JP4001524B2 - 気密構造及び気密構造形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅の躯体を構成する構造部材と、この構造部材に対峙して配置された気密性を持った断熱材を気密性を保持して接続する際に有利な気密構造とこの気密構造を形成する方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅では、建物の外壁に沿って屋内側に気密層を形成するのが一般的である。特に、鉄骨躯体を有する住宅では、躯体を構成する柱及び梁の間に形成された空間であって、これらの柱,梁を含む屋内側の面に断熱材を充填した後、ポリエチレンシート等の気密シートで覆うことで、断熱層と気密層を形成している。この気密構造では、柱と梁の間に形成された空間に所定の間隔を持って複数の木製の下地を設けると共に、この下地に釘やステープル等を利用して気密シートを取り付けることで構成されているため、工期が掛かる等幾つかの問題点を有している。
【0003】
住宅の断熱性能,気密性能を確保するために、気密性を持った断熱材を外壁に沿って屋内側に配置して気密層を形成すると共に、該断熱材の更に屋内側の面に沿って内壁を施工することがある。このような住宅では、居住性を向上させると共に省エネルギー化を実現することが出来る。このような気密性を持った断熱材を利用して外壁に沿って気密層を形成する場合、躯体を構成する柱や梁等の構造部材を構成要素として利用すると有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、構造部材としての柱を利用して気密層を構成する場合、この柱の側面に断熱材の端面(小口面)を近接或いは当接させ、この状態で柱の側面と断熱材の表面を気密性を保持して接続することで、気密性を持った柱と断熱材を連続させることが出来る。
【0005】
本件発明者は、気密性を保持して構造部材と断熱材を接続する際の手段として幾つかの方法を開発した。その一つに、気密性を持った金属フィルム或いは合成樹脂フィルムの一方の面に接着剤或いは粘着剤を塗布した気密テープを用いる方法がある。
【0006】
しかし、躯体を構成する構造部材、例えば柱に他の機能部材、例えばブレースや筋交等からなる耐震要素等が取り付けられている場合、柱の側面の有効面積が小さくなり、作業員が手を入れることが出来ず、且つ断熱材を近接或いは当接させたとき両者の接続部位に気密テープを施工することが出来ないという問題が生じる。このため、断熱材を耐震要素よりも屋内側に配置して気密テープを施工することになるが、内壁の下地(例えば木下地パネル)を断熱材の厚さ分だけ更に室内側にずらして設置することが必要となり、該下地の施工がし難くなるという問題が派生する。
【0007】
また構造部材の断面形状(例えば凹溝状の断面)によっては、構造部材と断熱材の当接部位に気密テープを施工できないことがある。この場合、構造部材と断熱材の当接部位に現場発泡のウレタン系断熱材を吹き込んで両者を接続するが、施工時にガスが発生したり、施工が難しく且つ解体も困難であるという問題がある。
【0008】
また予め断熱材の小口面にパッキン材を取り付けておく場合、該断熱材に対し工場段階でパッキン材を取り付ける加工が必要となるという問題や、小口面にパッキン材を接着するために断熱材の接着特性を考慮することが必要となり機種が限定されるという問題、更に、現場で躯体に取り付ける際にパッキン材を取り付けた断熱材には該パッキン材を切断するような加工を施すことが出来ず、断熱材の加工精度を極めて向上させる必要があるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、狭い場所や施工の難しい場所であっても気密テープや現場発泡の断熱材を必要とせずに構造部材と断熱材とを接続して気密性を保持し得る気密構造を提供すると共にこの気密構造を形成する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る代表的な気密構造は、住宅の躯体を構成する柱の屋外側に外壁を構成する該外壁材が配置され該外壁材の屋内側に当該外壁材に沿って複数の気密性を有する断熱材が配置され、前記柱と外壁材との間隙に当該柱の幅よりも充分に幅の広い薄板状の断熱材が配置されると共に前記柱は、前記断熱材と対峙する一対の側面を備え、該一対の側面のいずれか一方若しくは両方にパッキン材が配置され前記外壁材に沿って配置される断熱材は、前記薄板状の断熱材に接続されると共に小口面をパッキン材に圧接させた状態で前記柱の側面に接続されていることを特徴とするものである。
