JPH0330730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、装置本体にたとえば電磁調理器を組
込んだ流し台などの厨房家具である調理器組込装
置に係り、特に電磁調理器の調理動作にともなう
電磁調理器の排熱を装置本体から外部へ放出する
ための排熱構造の改良に関する。

第１図および第２図は、ふつう用いられる電磁
調理器である。すなわち、１はトツププレート、
２はサツシユ、３は表示板、４は底板、５は中間
サツシユ、６は加熱コイル、７はトランジスタな
どの制御電子部品、８は冷熱フアン、９は整流
器、１０は冷却導入口、１１は冷却導出口であ
る。なお、加熱コイル６、制御電子部品７および
整流器９などから電気部品類Ｅが構成される。

上記トツププレート１上に、図示しない鉄・ス
テンレス製の鍋類を置き調理スイツチをオンする
ことにより、電磁誘導加熱を得る。

この種電磁誘導加熱によれば、不燃性ガスで室
内の空気を汚すことがなく、衛生的であり、炎を
使わないから安全であり、しかも熱効率が高く経
済的であるため、多用される傾向にある。

また、使い勝手を向上させるため、電磁調理器
を流し台や調理台などの厨房家具に組込んで操作
するようにした装置が用いられる。たとえば、第
３図に示すようになつていて、厨房家具などの装
置本体１２の天板１３に設けられた開口部１４に
電磁調理器Ｓが組込まれる。上記装置本体１２内
には、天板１３と平行に水平仕切板１５が設けら
れ、この水平仕切板１５には、上記電磁調理器Ｓ
の冷却導入口１０と相対向して吸気口１６が開口
する。また、天板１３と水平仕切板１５との間に
は中間仕切板１７が設けられ、天板１３と水平仕
切板１５との間の空間部を、上記冷却導入口１０
側と上記冷却導出口１１側とに区画する。なお、
上記装置本体１２の背面壁１２ａには排熱口１８
が開口する。

しかして、電磁調理器Ｓの調理動作にともなつ
て加熱コイル６は勿論、他の電気部品類Ｅから多
大の熱が放出されるが、冷熱フアン８の駆動で外
部空気が吸気口１６から冷却導入口１０を介して
調理器Ｓ内に導かれ、加熱コイル６他の電気部品
類Ｅに送風してこの冷却を図る。そして、熱交換
後の温度上昇した空気は冷却導出口１１から導出
され、排熱口１８から外部へ排出される。

ところで、排熱口１８が背面壁１２ａに設けら
れている関係上、被据付室の壁面Ｗに装置本体１
２を密接させた据付を行うことはできず、ある程
度の間〓が必要となる。

しかるにこの間〓は、塵埃や害虫等の溜り場と
なる虞れがあり、不衛生である。

そこで、たとえば装置本体１２のバツクガード
１３ａ前面側に排熱口を設ければ、装置本体１２
を壁面に密接させた据付けが可能となり、しかも
排熱効率を確保できる。

しかしながら、この場合は排熱口が目立つて見
栄が悪いとともに開口手間がかかつて面倒とな
る。しかも、調理にともなつて発生する蒸気や油
分等が排気と混合して前面側、すなわち調理者側
に向かつて吹き付けられるので、作業性の低下を
きたす。

本考案は、上記事情に着目してなされたもので
あり、その目的とするところは、装置本体の上面
部に少なくともこの背面端部と間〓を存して設け
た開口部に、この背面側一部を開口のまま残して
調理器を組込み、残された開口部の上方を覆うと
ともに装置本体の背面壁部とは間〓を存して調理
器とは別体のフードを設け、このフードは調理器
の調理動作にともなう装置本体内の排熱を受け入
れ、上記フードと調理器との上面に亘つて保護枠
を当接し、フードの背面壁に設けた排熱案内口で
装置本体から受け入れた排熱を外部に放出するこ
とにより、組立作業性の容易化と、装置本体の背
面壁を被据付室の壁面に密接した据付けを可能と
するとともに排熱効率を確保し、かつ調理作業性
の向上化を図れる調理器組込装置を提供しようと
するものである。

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。第４図および第５図に本装置を示すが、
電磁調理器Ｓはふつう用いられる第１図および第
２図に示すような構造形状であり、同図を適用し
て説明を省略する。また、装置本体１２は、壁面
Ｗに密着して据付けられていて、後述する開口部
２０とフード２１を除いた第３図に示す構造形状
と同一のものに同番号を付して説明を省略する。

