JP4750971B2 - 調理キャビネットのバックガード部の水切り構造 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス器具を組み込んだ調理キャビネットのバックガード部の水切り構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、加熱調理する調理キャビネットにはガスコンロ、ガスグリル、ガスオーブン等のガス器具がビルトイン等で組み込まれている。この調理キャビネットはシステムキッチンを構成するときには流し台キャビネット等の他のキャビネットと並設して配置されるようになっている。
【０００３】
システムキッチンで並設される複数のキャビネットの上面の背部にはバックガードが立ち上がるように形成されるが、ガス器具を組み込んだ調理キャビネット１でも図８に示すように上面の背部に耐火性のあるバックガード２が立ち上がるように形成される。調理キャビネット１を台所に設置したとき調理キャビネット１の背面やバックガード２の背面が台所の壁面３に沿わせられる。そして壁面３とバックガード２との間に水が入らないように水切りする水切り部材４がバックガード２の上部を覆うように取り付けられる。この水切り部材４は横片４ａと縦片４ｂとで断面略逆Ｌ字状に形成され、横片４ａの端部が壁面３に当接され、横片４ａがバックガード２の上面に沿わせられると共に縦片４ｂがバックガード２の前面に沿わせられる。調理キャビネット１にはガスコンロ５がビルトイン等にて組み込まれるが、このガスコンロ５のトッププレート６の後部の上面には排気口７が設けられ、ガスグリル、ガスオーブン等の排気が排気口７から上方に排気できるようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにバックガード２の上に水切り部材４が装着されることにより、バックガード２と壁面３との間に水が入ったりしないように水切りされると共に外観がよくなるように施工されるが、水切り部材４の内面とバックガード２の外面との間に隙間Ｃができる。つまり、水切り部材４はこの調理キャビネット１以外のキャビネットのバックガードにも合せて取り付けなければならなく、また水切り部材４は壁面３の目地等の外観に合せて取り付けられる場合もあり、また水切り部材４を取り付けた後に調理キャビネット１を後付けで取り付ける場合もあり、これらにより、水切り部材４の内面とバックガード２の外面との間にはどうしてもある程度の隙間Ｃができる。このように水切り部材４の内面とバックガード２との間に隙間Ｃができると、上記ガスコンロ５の排気口７から排出された高温の排気がこの隙間Ｃに入り込み、この隙間Ｃに対応する部分で壁面３に目隙Ｄがあると、壁内に排気が流入してしまうおそれがある。つまり、台所の壁面３は建物躯体の壁本体９の外面に棧１０等を介して内装材１１を貼って形成されている場合が多く、内装材１１の継ぎ目に目隙Ｄができることもある。そして、この目隙Ｄが上記水切り部材４に対応する部分にあると、隙間Ｃを通った排気が図８の矢印のように目隙Ｄを通って壁内に流入することがある。このようにして高温の排気が壁内に流入すると壁が加熱されて火災等の危険が発生する。
【０００５】
本発明は叙述の点に鑑みてなされたものであって、ガス器具の排気が水切り部材とバックガードとの間の隙間に流れるのを確実に防止できて安全性を確保できる調理キャビネットのバックガードの水切り構造を提供することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の調理キャビネットのバックガード部の水切り構造は、背面を台所の壁面３に沿わせて配置した調理キャビネット１にガス器具Ａを組み込み、調理キャビネット１の上面の背部に壁面３に沿うバックガード２を立ち上げ、ガスグリル１３、ガスオーブン等の排気を調理キャビネット１の上に排出する排気口７をバックガード２の手前で上方に開口させ、バックガード２の背面側に水が行かないように水切りする水切り部材４を壁面３からバックガード２の前面まで覆うように装着したものにおいて、水切り部材４の下部とバックガード２の前面の下部との間を覆う遮蔽板１６をバックガード２に前後に移動自在に装着したことを特徴とする。これにより、遮蔽板１６にてバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できる。また遮蔽板１６をバックガード２に前後に移動自在に装着したことにより、バックガード２と水切り部材４の相対的な位置が変っても遮蔽板１６を前後に位置調整することにより隙間Ｃを確実に密閉できる。