【0011】
上記気密構造では、予め住宅の躯体を構成する構造部材の断熱材と対峙する位置、即ち、断熱材を取り付けるべき位置に、弾性を持ち且つ気密性を有するパッキン材を固着したので、このパッキン材に断熱材の端面(小口面)を圧接させることで気密性を保持することが出来る。
【0012】
特に、パッキン材が弾性を有するため、断熱材をパッキン材に圧接させることによって、該パッキン材が変形して断熱材の端面との間に隙間が形成されることがなく、且つ圧接力に応じた力が断熱材に作用することから、この力によって断熱材を保持することが出来る。
【0013】
更に、パッキン材が気密性を有するため、該パッキン材を介して断熱材と躯体の構造部材とを連続させることによって、気密性を有する気密層を形成することが出来る。
【0014】
また、隣接する一対の柱の側面間に耐震要素が取付けられ、該耐震要素と外壁材の間に前記断熱材が配置され、該断熱材の小口面が前記パッキン材に圧接していることが好ましい。
【0015】
また、前記薄板状の断熱材と柱との間には、前記当該柱、薄板状の断熱材、パッキン材及び該パッキン材に圧接する断熱材に包囲される空気層が形成されていることが好ましい。
【0016】
また、上記課題を解決するために本発明に掛かる代表的な気密構造形成方法は、鋼材からなる複数の柱を隣接して配置し、該複数の柱の屋外側に外壁材を配置し、該外壁材に於ける各柱と対向する位置に当該柱の幅よりも充分に幅の広い薄板状の断熱材を配置し、前記柱の側面にパッキン材を固着し、前記柱と柱の間に、小口面をパッキン材に圧接させると共に端部を前記薄板状の断熱材に接触させる状態で気密性を有する断熱材を配置することを特徴としている。
【0017】
また、前記鋼材からなる複数の柱を列べて配置した後に、隣り合う一対の柱に亘って耐震要素を架設し、その後、該複数の柱の屋外側に外壁材を配置することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る気密構造の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る気密構造は、気密シートや現場発泡による断熱材を用いることなく、住宅の躯体を構成する柱や梁からなる構造部材と、気密性を有する断熱材(以下単に、断熱材という)を気密性を保持して接続したものである。
【0019】
即ち、外壁に沿って配置された柱や梁を含む構造部材を、外壁に沿って形成される気密層の一部に利用する際に、構造部材と断熱材とを弾性を持ったパッキン材を介して接続することで、柱や梁の断熱材を取り付けるための面積が減少したり、断面形状の如何に関わらず、気密シートや現場発泡の断熱材等を用いることなく気密性を保持し得るようにしたものである。
【0020】
本発明に係る住宅では、外壁の屋内側の面には該外壁に沿って断熱材と躯体を構成する柱や梁を含む構造部材とを連続させて形成した気密層、屋根の裏面側には該屋根面に沿って断熱材と躯体を構成する梁を含む構造部材とを連続させて形成した気密層が構成されている。
【0021】
このように、躯体を構成する構造部材を気密層を構成するための構成部材として利用することによって、該構造部材が熱橋となって断熱性を阻害する虞があるため、住宅の断熱性を確保することが必要となる。
【0022】
例えば、構造部材が柱であるような場合、柱と外壁との間に該柱の幅よりも充分に幅の広い断熱材を配置し、この断熱材と柱間に配置された断熱材とを接続することで、連続した断熱ラインを形成することが好ましい。また構造部材が梁である場合、梁の屋内側の面に添わせて断熱材を配置し、この断熱材と柱間に配置された断熱材を接続することで、連続した断熱ラインを形成することが好ましい。
