JPH11117411A - 断熱・気密構造および断熱材 - Google Patents

断熱・気密構造および断熱材

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JPH11117411A
JPH11117411A JP28202497A JP28202497A JPH11117411A JP H11117411 A JPH11117411 A JP H11117411A JP 28202497 A JP28202497 A JP 28202497A JP 28202497 A JP28202497 A JP 28202497A JP H11117411 A JPH11117411 A JP H11117411A
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JP
Japan
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heat insulating
heat
airtight
insulating layer
insulating
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JP28202497A
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Shigeyuki Takahashi
重之 高橋
Akihiro Miyata
明宏 宮田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 住宅の柱、垂木などの軸部と断熱層との間の
気密性を改善する。 【解決手段】 柱、垂木などの軸部3a,3bと、硬質
発泡体で構成された断熱層4との間に、軟質発泡体で構
成された気密材5を介在させる構造において、軸部3
a,3bと対向する断熱層4の対向面に凹部6を形成
し、この凹部に、凹部の深さよりも厚みが大きな気密材
5を圧縮状態で配設する。前記軸部の室内側には内装材
2が配設され、屋外側には外装材8が配設されている。
前記凹部は、軸部3a,3bと断熱層4との少なくとも
一方の対向面に形成すればよい。このような構造によ
り、外力や乾燥による木材の収縮力などにより軸部3
a,3bと断熱層4との間に隙間が生じたとしても、気
密材5の復元により隙間を塞ぎ、気密性を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅などの建造物
の断熱に有効な断熱・気密構造および断熱材に関する。
特に、(i)住宅の柱、垂木、根太などの軸部の間、(i
i)軸部の屋外側、又は(iii)軸部の室内側に断熱層と
気密材とを配置した住宅の断熱性および気密性を高める
のに有効な断熱・気密構造および断熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】省エネルギーの必要性とともに、住宅な
どの建造物の高断熱・高気密化が進行している。住宅の
断熱化においては、柱、垂木、根太などの軸部(軸組
部)の間に断熱層を配置する充填工法、軸部の室内側に
断熱層を配置する内張り工法、軸部の屋外側に断熱層を
配置する外張り工法などが知られている。近年、断熱性
を高めるため、前記断熱層の厚みはますます増加する傾
向にある。また、住宅の気密化においては、柱、垂木な
どの軸部の室内側や屋外側に気密シートを張り巡らした
り、前記軸部に取付ける断熱層との間に気密材を介在さ
せる気密方法が知られている。これらの断熱化および気
密化は、適切で計画的な換気や冷暖房と合わせて快適な
住環境を提供している。
【0003】前記柱、垂木などの軸部と断熱層との間に
気密材を介在させる気密方法では、気密材として、通
常、アスファルトを含む軟質ポリウレタンフォーム、ゴ
ムフォーム、ポリエチレンフォームなどが用いられる。
これらの気密材は軸部と断熱層との間で緊密に圧縮され
るが、弾性変形範囲を超えて圧縮変形すると、気密材は
圧縮回復性(復元性)が低下する。一方、強風雨や地震
などの自然界の外力や、軸部を構成する木材の乾燥によ
り生じる収縮力などにより住宅に微妙な変形が生じる
と、前記軸部と断熱層との距離が大きくなる場合があ
る。このため、圧縮変形した気密材では、前記軸部と断
熱層との間に隙間が生じやすくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、断熱性および気密性の高い断熱・気密構造および断
