JP3892637B2 - 半導体光デバイス装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ等の半導体発光素子に関するものであり、特にレーザ特性が安定しておりレーザ動作の信頼性が高いリッジ型ストライプ構造を有する半導体レーザに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体光デバイス装置を簡易に作製する場合に、リッジ導波型と呼ばれる構造がよく用いられる。図4にその構造の作製方法を示す。まず、最初に基板401上に第1導電型クラッド層402、活性層403、第2導電型クラッド層404及び第2導電型コンタクト層405を成長する。次に、フォトリソグラフィーによるパターニングにより、ストライプ状のレジスト411をウエハー表面に形成し、このレジストをマスクとして第2導電型クラッド層404を所望の厚みだけ残るようにウェットエッチングすることにより、ストライプ状のリッジが形成される。この後、ウエハー全面に絶縁膜406を形成し、フォトリソグラフィーによりリッジの頂部の絶縁膜を除去し、さらにエピタキシャル側電極407及び基板電極408を形成する。このとき、リッジ構造にすることにより、レーザ発振において横モードの安定化としきい値電流の低減を行うことができる。
【0003】
しかしながら、このような従来のリッジ導波路半導体光デバイス装置の製造法では、リッジ部をエッチングにより形成するため、非リッジ部410における活性層上のクラッド層の厚みを精度よく制御することが困難であった。その結果、この非リッジ部のクラッド層の厚みのわずかな違いにより、この部分の実効屈折率が大きく変化し、しきい値電流や拡がり角などの半導体光デバイス装置のレーザ特性が変動するために、製品歩留まりを向上させることが難しかった。
【0004】
このような問題を解決するために、非リッジ部の活性層上部のクラッド層の厚みを結晶成長時の結晶成長速度を用いて決定し、非リッジ部に保護膜を形成して、リッジ部分を再成長する方法が提案されている(特開平5−121822号公報、特開平9−199791号公報、特開平10−326934〜8号公報、特開平10−326945号公報等)。このようなレーザの作製方法と構造を図3に示す。このような作製法で、リッジ部が形成される際、保護膜306をマスクとしてストライプ状開口部307上に選択再成長が行われ、成長速度の面方位に対する異方性により、台形等の形状に第2導電型第2クラッド層308、第2導電型コンタクト層309が順次積層される。このような方法を採用することにより、非リッジ部の活性層上部の第2導電型第1クラッド層304の厚みを精密に制御することが可能となり、実効屈折率の制御が容易になった。
【0005】
基板に格子整合を行う必要があることから、InP基板上のInGaAsP/In(AlGa)AsP/InP系、InGaAs/In(AlGa)As/InP系や、GaAs基板上のInGaP/In(AlGa)P系、InGaAs/InGaAsP/InGaP系のように、第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型第1クラッド層を含むダブルヘテロ構造における各層のIn組成は約50%もしくはそれ以上に設定されている。通常、In組成は基板との格子整合に必要な組成に、AlとGaの組成は屈折率やバンドギャップの大小の調整に必要な組成にそれぞれ決定される。
【0006】
例えば、図6に示すように、GaAs基板上に作製される(AlGa)InP系赤色可視レーザ(600nm帯)においては、活性層及びクラッド層ともにほぼ基板と格子整合するようにIn組成をIII族全体の約50%とし、活性層のAl組成を小さく(通常Al組成は0%)、クラッド層のAl組成を大きく(通常Al組成は30〜50%)となるようにして、屈折率及びバンドギャップの調整を行っている。最近は、レーザ特性向上のために、量子井戸活性層に歪みをかけることが多く、この場合のIn組成は通常40%〜60%の間で変化させている。
【0007】
特開平9−199791号公報においても、第1導電型第1クラッド層、活性層、第2導電型第1クラッド層からなるダブルヘテロ構造がIn(AlGa)AsP/InP系から構成されている場合、リッジ部の再成長において、Inを含んだ層(InPクラッド層)を成長している。
Inを含んだ層をリッジ形状に保護膜開口部に選択成長を行うと、保護膜開口部幅と保護膜マスク領域幅との比、成長条件(基板温度、V/III比など)により、リッジ領域に堆積する層の成長速度、混晶組成などが大きく変動しやすい。この理由は、InはGaやAlなどと比べて蒸気圧が高いために特に保護膜上等において脱離しやすいことが原因と考えられる。また、保護膜上への化合物(特にAlを含んだ化合物)の堆積を抑制するために、特開平5−502147号公報、特開平7−297134号公報等に有機金属気相成長中に微量のHClガスを添加する方法が記載されている。ただし、特開平7−297134号公報において、InとAlを含んだIII−V族化合物半導体を成長させた場合、膜中へのIn取り込み量がHClとInとの供給モル比に大きく依存しやすく、HClを添加したIn含んだ化合物の混晶組成を再現性制御することが困難であるために、供給モル比をHCl/(Al+In)をできる限り小さくする必要があることが記載されており、成長条件にかなりの制約を受けることがわかる。一般的には、ダブルヘテロ構造部のIn組成が高くなればなるほど、リッジ部のIn組成は高くなり、かつ、リッジ部のIn組成が大きくなればなるほど、上記の問題は深刻になり、特にリッジ部のIn組成の変化量の絶対値は大きくなる(屈折率や格子定数などの量が大きくなる)ことは容易に考えられる。
【0008】
このように、再成長部分の化合物半導体層(クラッド層など)にInがある程度多く含むと、In含んだ化合物の成長速度や混晶組成が変化し、所望のリッジ形状や屈折率を再現性良く得られなくなってしまい、リッジ導波型レーザのレーザ特性(しきい値電流、拡がり角など)が変動してしまうという問題がある。さらに、Inを含んだ化合物半導体層の混晶組成のずれは格子定数の変化をもたらし、リッジ再成長界面に転位の発生し、レーザ動作の信頼性が大幅に低下してしまうという問題も生じる。
また、リッジ開口部の幅を装置中央部よりも装置端部で広くしたり、狭くしたりすることにより、端面での近視野像、すなわちビーム拡がり角(出射角)を変化させることが可能となる。しかしながら、Inを含んだ層をリッジ形状に成長する場合、端部付近での開口部の変化は保護膜開口部幅と保護膜マスク領域幅との比を変化させるために、装置中央と端部付近でのInを含んだ化合物半導体層の混晶組成のずれが生じてしまうために、ビーム拡がり角(出射角)の制御性、再現性が低下するという問題も生じる。
【0009】
また、ディジタルビデオディスクを中心とする記録密度向上のために、情報処理用光源として従来のAlGaAs(波長780nm近傍)に変わって、AlGaInP系を用いた可視(通常630〜690nm)レーザが実用化され始めているが、短波長化かつ低しきい値・高温動作に向けて以下に述べる検討がなされてきた。
AlGaInP/GaInP系からなる可視レーザの作製において、(100)面から[011]方向(もしくは[0−1−1]方向)にオフした基板を用いることにより、自然超格子の形成(オーダーリング)によるバンドギャップの縮小を抑制し、短波長化しやすくしたり、p型ドーパント(たとえばZn、Be、Mg)の高濃度ドーピングをしやすくし、ヘテロ障壁の増大による素子の発振しきい値電流や温度特性を向上させることが可能となる。ただし、オフ角度が小さいときには、ステップバンチングが顕著に現れ、ヘテロ界面に大きな凹凸が形成されてしまい、量子井戸構造(約10nm以下のGaInP井戸層)を作製したときに、バルク活性層に対する量子効果によるPL波長(あるいは発振波長)の短波長化シフト量が設計値より小さくなってしまう。オフ角度を大きくすることにより、ステップバンチングを抑制し、ヘテロ界面が平坦となり、設計通りに量子効果による短波長化が可能となる。このように、短波長化の阻害要因となっている自然超格子の形成やステップバンチングの発生を抑制し、かつp型高濃度ドーピングにより短波長化による発振しきい値電流の増加及び温度特性の劣化を抑制するために、通常(100)面から[011]方向(もしくは[0−1−1]方向)に8〜16度程度オフした基板が用いられる。ただし、650nm、635nmなどの目的とする波長により、GaInP井戸層の厚みや歪み量を考慮して、適切なオフ角度を選択する必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにこれまでに様々な技術が開発されるに至っているが、Inを利用したリッジ導波型の半導体光デバイス装置にはいまだ改善の余地が残されており、改良技術の開発が待たれている。そこで、本発明は上記の従来技術の問題点に対処し、より優れた半導体光デバイス装置を提供することを課題とした。すなわち本発明は、リッジの形状やリッジを構成する半導体層の混晶組成(格子定数、屈折率など)の制御性や再現性が良好で、かつレーザ特性が安定しておりレーザ動作の信頼性が高い半導体発光素子を提供することを解決すべき課題とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、基板上に、活性層を含む化合物半導体層、その上に形成された開口部を有する保護膜、該開口部上に形成された活性層より屈折率の小さいリッジ型の化合物半導体層およびその上に形成された電極から少なくとも構成され、前記活性層を含む化合物半導体層にIn(インジウム)混晶組成を5%以上である含む層を有し、前記リッジ型化合物半導体層はIn混晶組成が10%以下とすることにより、リッジ(メサ)の形状やリッジを構成する半導体層の混晶組成(格子定数、屈折率など)の制御性、再現性を向上し、かつレーザ特性の安定化及びレーザ動作の信頼性の向上が図れることを見出し、本発明に達した。