【0023】
上記の如くして躯体を構成する構造部材と断熱材を連続させることで、高い気密性と断熱性を持った住宅を実現することが可能である。
【0024】
本発明に於いて、住宅の躯体を構成する構造部材としては、角パイプからなる角柱やH形鋼からなる梁等の鋼材によって構成された部材を利用している。このような構造部材は、構造部材自体が充分に高い気密性を保持しており、この構造部材を介して気密性を有する断熱材を接続することで、高い信頼性を持った気密層を形成することが可能となる。
【0025】
気密性を有する断熱材としては、材料を特に限定するものではなく、弾性を有するパッキン材に対して長期間圧接状態を保持し得る程度に適度な硬度と充分に高い気密性と断熱性を有するものであれば利用することが可能である。このような断熱材としては、硬質ウレタンフォームや押出発泡ポリスチレン或いはフェノール樹脂発泡体等の成形体や発泡体を含む硬質プラスチック系断熱材があり、何れも利用することが可能である。
【0026】
例えば、硬質ウレタンフォームや押出発泡ポリスチレンでは、厚さを選択することによって、住宅として充分な断熱性能と気密性能を発揮させることが可能であり、且つ弾性を有するパッキン材に圧接させて気密性を発揮するに耐える硬度を有している。
【0027】
しかし、硬質ウレタンフォームでは、経時的な断熱性能の低下や、火災時に爆燃性を有することや有毒ガスを発生するという課題を有し、発泡ポリスチレンでは、耐薬品性に劣るため、気密処理材が限定されることや燃え易いという課題も有する。
【0028】
またフェノール樹脂発泡体からなる断熱材としては、本件出願人が開発して既に国際出願(特願2000−558158)した技術(ネオマフォーム(登録商標))があり、断熱材として好ましく使用することが可能で、且つ気密材としても好ましく使用することが可能である。
【0029】
上記技術に係るフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂基体部と、多数の微細気泡から形成される気泡部とを有する密度が10kg/m3〜100kg/m3のフェノールフォームであり、前記微細気泡が炭化水素を含有し且つ平均気泡径が5μm〜200μmの範囲にあり、大部分の微細気泡の気泡壁が滑らかなフェノール樹脂基体面で構成されている。そして、発泡剤が炭化水素であるにも関わらず、従来のフロン系発泡剤と遜色のない熱伝導率を持ち、且つ熱伝動率の経時的な変化もなく、圧縮強度等の機械的強度に優れ、脆性が改善される。
【0030】
上記フェノール樹脂発泡体では、高い断熱性と気密性を有し、且つこれらの性能を長期間維持し得る性質を有している。フェノール樹脂発泡体に於ける断熱性は、気泡径が5μm〜200μmの範囲、好ましくは10μm〜150μmと小さく、且つ独立気泡率を80%以上と高く保持することによって確保することが可能である。またフェノール樹脂発泡体は高い耐燃焼性を有しており、火炎が作用したとき、表面が炭化することで、着火することがなく、且つガスが発生することがない。
【0031】
例えば、フェノール樹脂発泡体の密度を27kg/m3に設定した場合、20℃に於ける熱伝動率は0.02W/m・Kであり、圧縮強さは15N/cm2、熱変形温度は200℃である。前記フェノール樹脂発泡体の性能は、押出発泡ポリスチレン3種が熱伝動率;0.028W/m・K、圧縮強さ;20N/cm2、熱変形温度;80℃であることや、硬質ウレタンフォーム2種が熱伝動率;0.024W/m・K、圧縮強さ;8N/cm2、熱変形温度;100℃であることと比較して充分に高い性能を有する。
【0032】
このため、フェノール樹脂発泡体からなる断熱材では、従来の押出発泡ポリスチレンや硬質ウレタンフォームの約2/3程度の厚さで略同等の断熱性能を発揮することが可能である。
【0033】
またフェノール樹脂発泡体は、比較的脆い材料であるため、少なくとも片面にクラフト紙や不織布からなる保護層を設けるのが一般的である。特に、本件出願人が開発して特許出願している特開平11−198332号公報に開示されたフェノール樹脂発泡体積層板は、保護層を形成する不織布を改良することによって接着性能を向上させたものであり、この不織布によってフェノール樹脂発泡体の強度を改善して、強度、断熱性共に優れた建築用断熱材料として提供されるものである。
