JP4008368B2 - 防熱板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンロに隣接する壁面に取り付けられる防熱板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンロに隣接する壁面へのコンロからの熱を遮断するために、該壁面に取り付けられる防熱板が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の防熱板は、コンロと壁面との距離が消防法に定める所定の距離(15cm)に満たない場合に設けられる。そして、防熱板を設けた場合には、室温が35℃のとき、コンロに隣接する壁面の温度が100℃を超えないようにすることが求められている。
【0003】
しかし、例えば、ビルトイン式コンロをコンロ用キャビネット等に収容して厨房に設置したとき、コンロ用キャビネットが比較的コンパクトである場合には、コンロ用キャビネットのワークトップ上に露出するコンロの天板と壁面との距離が極めて小となる。
【0004】
そのため、図6に示すように、防熱板32の下端が天板33よりも上方に位置して配置されることになる。そしてこのような設置状態で、例えば矩形状の比較的大型の鉄板Tが調理具として使用されると、排熱が防熱板32の下方に回り込んで壁面35が加熱されるおそれがある。
【0005】
また、図6に示すように、防熱板32がコンロの天板33の上部に張り出している場合には、図中仮想線示するように天板33をワークトップ34から上昇方向に取り外すことが困難となったり、天板の側部の掃除が困難となる。このため、メンテナンスや掃除等において天板33を取り外す際には、それに先立って防熱板32を壁面35から取り外さなければならず、その作業が煩わしい不都合があった。
【0006】
そこで、防熱板の厚みを小として、コンロの天板の上方への防熱板の張り出しをなくすことにより、排熱の壁面側への回り込みを防止し、また天板の取り外しや天板の側部の掃除が容易に行なえるようにすることが考えられる。
【0007】
しかし、防熱板の厚みを小とすると熱伝達を阻止するための十分な防熱作用を得ることができず、コンロに隣接する壁面の温度が100℃を超えてしまうおそれがある。
【0008】
【特許文献1】
特許第3342120号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
かかる不都合を解消して、本発明は、コンロと壁面との間隔が比較的狭くても、十分な防熱作用を得ることができ、しかも、防熱板を壁面から取り外すことなくコンロの天板の取り外しや天板の側部の掃除が行なえる防熱板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、コンロに隣接して起立する壁面に取り付けられる防熱板において、前記壁面を所定の空隙を存して覆う主防熱部と、該主防熱部を前記空隙を存して壁面に連結する連結部材と、該主防熱部の下縁に連設されて前記主防熱部より壁面に接近して下方に延びる副防熱部とを備え、少なくとも前記主防熱部は、前記コンロ側に面する表板と、該表板の裏側に所定の空隙を存して重合された裏板とによって構成されており、前記表板と裏板との間の空隙は前記主防熱部の上縁部において開放され、該主防熱部と前記副防熱部との境界位置には、前記表板と裏板との間の空隙の直下位置から空気を取り入れる通気口が形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、前記主防熱部は、壁面との間に十分な空隙を形成することができるので、高い防熱作用を得ることができる。また、前記副防熱部により、主防熱部の下方においても十分な防熱作用を得ることができ、しかも、コンロからの排熱が壁面に当ることを確実に防止することができる。
また、前記主防熱部の表板に所定の空隙を存して裏板が重合され、表板と裏板との間に空隙による空気層が設けられるので、防熱効果を向上させることができる。
また、前記通気口を設けることによって、表板と裏板との間の空気層に、通気口から主防熱部の上縁部に向かって気流が形成される。これにより、表板と裏板との間の熱を気流によって放出することができ、防熱効果を向上させることができる。
【0012】
本発明において、前記主防熱部は、コンロの天板から、該天板の取外し時の昇降動を可能とする所定距離を存した上方に位置して前記壁面を覆い、前記副防熱部は、コンロの天板と壁面との間に下端が位置されることが好ましい。
【0013】
これにより、主防熱部が壁面からコンロ側に張り出していても、主防熱部に干渉させることなくコンロの天板を持ち上げて天板の取外しを行なうことができ、防熱板を取り外すことなくメンテナンスや掃除を容易に行なうことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の防熱板の設置状態を示す説明図、図2は防熱板の表板側を示す説明図、図3は防熱板の裏板側を示す説明図、図4は本実施形態の防熱板の連結構造を示す説明的断面図、図5は要部の説明的断面図である。
【0019】
本実施形態の防熱板1は、図1に示すように、コンロ2に隣接する壁面3に設けられるものである。コンロ2は所謂ビルトイン式コンロであって、コンロ本体2aがコンロ用キャビネット4のワークトップ5の開口に吊持されている。コンロ2の天板6は、コンロ本体2aの上面開口を覆うもので、ワークトップ5上に設置されている。該コンロ2は、手入れやメンテナンスを行なう際にワークトップ5から上方に天板6を持ち上げることで該天板6を取り外すことができるようになっている。