【0012】
すなわち本発明は、基板上に、活性層と、該活性層の下に形成され該活性層より屈折率が小さい第1導電型クラッド層と、該活性層の上に形成され該活性層より屈折率が小さい第2導電型第1クラッド層とを含む化合物半導体層、該化合物半導体層の上に形成された開口部を有する保護膜、該開口部を覆うように形成された前記活性層より屈折率が小さいリッジ型の化合物半導体層、および該リッジ型の化合物半導体層の上に形成された電極を少なくとも有し、前記第2導電型第1クラッド層のIn混晶組成が5%以上であり、前記リッジ型化合物半導体層のIn混晶組成が10%以下であることを特徴とする半導体光デバイス装置を提供するものである。
【0013】
本発明の半導体光デバイス装置は、第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型第1クラッド層のうち少なくとも1つの層が(AlxGa1-x 1-y In y P[0≦x≦1,0.05≦y≦1]で表される化合物である態様;リッジ型化合物半導体層のIn混晶組成が5%以下、特に1%以下である態様;リッジ型の化合物半導体層が第2導電型第2クラッド層を含む態様;第2導電型第2クラッド層の屈折率が第2導電型第1クラッド層の屈折率の±0.2の範囲内にあり、かつリッジ型化合物半導体層が第2導電型第1クラッド層と異なる組成を有する態様が好ましい。本発明の半導体光デバイス装置には、開口部がストライプ状であって、該ストライプの幅は開口中央部より開口前端部の方が狭く、開口中央部より開口後端部の方が狭いかまたは広い態様;該ストライプの幅は開口中央部より開口前端部の方が広く、開口中央部より開口後端部の方が広いかまたは狭い態様を包含する。さらに基板の表面が低次の面方位に対してオフアングルを有すること、および遠視野像が単一ピークであることが好ましい。
【0014】
本発明には、前記リッジ型化合物半導体層がAlXGa1-XAs[0≦x≦1]またはAlXGa1-XAsy1-y[0≦x≦1、0≦y≦1]で表される化合物である態様;前記リッジの側面には保護膜が形成されていない態様;前記開口部の端面における幅が0.5μm以上1000μm以下である態様;前記活性層と前記保護膜との間の距離が0.2μm以上0.5μm以下である態様;前記リッジ型化合物半導体層の実質的全面にコンタクト層が形成されている態様;前記リッジ型化合物半導体層を構成する少なくとも一つの層にAlが含まれている態様;前記リッジ型化合物半導体層を保護膜開口部に有機金属気相成長法を用いて選択成長する際にハロゲン元素を含むガスを少量添加する態様;前記開口部の伸びる方向を、コンタクト層がリッジ形状の実質的全面に形成される様に選択した態様;前記基板の結晶成長面が(100)面又はそれと結晶学的に等価な面であり、前記保護膜の開口部の伸びる方向を[01−1]方向又はそれと結晶学的に等価な方向とした態様;前記のリッジ型の化合物半導体層の一部が、保護膜にのりかかる様に形成されている態様;前記活性層の屈折率が前記保護膜の屈折率よりも小さい態様;前記活性層が単数もしくは複数の量子井戸層及び光ガイド層によって構成されている態様;前記第2導電型第1クラッド層上であって、少なくとも前記保護膜の開口部に、酸化防止層を有する態様が、好ましい態様として包含される。
本発明の半導体光デバイス装置は、半導体発光装置、半導体レーザや半導体光増幅器などとして有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体光デバイス装置について、以下に各層の詳細と製造工程例を示しながら具体的に説明する。
本発明の半導体光デバイス装置は、基板上、該基板上に形成された活性層を含む化合物半導体層、該化合物半導体層の上に形成された開口部を有する保護膜、該開口部を覆うように形成された前記活性層より屈折率が小さいリッジ型の化合物半導体層、および該リッジ型の化合物半導体層の上に形成された電極を少なくとも有する。
本発明の半導体光デバイス装置の基板は、その上にダブルへテロ構造の結晶を成長することが可能なものであれば、導電性や材料については特に限定されない。好ましいのは導電性があるものであり、望ましくはその上への結晶薄膜成長に適したGaAs、InP、GaP、ZnSe、ZnO、Si、Al23等の結晶基板、特に閃亜鉛鉱型構造を有する結晶基板であり、その場合基板結晶成長面は低次な面またはそれと結晶学的に等価な面が好ましく、(100)面が最も好ましい。なお、本明細書において(100)面という場合、必ずしも厳密に(100)シャストの面である必要はなく、最大30°程度のオフアングルを有する場合まで包含することとする。オフアングルの大きさは上限は30°以下が好ましく、16°以下がより好ましい。下限は0.5°以上が好ましく、2°以上がより好ましく、6°以上がさらに好ましく、10°以上が最も好ましい。
また、基板は六方晶型の基板でもよく、その場合はAl23、6H−SiC等の上にも形成される。
【0016】
基板上に形成される化合物半導体層は、活性層を含んでおり、かつIn混晶組成が5%以上である層を含む。該化合物半導体層は、通常、活性層の上下に活性層より屈折率の小さい層を含んでいる。そのうち基板側の層は第1導電型クラッド層、他方のエピタキシャル側の層は第2導電型第1クラッド層として機能する態様が好ましい。また、該化合物半導体層は光ガイド層として機能する層を含んでいてもよい。本発明の半導体光デバイス装置を作製する際の結晶の成長方法は特に限定されるものではなく、ダブルヘテロ構造の結晶成長にはMOCVD法やMBE法等の公知の成長法を用いることができる。
In混晶組成が5%以上である層は、化合物半導体層を構成する層のいずれであってもよい。好ましいのは、第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型第1クラッド層の少なくとも1層である。特に第2導電型第1クラッド層のIn混晶組成が5%以上であるのが好ましい。化合物半導体層全体のIn混晶組成の平均値は高い方が好ましい。具体的には、5%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、30%以上であることが最も好ましい。
【0017】
保護膜の開口部上に形成される活性層より屈折率の小さい層を含むリッジ型の化合物半導体層は、通常、大部分が第2導電型第2クラッド層からなる。ほかに光ガイド層として機能する層を含んでいてもよい。表面の実質的全面は、低抵抗のコンタクト層からなることが好ましい。
クラッド層、活性層及びコンタクト層についても特に限定されないが、AlGaAs、AlGaInAs、AlGaInP、GaInAsP、AlGaInN、BeMgZnSe、MgZnSSe、CdZnSeTe等の一般的なIII−V族、II−VI族半導体を用いて、活性層を2層のクラッド層で挟んだダブルへテロ構造を作製するのが好ましい。また、このとき、クラッド層は、活性層より屈折率が小さい材料が選択され、コンタクト層としては、通常、バンドギャップがクラッド層のそれよりも小さい材料が選択され、金属電極とのオーミック性を取るための低抵抗で、適当なキャリア密度(cm-3)、即ち、下限は、1×1018以上が好ましく、3×1018以上がより好ましく、5×1018以上が最も好ましい。上限は、2×1020以下が好ましく、5×1019以下がより好ましく、3×1019以下が最も好ましい。また、活性層は、単一の層からなる場合に限定されず、量子井戸層及び前記量子井戸層を上下から挟む光ガイド層からなる単一量子井戸構造(SQW)や、複数の量子井戸層及びそれらに挟まれたバリア層ならびに最上の量子井戸層の上及び最下の量子井戸層の下に積層された光ガイド層からなる多量子井戸構造(MQW)であってもよい。
【0018】
保護膜についても特に限定されないが、保護膜の開口部上に形成されたリッジ部の下の活性層の領域にのみ電流注入しうるように、開口部両脇の保護膜で電流狭窄を行うために絶縁性を有する必要があり、また、活性層に水平方向にリッジ部と非リッジ部の間で実効屈折率差をつけ、レーザ発振の横モードの安定化を図るために、保護膜の屈折率はリッジ部の化合物半導体層、具体的には第2導電型第2クラッド層の屈折率よりも小さいことが好ましい。しかし、実用上は、保護膜とリッジ部の第2導電型第2クラッド層との屈折率差が大きすぎると活性層内での横方向の有効屈折率段差が大きくなり易いために、リッジ下の第1クラッド層を厚くしなければならなくなり、横方向に漏れ電流が大きくなるという問題が生じる。一方、保護膜とリッジ部の第2導電型第2クラッド層との屈折率差が小さすぎる場合、保護膜の外側へ光が漏れやすくなるために保護膜をある程度厚くする必要があるが、このことにより劈開性が悪くなるという問題が生じる。これらのことを考え併せて、保護膜とリッジ部の第2導電型第2クラッド層との屈折率差は、下限は0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.5以上が最も好ましい。上限は、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、1.8以下が最も好ましい。また、保護膜の厚みは、絶縁特性を充分に示すことができ、かつ保護膜の外側に光が漏れない程度の厚さがあれば、特に問題はない。保護膜の厚みは、下限は10nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、50以上が最も好ましい。上限は500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、200nm以下が最も好ましい。また、保護膜の厚みは100〜300nmの範囲が特に推奨される。
【0019】