【0034】
上記の如くフェノール樹脂発泡体の表裏面に保護層を設けた積層板からなる断熱材は、端面(小口面)はフェノール樹脂基体面が露出した状態となっている。このため、表裏面は保護層を構成する不織布を利用して貼着テープや貼着シートを貼り付けることが可能であるが、小口面は表裏面に比較して他の部材を貼着することが困難である。
【0035】
またフェノール樹脂発泡体の表裏面に不織布による保護層を設けた断熱材では、脆さが改善されて曲げ強度や引っ張り強度が向上する。このため、幅の狭い場所に配置されたとき、自立して、断熱材及び気密材としての機能を充分に発揮することが可能である。特に、幅が1m程度の狭い場所に配置されたとき、端面がパッキン材に圧接して自立することが可能であり有効である。
【0036】
パッキン材は、弾性と気密性を有している、特に、パッキン材は構造部材に対し充分な強度を持って固着し得ることが必要である。パッキンとしては、前記条件を満たすものであれば用いることが可能であり、特に、材質や形状を限定するものではない。このようなパッキン材としては、EPDMゴムからなる中空状に成形されたものをが提供されており、このパッキン材を好ましく使用することが可能である。
【0037】
パッキン材は、予め構造部材の断熱材と対峙する位置に固着されている。即ち、構造部材が柱である場合、パッキン材は、梁の間に起立して取り付けられた柱の側面であって、該柱に相対して起立する断熱材の位置に対応して固着されている。
【0038】
パッキン材を構造部材に固着するに際し、パッキン材を如何なる方法で固着するかは限定するものではなく、ビス等による機械的な方法や接着による方法等のなかから、構造部材の材質や形状、パッキン材の材質や形状等の条件を考慮して適宜選択して施工することが好ましい。
【0039】
例えば、構造部材が鋼材であり、パッキン材がEPDMゴムからなる中空状の部材であるような場合、両者を接着剤によって接着することで固着することが可能である。この場合、接着剤としては、ブチルゴム接着剤を利用することが好ましい。
【0040】
上記の如く、パッキン材を介して断熱材と構造部材とを連続させたとき、断熱材の面内方向に作用する力は、該断熱材をパッキン材に圧接させたときに発生するパッキン材の反発力となる。このため、断熱材と構造部材とを連続させることが可能な立面の面積はあまり大きなものではないことが好ましい。
【0041】
次に、上記気密構造の好ましい実施例について図を用いて説明する。図1は本実施例に係る気密構造の構成を説明する模式平断面図である。図2は本実施例に係る気密構造を実現する際の手順を説明する図である。
【0042】
図1に於いて、躯体を構成する柱1の屋外側には外壁を構成する外壁材が配置され、外壁材に適した所定の手段で躯体に取り付けられている。外壁材として材料を特に限定するものではないが、例えば、軽量気泡コンクリート(ALC)パネルや、コンクリートパネル等を用いることが可能である。
【0043】
本実施例では、外壁材としてALCパネル2を用いており、複数のALCパネル2を躯体を構成する図示しない梁に取り付けた自重受け金具やイナズマプレート等の金物を利用して連続して取り付けることで外壁を構成している。
【0044】
ALCパネル2を躯体に取り付けたとき、該ALCパネル2と柱1との間には間隙3が形成され、該間隙3が床下から屋根裏空間に至る通気層としての機能を発揮し得るように構成されている。
【0045】
ALCパネル2の屋内側に該ALCパネル2に沿って複数の断熱材4が配置されると共に、柱1の側面1a,1bに接続されている。即ち、柱1の側面1a,1bに於ける断熱材4と対峙する位置には、予めパッキン材5が固着されており、このパッキン材5に断熱材4の小口面4aを圧接させ、このとき発生する力によって断熱材4が保持されている。
【0046】
本発明に於いて、断熱材4の材質及び厚さは特に限定するものではないが、本実施例では、硬質プラスチック系断熱材、特に、厚さ25mmのフェノール樹脂発泡体からなる断熱材を用いている。