熱材を提供することにある。本発明の他の目的は、軸部
と断熱層との間に気密材が介在する構造において、気密
材の厚み回復性を有効に発現させることができ、高い気
密性および断熱性を長期間に亘り維持できる断熱・気密
構造および断熱材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、柱、垂木などの軸
部と断熱層との間に気密材を介在させた断熱・気密構造
において、軸部と断熱層との対向面のうち少なくとも一
方の面に凹部を形成し、この凹部の深さよりも厚みの大
きな気密材を前記凹部に収容し、弾性復元性を有する状
態で配設すると、気密材の圧縮方向の厚みの回復性を改
善でき、自然の外力や木材の乾燥による収縮力などによ
り軸部と断熱層との間に隙間が生じた場合でも、復元性
を有する気密材により隙間を閉塞又は充填できることを
見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明の建造物の断熱・気密構造は、建造物の軸部に対して
断熱層が気密に配設される断熱構造であって、前記軸部
および断熱層のうち少なくとも一方の対向面に形成され
た凹部と、その凹部に、復元可能に圧縮して配設された
気密材とを備えている。このような構成では、軸部もし
くは断熱層に形成した凹部により気密材の圧縮変形度合
いを緩和し、気密材の圧縮方向の厚み回復性を高めた状
態で断熱・気密構造を形成できる。建造物の断熱構造と
しては、柱、垂木、根太などの軸部の間に断熱層を形成
する充填工法による断熱構造、柱や垂木などの軸部の屋
外側に断熱層を形成する外張り工法による断熱構造、柱
や垂木、根太などの軸部の室内側に断熱層を形成する内
張り工法による断熱構造などが例示できる。本発明の断
熱材は、建造物の軸部間に配設可能な断熱材と、この断
熱材のうち前記軸部に対する対向面に形成された凹部
と、その凹部に配設可能であり、かつ前記凹部の深さよ
りも厚みが大きな気密材とで構成できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に必要に応じて添付図面を参
照しつつ本発明を説明する。図1および図2は、それぞ
れ、住宅の壁部の充填工法による本発明の断熱・気密構
造の一例を示す概略横断面図であり、図3は、充填工法
による断熱・気密構造に用いる住宅用断熱材の一例を示
す概略斜視図、図4は、図3の断熱材の概略断面図であ
り、図5は、充填工法による断熱・気密構造に用いる住
宅用断熱材の他の例を示す概略断面図である。
【0007】図1に示す断熱・気密構造1aは、木材な
どの木質材で形成された柱3aおよび間柱3bの室内側
に配置された内装材2と、柱3aおよび間柱3bの屋外
側に、縦胴縁7を介して配置された外装材8と、前記柱
3aと間柱3bとの間に気密に充填施工され、かつ硬質
発泡体で形成された断熱層4と、この断熱層の幅方向の
両端面(柱3a,間柱3bで構成された軸部又は軸組部
に対する対向面)に形成された凹部6と、これらの凹部
に圧縮して配設され、かつ軟質発泡体で形成された気密
材5とで構成されている。
【0008】図2に示す断熱・気密構造は、断熱層4の
両側部ではなく、柱3aおよび間柱3bなどの軸部(又
は軸組部)のうち断熱層4に対する対向面(接触面)に
凹部6が形成され、この凹部には前記と同様の気密材5
が配設されている点を除き、図1に示す断熱・気密構造
を有している。
【0009】そして、前記気密材5の厚み(断熱層4の
幅方向、すなわち圧縮方向の厚み)は、前記凹部6の深
さよりも大きい。また、気密材5は、圧縮後に厚みが回
復する程度の圧縮状態(復元可能な状態,すなわち弾性
変形範囲での圧縮状態)で、断熱層4に形成された凹部
6に圧縮して配置されている。そのため、柱3a、間柱
3bと断熱層4との間に隙間が生じたとしても、圧縮状
態の気密材5の厚みが回復して、生じた隙間を塞ぐこと
ができる。
【0010】図3および図4に示す住宅用断熱材11a
は、柱,垂木,間柱,根太などの軸部の間への充填に適
合した外形寸法を有する板状の硬質発泡プラスチック系
断熱材14と、この断熱材の側面(軸部に対する対向
面)に全周に亘り形成された凹部6と、この凹部に配設
可能な枠状の気密材とで構成されている。そして、気密
材5の圧縮方向の厚みは、前記凹部6の深さよりも大き
い。そのため、凹部6に配設された気密材5は、硬質発
泡プラスチック系断熱材14の側端面よりも膨出して突
出している。このような住宅用断熱材11aを充填箇所
