A JP 3651197A JP H10233556 A JPH10233556 A JP H10233556A
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ridge
laser diode
semiconductor laser
type semiconductor
refractive index
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JP3651197A
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Yutaka Nagai
豊 永井
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水平横モードを安定化させることができ、か
つピーク変動の小さいリッジ型半導体レーザダイオード
とその製造方法を提供する。 【解決手段】 半導体基板1に形成された活性層3上
に、上クラッド層4,8を介して所定の幅のリッジ導波
路11を形成することにより、リッジ導波路の直下に位
置する所定の幅の活性層3を、実効的に屈折率の高い第
1の高屈折率領域としたリッジ型半導体レーザダイオー
ドにおいて、第1の高屈折率領域の両側を無秩序化し
て、無秩序化した第1の高屈折率領域の屈折率を低くす
ることにより、第1の高屈折率領域の中央部に第2の高
屈折率領域を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報処理や光通
信等に使用される半導体レーザダイオード、特にリッジ
型半導体レーザダイオードとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体レーザダイオードでは、活
性層の横方向(幅方向)に光を閉じ込めるリッジ型半導
体レーザダイオードが種々の用途に用いられている。図
14(a)は、従来例のリッジ型半導体レーザダイオー
ドの構成を示す模式図である。図14(a)のリッジ型
半導体レーザダイオードは、下面にn型電極15が形成
された、n型GaAsからなるn型半導体基板1の上面
に、n型Al0.5Ga0.5Asからなるn型下クラッド層
2、量子井戸構造から成る活性層3、p型Al0.5Ga
0.5Asからなるp型第1上クラッド層4、リッジ導波
路11、p型GaAsからなるp型コンタクト層9、p
型電極14及び絶縁膜12が形成されて構成される。
【0003】また、この従来例のリッジ型半導体レーザ
ダイオードは、以下のような製造方法で製造される。す
なわち、図13(a)に示すように、n型半導体基板1
の上面にn型下クラッド層2、量子井戸構造から成る活
性層3、p型第1上クラッド層4、p型コンタクト層9
をそれぞれ、エピタキシャル結晶成長することによって
形成する。次に、p型コンタクト層9の表面(ウエハ全
面)に絶縁膜を形成した後、該絶縁膜を、図13(b)
に示すように、ストライプ状にパターニングして、スト
ライプ状の絶縁膜10を形成する。この絶縁膜10の材
質としてはSi34、SiO2等が用いられる。次に、
このストライプ状に形成された絶縁膜10をマスクとし
て、p型コンタクト層9及びp型上クラッド層4を、p
型上クラッド層4の途中までエッチングする(リッジエ
ッチング)。その結果、図13(b)に示すようにリッ
ジ導波路11が形成される。p型上クラッド層4をp型
Al0.5Ga0.5Asで形成し、p型コンタクト層9をp
型GaAsで形成した場合、リッジエッチングにおける
エッチャントの例として酒石酸と過酸化水素の混合液あ
るいは硫酸と過酸化水素と水の混合液が挙げられる。
【0004】リッジエッチング後,ウエットあるいはド
ライエッチングによりストライプ状の絶縁膜10を除去
した後、図13(d)に示すようにウエハ全面に再度絶
縁膜12を成膜する。そして、フォトリソグラフィ技術
を用いてリッジ11の上部の平坦部のみ絶縁膜12をド
ライエッチング等の方法を用いて除去し、絶縁膜12中
の開口部を設け、この上からp型電極14を形成する
と、p型電極14はリッジ11の上面の開口部13のみ
で結晶と接触して、この部分のみ電流が流れる。最後に
n型半導体基板1の下面にn型電極15を形成し、へき
開によってウエハから分離し、共振器端面を形成するこ
とにより図14(a)に示す素子が完成する。
【0005】次に、図14(a)に示した従来例のリッ
ジ型半導体レーザダイオードの動作を説明する。該リッ
ジ型半導体レーザダイオードにおいて、p型電極14が
正、n型電極15が負になるように、電圧を印加する
と、ホールはp型コンタクト層9、p型上クラッド層4
を経て量子井戸構造の活性層3へ、また電子はn型半導
体基板1、n型下クラッド層2を経て活性層3にそれぞ
れ注入され、活性層3の活性領域において電子とホール
が再結合して、誘導放出光が生ずる。この時、キャリア
の注入量を十分高くして導波路の損失を越える光が発生
すればレーザ発振が生じる。レーザ発振の際、リッジ導
波路11以外の領域は、絶縁膜12で覆われているため
リッジ導波路以外の領域では電流が流れない。すなわ
ち、リッジ導波路11のみ電流は流れ、このリッジ導波
路11の下部の活性層3でレーザ発振が生じる。
【0006】一般に半導体レーザダイオードでは基板に
対して垂直方向は活性層とクラッド層の屈折率差によっ
てレーザ光を活性領域に閉じ込めている。半導体レーザ
ダイオードにおいて、垂直方向の光の閉じ込めは全導波
路に亘って有効に行われる。一方基板に対して水平方向
ではリッジ型半導体レーザダイオードの場合、活性層に