保護膜は、誘電体であることが好ましく、具体的には、SiNx膜、SiO2膜、SiON膜、Al23膜、ZnO膜、SiC膜及びアモルファスSiからなる群から選択されるのが好ましい。保護膜は、マスクとしてMOCVDなどを用いてリッジ部を選択再成長により形成する場合に用いられるとともに、電流狭窄の目的でも用いられる。プロセスの簡便さから、電流狭窄用の保護膜と選択成長用の保護膜は同一組成のものを使用することが好ましいが、必要に応じて組成の異なる層を多層に成膜してもよい。
閃亜鉛鉱型基板を用い、かつ基板表面が(100)面又はそれと結晶学的に等価な面の場合、リッジ部側面に後述するコンタクト層が成長しやすくするためには、保護膜の開口部で定義されるストライプ領域が[01−1]方向又はそれと結晶学的に等価な方向に伸びていることが好ましい。その場合リッジ側面の大部分が(311)A面となることが多く、リッジを形成する第2導電型第2クラッド層上の成長可能な実質的全面にコンタクト層を成長させることができる。この傾向は第2導電型第2クラッド層がAlGaAs特にAlAs混晶比0.2〜1.0、好ましくは0.3〜0.9、最も好ましくは0.4〜0.8のときに特に顕著である。オフアングルの方向は、ストライプ領域の長手方向(ストライプの伸びる方向)に直交する方向から±30°以内の方向が好ましく、±7°以内の方向がより好ましく、±2°以内の方向が最も好ましい。また、ストライプ領域の長手方向は、基板の面方位が(100)の場合、[0−11]またはそれと等価な方向が、オフアングルの方向は[011]方向またはそれと等価な方向から±30°以内の方向が好ましく、±7°以内の方向がより好ましく、±2°以内の方向が最も好ましい。なお、本明細書において「[01−1]方向」という場合は、一般的なIII−V族、II−VI族半導体において、(100)面と[01−1]面との間に存在する[11−1]面が、それぞれV族又はVI族元素が現れる面であるように[01−1]方向を定義する。
【0020】
本発明の半導体光デバイス装置は、上記のストライプ領域の長手方向が[01−1]の場合に限定されない。以下に他の実施態様を説明する。ストライプ領域の長手方向が[011]又はそれと結晶学的に等価な方向に伸びている場合、例えば、成長条件により、成長速度に異方性をもたせることができ、(100)面では速く、(111)B面ではほとんど成長しないようにすることができる。その場合、ストライプ状開口部(100)面に選択的に成長を行うと、(111)B面を側面とするリッジ状第2導電型第2クラッド層が形成される。この場合も次にコンタクト層を形成する際、より等方性の強い成長が起こる条件を選ぶことにより、(100)面のリッジ頂部とともに(111)B面からなるリッジ側面にも全面的にコンタクト層が形成される。
同様の理由により、ウルツァイト型の基板を用いた場合には、ストライプ領域の伸びる方向は、例えば(0001)面上では[11−20]又は[1−100]が好ましい。HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)ではどちらの方向でもよいが、MOVPEでは[11−20]方向がより好ましい。
【0021】
本発明の半導体光デバイス装置を設計するにあたっては、まず、所望の垂直拡がり角を得るために活性層の厚みとクラッド層の組成を決定する。通常、垂直広がり角を狭くすると活性層からクラッド層への光の浸みだしが促進され、端面での光密度が小さくなり、出射端面の光学的損傷(COD)レベルが向上することができる。したがって、高出力動作を必要とする時には比較的に狭めに設定するが、下限は活性層内の光閉じ込めの低減による発振しきい値電流の増大及びキャリアのオーバーフローによる温度特性の低下を抑制することで制限がある。下限は15°以上が好ましく、17°以上がより好ましく、19°以上が最も好ましい。上限は、30°以下が好ましく、27°以下がより好ましく、25°以下が最も好ましい。
次に、垂直広がり角を決定すると、高出力特性を大きく支配する構造パラメータは活性層と保護膜との間の距離dpと、化合物半導体層に垂直な方向から見たときのストライプ状開口部の幅(以下「ストライプ幅」ともいう)Wとなる。なお、通常、活性層と保護膜との間には第2導電型第1クラッド層のみが介在するが、その場合dpは第2導電型第1クラッド層の厚みとなる。また、活性層が量子井戸構造である場合は、最も保護膜に近い活性層と保護膜との間の距離がdpとなる。高出力動作の達成や、高信頼性を維持しつつビームが円形に近いレーザを実現を図るためには、上記のdpとWを適切な範囲に制御性良くおさめることが必要となる。
【0022】
高出力動作を実現するには、ストライプ幅を広くすることが端面での光密度低減の観点から有効であるが、動作電流を低減するためにはストライプ幅を狭くすることが、導波路ロス低減の観点から好ましい。そこで、ゲイン領域となる中央付近のストライプ幅を比較的狭くし、端部付近を比較的広くなるようにすることにより、低動作電流と高出力動作を同時に実現することができ、高い信頼性も確保することができる(本発明の第1の態様)。すなわち、本発明の第1の態様では、前端部(劈開面)の幅(WF)および後端部(劈開面)の幅(WR)については、上限が1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であるのがより好ましい。下限は2μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。中央部幅(Wc)については、上限が100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。下限は0.5μm以上が通常用いられ、1.0μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、2.2μm以上であることが最も好ましい。端部幅と中央部幅の差(WF−Wc、WR−Wc)については、上限は1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましい。下限については、0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。ストライプ状開口部の端部幅と中央部幅の比(WF/WC、WR/WC)は、上限は50以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。下限については1.2以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。
【0023】
さらに横モードをシングルモード(単一ピークの横方向光強度分布)にするためには、高次モードのカットオフ及び空間的ホールバーニングの防止の観点からストライプ幅をあまり大きくすることができず、端部幅(WF、WR)の上限は7μm以下であることが好ましく、6μm以下であることがより好ましい。中央部幅(Wc)の上限は6μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。このとき、中央部幅(Wc)については1.5〜4.0μmの範囲が特に推奨される。端部幅と中央部幅の差(WF−Wc、WR−Wc)については、上限は5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることが最も好ましい。下限については、0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
【0024】
一方、円形に近いビームを実現するには、ストライプ幅を狭くすることが有効であるが、ストライプ幅を狭くすると注入電流密度がバルク劣化抑制の観点から好ましくなくなる。そこで、ゲイン領域となるストライプ状開口部の中央部幅(Wc)を比較的広くし、端部幅(WF、WR)を比較的狭くなるようにすることにより、ビームスポット低減と低動作電流を同時に実現するとともに、高い信頼性も確保することが可能になる(本発明の第2の態様)。すなわち、本発明の第2の態様では、端部(劈開面)幅(WF、WR)については、上限が10μm以下であることが好ましく、5μm以下であるがより好ましく、3μm以下であるがもっとも好ましい。下限は0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。中央部幅(Wc)については、上限が100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。下限は0.5μm以上が通常用いられ、1.0μm以上であることが好ましく、1.2μm以上であることがより好ましく、1.7μm以上であることが最も好ましい。端部幅と中央部幅の差(Wc−WF、Wc−WR)については、上限は100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。下限については、0.2μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.7μm以上が最も好ましい。ストライプ状開口部の端部幅と中央部幅の比(WF/WC、WR/WC)は、上限は0.85以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましい。下限については0.02以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。
【0025】