【０００８】
また水切り部材４の下端に弾接させて水切り部材４とバックガード２の前面との間を遮蔽する遮蔽部材１７をバックガード２の前面側に上下に移動自在に装着したことを特徴とすることも好ましい。この場合も、遮蔽部材１７にてバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できる。また遮蔽部材１７をバックガード２の前面側に上下に移動自在に装着したことにより、バックガード２と水切り部材４の相対的な位置が変っても遮蔽部材１７を上下に位置調整することにより隙間Ｃを確実に密閉できる。
【０００９】
また排気口７が水切り部材４の下端と略同レベルかまたは水切り部材４の下端より上方に位置するように排気ガイド筒１８を上方に導出したことを特徴とすることも好ましい。水切り部材４の下端と同レベルかまたは下端より上に位置する排気口７から排気することでバックガード２と水切り部材４との間の隙間Ｃに排気が流れることなく、安全性を確保できる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
ガス器具Ａを組み込む調理キャビネット１は例えば図３、図４に示すように構成されている。本例はガスグリル１３を一体に有するグリル付きのガスコンロ５をビルトインで組み込む調理キャビネット１を示す。調理キャビネット１はキャビネット本体１ａとキャビネット本体１ａに載設するカウンター部材１ｂとで構成されている。
【００１１】
キャビネット本体１ａは両側の側板２０と背面の背板２１、水平な中仕切り板２２、底面の底面板２３等で角箱状に組み立てられており、前面の下部には開閉自在な一対の扉２４が装着されており、扉２４の下方で左右の側板２０間には蹴込み板２５が装着されており、側板２０の上端で前後に前棧２６や後棧２７が架設されている。カウンター部材１ｂは矩形枠状に形成されており、カウンター部材１ｂの上面の背部からバックガード２を一体に立ち上げてある。このバックガード２は少なくともステンレス鋼のような金属板で形成されており、耐火性を持たせてある。本例のバックガード２の場合、前面の下部に背方に凹没した凹部３０を設けてあり、この凹部３０に下に行くほど背方に行く傾斜面３１を設けてある。
【００１２】
このように構成せる調理キャビネット１は図１に示すように背面を壁面３に沿わせるように台所に設置され、ガス器具Ａとしてのグリル付きのガスコンロ５を調理キャビネット１にビルトインして組み込まれる。ガスコンロ５のトッププレート６はカウンター部材１ｂの上面に載設され、トッププレート６からガスバーナ２８が露出させられると共にトッププレート６の上に五徳２９が載設される。トッププレート６の背部には排気口７が開口されている。ガスコンロ５のガスグリル１３が上記排気口７に連通させられており、ガスグリル１３の排気が排気口７から上方に排出されるようになっている。本例の場合、ガスグリル１３の排気を排気口７から排出するようになっているが、調理キャビネット１にガスオーブンを組み込んだときにガスオーブンの排気を排出するようにしてもよい。排気口７には格子状の排気カバー３２を着脱自在に載設してある。
【００１３】
水切り部材４は横片４ａと縦片４ｂとで断面略逆Ｌ字状になるように形成されており、バックガード２の上部を覆うように水切り部材４を装着してある。水切り部材４を装着した状態で水切り部材４の横片４ａの端部が壁面３に当接され、横片４ａがバックガード２の上面に沿わせられ、縦片４ｂがバックガード２の前面の上部に沿わせられる。このとき、水切り部材４の内面とバックガード２の外面との間に隙間Ｃができるおそれがあるが、パッキン等の弾性のある隙間防止材１５が水切り部材４の内面とバックガード２の外面との間にバックガード２の全長に亙って介装され、隙間防止材１５が水切り部材４の内面とバックガード２の外面に密着されている。本例の場合、水切り部材４の横片４ａとバックガード２の上面との間及び水切り部材４の縦片４ｂとバックガード２の前面との間に夫々隙間防止材１５を介装してある。かかる隙間防止材１５はバックガード２の方に一体に装着してあっても水切り部材４の方に一体に装着してあってもよい。
