JPH10317532A - 断熱パネルおよびその断熱パネルを用いた断熱下地構造 - Google Patents

断熱パネルおよびその断熱パネルを用いた断熱下地構造

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JPH10317532A
JPH10317532A JP13019997A JP13019997A JPH10317532A JP H10317532 A JPH10317532 A JP H10317532A JP 13019997 A JP13019997 A JP 13019997A JP 13019997 A JP13019997 A JP 13019997A JP H10317532 A JPH10317532 A JP H10317532A
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heat insulating
heat
plate
insulating layer
heat insulation
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JP13019997A
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Fumio Takahashi
文男 高橋
Yoshihiko Sugano
良彦 菅野
Toshihide Kokubu
利秀 国分
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IG Technical Research Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、建築、構築物に断熱層を形成する
断熱パネル、およびその断熱パネルを用いて形成する断
熱性と気密性を有する断熱下地構造に係るものである。 【構成】 板材1の少なくとも裏面に断熱層を形成し、
かつ板材1の裏面の端部近傍には変形が容易な気密材4
を配した断熱パネルA、および断熱パネルAを用いた断
熱下地構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築、構築物に断熱層
を形成する断熱パネルに係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、断熱性を有するパネル体の断熱部
を軸組間に嵌挿して、断熱性と気密性を有する断熱下地
を形成するには、特開平6−294172号のように、
軸組間に嵌め込められる方形の枠部材と、この枠部材に
固定され軸組の屋外側面に当接される鍔部を周囲に有す
る耐力壁用面部材と、この面部材の枠部材で囲まれる屋
内側面に設けられた断熱部材とから構成されるパネルを
用いる構造があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構造で
は、パネル体を軸組間に嵌挿する便宜上、枠部材は軸組
よりも小さく形成するため枠体と軸組の間には隙間が生
じるものであり、その隙間は枠部材の屋内側外周面に沿
って配される断熱パッキンによって埋められることが記
載されている。
【0004】しかし、枠部材と軸組の隙間は、断熱パッ
キンを押し潰した状態の厚さよりも狭い場合はパネル体
の取り付けの際に断熱パッキンが軸組に擦られて脱落し
てしまい、また断熱パッキンの自己弾性力で復元した状
態の厚さよりも広い場合は、枠部材と軸組の間を埋める
ことができず、いずれも断熱性、気密性の低下やその部
位近傍への結露の発生を招くものである。すなわち、枠
部材と軸組の隙間の許容範囲は、弾性体を押し潰した状
態から自己弾性力で復元した状態の厚さにかけての範囲
に限定されるものであり、軸組、枠体のいずれかの寸法
に誤差が生じた場合に、断熱パッキンでは枠部材と軸組
の隙間を塞ぎきれなくなることが危惧された。
【0005】さらに、耐力壁用面部材は外部との間に、
外装材および場合によっては空気層を介するのみであり
外部の温度の変化の影響を受け易く、特に夏期の冷房使
用時に於いて、耐力壁用面部材と断熱部材との境界部分
に結露を生じる危惧があった。また、耐力壁用面部材と
軸組が当接している部分が熱橋になり易く、断熱性能に
