JP4899276B2 - 炊飯器 - Google Patents

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和宏 浮田
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内鍋を誘導加熱する加熱用基板と、加熱用基板を冷却する冷却ファンを配置した炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の炊飯器は図4に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図4に示すように、炊飯器本体1は、板金で形成したボディ2と上枠3と下枠4で構成し、内鍋5を着脱自在に収納している。内鍋5の底部に電磁誘導加熱で内鍋5を発熱させる誘導コイル6を設置しており、誘導コイル6の下側に誘導加熱するための加熱用基板7と、加熱用基板7を冷却する冷却ファン8を配置している。
【0004】
また、この冷却ファン8による冷却のために、下枠4の底部に吸気孔9aと排気孔9bを設けており、冷却性能を確保している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
炊飯器に求められる第1の機能は、基本性能のご飯をおいしく炊き上げることである。
ご飯をおいしく炊き上げるためには、高火力で一気に炊き上げることが必要になってくるが、このために、近年、炊飯器は電磁誘導加熱方式を採用している。
【0006】
ここで、電磁誘導加熱をする際、誘導加熱を行うための加熱用基板7の部品の発熱をどう効率よく冷却するかが問題であり、高火力で炊飯を行うには冷却性能を向上することが重要になってくる。
【0007】
基本的に炊飯器の冷却構成は、加熱用基板7の発熱部品にヒートシンクを取り付け、ヒートシンクにて熱の発散を行うとともに、ヒートシンクに冷却ファン8からの風を当てることで、発熱部品を冷却している。ここで、重要なことは、いかに効率よく冷却ファン8で冷えた空気を吸い込み、ヒートシンクに風を送り出し、冷却後の高温になった空気を炊飯器外部に放出するかである。
【0008】
このためには、吸気孔9aおよび排気孔9bの拡大が必要であるが、炊飯器本体1の外面に穴を設けることは、外部の異物が炊飯器本体1の内部に侵入してくる可能性も拡大することにある。たとえば、業務用の炊飯器等では炊飯器を床面近くに設置することが多く、清掃のために床面にホース等で水を撒くことがあり、床面に当たって飛び散った水が吸気孔9aおよび排気孔9bから炊飯器本体1の内部に侵入して充電部に付着する可能性がある。
【0009】
このために、吸気孔9a、排気孔9bと炊飯器本体1の内部の充電部の距離をある程度離す必要があり、炊飯器本体1のコンパクト化の障害になっていた。
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、加熱用基板の冷却を向上するとともに炊飯器の外部からの異物の侵入を防ぎ、安全性を確保しながら、製品をコンパクト化し、冷却構成を向上することで炊飯性能をも向上することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、内鍋を着脱自在に収納した炊飯器本体の上部を蓋で覆い、炊飯器本体の内底部に内鍋の加熱用基板および冷却ファンを設けるとともに、炊飯器本体の底面部に冷却用の吸気孔と、炊飯器本体の底面外周部および側面下方部に冷却用の排気孔を設け、排気孔の内側で、かつ炊飯器本体の内面側に異物侵入防止壁を配置し、炊飯器本体の底部外面部で、かつ吸気孔の外側に炊飯器本体の載置面に向かって配置された立壁を複数備え、立壁は複数列かつ複数個設置し、同列の立壁と立壁の隙間は、別列の立壁により覆われているものである。
【0012】
