JP2019138107A - 断熱パネルおよび外張り断熱壁構造 - Google Patents

断熱パネルおよび外張り断熱壁構造 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、曲げ強度に優れる断熱パネルを提供することを目的とする。また、耐震性に優れる外張り断熱壁構造を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の断熱パネルは、短辺方向の長さが800mm以上1100mm以下であり、長辺方向の長さが1100mm以上であるフェノール樹脂発泡体を含む断熱パネルであって、前記フェノール樹脂発泡体内に、前記長辺方向に沿って帯状に延びる部分であって、当該部分と隣接する部分の密度に対する前記当該部分の密度の増加率が1.0%以上である密度が高い部分を複数有し、前記密度が高い部分が、前記短辺方向の長さ1mあたり8個以上あることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、断熱パネルおよび外張り断熱壁構造に関する。
従来、建築物の断熱性能を高める手段の一つとして、建築物の躯体の外側に断熱パネルを設ける外張り断熱壁構造が知られている。そして、外張り断熱壁構造の断熱パネルとしては、フェノール樹脂発泡体等の熱硬化性樹脂発泡体を用いた断熱パネルが用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、外張り断熱壁構造は、建築物の躯体および耐力面材等の下地材の前面に貼った断熱パネルの外表面に、任意に配置された防水材、通気層を介して、窯業系サイディングやALC(軽量気泡コンクリート)等の外壁材を施すことにより製造されている。
国際公開第2014/133023号 特許第6123015号公報
特許文献1に記載の断熱パネルは、圧縮強度、断熱性に優れる壁構造に有用な断熱パネルである。しかしながら、近年、躯体および耐力面材等の下地材の外側に設ける断熱パネルにおいて、耐震性の観点から、より一層曲げ強度に優れた断熱パネルが求められているのが現状である。
また、特許文献2に記載のフェノール樹脂発泡板は、厚み方向の圧縮強度について記載はあるものの、曲げ強度は何ら記載されていない。本発明者らは、特定方向の曲げ強度を向上させ、特定の方向に芋目地貼りとすることにより、材料コストを抑えつつ、建築物の耐震性を向上させるという、従来にはない新たな着眼点に基づき、特定方向の曲げ強度に優れる断熱パネルについて検討を重ねた。
さらに、本発明者らは、断熱パネルの特定の方向の曲げ強度を向上させた断熱パネルを建築物に特定の方向に芋目地貼りで用いることにより、材料のコストを抑え、建築物の耐震性を向上させた外張り断熱壁構造とすることができることを見出した。
そこで、本発明は、曲げ強度に優れる断熱パネルを提供することを目的とする。また、耐震性に優れる外張り断熱壁構造を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[3]を提供する。
[1]
短辺方向の長さが800mm以上1100mm以下であり、長辺方向の長さが1100mm以上であるフェノール樹脂発泡体を含む断熱パネルであって、
前記フェノール樹脂発泡体内に、前記長辺方向に沿って帯状に延びる部分であって、当該部分と隣接する部分の密度に対する前記当該部分の密度の増加率が1.0%以上である密度が高い部分を複数有し、
前記密度が高い部分が、前記短辺方向の長さ1mあたり8個以上ある、
ことを特徴とする断熱パネル。
[2]
建築物の下地材の前面に芋目地貼りされた断熱パネルを有する外張り断熱壁構造であって、
前記断熱パネルが、断熱パネルの表面上の任意の方向に沿って帯状に延びる部分であって、当該部分と隣接する部分の密度に対する前記当該部分の密度の増加率が1.0%以上である密度が高い部分を複数有するフェノール樹脂発泡体を含み、前記任意の方向に対して垂直な断面において前記密度が高い部分が該断面の長い辺方向の長さ1mあたり8個以上ある断熱パネルであって、
前記任意の方向と縦目地の方向とが平行である、
ことを特徴とする外張り断熱壁構造。
[3]
前記縦目地が前記建築物の柱及び/又は間柱の前面上に位置するように前記断熱パネルを設置した、[2]に記載の外張り断熱壁構造。
本発明によれば、曲げ強度に優れる断熱パネルを提供することができる。また、耐震性に優れる外張り断熱壁構造を提供することができる。
本発明に係る断熱パネルの一例の概略構造を示す斜視図である。 本発明に係る断熱パネルの一例の概略構造を示す断面図(図1のX−X断面図)である。 本発明に係る外張り断熱壁構造の一例の概略構造を示す斜視図である。 本発明に係る外張り断熱壁構造の一例の概略構造を示す図である。 芋目地貼りの説明図である。 実施例1における断熱パネル短辺方向の密度分布測定図である。
以下、本発明について、実施形態に則して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
[断熱パネル]
