JP2001077465A - 半導体レーザ及びその製造方法 - Google Patents
半導体レーザ及びその製造方法Info
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- JP2001077465A JP2001077465A JP24923599A JP24923599A JP2001077465A JP 2001077465 A JP2001077465 A JP 2001077465A JP 24923599 A JP24923599 A JP 24923599A JP 24923599 A JP24923599 A JP 24923599A JP 2001077465 A JP2001077465 A JP 2001077465A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】共振器端面におけるZn拡散フロントの制御性
を向上し、Zn拡散型ウィンドウ構造半導体レーザの歩
留まり向上を図る。 【解決手段】半導体基板上に第1のクラッド層、活性
層、第2のクラッド層とを備え、共振器端面にZn拡散
することよりウィンドウ構造にした半導体レーザにおい
て、第1のクラッド層中にZnの拡散速度が第1のクラ
ッド層よりも遅い半導体層(拡散ストッパ層)を設け、
Zn拡散フロントを正確に第1のクラッド層中に止め
る。
を向上し、Zn拡散型ウィンドウ構造半導体レーザの歩
留まり向上を図る。 【解決手段】半導体基板上に第1のクラッド層、活性
層、第2のクラッド層とを備え、共振器端面にZn拡散
することよりウィンドウ構造にした半導体レーザにおい
て、第1のクラッド層中にZnの拡散速度が第1のクラ
ッド層よりも遅い半導体層(拡散ストッパ層)を設け、
Zn拡散フロントを正確に第1のクラッド層中に止め
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルバーサタ
イルディスク(DVD)・光磁気(MO)ディスク等の
光ディスク用光源等として用いられるAlGaInP系
半導体レーザに関する。
イルディスク(DVD)・光磁気(MO)ディスク等の
光ディスク用光源等として用いられるAlGaInP系
半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、AlGaInP系可視光半導体レ
ーザを光源に用いた高密度光ディスク装置等が積極的に
開発されており、光源となるAlGaInP系可視光半
導体レーザの高出力化が強く望まれている。しかしなが
ら、AlGaInP系可視光半導体レーザは、端面瞬時
破壊光密度(COD光密度)が小さいという欠点があ
る。そこで、この欠点を回避する方法の1つとして、共
振器端面近傍の活性層のバンドギャップエネルギーを大
きくしてCOD光密度を高めるウィンドウ構造半導体レ
ーザがいくつか報告されている。例えば、Arimot
o等によるIEEEジャーナル・オブ・カンタム・エレ
クトロニクス誌、第29巻、1874頁(1993年)
記載のもの、Ueno等によるジャパニーズ・ジャーナ
ル・オブ・アプライド・フィジックス誌、第29巻、L
1666頁(1990年)記載のもの、特開平3−20
8388号公報記載のもの等である。これらの例は全
て、共振器端面近傍のウィンドウ部となる部分にのみZ
nを拡散し、自然超格子活性層を無秩序化、もしくは、
多重量子井戸(MQW)活性層を混晶化することでバン
ドギャップエネルギーを大きくし、ウィンドウ構造を作
製している。
ーザを光源に用いた高密度光ディスク装置等が積極的に
開発されており、光源となるAlGaInP系可視光半
導体レーザの高出力化が強く望まれている。しかしなが
ら、AlGaInP系可視光半導体レーザは、端面瞬時
破壊光密度(COD光密度)が小さいという欠点があ
る。そこで、この欠点を回避する方法の1つとして、共
振器端面近傍の活性層のバンドギャップエネルギーを大
きくしてCOD光密度を高めるウィンドウ構造半導体レ
ーザがいくつか報告されている。例えば、Arimot
o等によるIEEEジャーナル・オブ・カンタム・エレ
クトロニクス誌、第29巻、1874頁(1993年)
記載のもの、Ueno等によるジャパニーズ・ジャーナ
ル・オブ・アプライド・フィジックス誌、第29巻、L
1666頁(1990年)記載のもの、特開平3−20
8388号公報記載のもの等である。これらの例は全
て、共振器端面近傍のウィンドウ部となる部分にのみZ
nを拡散し、自然超格子活性層を無秩序化、もしくは、
多重量子井戸(MQW)活性層を混晶化することでバン
ドギャップエネルギーを大きくし、ウィンドウ構造を作
製している。
【0003】図4(a)、(b)、(c)に従来のウィ
ンドウ構造AlGaInP系可視光半導体レーザを示
す。ここで、(a)は正面図で、ハッチングを施した部
分はZn拡散領域である。(b)はレーザ中心部の断面
図で、切断面を示すハッチングは省略して描いてある。
(c)は共振器端面の拡大図で、Zn拡散フロント6が
n型GaAsバッファ層11にまで達した不良素子の例
を示している。
ンドウ構造AlGaInP系可視光半導体レーザを示
す。ここで、(a)は正面図で、ハッチングを施した部
分はZn拡散領域である。(b)はレーザ中心部の断面
図で、切断面を示すハッチングは省略して描いてある。
(c)は共振器端面の拡大図で、Zn拡散フロント6が
n型GaAsバッファ層11にまで達した不良素子の例
を示している。
【0004】図4に示す従来のウィンドウ構造AlGa
InP系可視光半導体レーザは、先ず、n型GaAs基
板10上にn型GaAsバッファ層11、n型AlGa
InPクラッド層12、MQW活性層14、p型AlG
aInPクラッド層15、p型GaInPヘテロバッフ
ァ層18、p型GaAsキャップ層19を順に積層・形
成する。その後、共振器端面に相当する部分を除去した
形にパターンニングしたSiNx膜をp型GaAsキャ
ップ層19の上に形成し、さらに、その上にZnO膜、
SiO2膜を順次形成する。次に、600℃で熱処理を
行い、端面となる部分にのみ、Zn拡散フロント6がn
型AlGaInPクラッド層12の途中になるまでZn
を拡散させ、共振器端面にZn拡散領域5(ハッチング
を施した領域で示す)を形成してウィンドウ構造を形成
する。Zn拡散フロント6の制御は、熱処理温度と処理
時間で行う。次いで、SiNx膜、ZnO膜、SiO2膜
を取り除き、p型GaAsキャップ層19の上にストラ