改善の余地があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような欠
点を除去するために、板材と、板材の裏面の所定の端部
もしくは端部近傍に配され、変形が容易で所定の幅を有
する気密材と、気密材と密着して板材の裏面の中央部に
配される断熱層とから構成され、必要に応じて板材の表
面にも断熱層を設けた断熱パネル、およびその断熱パネ
ルの気密材が躯体に当接する部分を板材と躯体の間に圧
縮した状態において、板材表面、もしくは板材表面に形
成した断熱層上から釘等の固定具によって躯体に固定し
て形成され、板材の表面に断熱層を設けない断熱パネル
を用いた場合には、必要に応じて板材表面に断熱層を設
ける断熱下地構造を提案するものである。
【0007】
【作用】断熱パネルを気密材の部分を躯体に当接、押圧
しつつ釘等の固定具で躯体に固定するだけで断熱下地が
形成され、他の断熱、気密処理は不要なので、施工性の
向上が図れる。
【0008】さらに、躯体と断熱層の境界に断熱層と密
着した気密材が押圧された状態で位置するので、断熱
性、気密性が大幅に向上し、また、断熱材と躯体との隙
間を塞ぎ得る範囲は、気密材が位置する幅全体に亘るの
で、躯体、断熱層のいずれの寸法の誤差も大幅に許容さ
れる。
【0009】また、板材の表面にも断熱層を形成する
か、板材の表面にも断熱層を形成した断熱パネルを用い
て断熱下地を形成すれば、板材に直接、内外部の温度変
化が伝わらないことから、夏期に於いて断熱パネルの基
材となる板材近傍に結露を生じることがなく、また板材
の表面に接触する熱橋がパネル体を躯体に固定する固定
具のみとなるので、断熱下地の断熱性、強度等が長期に
亘って劣化することなく、かつ断熱性能を大幅に向上で
きるものである。
【0010】
【実施例】以下に、図面を用いて、本発明に係る断熱パ
ネルおよびその断熱パネルを用いた断熱下地について説
明する。図1(a)、(b)〜図3(a)、(b)は本
発明に係る断熱パネルの一例であり、Aは断熱パネル
で、1は板材、2は裏断熱層、3は表断熱層、4は気密
材、5は露出面である。
【0011】板材1は、所定の規格寸法を有するもの
で、耐力壁としての強度ないし機能を備えているもの
で、例えばJAS規格に適合する構造用合板やJIS規
格に適合するパーティクルボード等からなる。
【0012】板材1の素材としては、上記した構造用合
板、パーティクルボードの他に、ハードボード、硬質木
片セメント板、木毛セメント板、フレキシブル板、石綿
パーライト板、石綿ケイ酸カルシウム板、炭酸マグネシ
ウム板、パルプセメント板、石膏ボード、石膏ラスボー
ド、シージングボード、シージングインシュレーション
ボード、ラスシート等よりなるものであり、2種以上の
複合板でも構わない。
【0013】なお、板材1は気密性を有し、また裏面、
もしくは表裏面に配した裏断熱層2、表断熱層3と比較
して防湿性を任意に設定できるものである。
【0014】裏断熱層2は、板材1の裏面、すなわち施
工時に於ける建物の内部側に位置する面に形成されるも
ので、例えばスチレンフォーム(スチレンボード)、ポ
リウレタンフォーム(ウレタンボード)、ポリイソシア
ヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフ
ォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォー
ム、ユリアフォーム等の合成樹脂発泡体からなるもので
ある。裏断熱層2は、予めボード状に形成されたものを
接着剤等で貼着しても良いが、板材1に合成樹脂発泡体
の原液を吐出し、発泡−硬化−成形したものを用いるの
が板材1との接着力が高く、製造が容易で好ましい。ま
た、裏断熱層2の厚さを任意に調節でき、20〜75m
m程度の厚さとして躯体Bの内方に内通気層31を形成
したり、柱11、間柱12間に充填するように形成した
りできる。
【0015】表断熱層3は、板材1の表面、すなわち施
工時に於ける建物の外部側に位置する面に形成されるも
ので、図2(a)、(b)、図3(a)、(b)に示す
ように配され、裏断熱層2と同一、もしくは別途の組成
の合成樹脂発泡体からなり、その厚さは10〜50mm