【００１４】
このようにバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃにパッキン等の弾性のある隙間防止材１５をバックガード２の全長に亙って装填して隙間Ｃを密閉したことにより、隙間防止材１５にてバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れるの阻止できて安全性を確保できる。また弾性のある隙間防止材１５を介装することにより、バックガード２と水切り部材４の相対的な位置が変っても隙間Ｃを確実に密閉できる。
【００１５】
また図５は実施の形態の他の例を示す。本例も全体的な構成は上記例と同じであるので異なる点だけを主に述べる。本例の場合、水切り部材４の縦片４ｂとバックガード２の傾斜面３１との間を遮蔽板１６にて覆うようになっている。遮蔽板１６は垂直な縦片１６ａと傾斜片１６ｂとを有しており、断面ヘ字状に形成されている。この遮蔽板１６の縦片１６ａは水切り部材４の縦片４ｂの外面に沿わせて配置され、遮蔽板１６の傾斜片１６ｂはバックガード２の傾斜面３１に沿わせて配置され、遮蔽板１６の傾斜片１６ｂがバックガード２の傾斜面３１に固定ビス３３にて取り付けられている。遮蔽板１６の傾斜片１６ｂには上下方向に長い長孔３４が穿孔されており、この長孔３４を介して固定ビス３３が傾斜面３１に螺合されており、図５の矢印のように遮蔽板１６が移動自在に取り付けられている。
【００１６】
このように水切り部材４の縦片４ｂとバックガード２の傾斜面３１との間を覆う遮蔽板１６をバックガード２に装着したことにより、遮蔽板１６にてバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できる。また遮蔽板１６をバックガード２に前後に移動自在に装着したことにより、バックガード２と水切り部材４の相対的な位置が変っても遮蔽板１６を前後に位置調整することにより隙間Ｃを確実に密閉できる。
【００１７】
また図６は実施の形態の他の例を示す。本例も全体的な構成は上記例と同じであるので異なる点だけを述べる。本例の場合、水切り部材４の縦片４ｂの下端とバックガード２の前面との間を遮蔽部材１７にて覆うようになっている。遮蔽部材１７は弾接片１７ａと垂直な縦片１７ｂとを一体に設けて形成されており、弾接片１７ａは水切り部材４の縦片４ｂの下端に弾接され、縦片１７ｂがバックガード２の前面に沿わせられると共に縦片１７ｂがバックガード２の前面に固定ビス３３にて取り付けられている。遮蔽部材１７の縦片１７ｂには上下方向に長い長孔３４が穿孔されており、この長孔３４を介して固定ビス３３がバックガード２の前面に螺合されており、図６の矢印のように遮蔽部材１７が上下に移動自在に取り付けられている。
【００１８】
このように水切り部材４の縦片４ｂの下端に弾接させて水切り部材４とバックガード２の前面との間を遮蔽する遮蔽部材１７をバックガード２の前面側に装着したことにより、遮蔽部材１７にてバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できる。また遮蔽部材１７をバックガード２の前面側に上下に移動自在に装着したことにより、バックガード２と水切り部材４の相対的な位置が変っても遮蔽部材１７を上下に位置調整することにより弾接片１７ａを縦片４ａの下端に弾接させて隙間Ｃを確実に密閉できる。
【００１９】