本実施形態の断熱パネルは、短辺方向の長さが800mm以上1100mm以下であり、長辺方向の長さが1100mm以上であるフェノール樹脂発泡体を含む断熱パネルであって、上記フェノール樹脂発泡体内に、上記長辺方向に沿って帯状に延びる部分であって、当該部分と隣接する部分の密度に対する上記当該部分の密度の増加率が1.0%以上である密度が高い部分を複数有し、上記密度が高い部分が、上記短辺方向の長さ1mあたり8個以上である。
本実施形態の断熱パネルは、上記長辺方向に沿って帯状に延びる密度が高い部分を複数有するフェノール樹脂発泡体を含むため、短辺方向軸および面外方向軸まわりの曲げ強度に優れ、短辺方向軸および面外方向軸まわりに曲がりにくくなる。さらに長辺方向の寸法安定性が向上し、断熱パネル全体としての寸法変化の絶対値を小さくすることができる。
通常、断熱パネルの曲げ強度を向上させる際、断熱パネル全体の密度を均一に上げ、全方向の曲げ強度を向上させることが考えられる。しかしながら、この場合、使用する材料が増えて材料コストが高くなり、製造スピードが低下して生産性が低下する。本発明者らは、全方向の曲げ強度を向上させるのではなく、あえて特定の方向の曲げ強度のみを向上させ、特定の方向に芋目地貼りして用いることで、材料コストを上げずに且つ高い生産性を維持して、建築物の耐震性を向上させることができることを見出し、本発明に至ったものである。
本実施形態の断熱パネルによれば、帯状に密度が高い部分を配置することで、材料コストを上げずに且つ高い生産性を維持して、優れた特定方向の曲げ強度が得られる。そして、この断熱パネルを特定の方向に芋目地貼りして用いることで、建築物全体の耐震性を向上させることができる。
本実施形態の断熱パネルは、フェノール樹脂発泡体を少なくとも含む板状のパネルであることが好ましい。上記断熱パネルは、フェノール樹脂発泡体の単層体であってもよいし、フェノール樹脂発泡体の両面又は片面に、ポリエステル不織布、ポリプロピレン不織布、無機質充填ガラス繊維不織布、ガラス繊維不織布、紙、ガラス繊維混抄紙、炭酸カルシウム紙、ポリエチレン加工紙、ポリエチレンフィルム、プラスチック系防湿フィルム、アスファルト防水紙、アルミニウム箔等のシート状・フィルム状面材や、普通合板、構造用合板、パーティクルボード、OSB、ミディアムデンシティーファイバーボードなどの木質系ボードおよび木毛セメント板、木片セメント板、石膏ボード、フレキシルボード、ケイ酸カルシウム板、火山性ガラス質複層板、金属板等のボード状面材が少なくとも1つ以上積層された積層体であってもよい。
本実施形態の断熱パネルの形状、寸法は、上記フェノール樹脂発泡体の形状、寸法と同じであることが好ましい。上記断熱パネルの厚さは、曲げ強度、耐震性向上、断熱性向上および取扱性の観点から20〜120mmであることが好ましく、60〜100mmであることがより好ましい。
図1は、フェノール樹脂発泡体2の両表面に面材3が積層された断熱パネル1の斜視図である。以下、断熱パネルの構成について説明する。
(フェノール樹脂発泡体)
上記フェノール樹脂発泡体としては、フェノール樹脂、発泡剤を含む発泡性フェノール樹脂組成物を発泡し、硬化してなるフェノール樹脂発泡体等が挙げられる。
上記フェノール樹脂合成の際に好ましく使用されるフェノール類は、フェノール自体、及び他のフェノール類であり、他のフェノール類の例としては、レゾルシノール、カテコール、o−、m−及びp−クレゾール、キシレノール類、エチルフェノール類、p−tertブチルフェノール等が挙げられる。また、2核フェノール類も使用できる。
上記発泡剤としては、例えば、HFC類、HC類(炭化水素)、および更なる断熱性能の向上を目的としてHFO類(ハイドロフルオロオレフィン)等が挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられても良い。通常、HFO類を発泡剤として用いた場合、発泡、硬化後に高い曲げ強度を発揮することが困難であるといった課題があったが、長辺方向に沿って帯状に延びる密度が高い部分を複数配置することでより効果的に曲げ強度を発揮することが可能であり、好適である。
−炭化水素−
炭化水素としては、発泡剤として公知のものを用いることができる。炭化水素としては、例えば、イソブタン、ノルマルブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。これらの炭化水素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられても良い。
−ハイドロフルオロオレフィン−
