JP3998488B2 - 作業機の変速操作構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行変速に無段変速装置を利用した田植機などの作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の作業機では一般に、エンジンの回転速度を設定する調速機構(ガバナ)は、任意の操作位置に保持可能なアクセルレバーに連係されており、このアクセルレバーを操作してエンジン回転速度を所望の速度に保持していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
作業機においては、作業走行時にはエンジン出力を高めるために、エンジン回転速度を十分高い回転速度(例えばフルアクセル)に設定保持するのであるが、作業中に変速操作具を走行速度が零となる停止用操作位置(中立位置など)に操作して走行を停止しても、エンジン回転速度は高いままであり、そのままではエンジン騒音が大きく、また、燃料消費も無駄になる。そこで、機体を停止すると、アクセルレバーを操作してエンジンの調速機構を低速回転状態に下げるようにしている。そして、作業走行を再開する場合には、アクセルレバーを増速操作してエンジン出力を上げるようにしており、頻繁にアクセルレバーを操作することになり、煩わしいものであった。
【0004】
また、機械に詳しくない作業者はアクセルレバーの操作を忘れることがあり、エンジン回転速度を上げたまま機体を停止して無駄に燃料を消費したり、エンジン回転速度を上げないままで作業を行って、エンジン出力不足でエンジンストップに陥ったりするおそれがあった。
【0005】
また、例えば機体の後部に苗植付け装置(作業装置)を油圧シリンダなどの油圧アクチュエータで駆動昇降可能に連結してある田植機では、後進走行すると油圧アクチュエータを作動させて苗植付け装置を自動的に上昇させることで、後進時に苗植付け装置を畦にぶつけてしまうような事故を未然に回避する機能、いわゆるバックアップ機能が備えられたものがあるが、このような機種では、エンジン回転速度が低く設定されたまま後進を行うと、エンジンによって駆動される油圧ポンプの吐出量が少ないために、バックアップ機能による苗植付け装置の上昇速度が遅いものとなり、畦への衝突をうまく回避できなくなるおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、変速操作構造に改良を加えることで特別なアクセル操作を要することなく走行状態に適したエンジン回転状態を得るようにし、もって、上記不具合を解消しようとしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
[請求項1に係る発明の構成・作用・効果]
【0012】
請求項1に係る発明の作業機の変速操作構造は、走行機体に油圧アクチュエータによって駆動昇降可能に作業装置を連結し、走行用の無段変速装置の変速操作具とエンジンの調速機構とを連係し、変速操作具が前進走行状態から前進走行速度を零とする前進操作側停止用操作位置にあるとき前記調速機構が低速エンジン回転状態に操作され、変速操作具が前記前進操作側停止用操作位置から外れた前進走行変速域の低速操作位置から順次最高速操作位置に操作されると、これに連動して調速機構が自動的に前記低速エンジン回転状態より漸次前進最高速へ向う高速のエンジン回転状態に操作されるように構成し、前記変速操作具を停止用操作位置に維持した状態で、前記変速操作具を前記前進操作側停止用操作位置から後進操作側停止用操作位置へ操作することで、前記調速機構を前記低速エンジン回転状態から前記前進最高速のときのエンジン回転速度よりも低い高速エンジン回転状態に切り換えるように構成するとともに、前記変速操作具が前記後進操作側停止用操作位置から後進変速域の後進低速操作位置乃至後進最高速操作位置に操作された場合は、調速機構が前記前進最高速のときのエンジン回転速度よりも低い高速エンジン回転状態で、且つ前記後進操作側停止用操作位置でのエンジン回転速度と、後進低速操作位置乃至後進最高速操作位置の全ての各後進操作位置におけるエンジン回転速度との偏差が、前記変速操作具を前記前進操作側停止用操作位置に位置しているときの低速のエンジン回転速度と前記後進操作側停止用操作位置へ操作したときの高速のエンジン回転速度の偏差よりも小幅となるように構成され、前記変速操作具が後進側操作位置に操作されるのに連動して前記作業装置を設定レベルまで上昇させるように構成している。
【0013】
上記構成によると、変速操作具を前進操作側停止用操作位置において走行を停止している時にはエンジン回転速度は低速となり、エンジンの駆動騒音や振動が少なく、燃料消費の少ない運転状態となる。変速操作具を前進操作側停止用操作位置から前進走行変速域に操作して走行を行うと、自動的にエンジン回転速度が高められ、エンジン出力の高い状態での走行となる。
また、機体を停止して放置しておく場合には、変速操作具を前進操作側停止用操作位置に操作してエンジンを止めることになるので、次にエンジンを始動する場合には、調速機構は低速回転状態に設定されており、寒冷時や寒冷地ではエンジン始動が困難になることがある。このような場合には、前進操作側停止用操作位置にある変速操作具を前進操作側停止用操作位置から後進操作側停止用操作位置へ操作することで、調速機構を燃料供給量の多い前進最高速よりも低い高速回転状態に切換えることができ、エンジン始動を確実に行う状態を得ることができる。