おけるリッジ導波路11の直下の領域とそれ以外の領域
との間の実効的な屈折率差によって、光を活性層3のう
ちのリッジ導波路11の直下の屈折率が高い領域である
高屈折率領域に光を閉じ込めて導波させている。図14
(b)には活性層3における水平方向の屈折率分布に示
す。リッジ型半導体レーザダイオードにおいて安定した
レーザ発振を得るためには、水平横モードを安定化させ
る必要があり、この水平横モードを安定化させるために
は、リッジ導波路11の幅を、高屈折率領域を光が導波
する際に、高次モードが発生しないように狭く設定する
必要があり、3μm以下に設定することが望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
クラッド層の層厚は、活性層で発したレーザ光を活性層
内に有効に閉じ込めるために、1.5μm以上が必要で
あり、幅を3μm以下で、かつ1.5μm以上の厚さを
有するリッジ導波路11を形成しようとすると、リッジ
導波路11の上部の面は1μm以下になって殆ど平坦部
がないため,リッジ導波路11の上面において絶縁膜1
2を除去する際の転写が極めて困難になり、実際には、
3μm以下の幅のリッジ導波路を形成することは不可能
である。従って、リッジ導波路の幅を狭くすることによ
って、高次モードの発生を防止し、水平横モードを安定
化させることはできなかった。また、図14(b)に示
す屈折率分布と、活性層3の高屈折率領域を光が導波す
る場合の高次モードの発生に関して言えば、高屈折率領
域と他の部分との間の屈折率差が大きい程、高次モード
が発生し易くなる。従って、該屈折率差を小さくする
と、リッジ導波路11の幅を広く設定することができ
る。しかしながら、この場合、電流注入を増加すると、
図14(c)に示すように電流密度の高いリッジ導波路
11の幅方向の中央部の直下の活性層の屈折率が減少
し、僅かな電流分布のゆらぎによって、レーザ光のスポ
ットが変動する現象が生じる。この結果、光出力−電流
特性の実用的な範囲において、図12に示すように光出
力が電流に比例して増加しない非線形な部分であるキン
クが発生し、実用面では重大な支障となるという問題点
があった。従って、従来は、水平横モードを安定化させ
ることができ、しかもピーク変動の小さいリッジ型半導
体レーザダイオードを得ることは困難であった。
【0008】本発明は、以上の問題点を解決して、水平
横モードを安定化させることができ、かつピーク変動の
小さいリッジ型半導体レーザダイオードとその製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、リッジ型半導
体レーザダイオードのリッジ導波路の直下の高屈折率領
域において、高屈折率領域の両側を所定の幅に無秩序化
することにより、該両側の屈折率を小さくでき、これに
よって、実質的に上記高屈折率領域の幅を狭くすること
ができることを見いだして完成させたものである。すな
わち、本発明に係るリッジ型半導体レーザダイオード
は、半導体基板に形成された活性層上に、上クラッド層
を介して所定の幅のリッジ導波路を形成することによ
り、上記リッジ導波路の直下に位置する所定の幅の活性
層を、実効的に屈折率の高い第1の高屈折率領域とした
リッジ型半導体レーザダイオードであって、上記第1の
高屈折率領域において、所定の幅の中央部を除く領域を
無秩序化して、無秩序化された該領域の屈折率を低くす
ることにより、第1の高屈折率領域の中央部に第2の高
屈折率領域を形成したことを特徴とする。
【0010】また、本発明のリッジ型半導体レーザダイ
オードにおいては、上記リッジ導波路の幅が、製造が容
易な、3.5μmから6μmの範囲内であって、かつ上
記第2の高屈折率領域の幅が、効果的に高次モードの発
生を抑えることができる3μm以下であることが好まし
い。
【0011】また、本発明のリッジ型半導体レーザダイ
オードにおいては、上記上クラッド層上に、上記リッジ
導波路を構成するリッジ導波路材料をエッチングする時
に用いるエッチング液に対して、上記リッジ導波路材料
に比べてエッチングレートの小さい材料からなるエッチ
ングストップ層が形成され、上記エッチングストップ層
上に上記リッジ導波路を形成することにより、容易にリ
ッジ導波路を構成することができる。
【0012】またさらに、本発明のリッジ型半導体レー
ザダイオードにおいて、上記上クラッド層の表面に保護
膜を形成することが好ましい。
【0013】また、上記保護膜が、Si34からなるこ
とがさらに好ましい。
【0014】また、さらに好ましくは、上記保護膜の膜
厚を、20nm以上50nm以下に設定する。
【0015】また、上記上クラッド層が、それぞれAl
GaAs系半導体材料からなる第1と第2の上クラッド
層との積層体で形成され、上記第2の上クラッド層にス
トライプ状の肉厚部を設けて該肉厚部を上記リッジ導波
路としたリッジ型半導体レーザダイオードでは、上記第
1と第2の上クラッド層との間に、GaAsからなる保
護膜を形成することが好ましい。
【0016】また、上記保護膜が、上記第1のクラッド
層を形成した後に連続して形成された第1の保護膜と該
第1の保護膜上に形成された第2の保護膜とからなり、
上記第2のクラッド層が、該第2の保護膜を形成した後
に連続して形成されたAlGaAs系半導体材料膜であ
ることがさらに好ましい。
【0017】本発明では、上記無秩序化領域を、上記リ
ッジ型半導体レーザダイオードの2つの共振器端面から
軸方向に所定の長さの各部分に形成することが好まし
い。
【0018】本発明の第1のリッジ型半導体レーザダイ