程度で、予めボード状に形成されたものを接着剤等で貼
着もしくは、板材1に合成樹脂発泡体の原液を吐出し、
発泡−硬化−成形したものを用いるものである。
【0016】なお、従来に於いて、合成樹脂発泡体をそ
の自己接着力により板材1と一体に形成して断熱層を形
成した場合、板材1の片面のみに断熱層を形成すると、
合成樹脂発泡体の時間の経過に伴う収縮により板材1を
含む断熱パネルA全体に反りが生じ、施工の際や施工後
に寸法が変化する大きな原因となり、施工の困難化や気
密性の低下を招くものであった。
【0017】しかし、合成樹脂発泡体をその自己接着力
により板材と一体に形成した断熱層を板材の両面に設け
ることで、板材1の両面にて合成樹脂発泡体の収縮が起
こることとなって収縮力が緩和され、断熱パネルA全体
に生じる反りを小さく押さえることができる。また、そ
の場合、板材1の両面の断熱層を、同一の材料を用いて
同等の厚さに形成したり、配合比や材料が異なっても収
縮率が等しくなるように材料を配して、両面の断熱層の
収縮率を均等にすることにより、断熱パネルAに反りの
発生の阻止を図れる。
【0018】気密材4は、図1(a)、図2(a)、図
3(a)に示すように板材1の裏面の所定の端部から所
定の幅に亘って、もしくは図1(b)、図2(b)、図
3(b)に示すように板材1の所定の端部近傍から所定
の幅に亘って板材1の端部を露出させた露出面5を有し
て配されるもので、施工の時に断熱パネルAを躯体Bに
取り付ける際に躯体Bに当接する部分である。
【0019】気密材4は気密性に優れ、断熱層2と比較
して外部から力が加わることによる変形が容易な材質か
らなり、さらに弾性を有していることが好ましい。その
材質としては、例えば、弾性を有するものとしては発泡
ゴム、ポリ塩化ビニル系、クロロプレン系、クロロスル
ホン化ポリエチレン系、エチレンプロピレン系、アスフ
ァルト含浸ポリウレタン系、EPM、EPDM等の一般
的に市販されているものであり、気密材等の機能として
有用なものである。勿論、これらの成分中に無機材等の
難燃材、あるいは耐火性、防火性を有する例えばポリリ
ン酸アンモニウム、水酸化アルミニウム、フェノール樹
脂粒、カーボンブラック、グラファイト(発泡、非発
泡)等の難燃材を混入した耐火性のあるパッキング材を
使用しても良いものである。
【0020】気密材4は図5(a)、(b)に示すよう
に、断熱パネルAを躯体Bに取り付ける際に躯体Bの外
側から躯体Bを構成する柱、間柱、梁、土台、胴差し等
に当接し、板材1と躯体Bの間において圧縮される。気
密材4は、躯体Bに当接しつつ圧縮されることにより断
熱下地Eの断熱性、気密性を向上させるだけでなく、裏
断熱層2を躯体Bの寸法と合致させるための緻密な調
整、切断の工程を省略可能とすることで、施工性の向上
に寄与し、また気密材4の幅の範囲内に躯体Bが当接す
ればいいことから断熱パネルBの寸法誤差が大幅に許容
されるので、向上に於ける生産も容易であり、施工過程
のみならず生産時に於いてもコストダウンを図れるもの
である。
【0021】さらに気密材4は、裏断熱層2を板材1の
裏面において合成樹脂発泡体の原液を吐出し、発泡−硬
化−成形することで形成する場合、合成樹脂が外部に溢
れないようにするためのガイドとしても機能する。
【0022】なお、露出面5は気密材4の端部近傍、す
なわち断熱パネルAの端部近傍で、躯体Bとの表側に必
ず当接する箇所に気密材4を配さずに板材1を露出させ
た部分で、気密材4の余剰配設の防止と共に、押圧によ
る気密材4の変形の容易化を図ったものである。
【0023】なお、裏断熱層2の表面、表断熱層3の表
面には図4(a)、(b)に示すように、それぞれ裏シ
ート状物6、表シート状物7を配することができる。
【0024】裏シート状物6は、裏断熱層2の少なくと
も裏面全体を隠蔽するように裏断熱層2と一体に配され
るもので、透湿性を有する材質のものが好ましい。
【0025】表シート状物7は、表断熱層3の表面に表
断熱層3と一体に配されるもので、透湿性を有し、防水
性をも兼ね備えたものが好ましい。表シート状物7は、
少なくとも表断熱層3の表面全体を隠蔽するように表断
熱層3と一体に配されるが、図4(a)に示すように横
方向、縦方向のそれぞれの片側端部、もしくは図4