そして、エンジンがかかっている状態で、変速操作具を後進側操作位置に操作すると、これに連動してエンジンの回転を高速回転にして作業装置が設定レベルまで上昇される。
【0014】
従って、請求項1に係る発明によると、走行を停止するたびにアクセルレバーを操作してエンジン回転速度を下げ、また、走行を行うたびにアクセルレバーを操作してエンジン回転速度を上げるような煩わしいアクセル操作が不要となり、取扱い性を向上することができるとともに、寒冷時や寒冷地においても、機体停止状態のままでエンジン始動を確実に行うことが可能となり、一層取扱い性を向上することができる。
そして、変速操作具を後進側操作位置に操作することで、これに連動してエンジンの回転を高速回転にして作業装置の上昇を迅速・確実に行うことができる。
【0015】
[請求項2に係る発明の構成・作用・効果]
【0016】
請求項2に係る発明の作業機の変速操作構造は、走行機体に油圧アクチュエータによって駆動昇降可能に作業装置を連結し、走行用の無段変速装置の変速操作具とエンジンの調速機構とを連係し、変速操作具が前進走行状態から前進走行速度を零とする停止用操作位置にあるとき前記調速機構が低速エンジン回転状態に操作され、変速操作具が前記停止用操作位置から外れた前進変速域の低速操作位置から順次最高速操作位置に操作されると、これに連動して調速機構が自動的に前記低速エンジン回転状態より漸次前進最高速へ向う高速のエンジン回転状態に操作されるように構成し、前記変速操作具を停止用操作位置から後進変速域へ操作することで、前記調速機構を前記前進最高速のときのエンジン回転速度よりも低い高速エンジン回転状態に切り換えるように構成するとともに、前記変速操作具が前記停止用操作位置から後進変速域の後進低速操作位置乃至後進最高速操作位置に操作された場合は、調速機構が前記前進最高速のときのエンジン回転速度よりも低い高速エンジン回転状態で、且つ前記後進変速域における後進低速操作位置でのエンジン回転速度と、他の後進操作位置の全ての各後進操作位置におけるエンジン回転速度との偏差が、前記変速操作具を前記停止用操作位置に位置しているときの低速のエンジン回転速度と前記後進低速操作位置へ操作したときの高速のエンジン回転速度の偏差よりも小幅となるように構成され、前記変速操作具が後進側操作位置に操作されるのに連動して前記作業装置を設定レベルまで上昇させるように構成している。
【0017】
上記構成によると、変速操作具を停止用操作位置において走行を停止している時にはエ ンジン回転速度は低速となり、エンジンの駆動騒音や振動が少なく、燃料消費の少ない運転状態となる。変速操作具を停止用操作位置から前進走行変速域に操作して走行を行うと、自動的にエンジン回転速度が高められ、エンジン出力の高い状態での走行となる。
また、機体を停止して放置しておく場合には、変速操作具を停止用操作位置に操作してエンジンを止めることになるので、次にエンジンを始動する場合には、調速機構は低速回転状態に設定されているので、エンジンを低速で始動させることができる。
そして、エンジンがかかっている状態で、変速操作具を後進側操作位置に操作すると、これに連動してエンジンの回転を高速回転にして作業装置が設定レベルまで上昇される。
【0018】
従って、請求項2に係る発明によると、走行を停止するたびにアクセルレバーを操作してエンジン回転速度を下げるような煩わしいアクセル操作が不要となり、取扱い性を向上することができる。
そして、変速操作具を後進側操作位置に操作することで、これに連動してエンジンの回転を高速回転にして作業装置の上昇を迅速・確実に行うことができる。
【0019】
[請求項3に係る発明の構成・作用・効果]
【0020】
請求項3に係る発明の作業機の変速操作構造は、請求項1又は2に係る発明において、前記変速操作具が後進側操作位置に操作されたことを検出する後進検出スイッチを設け、この後進検出スイッチの検出に基づいて前記作業装置を設定レベルまで上昇させるように構成し、作業装置が設定高さに上昇するまでの間は調速装置を高速回転状態に維持するように構成している。
【0021】
上記構成によると、変速操作具が後進操作側停止用操作位置または後進変速域の後進変速位置である後進側操作位置に操作されると、変速操作具が後進側操作位置に操作されたことを検出する後進検出スイッチの検出に基づいて走行機体の後部に油圧式に駆動昇降可能に連結した作業装置を設定レベルまで自動上昇させるバックアップ制御が行われる。この場合、作業装置が設定レベルにまで上昇するまでは調速装置を高速回転状態に維持するようにしてあるから、バックアップ制御が実行される際に、作業装置の油圧昇降手段に十分な圧油供給を行うことができ、作業装置を速やかに上昇させることができる。しかも、作業装置が設定レベルにまで上昇すると、変速操作具の操作位置に応じた回転状態に調速装置を自動的に戻すようにしてあるから、バックアップ制御の後に後進が異常に高速化することを防止することができる。
【0022】
従って、請求項3に係る発明によると、バックアップ制御中の作業装置の上昇を確実迅速に行って、畦などの後方障害物への衝突を回避することができ、しかも、バックアップ制御後の後進を速過ぎない速度で無理なく行うことができ、取扱い性を高める上で有効となる。
【0023】