イプ状のSiO2膜を形成し、このストライプ状SiO2
膜をマスクにしてp型GaAsキャップ層19、p型G
aInPヘテロバッファ層18、p型AlGaInPク
ラッド層15をエッチングし、ストライプ状にリッジ導
波路を形成する。このときのエッチングの深さは、p型
AlGaInPクラッド層15の中程に達する深さとす
る。次に、ストライプ状SiO2膜の共振器端面近傍部
分を除去した後、このストライプ状SiO2膜をマスク
にしてリッジ導波路の両脇にn型GaAsブロック層2
1を成長する。このとき共振器端面近傍はリッジ導波路
の上にもn型GaAsブロック層が成長する(図4
(a))。共振器内部においてはリッジ導波路の上には
n型GaAsブロック層は形成されない(図4
(b))。リッジ導波路上のストライプ状SiO2膜を
除去し、全面にp型GaAsコンタクト層22を成長し
た後、電極形成、劈開、端面保護膜形成の工程を経て図
4(a)、(b)に示す(電極、端面保護膜は記載省
略)ウィンドウ構造半導体レーザが完成する。
InP系可視光半導体レーザは、先ず、n型GaAs基
板10上にn型GaAsバッファ層11、n型AlGa
InPクラッド層12、MQW活性層14、p型AlG
aInPクラッド層15、p型GaInPヘテロバッフ
ァ層18、p型GaAsキャップ層19を順に積層・形
成する。その後、共振器端面に相当する部分を除去した
形にパターンニングしたSiNx膜をp型GaAsキャ
ップ層19の上に形成し、さらに、その上にZnO膜、
SiO2膜を順次形成する。次に、600℃で熱処理を
行い、端面となる部分にのみ、Zn拡散フロント6がn
型AlGaInPクラッド層12の途中になるまでZn
を拡散させ、共振器端面にZn拡散領域5(ハッチング
を施した領域で示す)を形成してウィンドウ構造を形成
する。Zn拡散フロント6の制御は、熱処理温度と処理
時間で行う。次いで、SiNx膜、ZnO膜、SiO2膜
を取り除き、p型GaAsキャップ層19の上にストラ
イプ状のSiO2膜を形成し、このストライプ状SiO2
膜をマスクにしてp型GaAsキャップ層19、p型G
aInPヘテロバッファ層18、p型AlGaInPク
ラッド層15をエッチングし、ストライプ状にリッジ導
波路を形成する。このときのエッチングの深さは、p型
AlGaInPクラッド層15の中程に達する深さとす
る。次に、ストライプ状SiO2膜の共振器端面近傍部
分を除去した後、このストライプ状SiO2膜をマスク
にしてリッジ導波路の両脇にn型GaAsブロック層2
1を成長する。このとき共振器端面近傍はリッジ導波路
の上にもn型GaAsブロック層が成長する(図4
(a))。共振器内部においてはリッジ導波路の上には
n型GaAsブロック層は形成されない(図4
(b))。リッジ導波路上のストライプ状SiO2膜を
除去し、全面にp型GaAsコンタクト層22を成長し
た後、電極形成、劈開、端面保護膜形成の工程を経て図
4(a)、(b)に示す(電極、端面保護膜は記載省
略)ウィンドウ構造半導体レーザが完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のZn拡散型ウィ
ンドウ構造半導体レーザでは、ウィンドウ部を流れるリ
ークパス電流を生じさせないために、Zn拡散フロント
6をn型AlGaInPクラッド層12中に制御する必
要がある。しかしながら、従来は、Zn拡散フロント制
御を熱処理温度と熱処理時間だけで行っているため、ウ
ェハ全面のMQW活性層14を混晶化するために十分に
Znを拡散させた際、拡散速度のばらつきや、エピタキ
シャル成長層厚のばらつきから、図4(c)に示すよう
に、Zn拡散フロント6が部分的にn型AlGaInP
クラッド層12を通過し、n型AlGaInPクラッド
層12の下のn型GaAsバッファ層11やn型GaA
s基板10にまでZnが拡散されて、特性不良素子が生
じてしまうという問題がある。
ンドウ構造半導体レーザでは、ウィンドウ部を流れるリ
ークパス電流を生じさせないために、Zn拡散フロント
6をn型AlGaInPクラッド層12中に制御する必
要がある。しかしながら、従来は、Zn拡散フロント制
御を熱処理温度と熱処理時間だけで行っているため、ウ
ェハ全面のMQW活性層14を混晶化するために十分に
Znを拡散させた際、拡散速度のばらつきや、エピタキ
シャル成長層厚のばらつきから、図4(c)に示すよう
に、Zn拡散フロント6が部分的にn型AlGaInP
クラッド層12を通過し、n型AlGaInPクラッド
層12の下のn型GaAsバッファ層11やn型GaA
s基板10にまでZnが拡散されて、特性不良素子が生
じてしまうという問題がある。
【0006】本発明の目的は、共振器端面近傍の活性層
に制御性良く選択的にZnを拡散でき、歩留まりの良い
Zn拡散型ウィンドウ構造の半導体レーザを提供するこ
とにある。
に制御性良く選択的にZnを拡散でき、歩留まりの良い
Zn拡散型ウィンドウ構造の半導体レーザを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ
は、第1導電型半導体基板上に第1導電型クラッド層、
活性層、第2導電型のクラッド層とを少なくとも備え、
共振器端面にZn拡散することより前記活性層の共振器
端面のバンドギャップエネルギーを共振器内部の活性層
のバンドギャップエネルギーよりも大きくしたウィンド
ウ構造の半導体レーザにおいて、前記第1導電型のクラ
ッド層中にZnの拡散速度が前記第1導電型のクラッド
層よりも遅い半導体層(拡散ストッパ層)を設けたこと
を特徴とする構成である。
は、第1導電型半導体基板上に第1導電型クラッド層、
活性層、第2導電型のクラッド層とを少なくとも備え、
共振器端面にZn拡散することより前記活性層の共振器
端面のバンドギャップエネルギーを共振器内部の活性層
のバンドギャップエネルギーよりも大きくしたウィンド
ウ構造の半導体レーザにおいて、前記第1導電型のクラ
ッド層中にZnの拡散速度が前記第1導電型のクラッド
層よりも遅い半導体層(拡散ストッパ層)を設けたこと
を特徴とする構成である。
【0008】本発明の製造方法は、第1導電型半導体基
板上に第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型のク
ラッド層とを少なくとも有する半導体多層構造を形成す
る工程と、前記半導体多層構造の共振器端面部分にZn
を拡散する工程と、前記半導体多層構造の一部をエッチ