また図７は実施の形態の他の例を示す。本例も全体的な構成は上記例と同じであるので異なる点だけを述べる。本例の場合、水切り部材４とバックガード２との間の隙間Ｃを閉塞しないで排気口７の位置を水切り部材４の縦片４ｂの下端より上に位置させている。排気口７を設けるときトッププレート６の上面から上方に突出するように排気ガイド筒１８を上方に導出してあり、排気ガイド筒１８にガスグリル１３を連通させてある。排気ガイド筒１８の上端の開口の排気口７は水切り部材４の縦片４ｂの下端より上方に位置している。格子状の排気カバー３２は排気ガイド筒１８内に内装してある。このように水切り部材４の下端より上に位置する排気口７から排気することでバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れることなく、安全性を確保できる。なお、本例の場合、水切り部材４の縦片４ｂの下端より排気口７を上方に位置させてあるが、水切り部材４の縦片４ｂの下端と略同レベルにしてあっても同様にバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れることなく、安全性を確保できる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明の請求項１の発明は、水切り部材の下部とバックガードの前面の下部との間を覆う遮蔽板をバックガードに前後に移動自在に装着したので、遮蔽板にてバックガードの外面と水切り部材の内面との間の隙間に排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できるものであり、また遮蔽板をバックガードに前後に移動自在に装着したので、バックガードと水切り部材の相対的な位置が変っても遮蔽板を前後に位置調整することにより隙間を確実に密閉できるものである。
【００２２】
また本発明の請求項２の発明は、水切り部材の下端に弾接させて水切り部材とバックガードの前面との間を遮蔽する遮蔽部材をバックガードの前面側に上下に移動自在に装着したので、遮蔽部材にてバックガードの外面と水切り部材の内面との間の隙間に排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できるものであり、また遮蔽部材をバックガードの前面側に上下に移動自在に装着したので、バックガードと水切り部材の相対的な位置が変っても遮蔽部材を上下に位置調整することにより隙間を確実に密閉できるものである。
【００２３】
また本発明の請求項３の発明は、排気口が水切り部材の下端と略同レベルかまたは水切り部材の下端より上方に位置するように排気ガイド筒を上方に導出したので、水切り部材の下端より上に位置する排気口から排気を排出できてバックガードと水切り部材との間の隙間に排気が流れることなく、安全性を確保できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態の一例の断面図である。
【図２】同上の要部を拡大せる断面図である。
【図３】同上の調理キャビネットを示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は側面図である。
【図４】同上の調理キャビネットの分解斜視図である。
【図５】同上の他の例の要部を拡大せる断面図である。
【図６】同上の他の例の要部を拡大せる断面図である。
【図７】同上の他の例の要部を拡大せる断面図である。
【図８】従来例の断面図である。
【符号の説明】
Ａ ガス器具
１ 調理キャビネット
２ バックガード
３ 壁面
４ 水切り部材
７ 排気口
１３ ガスグリル
１５ 隙間防止材
１６ 遮蔽板
１７ 遮蔽部材
１８ 排気ガイド筒
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス器具を組み込んだ調理キャビネットのバックガード部の水切り構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、加熱調理する調理キャビネットにはガスコンロ、ガスグリル、ガスオーブン等のガス器具がビルトイン等で組み込まれている。この調理キャビネットはシステムキッチンを構成するときには流し台キャビネット等の他のキャビネットと並設して配置されるようになっている。
【０００３】