[請求項4に係る発明の構成・作用・効果]
【0024】
請求項4に係る発明の作業機の変速操作構造は、請求項1〜3のうちのいずれか一つに係る発明において、変速操作具としての変速レバーの前進変速操作経路と後進変速操作経路とを、停止用操作位置としての中立位置において変速操作方向に直交する方向の前後進切換経路を介して接続し、前後進切換経路の中間部位を越えて変速レバーが後進変速操作経路側に位置したとき、調速装置を高速回転状態に切り換えるように構成して、変速レバーの前後進切換経路の中間部位を越えて後進変速操作経路側への作動に抵抗を付与する抵抗付与手段を設け、後進変速操作経路に変速レバーが位置することを検出する手段を設けて、前記検出に基づいて、走行機体に油圧アクチュエータによって駆動昇降可能に連結した作業装置を設定レベルまで上昇させるように構成している。
【0025】
上記構成によると、前進変速操作経路から後進変速操作経路への前後進切換経路を介して変速レバーを移動させることにより、調速装置を高回転状態に切り換えるようにしてあるから、後進に入る前にエンジンを高速回転させて作業装置上昇用の油圧ポンプからの圧油供給量を十分に確保することができる。
前後進切換経路での変速レバーに抵抗を付与するようにしてあるから、変速レバーを後進変速操作経路に移動させるまでの時間を意識して長くでき、圧油供給量の上昇を確実に行わせることができる。
後進変速操作経路に変速レバーが位置することを検出し、この検出に基づいて作業装置を設定レベルまで上昇させるようにしてあるから、圧油供給量を十分確保した後に作業装置を上昇させることができて、作業装置の上昇を迅速・確実に行うことができる。
【0026】
従って、請求項4に係る発明によると、バックアップ制御時における作業装置の上昇を迅速・確実に行えるようになった。
【0027】
[請求項5に係る発明の構成・作用・効果]
【0028】
請求項5に係る発明の作業機の変速操作構造は、請求項1〜4のうちのいずれか一つに係る発明において、変速操作具の操作径路に、変速操作具の操作によって接当変位されるカム部材を配備し、カム部材と調速機構とを機械連係手段を介して連動連結している。
【0029】
上記構成によると、変速操作具の操作に伴ってカム部材が変位され、この変位がワイヤやロッドなどを介して機械的に調速機構に伝えられて、エンジン回転速度が変更調節される。この場合、変速操作具とエンジン回転速度との関係は、カム部材に形成された接当カム面の形状により決まることになる。
【0030】
従って、請求項5に係る発明によると、変速操作具と調速機構との連係を信頼性および耐久性に優れたものにすることができる。また、カム部材の形状によって簡単に両者の連係関係を設定することができるとともに、カム部材の交換によって両者の連係関係を調整変更することも簡単であり、品質や性能の管理が容易となる。
【0031】
[請求項6に係る発明の構成・作用・効果]
【0032】
請求項6に係る発明の作業機の変速操作構造は、請求項1〜5のうちのいずれか一つに係る発明において無段変速装置を正逆転可能な油圧式の無段変速装置で構成している。
【0033】
上記構成によると、無段変速装置に入力したエンジン動力を簡単に正逆転して零速度から連続して変速することができるので、零速発進および前後進の無段変変速を容易に行うことができ、極めて取扱いやすいものとなる。
【0034】
[請求項7に係る発明の構成・作用・効果]
【0035】
請求項7に係る発明の作業機の変速操作構造は、請求項1〜5のうちのいずれか一つに係る発明において、無段変速装置をベルト式の無段変速装置で構成し、無段変速装置と直列に前後進切換え装置を備えて、変速操作具を前後進切換え装置にも連係し、変速操作具を停止用操作位置としての中立位置を介して前進走行域と後進走行域に亘って一連に変速操作可能に構成している。
【0036】
上記構成によると、専用の前後進切換え装置が必要となるが、走行変速系全体としては比較的安価に製作することができるものであり、作業機のコスト低減に有効となる。
【0037】
[請求項8に係る発明の構成・作用・効果]
【0038】
請求項8に係る発明の作業機の変速操作構造は、請求項1〜5のうちのいずれか一つに係る発明において、無段変速装置を、遊星ギヤ機構の変速要素の一つを油圧式の無段変速装置で変速する複合型無段変速装置で構成している。
【0039】
上記構成によると、油圧式の無段変速装置は遊星ギヤ機構の変速要素の一つを変速するものであるので、全体的には伝動効率が高いものであり、エンジン動力を効率よく利用した経済運転を行うことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
図1、図2に作業機の一例として乗用型田植機が示されている。この乗用型田植機は、操向自在な左右一対の前輪1と操向不能な左右一対の後輪2とを備えた乗用型の走行機体3の後部に、6条植え仕様に構成された苗植付け装置4が油圧シリンダ(油圧アクチュエータ) 5によって駆動される平行四連式のリンク機構6を介して昇降自在に連結されるとともに、機体後部に6条仕様の施肥装置7が装備された構造となっている。
【0041】
