JPH0745902A - 半導体レーザおよびその製造方法 - Google Patents
半導体レーザおよびその製造方法Info
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- JPH0745902A JPH0745902A JP18591993A JP18591993A JPH0745902A JP H0745902 A JPH0745902 A JP H0745902A JP 18591993 A JP18591993 A JP 18591993A JP 18591993 A JP18591993 A JP 18591993A JP H0745902 A JPH0745902 A JP H0745902A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 信頼性が高く、単一基本モードで高出力が得
られる半導体レーザを提供する。 【構成】 活性層103の一方側のクラッド層104に
少なくとも一つの山を有するリッジ106を設け、その
リッジ106を、該リッジを構成する半導体よりも屈折
率が大きく,活性層よりも禁制帯幅の大きい材料105
で埋め込み、「アンチガイド」型の半導体レーザを形成
した。 【効果】 基本横モード維持した状態で高出力を有す
る、長寿命な半導体レーザを実現できる。
られる半導体レーザを提供する。 【構成】 活性層103の一方側のクラッド層104に
少なくとも一つの山を有するリッジ106を設け、その
リッジ106を、該リッジを構成する半導体よりも屈折
率が大きく,活性層よりも禁制帯幅の大きい材料105
で埋め込み、「アンチガイド」型の半導体レーザを形成
した。 【効果】 基本横モード維持した状態で高出力を有す
る、長寿命な半導体レーザを実現できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体レーザおよび
その製造方法に関し、特に単一基本横モードで高出力動
作が可能な半導体レーザおよびその製造方法に関するも
のである。
その製造方法に関し、特に単一基本横モードで高出力動
作が可能な半導体レーザおよびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザを、横モードを単一基本モ
ード(0次モード)に保ったまま高出力化するために
は、従来からi) レーザ共振器端面での光密度を下げ
る目的で活性層厚を薄くする,ii) レーザ共振器端面
での光の吸収を抑制するために、その端面の一部をレー
ザ光より禁制帯幅の大きな材料で置き換える「窓構造」
を設ける,などが開発されてきた。また最近では、やは
りレーザ共振器端面での光密度を下げる目的で活性領域
幅を広げることが試みられている。ここで、単純に活性
領域幅を広げるだけでは、高次の横モードも発振してし
まい、不都合があった。そのため、レーザの導波路を
「アンチガイド」型とし、高次の横モードが発振しにく
くする構造が検討されている。
ード(0次モード)に保ったまま高出力化するために
は、従来からi) レーザ共振器端面での光密度を下げ
る目的で活性層厚を薄くする,ii) レーザ共振器端面
での光の吸収を抑制するために、その端面の一部をレー
ザ光より禁制帯幅の大きな材料で置き換える「窓構造」
を設ける,などが開発されてきた。また最近では、やは
りレーザ共振器端面での光密度を下げる目的で活性領域
幅を広げることが試みられている。ここで、単純に活性
領域幅を広げるだけでは、高次の横モードも発振してし
まい、不都合があった。そのため、レーザの導波路を
「アンチガイド」型とし、高次の横モードが発振しにく
くする構造が検討されている。
【0003】図2は、例えばエレクトロニクスレター
ズ,29巻,19号,1793頁(Electron. Lett., v
ol.28, No.19, pp.1793,(1992)) に発表された、従来の
上記「アンチガイド」型の半導体レーザを示す図であ
り、図2(a) はその共振器長方向に対して垂直な断面の
模式構造を示す図、図2(b) は共振器幅方向の屈折率分
布を示す図である。また、図8は図2に示す半導体レー
ザの製造方法を説明するための断面工程図である。図に
おいて、101はn型GaAs基板、102はn型Al
GaAs下クラッド層、103はInGaAsからなる
活性層、108はレーザ発振が生じる活性領域、201
はp型Al0.4 Ga0.6 As上クラッド層、202はn
型Al0.2Ga0.8 As屈折率分布付与層、203はp
型Al0.4 Ga0.6 As埋め込み層である。また、11
0,111はそれぞれ該半導体レーザチップ1に設けら
れたn側電極およびp側電極である。
ズ,29巻,19号,1793頁(Electron. Lett., v
ol.28, No.19, pp.1793,(1992)) に発表された、従来の
上記「アンチガイド」型の半導体レーザを示す図であ
り、図2(a) はその共振器長方向に対して垂直な断面の
模式構造を示す図、図2(b) は共振器幅方向の屈折率分
布を示す図である。また、図8は図2に示す半導体レー
ザの製造方法を説明するための断面工程図である。図に
おいて、101はn型GaAs基板、102はn型Al
GaAs下クラッド層、103はInGaAsからなる
活性層、108はレーザ発振が生じる活性領域、201
はp型Al0.4 Ga0.6 As上クラッド層、202はn
型Al0.2Ga0.8 As屈折率分布付与層、203はp
型Al0.4 Ga0.6 As埋め込み層である。また、11
0,111はそれぞれ該半導体レーザチップ1に設けら
れたn側電極およびp側電極である。
【0004】活性領域108の上はAl0.4 Ga0.6 A
s上クラッド層201およびAl0.4 Ga0.6 As埋め
込み層206で構成されている。一方、活性領域108
の両サイド上は、Al0.4 Ga0.6 As層およびAl0.
2 Ga0.8 As屈折率分布付与層で構成された部分から
成っている。屈折率分布付与層202(Al0.2 Ga0.
8 As)はそのAl組成比が周辺のAl0.4 Ga0.6 A
sよりも小さいために、屈折率は逆に大きくなってい
る。従って、主に活性領域に集中しているレーザ光が実
効的に感じる屈折率(有効屈折率と呼ばれる)は、レー
ザ発振が生じている活性領域中心部より周辺部の方が高
くなる。即ちレーザ光が感じる実効的な屈折率の分布
は、図2(b) に示すように活性領域中心部では低く、周
辺部では高い、いわゆる「アンチガイド」型となる。
「アンチガイド」型では周辺部の方が屈折率が高いた
め、光は屈折率の高い周辺部に発散し、光は導波されな
いことになるが、半導体レーザの場合は、電流を流し活
性領域に利得を発生させるために、光の発散と利得によ
る光の発生がバランスしレーザ発振が可能となる。ま
た、1次モード等の高次のモードは、0次モード即ち基
本モードに比べ、その電界強度分布がもともと外側に広
がっているため、「アンチガイド」型導波路は高次のモ
ードに対しては損失の大きい構造となっている。
s上クラッド層201およびAl0.4 Ga0.6 As埋め
込み層206で構成されている。一方、活性領域108
の両サイド上は、Al0.4 Ga0.6 As層およびAl0.