これにより、加熱用基板の冷却を向上できるとともに炊飯器の外部からの異物の侵入を防止することができ、安全性を確保しながら、製品をコンパクト化でき、冷却構成を向上することで炊飯性能をも向上することができる。さらに、吸気性能を低下させることなく立壁を配置することができ、冷却性能を低下することなく、異物の侵入を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、内鍋を着脱自在に収納した炊飯器本体と、前記炊飯器本体の上部を覆う蓋と、前記炊飯器本体の内底部に設けた前記内鍋の加熱用基板および冷却ファンと、前記炊飯器本体の底面部に設けた冷却用の吸気孔と、前記炊飯器本体の底面外周部および側面下方部に冷却用の排気孔とを備え、前記排気孔の内側で、かつ前記炊飯器本体の内面側に異物侵入防止壁を配置したものであり、加熱用基板の冷却を向上できるとともに炊飯器の外部からの異物の侵入を防止することができ、安全性を確保しながら、製品をコンパクト化でき、冷却構成を向上することで炊飯性能をも向上することができ
る。
【0014】
さらに、炊飯器本体の底部外面部で、かつ吸気孔の外側に前記炊飯器本体の載置面に向かって配置した立壁は複数備え、前記立壁は複数列かつ複数個設置し、同列の前記立壁と前記立壁の隙間は、別列の前記立壁により覆われているものであり、吸気性能を低下させることなく立壁を配置することができ、冷却性能を低下することなく、異物の侵入を防止することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1に示すように、炊飯器本体10は、内鍋11を着脱自在に収納し、この炊飯器本体10は上枠12、ボディ13、下枠14で構成している。炊飯器本体10の上面に、後方部のヒンジ部15に軸支している蓋16を設置している。内鍋11の下方に内鍋収納部である保護枠下17を設置しており、この保護枠下17に誘導加熱用の誘導コイル18を取り付けている。
【0017】
また、誘導コイル18のさらに下方にフェライト19を接着した保護枠カバー20を設置しており、保護枠下17と保護枠カバー20で誘導コイル18を挟み込む構成としている。また、保護枠カバー20に誘導加熱をするための加熱用基板21とこの加熱用基板21を冷却する冷却ファン22を設置している。
【0018】
炊飯器本体10を構成している下枠14の冷却ファン22の下方に吸気孔14aを設けており、この吸気孔14aを覆うようにフィルター作用のある吸気カバー23を設置している。この吸気カバー23に開けている孔は吸気孔14aと互いに重なり合うことなく配置している。また、下枠14の底面および下方側面部に排気孔14bを設けている。
【0019】
また、図2および図3に示すように、下枠14の底面外周部および側面下方部に排気孔14bを設けており、この排気孔14bの内側(内鍋12の中心側)で、下枠14の外面側にリブ(立壁)14cを設け、吸気孔14aの外側にリブ(立壁)14dを設けており、かつ下枠14の内面側にリブ(異物侵入防止壁)14eを設けている。このリブ14cおよび14dの高さは炊飯器本体11の載置面から約3mmの高さにしている。また、下枠14の側面側の排気孔14bの配置位置はリブ14eの高さ以下になるように配置している。
【0020】
リブ14cの底面から見た配置は、図3に示すように、吸気孔14aと排気孔14bを完全に区分するように配置しており、また、吸気孔14aの外側のリブ14dは互いにオーバーラップするように配置している。
【0021】
上記構成において作用を説明する。炊飯器の設置場所は水などが良く飛び散る流し台等が多く、また、業務用炊飯器においては、床面近くに炊飯器を設置し床面をホース等で水を撒き、清掃することも日常茶飯事であり、炊飯器に水が飛び散る機会は多い。
【0022】
ここで、まず、吸気カバー23の孔と吸気孔14aが互いに重ならないように配置しているのて、冷却ファン22が冷却のために空気を吸い込む際、床面に最初から溜まっていた水を空気と同時に炊飯器本体11の内部に吸い込み、侵入しないようにできる。
【0023】
つぎに、清掃時に水を床面に散水し、床面に衝突した水が下枠14の底面に設けた排気孔14bから炊飯器本体11内部に侵入してきた場合、リブ14eにより水は遮断され、内部には侵入しない。
【0024】
また、リブ14eを設置しているので、下枠14の側面に排気孔14bを配置しても、図3の矢印で示すように、下枠14の側面の排気孔14bから直接炊飯器本体11に侵入してくる水をリブ14eにより遮ることができる。加えて、側面に排気孔14bを配置することは、冷却性能から見ると重要な役割を果たしている。
【0025】