前記走行機体3の機体フレーム8の前部には、前輪1を軸支したミッションケース9が連結固定されるとともに、機体フレーム8の後部には、後輪2を軸支した後部伝動ケース10がローリング自在に支持されている。また、ミッションケース9から前方に延出された前フレーム11にエンジン12が横向きに搭載されてボンネット13で覆われているとともに、エンジン12の後方に位置する搭乗運転部には、前輪1を操向操作するためのステアリングハンドル14、運転座席15、ステップ16などが備えられ、また、機体前部の左右には、予備の苗を複数段に載置収容する予備苗のせ台17が備えられている。
【0042】
前記苗植付け装置4は、6条分の苗を載置して左右方向に設定ストロークで往復移動される苗のせ台21、苗のせ台21下端から1株分づつ苗を切り出して圃場に植付けてゆく6組の回転式の植付け機構22、植付け箇所を整地する3個の整地フロート23、等を備えて構成されている。また、前記施肥装置7は、運転座席15と苗植付け装置4との間において走行機体3上に搭載されており、粉粒状の肥料を貯留する肥料ホッパー24、この肥料ホッパー24内の肥料を設定量づつ繰り出す繰出し機構25、繰り出された肥料を供給ホース26を介して各整地フロート23に備えた作溝器27に風力搬送する電動ファン28、などを備えており、作溝器27によって田面Tに形成した溝に肥料を送り込んで埋設してゆくよう構成されている。
【0043】
苗植付け装置4は、田面Tに対する高さを安定維持するように自動昇降制御されるようになっており、この制御手段の概略構成が図17のブロック図に示されている。つまり、苗植付け装置4を昇降する前記油圧シリンダ5は、制御装置31によって作動制御される電磁制御弁32に接続されるとともに、中央の整地フロート23を利用したセンサフロートSFの上下変位を検出する変位センサ33が制御装置31に接続されており、この変位センサ33の検出情報に基づいて苗植付け装置4が自動的に昇降制御されるようになっている。
【0044】
つまり、前記変位センサ33からの検出値が設定範囲にあることが判別されると電磁制御弁32は中立に維持され、この時、苗植付け装置4は田面Tに対して標準高さ範囲にある。そして、苗植付け装置4が標準高さ範囲から外れて沈下しかかると、相対的にセンサフロートSFが後部支点xを中心に上方に揺動変位し、これが変位センサ33で検出されて上昇制御が実行され、苗植付け装置4が標準高さ範囲に戻ると上昇制御が停止される。逆に、苗植付け装置4が田面Tに対して浮上しかかると、相対的にセンサフロートSFが後部支点xを中心に下方に揺動変位し、これが変位センサ33で検出されて下降制御が実行され、苗植付け装置4が標準高さ範囲に戻ると下降制御が停止される。このように、変位センサ33からの検出値を設定範囲内に維持するように苗植付け装置4を昇降させることで、苗植付け装置4が田面Tに対して標準高さ範囲に維持されるのである。
【0045】
なお、図17に示すように、前記制御装置31には、運転座席15の右側に配備された植付けレバー34の操作位置を検出するポテンショメータ35、ステアリングハンドル14の右脇に配備された優先昇降レバー36の操作状態を検出する上げスイッチ37と下げスイッチ38が接続されるとともに、苗植付け装置4への動力伝達を断続する後述の植付けクラッチ44を入り切り操作する電動モータ39が接続されている。前記植付けレバー34は前後揺動操作によって、「植付け」,「下げ」,「中立」,「上げ」,および「自動」の各操作位置に切換え可能であり、「植付け」位置に操作することでセンサフロートSFの変位検出に基づく上記自動昇降制御が実行されるとともに植付けクラッチ44が入れられ、「下げ」位置に操作することで自動昇降制御が実行されるとともに植付けクラッチ44が切られ、「中立」位置に操作することで植付けクラッチ44が切られた状態で自動昇降制御が停止され、「上げ」位置に操作することで植付けクラッチ44が切られた状態で強制上昇が行われる。また、植付けレバー34を「自動」位置に操作すると、自動昇降制御が実行されるとともに優先昇降レバー36による昇降および後述するバックアップ制御が可能となる。
【0046】
通常の植付け作業においては植付けレバー34を「自動」位置に操作しておくことで、優先昇降レバー36の操作だけで苗植付け装置4を田面Tに接する作業高さと上限高さとの範囲で昇降させることができるとともに植付けクラッチ44の入り切りを行うことができる。つまり、優先昇降レバー36は上下に揺動操作可能かつ中立復帰可能に構成されており、苗植付け装置4が作業高さにある状態で優先昇降レバー36を上方にワンショット操作して上げスイッチ37を1回オン操作すると、苗植付け装置4が上限高さまで上昇されるとともに、植付けクラッチ44が切り操作されることになる。従って、一行程の植付け走行を終えて畦際で機体方向転換を行う際に優先昇降レバー36を上方にワンショット操作するだけで、植付け作動を停止した苗植付け装置4を大きく上昇させることができ、ステアリングハンドル14による機体操縦操作に専念することができる。
【0047】
そして、機体方向転換が終りかかると、優先昇降レバー36を下方にワンショット操作して下げスイッチ38を1回オン操作することで自動昇降制御状態となり、苗植付け装置4は作業高さに向けて下降されてゆく。この場合、植付けクラッチ44は未だ入れられることはなく、空中で植付け作動が開始されて苗がばら撒かれることはない。そして、機体方向転換を終えて先の植付け条に対する位置合わせ(条合わせ)を済ませたら、再び優先昇降レバー36を下方にワンショット操作して下げスイッチ38を2回目にオン操作することで、はじめて植付けクラッチ44が入り操作されて次行程の植付け作業が開始されるのである。