【0047】
パッキン材5はEPDMゴムからなる弾性と高い気密性を持った中空状の部材として形成されており、断熱材4が圧接したとき、中空部5aが変形し、このときの力を断熱材4に対する保持力として作用させることとが可能である。従って、隣接する一対の柱1の側面1a,1bに夫々パッキン材5を固着しておき、断熱材4の小口面4aを夫々対峙するパッキン材5に圧接させることで、該断熱材4を自立させて保持することが可能である。
【0048】
上記の如き断熱材4,パッキン材5,柱1の接続部位では、パッキン材5が充分な気密性を有し、且つ断熱材4がパッキン材5に圧接することから、高い気密性を発揮することが可能である。即ち、躯体を構成する構造部材を利用して気密層を形成することが可能となる。
【0049】
上記の如く、柱1の側面1a,1bに予め固着したパッキン材5を介して断熱材4と柱1を接続する場合、特に、柱1に躯体を構成する他の部材が取り付けられて該柱1の側面1a,1bの露出面積が小さくなるときに有効である。
【0050】
例えば、隣接する一対の柱1の間に、ブレースや筋交い等を含む耐震要素6が配置される場合、この耐震要素6のベース部材6aが図示しないボルト等を利用して側面1aに取り付けられ、これにより、柱1の側面1aの露出面積が耐震要素6を構成するベース部材6aの厚さによって大幅に減少する。
【0051】
しかし、柱1の側面1aであって、ベース部材6aを避けた位置に、予めパッキン材5を固着しておくことで、断熱材4の取り付けに際しては、耐震要素6とALCパネル2の間の空間で、且つ一対の柱1に規定された空間に断熱材4を挿入すると共に、該断熱材4の小口面4aをパッキン材5に圧接することで、断熱材4の保持と同時に気密層を形成することが可能となる。
【0052】
上記の如くして、断熱材4,パッキン材5,柱1が連続した気密層を形成することが可能である。しかし、この場合、柱1が熱橋となって断熱性を損なう虞が生じる。
【0053】
このため、本実施例では、柱1とALCパネル2との間に、柱1の幅寸法よりも充分に大きい幅を持った断熱材7を配置し、この断熱材7と、柱1の両側に接続された断熱材4とを接続することで、連続した断熱ラインを形成している。このように、柱1とALCパネル2の間に断熱材7を配置すると共に該断熱材7と断熱材4を接続することで、柱1は断熱材4,7の屋内側に位置することとなり、該柱1が熱橋となって断熱性を損なうことがない。
【0054】
次に、図2により、上記気密構造を実現する際の手順、即ち、気密構造形成方法の例について説明する。先ず、同図(a)に示すように、建物の躯体を構成する複数の柱1及び図示しない梁を所定の位置に配置し、夫々組み立てる。特に、耐震要素6を配置する場合、この耐震要素6は予め一対の柱1に取り付けられている。
【0055】
次いで、同図(b)に示すように、柱1の上下に水平方向に設置された梁に複数のALCパネル2が取り付けられて外壁が構成される。このとき、ALCパネル2は、図示しない自重受け金物やイナズマプレートを利用して梁にロッキング可能に取り付けられることが好ましい。
【0056】
次に、同図(c)に示すように、ALCパネル2に於ける柱1と対向する位置に断熱材7が配置され、仮固定される。また柱1の側面1a,1bであって断熱材4と対峙する位置にパッキン材5が接着を含む所定の手段で固着される。
【0057】
その後、同図(d)に示すように、柱1の側面1a,1bに固着したパッキン材5に断熱材4の小口面4aを圧接させることで取り付けられる。
【0058】
このとき、柱1の間隔が1m程度である場合、断熱材4をパッキン材5に圧接させることで自己の位置を確保することが可能であり、両者が圧接することで気密性を保持することが可能である。
【0059】
また断熱材4の端部がALCパネル2の内面に配置した断熱材7と接触することで断熱機能を連続させることが可能である。特に、断熱材4の小口面4aをパッキン材5に圧接させた状態で、端部を断熱材7に当接させて図示しないビス等を打ち込むことで、断熱材7を介してALCパネル2に固定することが好ましい。このようにビスを利用して断熱材4を断熱材7を介してALCパネル2に固定することで、躯体を構成する構造部材となる柱1が存在するような場合であっても、この柱1を迂回して断熱材4,7を連続させることが可能となり、高い断熱性と気密性を保持することが可能となる。