ングしてストライプ状のリッジ導波路を形成する工程
と、前記リッジ導波路の両側部及びリッジ導波路端面上
部を覆う第1導電型のブロック層を成長する工程と、前
記リッジ導波路上部及び前記ブロック層上部を覆う第2
導電型のコンタク層を成長する工程とを有する半導体レ
ーザの製造方法において、前記第1導電型のクラッド層
中にZnの拡散速度が前記第1導電型のクラッド層より
も遅い半導体層を形成する工程を有することを特徴とす
る構成である。ここで、Znを拡散する工程は、半導体
多層構造表面に被着した拡散源により拡散する固相拡散
であるのが望ましい。
板上に第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型のク
ラッド層とを少なくとも有する半導体多層構造を形成す
る工程と、前記半導体多層構造の共振器端面部分にZn
を拡散する工程と、前記半導体多層構造の一部をエッチ
ングしてストライプ状のリッジ導波路を形成する工程
と、前記リッジ導波路の両側部及びリッジ導波路端面上
部を覆う第1導電型のブロック層を成長する工程と、前
記リッジ導波路上部及び前記ブロック層上部を覆う第2
導電型のコンタク層を成長する工程とを有する半導体レ
ーザの製造方法において、前記第1導電型のクラッド層
中にZnの拡散速度が前記第1導電型のクラッド層より
も遅い半導体層を形成する工程を有することを特徴とす
る構成である。ここで、Znを拡散する工程は、半導体
多層構造表面に被着した拡散源により拡散する固相拡散
であるのが望ましい。
【0009】上記の半導体レーザ及び製造方法におい
て、活性層は多重量子井戸構造又は自然超格子構造であ
るのが望ましい。また、半導体基板材料はGaAs、第
1導電型クラッド層及び第2導電型クラッド層の材料は
AlGaInPまたはAlInP、拡散ストッパ層の材
料はGaAsまたはAlGaAs、活性層はGaIn
P、AlGaInP、GaInAs、または、AlGa
InAsを含むのがよい。ここで、各半導体層を構成す
る元素の組成はGaAs基板に格子整合する組成範囲で
ある必要がある。従って、例えば、AlGaInPは
(AlyGa1-y)0.5In0.5Pとなり、Alの組成yは
0<y<1、望ましくは0<y≦0.7(0.7<yは
間接遷移になるから除くのがよい)となる。AlInP
はAl0.5In0.5Pとなる。AlGaAsはAlの組成
yが0<y<1の範囲でGaAs基板に格子整合するか
ら、Al組成yは0<y<1となる。他の材料について
も同様にして構成元素の組成範囲が決まる。また、Al
GaAsはどの様なAl組成でもクラッド層よりもZn
の拡散速度が遅く拡散ストッパ層として働くからAlの
組成は任意でよい。 (作用)本発明のZn拡散型ウィンドウ構造AlGaI
nP系可視光半導体レーザの構造図を図1に、従来のZ
n拡散型ウィンドウ構造AlGaInP系可視光半導体
レーザの構造図を図4に示す。Zn拡散型ウィンドウ構
造半導体レーザでは、ウィンドウ部を流れるリークパス
電流を生じさせないために、Zn拡散フロントをn型A
lGaInP(又は、n型AlInP)クラッド層中に
制御する必要がある。これは、GaAsに比べ十分に大
きなAlGaInPまたはAlInPのビルトインポテ
ンシャルを利用することでウィンドウ部にリークパス電
流が流れることを防止している。図4の従来の半導体レ
ーザでは、n型AlGaInPクラッド層中へのZn拡
散フロントの制御は、熱処理温度と熱処理時間だけで行
っている。そのためウェハ全面のMQW活性層を混晶化
するために十分にZnを拡散させた際、拡散速度のばら
つき、半導体層厚のばらつきから、図4(c)に示すよ
うに、拡散速度が速いところ、半導体層厚が薄いところ
ではZn拡散フロントが部分的にn型AlGaInPク
ラッド層を通過し、n型GaAsバッファ層又はn型G
aAs基板中までZnが拡散してしまう。その結果、部
分的にウィンドウ部をリークパス電流が流れることにな
り、特性不良となる素子が多数生じてしまう。図1の本
発明の半導体レーザでは、n型AlGaInPクラッド
層中に、拡散ストッパ層としてn型AlGaAs層を入
れる。AlGaAs層は、AlGaInP層に比べZn
拡散速度が約10分の1となるため、拡散時間に余裕を
もたせることができる。そのためウェハ全面のMQW活
性層を混晶化するために十分にZnを拡散させた際、拡
散速度が速いところ、半導体層厚が薄いところでもZn
拡散フロントを正確にn型AlGaInPクラッド層中
に止めることができる。その結果、Zn拡散フロントが
n型GaAsバッファ層又はn型GaAs基板中まで達
することによる特性不良となる素子の発生を防ぐことが
できる。
て、活性層は多重量子井戸構造又は自然超格子構造であ
るのが望ましい。また、半導体基板材料はGaAs、第
1導電型クラッド層及び第2導電型クラッド層の材料は
AlGaInPまたはAlInP、拡散ストッパ層の材
料はGaAsまたはAlGaAs、活性層はGaIn
P、AlGaInP、GaInAs、または、AlGa
InAsを含むのがよい。ここで、各半導体層を構成す
る元素の組成はGaAs基板に格子整合する組成範囲で
ある必要がある。従って、例えば、AlGaInPは
(AlyGa1-y)0.5In0.5Pとなり、Alの組成yは
0<y<1、望ましくは0<y≦0.7(0.7<yは
間接遷移になるから除くのがよい)となる。AlInP
はAl0.5In0.5Pとなる。AlGaAsはAlの組成
yが0<y<1の範囲でGaAs基板に格子整合するか
ら、Al組成yは0<y<1となる。他の材料について
も同様にして構成元素の組成範囲が決まる。また、Al
GaAsはどの様なAl組成でもクラッド層よりもZn
の拡散速度が遅く拡散ストッパ層として働くからAlの
組成は任意でよい。 (作用)本発明のZn拡散型ウィンドウ構造AlGaI
nP系可視光半導体レーザの構造図を図1に、従来のZ
n拡散型ウィンドウ構造AlGaInP系可視光半導体
レーザの構造図を図4に示す。Zn拡散型ウィンドウ構
造半導体レーザでは、ウィンドウ部を流れるリークパス
電流を生じさせないために、Zn拡散フロントをn型A
lGaInP(又は、n型AlInP)クラッド層中に
制御する必要がある。これは、GaAsに比べ十分に大
きなAlGaInPまたはAlInPのビルトインポテ
ンシャルを利用することでウィンドウ部にリークパス電
流が流れることを防止している。図4の従来の半導体レ
ーザでは、n型AlGaInPクラッド層中へのZn拡