【0048】
図14,図15に、この乗用型田植機の伝動構造の概略が示されている。前記ミッションケース9の側面には、エンジン12にベルト連動された主変速用の無段変速装置Aとして油圧式の無段変速装置(HST)41が連結され、その出力がミッションケース9に入力されて走行系と作業系に分岐される。
【0049】
分岐された作業系の動力は、ワンウエイクラッチ42によってその正転動力のみが取出され、6段のギヤ変速が可能な株間変速機構43および上記した植付けクラッチ44を経て作業用動力取出し軸(PTO軸)45から取出され、伝動軸46を介して苗植付け装置4に伝動されるようになっている。
【0050】
分岐された走行系動力は、ギヤ式の副変速機構47によって高低2段に変速された後、前輪系と後輪系に再度分岐され、前輪系の動力はデフロック可能なデフ装置48を介して左右の前輪1に伝達されるとともに、後輪系の動力は伝動軸49を介して後部伝動ケース10に伝達され、多板式のサイドクラッチ50を介して左右の後輪2に伝達される。後部伝動ケース10には機体停止用の多板式のブレーキ51が装備されており、このブレーキ51は、ステップ16の右側足元に配備された走行停止用の単一のペダル52に機械的に連動連結されている。ここで、前記無段変速装置41は、ステアリングハンドル14の左脇に配備された主変速レバー(変速操作具)53で変速操作されるとともに、副変速機構47は、運転座席15の左横側に配備された副変速レバー54によって切換え操作されるようになっている。また、前輪1のデフ装置48は、足元のデフロックペダル55の踏み込みによってデフロックされて、左右の前輪1が等速駆動されるようになっている。
【0051】
図16に示すように、左右のサイドクラッチ50は前輪ステアリング機構56にリンク機構57を介して機械的に連係されており、ステアリングハンドル14によって前輪1を左または右に設定角度(例えば30°)以上に操向すると、旋回内側となる後輪2のサイドクラッチ50が自動的に切り操作されて、円滑で小回りの利いた旋回が行われるようになっている。
【0052】
次に、前記無段変速装置41の変速操作構造について説明する。
【0053】
図7,図8,および図12に示すように、主変速レバー53は、横向き支点a周りに回動可能に支持されたデテント板57に前後向き支点b周りに左右揺動可能に取り付けられており、横向き支点a周りの前後揺動によって、走行停止用の操作位置である中立Nを挟んで前進変速域Fから後進変速域Rまで一連に操作可能に支持されている。そして、デテント板57から下方に延出した操作ロッド58の下端が、支点c周りに回動可能な可動部材59、および、押し引きロッド60を介して、無段変速装置41の変速操作軸61に連動連結されることで、主変速レバー53によって無段変速装置41を無段に変速操作するよう構成されている。なお、デテント板57の外周波形部に、片持ちバネレバー62の遊端に支持したデテントロラーラ63を弾性係入させることで、前進5段(F1 〜F5 )、後進3段(R1 〜R3 )で各変速位置に保持することができるようになっている。
【0054】
また、主変速レバー53が前進変速域Fに操作されている前進走行状態、あるいは、後進変速域Rに操作されている後進走行状態で機体停止用の前記ペダル52を踏み込み操作すると、主変速レバー53を強制的に中立Nにまで強制復帰操作することができるようになっており、その詳細な構造が図3〜図6に示されている。
【0055】
つまり、上記変速装置操作部の後方には、前後揺動可能に作動部材64が配備されている。この作動部材64は、支点d周りに前後揺動可能に配備された牽制リンク64aと、これに位置微調節可能にボルト連結された牽制金具64bとで構成されており、牽制リンク64aの前縁部が、前記可動部材59に備えた第1接当ピン65に支点c回りでの反時計方向から対向するよう構成されるとともに、牽制金具64bの前縁部が、前記可動部材59に備えた第2接当ピン66に支点c回りでの時計方向から対向するよう配備されている。また、牽制リンク64aの下端部から後方に向けて押し引きロッド67が延出されている。
【0056】
他方、前記ペダル52を連結したペダル支軸68の他端部には牽制アーム69が固着され、この牽制アーム69の遊端に回動自在に枢支したボス70に、前記牽制リンク64aから延出された押し引きロッド67の後端部が挿通連結されている。ここで、押し引きロッド67は、ボス70に対して一定範囲でのみ前後にスライド自在に挿通支持されるとともに、予め初期圧縮変形して押し引きロッド67に外嵌装着したコイルバネ71によって押し引きロッド67はボス70に対して前方スライド限界にスライド付勢されている。
【0057】
図3は、ペダル52が踏み込み操作されないで主変速レバー53が中立Nにある状態を示し、図4は、ペダル52が踏み込み操作されないで主変速レバー53が前進の最高速である前進5速F5 にある状態を示し、また、図6は、ペダル52が踏み込み操作されないで主変速レバー53が後進の最高速である後進3速R3 にある状態を示している。
【0058】