ハイドロフルオロオレフィンは、塩素化ハイドロフルオロオレフィンと非塩素化ハイドロフルオロオレフィンに分類される。ここで、塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、具体的には、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(例えば、製品名:Solstice(商標)LBA)などが挙げられる。更に、非塩素化ハイドロフルオロオレフィンとしては、具体的には、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(例えば、製品名:Solstice(商標)1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンなどが挙げられる。なお、これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール樹脂発泡体の形状は、四角形状の面を有する板状であることが好ましい。短辺方向の長さは、800mm以上1100mm以下であり、900mm以上1000mm以下であることが好ましい。また、長辺方向の長さは、1100mm以上であり、1500mm以上2000mm以下であることが好ましい。例えば、短辺方向の長さが910mm、長辺方向の長さが1820mmである長方形状の面を有する板状であってもよい。
上記フェノール樹脂発泡体の厚さは、20〜120mmであることが好ましく、より好ましくは60〜100mmである
なお、フェノール樹脂発泡体の短辺方向の長さと長辺方向の長さとが同じ長さである場合、何れの方向を長辺方向としてもよく、後述の密度が高い部分が帯状に延びる方向を長辺方向として良い。
上記フェノール樹脂発泡体は、上記長辺方向に沿って帯状に延びる部分であって、当該部分と隣接する部分の密度に対する上記当該部分の密度の増加率が1.0%以上である密度が高い部分を複数有する。密度が高い部分が長辺方向に沿って存在することにより、短辺方向軸および面外方向軸まわりの曲げ強度が向上し、さらに長辺方向の寸法安定性が向上する。
ここで、図1を用いて密度が高い部分について説明をする。
図1の断熱パネル1中に含まれる板状のフェノール樹脂発泡体2は、長辺方向LDに沿って帯状に延びる密度が高い部分21を複数有する。密度が高い部分21は、長辺方向LDに沿って帯状に延びる部分(密度が高い部分21)と隣接する部分22のフェノール樹脂発泡体の密度に対する、密度が高い部分21の密度の増加率が1.0%以上である。ここで、帯状とは、長辺方向LDに対して垂直な断面(図1のX−X断面、図2)において、短辺方向SDにある程度の幅を持った厚さ方向TDに連続的な長さを有する不定形の筋状が長辺方向LDに延びる形状であってよい。なお、帯状の厚さ方向TDに連続的な長さは、フェノール樹脂発泡体2の厚さと同じであってもよいし、異なっていてもよい。フェノール樹脂発泡体2の厚さ方向TDの長さに対して7割以上に相当する連続的な長さを有することが好ましい。また、各密度が高い部分の帯状の形状は異なっていてもよいし、同じであってもよく、少なくとも一つの密度が高い部分の帯が上記を満たすことが好ましく、全ての密度が高い部分の帯が上記を満たすことがより好ましい。また、1つの密度が高い部分における帯状の形状は、長辺方向で同じであってもよいし、異なっていてもよい。
密度が高い部分21と隣接する部分22とは、長辺方向LDに対して垂直な断面(図1のX−X断面、図2)において、短辺方向SDに隣接する部分をいう。
密度が高い部分21は、例えば、隣り合う複数の吐出口から吐出された複数の筋状の発泡性フェノール樹脂組成物が、発泡する過程において合一化する際に形成される。ただし、この合一化する際の筋状の各発泡性フェノール樹脂組成物の外表面はある程度硬化が進んでいることが重要である。
帯状の形状は、例えば、フェノール樹脂発泡体製造時の吐出口の間隔等の吐出条件、面材の走行速度、発泡硬化条件等により調整することができる。また、上記密度が高い部分は、フェノール樹脂発泡体の側面(短辺方向SDと厚さ方向TDとからなる表面)又は長辺方向LDに対して垂直な断面を目視する方法や、フェノール樹脂発泡体製造時に面材の走行方向に発生する溝又はスジの位置、発泡体の色調、模様、及び物性の変動等を考慮する方法等により確認することができる。
上記密度が高い部分21は、当該部分と隣接する部分の密度に比べて、密度の増加率が1.0%以上である。上記密度が高い部分21の密度は、曲げ強度に一層優れる観点から、密度が高い部分に隣接する部分22の密度(100%)に対して、1〜10%高いことが好ましく、3〜10%高いことがより好ましい。また、上記密度が高い部分21の密度は、29〜35kg/m3であることが好ましく、より好ましくは32〜35kg/m3である。
なお、上記密度が高い部分の密度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
複数の上記密度が高い部分21は、互いに略平行に設けられることが好ましい。
隣り合う上記密度が高い部分21の間隔は、90mm以下であり、30〜90mmであることが好ましく、より好ましくは50〜90mmである。上記間隔が90mm以下であることにより、短辺方向軸および面外方向軸まわりの曲げ強度及び寸法安定性に優れる。上記間隔が複数ある場合、各間隔は同じであってもよいし異なっていてもよく、少なくとも一つの間隔が上記範囲を満たすことが好ましく、全ての間隔が上記範囲を満たすことがより好ましい。