に気密に断熱施工すると、気密材5は圧縮されて凹部6
内に収まり、図1に示す断熱・気密構造1aの断熱層4
および気密材5を形成する。
【0011】図5に示される住宅用断熱材11bは、充
填箇所の寸法に適合した外形寸法を有する板状の硬質発
泡プラスチック系断熱材14と、この断熱材の側面(軸
部に対する対向面)のコーナー部に形成された凹部6
と、この凹部6に配設可能な気密材5とで構成されてい
る。前記凹部6に配設可能な気密材5の圧縮方向の厚み
は、凹部6の深さよりも大きい。そして、軸部と断熱層
との間に間隙が生じるのを防止するため、前記凹部6に
配設された気密材5は、断熱材14の側面よりも凸にな
るように突出している。
【0012】本発明の断熱構造は、前記のように(i)
建造物の軸部の間に断熱層が充填施工される構造であっ
てもよく、(ii)建造物の軸部の屋外側に断熱層が外張
り施工された構造、(iii)建造物の軸部の室内側に断
熱材が内張り施工される構造、又はそれらの組合わせ
(例えば、充填構造(i)と外張り構造(ii)との組合
わせなど)であってもよい。
【0013】図6および図7は、それぞれ、住宅の壁部
の外張り工法による断熱・気密構造の一例を示す概略横
断面図であり、図8は外張り工法による断熱・気密構造
に用いられる住宅用断熱材の一例を示す概略斜視図、図
9は図8の断熱材の概略断面図である。
【0014】図6に示す断熱・気密構造1cは、柱3a
と間柱3bとで構成された軸部(又は軸組部)の屋内側
および屋外側にそれぞれ配設された内装材2および断熱
層4と、この断熱層4のうち前記軸部3a,3bとの対
向面(接触面)に形成された凹部6と、柱3a及び間柱
3bと断熱層4との対向部のうち前記凹部5に収容して
配設された気密材5と、縦胴縁7を介して、前記断熱層
4の屋外側に配設された外装材8とを備えている。前記
気密材5の圧縮方向の厚みは、凹部6の深さよりも大き
く、気密材5は、圧縮後に厚みが復元可能な程度の圧縮
状態で、断熱層4に形成された凹部6に配置されてい
る。すなわち、常態においては、気密材5のうち軸部側
の端部は、復元回復可能な範囲で、軸部3a,3bと断
熱層4との接触面から膨出して突出している。そのた
め、柱3a及び間柱3bで構成された軸部と断熱層4と
の間に隙間が生じでも、圧縮されていた気密材5の厚み
が回復して、生じた隙間を塞ぐことができ、気密性を改
善することができる。
【0015】図7に示す断熱・気密構造1dは、凹部6
が軸部(この例では、柱3a及び間柱3b)に形成さ
れ、この凹部に気密材5が圧縮して配設されている点を
除き、上記図6に示す断熱・気密構造と同様の構造を有
している。このような構造でも、前記断熱・気密構造1
cと同様に、高い気密性を確保できる。
【0016】図8及び図9に示す住宅用断熱材11c
は、柱3a、間柱3bなどの軸部に緊密に外張りするの
に適した外形寸法を有する硬質発泡プラスチック系断熱
材14と、この断熱材の周縁部(軸部に対する対向部)
に沿って形成された凹部6と、この凹部に配設可能な方
形枠状の気密材5とで構成されている。そして、前記気
密材5の圧縮を受ける方向の厚み(すなわち、軸部に対
して対向する方向の厚み)は、前記凹部6の深さよりも
大きく、前記気密材5は、断熱材14のうち軸部3a,
3bに対する取付側の表面よりも膨出又は突出して凹部
6に配置されている。このような住宅用断熱材11cを
充填箇所に断熱施工すると、気密材5は圧縮されて凹部
6に収まり、図6に示す断熱・気密構造1cの断熱層4
および気密材5を形成する。
【0017】図10は、住宅の床部の充填工法および内
張り工法による断熱・気密構造の一例を示す概略縦断面
図(根太を横から見た概略断面図)であり、図11は図
10の構造の概略横断面図(根太の小口断面方向から見
た概略断面図)である。図13および図14は、それぞ
れ、充填工法と内張り工法による床部の断熱・気密構造
に用いられる住宅用断熱材の一例を示す概略斜視図であ
る。
【0018】断熱・気密構造1eは、図10および図1
1に示されるように、基礎部13上の土台9に軸組され
た根太10間に緊密に充填された断熱層4aと、この断
熱層のうち土台9及び根太10との対向面(接触面)に
形成された凹部6aと、この凹部に圧縮して配設された
気密材5aと、前記根太10の室内側面において前記断
熱材4a上に順次配置された断熱層4bおよび床材12
と、前記断熱層4bの突合せ部に形成された凹部6b
と、この凹部に配設された気密材5bとを備えている。
すなわち、根太10と断熱材4aとの間に配設された気