散フロントの制御は、熱処理温度と熱処理時間だけで行
っている。そのためウェハ全面のMQW活性層を混晶化
するために十分にZnを拡散させた際、拡散速度のばら
つき、半導体層厚のばらつきから、図4(c)に示すよ
うに、拡散速度が速いところ、半導体層厚が薄いところ
ではZn拡散フロントが部分的にn型AlGaInPク
ラッド層を通過し、n型GaAsバッファ層又はn型G
aAs基板中までZnが拡散してしまう。その結果、部
分的にウィンドウ部をリークパス電流が流れることにな
り、特性不良となる素子が多数生じてしまう。図1の本
発明の半導体レーザでは、n型AlGaInPクラッド
層中に、拡散ストッパ層としてn型AlGaAs層を入
れる。AlGaAs層は、AlGaInP層に比べZn
拡散速度が約10分の1となるため、拡散時間に余裕を
もたせることができる。そのためウェハ全面のMQW活
性層を混晶化するために十分にZnを拡散させた際、拡
散速度が速いところ、半導体層厚が薄いところでもZn
拡散フロントを正確にn型AlGaInPクラッド層中
に止めることができる。その結果、Zn拡散フロントが
n型GaAsバッファ層又はn型GaAs基板中まで達
することによる特性不良となる素子の発生を防ぐことが
できる。
【0010】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本発明のウ
ィンドウ構造AlGaInP系可視光半導体レーザの斜
視図を図1に、製造工程における各工程終了時の斜視図
を図2(a)、(b)、(c)、図3(a)、(b)、
(c)に示す。以下、図1〜図3を用いて本発明の半導
体レーザについて説明する。なお、ここでは成長方法と
して有機金属気相成長(MOVPE)法、結晶材料とし
てAlGaInP系を用いて説明するが、他の結晶成長
方法、結晶材料についても同様に適用できる。
ィンドウ構造AlGaInP系可視光半導体レーザの斜
視図を図1に、製造工程における各工程終了時の斜視図
を図2(a)、(b)、(c)、図3(a)、(b)、
(c)に示す。以下、図1〜図3を用いて本発明の半導
体レーザについて説明する。なお、ここでは成長方法と
して有機金属気相成長(MOVPE)法、結晶材料とし
てAlGaInP系を用いて説明するが、他の結晶成長
方法、結晶材料についても同様に適用できる。
【0011】先ず、MOVPE法により各半導体層を順
次成長してダブルヘテロ構造を(001)n型GaAs
基板10上に形成する(図2(a))。ダブルヘテロ構
造の構成は以下の通りである。厚さ0.3μmのn型G
aAsバッファ層11、厚さ0.5μmのn型(Al
0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層12、厚さ0.0
1μmのn型AlyGa1-yAs拡散ストッパ層20、厚
さ1.0μmのn型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pク
ラッド層13、MQW活性層14、厚さ0.3μmのp
型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層15、厚
さ0.01μmのp型Ga0.5In0.5Pエッチングスト
ッパ層16、厚さ1.2μmのp型(Al 0.7Ga0.3)
0.5In0.5Pクラッド層17、p型Ga0.5In0.5Pヘ
テロバッファ層18、厚さ0.1μmのp型GaAsキ
ャップ層19である。MQW活性層14は(Al0.7G
a0.3)0.5In0.5Pバリア層とGa0.5In0.5Pウエ
ル層を交互に4層積層した構造とした。n型AlyGa
1-yAs拡散ストッパ層20はどの様なAl組成でも拡
散ストッパ層として働き、また、GaAsに格子整合す
るから、Al組成yは0<y<1の範囲で任意である。
次成長してダブルヘテロ構造を(001)n型GaAs
基板10上に形成する(図2(a))。ダブルヘテロ構
造の構成は以下の通りである。厚さ0.3μmのn型G
aAsバッファ層11、厚さ0.5μmのn型(Al
0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層12、厚さ0.0
1μmのn型AlyGa1-yAs拡散ストッパ層20、厚
さ1.0μmのn型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pク
ラッド層13、MQW活性層14、厚さ0.3μmのp
型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層15、厚
さ0.01μmのp型Ga0.5In0.5Pエッチングスト
ッパ層16、厚さ1.2μmのp型(Al 0.7Ga0.3)
0.5In0.5Pクラッド層17、p型Ga0.5In0.5Pヘ
テロバッファ層18、厚さ0.1μmのp型GaAsキ
ャップ層19である。MQW活性層14は(Al0.7G
a0.3)0.5In0.5Pバリア層とGa0.5In0.5Pウエ
ル層を交互に4層積層した構造とした。n型AlyGa
1-yAs拡散ストッパ層20はどの様なAl組成でも拡
散ストッパ層として働き、また、GaAsに格子整合す
るから、Al組成yは0<y<1の範囲で任意である。
【0012】次に、SiNx膜1をCVDによってp型
GaAsキャップ層19上全面に形成後、共振器端面に
相当する部分のSiNx膜をフォトリソグラフィにより
除去してp型GaAsキャップ層19の一部を露出する
(図2(b))。その後、露出したp型GaAsキャッ
プ層19及びSiNx膜1上にスパッタでZnO膜2、
SiO2膜3を順次形成し、続いて、600℃で約10
分熱処理を行い、ZnO膜2からZnをMQW活性層端
面に拡散させ、Zn拡散領域5(ハッチングを施した部
分)を形成する(図2(c))。Znが拡散されたMQ
W活性層端面は混晶化し、共振器内部の活性層のバンド
ギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネル
ギーとなり、ウィンドウ構造が形成される。この時、Z
nの拡散は、n型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラ
ッド層12、13の間にn型Al yGa1-yAs拡散スト
ッパ層20が存在するので、n型AlyGa1-yAs拡散
ストッパ層20までで止まり、n型(Al0.7Ga0.3)
0.5In0.5Pクラッド層12にZnが拡散することはな