2 Ga0.8 As屈折率分布付与層で構成された部分から
成っている。屈折率分布付与層202(Al0.2 Ga0.
8 As)はそのAl組成比が周辺のAl0.4 Ga0.6 A
sよりも小さいために、屈折率は逆に大きくなってい
る。従って、主に活性領域に集中しているレーザ光が実
効的に感じる屈折率(有効屈折率と呼ばれる)は、レー
ザ発振が生じている活性領域中心部より周辺部の方が高
くなる。即ちレーザ光が感じる実効的な屈折率の分布
は、図2(b) に示すように活性領域中心部では低く、周
辺部では高い、いわゆる「アンチガイド」型となる。
「アンチガイド」型では周辺部の方が屈折率が高いた
め、光は屈折率の高い周辺部に発散し、光は導波されな
いことになるが、半導体レーザの場合は、電流を流し活
性領域に利得を発生させるために、光の発散と利得によ
る光の発生がバランスしレーザ発振が可能となる。ま
た、1次モード等の高次のモードは、0次モード即ち基
本モードに比べ、その電界強度分布がもともと外側に広
がっているため、「アンチガイド」型導波路は高次のモ
ードに対しては損失の大きい構造となっている。
【0005】図2(a) の例では、活性領域108に隣接
する部分の屈折率分布付与層の一部に切り欠き207が
作りつけられている。活性領域と切り欠き207の間に
は幅がtの屈折率分布付与層205が残されている。切
り欠き207の幅はsで表されている。sおよびtを活
性層の水平方向の伝搬定数から決まる波長の1/4の整
数倍に選んでおくと、高次の横モードの光の方が基本モ
ードの光に比べ一層活性領域から外側に洩れ出し易くな
るため、高次モードの損失が大きくなり、従来の導波モ
ード型レーザに比べ「アンチガイド」型レーザの方が活
性領域の幅を広くしても高出力まで基本モードを維持し
て発振することが可能となる。また当然ながら活性領域
の幅が広くなっている分、共振器端面での光密度が減少
しているので、端面の溶融破壊が生じにくくなってい
る。
する部分の屈折率分布付与層の一部に切り欠き207が
作りつけられている。活性領域と切り欠き207の間に
は幅がtの屈折率分布付与層205が残されている。切
り欠き207の幅はsで表されている。sおよびtを活
性層の水平方向の伝搬定数から決まる波長の1/4の整
数倍に選んでおくと、高次の横モードの光の方が基本モ
ードの光に比べ一層活性領域から外側に洩れ出し易くな
るため、高次モードの損失が大きくなり、従来の導波モ
ード型レーザに比べ「アンチガイド」型レーザの方が活
性領域の幅を広くしても高出力まで基本モードを維持し
て発振することが可能となる。また当然ながら活性領域
の幅が広くなっている分、共振器端面での光密度が減少
しているので、端面の溶融破壊が生じにくくなってい
る。
【0006】このように上記技術論文に提案された半導
体レーザは高出力を得る目的に対しては優れた構造であ
るが、その製造方法を考えると以下に述べるような問題
点がある。通常、図2に示す「アンチガイド」型の半導
体レーザは以下のようにして作製される。まず、図8
(a) に示すように、n−GaAs基板101上に、気相
成長法により活性層103を含むダブルヘテロ構造(1
02,103,201)が成長される。ここで上クラッ
ド層201の厚みは、0.2〜0.6μmと極めて薄く
設計される。これは屈折率分布付与層202と活性層1
03を接近させる必要があるためである。ダブルヘテロ
構造成長後は、図8(b) に示すように、屈折率分布付与
層202が成長される。この段階で一旦結晶成長を終了
する。次に屈折率分布付与層202を選択的にエッチン
グし、図8(c) に示すように成形する。この時エッチン
グは薄い上クラッド層と屈折率分布付与層の界面で止ま
るように制御される。次に再び結晶成長を行い、図8
(d) に示すように、Al0.4 Ga0.6 As埋め込み層2
03を成長する。この時の埋め込み成長の成長温度は6
00〜800℃程度に選ばれる。その後、n側電極11
0,及びp側電極111を形成して半導体レーザが出来
上がる。
体レーザは高出力を得る目的に対しては優れた構造であ
るが、その製造方法を考えると以下に述べるような問題
点がある。通常、図2に示す「アンチガイド」型の半導
体レーザは以下のようにして作製される。まず、図8
(a) に示すように、n−GaAs基板101上に、気相
成長法により活性層103を含むダブルヘテロ構造(1
02,103,201)が成長される。ここで上クラッ
ド層201の厚みは、0.2〜0.6μmと極めて薄く
設計される。これは屈折率分布付与層202と活性層1
03を接近させる必要があるためである。ダブルヘテロ
構造成長後は、図8(b) に示すように、屈折率分布付与
層202が成長される。この段階で一旦結晶成長を終了
する。次に屈折率分布付与層202を選択的にエッチン
グし、図8(c) に示すように成形する。この時エッチン
グは薄い上クラッド層と屈折率分布付与層の界面で止ま
るように制御される。次に再び結晶成長を行い、図8
(d) に示すように、Al0.4 Ga0.6 As埋め込み層2
03を成長する。この時の埋め込み成長の成長温度は6
00〜800℃程度に選ばれる。その後、n側電極11
0,及びp側電極111を形成して半導体レーザが出来
上がる。
【0007】この様な一連の製造工程では、埋め込み成
長時、活性領域は0.2〜0.6μmのAlGaAsの
薄い層だけで被覆された状態で、600〜800℃の高
温に晒されることになる。活性層および上クラッド層の
主構成元素である砒素は蒸気圧が高く、高温下では容易
に蒸発し結晶性が変化してしまう(図中xxxxx部
分)。従って図2に示した構造は、必然的に、活性領域