排気孔14bが底面のみにしかない場合、排気された空気は床面に衝突してしまうしかなく、排気構造として見ると、床面が排気の障害物となっており、効率的な排気構造をとることができない。しかし、下枠14の側面に排気孔14bを配置することで、排気された空気は障害物に邪魔されることなく、排気されるのである。
【0026】
また、底面にリブ14cを、図3に示すように配置することで、吸気と排気を完全に区別することができる。この吸気と排気を区別することは、冷却に使われ、排気された空気を再び吸気しないようにできる。一度、冷却に使われた空気は高温になっており、この高温になった空気を再度吸気していたのでは、冷却効率は低下してしまい、炊飯が進行していくにつれて冷却能力が下がってしまうのである。
【0027】
また、炊飯器の底面には吸気孔14aおよび排気孔14bだけではなく、その他にも数点穴が設けているため、それらの穴からの水等の異物に侵入をも防いでいる。
【0028】
また、吸気孔14aの外側のリブ14dを互いにオーバーラップして配置することで、吸気孔14a側からも異物侵入を防ぐことができるとともに、冷却のための空気も効率低下をすることなく吸気することができる。
【0029】
このように、下枠14に排気孔14b、吸気孔14a、リブ14c、14d、14eを配置することで、吸気孔14a、排気孔14b近くに水分が接触してはいけない、基板部品等の充電部を設置することができ、従来確保していた空間を縮小することができ、製品をコンパクト化することができる。
【0030】
また、炊飯器を後方および側面側に壁があるような場所に設置した場合においても、炊飯器全周に吸気孔14a、排気孔14bを設けることができるために、冷却性能の低下を最小限にとどめることができるようになり、従来、設置場所による冷却性能の低下分の余裕をとる必要があったが、本実施例においては、今までの余裕分を炊飯パワーに上乗せすることができるようになる。
【0031】
このような構成により、冷却効率を最大限に向上し、さらに外部からの異物侵入にも対応することができるために、安全であり、かつ炊飯性能を向上することができるとともに、製品のコンパクト化をも実現した炊飯器を提供することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、内鍋を着脱自在に収納した炊飯器本体と、前記炊飯器本体の上部を覆う蓋と、前記炊飯器本体の内底部に設けた前記内鍋の加熱用基板および冷却ファンと、前記炊飯器本体の底面部に設けた冷却用の吸気孔と、前記炊飯器本体の底面外周部および側面下方部に冷却用の排気孔とを備え、前記排気孔の内側で、かつ前記炊飯器本体の内面側に異物侵入防止壁を配置したから、加熱用基板の冷却を向上できるとともに炊飯器の外部からの異物の侵入を防止することができ、安全性を確保しながら、製品をコンパクト化でき、冷却構成を向上することで炊飯性能をも向上することができる。
【0033】
また、炊飯器本体の底部外面部で、かつ吸気孔の外側に前記炊飯器本体の載置面に向か
って配置した立壁は互いに水平方向にオーバーラップしたから、吸気性能を低下させることなく立壁を配置することができ、冷却性能を低下することなく、異物の侵入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の炊飯器の断面図
【図2】 同炊飯器の裏面図
【図3】 同炊飯器の要部拡大断面図
【図4】 従来の炊飯器の断面図
【符号の説明】
10 炊飯器本体
11 内鍋
16 蓋
21 加熱用基板
22 冷却ファン
14a 吸気孔
14b 排気孔
14e リブ(異物侵入防止壁)

Claims (1)

  1. 内鍋を着脱自在に収納した炊飯器本体と、前記炊飯器本体の上部を覆う蓋と、前記炊飯器本体の内底部に設けた前記内鍋の加熱用基板および冷却ファンと、前記炊飯器本体の底面部に設けた冷却用の吸気孔と、前記炊飯器本体の底面外周部および側面下方部に設けた冷却用の排気孔と、前記排気孔の内側で、かつ前記炊飯器本体の内面側に配置された異物侵入防止壁と、前記炊飯器本体の底部外面部で、かつ吸気孔の外側に前記炊飯器本体の載置面に向かって配置された立壁を複数備え、前記立壁は複数列かつ複数個設置し、同列の前記立壁と前記立壁の隙間は、別列の前記立壁により覆われている炊飯器。
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