上記間隔は、例えば、フェノール樹脂発泡体製造時の吐出口の間隔等の吐出条件、面材の走行速度、発泡硬化条件等により調整することができる。また、上記間隔は、後述の実施例に記載の「密度の測定方法」のC(n)とC(n+1)との距離とすることができる。
上記密度が高い部分21は、短辺方向SDの長さ1mあたり8個以上有し、8〜30個有することが好ましく、より好ましくは8〜20個である。密度が高い部分が1mあたり8個以上であると、短辺方向軸および面外方向軸まわりの曲げ強度が向上し、それにより現場施工時のハンドリング強度が向上する。また、従来の断熱パネルをビス留め施工する際に稀に生じることがあった、浮き上がりによる破損を防止することができる。一方、密度が高い部分が1mあたり30個以下であれば、吐出設備が複雑化することなく、操作性に優れる。
短辺方向SDの長さ当たりの密度が高い部分の数は、例えば、フェノール樹脂発泡体製造時の吐出口の間隔等の吐出条件、面材の走行速度、発泡硬化条件、予成形工程の有無等により調整することができる。
上記フェノール樹脂発泡体における密度の高い部分に隣接する部分22のフェノール樹脂発泡体の密度は、26〜30kg/m3であることが好ましく、より好ましくは26〜28kg/m3である。
なお、上記密度は、後述する密度の測定方法に従うこととする。
なお、フェノール樹脂発泡体全体の平均密度は15kg/m3以上であればよいが、上述の密度が高い部分21及び密度が高い部分に隣接する部分22の密度に対応して、26kg/m3以上35kg/m3以下であることが好ましく、27kg/m3以上33kg/m3以下がより好ましい。密度が上記下限値以上であれば曲げ強度をより高められ、上記上限値以下であれば、断熱パネルの断熱性をより高められる。
フェノール樹脂発泡体の発泡層全体の平均密度は、JIS A9521:2017に準じて測定される値とする。
(面材)
上記面材3としては、ポリエステル不織布、ポリプロピレン不織布、無機質充填ガラス繊維不織布、ガラス繊維不織布、紙、ガラス繊維混抄紙、炭酸カルシウム紙、ポリエチレン加工紙、ポリエチレンフィルム、プラスチック系防湿フィルム、アスファルト防水紙、アルミニウム箔等のシート状・フィルム状面材や、普通合板、構造用合板、パーティクルボード、OSB、ミディアムデンシティーファイバーボードなどの木質系ボードおよび木毛セメント板、木片セメント板、石膏ボード、フレキシルボード、ケイ酸カルシウム板、火山性ガラス質複層板、金属板等のボード状面材等の既知の面材を用いることができる。
(断熱パネルの用途)
上記断熱パネルは、例えば、建築物の断熱部材として用いることができ、建築物の新築時に用いてもよいし、改築時に用いてもよい。
上記断熱パネルは、建築物の下地材の前面に芋目地貼り等の方法で貼り合わせて用いることができる。中でも、断熱パネルの密度が高い部分が延びる方向と、芋目地貼りにおける縦目地とが、略平行となるように(例えば、断熱パネルの密度が高い部分が延びる方向が鉛直方向となるように)、縦貼りすることが好ましい。
密度が高い部分が延びる方向と縦目地の方向とを平行にすることにより、地震時に加わる外力によって発生する耐力面材等の下地材の水平軸方向周りの折れ曲がりに対して、断熱パネルの短辺方向軸まわりの曲げ強度が寄与し、耐力面材の水平方向軸周りの曲げ破壊を抑制し、壁全体の耐震性を一層向上させることができる。
ここで、芋目地貼りとは、図5に示すような、横目地1Aを略水平方向に沿って延在させ、且つ、縦目地1Bを略鉛直方向に沿って延在させ、縦目地1Bの位置を上下の段で揃える貼り方である。縦貼りとは、図5に示すような、縦目地1B方向に長いパネルを並べる貼り方である。
(断熱パネルの製造方法)
断熱パネルの製造方法は、発泡性フェノール樹脂組成物を混合機にて混合する混合工程と、混合した発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に筋状に吐出する吐出工程と、下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物からフェノール樹脂発泡体を製造する発泡体製造工程とを備える連続製造方式を採用することが可能である。
筋状に吐出するためには、先端に複数のノズルを有し、混合された発泡性フェノール樹脂組成物が均一に分配されるような分配部を経由して吐出されることが好ましく、ノズルの数は吐出幅1mあたり8個以上であることが好ましく、より好ましくは10個以上40個以下であり、特に好ましくは12個以上30個以下である。
上記断熱パネルの製造方法は、連続製造方式において、下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物を上面材で被覆した後、発泡及び硬化させながら上下方向から均すように予成形を行う、予成形工程を経て、発泡及び硬化を進めつつ板状に成形していくことが重要である。
予成形工程において予成形を行う方法としては、スラット型ダブルコンベアを利用する方法や、金属ロールもしくは鋼板を利用する方法、さらには、これらを複数組み合わせて利用する方法等、製造目的に応じた種々の方法が挙げられる。このうち、例えば、スラット型ダブルコンベアを利用して成形する場合には、上下の面材で被覆された発泡性フェノール樹脂組成物をスラット型ダブルコンベア中へ連続的に送り入れた後、加熱しながら上下方向から圧力を加えて、所定の厚みに調整しつつ、発泡及び硬化させ、板状に成形することができる。