(b)に示すように両側端部に延長部7a、7bを有す
ることが好ましい。延長部7a、7bは、断熱パネルA
を躯体Bに取り付ける際に、隣合う断熱パネルAの表シ
ート状物7の端部や、躯体Bに重ね合わせるもので、気
密性の向上に寄与できる。裏シート状物6、表シート状
物7の接着方法としては、接着剤を介して、あるいは前
記裏断熱層2、表断熱層3形成時の自己接着性により一
体化するものである。
【0026】上述したように断熱パネルAは、例えば図
5(a)に示されるように、気密材4が位置する部分を
躯体Bの柱11、間柱12や、図示しない土台、胴差
し、梁等に当接し、押圧を加えて気密材4を圧縮、変形
させ、図5(b)に示すように表断熱層3の表面を揃え
て配し、固定具αによって躯体Bに固定し、かつ表シー
ト状物7の延長部7aを隣接する断熱パネルAの表シー
ト状物7の端部上に重ね合わせ、断熱下地Eを形成する
ものである。
【0027】外装構造Fは、図6および図7(a)に示
されるように断熱パネルAを用いて形成される断熱下地
Eに、内装材C、外壁D等を配して形成するものであ
る。また、21は胴縁、22は防水シート、23は外装
材、31は内通気層、32は外通気層、α、βは固定具
である。なお、図1(a)、(b)に示されるような表
断熱層3を有さない断熱パネルAを用いた場合は、胴縁
21が板材1の表面に位置するものである。
【0028】内装材Cは周知の一般的なもので良く、断
熱下地Eとの間には内通気層31を確保する。
【0029】21は胴縁で、断熱下地E上から表断熱層
3、表シート状物7を介して少なくとも板材1に固定具
βによって固定され、防水シート22、外装材23から
なる外壁Dを取り付ける下地となり、また外壁Dと断熱
下地Eとの間には、外通気層32を確保する。
【0030】23は外装材で、乾式外壁材からなるが、
金属サイディングを用いるのが軽量故に施工が容易であ
るだけでなく、固定具βや胴縁21への負担が少ない面
で好ましい。勿論、湿式のモルタル壁でも良いものであ
る。
【0031】次に、図5(a)、(b)および図7
(a)により、本発明に係る断熱パネルAのうち、裏断
熱層2と表断熱層3を有するものを用いて断熱下地E、
および外装構造Fを形成する過程を説明する。まず、図
5(a)に示すように、躯体Bと当接する箇所全体、も
しくは躯体Bのうち柱11、間柱12と当接する箇所に
気密材4が位置する断熱パネルAを、躯体Bの外側から
気密材4を躯体Bに当接し、外側から押圧を加えて気密
材4を圧縮、変形させ、固定具αによって躯体Bに固定
する。断熱パネルAは、図5(b)に示すように表断熱
層3の表面を揃えて配し、表シート状物7の延長部7a
を、隣接する断熱パネルAの表シート状物7の端部上に
重ねた状態で断熱下地Eを形成する。
【0032】次に、図7(a)に示すように、躯体Aの
室内側に内装材Cを取り付けるが、その際に内通気層3
1が形成される。さらに、胴縁21を、固定具βによっ
て表断熱層3、表シート状物5を介して板材1に固定す
るが、柱11、間柱12まで固定具αが到達しても勿論
構わない。次に、胴縁間21上に防水シート22を配
し、防水シート22上から外装材23を配して外壁Dを
形成し、外装構造Fを形成するものである。また、図示
しないが表断熱層3を有しない断熱パネルAを用いた場
合でも、同様の工程を経るものである。
【0033】なお、図2(a)、(b)および図3
(a)、(b)に示すような、表断熱層3を有する断熱
パネルAを柱11、間柱12等に固定して断熱下地Eを
形成する場合は、固定具αとして通常の釘、ビス等を用
いて打ち込む深度を調節しつつ、すなわち工具や固定具
αの頭部にて表断熱層3を破壊しないように打ち込みを
行っても良いが、図7(a)の点線円aの範囲の部分拡
大図である図7(b)、および(c)に示すように、2
つの頭部を有する二頭釘41を用いることにより、固定
具βを通常の方法と同様の打ち込みを行っても、表断熱
層3が破壊される範囲を小さく押さえることができる。
すなわち、二頭釘41は、軸体42と、下部頭43と上
部頭44とから構成されるもので、下部頭43は板材1
と当接し、軸体42がそれ以上深く打ち込まれるのを防
止する部分である。上部頭44は工具によって打撃を受
ける部分である。
【0034】上述したような二頭釘41を用いれば、削