い。
GaAsキャップ層19上全面に形成後、共振器端面に
相当する部分のSiNx膜をフォトリソグラフィにより
除去してp型GaAsキャップ層19の一部を露出する
(図2(b))。その後、露出したp型GaAsキャッ
プ層19及びSiNx膜1上にスパッタでZnO膜2、
SiO2膜3を順次形成し、続いて、600℃で約10
分熱処理を行い、ZnO膜2からZnをMQW活性層端
面に拡散させ、Zn拡散領域5(ハッチングを施した部
分)を形成する(図2(c))。Znが拡散されたMQ
W活性層端面は混晶化し、共振器内部の活性層のバンド
ギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネル
ギーとなり、ウィンドウ構造が形成される。この時、Z
nの拡散は、n型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラ
ッド層12、13の間にn型Al yGa1-yAs拡散スト
ッパ層20が存在するので、n型AlyGa1-yAs拡散
ストッパ層20までで止まり、n型(Al0.7Ga0.3)
0.5In0.5Pクラッド層12にZnが拡散することはな
い。
【0013】熱処理終了後、SiO2膜3、ZnO膜
2、SiNx膜1を取り除き、再度SiO2膜4を化学気
相堆積(CVD)法によってp型GaAsキャップ層1
9上全面に形成した後、横モード制御のための導波路形
成のために[−110]方向に延びる、幅5μmのスト
ライプ形状にSiO2膜4をパターンニングする。この
ストライプ状SiO2膜4をマスクにしてp型GaAs
キャップ層19、p型Ga0.5In0.5Pヘテロバッファ
層18、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド
層17をエッチングし、メサストライプを形成する(図
3(a))。この時のエッチングの深さは、p型Ga
0.5In0.5Pエッチングストッパ層16に達する深さと
した。
2、SiNx膜1を取り除き、再度SiO2膜4を化学気
相堆積(CVD)法によってp型GaAsキャップ層1
9上全面に形成した後、横モード制御のための導波路形
成のために[−110]方向に延びる、幅5μmのスト
ライプ形状にSiO2膜4をパターンニングする。この
ストライプ状SiO2膜4をマスクにしてp型GaAs
キャップ層19、p型Ga0.5In0.5Pヘテロバッファ
層18、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド
層17をエッチングし、メサストライプを形成する(図
3(a))。この時のエッチングの深さは、p型Ga
0.5In0.5Pエッチングストッパ層16に達する深さと
した。
【0014】次いで、共振器端面(ウィンドウ部)に相
当するSiO2膜を除去し(図3(b))、このSiO2
膜4を選択成長マスクとしてメサストライプ両側にn型
GaAsブロック層21を1.2μm選択成長する(図
3(c))。n型GaAsブロック層21は、共振器端
面ではメサストライプの上、則ち、p型GaAsキャッ
プ層19の上にも形成される。共振器内部ではメサスト
ライプ側部のみに形成され、メサストライプの上には形
成されない。最後に、SiO2膜4を除去し、全面に厚
さ3μmのp型GaAsコンタクト層22を成長する
(図1)。このようにして本発明のレーザ構造が作製で
きる。その後、基板裏面研磨工程、電極形成工程、劈開
工程、端面保護膜形成工程を経て本発明のZn拡散型ウ
ィンドウ構造半導体レーザが作製できる。
当するSiO2膜を除去し(図3(b))、このSiO2
膜4を選択成長マスクとしてメサストライプ両側にn型
GaAsブロック層21を1.2μm選択成長する(図
3(c))。n型GaAsブロック層21は、共振器端
面ではメサストライプの上、則ち、p型GaAsキャッ
プ層19の上にも形成される。共振器内部ではメサスト
ライプ側部のみに形成され、メサストライプの上には形
成されない。最後に、SiO2膜4を除去し、全面に厚
さ3μmのp型GaAsコンタクト層22を成長する
(図1)。このようにして本発明のレーザ構造が作製で
きる。その後、基板裏面研磨工程、電極形成工程、劈開
工程、端面保護膜形成工程を経て本発明のZn拡散型ウ
ィンドウ構造半導体レーザが作製できる。
【0015】作製した本発明のZn拡散型ウィンドウ構
造AlGaInP系可視光半導体レーザを評価したとこ
ろ、特性不良な素子が低減され、歩留まり95%の高歩
留まりが得られた。一方、従来のZn拡散型ウィンドウ
構造AlGaInP系可視光半導体レーザでは歩留まり
は80%であった。 (第2の実施の形態)この実施の形態は活性層に自然超
格子を用いた例であり、この他は第1の実施の形態と同
じであるから、図1〜図3のMQW活性層14の部分を
自然超格子活性層と読み替え、図1〜図3を援用して説
明する。
造AlGaInP系可視光半導体レーザを評価したとこ
ろ、特性不良な素子が低減され、歩留まり95%の高歩
留まりが得られた。一方、従来のZn拡散型ウィンドウ
構造AlGaInP系可視光半導体レーザでは歩留まり
は80%であった。 (第2の実施の形態)この実施の形態は活性層に自然超
格子を用いた例であり、この他は第1の実施の形態と同
じであるから、図1〜図3のMQW活性層14の部分を
自然超格子活性層と読み替え、図1〜図3を援用して説
明する。
【0016】先ず、第1の実施の形態と同様に、減圧M
OVPE法により各半導体層を順次成長してダブルヘテ
ロ構造を(001)n型GaAs基板10上に形成す
る。ダブルヘテロ構造の構成は以下の通りである。厚さ
0.3μmのn型GaAsバッファ層11、厚さ0.5
μmのn型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層
12、厚さ0.01μmのn型AlyGa1-yAs拡散ス
トッパ層20、厚さ1.0μmのn型(Al0.7G
a0.3)0.5In0.5Pクラッド層13、厚さ0.06μ
mのアンドープGa0.5In0.5P自然超格子活性層(図
にはMQW活性層14と記載されている)、厚さ0.3
μmのp型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層
15、厚さ0.01μmのp型Ga0.5In0.5Pエッチ
ングストッパ層16、厚さ1.2μmのp型(Al0.7
Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層17、p型Ga0.5I
n0.5Pヘテロバッファ層18、厚さ0.1μmのp型
GaAsキャップ層19である。活性層はGa0.5In
0.5P自然超格子を用いたが、(AlzGa1-z)0.5In
0.5P自然超格子(0<z≦0.2)を用いてもよい。
成長条件は、自然超格子が形成されるように、成長温度
660℃、圧力70Torr、5族原料供給量/3族原
料供給量比(5/3比)を150とした。原料は、トリ
メチルアルミニウム(TMA)、トリエチルガリウム
(TEG)、トリメチルインジウム(TMI)、ホスフ
ィン(PH3)、アルシン(AsH3)、n型ドーパント
にジシラン(Si2H6)、p型ドーパントにジメチルジ
ンク(DMZ)を用いた。
OVPE法により各半導体層を順次成長してダブルヘテ
ロ構造を(001)n型GaAs基板10上に形成す
る。ダブルヘテロ構造の構成は以下の通りである。厚さ
0.3μmのn型GaAsバッファ層11、厚さ0.5
μmのn型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層
12、厚さ0.01μmのn型AlyGa1-yAs拡散ス
トッパ層20、厚さ1.0μmのn型(Al0.7G
a0.3)0.5In0.5Pクラッド層13、厚さ0.06μ
mのアンドープGa0.5In0.5P自然超格子活性層(図
にはMQW活性層14と記載されている)、厚さ0.3
μmのp型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層
15、厚さ0.01μmのp型Ga0.5In0.5Pエッチ
ングストッパ層16、厚さ1.2μmのp型(Al0.7
Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド層17、p型Ga0.5I
n0.5Pヘテロバッファ層18、厚さ0.1μmのp型
GaAsキャップ層19である。活性層はGa0.5In
0.5P自然超格子を用いたが、(AlzGa1-z)0.5In
0.5P自然超格子(0<z≦0.2)を用いてもよい。
成長条件は、自然超格子が形成されるように、成長温度
660℃、圧力70Torr、5族原料供給量/3族原
料供給量比(5/3比)を150とした。原料は、トリ
メチルアルミニウム(TMA)、トリエチルガリウム
(TEG)、トリメチルインジウム(TMI)、ホスフ
ィン(PH3)、アルシン(AsH3)、n型ドーパント
にジシラン(Si2H6)、p型ドーパントにジメチルジ
ンク(DMZ)を用いた。
【0017】次に、SiNx膜1をCVDによってp型
GaAsキャップ層19上全面に形成後、共振器端面に
相当する部分のSiNx膜をフォトリソグラフィにより
除去してp型GaAsキャップ層19の一部を露出する
(図2(b))。その後、露出したp型GaAsキャッ
プ層19及びSiNx膜1上にスパッタでZnO膜2、
SiO2膜3を順次形成し、続いて、600℃で約10
分熱処理を行い、ZnO膜2からZnを自然超格子活性
層端面に拡散させ、Zn拡散領域5(ハッチングを施し
た部分)を形成する(図2(c))。Znが拡散された
自然超格子活性層端面は無秩序化し、共振器内部の活性
層のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャ
ップエネルギーとなり、ウィンドウ構造が形成される。
GaAsキャップ層19上全面に形成後、共振器端面に
相当する部分のSiNx膜をフォトリソグラフィにより
除去してp型GaAsキャップ層19の一部を露出する
(図2(b))。その後、露出したp型GaAsキャッ
プ層19及びSiNx膜1上にスパッタでZnO膜2、
SiO2膜3を順次形成し、続いて、600℃で約10
分熱処理を行い、ZnO膜2からZnを自然超格子活性
層端面に拡散させ、Zn拡散領域5(ハッチングを施し
た部分)を形成する(図2(c))。Znが拡散された
自然超格子活性層端面は無秩序化し、共振器内部の活性
層のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャ
ップエネルギーとなり、ウィンドウ構造が形成される。
【0018】熱処理終了後、SiO2膜3、ZnO膜
2、SiNx膜1を取り除き、再度SiO2膜4を化学気
相堆積(CVD)法によってp型GaAsキャップ層1
9上全面に形成した後、横モード制御のための導波路形
成のために[−110]方向に延びる、幅5μmのスト
ライプ形状にSiO2膜4をパターンニングする。この
ストライプ状SiO2膜4をマスクにしてp型GaAs
キャップ層19、p型Ga0.5In0.5Pヘテロバッファ
層18、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド
層17をエッチングし、メサストライプを形成する(図
3(a))。この時のエッチングの深さは、p型Ga
0.5In0.5Pエッチングストッパ層16に達する深さと
した。
2、SiNx膜1を取り除き、再度SiO2膜4を化学気
相堆積(CVD)法によってp型GaAsキャップ層1
9上全面に形成した後、横モード制御のための導波路形
成のために[−110]方向に延びる、幅5μmのスト
ライプ形状にSiO2膜4をパターンニングする。この
ストライプ状SiO2膜4をマスクにしてp型GaAs
キャップ層19、p型Ga0.5In0.5Pヘテロバッファ
層18、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pクラッド
層17をエッチングし、メサストライプを形成する(図
3(a))。この時のエッチングの深さは、p型Ga
0.5In0.5Pエッチングストッパ層16に達する深さと
した。
【0019】次いで、共振器端面(ウィンドウ部)に相
当するSiO2膜を除去し(図3(b))、このSiO2
膜4を選択成長マスクとしてメサストライプ両側にn型
GaAsブロック層21を1.2μm選択成長する(図
3(c))。n型GaAsブロック層21は、共振器端
面ではメサストライプの上、則ち、p型GaAsキャッ
プ層19の上にも形成される。共振器内部ではメサスト
ライプ側部のみに形成され、メサストライプの上には形
成されない。最後に、SiO2膜4を除去し、全面に厚
さ3μmのp型GaAsコンタクト層22を成長する。
このようにして本発明のレーザ構造が作製できる。その
後、基板裏面研磨工程、電極形成工程、劈開工程、端面