密材5aと、前記根太10上の断熱材4bの突合わせ面
に配設された気密材5bとは、縦横方向に配設されてい
る。
【0019】そして、気密材5a,5bの圧縮方向の厚
みは、凹部6a,6bの深さよりも大きく、気密材5
a,5bは、断熱層4a,4bに形成された凹部6に、
圧縮後に厚みが復元可能な圧縮状態で配置されている。
そのため、土台9と断熱層4aの間、および断熱層4b
の突合せ部に隙間が生じたとしても、気密材5の厚みの
回復により、生成した隙間を塞ぐことができ、気密性を
高めることができる。
【0020】図12は、住宅の床部の充填工法および内
張り工法による断熱・気密構造の他の例を示す概略縦断
面図である。この例の断熱・気密構造1fでは、凹部6
aが、土台9や根太10などの軸部側に形成され、この
凹部に気密材5aが配置されている。このような構造で
も、前記断熱・気密構造1eと同様に、高い気密性を付
与できる。なお、住宅の床部の充填工法および内張り工
法において、気密材が配設可能な凹部は、根太などの横
設された軸部(又は軸組部)に限らず、柱3a、間柱3
bなどの立設した軸部(又は軸組部)に形成してもよ
い。
【0021】図13に示す住宅用断熱材11dは、土台
2に掛け渡された根太10間への充填に適した外形寸法
を有する硬質発泡プラスチック系断熱材14aと、この
断熱材のうち土台9と対向する周縁部に形成された凹部
6と、この凹部に配設された気密材5とで構成されてい
る。そして、前記気密材5は、断熱材14aのうち土台
との対向面よりも突出して前記凹部6に配置されてい
る。
【0022】図14に示す住宅用断熱材11eは、根太
などの軸部の室内側に内張りするのに適した外形寸法を
有する硬質発泡プラスチック系断熱材14bと、この断
熱材の端面に形成された凹部6と、この凹部に配設され
た枠状気密材5とで構成されている。前記気密材5の圧
縮方向の厚みは凹部6の深さよりも大きく、凹部6に収
容保持された気密材5は、断熱材14bのうち軸部への
取付側の表面よりも膨出又は突出している。
【0023】そして、図13に示す住宅用断熱材11c
を充填箇所に断熱施工すると、気密材5は圧縮されて凹
部6に収まり、図10に示す断熱・気密構造1eの断熱
層4aおよび気密材5aを形成でき、図14に示す住宅
用断熱材11eを軸部の室内側に内張り施工すると、図
11に示されるように、断熱・気密構造1eの断熱層4
bおよび気密材5bを形成できる。
【0024】本発明は、柱,垂木,根太などで構成され
た軸部(軸組部又は骨組部)と断熱層との間に気密材が
介在する限り、いずれの断熱・気密構造にも適用でき
る。この断熱層は、軸部のサイズに応じて、軸部に対し
て気密に配設可能であればよい。
【0025】断熱層は、繊維系断熱材(グラスウール,
ロックウールなど)、プラスチック系断熱材などで構成
でき、プラスチック系断熱材としては、軟質樹脂発泡体
(発泡ポリエチレン,発泡ポリプロピレンなどの発泡ポ
リオレフィン系樹脂、軟質塩化ビニル樹脂フォームや軟
質発泡ポリウレタンなど)、硬質樹脂発泡体(硬質塩化
ビニル樹脂フォーム、硬質ポリウレタンフォーム、ポリ
スチレンフォーム,ABS樹脂フォームなどのスチレン
系樹脂発泡体やフェノール樹脂フォームなど)などが例
示できる。好ましい断熱層は、比較的断熱性が高く、通
気性の小さな硬質発泡体(硬質発泡プラスチック系断熱
材)で構成できる。特に、独立気泡を有する硬質樹脂発
泡体(ポリスチレンフォームなどのスチレン系樹脂発泡
体など)で断熱層を構成するのが有用である。断熱材の
発泡倍率および密度は、断熱性、機械的強度などに応じ
て選択でき、例えば、発泡倍率5〜100倍、好ましく
は10〜80倍、特に20〜50倍程度の範囲から選択
できる。なお、断熱層は、上記断熱材に面材(石膏ボー
ドや合板など)を積層した断熱パネル、木枠などに前記
断熱材が組み込まれた断熱パネルなどの複合化断熱材で
構成してもよい。
【0026】本発明の断熱・気密構造において、凹部
は、前記軸部および断熱層のうち少なくとも一方の部材
の対向面又は対向部に形成すればよく、双方の部材の対
向面(突合わせ面など)に形成してもよい。また、本発
明の断熱材において、前記凹部は、断熱材のうち前記軸
部に対する対向面又は対向部の適当な部位に形成でき
る。例えば、断熱材のコーナー部に切欠部として凹部を
形成してもよく、断熱材の端面に凹溝として凹部を形成
してもよい。凹部は、気密性を高めるため、断熱材の周
端面又は周端部に全周に亘り形成する場合が多い。