さらに横モードをシングルモード(単一ピークの横方向光強度分布)にするためには、高次モードのカットオフ及び空間的ホールバーニングの防止の観点からストライプ幅をあまり大きくすることができず、端部幅(WF、WR)の上限は5μm以下であることが好ましく、4μm以下であることがより好ましい。中央部幅(Wc)の上限は6μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。このとき、中央部幅(Wc)については1.5〜4.0μmの範囲が特に推奨される。端部幅と中央部幅の差(Wc−WF、Wc−WR)については、上限は5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることが最も好ましい。下限については、0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
【0026】
これらの第1の態様と第2の態様において、ストライプ状開口部は、中央部から端部へ向かってストライプ幅が漸増または漸減している部分を有するのが好ましい。また、端部ではストライプ幅が一定の部分を有しているのが好ましい。これらの漸増部分または漸減部分と幅一定の端部の長さは、半導体光デバイス装置の目的とする特性に応じて適宜決定すればよい。漸増部分または漸減部分の長さは、導波路損失低減の観点から5〜10μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。幅一定の端部の長さは、劈開精度の観点から5〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。ただし、必要に応じて、以下のようにストライプ状開口部を作製してもよい。
(1)幅一定の端部や漸増または漸減部分のストライプ幅あるいは長さがチップ両側で非対称となるもの。
(2)幅一定の端部を形成せずに、端部まで幅が漸増または漸減するようにしたもの。
(3)片側(通常は高出力光取り出し側である前端面)の端部だけストライプ幅が漸増または漸減するようにしたもの。
(4)端部におけるストライプ幅が前端面と後端面とで異なるもの。
(5)上記の(1)〜(4)のいくつかを組み合わせたもの。
【0027】
第1の態様では、端面付近に電極を設けないようにして、端部での再結合電流を低減することが、高い信頼性で高出力動作を可能にする点で有効である。第2の態様では、端面付近に電極を設けないようにして、端部近傍のストライプ状開口部への電流注入によるバルク劣化の抑制や端面での再結合電流を低減することが、高い信頼性でスポット径の小さなレーザの作製を可能にする点で有効である。
【0028】
通常、半導体層をエッチング(特にウェットエッチング)でストライプ幅を決定するときは、特定の面が選択的に出やすくなるために、ストライプ幅を漸増または漸減させようとするとストライプエッジが揺らいでしまうためにストライプのエッジが階段状に変化してしまい、この階段状のエッジのうねりが水平方向の遠視野像にリップルや大きなサイドピークなどの乱れが発生しやすくなる。一方、本発明の好ましい実施態様では、ストライプ幅漸増または漸減部分はSiNXアモルファス膜のエッチングで形成されるために、直線的にストライプ幅を増加または減少させることができることから、リップルやサイドピークのない良好な単峰性のピークを容易に得ることができる。
【0029】
本発明の第3の態様は、ストライプ状開口部の幅が前端部、中央部、後端部の順に広くなる態様と、前端部、中央部、後端部の順に狭くなる態様を包含する。ストライプ状開口部の前端部の幅と後端部の幅の差(│WF−WR│)は、上限は100μm以下であることが好ましく、50μmであることがより好ましい。下限は0.5μm以上であることが好ましい。本発明の第3の目的を達成するためには、特にストライプ状開口部の幅が前端部、中央部、後端部の順に狭くなる態様が好ましい。このようにストライプ状開口部をテーパー形状にすることによって、利得飽和のレベルを向上し、ワット級の高出力素子の作製が可能になる。本発明の第3の目的を効果的に達成するためには、ストライプ状開口部の前端部の幅と後端部の幅の比(WF/WR)は、上限は50以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。下限については1.2以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。
【0030】
さらに横モードをシングルモード(単一ピークの横方向光強度分布)にするためには、高次モードのカットオフ及び空間的ホールバーニングの防止の観点からストライプ幅をあまり大きくすることができず、端部幅(WF、WR)の上限は7μm以下であることが好ましく、6μm以下であることがより好ましい。中央部幅(Wc)の上限は6μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。このとき、中央部幅(Wc)については1.5〜4.0μmの範囲が特に推奨される。端部幅と中央部幅の差(│WF−Wc│、│WR−Wc│)については、上限は5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることが最も好ましい。下限については、0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
【0031】
ストライプ状開口部がテーパー状であるリッジ構造の形成方法として、従来から用いられているウエットエッチングを採用すると、エッチングレートの結晶面方位依存によるリッジ両脇でのエッジの波打ちが大きくなり、光導波ロスが大きくなったり、遠視野像に乱れが生じるといった問題がある。特に、ストライプ幅が狭い領域においては深刻な問題となる。このため本発明では、アモルファス膜(誘電体保護膜)をフォトリソグラフィーでパターニングして電流ブロック領域を作製し、リッジ部がアモルファス膜(誘電体保護膜)にのりかかるように選択成長により形成することが好ましい。この方法によれば、任意の活性領域パターンの形状制御が可能となり、例えば直線のみならず放物線状のテーパー形成も容易に行うことができる。さらに、ストライプ幅が狭くてもアモルファス膜の開口部エッジに大きな波打が生じないことから、光導波ロスの顕著な増加は起こらない。
【0032】
本発明の半導体光デバイス装置における共振器方向でのストライプ状開口部の幅の変化を図3に具体的に示す。図3(a)は本発明の第1の態様の具体例を示したものであり、図3(b)は本発明の第2の態様の具体例を示したものであり、図3(c)および(d)は本発明の第3の態様の具体例を示したものであるが、各態様の具体例はこれらに限定されるものではない。
【0033】
dpについては、上限は0.60μm以下が通常用いられ、0.50μm以下が好ましく、0.45μm以下がより好ましく、0.40μm以下が最も好ましい。下限は0.10μm以上が好ましく、0.15μm以上がより好ましく、0.20μm以上が最も好ましい。このとき、dpについては0.25〜0.45μmの範囲が特に推奨される。ただし、使用目的(広がり角をどこに設定するか等)、材料系(屈折率、抵抗率等)などが異なると、上記の最適範囲も少しシフトする。また、この最適範囲は上記の各構造パラメータがお互いに影響し合うことにも注意を要する。
【0034】
本発明の半導体光デバイス装置を製造する際には、基板上に、まずダブルヘテロ構造を形成後、保護膜を用いてリッジ型の第2導電型第2クラッド層及び第2導電型コンタクト層を選択成長し、さらに、該リッジ頂部および側面に保護膜を形成することなく該リッジの頂部および側面に電極を形成するのが好ましい。各層の具体的成長条件等は、層の組成、成長方法、装置の形状等に応じて異なるが、MOCVD法を用いてIII-V族化合物半導体層を成長する場合、ダブルへテロ構造は、成長温度650〜750℃程度、V/III比20〜60程度(AlGaAsの場合)あるいは350〜550程度(AlGaInPの場合)、リッジ部分は成長温度600〜700℃、V/III比40〜60程度(AlGaAsの場合)あるいは350〜550程度(AlGaInPの場合)で行うのが好ましい。特に保護膜を用いて選択成長するリッジ部分がAlGaAs、AlGaInPのようにAlを含む場合、成長中に微量のHClガスを導入することにより、マスク上へのポリの堆積が防止されため非常に好ましい。Alの組成が高いほど、あるいはマスク部/ストライプ状開口部の比が大きいほど、他の成長条件を一定とした場合、ポリの堆積を防止し、かつストライプ状開口部のみに選択成長を行う(セレクティブモード)のに必要なHCl導入量は増加する。一方、HClガスの導入量が多すぎるとAlGaAs層の成長が起こらず、逆に半導体層がエッチングされてしまうが(エッチングモード)が、Al組成が高くなるほど他の成長条件を一定とした場合、エッチングモードになるのに必要なHCl導入量は増加する。そこで、最適なHCl導入量はトリメチルアルミニウム等のAlを含んだIII族原料供給モル数に大きく依存する。具体的には、HClの供給モル数とAlを含んだIII族原料供給モル数の比(HCl/III族)は、下限は0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上が最も好ましい。上限は、50以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下が最も好ましい。
【0035】
リッジ部分にInを含む化合物半導体層を選択成長(特に、HCl導入)させる場合は、上述のようにリッジの組成制御が困難になりやすい。そこで、本発明の半導体光デバイス装置は、活性層を含む化合物半導体層中にIn混晶組成が5%以上である層を有し、リッジ型化合物半導体層のIn混晶組成が10%以下であることを特徴とする。このような本発明によれば、リッジ形状やリッジを構成する半導体層の混晶組成(格子定数、屈折率など)の制御性、再現性を向上し、かつレーザ特性の安定化及びレーザ動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0036】