システムキッチンで並設される複数のキャビネットの上面の背部にはバックガードが立ち上がるように形成されるが、ガス器具を組み込んだ調理キャビネット１でも図８に示すように上面の背部に耐火性のあるバックガード２が立ち上がるように形成される。調理キャビネット１を台所に設置したとき調理キャビネット１の背面やバックガード２の背面が台所の壁面３に沿わせられる。そして壁面３とバックガード２との間に水が入らないように水切りする水切り部材４がバックガード２の上部を覆うように取り付けられる。この水切り部材４は横片４ａと縦片４ｂとで断面略逆Ｌ字状に形成され、横片４ａの端部が壁面３に当接され、横片４ａがバックガード２の上面に沿わせられると共に縦片４ｂがバックガード２の前面に沿わせられる。調理キャビネット１にはガスコンロ５がビルトイン等にて組み込まれるが、このガスコンロ５のトッププレート６の後部の上面には排気口７が設けられ、ガスグリル、ガスオーブン等の排気が排気口７から上方に排気できるようになっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにバックガード２の上に水切り部材４が装着されることにより、バックガード２と壁面３との間に水が入ったりしないように水切りされると共に外観がよくなるように施工されるが、水切り部材４の内面とバックガード２の外面との間に隙間Ｃができる。つまり、水切り部材４はこの調理キャビネット１以外のキャビネットのバックガードにも合せて取り付けなければならなく、また水切り部材４は壁面３の目地等の外観に合せて取り付けられる場合もあり、また水切り部材４を取り付けた後に調理キャビネット１を後付けで取り付ける場合もあり、これらにより、水切り部材４の内面とバックガード２の外面との間にはどうしてもある程度の隙間Ｃができる。このように水切り部材４の内面とバックガード２との間に隙間Ｃができると、上記ガスコンロ５の排気口７から排出された高温の排気がこの隙間Ｃに入り込み、この隙間Ｃに対応する部分で壁面３に目隙Ｄがあると、壁内に排気が流入してしまうおそれがある。つまり、台所の壁面３は建物躯体の壁本体９の外面に棧１０等を介して内装材１１を貼って形成されている場合が多く、内装材１１の継ぎ目に目隙Ｄができることもある。そして、この目隙Ｄが上記水切り部材４に対応する部分にあると、隙間Ｃを通った排気が図８の矢印のように目隙Ｄを通って壁内に流入することがある。このようにして高温の排気が壁内に流入すると壁が加熱されて火災等の危険が発生する。
【０００５】
本発明は叙述の点に鑑みてなされたものであって、ガス器具の排気が水切り部材とバックガードとの間の隙間に流れるのを確実に防止できて安全性を確保できる調理キャビネットのバックガードの水切り構造を提供することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の調理キャビネットのバックガード部の水切り構造は、背面を台所の壁面３に沿わせて配置した調理キャビネット１にガス器具Ａを組み込み、調理キャビネット１の上面の背部に壁面３に沿うバックガード２を立ち上げ、ガスグリル１３、ガスオーブン等の排気を調理キャビネット１の上に排出する排気口７をバックガード２の手前で上方に開口させ、バックガード２の背面側に水が行かないように水切りする水切り部材４を壁面３からバックガード２の前面まで覆うように装着したものにおいて、水切り部材４の下部とバックガード２の前面の下部との間を覆う遮蔽板１６をバックガード２に前後に移動自在に装着したことを特徴とする。これにより、遮蔽板１６にてバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できる。また遮蔽板１６をバックガード２に前後に移動自在に装着したことにより、バックガード２と水切り部材４の相対的な位置が変っても遮蔽板１６を前後に位置調整することにより隙間Ｃを確実に密閉できる。
【０００８】
また水切り部材４の下端に弾接させて水切り部材４とバックガード２の前面との間を遮蔽する遮蔽部材１７をバックガード２の前面側に上下に移動自在に装着したことを特徴とすることも好ましい。この場合も、遮蔽部材１７にてバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できる。また遮蔽部材１７をバックガード２の前面側に上下に移動自在に装着したことにより、バックガード２と水切り部材４の相対的な位置が変っても遮蔽部材１７を上下に位置調整することにより隙間Ｃを確実に密閉できる。
【０００９】