下面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物を発泡、硬化させつつ上面材上から予成形を行う工程は、65℃以上80℃以下とすることが望ましい。65℃未満であると、予成形工程での発泡の促進及び筋状に吐出された発泡性フェノール樹脂樹脂組成物表面の硬化が不十分となり、予成形効果が十分得られないため、製品であるパネルを切り出した際、パネル短辺に平行な断面上にて、密度が高い部分(色調が濃い部分)が得られ難い。また、80℃超とすると、前記密度が高い部分は得られやすいものの、密度が高い部分の周辺に沿って隙間が生じやすくなり均一な性状の断熱パネルが得られ難くなる。
また、予成形を行うタイミングも重要である。すなわち、発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出してから、予成形するまでの時間は、70秒以上150秒以下であることが好ましい。70秒未満であると、予成形工程での発泡の促進及び筋状に吐出された発泡性フェノール樹脂樹脂組成物表面の硬化が不十分となり、予成形効果が十分得られないため、製品であるパネルを切り出した際、パネル短辺に平行な断面上にて、密度が高い部分(色調が濃い部分)が得られ難い。また、発泡性フェノール樹脂組成物を下面材上に吐出してから、予成形までの時間を150秒超とすると、前記密度が高い部分は得られやすいものの、該密度が高い部分の周辺に沿って隙間が生じやすくなり均一な性状の断熱パネルが得られ難くなる。
予成形工程に続き、本成形工程及び後硬化工程を設け、段階的に昇温させることが重要である。予成形工程に続く本成形工程の加熱温調条件は、80℃以上100℃以下であることが望ましい。該区間において、無端スチールベルト型ダブルコンベアまたはスラット型ダブルコンベア、もしくはロール等を用いて本成形を行うことができる。また、本成形工程の滞留時間は、発泡及び硬化反応を行わせる主工程であることから、5分以上2時間以内とすることが好ましい。滞留時間が5分以上であると発泡と硬化を十分に促進させることができる。また、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡及び硬化がある程度終了すると、得られるフェノール樹脂発泡体の特性はほとんど変化しない。このため、滞留時間が2時間以内であるとフェノール樹脂発泡体の生産効率を高めることができる。なお、コンベアを用いる際には、上下のコンベア温度差は4℃未満であることが好ましい。
予成形工程及び本成形工程の温調区間を経て加熱温調した後に、後硬化工程を適用することがより好ましい。後硬化工程の温度は、100℃以上120℃以下であることが好ましい。100℃未満であると、フェノール樹脂発泡体中の水分が放散しにくくなり、120℃超であると、製品の独立気泡率が低下し製品の断熱性能が低下する。後硬化工程の温調区間を設けることで、最終成形した後に、フェノール樹脂発泡体中の水分を放散させることができる。
厚み精度に優れる断熱パネルを効率的に製造する観点からは、走行する面材上に連続的に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物を発泡及び硬化させて形成した長尺の発泡体を走行方向に直交する方向に裁断して断熱パネルを製造することが好ましく、ラミネートボード発泡法を用いて形成した長尺の発泡体を走行方向に直交する方向に裁断して断熱パネルを製造することがより好ましい。
断熱パネル1としては、面材3を有さない、フェノール樹脂発泡体2のみからなる断熱パネルは、走行する面材上に吐出した発泡性フェノール樹脂組成物を発泡及び硬化させて形成した発泡体から面材を剥離すること等により製造することができる。また、断熱パネル1としては、フェノール樹脂発泡体2の両側の表面に面材3が積層一体化されていない断熱パネルを用いることも可能である。
[外張り断熱壁構造]
本実施形態の外張り断熱壁構造は、建築物の下地材の前面に芋目地貼りされた断熱パネルを有する。本実施形態の外張り断熱壁構造は、特に限定されないが、例えば、図3に示すような構成を有している。
具体的には、図3に示す外張り断熱壁構造は、木造建築物等の建築物の構造躯体である柱5の外側に任意に設けられた耐力面材6の前面に、芋目地貼りされた断熱パネル1が設けられ、断熱パネル1の前面に胴縁7を介して、外壁材8が設けられている。断熱パネル1の横目地及び縦目地には、気密テープが貼られていてもよい。
本実施形態の外張り断熱壁構造において、断熱パネルは、建築物の躯体と、外壁材との間に設けられていることが好ましい。
本実施形態の外張り断熱壁構造は、帯状の密度が高い部分を複数有する断熱パネルが特定の方向に設けられていることを特徴とする。