られる表断熱層3の範囲は下部頭43が通過した範囲に
とどまり、断熱性の低下が殆ど生じないものである。
【0035】なお、表断熱層3と表シート状物5を併せ
た厚み△Xと、下頭部43と上頭部44の距離△Yとの
間には、△X≧△Yなる関係が成立するもので、上部頭
44は表シート状物5より突出しないものである。
【0036】
【その他の実施例】なお、本発明に係る断熱パネルAお
よび断熱下地Eは、図8(a)〜(d)〜図18(a)
〜(d)に示すように形成することができる。すなわ
ち、二頭釘41は、図8(a)〜(d)に示すように形
成したものを使用することができ、(a)は軸体42を
ドリル状に形成し、かつ上部頭44を六角ボルトで形成
した例であるが、その他にも上頭部44はマイナスやプ
ラス形状の溝を形成したものとすることもできる。
(b)は下部頭43と上部頭44との間に断熱性部材4
5を配した例で、固定の際に下部頭43によって削られ
た部分の表断熱層3と入れ替わるように断熱性部材45
が位置するようになり、二頭釘41による固定で断熱下
地Eの断熱性能が低下するのを防止するものである。
(c)は上部頭44を大きく形成し、二頭釘41の打ち
込みを容易にすると共に、上部頭44によって表断熱層
3を圧迫しても、その圧縮範囲を分散させて表断熱層3
を破損しないようにした例である。(d)は下部頭43
の下面に傾斜部46を設け、板材1に食い込むように形
成した例である。
【0037】また、図9(a)、(b)は、気密材4を
断熱パネルAの裏面の所定の端部のみならず、裏断熱層
2の略中央を縦断するように、すなわち間柱12と当接
する範囲近傍にも配した例であり、1つの断熱パネルA
で広範囲に亘って断熱下地Eを形成でき、気密性、断熱
性、および施工性を向上させるのみならず、1枚の板材
1で間柱12を繋ぐことになるため、断熱パネルAの耐
力壁としての機能を十分に発揮できるものである。
【0038】図10(a)〜(f)は、気密材4のその
他の配設例を示したものである。すなわち、(a)、
(b)は露出面5を有したもの、(c)〜(f)は露出
面5を有さないものであり、それぞれ気密材4を抉った
形状としたり、外方に傾斜させたり、角を丸めたりする
ことによって、躯体Bへの取り付けを容易にしたもので
ある。
【0039】図11(a)〜(e)は、裏断熱層2の所
定の端部のみならず、表断熱層3の所定の端部にも気密
性を有する部材を配することで、断熱下地Eを形成した
際の表断熱層2同士の隙間を完全に塞いで断熱下地Eの
断熱性、気密性のさらなる向上を図ると共に、断熱パネ
ルAの製造時の寸法誤差を大幅に許容できるようにした
例である。すなわち、(a)、(b)は板材1の裏面の
所定の端部に配した気密材4を、板材1の側面を経て表
断熱層3の端部に連続して配した例である。また、
(c)〜(e)は表断熱層3の所定の端部に、板材1の
端部よりも外方に突出するように気密材61を配した例
であり、気密材61の材質は気密材4と同様に、外部か
ら力が加わることによる変形が容易な材質からなり、さ
らに弾性を有していることが好ましく、例えば弾性を有
するものとしては発泡ゴム、ポリ塩化ビニル系、クロロ
プレン系、クロロスルホン化ポリエチレン系、エチレン
プロピレン系、アスファルト含浸ポリウレタン系、EP
M、EPDM等の一般的に市販されているものであり、
気密材等の機能として有用なものである。勿論、これら
の成分中に無機材等の難燃材、あるいは耐火性、防火性
を有する例えばポリリン酸アンモニウム、水酸化アルミ
ニウム、フェノール樹脂粒、カーボンブラック、グラフ
ァイト(発泡、非発泡)等の難燃材を混入した耐火性の
あるパッキング材を使用しても良いものである。
【0040】図12(a)〜(l)は気密材4の変形例
であり、任意の形状を選択して断熱パネルAに配するこ
とができるもので、断熱下地Eの断熱性、気密性を損な
わずに、断熱パネルAの躯体Bへの取り付けの容易化を
図った例である。すなわち、(a)〜(h)は気密材4
が弾性を有する材質にて形成された場合の変形例で、
(a)〜(e)は櫛状に形成したもの、(f)〜(h)
は中空状に形成したものである。(i)〜(l)は気密
材4が弾性を有するもの、弾性を有さないもののいずれ
でも良い。