に結晶欠陥が導入され易く、半導体レーザの寿命等に問
題を生じる構造であった。
長時、活性領域は0.2〜0.6μmのAlGaAsの
薄い層だけで被覆された状態で、600〜800℃の高
温に晒されることになる。活性層および上クラッド層の
主構成元素である砒素は蒸気圧が高く、高温下では容易
に蒸発し結晶性が変化してしまう(図中xxxxx部
分)。従って図2に示した構造は、必然的に、活性領域
に結晶欠陥が導入され易く、半導体レーザの寿命等に問
題を生じる構造であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の「アンチガイ
ド」型の半導体レーザは、以上のように構成されてお
り、その製造工程において、活性層のうち活性領域とな
る部分が0.2〜0.6μmの薄い層だけで被覆された
状態で再成長時に高温に晒され、活性領域に結晶欠陥が
導入され易いため、信頼性の高い素子が得られないとい
う問題点があった。
ド」型の半導体レーザは、以上のように構成されてお
り、その製造工程において、活性層のうち活性領域とな
る部分が0.2〜0.6μmの薄い層だけで被覆された
状態で再成長時に高温に晒され、活性領域に結晶欠陥が
導入され易いため、信頼性の高い素子が得られないとい
う問題点があった。
【0009】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、製造工程において、活性領域が薄
い層だけで被覆された状態で高温に晒されることがな
く、信頼性の高い素子を実現できる「アンチガイド」型
の半導体レーザおよびその製造方法を提供することを目
的とする。
めになされたもので、製造工程において、活性領域が薄
い層だけで被覆された状態で高温に晒されることがな
く、信頼性の高い素子を実現できる「アンチガイド」型
の半導体レーザおよびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体レ
ーザは、半導体基板主面上に第1の導電形を有する第1
の半導体層,活性層,および第2の導電形を有する第2
の半導体層からなるダブルヘテロ構造を有する半導体レ
ーザにおいて、上記第1あるいは第2の半導体層の厚み
は、少なくともレーザ発振が生じる活性領域の上では厚
いものであり、かつ、該第1あるいは第2の半導体層
が、該半導体層よりも屈折率が大きく,上記活性層より
も禁制帯幅の大きい半導体で覆われた構造としたもので
ある。
ーザは、半導体基板主面上に第1の導電形を有する第1
の半導体層,活性層,および第2の導電形を有する第2
の半導体層からなるダブルヘテロ構造を有する半導体レ
ーザにおいて、上記第1あるいは第2の半導体層の厚み
は、少なくともレーザ発振が生じる活性領域の上では厚
いものであり、かつ、該第1あるいは第2の半導体層
が、該半導体層よりも屈折率が大きく,上記活性層より
も禁制帯幅の大きい半導体で覆われた構造としたもので
ある。
【0011】また、この発明に係る半導体レーザの製造
方法は、第1の導電形を有する半導体基板主表面上に第
1の導電形を有する下クラッド層,活性層,および第2
の導電形を有する上クラッド層を順次成長し、上記上ク
ラッド層をその厚みが少なくともレーザ発振が生じる活
性領域となるべき領域上では厚い形状に成形した後、上
記上クラッド層を覆うように該上クラッド層よりも屈折
率が大きく,上記活性層よりも禁制帯幅の大きい半導体
層を形成するようにしたものである。
方法は、第1の導電形を有する半導体基板主表面上に第
1の導電形を有する下クラッド層,活性層,および第2
の導電形を有する上クラッド層を順次成長し、上記上ク
ラッド層をその厚みが少なくともレーザ発振が生じる活
性領域となるべき領域上では厚い形状に成形した後、上
記上クラッド層を覆うように該上クラッド層よりも屈折
率が大きく,上記活性層よりも禁制帯幅の大きい半導体
層を形成するようにしたものである。
【0012】また、この発明に係る半導体レーザの製造
方法は、その上層に活性層が結晶成長される第1の導電
形を有する下クラッド層を、その表面が、その上に結晶
成長される層の層厚が少なくともレーザ発振が生じる活
性領域となるべき領域で厚いものとなる形状に成形され
た,上記下クラッド層よりも屈折率が大きく,上記活性
層よりも禁制帯幅の大きい半導体上に成長し、さらに該
下クラッド層上に上記活性層,および第2の導電形を有
する上クラッド層を順次成長するようにしたものであ
る。
方法は、その上層に活性層が結晶成長される第1の導電
形を有する下クラッド層を、その表面が、その上に結晶
成長される層の層厚が少なくともレーザ発振が生じる活
性領域となるべき領域で厚いものとなる形状に成形され
た,上記下クラッド層よりも屈折率が大きく,上記活性
層よりも禁制帯幅の大きい半導体上に成長し、さらに該
下クラッド層上に上記活性層,および第2の導電形を有
する上クラッド層を順次成長するようにしたものであ
る。
【0013】
【作用】この発明においては、半導体基板主面上に第1
の導電形を有する第1の半導体層,活性層,および第2
の導電形を有する第2の半導体層からなるダブルヘテロ
構造を有する半導体レーザにおいて、上記第1あるいは
第2の半導体層の厚みは、少なくともレーザ発振が生じ
る活性領域の上では厚いものであり、かつ、該第1ある
いは第2の半導体層が、該半導体層よりも屈折率が大き
く,上記活性層よりも禁制帯幅の大きい半導体で覆われ
た構造としたので、活性層に水平な方向の屈折率分布
を、活性領域中心部では低く、周辺部では高い、いわゆ
る「アンチガイド」型とすることができ、しかも、その