In混晶組成が5%以上である層は、化合物半導体層を構成する層のいずれであってもよい。好ましいのは、第1導電型クラッド層、活性層、第2導電型第1クラッド層の少なくとも1層である。特に第2導電型第1クラッド層のIn混晶組成が5%以上であるのが好ましい。また、In混晶組成が5%以上である層の組成は、(AlxGa1-x 1-y In y P[0≦x≦1,0.05≦y≦1]であることが好ましい。化合物半導体層全体のIn混晶組成の平均値は高い方が好ましい。具体的には、5%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましく、30%以上であることが最も好ましい。
【0037】
逆に、リッジ型化合物半導体層はIn混晶組成が低ければ低いほど、格子定数、屈折率等への変化は小さくなるために、好ましい。例えば、半導体膜中へのIn取り込み量が10%以上も変動する可能性がある場合、リッジ型化合物半導体層のIn組成が10%であるとIn組成変動量は1%以上となる。一般に、Inを含むIII−V族半導体において、格子整合条件からIn組成が1%ずれると、臨界膜厚は1μm程度となり、リッジ作製時に高密度の転位の発生してしまい、素子の特性や信頼性を劣化させるという問題が発生する可能性がある。これを回避するためには、In取り込み量が割合として10%程度よりも小さくなるように成長条件や保護膜形状等を厳密に制御することが要求される等、ある程度の制約が生じる。一方、In組成が小さければ、さらに半導体膜中へのIn取り込み量が大きく変化しても、In組成変動量は1%未満に抑えることが可能となる。このことより、リッジ型化合物半導体層のIn混晶組成は、10%以下とし、5%以下がより好ましく、1%以下が最も好ましい。
【0038】
なお、第2導電型第2クラッド層がAl(Ga)As、Al(Ga)AsP、Al(GaIn)As、Al(GaIn)P、Al(GaIn)N等Alを含むIII−V族化合物半導体で構成されている場合は、その成長可能な実質的全面をGaAs、GaAsP、GaInAs、GaInP、GaInN等のAlを含まないIII−V族化合物半導体で覆うことにより、表面酸化防止が可能となり好ましい。
【0039】
本発明の好ましい半導体光デバイス装置においては、基板上に、活性層を含む化合物半導体層、その上に形成されたストライプ状開口部を有する保護膜、該ストライプ状開口部上に活性層より屈折率の小さいリッジ型の化合物半導体層、実質的リッジ形状の全面に形成されたコンタクト層を少なくとも有し、該ストライプ状開口部の幅を2.2μm以上1000μm以下にすることによって、高出力動作を実現することができ、さらにコンタクト層に隣接する電極及び該第2導電型第2クラッド層とコンタクト層に十分な接触面積を持たせることにより装置全体の抵抗を低く抑えることができる。コンタクト層が形成されたリッジの頂部および側面の一部は、更に酸化防止等の目的で保護膜で覆うことも可能である。この態様も、リッジ側面にコンタクト層を形成せずに保護膜を形成するよりは装置全体の抵抗を小さく抑えることができ、本発明に包含される。特に、AlGaInP系やAlGaInN系など比抵抗の高い材料(とりわけp型において)において、装置全体の抵抗低減には有効である。
【0040】
本発明の別の好ましい実施態様では、ストライプ状開口部の上に活性層より屈折率の小さいリッジ型の化合物半導体層の一部が保護膜上に重なるように形成されていることを特徴とし、第2導電型第2クラッド層の絶縁層上への重なりの部分は下限は0.01μmが好ましく、0.1μm以上がより好ましく、上限は2.0μm未満が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。このような態様を採用することにより、保護膜とリッジ底部との境界近傍にしみ出す光分布の制御性を向上させ、リッジ頂部および側面に形成されるコンタクト層の光吸収を低減することができる。この態様を採用すれば、従来のリッジ導波型レーザのように必ずしもリッジの側面に保護膜を形成する必要がなくなり、プロセスの簡素化とコスト低減に有効である。リッジ側面に絶縁体からなる保護膜を有しない構造は、リッジ部分が横方向に成長しているためストライプ幅漸減または漸増部分のリッジのうねりの影響を受けにくくなっている。したがって、このような構造を有する半導体光デバイス装置は、水平方向の遠視野像において、リップルやサイドピークのない良好な単峰性のピークが容易に得られる。
【0041】
本発明の別の好ましい実施態様では、ストライプ状開口部の幅が4μm以下であることを特徴とし、該特徴により横モードをシングルモード(単一ピークの横方向光強度分布)にすることを可能にする。
また、本発明の半導体光デバイス装置は遠視野像が単一ピークであるように構成することが可能であり、情報処理や光通信などの幅広い用途に好適なレーザを供することができる。
【0042】
また、本発明の半導体光デバイス装置では、活性層と保護膜との間にクラッド層を形成し、該クラッド層の厚みを0.10μm以上0.50μm以下にすることによって、ストライプ状開口部の幅において高出力動作を実現し易くすることができる。
さらに、本発明の半導体光デバイス装置では、保護膜をSiNX膜、SiO2膜、SiON膜、Al23膜、ZnO膜及びSiC膜等の誘電体から構成することにより、上記条件において高出力動作を実現しやすくすることができる。このとき、保護膜と第2導電型第1クラッド層との発振波長における屈折率差が0.5以上2.0以下とすることが好ましい。
【0043】
また、第2導電型第2クラッド層の高さ(厚さ)は、前述のストライプ状開口部の幅Wの0.25倍から2.0倍程度であるのが好ましい。この範囲であれば、周囲(後述する電流ブロック層やリッジダミー領域)に比して著しく突出することがなく、ジャンクションダウンで用いた場合にリッジ部にストレスがかかって寿命に悪影響を与えることもなく、また、逆に周囲に比して著しく低いために電極形成工程等の後工程が行い難くなることもないため好ましい。
本発明の半導体光デバイス装置では、ダブルヘテロ構造のエピタキシャル面側に酸化防止層を設けた状態で、リッジ形状のクラッドを再成長により形成することにより、再成長界面で通過抵抗を増大させるような高抵抗層の発生を防ぐことが容易にできるようになる。
【0044】
酸化防止層としては、酸化されにくいか或いは酸化されてもクリーニングが容易な材料であれば特に限定されない。具体的には、Al等の酸化されやすい元素を含まない元素の含有率が低い(0.3以下程度)III-V族化合物半導体層が挙げられる。また、動作電流の上昇を防ぐためには、材料または厚みの選択により活性層からの光を吸収しないことが好ましく、活性層材料よりバンドギャップの大きい材料から選択されるが、バンドギャップが小さい材料であっても、厚さが50nm以下、より好ましくは30nm以下、最も好ましくは10nm以下であれば、実質的に光の吸収がほとんど無視できる。また、酸化防止層のバンドギャップを活性層と同等以下とすることにより、酸化防止層を過飽和吸収層として機能させることができ、低非点隔差と低ノイズ特性の両立を図ることができる。
【0045】
さらには、再成長部のクラッド層を絶縁体からなる保護膜の上面にかかるように成長し、保護膜とリッジの近傍にしみ出す光の分布の制御性を良くしたり、再成長部のクラッド層上の成長可能な面の実質的全面にコンタクト層を成長させ、クラッド層側面の酸化を抑制したり、エピタキシャル面側の電極との接触面積の増加を行い、電極とのコンタクト抵抗を低減したりすることもできる。これら再成長部のクラッド層やコンタクト層を保護膜上部にかかるように成長する工程は、それぞれ単独に行っても良いし、両方を組み合わせても良い。さらに、再成長でリッジを形成する場合にはリッジ部の組成、キャリア濃度や成長速度の制御性を向上するために電流注入されるリッジ部より大面積となる電流注入を行わないリッジダミー層を設けることも可能である。この際、リッジダミー層の部分には、電流の通過を防止するために酸化膜等との絶縁性の被服層やサイリスタ構造等を作製する。また、オフ基板上に電流注入ストライプをオフ方向となるべく垂直な方向に形成させた場合、再成長のリッジは左右非対称となるが、図6に示すような従来の半導体からなるブロック層よりも、保護膜とリッジ部のクラッド層との屈折率差を容易に大きくすることができたり、ストライプ状開口部の方向を適切に選ぶことにより再成長部のクラッド層が保護膜の上面にかかるように成長させることができるので、保護膜とリッジ近傍にしみ出す光の分布の対称性は良好であり、高出力まで安定な基本横モード発振を得ることができる。このように、本発明は様々なリッジストライプ型導波路構造半導体光デバイス装置に応用可能である。
【0046】
本発明の好ましい実施様態では、第2導電型第1クラッド層の屈折率が第2導電型第2クラッド層の屈折率よりも大きい。これにより、リッジ部分への光分布(近視野像)の裾引きを抑制することができ、垂直広がり角(遠視野像)の対象性向上、水平広がり角(遠視野像)のサイドピーク抑制、或いはコントクト層での光吸収抑制によるレーザ特性や信頼性の向上を達成することができる。
本発明の望ましい別の実施様態では、第2導電型第1クラッド層上の少なくともストライプ状開口部直下、即ち、ストライプ状開口部及び好ましくはその両側にも酸化防止層を有する。これによりリッジ部のクラッド層を再成長により形成する場合、再成長界面で通過抵抗を増大させるような高抵抗層の発生を防ぐことが可能になる。また、再成長界面に酸素等の不純物が多量に存在すると、結晶品質を低下による界面での光吸収(発熱)や欠陥を介した不純物拡散の促進などを引き起こし、特性や信頼性の劣化を招いてしまう。
【0047】
また、AlGaInP/GaInP系可視レーザのように、短波長化のために(100)等の低次の面方位に対してオフ角度の大きい基板を用いた場合には、上記リッジ導波型レーザにおけるリッジ形状が左右対称な形状でも、光密度分布(あるいはビームプロファイル)の横方向の対称性が良好であるため、高出力まで安定な基本横モードで発振することが可能であり、かつ素子の作製歩留まりも大幅に向上させるとともに高い信頼性を得ることもできる。