保護膜形成工程を経て本発明のZn拡散型ウィンドウ構
造半導体レーザが作製できる。
当するSiO2膜を除去し(図3(b))、このSiO2
膜4を選択成長マスクとしてメサストライプ両側にn型
GaAsブロック層21を1.2μm選択成長する(図
3(c))。n型GaAsブロック層21は、共振器端
面ではメサストライプの上、則ち、p型GaAsキャッ
プ層19の上にも形成される。共振器内部ではメサスト
ライプ側部のみに形成され、メサストライプの上には形
成されない。最後に、SiO2膜4を除去し、全面に厚
さ3μmのp型GaAsコンタクト層22を成長する。
このようにして本発明のレーザ構造が作製できる。その
後、基板裏面研磨工程、電極形成工程、劈開工程、端面
保護膜形成工程を経て本発明のZn拡散型ウィンドウ構
造半導体レーザが作製できる。
【0020】上記各実施の形態では、拡散ストッパ層2
0にAlyGa1-yAs(0<y<1)層を用いたが、G
aAs層を用いても同様の効果がある。また、クラッド
層にAlGaInP層を用いたが、AlInP層を用い
てもよい。ブロック層はn型GaAs層を用いたが、高
抵抗の半導体層、例えば、高抵抗AlInP層を用いて
もよい。さらに、活性層材料としてGaInPやAlG
aInPを用いたが、GaInAsやAlGaInAs
も用いることができる。活性層は一定組成のものでも、
多重量子井戸(MQW)構造のように、エネルギー的に
変調を受けている構造のものでもよいが、一定組成の場
合は、結晶成長時にInとGaの周期的な組成揺らぎ、
所謂、自然超格子を生じるように形成されていることが
必要である。
0にAlyGa1-yAs(0<y<1)層を用いたが、G
aAs層を用いても同様の効果がある。また、クラッド
層にAlGaInP層を用いたが、AlInP層を用い
てもよい。ブロック層はn型GaAs層を用いたが、高
抵抗の半導体層、例えば、高抵抗AlInP層を用いて
もよい。さらに、活性層材料としてGaInPやAlG
aInPを用いたが、GaInAsやAlGaInAs
も用いることができる。活性層は一定組成のものでも、
多重量子井戸(MQW)構造のように、エネルギー的に
変調を受けている構造のものでもよいが、一定組成の場
合は、結晶成長時にInとGaの周期的な組成揺らぎ、
所謂、自然超格子を生じるように形成されていることが
必要である。
【0021】
【発明の効果】半導体基板と活性層との間にあるクラッ
ド層内に拡散ストッパ層を設けたのでZn拡散フロント
の制御性が向上し、高歩留まりでZn拡散型ウィンドウ
構造半導体レーザ素子を製造することができる。
ド層内に拡散ストッパ層を設けたのでZn拡散フロント
の制御性が向上し、高歩留まりでZn拡散型ウィンドウ
構造半導体レーザ素子を製造することができる。
【図1】 本発明の半導体レーザの斜視図である。
【図2】 本発明の半導体レーザの製造途中の斜視図
である。
である。
【図3】 本発明の半導体レーザの製造途中の斜視図
である。
である。
【図4】 従来の半導体レーザの正面図(a)及び共
振器内の断面図(b)並びに共振器端面の拡大図(c)
である。
振器内の断面図(b)並びに共振器端面の拡大図(c)
である。
1 SiNx膜 2 ZnO膜 3 SiO2膜 4 SiO2膜 5 Zn拡散領域 6 Zn拡散フロント 10 n型GaAs基板 11 n型GaAsバッファ層 12 n型AlGaInPクラッド層 13 n型AlGaInPクラッド層 14 MQW活性層 15 p型AlGaInPクラッド層 16 p型GaInPエッチングストッパ層 17 p型AlGaInPクラッド層 18 p型GaInPヘテロバッファ層 19 p型GaAsキャップ層 20 n型AlGaAs拡散ストッパ層 21 n型GaAsブロック層 22 p型GaAsコンタクト層
Claims (11)
- 【請求項1】 第1導電型半導体基板上に第1導電型ク
ラッド層、活性層、第2導電型のクラッド層とを少なく
とも備え、共振器端面にZnが拡散された領域を有し、
前記Znが拡散された領域の活性層のバンドギャップエ
ネルギーをZn拡散のない共振器内部の活性層のバンド
ギャップエネルギーよりも大きくしたウィンドウ構造の
半導体レーザにおいて、前記第1導電型のクラッド層中
にZnの拡散速度が前記第1導電型のクラッド層よりも
遅い半導体層を設けたことを特徴とする半導体レーザ。 - 【請求項2】 活性層が多重量子井戸構造である請求項
1記載の半導体レーザ。 - 【請求項3】 活性層が自然超格子構造である請求項1
記載の半導体レーザ。 - 【請求項4】 半導体基板材料がGaAs、第1導電型
クラッド層及び第2導電型クラッド層の材料がAlGa
InPまたはAlInP、活性層がGaInP、AlG
aInP、GaInAs、または、AlGaInAsを
含むことを特徴とする請求項1或いは2又は3記載の半
導体レーザ。 - 【請求項5】 前記第1導電型のクラッド層よりもZn
拡散速度の遅い半導体層がGaAsまたはAlGaAs
であることを特徴とする請求項1〜4記載の半導体レー
ザ。 - 【請求項6】 第1導電型半導体基板上に第1導電型ク
ラッド層、活性層、第2導電型のクラッド層とを少なく
とも有する半導体多層構造を形成する工程と、前記半導
体多層構造の共振器端面部分にZnを拡散する工程と、
前記半導体多層構造の一部をエッチングしてストライプ
状のリッジ導波路を形成する工程と、前記リッジ導波路
の両側部及びリッジ導波路端面上部を覆う第1導電型の
ブロック層を成長する工程と、前記リッジ導波路上部及
び前記ブロック層上部を覆う第2導電型のコンタク層を
成長する工程とを有する半導体レーザの製造方法におい
て、前記第1導電型のクラッド層中にZnの拡散速度が
前記第1導電型のクラッド層よりも遅い半導体層を形成
する工程を有することを特徴とする半導体レーザの製造
方法。 - 【請求項7】 多重量子井戸活性層を成長する工程を含
むことを特徴とする請求項6記載の半導体レーザの製造
方法。 - 【請求項8】 自然超格子活性層を成長する工程を含む
ことを特徴とする請求項6記載の半導体レーザの製造方
法。 - 【請求項9】 Znを拡散する工程が、半導体多層構造
表面に被着した拡散源により拡散する固相拡散であるこ
とを特徴とする請求項6或いは7又は8記載の半導体レ
ーザの製造方法。 - 【請求項10】 半導体基板材料がGaAs、第1導電
型クラッド層及び第2導電型クラッド層の材料がAlG
aInPまたはAlInP、活性層がGaInP、Al