製造工程において、活性層の活性領域となる領域の真上
をエッチングで薄くすることが無いので、信頼性の高い
「アンチガイド」型の半導体レーザを実現できる。
の導電形を有する第1の半導体層,活性層,および第2
の導電形を有する第2の半導体層からなるダブルヘテロ
構造を有する半導体レーザにおいて、上記第1あるいは
第2の半導体層の厚みは、少なくともレーザ発振が生じ
る活性領域の上では厚いものであり、かつ、該第1ある
いは第2の半導体層が、該半導体層よりも屈折率が大き
く,上記活性層よりも禁制帯幅の大きい半導体で覆われ
た構造としたので、活性層に水平な方向の屈折率分布
を、活性領域中心部では低く、周辺部では高い、いわゆ
る「アンチガイド」型とすることができ、しかも、その
製造工程において、活性層の活性領域となる領域の真上
をエッチングで薄くすることが無いので、信頼性の高い
「アンチガイド」型の半導体レーザを実現できる。
【0014】また、この発明においては、第1の導電形
を有する半導体基板の主表面上に第1の導電形を有する
下クラッド層,活性層,および第2の導電形を有する上
クラッド層を順次成長し、上記上クラッド層をその厚み
が少なくともレーザ発振が生じる活性領域となるべき領
域上では厚い形状に成形した後、上記上クラッド層を覆
うように該上クラッド層よりも屈折率が大きく,上記活
性層よりも禁制帯幅の大きい半導体層を形成するように
したので、埋め込み再成長の際、活性層の活性領域とな
る部分の真上部は厚い層で覆われており、これが埋め込
み再成長時の高温度環境に対し十分な保護膜の働きを
し、これにより再成長時における活性領域への欠陥の導
入を防ぎ、信頼性の高い「アンチガイド」型の半導体レ
ーザを製造できる。
を有する半導体基板の主表面上に第1の導電形を有する
下クラッド層,活性層,および第2の導電形を有する上
クラッド層を順次成長し、上記上クラッド層をその厚み
が少なくともレーザ発振が生じる活性領域となるべき領
域上では厚い形状に成形した後、上記上クラッド層を覆
うように該上クラッド層よりも屈折率が大きく,上記活
性層よりも禁制帯幅の大きい半導体層を形成するように
したので、埋め込み再成長の際、活性層の活性領域とな
る部分の真上部は厚い層で覆われており、これが埋め込
み再成長時の高温度環境に対し十分な保護膜の働きを
し、これにより再成長時における活性領域への欠陥の導
入を防ぎ、信頼性の高い「アンチガイド」型の半導体レ
ーザを製造できる。
【0015】また、この発明においては、その上層に活
性層が結晶成長される第1の導電形を有する下クラッド
層を、その表面が、その上に結晶成長される層が少なく
ともレーザ発振が生じる活性領域となるべき領域で厚い
ものとなる形状に成形された,上記下クラッド層よりも
屈折率が大きく,上記活性層よりも禁制帯幅の大きい半
導体上に成長し、さらに該下クラッド層上に上記活性
層,および第2の導電形を有する上クラッド層を順次成
長するようにしたので、その作製工程において、活性層
の活性領域となる部分が長時間高温に晒されることがな
く、結晶性の優れた、信頼性の高い「アンチガイド」型
の半導体レーザを製造できる。
性層が結晶成長される第1の導電形を有する下クラッド
層を、その表面が、その上に結晶成長される層が少なく
ともレーザ発振が生じる活性領域となるべき領域で厚い
ものとなる形状に成形された,上記下クラッド層よりも
屈折率が大きく,上記活性層よりも禁制帯幅の大きい半
導体上に成長し、さらに該下クラッド層上に上記活性
層,および第2の導電形を有する上クラッド層を順次成
長するようにしたので、その作製工程において、活性層
の活性領域となる部分が長時間高温に晒されることがな
く、結晶性の優れた、信頼性の高い「アンチガイド」型
の半導体レーザを製造できる。
【0016】
【実施例】実施例1.以下、本発明の実施例を図につい
て説明する。図1は、GaAsを基板とし、活性層は歪
を有するInGaAsからなるものとした本発明の第1
の実施例による半導体レーザを示す図であり、図1(a)
はその共振器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示
す図、図1(b) は共振器幅方向の屈折率分布を示す図で
ある。図において、101はn型GaAs基板、102
はn型AlGaAs下クラッド層、103はInGaA
sからなる活性層、104は屈折率分布を付与する役目
をも果たしているp型AlGaAs上クラッド層、10
5はGaAs埋め込み層、106は活性領域108上の
主リッジ、107は、幅wをもつ主リッジから距離tだ
け離れた幅sの副リッジである。110,111はそれ
ぞれ該半導体レーザチップ1に設けられたn側電極およ
びp側電極である。また、図5は図1に示す半導体レー
ザの製造方法を説明するための断面工程図であり、図に
おいて、図1と同一符号は同一又は相当部分である。
て説明する。図1は、GaAsを基板とし、活性層は歪
を有するInGaAsからなるものとした本発明の第1
の実施例による半導体レーザを示す図であり、図1(a)
はその共振器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示
す図、図1(b) は共振器幅方向の屈折率分布を示す図で
ある。図において、101はn型GaAs基板、102
はn型AlGaAs下クラッド層、103はInGaA
sからなる活性層、104は屈折率分布を付与する役目
をも果たしているp型AlGaAs上クラッド層、10
5はGaAs埋め込み層、106は活性領域108上の
主リッジ、107は、幅wをもつ主リッジから距離tだ
け離れた幅sの副リッジである。110,111はそれ