オードの製造方法は、半導体基板上に活性層を形成する
第1工程と、上記形成された活性層上に、上クラッド層
を形成する第2工程と、上記上クラッド層上にリッジ導
波路を形成する第3工程とを含み、上記リッジ導波路の
直下に位置する所定の幅の活性層を、実効的に屈折率の
高い第1の高屈折率領域としたリッジ型半導体レーザダ
イオードの製造方法であって、上記第2工程と上記第3
工程との間に、上記リッジ導波路が形成される可き領域
に上記リッジ導波路の幅より狭い絶縁膜を形成して、上
記上クラッド層の上方からイオン注入し、上記第1の高
屈折率領域の両側を含む活性層の近傍にイオンを注入し
た後、所定の温度で熱処理をすることにより、上記第1
の高屈折率領域において、所定の幅の中央部を除く領域
を無秩序化して、無秩序化された該領域の屈折率を低く
することにより、第1の高屈折率領域の中央部に第2の
高屈折率領域を形成する無秩序化領域形成工程を含むこ
とを特徴とする。
【0019】また、本発明の第2のリッジ型半導体レー
ザダイオードの製造方法は、半導体基板上に活性層を形
成する第1工程と、上記形成された活性層上に、上クラ
ッド層を形成する第2工程と、上記上クラッド層上にリ
ッジ導波路を形成する第3工程とを含み、上記リッジ導
波路の直下に位置する所定の幅の活性層を、実効的に屈
折率の高い第1の高屈折率領域としたリッジ型半導体レ
ーザダイオードの製造方法であって、上記第3工程の後
に、上記リッジ導波路をマスクとして、斜めにイオンを
注入をすることにより、上記第1の高屈折率領域の両側
を含む活性層の近傍にイオンを注入した後、所定の温度
で熱処理をすることにより、上記第1の高屈折率領域に
おいて、所定の幅の中央部を除く領域を無秩序化して、
無秩序化された該領域の屈折率を低くすることにより、
第1の高屈折率領域の中央部に第2の高屈折率領域を形
成する無秩序化領域形成工程を含むことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施の形態について説明する。 実施の形態1.図1は、本発明に係る実施の形態1のリ
ッジ型レーザダイオードの構成を示す斜視図である。こ
の図1のリッジ型レーザダイオードは、n型GaAsか
らなるn型半導体基板1上に、n型Al0.5Ga0.5As
からなるn型下クラッド層2、量子井戸構造の活性層
3、p型Al0.5Ga0.5Asからなるp型第1上クラッ
ド層4、p型Al0.5Ga0.5Asからなるp型第2上ク
ラッド層8、該p型第2上クラッド層8の肉厚部からな
るリッジ導波路11、p型GaAsからなるp型コンタ
クト層9、絶縁膜12、p型電極14が形成され、さら
に活性層3を含む所定の領域にSiイオンが注入された
Siイオン注入領域6及び無秩序化領域7が形成されて
なる。ここで、無秩序化とは、量子井戸構造を構成する
互いにAl組成比が異なるウエル層と障壁層の原子が混
じり合い、均一な組成になることをいう。
【0021】ここで、本実施の形態1において、量子井
戸構造の活性層3は、例えば、図4に示すように、ガイ
ド層31、ガイド層32、ウエル層33、障壁層34、
ウエル層35、ガイド層36及びガイド層37が積層さ
れて構成され、各層の材料及び膜厚は、例えば、表1に
示すように設定される。また、図4には、ウエル層が2
層の2重量子井戸構造の活性層3の例を示したが、本発
明はこれに限らず、さらに多くの層を積層した多重量子
井戸構造で活性層3を構成してもよい。
【0022】
【表1】 層 構成材料 膜厚 ガイド層31 Al0.2Ga0.8As 40nm ガイド層32 GaAs 20nm ウエル層33 In0.2Ga0.8As 8nm バリア層34 GaAs 20nm ウエル層35 In0.2Ga0.8As 8nm ガイド層36 GaAs 20nm ガイド層31 Al0.2Ga0.8As 40nm
【0023】また、本実施の形態1における活性層3以
外の各層の層厚は、例えば、以下のように設定する。 (1)n型半導体基板1;100μm、 (2)n型下クラッド層2;2μm、 (3)p型第1上クラッド層4とp型第2上クラッド層
8の合計の層厚;0.1〜0.5μm、 (4)リッジ導波路11の厚さ;1〜3μm、 (5)p型コンタクト層9;0.1〜1μm。 本実施の形態1における各層の層厚を上述のように示し
たが、勿論、本発明はこの層厚に限定されるものではな
い。
【0024】以下、実施の形態1のリッジ型半導体レー
ザダイオードの製造方法を図2を参照して説明する。該
製造方法ではまず、図2(a)に示すように、n型半導
体基板1上に、n型下クラッド層2、量子井戸構造から
成る活性層3、p型第1上クラッド層4の各層をエピタ
キシャル結晶成長することにより形成する。なおp型第
1上クラッド層4の層厚は水平横モードを安定化させる
ために0.05〜0.5μmに設定することが好まし
い。次に、p型第1上クラッド層4の上面(ウエハ上)
の全面にフォトレジストを塗布した後、該フォトレジス
トをパターニングして、レーザ共振器長方向となる方向
に伸びたストライプ状のフォトレジスト5を形成する。
このフォトレジスト5の幅W2は、後工程でこの直上に
形成するリッジ導波路11の幅W1より小さくなるよう
に設定する。すなわち、フォトレジスト幅W2<リッジ
導波路幅W1という関係を満たすようにする。このフォ
トレジスト5をマスクとして,図2(b)に示すように
Siイオンを活性層3の近傍に注入する。その結果、図
2(b)においてハッチングを付して示すように、フォ
トレジスト5の直下を除く、活性層3とその近傍の領域
にSiイオン注入領域6が形成される。Siイオン注入