なお、図3では、断熱パネルの長辺方向と縦目地1B方向とが平行となる図を示したが、本実施形態の外張り断熱壁構造は、上記任意の方向(即ち、帯状の密度が高い部分が延びる方向)が縦目地の方向と平行であれば、断熱パネルを設置する方向は他の方向としてもよい。
上記断熱パネルは、断熱パネルの表面上の任意の方向に沿って帯状に延びる部分であって、当該部分と隣接する部分の密度に対する上記当該部分の密度の増加率が1.0%以上である密度が高い部分を複数有し、上記任意の方向に対して垂直な断面において上記密度が高い部分が該断面の長い辺方向の長さ1mあたり8個以上である。
上記密度が高い部分の間隔は90mm以下であることが好ましい。
上記任意の方向は、長辺方向に限定されず、例えば長辺方向LDとしてもよいし、その他の方向としてもよい。
上記任意の方向に対して垂直な断面とは、フェノール樹脂発泡体を厚さ方向に切った断面であり、例えば、任意の方向が長辺方向である場合、図2に示す断面である。該断面の長い辺とは、厚さ方向に直交する方向をいい、例えば、任意の方向が長辺方向である場合、図2の短辺方向SDである。
本実施形態の外張り断熱壁構造における上記断熱パネルとしては、上記任意の方向が長辺方向である、上述の本実施形態の断熱パネルとしてもよい。
本実施形態の外張り断熱壁構造は、上記任意の方向と縦目地の方向とが平行である。ここで耐力面材等の下地材を有する建物において、地震等の外力がかかった場合、建物の終局強度は耐力面材の上端・下端いずれか/両方が浮き上がるような変形性状を示しながら破壊に至ることが主導的である。このような変形を抑制する意味で密度が高い部分が延びる方向と、縦目地の方向とが平行であることにより、地震時に加わる外力による耐力面材等の下地材の水平方向軸周りの曲げ破壊を抑制し、耐震性を向上させることができる。また、耐熱パネルの縦目地の方向の寸法安定性に優れ、長期にわたり、耐震性に優れる構造を維持することができる。
なお、本明細書において、平行とは、厳密に平行のみに限定されるものではなく、本発明の効果が得られる範囲において、ほぼ平行を含むものとする。
ここで、下地材としては、特に限定されることなく、木造建築の柱、間柱、RC構造の壁等の構造躯体や普通合板、構造用合板、パーティクルボード、OSB、ミディアムデンシティーファイバーボードなどの木質系ボードおよび木毛セメント板、木片セメント板、石膏ボード、フレキシルボード、ケイ酸カルシウム板、火山性ガラス質複層板、金属板等の材料からなる耐力面材等が挙げられる。
断熱パネル1を耐力面材6等の下地材に、断熱パネルを固定する方法としては、例えば、釘、ねじ、両面テープ、接着剤等を用いた方法が挙げられる。上記釘、上記ねじとしては、特に限定されず、公知のものを使用することができる。上記両面テープ、上記接着剤としては、例えば、既知の建築用の両面テープ、接着剤等を用いることができ、下地材の一部にのみ用いてもよいし、全面に用いてもよい。
断熱パネルを固定する前に、仮固定をしてもよいし、仮固定をしなくてもよい。
上記胴縁7としては、特に限定されず、建築用の胴縁として木材や樹脂等からなる公知の材料を使用することができる。
上記外壁材8としては、サイディング、鋼板、モルタル、ALC(軽量気泡コンクリート)等の既知の材料からなる壁を用いることができる。
本実施形態の外張り断熱壁構造において、断熱パネルを貼る際の縦目地が、下地材としての柱及び間柱の少なくとも一方の前面上に位置するように、断熱パネルを設置することが好ましい。即ち、図4に示すように、柱5の前面上に、耐力面材6を介して、断熱パネル1の縦目地1Bが位置することが好ましい。
通常、建築物の強度の観点から構造躯体である柱5と、胴縁7とは対向する位置に設けられる。ここで、断熱パネルの縦目地1Bを柱5の前面上に設けると、縦目地1Bを胴縁7でふさぐことができる。これにより、表面に露出する目地の割合が減り、外部から断熱パネルの目地を通して水分が侵入しにくくなり、防水性が著しく向上する。特に、一定期間経過後に剥がれるおそれがある気密テープ等を目地に貼って目地をふさいだ場合等に比べ、長期にわたり目地をふさぐことができ、長期にわたり優れた防水性を維持することができる。
上記防水性の効果は、図5に示すように、断熱パネルの長辺の方向が縦目地の方向となるように配置することで、目地の割合を一層減らすことができ、更に優れた防水性の効果が得られる。
(外張り断熱壁構造の製造方法)
本実施形態の外張り断熱壁構造は、例えば、建築物の下地材の前面に断熱パネルを芋目地貼りすることにより製造することができる。
上記断熱パネルの上記任意の方向は、断熱パネルの側面を目視して密度が高い部分を確認し、密度が高い部分が延びる方向を特定して、判断することができる。
外張り断熱壁構造の製造方法は、上記任意の方向と上記縦目地の方向とが平行になるように芋目地貼りする以外は特に限定されることなく、ねじや接着剤等の既知の手段を用いて断熱パネルを下地材の前面に貼り付けることができる。具体的には、例えば、下側の段から上側の段に向かって、一段ずつ断熱パネルを下地材に貼りつけることができる。
以下に、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