【0048】
上記以外に、以下に列挙する様な実施態様と組み合わせることが可能である等、本発明は様々なリッジ導波型半導体光デバイス装置に応用可能である。
(1)ストライプ状開口部の両側を構成する保護膜の更に外側に半導体、誘電体等の電流ブロック層を形成することにより、劈開、組立時の歩留まりを向上させ、ジャンクションダウンで組み立てた際のリッジ部へのストレスを軽減して長寿命とする。
(2)ストライプ状開口部の幅及び活性層と保護膜との距離を適切な範囲内に設定すること、光の垂直広がり角が特定範囲となる様な構成とすること等により、自励発振を可能とする。
(3)ストライプ状開口部の両側を構成する保護膜の更に外側にリッジダミー領域を有する構造を形成することにより、ストライプ状開口部の厚みや組成、キャリア濃度の制御を容易に行う。
【0049】
本発明の半導体光デバイス装置は、従来のような複雑かつ微細なフォトリソグラフィ技術を用いずに簡素化した工程で製造することができるため、作製歩留まりも大幅に向上させることができるという利点もある。
【0050】
本発明を用いた半導体レーザ装置として、情報処理用光源(通常AlGaAs系(波長780nm近傍)、AlGaInP系(波長600nm帯)、InGaN系(波長400nm近傍))について述べたが、本発明はこれ以外にも、通信用信号光源(通常InGaAsPあるいはInGaAsを活性層とする1.3μm帯、1.5μm帯)レーザ、ファイバー励起用光源(InGaAs歪み量子井戸活性層/GaAs基板を用いる980nm近傍、InGaAsP歪み量井戸活性層/InP基板を用いる1480nm近傍など)レーザなどの通信用半導体レーザ装置など幅広い用途(特に、高出力動作)に適用することができる。通信用レーザでは、特にビームが円形に近いレーザはファイバとの結合効率を高める点で有効である。
【0051】
また、本発明の半導体光デバイス装置は、半導体レーザ以外に半導体光増幅器、光検出器、光変調器、光スイッチなどの光素子およびこれらの集積装置についても応用が可能である。半導体光増幅器については、特にストライプ状開口部の幅がテーパー状であるもの、なかでも前端部から後端部へ向かってストライプ幅が減少している構造を有するものを好ましく用いることができる。本発明による半導体光増幅器は、利得飽和のレベルが向上しており、ワット級の高出力素子の作製を可能にするものである。
さらに、本発明は半導体レーザ以外に端面発光型などの発光ダイオード(LED)としても応用可能である。
【0052】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、濃度、厚さ、操作手順等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下の実施例に示す具体例に制限されるものではない。
【0053】
(実施例1)
本実施例において、図1に示す断面構造を有する本発明の半導体光デバイス装置を製造した。
まず、最初に(100)面から[0−1−1]A方向に10°あるいは15°程度オフさせた厚さ350μmのGaAs基板101の上に、MOCVD法により厚さ0.5μmのSiドープn型GaAsバッファ層(n=1x1018cm-3)(図示せず)、厚さ1.5μmのSiドープAl0.75Ga0.25Asクラッド層(n=1x1018cm-3)102、厚さ0.25μmのSiドープn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(n=1x1018cm-3)103、厚さ50nmのアンドープ(Al0.5Ga0.50.5In0.5P光ガイド層104あるいは厚さ5nmのアンドープ(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pバリア層105に挟まれた厚さ5〜6nmのアンドープGa0.44In0.56P井戸層106(3層)からなる三重量子井戸(TQW)活性層107、厚さ0.3μmのZnドープp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(p=7x1017cm-3)108、厚さ5nmのZnドープp型Ga0.5In0.5P酸化抑制層(p=1x1018cm-3)109を順次積層することにより、ダブルへテロ構造を形成した(図1(a))。このとき、酸化抑制層は活性層で再結合した光を吸収しないように組成を選択する方がしきい値電流を低減する上では好ましいが、セルフパルセーションさせるために意図的に光を吸収させて可飽和吸収層として利用することも可能である。なお、光を吸収させないようにするために、上記GaXIn1-XP酸化抑制層の組成をGaリッチ側(x=0.5〜1)に変えたり、Alを若干量加える((AlXGa1-X0.5In0.5P、x=0.1〜0.2程度)ことがさらに有効である。
【0054】
次にこのダブルへテロ基板の表面に絶縁性のSiNx保護膜(屈折率1.9、波長650nm近傍)110を200nm堆積させ、フォトリソグラフィ法によりこのSiNx膜110にオフアングルの方向と直交する[01−1]B方向に幅4μmのストライプ状の窓107を多数開ける。ここで[01−1]B方向は、一般的なIII−V族化合物半導体において、(100)面と(01−1)面の間に存在する(11−1)面が、V族元素が現れる面である様に定義する。このストライプ状の窓111に、MOCVD法を用いた選択成長により、リッジ中央での高さ2.0μmのZnドープp型Al0.75Ga0.25Asクラッド層(p=1.5x1018cm-3;屈折率3.3、波長655nm)112と厚さ0.5μmのZnドープGaAsコンタクト層113からなるリッジを形成した(図1(b))。このとき、リッジの側面の大部分が(311)A面もしくはこれに近い面となることが多く、再成長部のクラッド層を絶縁体からなる保護膜の上面にかかるように成長し、再成長部のクラッド層上の成長可能な面の実質的全面にコンタクト層を成長させることができる。そのため、保護膜とリッジの近傍にしみ出す光の分布の制御性を良くしたり、クラッド層側面の酸化を抑制したり、エピタキシャル面側の電極との接触面積の増加を行い、電極とのコンタクト抵抗を低減したりすることもできる。この傾向は再成長リッジ部がAlGaAs、特にAlAs混晶比(Al組成)0.2〜0.9、好ましくは0.3〜0.8の時に顕著である。
【0055】
上記のMOCVD法において、III族原料にはトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)及びトリメチルインジウム(TMI)を、V族原料にはアルシン及びホスフィンを、キャリアガスには水素を用いた。また、p型ドーパントにはジメチル亜鉛、n型ドーパントにはジシランを用いた。また、リッジの成長時にはHClガスをHCl/III族のモル比が0.2、特にHCl/TMAのモル比が0.3となる様に導入した。
【0056】
また、SEM観察によりZnドープAlxGa1-xAs(x=0.75)からなるリッジ状のp型第2クラッド層(第2導電型第2クラッド層)は、図1にその断面説明図を示す様に、SiNxからなる保護膜上に約0.4μm重なって形成されていることが確認された。また、すべてのストライプ幅において、p−GaAsコンタクト層はリッジ側壁全面を覆った。これにより、ZnドープAlxGa1-xAs(x=0.75)からなるリッジ状のp型第2クラッド層が表面に露出し、表面酸化が進行することを防止することができた。リッジ成長後に、従来法のようにリッジ側壁の一部或いは全面をSiNx保護膜で覆っても特に問題はないが、本実施例においては、プロセスの簡素化、コンタクト抵抗の低減等を考慮してリッジ側面に誘電体等からなる保護膜は形成しなかった。基板のオフ角度の影響により、リッジ形状が若干左右非対称となった(図示せず)。
【0057】
この後、p側の電極110を蒸着し、基板を100μmまで薄くした後に、n側電極111を蒸着し、アロイした(図1(c))。こうして作製したウエハーより、劈開によりチップバーに切り出して、レーザ共振器構造を形成した。このときの共振器長は500μmとした。前端面10%−後端面90%の非対称コーティングを施した後、2次劈開によりチップに分離した。チップジャンクションダウンで組立した後、25℃で連続通電(CW)にて電流−光出力、電流−電圧特性を測定した。非常に良好な電流−電圧特性及び電流−出力特性を示し、しきい値も1.9Vと活性層のバンドギャップに対応する低い値で、高抵抗層が存在しないことが確認できた。また、直列抵抗が5〜6Ωと小さく、p型コンタクト層とp型電極の間の接触抵抗が極めて小さいことが確認された。本実施例のレーザは、光出力120mW動作までの高出力を達成できており、発振波長が平均655nm、しきい値電流が平均20mA、スロープ効率が平均1.0mW/mAである等特性が非常に良好であり、垂直広がり角は平均23°であり、設計通りの単一ピークの遠視野像(ビーム広がり角)が得られ、光分布の制御が非常に良好であることが確認された。この結果より、SiNx絶縁膜で横モードが基本的に制御されていることから、再成長リッジ形状が若干非対称であることによるキンクレベル等への悪影響は現れていないと考えられる。なお、本願明細書において「単一ピーク」とは、必ずしも1本のピークの存在しか許さない意味ではなく、最大ピークの1/10以上の強度を有する他のピークが存在しないことを意味する。また、水平方向の拡がり角においても、リップルやサイドピークのない良好な単峰性のピークが得られた。これらの結果から、本発明のレーザ構造において、DVD等の光ディスクの書き込み用光源などに利用されることがわかる。また、高い信頼性(60℃、35mWの高温、高出力における1000時間以上安定動作)が得られることが判明した。また、これらの諸特性のバッチ内及びバッチ間のばらつきも小さいことが確認された。