時のSiドーズ量は1×1013〜1×1015cm-2程度
に設定する。
【0025】次に、フォトレジスト5を除去した後、ウ
エハをAs圧にかけた雰囲気下で700℃〜900℃の
間の所定の温度で、Siイオンがドープされた活性層3
の無秩序化を行う為に熱処理(アニール)を行う。これ
はイオン注入しただけでは量子井戸構造の活性層3の無
秩序化は起こらず、熱処理によりSi原子を結晶中で拡
散させて初めて活性層3の無秩序化が生じるからであ
る。すなわち、この熱処理によって、Siイオン注入領
域6中の活性層3が無秩序化されて無秩序化領域7が図
2(c)に示すように形成される。この無秩序化された
活性層3の無秩序化領域7の実効的なバンドギャップエ
ネルギーは無秩序化されていない活性層3より大きくな
り、無秩序化領域7の実効的な屈折率は、無秩序化され
ていない活性層3の実効的な屈折率より小さくなる。こ
れによって、活性層3のうち、相対的に屈折率の大きい
無秩序化されていない活性層3が、レーザー発振に寄与
する実質的な活性層として動作する。
【0026】次に、図2(d)に示すように、p型第1
上クラッド層4上(ウエハ上)にp型Al0.5Ga0.5
sからなるp型第2上クラッド層8及びp型GaAsか
らなるp型コンタクト層9の各層をエピタキシャル結晶
成長することにより形成する。次いで、コンタクト層9
上の全面(ウエハ全面)に絶縁膜を形成した後、該絶縁
膜をストライプ状にパターニングすることにより、図2
(e)に示すようにストライプ状の絶縁膜10を形成す
る。この絶縁膜10の材質としてはSi34、SiO2
等を用いることができる。次に、このストライプ状の絶
縁膜10をエッチングのマスクとして、p型GaAsか
らなるp型コンタクト層9とp型Al0.5Ga0.5Asか
らなるp型第2上クラッド層8とを、p型第2上クラッ
ド層8の途中までエッチングすることにより、図2
(f)に示すように、リッジ導波路11を形成する。こ
の時に用いるエッチャント(エッチング液)の例として
酒石酸と過酸化水素の混合液あるいは硫酸と過酸化水素
と水の混合液が挙げられる。
【0027】リッジ導波路11を形成した後、ウエット
あるいはドライエッチングによりストライプ状の絶縁膜
10を除去した後、ウエハ全面に再度、絶縁膜12を成
膜する。そして、フォトリソグラフィ技術を用いてリッ
ジ導波路11の上部の平坦部の絶縁膜12をドライエッ
チング等の方法を用いて除去し、絶縁膜12中に開口部
13を設ける。さらに、この上からp型電極14を形成
する。これによって、p型電極14はリッジ導波路11
の上部の開口部13のみでp型コンタクト層9と接触し
て、活性層等の各半導体層においてp型電極14の直下
に位置する部分に集中して電流が流れることになる。最
後にn型半導体基板1の下面にn型電極15を形成した
後、へき開によって分離することにより、共振器端面2
1,22を形成して図1に示す実施の形態1のリッジ型
半導体レーザダイオードが完成する。以上の実施の形態
1の製造工程では、アニール工程を別に設けたが、本発
明はこれに限らず、2回目の結晶成長前(p型第2上ク
ラッド層の形成前)に結晶成長装置内で砒素圧をかけな
がら昇温することにより、無秩序化を生じさせるように
してもよい。この方法を採用すると別個にアニール工程
を必要としないので,工程が短縮されるという効果が生
じる。
【0028】以上のように構成された実施の形態1のリ
ッジ型半導体レーザダイオードは、以下のように動作す
る。図3に実施の形態1のリッジ型半導体レーザダイオ
ードの活性層3における屈折率分布を示す。該リッジ型
半導体レーザダイオードでは従来例のリッジ型半導体レ
ーザダイオードにおいて、リッジ導波路11によって設
けられた屈折率分布に加えて,無秩序化した無秩序化領
域7と無秩序化されていない活性層3との間に屈折率差
を生じ、図3に示すような屈折率分布になる。すなわ
ち、図3に示すように、実効的な屈折率分布は2段構造
の分布を示す。これによって、従来の技術の説明で述べ
た高密度の電流を注入時の活性層3の中央部における屈
折率低下の影響を相殺しうる程度の屈折率差が予め作り
付けられているので,高電流注入動作時でも水平横モー
ドが安定してピークの変動が生じることがなく、光出力
-電流特性においても実用上問題となるようなキンクは
発生しない。よってこの構造を適用すれば,従来構造の
問題を解消できるので従来例のようにリッジ幅を3μm
以下に狭くする必要はもはやなく、3〜6μmのリッジ
幅でも実用上問題のないリッジ型半導体レーザダイオー
ドを提供することができる。図11は、本実施の形態1
の無秩序化されていない領域の幅W2に対するキンクレ
ベルを示している。図11から明らかなように、キンク
レベルを実用上問題のない150mW以上にすることが
できる。ここで、キンクレベルとは、キンクが発生する
出力レベルのことをいう。
【0029】以上の実施の形態1のリッジ型半導体レー
ザダイオードにおいて,図3に示した屈折率差△n1,
△n2については、△n1は従来例と同程度である1×
10-3〜4×10-3の範囲に設定し、かつ△n2は電流
注入時の屈折率の低下を相殺するのに十分な屈折率差1
×10-3以上となるように設定することが好ましい。こ
のように設定することにより、安定した水平横モードが
得られる。
【0030】また、実施の形態1のリッジ型半導体レー
ザダイオードにおいて、リッジ導波路11の直下におけ
る活性層の比無秩序化領域幅のW2は、水平横モードを
安定させるために3μm以下に設定することが好まし
く、リッジ導波路11の幅W1は、製造工程面から3.