また排気口７が水切り部材４の下端と略同レベルかまたは水切り部材４の下端より上方に位置するように排気ガイド筒１８を上方に導出したことを特徴とすることも好ましい。水切り部材４の下端と同レベルかまたは下端より上に位置する排気口７から排気することでバックガード２と水切り部材４との間の隙間Ｃに排気が流れることなく、安全性を確保できる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
ガス器具Ａを組み込む調理キャビネット１は例えば図３、図４に示すように構成されている。本例はガスグリル１３を一体に有するグリル付きのガスコンロ５をビルトインで組み込む調理キャビネット１を示す。調理キャビネット１はキャビネット本体１ａとキャビネット本体１ａに載設するカウンター部材１ｂとで構成されている。
【００１１】
キャビネット本体１ａは両側の側板２０と背面の背板２１、水平な中仕切り板２２、底面の底面板２３等で角箱状に組み立てられており、前面の下部には開閉自在な一対の扉２４が装着されており、扉２４の下方で左右の側板２０間には蹴込み板２５が装着されており、側板２０の上端で前後に前棧２６や後棧２７が架設されている。カウンター部材１ｂは矩形枠状に形成されており、カウンター部材１ｂの上面の背部からバックガード２を一体に立ち上げてある。このバックガード２は少なくともステンレス鋼のような金属板で形成されており、耐火性を持たせてある。本例のバックガード２の場合、前面の下部に背方に凹没した凹部３０を設けてあり、この凹部３０に下に行くほど背方に行く傾斜面３１を設けてある。
【００１２】
このように構成せる調理キャビネット１は図１に示すように背面を壁面３に沿わせるように台所に設置され、ガス器具Ａとしてのグリル付きのガスコンロ５を調理キャビネット１にビルトインして組み込まれる。ガスコンロ５のトッププレート６はカウンター部材１ｂの上面に載設され、トッププレート６からガスバーナ２８が露出させられると共にトッププレート６の上に五徳２９が載設される。トッププレート６の背部には排気口７が開口されている。ガスコンロ５のガスグリル１３が上記排気口７に連通させられており、ガスグリル１３の排気が排気口７から上方に排出されるようになっている。本例の場合、ガスグリル１３の排気を排気口７から排出するようになっているが、調理キャビネット１にガスオーブンを組み込んだときにガスオーブンの排気を排出するようにしてもよい。排気口７には格子状の排気カバー３２を着脱自在に載設してある。
【００１３】
水切り部材４は横片４ａと縦片４ｂとで断面略逆Ｌ字状になるように形成されており、バックガード２の上部を覆うように水切り部材４を装着してある。水切り部材４を装着した状態で水切り部材４の横片４ａの端部が壁面３に当接され、横片４ａがバックガード２の上面に沿わせられ、縦片４ｂがバックガード２の前面の上部に沿わせられる。このとき、水切り部材４の内面とバックガード２の外面との間に隙間Ｃができるおそれがあるが、パッキン等の弾性のある隙間防止材１５が水切り部材４の内面とバックガード２の外面との間にバックガード２の全長に亙って介装され、隙間防止材１５が水切り部材４の内面とバックガード２の外面に密着されている。本例の場合、水切り部材４の横片４ａとバックガード２の上面との間及び水切り部材４の縦片４ｂとバックガード２の前面との間に夫々隙間防止材１５を介装してある。かかる隙間防止材１５はバックガード２の方に一体に装着してあっても水切り部材４の方に一体に装着してあってもよい。
【００１４】
このようにバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃにパッキン等の弾性のある隙間防止材１５をバックガード２の全長に亙って装填して隙間Ｃを密閉したことにより、隙間防止材１５にてバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れるの阻止できて安全性を確保できる。また弾性のある隙間防止材１５を介装することにより、バックガード２と水切り部材４の相対的な位置が変っても隙間Ｃを確実に密閉できる。
【００１５】