これによると、主変速レバー53が前進変速域Fにある状態(例えば図4の状態)でペダル52を踏み込み操作すると、牽制アーム69が図中反時計方向に回動されることで押し引きロッド67が前方(図では左方)に突き出され、作動部材64が支点d周りに時計方向に揺動操作される。これによって、作動部材64の牽制リンク64aは第1接当ピン65を前方に接当押圧し、可動部材59は支点c周り反時計方向に強制回動され、主変速レバー53が中立N側に向けて戻されてゆく。
【0059】
主変速レバー53が中立Nに到ると、図6に示すように、第2接当ピン66も作動部材64の牽制金具64bに接当することになり、支点cの両側に位置する第1接当ピン65および第2接当ピン66が共に作動部材64に接当することで、可動部材59は、主変速レバー53が中立Nとなる一定姿勢に保持される。また、第1接当ピン65および第2接当ピン66に接当した作動部材64自体も、それ以上時計周りに回動することが不能となる。なお、作動部材64の牽制金具64bを位置調節することで、第1接当ピン65および第2接当ピン66を共に作動部材64に接当させて可動部材59を正確に中立復帰させることができる。
【0060】
ここで、コイルバネ71によって与えられた初期圧縮力は、主変速レバー53を強制移動させるのに必要な操作力より大きく設定されており、主変速レバー53が中立Nに到るまでは、コイルバネ71は操作反力で圧縮変形されることはない。そして、主変速レバー53が中立Nに到った後、更にペダル52が踏み込み操作されると、前方に移動不能となった押し引きロッド67に対して牽制アーム70がコイルバネ71を更に圧縮変形させながら図中反時計方向に回動されることで十分なブレーキ操作ストロ−クが確保される。
【0061】
また、主変速レバー53が後進変速域Rにある状態(例えば図5の状態)でペダル52を踏み込み操作すると、牽制アーム69が図中反時計方向に回動されることで押し引きロッド67が前方(図では左方)に突き出され、作動部材64が支点d周りに時計方向に揺動操作される。これによって、作動部材64の牽制金具64bは第2接当ピン66を前方に接当押圧し、可動部材59は支点c周り時計方向に強制回動され、主変速レバー53が中立N側に向けて戻されてゆく。そして、主変速レバー453中立Nに到ると、図6に示すように、第1接当ピン65も作動部材64の牽制リンク64bに接当することになり、支点cの両側に位置する第1接当ピン65および第2接当ピン66が、作動部材64に共に接当することで、可動部材59は、主変速レバー53が中立Nとなる一定姿勢に保持される。
【0062】
この場合も、主変速レバー53が中立Nに到るまでは、コイルバネ71は操作反力で圧縮変形されることはなく、主変速レバー53が中立Nに到った後、更にペダル52が踏み込み操作されることで、前方に移動不能となった押し引きロッド67に対して牽制アーム69がコイルバネ71を更に圧縮変形させながら図中反時計方向に回動される。
【0063】
なお、ペダル52を踏み込み操作して主変速レバー53を中立N側に向けて強制的に戻す際に、中立Nに到達するまでに踏み込みを止めれば、主変速レバー53はペダル52の踏み込み位置に応じた変速位置にまで減速移動してその位置に保持されることになり、従って、両手をハンドル操作や他の操作に使いながら、足操作だけで走行速度の減速を行うことができ、操作性を向上するのに有効となっている。
【0064】
また、前記主変速レバー53によって無段変速装置41を操作すると、これに連動してエンジン12の回転速度が変更されるように構成されており、以下、その構造を図7〜図11に基づいて説明する。
【0065】
図8に示すように、ハンドルポスト81に連結固定された支持フレーム82に、前記デテント板57が横向き支点a周りに回動可能に支持されるとともに、このデテント板57の上部に前記主変速レバー53が前後向き支点bを中心に左右揺動可能に取り付けられ、かつ、主変速レバー53は前後向き支点bに装着したねじりバネ83によって横一側方(運転者から見て右方向)に揺動付勢されている。主変速レバー53の基部からは操作アーム53aが下方に向けて延出され、この操作アーム53aが、前記支持フレーム82の側面に固着したレバーガイド板84のガイド溝85に挿通案内されている。操作アーム53aの下端にはカラー86が遊転自在に装着されており、このカラー86がガイド溝85に係合されることで、ガイド溝85に沿った移動が円滑に行われるようになっている。
【0066】
ガイド溝85は段違い状に形成されており、段違い部位が走行停止用の操作位置である中立N、これより後方のガイド溝部分が前進変速域F、段違い部位より前方のガイド溝部分が後進変速域Rとなって、主変速レバー53が中立Nより前方への操作で前進変速を行い、中立Nより後方への操作で後進変速を行うようになっている。
【0067】
図9に示すように、このレバーガイド板84の上面には、前進変速域Fに重複するようにカム部材87が支点g周りに揺動可能に枢支連結されるとともに、後進変速域Rに重複するようにカム部材88が支点h周りに揺動可能に枢支連結されている。そして、各カム部材87,88の後端部にはワイヤ89,90が連結され、このワイヤ89,90が、前記エンジン12に装備された機械式の調速機構(メカニカルガバナ)91の調速レバー91aにそれぞれ連結されている。また、各カム部材87,88の後端部にはワイヤ89,90を弛める方向に各カム部材87,88を揺動付勢するバネ92,93が連結されており、各カム部材87,88の付勢揺動限界がレバーガイド板上のストッパ94,95によって接当規制されている。
【0068】