【0058】
また、上記の態様よりもストライプ状開口部の幅を広くしていったところ、5μm以上になると、ほとんどの素子が単一横モード(単一ピークの横方向光強度分布)で発振しなくなってしまうこともわかった。このことから、単一横モード発振を実現させるためには、ストライプ状開口部の幅が5μm以下であることが望ましい。
さらに、実験結果から高出力動作ができる領域をシミュレーションにて確認した結果、活性層内部での横方向有効屈折率段差は5x10-3〜1.3x10-2程度に設定する必要があることが判った。
【0059】
本実施例では、n側クラッド層が、厚さ1.5μmのSiドープAl0.75Ga0.25Asクラッド層(n=1x1018cm-3)102と、厚さ0.25μmのSiドープn型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(n=1x1018cm-3)103との2層構造になっているが、どちらかの組成からなる1層構造(ただし、厚みはほぼ2層分の厚みと同程度)としてもよい。また、GaAs基板に完全に格子整合させるために、AlGaAs層に少量のPを加えて、AlGaAsP層としてもよく、例えば、Znドープp型Al0.75Ga0.25Asクラッド層(p=1.5x1018cm-3)112は、Al0.75Ga0.25As0.970.03としてもよい。
【0060】
(実施例2)
図2(a)に示すように、ストライプ状開口部の中央部幅(Wc)を4μmで一定とし、端部付近でストライプ幅が漸減し、劈開面での端部幅(WF、WR)を5μmで一定になるようにパターニングしたこと以外は実施例1と同じ方法でチップを作製した。これにより、最大光出力150mWまで向上し、60℃、50mWにおいて1000時間以上安定に動作し、従来(35mW)よりも高出力において高い信頼性が得られることが判明した。この結果から、本発明のレーザ構造において、DVD等の光ディスクの書き込み(従来よりも高速書き込み)用光源などに利用できることがわかる。
【0061】
(実施例3)
アンドープ(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pガイド層の厚みが70nm、アンドープGa0.44In0.56P井戸層の数が4つであるすなわち四重量子井戸(QQW)活性層、Znドープp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(p=7x1017cm-3)の厚さ0.35μm、図2(b)に示すようにストライプ状開口部の中央部(Wc)を2.5μmで一定とし、端部付近でストライプ幅が漸減し、劈開面での端部幅(WF、WR)を1.5μmで一定となるようにパターニングしたこと、このとき中央部の長さは200μmとしたこと、Znドープp型Al0.75Ga0.25Asクラッド層(p=1.5x1018cm-3;屈折率3.3、波長655nm)のリッジ中央での高さを1.5μmとしたこと、共振器の長さを350μmとしたこと、前端面32%−後端面80%の非対称コーティングを施したこと以外は実施例1と同じ方法でチップを製造した。
【0062】
本実施例のレーザは、高温(70℃)においても光出力5mW以上の動作までの自励発振を達成できており、発振波長が平均655nm、しきい値電流が平均25mA、スロープ効率が平均0.5mW/mAである等特性が非常に良好であり、垂直広がり角は平均30°であり、設計通りの単一ピークの遠視野像(ビーム広がり角)が得られ、光分布の制御が非常に良好であることが確認された。水平方向の拡がり角は平均15°であり、垂直拡がり角の1/2程度の大きさにすることができ、従来の自励発振レーザよりも円形に近くなった。また、水平方向の遠視野像において、リップルやサイドピークのない良好な単峰性のピークが得られた。このことは、ストライプ幅を直線的に減少できていることのみならず、リッジ部分が横方向に成長していることからストライプ漸減部分のリッジのうねりの影響を受けにくくなっていることも要因と考えられる。なお、本願明細書において「単一ピーク」とは、必ずしも1本のピークの存在しか許さない意味ではなく、最大ピークの1/10以上の強度を有する他のピークが存在しないことを意味する。これらの結果から、本発明のレーザ構造において、CD、MD等の光ディスクの読み取り用光源などに利用されることがわかる。また、高い信頼性(70℃の高温における5mW出力での1000時間以上安定動作)が得られることが判明した。また、諸特性のバッチ内及びバッチ間のばらつきも小さいことが確認された。
【0063】
また、本実施例の態様よりもストライプ状開口部の中央部幅(Wc)を広くしていったところ、3μm以上になると、ほとんどの素子が自励発振しなくなることもわかった。このことから、自励発振を実現させるためには、中央部幅(Wc)が3μm以下であることが望ましい。
さらに、実験結果から中央部幅(Wc)と第2導電型第1クラッド層の厚みdpが自励発振条件を満たす領域をシミュレーションにて確認した結果、活性層内部での横方向有効屈折率段差は2〜7x10-3程度、リッジ両脇への光浸み出し割合Γact.outを10〜40%程度に設定する必要があることが判った。
【0064】
(比較例1)
ストライプ状の窓111に、MOCVD法を用いた選択成長により、Znドープp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(p=7x1017cm-3;屈折率3.3、波長655nm)と厚さ0.5μmのZnドープGaAsコンタクト層からなるリッジを形成したこと以外、実施例1と同一の条件でレーザチップを作製した。
チップジャンクションダウンで組立した後、25℃で連続通電(CW)にて電流−光出力を測定したが、通過抵抗は約10Ωと高く、光出力は最大70mW程度までしか得られなかった。また、実施例1と同じ60℃、35mWの高温、高出力における信頼性試験において、すべての素子(n=20ヶ)が通電開始後数十時間から数百時間の間で動作電流が急上昇し、光出力が得られなくなるという現象が発生した。p型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなるリッジ部クラッド層の組成が設計値より少しずれており(微少領域のため実測困難)、屈折率のずれによる近視野像(ビーム拡がり角)の不安定化、格子不整による転位の発生が生じていること、さらにp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層は実施例1のp型Al0.75Ga0.25As層に比べて抵抗率や熱抵抗が大きくなってしまうことなどが、実施例1に比べて、通過抵抗の増大、最大光出力の低下、さらに高温、高出力動作での信頼性の低下を招いた原因と考えられる。
【0065】
(比較例2)
ストライプ状の窓111に、MOCVD法を用いた選択成長により、Znドープp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(p=7x1017cm-3;屈折率3.3、波長655nm)と厚さ0.5μmのZnドープGaAsコンタクト層からなるリッジを形成ししたこと以外、実施例3と同一の条件でレーザチップを作製した。
チップジャンクションダウンで組立した後、25℃で連続通電(CW)にて電流−光出力を測定したが、しきい値電流が平均30mAに上昇し、高温(70℃)では自励発振は達成できなかった。また、実施例1と同じ70℃、5mWにおける信頼性試験において、すべての素子(n=20ヶ)が通電開始後数十時間から数百時間の間で動作電流が急上昇し、光出力が得られなくなるという現象が発生した。p型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなるリッジ部クラッド層の組成が設計値より少しずれており(微少領域のため実測困難)、屈折率のずれによる近視野像(ビーム拡がり角)の不安定化、格子不整による転位の発生が生じていること、さらにp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層は実施例1のp型Al0.75Ga0.25As層に比べて抵抗率や熱抵抗が大きいために、電流拡がり分布が変化し、高温での動作電流が上昇しやすい、実施例1に比べて、高温(70℃)での自励発振の停止、さらに高温動作での信頼性の低下を招いた原因と考えられる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、リッジ導波型ストライプレーザ等の半導体光デバイス装置において、基板上に、活性層を含む化合物半導体層、その上に形成された開口部を有する保護膜、該開口部上に形成された活性層より屈折率の小さいリッジ型の化合物半導体層およびその上に形成された電極から少なくとも構成され、前記活性層を含む半導体層にIn混晶組成を5%以上である含む層を有し、前記リッジ型化合物半導体層はIn混晶組成が10%以下とすることにより、リッジ(メサ)の形状やリッジを構成する半導体層の混晶組成(格子定数、屈折率など)の制御性、再現性を向上させ、かつレーザ特性の安定化及びレーザ動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0067】
本発明において、絶縁体からなる保護膜を用いて、電流が注入されるストライプ領域にリッジを選択成長により形成し、リッジ側面には絶縁体からなる保護膜を形成しない構造とすれば、ストライプ幅を直線的に増加、減少できていることのみならず、リッジ部分が横方向に成長していることからストライプ漸減部分のリッジのうねりの影響を受けにくくなることから、水平方向の遠視野像において、リップルやサイドピークのない良好な単峰性のピークが容易に得られる。また、成長により形成したリッジ部分の頂部及び側面部を含む実質的全面にコンタクト層を形成し、コンタクト層と電極との接触面積を増大させることにより、接触抵抗が下がるとともに、リッジ側壁のクラッド層(特にAlを含んでいる場合)の表面酸化も防止され、レーザ特性や信頼性が向上する。