5μm〜6μmの間の値に設定することが好ましい。
【0031】実施の形態2.本実施の形態2が、実施の
形態1と異なる所は、p型第1上クラッド層4とp型第
2上クラッド層8の間にエッチングストップ層16を設
けた点であり、他は実施の形態1と同様に構成される。
すなわち、実施の形態1のリッジ型半導体レーザダイオ
ードにおいて、図5に示すように、p型第2上クラッド
層8中にp型第2上クラッド層8よりエッチングレート
の小さいエッチングストップを目的としたエッチングス
トップ層16を挿入し、リッジエッチング時にエッチン
グが該エッチングストップ層16で止まるように構成す
る。これによって、リッジ導波路11の形状、及びリッ
ジ導波路11以外のクラッド層厚(p型第1上クラッド
層4とエッチング後のp型第2上クラッド層8との合計
の層厚)を一定に保つことができるので、リッジ導波路
11によって生じる屈折率差△n1を常に所定の値に保
持することができ、リッジ型半導体レーザダイオードの
素子特性の安定性の向上、製造時の再現性や歩留まり向
上等の種々の効果がある。
【0032】尚、p型Al0.5Ga0.5Asからなるp型
第2上クラッド層8においては、エッチングストップ層
16として、例えば、p型第2上クラッド層8を構成す
るp型Al0.5Ga0.5AsよりAl組成比の大きく設定
したp型AlGaAs層を用いることができる。この場
合、エッチングストップ層16として用いるp型AlX
GaYAs層(X+Y=1)において、Al組成比がX
>0.6以上になるように設定することが好ましく、エ
ッチング液として酒石酸と過酸化水素の混合液を用いる
ことが好ましい。これによって、エッチングストップ層
としての機能を十分果たさせることができ、効果的であ
る。また、製造方法としては、例えば、p型第1上クラ
ッド層4上に所定の膜厚にp型第2上クラッド層8の一
部を形成した後、エッチングストップ層16を形成し、
さらに、p型第2上クラッド層8を形成すべきリッジ導
波路11の厚さと等しい厚さに形成することにより、容
易に実現できる。
【0033】実施の形態3.この実施の形態3が、実施
の形態1と比較して異なる点は、p型第1上クラッド層
4の上に絶縁膜17を形成して、該絶縁膜17上にp型
第2上クラッド層8を形成するようにした点であり、他
は実施の形態1と同様に構成される。すなわち、実施の
形態1の製造方法において,図2(a)に示すp型第1
上クラッド層4のエピタキシャル結晶成長後,図6に示
すように表面保護用として絶縁膜17を形成する。これ
によって、実施の形態1の製造方法によるとp型第1上
クラッド層4のエピタキシャル成長後の転写工程におい
てフォトレジストを直接ウエハ(p型第1上クラッド層
4)上に塗布すると、p型第1上クラッド層4の表面が
有機物に汚染され、p型第2上クラッド層8の再成長工
程時に汚染に起因する結晶欠陥が生じる可能性があり、
本実施の形態3のように予め表面保護用の絶縁膜17で
覆うことにより結晶欠陥の発生を防止できる。
【0034】本実施の形態3において、絶縁膜として、
一般に用いられているSiOを用いると、アニール工程
において、SiOがGaAs系結晶中のGaAsを吸い
上げて、該結晶中にGa空孔という結晶欠陥を発生させ
る場合がある。従って、絶縁膜17として、このような
作用の無いSi34を用いることが好ましい。また、本
実施の形態3では、以下のような理由で、Si34から
なる絶縁膜17の膜厚を20nm以上50nm以下に設
定することが好ましい。すなわち、イオン注入時の加速
電圧が大きくなる程、結晶の損傷度も増大し、半導体レ
ーザとして用いる場合に信頼性を劣化させる。従って、
保護用の絶縁膜17の層厚が50nmより厚くなると、
より大きな加速電圧が必要となり、信頼性上不利であ
る。一方絶縁膜17を再現性良く成膜するためには、2
0nm以上の層厚が必要である。従って、Si34から
なる絶縁膜17の膜厚を20nm以上50nm以下に設
定することによって、再現性良く素子特性の優れた半導
体レーザを得ることが可能となる。
【0035】実施の形態4.本実施の形態4のリッジ型
半導体レーザダイオードが、実施の形態1と異なる所
は、p型第1上クラッド層4上にGaAsからなる表面
保護層18を形成した後、p型第2上クラッド層8を形
成した点であり、他は実施の形態1と同様に構成され
る。実施の形態4では、実施の形態1の製造方法におい
て、図7に示すように、1回目の成長時のp型Al0.5
0.5Asであるp型第1上クラッド層4上にGaAs
からなる表面保護層18を成長する。すなわち、p型第
1上クラッド層を構成するp型Al0.5Ga0.5AsはA
lが酸素と結びつきやすい性質があり、容易にAl23
が形成され、さらにこの表面上に結晶成長しようとする
と界面に結晶欠陥が生じる可能性が高いので、本実施の
形態4のようにAlを含まず酸化しにくいGaAsから
なる表面保護層18を形成すれば良質な再結晶成長を行
うことが可能となり、素子信頼性上も有利になるという
効果が生じる。
【0036】本実施の形態4では、GaAsからなる表
面保護層18の層厚が15nm以上であると、後の活性
層3へのイオン注入時においてより大きな加速電圧を必
要とし、注入時に結晶欠陥が発生する割合が急激に増加
するので、表面保護層18の層厚を15nm以下とする