ぞれ該半導体レーザチップ1に設けられたn側電極およ
びp側電極である。また、図5は図1に示す半導体レー
ザの製造方法を説明するための断面工程図であり、図に
おいて、図1と同一符号は同一又は相当部分である。
【0017】以下この半導体レーザの製造方法を図5に
ついて説明する。まず、図5(a) に示すように、n型G
aAs基板101上に、MOCVD(Metal Organic Ch
emical Vapor Deposition )法などの気相成長法によ
り、n型AlGaAs下クラッド層102,InGaA
s活性層103,及びp型AlGaAs上クラッド層1
04を順次結晶成長してダブルヘテロ構造を形成する。
ここで、活性層103の組成はIn0.2 Ga0.8 Asが
一般的である。厚みは70〜100オングストロームに
設定する。このように組成を選ぶと、レーザ発振波長は
980nm程度になる。また、上および下クラッド層で
あるAlGaAs層102,104のAl組成比は、
0.4程度に選ぶのが好ましい。また、上クラッド層で
あるAlGaAs層104の厚みは、1ないし3μm程
度に設定する。
ついて説明する。まず、図5(a) に示すように、n型G
aAs基板101上に、MOCVD(Metal Organic Ch
emical Vapor Deposition )法などの気相成長法によ
り、n型AlGaAs下クラッド層102,InGaA
s活性層103,及びp型AlGaAs上クラッド層1
04を順次結晶成長してダブルヘテロ構造を形成する。
ここで、活性層103の組成はIn0.2 Ga0.8 Asが
一般的である。厚みは70〜100オングストロームに
設定する。このように組成を選ぶと、レーザ発振波長は
980nm程度になる。また、上および下クラッド層で
あるAlGaAs層102,104のAl組成比は、
0.4程度に選ぶのが好ましい。また、上クラッド層で
あるAlGaAs層104の厚みは、1ないし3μm程
度に設定する。
【0018】次に、化学エッチング法あるいはドライエ
ッチング法により、図5(b) に示すように、主リッジ1
06および副リッジ107を有するようにAlGaAs
層104を加工する。エッチャントとしては、ウエット
エッチングの場合は酒石酸と過酸化水素と水の混合液、
ドライエッチングの場合は塩素ガスを用いることができ
る。また、この時に用いるエッチングマスクとしては、
ホトレジストを用いても、あるいはSiNなどの誘電体
を用いても良い。AlGaAs層104のいわゆる残し
厚、即ちエッチングで除去された後の厚さは、0.2〜
0.6μmにするのが発振横モードの制御という観点か
ら望ましい。ここで、AlGaAs層104の残し厚み
はエッチング時間により制御できる。また主リッジ10
6の幅wはたとえば6μmとする。また副リッジ107
の幅s,および両リッジ間の間隔tはそれぞれ3.0μ
mおよび1.5μm程度に設計する。ここで、sおよび
tの寸法は、1次の発振横モードの水平方向伝搬定数か
ら定まる波長の1/4の整数倍に選んでおくと、1次
(すなわち高次)モードが遮断され易くなる。
ッチング法により、図5(b) に示すように、主リッジ1
06および副リッジ107を有するようにAlGaAs
層104を加工する。エッチャントとしては、ウエット
エッチングの場合は酒石酸と過酸化水素と水の混合液、
ドライエッチングの場合は塩素ガスを用いることができ
る。また、この時に用いるエッチングマスクとしては、
ホトレジストを用いても、あるいはSiNなどの誘電体
を用いても良い。AlGaAs層104のいわゆる残し
厚、即ちエッチングで除去された後の厚さは、0.2〜
0.6μmにするのが発振横モードの制御という観点か
ら望ましい。ここで、AlGaAs層104の残し厚み
はエッチング時間により制御できる。また主リッジ10
6の幅wはたとえば6μmとする。また副リッジ107
の幅s,および両リッジ間の間隔tはそれぞれ3.0μ
mおよび1.5μm程度に設計する。ここで、sおよび
tの寸法は、1次の発振横モードの水平方向伝搬定数か
ら定まる波長の1/4の整数倍に選んでおくと、1次
(すなわち高次)モードが遮断され易くなる。
【0019】次に、このようにリッジが形成された半導
体ウェハを、再成長によって埋め込む。この埋め込みに
用いる材料は、AlGaAsクラッド層104に比べ禁
制帯幅が小さく、従って屈折率の大きいGaAsを用い
る。ここで、GaAsは活性層であるIn0.2 Ga0.8
Asよりも禁制帯幅が大きく、この埋め込み層によるレ
ーザ光の吸収はほとんどない。ただし、このように埋め
込み層にはGaAsを用いるのが屈折率分布を設けるた
めにふさわしいが、これは必ずしもGaAsでなくても
かまわない。例えば、上クラッドAlGaAs層104
のAl組成が0.4である場合には、埋め込み層として
はAl組成が0.1あるいは0.2などのように、0.
4より小さいAlGaAsとすれば、GaAsを用いた
場合と同様の効果を得ることができる。
体ウェハを、再成長によって埋め込む。この埋め込みに
用いる材料は、AlGaAsクラッド層104に比べ禁
制帯幅が小さく、従って屈折率の大きいGaAsを用い
る。ここで、GaAsは活性層であるIn0.2 Ga0.8
Asよりも禁制帯幅が大きく、この埋め込み層によるレ
ーザ光の吸収はほとんどない。ただし、このように埋め
込み層にはGaAsを用いるのが屈折率分布を設けるた
めにふさわしいが、これは必ずしもGaAsでなくても
かまわない。例えば、上クラッドAlGaAs層104
のAl組成が0.4である場合には、埋め込み層として
はAl組成が0.1あるいは0.2などのように、0.