【0027】気密材としては、軟質樹脂発泡体(アスフ
ァルトを含んでいてもよい軟質ポリウレタンフォーム、
ゴムフォーム(フォームラバー)、ポリエチレンフォー
ム,エチレン−酢酸ビニル共重合体フォームなど)や、
弾性体(ゴムなど)などが使用できる。好ましい気密材
は、配置部位の形状に対応して柔軟に変形可能であり、
かつ比較的通気性の小さな軟質発泡体(軟質プラスチッ
ク系発泡体)で構成できる。繰返し疲労強さの高い軟質
樹脂発泡体(軟質ポリウレタンフォーム、フォームラバ
ー、ポリエチレンフォームなど)で構成された気密材を
用いると、長期間に亘り高い気密性を維持できる。気密
材は、連続気泡を有する発泡体であってもよいが、通
常、少なくとも独立気泡を有する発泡体で構成できる。
気密材の発泡倍率および密度は、圧縮復元性などに応じ
て選択でき、例えば、発泡倍率2〜50倍、好ましくは
5〜25倍程度の範囲から選択できる。
【0028】凹部に配設された気密材の圧縮度は、気密
材の種類,発泡倍率などに応じて、弾性変形性を有し、
復元可能な範囲であればよい。気密材の回復率は、通
常、50%圧縮において、60〜100%、好ましくは
70〜100%程度の範囲から選択できる。気密材は、
気密部位への取付け性を改善するため、粘着性接着剤
(感圧接着剤)などの接着層を有していてもよい。
【0029】気密材が配設される凹部の深さは、気密材
の厚みよりも小さく形成されており、凹部の深さは、気
密材の厚みと気密材の圧縮回復性などを考慮して選択で
きる。また、気密材は、軸部と断熱層との間に生成する
隙間を塞いで充填するのに充分な厚みを有する。例え
ば、施工初期の断熱・気密構造において、軸部と断熱層
とが密着し、両者の間隙が0であり、気密材を元の厚み
tのA%まで圧縮したとき(すなわち、凹部の深さが気
密材の厚みtのA%であるとき)、気密材の厚み回復率
を元の厚みtのB%とし、施工後に生成する軸部と断熱
層との間の隙間距離をaとすると、気密材により隙間を
塞ぐための条件は、圧縮後の形状回復した気密材の厚み
(t×A÷100)が隙間距離(a)と凹部の深さ(t
×B÷100)の和以上であることが必要であり、t×
B÷100≧a+t×A÷100、(a≧0,B≧A)
で表される。これらの関係から、気密材の必要厚みt
は、t≧100×a÷(B−A)により算出できる。
【0030】本発明の構造および断熱材は、断熱性およ
び気密性が要求される種々の建造物に適用できる。特に
柱や垂木など軸部が木質材で形成された住宅(なかで
も、高断熱・高気密化が要求される建造物)の断熱に有
効である。
【0031】
【発明の効果】本発明では、軸部および断熱材のうち少
なくとも一方の部材の対向面に凹部を形成し、この凹部
に気密材を圧縮状態で配設しているので、外力や軸部の
乾燥による収縮力が作用しても、断熱性および気密性を
高めることができる。また、凹部に気密材を配設してい
るので、気密材の厚み回復性を有効に発現させることが
でき、高い気密性および断熱性を長期間に亘り維持でき
る。
【0032】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。 実施例 図6に示す断熱・気密構造において、内装材2として石
膏ボード(厚み12.5mm)、断熱層4として押出発
泡ポリスチレンボード(JIS A 9511、B類3
種、40×910×3030mm)、外装材8として石
綿スレート板(厚み12mm)、気密材5として発泡ゴ
ム(密度100kg/m3 、厚み10×幅20mm、5
0%圧縮時の厚み回復率が95%)を用いた。軸組部
(柱3a:105×105mm,間柱3b:27×10
5mm,施工ピッチ:455mm)の屋内側および屋外
側にそれぞれ内装材2と断熱層4を配置するとともに、
前記断熱層4の屋外側には、縦胴縁7(18×24m
m)を介して外装材8を配置した。断熱層4には凹部6
(深さ5mm)が形成されている。この凹部6(深さ5
mm)に50%圧縮された状態で気密材5を配置し、前
記柱3aおよび間柱3bと断熱層4との間には気密材5
を介在させた。この断熱・気密構造の柱3a、間柱3b
と断熱層4との間に4mm隙間が生じたが、圧縮されて
いた気密材5の厚みが回復してその隙間を塞ぎ、気密性
を維持できた。
【0033】比較例 図6に示す断熱・気密構造において、断熱層4に凹部を
形成することなく、柱3aおよび間柱3bと断熱層4と
の間に気密材5を介在させる以外、実施例1と同様の構
造を構成した。この断熱・気密構造の柱3a、間柱3b