GaInP、GaInAs、または、AlGaInAs
を含むことを特徴とする請求項6〜9記載の半導体レー
ザの製造方法。 - 【請求項11】 前記第1導電型のクラッド層よりもZ
n拡散速度の遅い半導体層がGaAsまたはAlGaA
sであることを特徴とする請求項6〜10記載の半導体
レーザの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24923599A JP2001077465A (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 半導体レーザ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24923599A JP2001077465A (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 半導体レーザ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001077465A true JP2001077465A (ja) | 2001-03-23 |
Family
ID=17189945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24923599A Pending JP2001077465A (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 半導体レーザ及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2001077465A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003031901A (ja) * | 2001-07-12 | 2003-01-31 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体レーザ装置及びその製造方法 |
US7041524B2 (en) | 2001-06-29 | 2006-05-09 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Semiconductor laser device and method for fabricating the same |
JP2007109922A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体レーザ装置およびその製造方法 |
JP2012129243A (ja) * | 2010-12-13 | 2012-07-05 | Rohm Co Ltd | 半導体レーザ素子 |
JP2012169582A (ja) * | 2011-01-27 | 2012-09-06 | Rohm Co Ltd | 半導体レーザ素子 |
US8446927B2 (en) | 2011-01-27 | 2013-05-21 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor laser device and manufacturing method thereof |
US8599895B2 (en) | 2011-01-27 | 2013-12-03 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor laser device and manufacturing method thereof |
-
1999
- 1999-09-02 JP JP24923599A patent/JP2001077465A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003031901A (ja) * | 2001-07-12 | 2003-01-31 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体レーザ装置及びその製造方法 |
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JP2012129243A (ja) * | 2010-12-13 | 2012-07-05 | Rohm Co Ltd | 半導体レーザ素子 |
JP2012169582A (ja) * | 2011-01-27 | 2012-09-06 | Rohm Co Ltd | 半導体レーザ素子 |
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US8599895B2 (en) | 2011-01-27 | 2013-12-03 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor laser device and manufacturing method thereof |
US8611386B2 (en) | 2011-01-27 | 2013-12-17 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor laser device and manufacturing method thereof |
US8923355B2 (en) | 2011-01-27 | 2014-12-30 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor laser device and manufacturing method thereof |
US9197035B2 (en) | 2011-01-27 | 2015-11-24 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor laser device and manufacturing method thereof |
US9564738B2 (en) | 2011-01-27 | 2017-02-07 | Rohm Co., Ltd. | Semiconductor laser device and manufacturing method thereof |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030617 |