さらに、本発明の素子を作製する場合に、従来のような複雑かつ微細なフォトリソグラフィ技術が必要ではなくなるので、素子の作製工程を簡素化し、素子の作製歩留まりも大幅に向上させることができる。
【0068】
また、本発明では、端部でのストライプ幅を中央部に比べて広くすることにより低い動作電流を維持しつつ、高出力動作を実現することができる。一方、リッジ導波型ストライプレーザ等の半導体光デバイス装置において、保護膜の開口部の幅が、装置端面近傍で装置中央部より狭くなっていることにより、高い信頼性を維持しつつビームが円形に近いレーザとすることが可能となる。このため、光学系での光の損失を低減でき、水平方向の光軸調整が容易となるため、光ピックアップに組み立てたときのレーザ特性や組立歩留まりが非常に良好となる。
さらに、AlGaInP/GaInP系可視レーザのように、短波長化のために低次の面方位((100)等)に対してオフ角度の大きい基板を用いた場合にも、上記リッジ導波型レーザにおけるリッジ形状の左右非対称性が、光強度分布の左右非対称性に影響をほとんど受けることなく、安定な基本横モードが高出力動作まで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の半導体光デバイス装置及びその製造方法を説明する断面説明図である。
【図2】 実施例2及び3の半導体光デバイス装置における共振器方向でのストライプ状開口部の幅の変化を説明する平面説明図である。
【図3】 非リッジ部に保護膜を形成してリッジ部分を再成長ににより形成し、リッジ上部のみにコンタクト層を形成した従来の半導体光デバイス装置及びその製造方法を説明する断面説明図である。
【図4】 リッジ部をエッチングにより形成してなる従来の半導体光デバイス装置及びその製造方法を説明する断面説明図である。
【図5】 半導体からなる電流ブロック層を用いたリッジ型あるいはグルーブ型のインナーストライプ構造の半導体光デバイス装置及びその製造方法を説明する断面説明図である。
【図6】 GaAs基板上に作製される従来の(AlGa)InP系赤色可視レーザの断面説明図である。
【符号の説明】
101: 基板
102: 第1導電型第1クラッド層
103: 第1導電型第2クラッド層
104: 光ガイド層
105: バリア層
106: 井戸層
107: MQW活性層
108: 第2導電型第1クラッド層
109: 酸化抑制層
110: 保護膜
111: ストライプ領域
112: 第2導電型第2クラッド層
113: コンタクト層
114: エピタキシャル側電極
115: 基板側電極
F : ストライプ状開口部の開口前端部の幅
Wc: ストライプ状開口部の開口中央部の幅
R : ストライプ状開口部の開口後端部の幅
301: 基板
302: 第1導電型クラッド層
303: 活性層
304: 第2導電型第1クラッド層
305: 酸化防止層
306: 保護膜
307: ストライプ状開口部
308: 第2導電型第2クラッド層
309: コンタクト層
310: エピタキシャル側電極
311: 基板側電極
401: 基板
402: 第1導電型クラッド層
403: 活性層
404: 第2導電型クラッド層
405: コンタクト層
406: 保護膜
407: エピタキシャル側電極
408: 基板側電極
409: リッジ部
410: 非リッジ部
411: レジスト
501: 基板
502: 第1導電型クラッド層
503: 活性層
504: 第2導電型クラッド層
505: 第1導電型電流ブロック層
506: 第2導電型コンタクト層
507: エピタキシャル側電極
508: 基板側電極
511: 基板
512: 第1導電型クラッド層
513: 活性層
514: 第2導電型第1クラッド層
515: 第1導電型電流ブロック層
516: 第2導電型第2クラッド層
517: 第2導電型コンタクト層
518: エピタキシャル側電極
519: 基板側電極
601: n型GaAs基板
602: n型AlGaInPクラッド層
603: アンドープGaInP活性層
604: p型AlGaInPクラッド層
605: n型GaAsブロック層
606: p型GaAsコンタクト層

Claims (22)

  1. 基板上に、活性層と、該活性層の下に形成され該活性層より屈折率が小さい第1導電型クラッド層と、該活性層の上に形成され該活性層より屈折率が小さい第2導電型第1クラッド層とを含む化合物半導体層、該化合物半導体層の上に形成された開口部を有する保護膜、該開口部を覆うように形成された前記活性層より屈折率が小さいリッジ型の化合物半導体層、および該リッジ型の化合物半導体層の上に形成された電極を少なくとも有し、前記第2導電型第1クラッド層のIn混晶組成が5%以上であり、前記リッジ型化合物半導体層のIn混晶組成が10%以下であることを特徴とする半導体光デバイス装置。
  2. 前記第1導電型クラッド層、前記活性層、前記第2導電型第1クラッド層のうち少なくとも1つの層が(AlxGa1-x 1-y In y P[0≦x≦1,0.05≦y≦1]で表される化合物であることを特徴とする請求項に記載の半導体光デバイス装置。
  3. リッジ型化合物半導体層のIn混晶組成が5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体光デバイス装置。
  4. リッジ型化合物半導体層のIn混晶組成が1%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体光デバイス装置。
  5. 前記のリッジ型の化合物半導体層が第2導電型第2クラッド層を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  6. 前記第2導電型第2クラッド層の屈折率が前記第2導電型第1クラッド層の屈折率の±0.2の範囲内にあり、かつ前記リッジ型化合物半導体層が前記第2導電型第1クラッド層と異なる組成を有することを特徴とする請求項に記載の半導体光デバイス装置。
  7. 前記第2導電型第1クラッド層と前記第2導電型第2クラッド層の間に、これらの層に接するように酸化抑制層が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  8. 前記酸化抑制層のIn混晶組成が5%以上であることを特徴とする請求項7に記載の半導体光デバイス装置。
  9. 前記化合物半導体層全体のIn混晶組成の平均値が5%以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  10. 前記開口部がストライプ状であって、該ストライプの幅は開口中央部より開口前端部の方が狭いことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  11. 前記開口部がストライプ状であって、該ストライプの幅は開口中央部より開口前端部の方が広いことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  12. 前記開口部がストライプ状であって、該ストライプの幅は開口中央部より開口後端部の方が狭いことを特徴とする請求項10または11に記載の半導体光デバイス装置。
  13. 前記開口部がストライプ状であって、該ストライプの幅は開口中央部より開口後端部の方が広いことを特徴とする請求項10または11に記載の半導体光デバイス装置。
  14. 前記開口部がストライプ状であって、該ストライプの幅が2.2μm〜1000μmであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  15. 前記開口部がストライプ状であって、第2導電型第2クラッド層の高さが該ストライプの幅の0.25倍〜2.0倍であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  16. 前記基板の表面が低次の面方位に対してオフアングルを有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  17. 遠視野像が単一ピークであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  18. 半導体発光装置である請求項1〜17のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  19. 半導体レーザである請求項1〜17のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  20. 半導体光増幅器である請求項1〜17のいずれか1項に記載の半導体光デバイス装置。
  21. 基板上に、活性層と、該活性層の下に形成され該活性層より屈折率が小さい第1導電型クラッド層と、該活性層の上に形成され該活性層より屈折率が小さくてIn混晶組成が5%以上である第2導電型第1クラッド層とを含む化合物半導体層を形成する工程、
    該化合物半導体層の上に開口部を有する保護膜を形成する工程、
    該開口部を覆うように、前記活性層より屈折率が小さくてIn混晶組成が10%以下であるリッジ型の化合物半導体層を形成する工程、および、
    該リッジ型の化合物半導体層の上に電極を形成する工程
    を含むことを特徴とする半導体光デバイス装置の製造方法。
  22. 前記リッジ型の化合物半導体層を選択再成長により形成することを特徴とする請求項21に記載の半導体光デバイス装置の製造方法。
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