前記調速機構91は、両ワイヤ89,90が弛むと「低速」側に揺動し、いずれかのワイヤ89,90が引かれると「高速」に揺動するようになっており、図9に示すように、主変速レバー53が中立Nにある時には、両ワイヤ89,90が共に弛められて調速機構91は低速のアイドリング回転状態(低速回転状態)に維持されている。
【0069】
図10に示すように、主変速レバー53が前進変速域Fに操作されると、カム部材87がバネ92に抗して図中時計方向に揺動されてワイヤ89が引張され、調速機構91は「高速」側に作動し、エンジン回転速度が高められる。図11に示すように、主変速レバー53が後進変速域Rに操作されると、他方のカム部材88がバネ93に抗して図中時計方向に揺動されて他方のワイヤ90が引張され、調速機構91は「高速」側に作動し、エンジン回転速度が高められる。
【0070】
この場合、主変速レバー53はねじりバネ83によって横方向に付勢されているので、中立Nに放置された状態では、図9中に示すように、前進変速域Fに臨む前進側中立Nfに安定しており、この状態では両ワイヤ89,90が共に弛められて調速機構91はアイドリング回転状態に維持されている。ここで、主変速レバー53を前進側中立Nfから後進変速域Rに臨む後進側中立Nrに移動させると、無段変速装置41は走行速度が零となる変速中立状態に維持されながらカム部材88だけが接当揺動操作され、調速機構91が「高速」側に作動してエンジン回転速度が高められる。
【0071】
つまり、主変速レバー53を前進側中立Nfから後進側中立Nrに移動させて保持することでアクセルアップ状態を得ることができ、寒冷時や寒冷地などでエンジン始動が困難な場合には、主変速レバー53を後進側中立Nrに移動させてアクセルアップ状態をもたらしてエンジン始動を確実に行うことができるのである。そして、主変速レバー53の変速状態とエンジン回転速度との関係は、各カム部材87,88における接当カム面の形状によって決まるものであり、その一例が図13に示されている。
【0072】
また、主変速レバー53が後進側中立Nrを含む後進変速域Rに操作されてカム部材88が接当操作されると、レバーガイド板84に取付けられたスイッチ96が押圧操作されて後進操作状態になったことが検知されるようになっている。この後進検出スイッチ96は前記制御装置31に接続されており、上記のように植付けレバー34が「自動」に操作されている状態で、後進検出スイッチ96が検知作動すると、苗植付け装置4を自動的に上限まで上昇させる制御(バックアップ制御と呼称している)が実行されるようになっている。
【0073】
このバックアップ制御は、圃場内で機体を後進移動させると自動的に機体後部の作業装置を強制上昇させて、作業装置が畦などに衝突するのを回避するために開発されたものであり、速やかな上昇制御が望まれる。ここで、上記したように、主変速レバー53が後進変速域Rに操作されるとエンジン回転速度が高められるので、エンジン出力で駆動される油圧ポンプ30の吐出量は多くなり、速やかな上昇制御を実行することができる。
【0074】
[別実施形態]
本発明に係る変速操作構造は、以下に示すような形態にして実施することもできる。
【0075】
(1)図18に示すように、後進変速操作によって作動するカム部材88の接当カム面に凹部iを形成すると、主変速レバー53の操作位置とエンジン回転速度との関係が図19のようになる。エンジン回転速度は後進側中立Nrで高速となり、後進1速R1では少し回転速度が低下し、後進2速R2、および、後進3速R3では再び高速になる。また、前進側では、変速段が上がるほどエンジン回転速度が高くなる。
【0076】
(2)図20に示すように、前進側中立Nfと後進側中立Nrとをつなぐ前後進切換え径路Cの中間部位にバネ材からなる抵抗体97を設けて、前進側中立Nfから後進側中立Nrへの移動操作を遅らせるよう構成するとともに、この抵抗体97を通過するまでの主変速レバー53の移動で調速機構91が増速操作されてエンジン回転速度が高められるように構成し、かつ、主変速レバー53が後進側中立Nrを含む後進変速域Rにあることを検知するようにバックアップ用の前記スイッチ96を設けるようにする。
このようにすると、主変速レバー53を後進側中立Nrに操作した時点で既にエンジン回転速度が高められた状態、つまり、油圧ポンプ30の圧油吐出が十分確保された状態にあり、実際に後進走行に移行した時には作業装置は速やかな上昇を開始していることになり、作業装置の上昇が遅れて畦などにぶつけてしまうようなおそれが一層少なくなる。
【0077】
(3)主変速レバー53の変速操作径路としては、図21に示すように、前進変速域Fと後進変速域Rとが中立Nを介して直線的に連続し、かつ、中立Nにおいて主変速レバー53をガイド溝85の凹部85aに付勢係入させて安定保持させるように構成することもできる。
【0078】
(4)図22に示すように、主変速レバー53の操作位置をポテンショメータ98で検出するとともに、調速機構91の調速レバー91aを電動モータなどのアクチュエータ99で操作するよう構成し、図13あるいは図19に示すような特性、もしくは、その他の任意の特性でエンジン回転速度を変更調整することもできる。