また図５は実施の形態の他の例を示す。本例も全体的な構成は上記例と同じであるので異なる点だけを主に述べる。本例の場合、水切り部材４の縦片４ｂとバックガード２の傾斜面３１との間を遮蔽板１６にて覆うようになっている。遮蔽板１６は垂直な縦片１６ａと傾斜片１６ｂとを有しており、断面ヘ字状に形成されている。この遮蔽板１６の縦片１６ａは水切り部材４の縦片４ｂの外面に沿わせて配置され、遮蔽板１６の傾斜片１６ｂはバックガード２の傾斜面３１に沿わせて配置され、遮蔽板１６の傾斜片１６ｂがバックガード２の傾斜面３１に固定ビス３３にて取り付けられている。遮蔽板１６の傾斜片１６ｂには上下方向に長い長孔３４が穿孔されており、この長孔３４を介して固定ビス３３が傾斜面３１に螺合されており、図５の矢印のように遮蔽板１６が移動自在に取り付けられている。
【００１６】
このように水切り部材４の縦片４ｂとバックガード２の傾斜面３１との間を覆う遮蔽板１６をバックガード２に装着したことにより、遮蔽板１６にてバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できる。また遮蔽板１６をバックガード２に前後に移動自在に装着したことにより、バックガード２と水切り部材４の相対的な位置が変っても遮蔽板１６を前後に位置調整することにより隙間Ｃを確実に密閉できる。
【００１７】
また図６は実施の形態の他の例を示す。本例も全体的な構成は上記例と同じであるので異なる点だけを述べる。本例の場合、水切り部材４の縦片４ｂの下端とバックガード２の前面との間を遮蔽部材１７にて覆うようになっている。遮蔽部材１７は弾接片１７ａと垂直な縦片１７ｂとを一体に設けて形成されており、弾接片１７ａは水切り部材４の縦片４ｂの下端に弾接され、縦片１７ｂがバックガード２の前面に沿わせられると共に縦片１７ｂがバックガード２の前面に固定ビス３３にて取り付けられている。遮蔽部材１７の縦片１７ｂには上下方向に長い長孔３４が穿孔されており、この長孔３４を介して固定ビス３３がバックガード２の前面に螺合されており、図６の矢印のように遮蔽部材１７が上下に移動自在に取り付けられている。
【００１８】
このように水切り部材４の縦片４ｂの下端に弾接させて水切り部材４とバックガード２の前面との間を遮蔽する遮蔽部材１７をバックガード２の前面側に装着したことにより、遮蔽部材１７にてバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できる。また遮蔽部材１７をバックガード２の前面側に上下に移動自在に装着したことにより、バックガード２と水切り部材４の相対的な位置が変っても遮蔽部材１７を上下に位置調整することにより弾接片１７ａを縦片４ａの下端に弾接させて隙間Ｃを確実に密閉できる。
【００１９】
また図７は実施の形態の他の例を示す。本例も全体的な構成は上記例と同じであるので異なる点だけを述べる。本例の場合、水切り部材４とバックガード２との間の隙間Ｃを閉塞しないで排気口７の位置を水切り部材４の縦片４ｂの下端より上に位置させている。排気口７を設けるときトッププレート６の上面から上方に突出するように排気ガイド筒１８を上方に導出してあり、排気ガイド筒１８にガスグリル１３を連通させてある。排気ガイド筒１８の上端の開口の排気口７は水切り部材４の縦片４ｂの下端より上方に位置している。格子状の排気カバー３２は排気ガイド筒１８内に内装してある。このように水切り部材４の下端より上に位置する排気口７から排気することでバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れることなく、安全性を確保できる。なお、本例の場合、水切り部材４の縦片４ｂの下端より排気口７を上方に位置させてあるが、水切り部材４の縦片４ｂの下端と略同レベルにしてあっても同様にバックガード２の外面と水切り部材４の内面との間の隙間Ｃに排気が流れることなく、安全性を確保できる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明の請求項１の発明は、水切り部材の下部とバックガードの前面の下部との間を覆う遮蔽板をバックガードに前後に移動自在に装着したので、遮蔽板にてバックガードの外面と水切り部材の内面との間の隙間に排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できるものであり、また遮蔽板をバックガードに前後に移動自在に装着したので、バックガードと水切り部材の相対的な位置が変っても遮蔽板を前後に位置調整することにより隙間を確実に密閉できるものである。