フェノール樹脂100質量部に対して、界面活性剤としてエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドのブロック共重合体とポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルを質量比率でそれぞれ50%ずつ含有する組成物を3.0質量部の割合で混合した。これをフェノール樹脂組成物とする。上記界面活性剤を含むフェノール樹脂組成物100質量部に対して、発泡剤としてイソプロピルクロリド40質量%と1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン60質量%の混合物6.8質量部、発泡核剤として窒素を発泡剤に対して0.50質量%、更に、酸性硬化剤としてキシレンスルホン酸80質量%とジエチレングリコール20質量%の混合物からなる組成物を10質量部添加し、20℃に温調した回転数可変式のミキシングヘッドに供給した。混合し、得られた発泡性フェノール樹脂組成物をマルチポート分配管にて分配し、移動する下面材上に供給した。なお、混合機(ミキサー)は、特開平10−225993号に開示されたものを使用した。即ち、混合機の上部側面に、フェノール樹脂組成物及び発泡核剤を含む発泡剤の導入口があり、回転子が攪拌する攪拌部の中央付近の側面に酸性硬化剤の導入口を備えている混合機を使用した。攪拌部以降は発泡性フェノール樹脂組成物を吐出するための12本のノズルに繋がっており、吐出幅は1000mmとした。即ち、混合機は、酸性硬化剤導入口までを混合部(前段)、酸性硬化剤導入口〜攪拌終了部を混合部(後段)、攪拌終了部〜ノズルを分配部とし、これらにより構成されている。分配部は先端に複数のノズルを有し、混合された発泡性フェノール樹脂組成物が均一に分配されるように設計されている。
また、マルチポート分配管の吐出口には、発泡性フェノール樹脂組成物の温度を検出できるように熱電対が設置してあり、ミキシングヘッドの回転数は600rpmに設定した。下面材上に供給した発泡性フェノール樹脂組成物は、75℃に温調された予成形工程に導入され、80秒後に、上面材上方より、フリーローラーにて予成形を行った。その後、二枚の面材で挟み込まれるようにして、83℃に加熱されたスラット型ダブルコンベアに導入され(本成形工程)、15分の滞留時間で硬化させた後、110℃のオーブンで2時間キュアさせ(後硬化工程)、厚み50mmの断熱パネルを得た。なお、上下面材としては、可撓性面材であるガラス繊維混抄紙(目付量70g/m2)を使用した。得られた断熱パネルの短辺方向の長さ(幅)は、硬化後に幅方向両端部が切除されることで、910mmとなり、フェノール樹脂発泡体全体の平均密度は、29.5kg/m3であり、密度が高い部分のフェノール樹脂発泡体の平均密度は30.2kg/m3、密度が高い部分に隣接する部分のフェノール樹脂発泡体の平均密度は29.1kg/m3であった。また、フェノール樹脂発泡体の密度の増加率が1.0%以上となる部分の個数は、パネル短辺方向の長さ1mあたり10個存在した。本例における密度分布の測定結果を図6に示す。なお、実施例1の断熱パネルは、長辺方向の長さを1820mmに切断した。
(実施例2)
予加熱室を設けて、下面材上に供給した発泡性フェノール樹脂組成物が75℃に温調された予成形工程に導入され、80秒後に、上面材上方より、フリーローラーにて予成形を行った以外は、特許第6123015号公報の段落0076〜0082に記載された手順と同様にして、特許第6123015号公報の実施例2の条件にて実施した。すなわち、発泡性フェノール樹脂組成物を吐出するためのノズル本数は20本、吐出幅は1000mmとした。得られた断熱パネルの幅は、硬化後に幅方向両端部が切除されることで、910mmとなり、フェノール樹脂発泡体の平均密度は、30kg/m3であった。また、フェノール樹脂発泡体の密度の増加率が1.0%以上となる部分の個数は、パネル短辺方向の長さ1mあたり18個存在した。なお、実施例2の断熱パネルは、長辺方向の長さを1820mmに切断した。
(比較例1)
特許第6123015号公報の段落0076〜0082に記載された手順と同様にして、特許第6123015号公報の実施例2の条件にて実施した。すなわち、特許第6123015号公報に記載の図2に示すような、予加熱室が存在しない製造システムを用い、発泡性フェノール樹脂組成物を吐出するためのノズル本数は20本、吐出幅は1000mmとした。フェノール樹脂発泡体の両面に面材(ガラス繊維混抄紙、目付70g/m2)を備える断熱パネルを得た。
得られた断熱パネルの幅は、硬化後に幅方向両端部が切除されることで、910mmとなり、フェノール樹脂発泡体全体の平均密度は、30kg/m3であった。また、フェノール樹脂発泡体の密度の増加率が1.0%以上となる部分の個数は、パネル短辺幅1mあたり4個存在した。なお、比較例1の断熱パネルは、長辺方向の長さを1820mmに切断した。
(実施例3)