4より小さいAlGaAsとすれば、GaAsを用いた
場合と同様の効果を得ることができる。
【0020】このように、主および副リッジを有するA
lGaAs上クラッド層104を、該上クラッド層より
も屈折率が大きく、InGaAs活性層103よりも禁
制帯幅の大きいGaAs層105で埋め込んだ構造とす
ることにより、活性層に水平な方向の屈折率分布は、図
1(b) に示すように、従来例と同様の分布となる。
lGaAs上クラッド層104を、該上クラッド層より
も屈折率が大きく、InGaAs活性層103よりも禁
制帯幅の大きいGaAs層105で埋め込んだ構造とす
ることにより、活性層に水平な方向の屈折率分布は、図
1(b) に示すように、従来例と同様の分布となる。
【0021】また、本実施例では、その製造工程におい
て活性領域の真上をエッチングで薄くすることのない、
いわゆるリッジ構造を採用しており、埋め込み再成長の
際、活性層の活性領域となる部分の真上部は数μmと厚
い層で覆われているので、これが埋め込み再成長時の高
温度環境に対し十分な保護膜の働きをし、これにより再
成長時における活性領域への欠陥の導入を防ぎ、信頼性
の高い半導体レーザを実現することができる。
て活性領域の真上をエッチングで薄くすることのない、
いわゆるリッジ構造を採用しており、埋め込み再成長の
際、活性層の活性領域となる部分の真上部は数μmと厚
い層で覆われているので、これが埋め込み再成長時の高
温度環境に対し十分な保護膜の働きをし、これにより再
成長時における活性領域への欠陥の導入を防ぎ、信頼性
の高い半導体レーザを実現することができる。
【0022】なお上述の説明では、主副リッジの形成は
上クラッド層のエッチング時間を制御することにより行
なうようにしているが、これは、活性層から0.2〜
0.6μm離れたところに、例えばAl組成0.65の
いわゆるエッチングストッパ層を設け、主,副リッジを
形成する化学エッチングがこのエッチングストッパ層で
自動的にストップするようにしても良い。
上クラッド層のエッチング時間を制御することにより行
なうようにしているが、これは、活性層から0.2〜
0.6μm離れたところに、例えばAl組成0.65の
いわゆるエッチングストッパ層を設け、主,副リッジを
形成する化学エッチングがこのエッチングストッパ層で
自動的にストップするようにしても良い。
【0023】実施例2.なお、上記第1の実施例では活
性層103が単一の層からなるものについて示したが、
この活性層は、図3に示す本発明の第2の実施例のよう
に、例えば、In0.2 Ga0.8 Asからなる層厚70オ
ングストロームの井戸層103aおよびGaAsからな
る層厚50オングストロームのバリア層103bからな
るいわゆる量子井戸構造であってもよい。また、量子井
戸構造は図3に示す単一量子井戸構造に限らず、複数の
井戸層103aとバリア層103bを繰り返し積層して
なる多重量子井戸構造であってもよい。
性層103が単一の層からなるものについて示したが、
この活性層は、図3に示す本発明の第2の実施例のよう
に、例えば、In0.2 Ga0.8 Asからなる層厚70オ
ングストロームの井戸層103aおよびGaAsからな
る層厚50オングストロームのバリア層103bからな
るいわゆる量子井戸構造であってもよい。また、量子井
戸構造は図3に示す単一量子井戸構造に限らず、複数の
井戸層103aとバリア層103bを繰り返し積層して
なる多重量子井戸構造であってもよい。
【0024】実施例3.また、上記第1の実施例ではI
n0.2 Ga0.8 As活性層103の上下にこれと接して
AlGaAsクラッド層102,104を配置したもの
について示したが、図4に示す本発明の第3の実施例の
ように、例えばAl0.2 Ga0.8 Asからなる層厚50
オングストローム程度の光ガイド層109a,109b
を、上記In0.2 Ga0.8 As活性層103に接してそ
の上下両側に導入するようにしてもよい。
n0.2 Ga0.8 As活性層103の上下にこれと接して
AlGaAsクラッド層102,104を配置したもの
について示したが、図4に示す本発明の第3の実施例の
ように、例えばAl0.2 Ga0.8 Asからなる層厚50
オングストローム程度の光ガイド層109a,109b
を、上記In0.2 Ga0.8 As活性層103に接してそ
の上下両側に導入するようにしてもよい。
【0025】実施例4.上記各実施例では、主,副リッ
ジを活性層の上に形成する例について説明したが、これ
らの主,副リッジは、活性層の下、すなわち、下クラッ
ド層に形成するようにしても構わない。
ジを活性層の上に形成する例について説明したが、これ
らの主,副リッジは、活性層の下、すなわち、下クラッ
ド層に形成するようにしても構わない。
【0026】図6は主,副リッジを下クラッド層に形成
した,本発明の第4の実施例による半導体レーザの共振
器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図であ
り、図7はその製造方法を説明するための断面工程図で
ある。図において、301はn型GaAs基板、302
はp型GaAs層、303はn型AlGaAs下クラッ
ド層、304はInGaAs活性層、305はp型Al
GaAs上クラッド層、306はp型GaAsコンタク
ト層である。また、307は主リッジ、308は副リッ
ジである。即ち、本実施例では、InGaAs活性層3
04の下側に配置されるn型AlGaAs下クラッド層
303が主リッジ307及び副リッジ308を有し、こ
の下クラッド層303がp型GaAs層302及びn型
GaAs基板301に覆われた構造となっている。
した,本発明の第4の実施例による半導体レーザの共振
器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図であ
り、図7はその製造方法を説明するための断面工程図で
ある。図において、301はn型GaAs基板、302
はp型GaAs層、303はn型AlGaAs下クラッ
ド層、304はInGaAs活性層、305はp型Al
GaAs上クラッド層、306はp型GaAsコンタク
ト層である。また、307は主リッジ、308は副リッ
ジである。即ち、本実施例では、InGaAs活性層3
04の下側に配置されるn型AlGaAs下クラッド層
303が主リッジ307及び副リッジ308を有し、こ
の下クラッド層303がp型GaAs層302及びn型
GaAs基板301に覆われた構造となっている。
【0027】次に、製造工程について説明する。まず、
図7(a) に示すように、n型GaAs基板301上にp
型GaAs層302を結晶成長する。次にp型GaAs
層302を選択的にエッチングし、図7(b) に示すよう
に成形する。次に再び結晶成長を行い、図7(c) に示す
ように、n型AlGaAs下クラッド層303,InG
aAs活性層304,p型AlGaAs上クラッド層3
05,及びp型GaAsコンタクト層306を成長す
る。ここで、n型AlGaAs下クラッド層303のp
型GaAs層302上に成長される部分の層厚は0.2
〜0.6μmとなるようにする。その後、n側電極11
0,及びp側電極111を形成して半導体レーザが出来
上がる。
図7(a) に示すように、n型GaAs基板301上にp
型GaAs層302を結晶成長する。次にp型GaAs
層302を選択的にエッチングし、図7(b) に示すよう
に成形する。次に再び結晶成長を行い、図7(c) に示す
ように、n型AlGaAs下クラッド層303,InG
aAs活性層304,p型AlGaAs上クラッド層3
05,及びp型GaAsコンタクト層306を成長す
る。ここで、n型AlGaAs下クラッド層303のp