と断熱層4との間に4mm隙間が生じたが、圧縮されて
いた気密材5の厚みは元の厚みの20%しか回復せず、
生じた隙間を塞ぐことができず、気密性が低下した。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は住宅の壁部の充填工法による本発明の断
熱・気密構造の一例を示す概略横断面図である。
【図2】図2は住宅の壁部の充填工法による本発明の断
熱・気密構造の一例を示す概略横断面図である。
【図3】図3は充填工法による断熱・気密構造に用いる
住宅用断熱材の一例を示す概略斜視図である。
【図4】図4は図3の断熱材の概略断面図である。
【図5】図5は充填工法による断熱・気密構造に用いる
住宅用断熱材の他の例を示す概略断面図である。
【図6】図6は住宅の壁部の外張り工法による断熱・気
密構造の一例を示す概略横断面図である。
【図7】図7は住宅の壁部の外張り工法による断熱・気
密構造の一例を示す概略横断面図である。
【図8】図8は外張り工法による断熱・気密構造に用い
られる住宅用断熱材の一例を示す概略斜視図である。
【図9】図9は図8の断熱材の概略断面図である。
【図10】図10は住宅の床部の充填工法および内張り
工法による断熱・気密構造の一例を示す概略縦断面図で
ある。
【図11】図11は図10の構造の概略横断面図であ
る。
【図12】図12は住宅の床部の充填工法および内張り
工法による断熱・気密構造の他の例を示す概略縦断面図
である。
【図13】図13は充填工法による床部の断熱・気密構
造に用いられる住宅用断熱材の一例を示す概略斜視図で
ある。
【図14】図14は内張り工法による床部の断熱・気密
構造に用いられる住宅用断熱材の一例を示す概略斜視図
である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e,1f…断熱・気密構造 2…内装材 3a…柱 3b…間柱 4,4a,4b…断熱層 5,5a,5b…気密材 6,6a,6b…凹部 7…縦胴縁 8…外装材 9…土台 10…根太 11a,11b,11c,11d,11e…住宅用断熱
材 12…床材 13…基礎部 14a,14b…断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 2/56 645 E04B 2/56 645B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建造物の軸部に対して断熱層が配設され
    た断熱構造であって、前記軸部および断熱層のうち少な
    くとも一方の対向面に形成された凹部と、この凹部に、
    復元可能に圧縮して配設された気密材とを備えている建
    造物の断熱・気密構造。
  2. 【請求項2】 断熱構造が、建造物の軸部の間に断熱層
    が充填施工された構造である請求項1記載の断熱・気密
    構造。
  3. 【請求項3】 断熱構造が、建造物の軸部の屋外側に断
    熱層が外張り施工された構造である請求項1記載の断熱
    ・気密構造。
  4. 【請求項4】 断熱構造が、建造物の軸部の室内側に断
    熱材が内張り施工された構造である請求項1記載の断熱
    ・気密構造。
  5. 【請求項5】 断熱層が硬質発泡体で構成されている請
    求項1〜4のいずれかの項に記載の断熱・気密構造。
  6. 【請求項6】 気密材が軟質発泡体で構成されている請
    求項1〜4のいずれかの項に記載の断熱・気密構造。
  7. 【請求項7】 建造物が、軸部が木質材で形成された住
    宅である請求項1〜6のいずれかの項に記載の断熱・気
    密構造。
  8. 【請求項8】 建造物の軸部間に配設可能な断熱材と、
    この断熱材のうち前記軸部に対する対向面に形成された
    凹部と、この凹部に配設可能であり、かつ前記凹部の深
    さよりも厚みが大きな気密材とで構成されている建造物
    の断熱材。
JP28202497A 1997-10-15 1997-10-15 断熱・気密構造および断熱材 Withdrawn JPH11117411A (ja)

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JP2007009567A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 断熱材の接続構造
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