建築物の躯体および耐力面材等の下地材の前面に、実施例1で得られた断熱パネルを、帯状に延びる密度が高い部分が縦目地の方向と平行となるようにして芋目地貼りし、断熱パネルの外表面に防水材、通気層を介して、ALC(軽量気泡コンクリート)の外壁材を施すことにより、外張り断熱壁構造を製造した。なお、建築物の柱の前面上に縦目地が位置するように断熱パネルを設置した。
(比較例2)
建築物の躯体および耐力面材等の下地材の前面に、比較例1で得られた断熱パネルを、帯状に延びる密度が高い部分が縦目地の方向と平行となるようにして芋目地貼りし、断熱パネルの外表面に防水材、通気層を介して、ALC(軽量気泡コンクリート)の外壁材を施すことにより、外張り断熱壁構造を製造した。なお、建築物の柱の前面上に縦目地が位置するように断熱パネルを設置した。
実施例3の外張り断熱壁構造は、比較例2の外張り断熱壁構造よりも、面内強度が向上し、耐震性に優れていた。
(評価方法)
(密度の測定方法)
1枚の断熱パネルの長辺方向両端からそれぞれ長辺方向に100mm程度の箇所と、長辺方向中央部付近で、それぞれの箇所で長辺方向の長さ約80mmの略直方体片が得られるように、長辺方向に対して垂直な面に沿って切断し、3つの試験片を用意する。切り出した試験片の短辺方向に平行な一方の断面上で、密度が高い部分(色調が濃い部分)を目視確認する。試験片左端側(短辺方向の一方の端側)の密度が高い部分において、概ね中心と判断できる箇所をC1とし、目視で右隣の密度が高い部分の中心と判断できる箇所C2、およびC1とC2の中間D1の位置を決定する。同様にC3およびD2、C4およびD3の位置を決定し、これを試験片右端側(短辺方向の他方の端側)の密度が高い部分Cmまで行う。C1およびCmにおいては、隣接する試験片末端までの中間をそれぞれD0、Dmとする。
上記によって定めたC1〜Cm、D0〜Dmそれぞれの位置において、当該部分を中心に左右に7.5mmずつ計15mm幅の試料を採取する。3か所から切り出した全ての試験片について、上記試料を全て採取して、それぞれ面材を除去する。
各々の試料について、直方体の形状であると仮定して、幅、長さ、高さを試料のそれぞれ2か所以上測定し、平均値を用いて体積を算出する。最後に、重量を測定し、体積で除することによって密度に換算する。
(密度増加率の算出方法)
C1からCmまで、それぞれのC(n)における密度増加率を下記式で算出する。
C(n)密度増加率(%)=(C(n)密度−D(n)密度平均)×100/D(n)密度平均
ここで、D(n)密度平均=(D(n−1)密度+D(n)密度)/2
密度増加率が1.0%以上となるCの数を数え、短辺方向の長さ1mあたりの個数を算出する。
(曲げ強度の測定方法)
上記密度測定方法と同様に1枚の断熱パネルの長辺両端からそれぞれ長辺方向に300mm程度の箇所と長辺方向中央部付近で、断熱パネルの長辺方向と試料の長辺方向が揃うよう、長辺方向の長さは(密度測定方法)と異なり約300mmで、断熱パネルの長辺方向に対して垂直な面に沿って切断した3つの試験片を用意する。上記C1〜CmおよびD0〜Dmと同様に箇所を設定し、同じく当該部分を中心に左右に7.5mmずつ計15mm幅の試料を採取する。本試料を用い試料の長辺方向を支持間隔方向としてJIS A9521(2017)、6.11.2「b試験装置」「c試験方法」に準じて、測定した値を曲げ強度とした。
本発明の断熱パネルは、曲げ強度に優れるため、建築物の断熱材として用いることができる。また、本発明の外張り断熱壁構造は、耐震性に優れる。
1 断熱パネル
1A 横目地
1B 縦目地
2 フェノール樹脂発泡体
21 密度が高い部分
22 密度が高い部分に隣接する部分
3 面材
4 外張り断熱壁構造
5 柱
6 耐力面材
7 胴縁
8 外壁材
LD 長辺方向
SD 短辺方向
TD 厚さ方向

Claims (3)

  1. 短辺方向の長さが800mm以上1100mm以下であり、長辺方向の長さが1100mm以上であるフェノール樹脂発泡体を含む断熱パネルであって、
    前記フェノール樹脂発泡体内に、前記長辺方向に沿って帯状に延びる部分であって、当該部分と隣接する部分の密度に対する前記当該部分の密度の増加率が1.0%以上である密度が高い部分を複数有し、
    前記密度が高い部分が、前記短辺方向の長さ1mあたり8個以上ある、
    ことを特徴とする断熱パネル。
  2. 建築物の下地材の前面に芋目地貼りされた断熱パネルを有する外張り断熱壁構造であって、
    前記断熱パネルが、断熱パネルの表面上の任意の方向に沿って帯状に延びる部分であって、当該部分と隣接する部分の密度に対する前記当該部分の密度の増加率が1.0%以上である密度が高い部分を複数有するフェノール樹脂発泡体を含み、前記任意の方向に対して垂直な断面において前記密度が高い部分が該断面の長い辺方向の長さ1mあたり8個以上ある断熱パネルであって、
    前記任意の方向と縦目地の方向とが平行である、
    ことを特徴とする外張り断熱壁構造。
  3. 前記縦目地が前記建築物の柱及び/又は間柱の前面上に位置するように前記断熱パネルを設置した、請求項2に記載の外張り断熱壁構造。
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