型GaAs層302上に成長される部分の層厚は0.2
〜0.6μmとなるようにする。その後、n側電極11
0,及びp側電極111を形成して半導体レーザが出来
上がる。
【0028】このような本実施例においては、下クラッ
ド層303が主,副リッジを有し、このリッジ間には下
クラッド層303よりも屈折率の大きいGaAs層30
2が配置された構造となっているので、活性層に水平な
方向の屈折率分布は、従来例と同様の分布となる。ま
た、上述のように本実施例においては、その作製工程に
おいて、活性層の結晶成長に連続してその上部に配置さ
れる層が結晶成長されるので、活性層の活性領域となる
部分が長時間高温に晒されることはなく、結晶性の優れ
た、信頼性の高い「アンチガイド」型の半導体レーザを
実現できる。
ド層303が主,副リッジを有し、このリッジ間には下
クラッド層303よりも屈折率の大きいGaAs層30
2が配置された構造となっているので、活性層に水平な
方向の屈折率分布は、従来例と同様の分布となる。ま
た、上述のように本実施例においては、その作製工程に
おいて、活性層の結晶成長に連続してその上部に配置さ
れる層が結晶成長されるので、活性層の活性領域となる
部分が長時間高温に晒されることはなく、結晶性の優れ
た、信頼性の高い「アンチガイド」型の半導体レーザを
実現できる。
【0029】なお、上記第4の実施例ではn型GaAs
基板上にp型GaAsを結晶成長して、これを電流ブロ
ック層としても用いる構成としているが、n型GaAs
基板を直接エッチングにより、その上に結晶成長される
n型AlGaAs下クラッド層がリッジを有する形状と
なるような形状に成形するようにしてもよい。
基板上にp型GaAsを結晶成長して、これを電流ブロ
ック層としても用いる構成としているが、n型GaAs
基板を直接エッチングにより、その上に結晶成長される
n型AlGaAs下クラッド層がリッジを有する形状と
なるような形状に成形するようにしてもよい。
【0030】なお、第1〜第4の各実施例を示す図で
は、主,副リッジともその断面が矩形であるものを示し
ているが、各リッジとも、断面三角形形状あるいは断面
台形形状等、リッジの中央部に向かって徐々にその層厚
が厚くなる形状であれば如何なる形状でも構わない。
は、主,副リッジともその断面が矩形であるものを示し
ているが、各リッジとも、断面三角形形状あるいは断面
台形形状等、リッジの中央部に向かって徐々にその層厚
が厚くなる形状であれば如何なる形状でも構わない。
【0031】また、上記各実施例では1次モードを効果
的に遮断するために主,副の2種類のリッジを設けたも
のについて示したが、「アンチガイド」型を得るために
は、必ずしも主,副の2種類のリッジを形成する必要は
なく、主リッジのみでも「アンチガイド」型を得ること
ができる。また、上記実施例では副リッジを、主リッジ
を挟んで1組のみ配置したものについて示したが、副リ
ッジの数も主リッジを挟む1組に限定する必要はなく、
間隔tを隔てて複数組の副リッジを作り込むようにして
もよい。
的に遮断するために主,副の2種類のリッジを設けたも
のについて示したが、「アンチガイド」型を得るために
は、必ずしも主,副の2種類のリッジを形成する必要は
なく、主リッジのみでも「アンチガイド」型を得ること
ができる。また、上記実施例では副リッジを、主リッジ
を挟んで1組のみ配置したものについて示したが、副リ
ッジの数も主リッジを挟む1組に限定する必要はなく、
間隔tを隔てて複数組の副リッジを作り込むようにして
もよい。
【0032】また、上記各実施例ではn型基板上にレー
ザ積層構造を形成したものについて示したが、各層の導
電形をそれぞれ反対の導電形の層とし、p型基板上にレ
ーザ積層構造を形成するようにしてもよい。また、材料
もGaAs系の材料に限定されるものでないことは、こ
れまでの説明からも明らかである。
ザ積層構造を形成したものについて示したが、各層の導
電形をそれぞれ反対の導電形の層とし、p型基板上にレ
ーザ積層構造を形成するようにしてもよい。また、材料
もGaAs系の材料に限定されるものでないことは、こ
れまでの説明からも明らかである。
【0033】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、半導
体基板主面上に第1の導電形を有する第1の半導体層,
活性層,および第2の導電形を有する第2の半導体層か
らなるダブルヘテロ構造を有する半導体レーザにおい
て、上記第1あるいは第2の半導体層の厚みは、少なく
ともレーザ発振が生じる活性領域の上では厚いものであ
り、かつ、該第1あるいは第2の半導体層が、該半導体
層よりも屈折率が大きく,上記活性層よりも禁制帯幅の
大きい半導体で覆われた構造としたので、活性層に水平
な方向の屈折率分布を、活性領域中心部では低く、周辺
部では高い、いわゆる「アンチガイド」型とすることが
でき、しかも、その製造工程において、活性層の活性領
域となる領域の真上をエッチングで薄くすることが無い
ので、信頼性の高い「アンチガイド」型の半導体レーザ
を実現できる効果がある。
体基板主面上に第1の導電形を有する第1の半導体層,
活性層,および第2の導電形を有する第2の半導体層か
らなるダブルヘテロ構造を有する半導体レーザにおい
て、上記第1あるいは第2の半導体層の厚みは、少なく
ともレーザ発振が生じる活性領域の上では厚いものであ
り、かつ、該第1あるいは第2の半導体層が、該半導体
層よりも屈折率が大きく,上記活性層よりも禁制帯幅の
大きい半導体で覆われた構造としたので、活性層に水平
な方向の屈折率分布を、活性領域中心部では低く、周辺
部では高い、いわゆる「アンチガイド」型とすることが
でき、しかも、その製造工程において、活性層の活性領
域となる領域の真上をエッチングで薄くすることが無い
ので、信頼性の高い「アンチガイド」型の半導体レーザ
を実現できる効果がある。
【0034】また、この発明によれば、第1の導電形を
有する半導体基板の主表面上に第1の導電形を有する下
クラッド層,活性層,および第2の導電形を有する上ク
ラッド層を順次成長し、上記上クラッド層をその厚みが
少なくともレーザ発振が生じる活性領域となるべき領域
上では厚い形状に成形した後、上記上クラッド層を覆う
ように該上クラッド層よりも屈折率が大きく,上記活性
層よりも禁制帯幅の大きい半導体層を形成するようにし
たので、信頼性の高い「アンチガイド」型の半導体レー
ザを製造できる効果がある。
有する半導体基板の主表面上に第1の導電形を有する下
クラッド層,活性層,および第2の導電形を有する上ク
ラッド層を順次成長し、上記上クラッド層をその厚みが
少なくともレーザ発振が生じる活性領域となるべき領域
上では厚い形状に成形した後、上記上クラッド層を覆う
ように該上クラッド層よりも屈折率が大きく,上記活性
層よりも禁制帯幅の大きい半導体層を形成するようにし
たので、信頼性の高い「アンチガイド」型の半導体レー
ザを製造できる効果がある。
【0035】また、この発明によれば、その上層に活性
層が結晶成長される第1の導電形を有する下クラッド層
を、その表面が、その上に結晶成長される層が少なくと
もレーザ発振が生じる活性領域となるべき領域で厚いも
のとなる形状に成形された,上記下クラッド層よりも屈
折率が大きく,上記活性層よりも禁制帯幅の大きい半導
体上に成長し、さらに該下クラッド層上に上記活性層,
および第2の導電形を有する上クラッド層を順次成長す
るようにしたので、信頼性の高い「アンチガイド」型の
半導体レーザを製造できる効果がある。
層が結晶成長される第1の導電形を有する下クラッド層
を、その表面が、その上に結晶成長される層が少なくと
もレーザ発振が生じる活性領域となるべき領域で厚いも
のとなる形状に成形された,上記下クラッド層よりも屈