ことが好ましい。また本実施の形態4のリッジ型半導体
レーザダイオードの発振レーザの波長が0.78μm〜
0.85μmの場合は、活性層3で発したレーザ光が表
面保護層18で再吸収され、素子特性が低下してしまう
ので、15nm以下の層厚に設定することにより、量子
効果で表面保護層18のバンドギャップエネルギーが実
効的に大きくなり、より活性層で発生した光を吸収しに
くくなり、素子特性の劣化を防ぐことができる。
【0037】以上の実施の形態4では、図8に示すよう
に、表面保護層18の上にさらに表面保護層18と同様
の機能を有するGaAsからなる第2の表面保護層19
を設けるようにしてもよい。これによって、界面に発生
する結晶欠陥の影響をより低減することができ、信頼性
の劣化を防止することができる。この場合、上述の保護
層を1層で構成した場合と同様の理由により、表面保護
層18と第2の表面保護層19の双方を加えた層厚が1
5nm以下となるように設定することが好ましい。
【0038】実施の形態5.実施の形態5のリッジ型半
導体レーザダイオードは、実施の形態1と同様の構成を
有し、実施の形態1とは製造方法が異なる。この実施の
形態5のリッジ型半導体レーザダイオードの製造方法で
は、エピタキシャル成長時に全ての層を1回で成長し、
実施の形態1と同様の方法でリッジ導波路11を形成し
た後、図9に示すように斜め方向から注入することによ
り,無秩序化領域7を形成するようにする。この方法に
よると結晶成長が1回で済むので,製造工程が短縮され
るという効果がある。
【0039】実施の形態6.実施の形態6のリッジ型半
導体レーザダイオードが、実施の形態1のリッジ型半導
体レーザダイオードと比較して異なる所は、導波路全体
に無秩序化領域7を設けるのではなく、図10に示すよ
うに共振器端面21,22のから所定の導波路長Lr
1,Lr2の部分のみに無秩序化領域7を設けるように
して、リッジ型半導体レーザダイオードの軸方向の中央
部に、無秩序化していない領域を設けている。無秩序化
領域7にはアニールによっても回復し得ない結晶欠陥が
存在する可能性があるので、本実施例のように素子全体
に対する無秩序化領域7の割合を低下させる方が、信頼
性向上が図れる。なお水平横モード安定の観点からは図
10のような端面近傍の導波路のみ無秩序化による2段
屈折率構造にしても安定させることができるので、実施
の形態1と同様の効果を有する。尚、実施の形態6で
は、無秩序化した導波路長Lr1,Lr2を5μm以上
40μm以下に設定することが好ましい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るリッ
ジ型半導体レーザダイオードは、上記リッジ導波路より
狭い幅を有する第2の高屈折率領域を設けているので、
高次モードの発生を防止でき、水平横モードを安定化さ
せることができ、かつピーク変動の小さいリッジ型半導
体レーザダイオードを提供することができる。
【0041】また、本発明のリッジ型半導体レーザダイ
オードは、上記第2の高屈折率領域の幅を3μm以下に
設定することにより、高次モードの発生を防止すること
ができ、上記リッジ導波路の幅を3.5μmから6μm
の範囲内に設定することにより、該レーザダイオードの
製造を容易にできるので、水平横モードを安定化させる
ことができ、かつピーク変動の小さいリッジ型半導体レ
ーザダイオードを、安価に提供することができる。
【0042】また、本発明のリッジ型半導体レーザダイ
オードにおいて、リッジ導波路材料のエッチングに用い
るエッチング液に対して、エッチングレートの小さい材
料からなるエッチングストップ層を形成することによ
り、リッジ導波路の寸法精度よく形成することができ、
しかも各層の膜厚を精度よく形成できるので、性能上の
バラツキが小さいリッジ型半導体レーザダイオードを提
供することができる。
【0043】またさらに、本発明のリッジ型半導体レー
ザダイオードにおいて、上記上クラッド層の表面に保護
膜を形成することにより、上記上クラッド層の結晶欠陥
を少なくできるので、安定した発振が可能なリッジ型半
導体レーザダイオードを提供することができる。
【0044】また、本発明のリッジ型半導体レーザダイ
オードにおいて、上記保護膜を、Si34で形成するこ
とにより、より結晶欠陥の発生を少なくできるので、よ
り安定した発振が可能なリッジ型半導体レーザダイオー
ドを提供することができる。
【0045】また、本発明のリッジ型半導体レーザダイ
オードにおいて、上記保護膜の膜厚を、20nm以上5
0nm以下に設定することにより、再現性よくリッジ型
半導体レーザダイオードを製造することができるので、
性能バラツキが小さいリッジ型半導体レーザダイオード
を提供することができる。
【0046】また、本発明のリッジ型半導体レーザダイ
オードにおいて、上記上クラッド層が、それぞれAlG
aAs系半導体材料からなる第1と第2の上クラッド層
との積層体で形成され、上記第2の上クラッド層にスト
ライプ状の肉厚部を設けて該肉厚部を上記リッジ導波路
としたリッジ型半導体レーザダイオードでは、上記第1
と第2の上クラッド層との間に、GaAsからなる保護
膜を形成することにより、結晶欠陥の少ない第2の上ク
ラッド層を形成することができるので、リッジ型半導体