【００２２】
また本発明の請求項２の発明は、水切り部材の下端に弾接させて水切り部材とバックガードの前面との間を遮蔽する遮蔽部材をバックガードの前面側に上下に移動自在に装着したので、遮蔽部材にてバックガードの外面と水切り部材の内面との間の隙間に排気が流れるのを阻止できて安全性を確保できるものであり、また遮蔽部材をバックガードの前面側に上下に移動自在に装着したので、バックガードと水切り部材の相対的な位置が変っても遮蔽部材を上下に位置調整することにより隙間を確実に密閉できるものである。
【００２３】
また本発明の請求項３の発明は、排気口が水切り部材の下端と略同レベルかまたは水切り部材の下端より上方に位置するように排気ガイド筒を上方に導出したので、水切り部材の下端より上に位置する排気口から排気を排出できてバックガードと水切り部材との間の隙間に排気が流れることなく、安全性を確保できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態の一例の断面図である。
【図２】同上の要部を拡大せる断面図である。
【図３】同上の調理キャビネットを示し、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は側面図である。
【図４】同上の調理キャビネットの分解斜視図である。
【図５】同上の他の例の要部を拡大せる断面図である。
【図６】同上の他の例の要部を拡大せる断面図である。
【図７】同上の他の例の要部を拡大せる断面図である。
【図８】従来例の断面図である。
【符号の説明】
Ａ ガス器具
１ 調理キャビネット
２ バックガード
３ 壁面
４ 水切り部材
７ 排気口
１３ ガスグリル
１５ 隙間防止材
１６ 遮蔽板
１７ 遮蔽部材
１８ 排気ガイド筒
Claims (3)
- 背面を台所の壁面に沿わせて配置した調理キャビネットにガス器具を組み込み、調理キャビネットの上面の背部に壁面に沿うバックガードを立ち上げ、ガスグリル、ガスオーブン等の排気を調理キャビネットの上に排出する排気口をバックガードの手前で上方に開口させ、バックガードの背面側に水が行かないように水切りする水切り部材を壁面からバックガードの前面まで覆うように装着した調理キャビネットのバックガード部の水切り構造において、水切り部材の下部とバックガードの前面の下部との間を覆う遮蔽板をバックガードに前後に移動自在に装着したことを特徴とする調理キャビネットのバックガード部の水切り構造。
- 背面を台所の壁面に沿わせて配置した調理キャビネットにガス器具を組み込み、調理キャビネットの上面の背部に壁面に沿うバックガードを立ち上げ、ガスグリル、ガスオーブン等の排気を調理キャビネットの上に排出する排気口をバックガードの手前で上方に開口させ、バックガードの背面側に水が行かないように水切りする水切り部材を壁面からバックガードの前面まで覆うように装着した調理キャビネットのバックガード部の水切り構造において、水切り部材の下端に弾接させて水切り部材とバックガードの前面との間を遮蔽する遮蔽部材をバックガードの前面側に上下に移動自在に装着したことを特徴とする調理キャビネットのバックガード部の水切り構造。
- 背面を台所の壁面に沿わせて配置した調理キャビネットにガス器具を組み込み、調理キャビネットの上面の背部に壁面に沿うバックガードを立ち上げ、ガスグリル、ガスオーブン等の排気を調理キャビネットの上に排出する排気口をバックガードの手前で上方に開口させ、バックガードの背面側に水が行かないように水切りする水切り部材を壁面からバックガードの前面まで覆うように装着した調理キャビネットのバックガード部の水切り構造において、排気口が水切り部材の下端と略同レベルかまたは水切り部材の下端より上方に位置するように排気ガイド筒を上方に導出したことを特徴とする調理キャビネットのバックガード部の水切り構造。
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