折率が大きく,上記活性層よりも禁制帯幅の大きい半導
体上に成長し、さらに該下クラッド層上に上記活性層,
および第2の導電形を有する上クラッド層を順次成長す
るようにしたので、信頼性の高い「アンチガイド」型の
半導体レーザを製造できる効果がある。
【図1】本発明の第1の実施例による半導体レーザの共
振器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図(図
1(a) ),及び共振器幅方向の屈折率分布を示す図(図
1(b) )である。
振器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図(図
1(a) ),及び共振器幅方向の屈折率分布を示す図(図
1(b) )である。
【図2】従来のアンチガイド型の半導体レーザの共振器
長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図(図2
(a) ),及び共振器幅方向の屈折率分布を示す図(図2
(b) )である。
長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図(図2
(a) ),及び共振器幅方向の屈折率分布を示す図(図2
(b) )である。
【図3】本発明の第2の実施例による半導体レーザの共
振器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図(図
3(a) ),及び共振器幅方向の屈折率分布を示す図(図
3(b) )である。
振器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図(図
3(a) ),及び共振器幅方向の屈折率分布を示す図(図
3(b) )である。
【図4】本発明の第3の実施例による半導体レーザの共
振器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図(図
4(a) ),及び共振器幅方向の屈折率分布を示す図(図
4(b) )である。
振器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図(図
4(a) ),及び共振器幅方向の屈折率分布を示す図(図
4(b) )である。
【図5】本発明の第1の実施例による半導体レーザの製
造方法を説明するための断面工程図である。
造方法を説明するための断面工程図である。
【図6】本発明の第4の実施例による半導体レーザの共
振器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図であ
る。
振器長方向に対して垂直な断面の模式構造を示す図であ
る。
【図7】本発明の第4の実施例による半導体レーザの製
造方法を説明するための断面工程図である。
造方法を説明するための断面工程図である。
【図8】図2に示す従来の半導体レーザの製造方法を説
明するための断面工程図である。
明するための断面工程図である。
101 n型GaAs基板 102 n型AlGaAs下クラッド層 103 In0.2 Ga0.8 As活性層 104 p型AlGaAs上クラッド層 105 p型GaAs埋め込み層 106 主リッジ 107 副リッジ 108 活性領域 110 n側電極 111 p側電極
Claims (3)
- 【請求項1】 半導体基板主面上に第1の導電形を有す
る第1の半導体層,活性層,および第2の導電形を有す
る第2の半導体層からなるダブルヘテロ構造を有する半
導体レーザにおいて、 上記第1あるいは第2の半導体層の厚みは、少なくとも
レーザ発振が生じる活性領域の部分では厚いものであ
り、かつ該第1あるいは第2の半導体層は、該半導体層
よりも屈折率が大きく,上記活性層よりも禁制帯幅の大
きい半導体で覆われていることを特徴とする半導体レー
ザ。 - 【請求項2】 第1の導電形を有する半導体基板の主表
面上に第1の導電形を有する下クラッド層,活性層,お
よび第2の導電形を有する上クラッド層を順次成長する
工程と、 上記上クラッド層をその厚みが少なくともレーザ発振が
生じる活性領域となるべき領域上では厚い形状に成形す
る工程と、 上記上クラッド層を覆うように該上クラッド層よりも屈
折率が大きく,上記活性層よりも禁制帯幅の大きい半導
体層を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体レ
ーザの製造方法。 - 【請求項3】 その上層に活性層が結晶成長される第1
の導電形を有する下クラッド層を、その表面が、その上
に結晶成長される層の層厚が少なくともレーザ発振が生
じる活性領域となるべき領域で厚いものとなる形状に成
形された,上記下クラッド層よりも屈折率が大きく,上
記活性層よりも禁制帯幅の大きい半導体上に成長する工
程と、 該下クラッド層上に上記活性層,および第2の導電形を
有する上クラッド層を順次成長する工程とを含むことを
特徴とする半導体レーザの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18591993A JPH0745902A (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | 半導体レーザおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18591993A JPH0745902A (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | 半導体レーザおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0745902A true JPH0745902A (ja) | 1995-02-14 |
Family
ID=16179177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18591993A Pending JPH0745902A (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | 半導体レーザおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0745902A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5966397A (en) * | 1996-11-19 | 1999-10-12 | Sony Corporation | Self-pulsating semiconductor laser |
EP1094529A3 (en) * | 1999-09-24 | 2004-03-24 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Semiconductor light emitting device |
US7201975B2 (en) | 2000-12-13 | 2007-04-10 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Organic light emitting device |
JP2008016683A (ja) * | 2006-07-06 | 2008-01-24 | Nichia Chem Ind Ltd | 窒化物半導体レーザ素子 |
-
1993
- 1993-07-28 JP JP18591993A patent/JPH0745902A/ja active Pending
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