【0020】
防熱板1は、図1に示すように、金属製(ステンレス等)の板材により形成された表板7と、同じく金属製(ステンレス等)の板材により形成された裏板8とを備えている。防熱板1の表板7は、図1及び図2に示すように、略矩形状の広面部9と、該広面部9の上縁部に連設されてコンロ2の上方に傾斜して張り出すフード部10とを備えている。表板7の下縁には、壁面3に近接する方向に折り曲げられて傾斜する表板傾斜部11を介して下方に延びる表板延出部12が連設されている。また、表板傾斜部11の所定の位置には、該表板7を貫通する通気自在の通気口13が形成されている。
【0021】
本実施形態においては、表板7は幅550mm、高さ550mmの正方形で、高さ550mmのうち表板延出部12の高さが25mm、表板傾斜部11を10mmとした。
【0022】
防熱板1の裏板8は、図1及び図3に示すように、略矩形状の広面部14と、該広面部14に設けられて壁面3に連結する本発明の連結部材である第1連結部材15とを備えている。広面部14の下縁には、壁面3に近接する方向に折り曲げられて傾斜する裏板傾斜部16を介して下方に延びる裏板延出部17が連設されている。広面部14は、前記広面部9に対応する位置に設けられており、裏板傾斜部16及び裏板延出部17は、前記表板傾斜部11及び表板延出部12に対応する位置に設けられている。
【0023】
第1連結部材15は、図3及び図4に示すように、略コ字形に形成された突出部18に複数の掛止穴19(図3参照)を備え、該突出部18の両側に形成された張出部20を介して広面部14にネジ止めされている。第1連結部材15の掛止穴19は壁面3にねじ込まれた木ネジ21(図4参照)の頭部を掛止して壁面3に連結される。
【0024】
表板7と裏板8とは、図4に示すように、第2連結部材22を介して互いに連結されている。即ち、第2連結部材22は、略コ字形に形成された突出部23に複数の第1ネジ穴24が形成され、該突出部23の両側に形成された張出部25に複数の第2ネジ穴26が形成されている。第2連結部材22は、裏板8を介して第2ネジ穴26に螺着されたネジ27により裏板8に連結され、表板7を介して第1ネジ穴24に螺着されたネジ28により表板7に連結される。これにより、第2連結部材22は、表板7と裏板8との間に突出部23による空隙を形成し、且つ、表板7と裏板8とを連結している。これにより、表板7の広面部9と裏板8の広面部14とによって本発明の主防熱部29が形成され、表板延出部12と裏板延出部17とによって本発明の副防熱部30が形成される。
【0025】
以上のように形成された防熱板1は、図5に示すように、前記主防熱部29において前記第2連結部材22により表板7と裏板8とが十分な空隙を存して対向するので、高い防熱効果を得ることができる。しかも、前記表板傾斜部11には通気口13が形成されているので、表板7がコンロ2に熱せられても、表板7と裏板8との間の空気が円滑に流動して上端から抜け出し、防熱効果を向上させることができる。
【0026】
なお、副放熱部30においても、表板延出部12と裏板延出部17との間に、例えば一方から他方に突出する凸部を形成するなどして空隙を形成すると更に良い。
【0027】
また、図5に示すように、前記副防熱部30を天板6と壁面3との間に収納させることができ、しかも、副防熱部30によって天板6の上方に形成された空間により図5中仮想線に示すように、防熱板1に干渉させることなく天板6を上方に取除くことができる。
【0028】
また、本実施形態においてはビルトイン式コンロを採用して説明したが、防熱板1はビルトイン式コンロにおいてのみ適用されるものではなく、例えば卓上式コンロであっても適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の防熱板の設置状態を示す説明図。
【図2】本実施形態の防熱板の表板側を示す説明図。
【図3】本実施形態の防熱板の裏板側を示す説明図。
【図4】本実施形態の防熱板の連結構造を示す説明的断面図。
【図5】要部の説明的断面図。
【図6】従来の防熱板を示す説明図。
【符号の説明】
1…防熱板、2…コンロ、3…壁面、4…コンロ用キャビネット、5…ワークトップ、6…天板、7…表板、8…裏板、13…通気口、15…第1連結部材(連結部材)、29…主防熱部、30…副防熱部。

Claims (2)

  1. コンロに隣接して起立する壁面に取り付けられる防熱板において、
    前記壁面を所定の空隙を存して覆う主防熱部と、
    該主防熱部を前記空隙を存して壁面に連結する連結部材と、
    該主防熱部の下縁に連設されて前記主防熱部より壁面に接近して下方に延びる副防熱部とを備え
    少なくとも前記主防熱部は、前記コンロ側に面する表板と、該表板の裏側に所定の空隙を存して重合された裏板とによって構成されており、
    前記表板と裏板との間の空隙は前記主防熱部の上縁部において開放され、
    該主防熱部と前記副防熱部との境界位置には、前記表板と裏板との間の空隙の直下位置から空気を取り入れる通気口が形成されていることを特徴とする防熱板。
  2. 前記主防熱部は、コンロの天板から、該天板の取外し時の昇降動を可能とする所定距離を存した上方に位置して前記壁面を覆い、
    前記副防熱部は、コンロの天板と壁面との間に下端が位置されることを特徴とする請求項1記載の防熱板。
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