レーザダイオードの性能を向上させることができる。
【0047】また、本発明のリッジ型半導体レーザダイ
オードにおいて、上記保護膜を、上記第1のクラッド層
を形成した後に連続して形成し、上記第2のクラッド層
を、AlGaAs系半導体材料を用いて上記第2の保護
膜を形成した後に連続して形成することにより、より結
晶欠陥の少ない第2クラッド層を形成することができる
ので、リッジ型半導体レーザダイオードの性能を向上さ
せることができる。
【0048】本発明のリッジ型半導体レーザダイオード
では、上記無秩序化領域を、上記リッジ型半導体レーザ
ダイオードの2つの共振器端面から軸方向に所定の長さ
の各部分に形成することにより、上記無秩序化領域を形
成することによる各層の劣化を防止することができるの
で、性能のよいリッジ型半導体レーザダイオードを提供
することができる。
【0049】本発明の第1のリッジ型半導体レーザダイ
オードの製造方法は、上記リッジ導波路の幅より狭い絶
縁膜を介して、上記上クラッド層の上方からイオン注入
して、上記第1の高屈折率領域の両側を含む活性層の近
傍にイオンを注入した後、所定の温度で熱処理をするこ
とにより、イオンが注入された近傍の活性層を無秩序化
して、上記第2の高屈折率領域を形成する無秩序化領域
形成工程を含む。これによって、上記リッジ導波路より
狭い幅を有する第2の高屈折率領域を形成することがで
きるので、高次モードの発生を防止でき、水平横モード
を安定化させることができ、かつピーク変動の小さいリ
ッジ型半導体レーザダイオードを製造することができ
る。
【0050】また、本発明の第2のリッジ型半導体レー
ザダイオードの製造方法は、上記上クラッド層上にリッ
ジ導波路を形成する工程の後に、上記リッジ導波路をマ
スクとして、斜めにイオンを注入して、イオンが注入さ
れた近傍の活性層を無秩序化して、上記第1の高屈折率
領域の幅より狭い第2の高屈折率領域を形成する無秩序
化領域形成工程を含む。これによって、上記リッジ導波
路より狭い幅を有する第2の高屈折率領域を形成するこ
とができるので、高次モードの発生を防止でき、水平横
モードを安定化させることができ、かつピーク変動の小
さいリッジ型半導体レーザダイオードを製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態1のリッジ型半導体
レーザダイオードの構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】 図1のリッジ型半導体レーザダイオードの製
造方法における各工程のウエハの断面を模式的に示す図
である。
【図3】 図1のリッジ型半導体レーザダイオードの活
性層3の水平方向の屈折率分布を示す図である。
【図4】 図1の活性層3の構成を模式的に示す図であ
る。
【図5】 本発明に係る実施の形態2のリッジ型半導体
レーザダイオードの製造方法における一工程のウエハ断
面を模式的に示す図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態3のリッジ型半導体
レーザダイオードの製造方法における一工程のウエハ断
面を模式的に示す図である。
【図7】 本発明に係る実施の形態4のリッジ型半導体
レーザダイオードの製造方法における一工程のウエハ断
面を模式的に示す図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態4の変形例のリッジ
型半導体レーザダイオードの製造方法における一工程の
ウエハ断面を模式的に示す図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態5のリッジ型半導体
レーザダイオードの製造方法のイオン注入工程を模式的
に示す図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態6のリッジ型半導
体レーザダイオードの構成を模式的に示す斜視図であ
る。
【図11】 本発明に係る実施の形態1のリッジ型半導
体レーザダイオードにおいて、無秩序化領域の幅W2に
対するキンクレベルを示す図である。
【図12】 リッジ型半導体レーザダイオードの特性に
おけるキンクを模式的に示す図である。
【図13】 従来例のリッジ型半導体レーザダイオード
の製造工程を説明するための図である。
【図14】 従来例のリッジ型半導体レーザダイオード
の構成と屈折率分布を示す図である。
【符号の説明】
1 n型半導体基板、2 n型下クラッド層、3 活性
層、4 p型第1上クラッド層、5 フォトレジスト、
6 Siイオン注入領域、7 無秩序化領域、8 p型
第2上クラッド層、9 p型コンタクト層、10 絶縁
膜、11 リッジ導波路、12 絶縁膜、13 開口
部、14 p型電極、15 n型電極、16 エッチン
グストップ層、17 絶縁膜、18 表面保護層。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に形成された活性層上に、上
    クラッド層を介して所定の幅のリッジ導波路を形成する
    ことにより、上記リッジ導波路の直下に位置する所定の
    幅の活性層を、実効的に屈折率の高い第1の高屈折率領
    域としたリッジ型半導体レーザダイオードであって、 上記第1の高屈折率領域において、所定の幅の中央部を