【0041】図13(a)、(b)、図14(a)、
(b)は、断熱下地Eを形成する際の隣合う断熱パネル
A同士の延長部7aの納まりの例であり、断熱下地Eの
気密性の向上を図った例である。すなわち、図13
(a)、(b)は図4(a)に示すように、表断熱層3
の片端にのみ延長部7aを設けた断熱パネルAを用いた
例であり、(a)は延長部7aを隣合う断熱パネルAの
表シート状物7の端部近傍の上面に載置した例である。
(b)は(a)に示した延長部7aの裏面側に接着部材
7cを配した例であり、いずれも気密性の向上を図った
ものである。
【0042】図14(a)、(b)は図4(b)に示す
ように、表断熱層3の両側に延長部7aを設けた断熱パ
ネルAを用いた例であり、(a)は延長部7aを隣合う
断熱パネルAの延長部7aと表断熱層3の間に挟み込ん
だ例である。(b)は延長部7aを、隣合う断熱パネル
Aの気密材4と柱11の間に導いた例である。
【0043】図15(a)、(b)〜図17(a)、
(b)は断熱パネルAの形成例である。すなわち、図1
5(a)は板材1の裏面には裏断熱層2および気密材4
を板材1と一体に形成し、板材1の表面には断熱ボード
51を貼着して表断熱層3とし、断熱パネルAを形成し
た例である。(b)は、断熱ボード51を、板材1から
端部がはみ出るようにずらして貼着して断熱パネルAを
形成した例であり、断熱下地Eを形成した際に板材1の
目地部と表断熱層3の目地部がずれるようにすること
で、断熱性、気密性の向上を図った例である。
【0044】図16(a)、(b)に於いて、(a)は
板材1の裏面に断熱ボード51と気密材4を貼着した例
である。(b)は板材1の裏面に断熱ボード51と気密
材4を、板材1の表面には断熱ボード51を貼着した例
である。
【0045】また、図17(a)は、板材1と一体に形
成し、同一の材料からなる合成樹脂発泡体からなる裏断
熱層2、表断熱層3のそれぞれの厚さ△S、△Tの間
に、△S=△Tなる関係を成立させることで、裏断熱層
2、表断熱層3の時間の経過に伴って収縮が発生した
際、板材1の表裏面から作用する収縮力を均等にするこ
とで、断熱パネルAの反りをはじめとする時間の経過に
伴う変形を防止した例である。なお、裏断熱層2、表断
熱層3に材料の異なる合成樹脂発泡体を配することで、
厚みを異ならせて収縮率を均等にすることもできる。図
17(b)は、断熱ボード51を予め板材1に貼着され
た気密材4に嵌挿する例である。
【0046】図18(a)〜(d)は断熱下地Eのその
他の例である。(a)は図1(a)もしくは(b)に示
した断熱パネルAを用いて断熱下地Eを形成した例で、
躯体Bに取り付けられた断熱パネルAの板材1の表面に
断熱ボード51を配した例である。(b)は胴縁21を
板材1の表面に当接させ、強度を向上させた例である。
(c)は外通気層32を設けない例、(d)は内通気層
31を設けない例である。
【0047】断熱ボード51としては石膏ボード、セメ
ント板、炭酸カルシウム板、珪酸カルシウム板、木片セ
メント板、炭酸マグネシウム板、シージングボード、シ
ージングインシュレーションボード、合板等よりなるも
の、さらにはこれらの複合板よりなるものである。
【0048】勿論、裏断熱層2、表断熱層3の素材を異
ならしめて形成しても良いものである。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る断熱
パネルは、断熱パネルを気密材の部分を躯体に当接、
押圧しつつ固定するだけで断熱下地が形成され、他の断
熱、気密処理は不要なので、施工性の向上が図れる。
躯体と断熱層の境界に断熱層と密着した気密材が押圧さ
れた状態で位置するので、断熱性、気密性が大幅に向上
する。断熱材と躯体との隙間を塞ぎ得る範囲は、気密
材が位置する幅全体に亘るので、躯体、断熱層のいずれ
の寸法の誤差も大幅に許容され、施工が容易で、工場に
於ける生産も容易であり、施工過程のみならず生産時に
於いてもコストダウンを図れる。
【0050】また、板材の両面に断熱層を形成すること
によって、板材に直接、内外部の温度変化が伝わらな
いことから、断熱パネルの基材となる板材近傍に結露を
生じることがない。板材の外面に接触する熱橋がパネ
ル体を躯体に固定する固定具のみとなるので、断熱性能