【0060】
尚、上記実施例では、躯体を構成する構造部材として柱1を利用する場合について説明したが、構造部材として梁を用いる場合、該梁に於ける断熱材4の配置位置と対応する位置に予めパッキン材5を固着しておき、このパッキン材5に断熱材4の小口面を圧接させることで、建物の上下方向に連続した気密層を形成することが可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る気密構造及び気密構造形成方法では、住宅の躯体を構成する構造部材の断熱材と対峙する位置に固着したパッキン材に断熱材の端面を圧接させることで、外壁に沿った屋内側の面に於ける気密性を保持することが出来る。
【0062】
パッキン材が弾性を有するため、断熱材をパッキン材に圧接させることによって、該断熱材を保持することが出来る。このため、狭い場所で人手が入り難いような部位でも、容易に断熱材と構造部材とを気密性を保持して接続することが出来る。このため、気密施工を省力化することが出来る。
【0063】
上記の如く、現場発泡の断熱材による施工を必要としないため、発泡剤の飛散に伴う現場の汚れが生じることがなく次工程を円滑に進行させることが出来、且つ乾式工法であるため、解体時の分別が容易となる。
【0064】
パッキン材を構造部材側に取り付けておくことによって、現場で断熱材の加工を行っても、パッキン材に損傷を与えることがなく、作業が容易で確実でな気密を確保することが出来る。
【0065】
断熱材としてフェノール樹脂発泡体積層板を含む硬質プラスチック系断熱材を用いることによって、気密性能に合わせて断熱性能を発揮することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る気密構造の構成を説明する模式平断面図である。
【図2】本実施例に係る気密構造を実現する際の手順を説明する図である。
【符号の説明】
1 柱
1a,1b 側面
2 ALCパネル
3 間隙
4 断熱材
4a 小口面
5 パッキン材
5a 中空部
6 耐震要素
6a ベース部材
7 断熱材

Claims (5)

  1. 住宅の躯体を構成する鋼材からなる柱の屋外側に外壁を構成する外壁材が配置され該外壁材の屋内側に当該外壁材に沿って複数の気密性を有する断熱材が配置され、前記柱と外壁材との間隙に当該柱の幅よりも充分に幅の広い薄板状の断熱材が配置されると共に前記柱は、前記断熱材と対峙する一対の側面を備え、該一対の側面のいずれか一方若しくは両方にパッキン材が配置され前記外壁材に沿って配置される断熱材は、前記薄板状の断熱材に接続されると共に小口面をパッキン材に圧接させた状態で前記柱の側面に接続されていることを特徴とする気密構造。
  2. 隣接する一対の柱の側面間に耐震要素が取付けられ、該耐震要素と外壁材の間に前記断熱材が配置され、該断熱材の小口面が前記パッキン材に圧接していることを特徴とする請求項1に記載の気密構造
  3. 前記薄板状の断熱材と柱との間には、前記当該柱、薄板状の断熱材、パッキン材及び該パッキン材に圧接する断熱材に包囲される空気層が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気密構造。
  4. 鋼材からなる複数の柱を隣接して配置し、該複数の柱の屋外側に外壁材を配置し、該外壁材に於ける各柱と対向する位置に当該柱の幅よりも充分に幅の広い薄板状の断熱材を配置し、前記柱の側面にパッキン材を固着し、前記柱と柱の間に、小口面をパッキン材に圧接させると共に端部を前記薄板状の断熱材に接触させる状態で気密性を有する断熱材を配置することを特徴とする気密構造形成方法。
  5. 前記鋼材からなる複数の柱を列べて配置した後に、隣り合う一対の柱に亘って耐震要素を架設し、その後、該複数の柱の屋外側に外壁材を配置することを特徴とする請求項4に記載の気密構造形成方法。
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