    除く領域を無秩序化して、無秩序化された該領域の屈折
    率を低くすることにより、上記第1の高屈折率領域の中
    央部に第2の高屈折率領域を形成したことを特徴とする
    リッジ型半導体レーザダイオード。
  2. 【請求項2】 上記リッジ型半導体レーザダイオードに
    おいて、上記リッジ導波路の幅が、3.5μmから6μ
    mの範囲内であって、かつ上記第2の高屈折率領域の幅
    が3μm以下である請求項1記載のリッジ型半導体レー
    ザダイオード。
  3. 【請求項3】 上記リッジ型半導体レーザダイオードに
    おいて、上記上クラッド層上に、上記リッジ導波路を構
    成するリッジ導波路材料をエッチングする時に用いるエ
    ッチング液に対して、上記リッジ導波路材料に比べてエ
    ッチングレートの小さい材料からなるエッチングストッ
    プ層が形成され、上記エッチングストップ層上に上記リ
    ッジ導波路が形成された請求項1又は2記載のリッジ型
    半導体レーザダイオード。
  4. 【請求項4】 上記リッジ型半導体レーザダイオードに
    おいて、上記上クラッド層の表面に保護膜が形成された
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のリッジ型半導体レ
    ーザダイオード。
  5. 【請求項5】 上記保護膜が、Si34からなる請求項
    4記載のリッジ型半導体レーザダイオード。
  6. 【請求項6】 上記保護膜の膜厚が、20nm以上50
    nm以下である請求項5記載のリッジ型半導体レーザダ
    イオード。
  7. 【請求項7】 上記上クラッド層が、それぞれAlGa
    As系半導体材料からなる第1と第2の上クラッド層と
    の積層体で形成され、上記第2の上クラッド層にストラ
    イプ状の肉厚部を設けて該肉厚部を上記リッジ導波路と
    したリッジ型半導体レーザダイオードであって、 上記第1と第2の上クラッド層との間に、GaAsから
    なる保護膜を形成した請求項1〜6のいずれか1項に記
    載のリッジ型半導体レーザダイオード。
  8. 【請求項8】 上記保護膜が、上記第1のクラッド層を
    形成した後に連続して形成された第1の保護膜と該第1
    の保護膜上に形成された第2の保護膜とからなり、上記
    第2のクラッド層が、該第2の保護膜を形成した後に連
    続して形成されたAlGaAs系半導体材料膜である請
    求項7記載のリッジ型半導体レーザダイオード。
  9. 【請求項9】 上記無秩序化領域が、上記リッジ型半導
    体レーザダイオードの2つの共振器端面から軸方向に所
    定の長さの各部分に形成された請求項1〜8のいずれか
    1項に記載のリッジ型半導体レーザダイオード。
  10. 【請求項10】 半導体基板上に活性層を形成する第1
    工程と、上記形成された活性層上に、上クラッド層を形
    成する第2工程と、上記上クラッド層上にリッジ導波路
    を形成する第3工程とを含み、上記リッジ導波路の直下
    に位置する所定の幅の活性層を、実効的に屈折率の高い
    第1の高屈折率領域としたリッジ型半導体レーザダイオ
    ードの製造方法であって、 上記第2工程と上記第3工程との間に、上記リッジ導波
    路が形成される可き領域に上記リッジ導波路の幅より狭
    い絶縁膜を形成して、上記上クラッド層の上方からイオ
    ン注入し、上記第1の高屈折率領域の両側を含む活性層
    の近傍にイオンを注入した後、所定の温度で熱処理をす
    ることにより、上記第1の高屈折率領域において、所定
    の幅の中央部を除く領域を無秩序化して、無秩序化され
    た該領域の屈折率を低くすることにより、第1の高屈折
    率領域の中央部に第2の高屈折率領域を形成する無秩序
    化領域形成工程を含むことを特徴とするリッジ型半導体
    レーザダイオードの製造方法。
  11. 【請求項11】 半導体基板上に活性層を形成する第1
    工程と、上記形成された活性層上に、上クラッド層を形
    成する第2工程と、上記上クラッド層上にリッジ導波路
    を形成する第3工程とを含み、上記リッジ導波路の直下
    に位置する所定の幅の活性層を、実効的に屈折率の高い
    第1の高屈折率領域としたリッジ型半導体レーザダイオ
    ードの製造方法であって、 上記第3工程の後に、上記リッジ導波路をマスクとし
    て、斜めにイオンを注入をすることにより、上記第1の
    高屈折率領域の両側を含む活性層の近傍にイオンを注入
    した後、所定の温度で熱処理をすることにより、上記第
    1の高屈折率領域において、所定の幅の中央部を除く領
    域を無秩序化して、無秩序化された該領域の屈折率を低
    くすることにより、第1の高屈折率領域の中央部に第2
    の高屈折率領域を形成する無秩序化領域形成工程を含む
    ことを特徴とするリッジ型半導体レーザダイオードの製
    造方法。
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