を大幅に向上できるものである。板材の両側の両側の
断熱層が合成樹脂発泡体をその自己接着力により板材と
一体に形成したものであれば、板材の両面にて合成樹脂
発泡体の収縮が起こることとなって収縮力が緩和され、
断熱パネル全体に生じる反りを小さく押さえることがで
きる。板材の両面の断熱層を、同一の材料を用いて同
等の厚さに形成したり、配合比や材料が異なっても収縮
率が等しくなるように材料を配して、両面の断熱層の収
縮率を均等にすることにより、断熱パネルに反りの発生
の阻止を図れる。等の特徴、効果がある。
【0051】さらに、本発明に係る断熱パネルを用いた
断熱下地構造によれば、気密材が躯体との隙間を完全
に塞ぐので熱橋が殆ど無く、断熱性、気密性に優れた断
熱下地構造となる。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱パネルの説明図である。
【図2】本発明の断熱パネルの説明図である。
【図3】本発明の断熱パネルの説明図である。
【図4】本発明の断熱パネルの説明図である。
【図5】本発明の断熱パネルを用いて形成した断熱下地
の説明図である。
【図6】本発明の断熱パネルを擁した断熱下地を用いて
形成した外装構造の説明図である。
【図7】本発明の断熱パネルを擁した断熱下地を用いて
形成した外装構造の説明図である。
【図8】固定具の例である。
【図9】本発明の断熱パネルの変形例である。
【図10】本発明の断熱パネルの変形例である。
【図11】本発明の断熱パネルの変形例である。
【図12】気密材の変形例である。
【図13】延長部の納まりの例である。
【図14】延長部の納まりの例である。
【図15】本発明の断熱パネルの変形例である。
【図16】本発明の断熱パネルの変形例である。
【図17】本発明の断熱パネルの変形例である。
【図18】断熱下地と外装構造の変形例である。
【符号の説明】
α 固定具 β 固定具 a 点線円 A 断熱パネル B 躯体 C 内装材 D 外壁 E 断熱下地 F 外装構造 1 板材 2 裏断熱層 3 表断熱層 4 気密材 5 露出面 6 裏シート状物 7 表シート状物 7a 延長部 7b 延長部 7c 接着部材 11 柱 12 間柱 21 胴縁 22 防水シート 23 外装材 31 内通気層 32 外通気層 41 二頭釘 42 軸体 43 下頭部 44 上頭部 45 断熱性部材 46 傾斜部 51 断熱ボード 61 気密材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 2/56 601 E04B 2/56 601H 604D 604 605Z 605 611C 611 622C 622 622K 622Y 631B 631 631C 631K 645B 645 645Z 645C 1/68 F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材と、該板材の裏面の所定の端部もし
    くは端部近傍に配され、変形が容易で所定の幅を有する
    気密材と、該気密材と密着して板材の裏面の中央部に配
    される断熱層とから構成されることを特徴とする断熱パ
    ネル。
  2. 【請求項2】 板材の表面に断熱層を形成したことを特
    徴とする請求項1記載の断熱パネル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の断熱パネルを、気密材の
    躯体に当接する部分を板材と躯体の間に圧縮した状態に
    おいて、板材表面に形成した断熱層上から釘等の固定具
    によって躯体に固定して形成されることを特徴とする断
    熱パネルを用いた断熱下地構造。
  4. 【請求項4】 板材の表面に断熱層を形成したことを特
    徴とする請求項3記載の断熱パネルを用いた断熱下地構
    造。
  5. 【請求項5】 請求項2の断熱パネルを、気密材の躯体
    に当接する部分を板材と躯体の間に圧縮した状態におい
    て、板材の表面に形成した断熱層上から釘等の固定具に
    よって躯体に固定して形成されることを特徴とする断熱
    下地構造。
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