上記開口部２０は、電磁調理器Ｓを組込むのに
必要な幅寸法と、電磁調理器Ｓよりはるかに長い
奥行き寸法とを有し、かつ装置本体１２の背面端
部とは間〓を存する。そして電磁調理器Ｓは、開
口部２０の手前側一杯に寄せて組込まれていて、
電磁調理器Ｓの背面側はそのまま開口部２０とし
て残される。この残された開口部２０にフード２
１が取付けられる。上記フード２１は、第５図お
よび第６図に示すようになつていて、前面側が傾
斜する箱体であり、その背面壁および下面壁には
周端部に沿つて設けられる枠部２２を除いて排熱
案内口２３ａ，２３ｂが開口する。さらに、前面
下端縁に沿つて水平片部２４が一体に延出され、
この前端縁は下方に折曲される立下り片部２５と
なつている。この立下り片部２５には、複数の取
付用孔２６…が穿設され、かつ上記水平片部２４
より、その幅寸法が狭い。

しかして、フード２１を天板１３上に載せる。
下面側の枠部２２は天板１３上に載り、水平片部
２４が開口部２０に架渡される。このため、下面
側の排熱案内口２３ｂが開口部２０と連通するこ
とになる。フード２１の立下り片部２５は開口部
２０に挿入され、上記電磁調理器Ｓに、たとえば
ステンレス製で断面Ｔ字形の保護枠２７を介して
当接する。そして、立下り片部２５と保護枠２７
とは固定ねじ２８により電磁調理器Ｓに取付固定
する。なお、保護枠２７の上面部は電磁調理器Ｓ
に載り、これを保護するとともに上記水平片部２
４にパツキン２９を介して載り、これを保護す
る。したがつて、装置本体１２の電磁調理器Ｓの
組込みとフード２１の取付けは極めて容易であ
る。

このようにしてフード２１を取付けることによ
り、上記残された開口部２０の上方を全て覆う。
上記電磁調理器Ｓの電磁誘導加熱調理にともなつ
て駆動される冷熱フアン８は、外部空気を吸気口
１６から冷却導入口１０を介して内部に導びき、
加熱コイル６他の電気部品類Ｅの冷却をなす。熱
交換後の空気である排熱は冷却導出口１１から一
旦装置本体２内へ導出され、さらに電磁調理器Ｓ
で閉成されない開口部２０からフード２１の排熱
案内口２３ｂを介してフード２１内に受け入れら
れる。そしてフード２１の背面側に開口する排熱
案内口２３ａを介して外部へ排出される。排熱は
背面側である壁面Ｗに向けてなされるが、フード
２１に設けられる排熱案内口２３ａと壁面Ｗとは
間〓を存しているから、排熱は支障なく極めて円
滑である。このことから、電磁調理器Ｓ内の電気
部品類Ｅに沿つて外部空気が円滑に流通し、冷却
効率がよい。またフード２１と調理器Ｓの上面に
亘つて保護枠２７を設けたから、調理器Ｓ上面に
こぼれた煮汁などがしみ込まないですむ。

なお、吸気口１６は、厨房家具などの天板を直
接使用する場合に、厨房家具内部で空気の流通が
図れるときには特に必要はない。

なお、上記実施例においては、調理器Ｓとして
電磁調理器を適用して説明したが、これに限定さ
れるものではなく、たとえばガスコンロ、電気コ
ンロその他の調理器全てを組込み可能である。

以上説明したように本考案によれば、調理器を
組込んでなお残された開口部の上方を調理器とは
別体のフードで覆い、かつフードの背面壁に開口
する排出案内口を装置本体の背面端部と間〓を存
したから、装置本体の背面壁を被据付室の壁面に
密接した据付けが可能で装置本体の据付け性がよ
くなるとともに、調理器の調理動作にともなう装
置本体内の排熱をフードは確実に受け入れて外部
へ排出し、充分な排熱効率を確保して、調理作業
性の向上化を得る。しかも、装置本体は上面部の
面積さえ充分であれば調理器を容易に組込むこと
ができ、施工性がよい。また保護枠はフードと調
理器との間に煮汁などがしみ込むのを防止するな
どの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は電磁調理器の斜視図、第２図はその縦
断面図、第３図は本考案の従来例を示す調理器組
込装置の一部縦断面図、第４図は本考案の一実施
例を示す調理器組込装置の斜視図、第５図はその
一部縦断面図、第６図はフードの斜視図である。 ２０……開口部、１２……装置本体、Ｓ……
（電磁）調理器、２１……フード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 装置本体と、この装置本体の上面部に少くとも
   装置本体の背面端部と間〓を存して設けられる開
   口部と、上記装置本体の開口部にその背面側一部
   を開口のまま残して組込まれる調理器と、この調
   理器とは別体で形成され調理器では閉成されない
   上記開口部の上方を覆うとともに上記装置本体の
   背面端部とは間〓を存して取着され、かつ上記調
   理器の調理動作にともなう装置本体内の排熱を受
   け入れるフードと、このフードおよび隣接する調
   理器との上面とに亘つて当接した保護枠とを具備
   し、上記フードの背面壁のみに装置本体から受け
   入れた排熱を外部に排出案内する排熱案内口を設
   けたことを特徴とする調理器組込装置。