この場合、主変速レバー53が後進側中立Nrに操作されたことが検出された時点から作業装置の上昇に必要な設定時間だけエンジン回転速度を高回転速度に切換え、その後は主変速レバー53の操作位置に対応してエンジン回転速度を自動調整するように構成すると、主変速レバー53が後進側中立Nrに操作されてバックアップ制御が行われている間は、エンジン回転速度が高められて油圧ポンプ30の圧油吐出が十分確保された状態にあり、作業装置は速やかに上昇される。そして、作業装置が上昇してしまった後、主変速レバー53を後進側中立Nrから後進変速域Rに操作して実際の後進を行う際、エンジン回転速度は主変速レバー53の操作位置に応じた回転状態に戻され、バックアップ制御の後の後進開始速度が必要以上に高速化することはなくなる。
【0079】
(5)無段変速装置Aとしては、油圧式のものに代えてベルト式のものを利用することもでき、図23(イ)にその伝動構造の一例が示されている。この場合、エンジン12からの動力はベルト式の無段変速装置101で変速された後、ミッションケース内で前後進切換え装置102で正逆に切換えられる。そして、この無段変速装置101と前後進切換え装置102とが単一の変速レバー(変速操作具)53で連係されるとともに調速機構91にも連係される。
図23(ロ)は、この場合の変速操作経路の一例であり、主変速レバー53を中立Nからを左右に操作することで前後進切換え装置102が切換え操作され、その左右の選択位置から無段変速装置101を操作する前進変速域Fと後進変速域Rとが前方に向けて延出されている。主変速レバー53が中立Nにある時、エンジン回転速度はアイドリング回転速度などの低速回転状態にあり、前進変速域Fおよび後進変速域Rに操作されると、エンジン回転速度が所望の特性で高められるように調速機構91に連係される。
【0080】
(6)図24に、無段変速装置Aを、遊星ギヤ機構111の変速要素の一つを油圧式無段変速装置112で変速する複合型とした場合の伝動構造が示されている。遊星ギヤ機構111は、サンギヤ113、リングギヤ114、および、これらに噛合う複数の遊星ギヤ115から構成されており、この場合、遊星ギヤ115を支持して回転するキャリア116がエンジン動力で駆動されるとともに、サンギヤ113が油圧式無段変速装置112で変速されることで、リングギヤ114から正転および逆転の変速出力を取出すように構成されている。
そして、油圧式無段変速装置112を操作する主変速レバー53と調速機構91とが連係され、主変速レバー53が中立Nにある時にエンジン回転速度がアイドリング回転速度などの低速回転状態に落され、前進変速域Fおよび後進変速域Rに操作されると、エンジン回転速度が自動的に高められるのである。
(7)主変速レバー53を、走行速度が零となる停止用操作位置においたままでエンジン回転速度を高める手段としては、伸縮可能に構成した主変速レバー53を引上げ伸長、あるいは、押し込み短縮させ、このレバー伸長あるいは短縮を検知して調速機構91を高速側に調整するようにすることも可能である。
(8)無段変速装置Aを操作する変速操作具としては、上記のようにレバーを利用する他にペダルを利用することもできる。
(9)零速から最高速度までの変速を行う無段変速装置Aと前後進変速装置とを別個の操作具で操作可能に構成し、この無段変速装置Aの変速操作具と調速機構とを連係し、無段変速装置Aが零速の時にエンジン回転速度がアイドリング状態などの低速となり、無段変速装置Aを増速操作するとエンジン回転速度が自動的に高く調整されるような形態で実施することも可能である。
請求項1〜8に係る発明における前進操作側停止用操作位置、前進走行変速域及び後進操作側停止用操作位置とは、それぞれ本発明の実施の形態における前進側中立位置Nf、前進変速域F及び後進側中立Nrを指し、又、請求項2及びこれを引用する請求項3〜8に係る発明における後進側操作位置とは本発明の実施の形態における後進操作側停止用操 作位置または後進変速域Rを指し、停止用操作位置とは、本発明の実施の形態における前進側中立位置Nfを指す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乗用型田植機の全体側面図
【図2】 乗用型田植機の全体平面図
【図3】 主変速レバー強制復帰構造の中立状態を示す側面図
【図4】 主変速レバー強制復帰構造の前進変速状態を示す側面図
【図5】 主変速レバー強制復帰構造の後進変速状態を示す側面図
【図6】 主変速レバー強制復帰構造の復帰作動状態を示す側面図
【図7】 無段変速装置操作構造の側面図
【図8】 無段変速装置操作構造の正面図
【図9】 調速機構操作構造の中立状態を示す平面図
【図10】 調速機構操作構造の前進変速状態を示す平面図
【図11】 調速機構操作構造の後進変速状態を示す平面図
【図12】 主変速レバーのデテント構造を示す側面図
【図13】 主変速レバーとエンジン回転速度との関係特性を示す線図
【図14】 伝動構造の概略図
【図15】 伝動構造の概略図
【図16】 走行機体の走行部を示す平面図
【図17】 制御ブロック図
【図18】 調速機構操作構造の他の実施形態を示す平面図
【図19】 他の実施形態における主変速レバーとエンジン回転速度との関係特性を示す線図
【図20】 変速操作形態の別の実施形態を示す平面図
【図21】 変速操作形態の更に別の実施形態を示す平面図
【図22】 他の実施形態の制御ブロック図
【図23】 (イ)別の実施形態の無段変速装置を用いた伝動系の概略図
(ロ)この実施形態における変速操作径路を示す平面図
【図24】 更に別の実施形態の無段変速装置を用いた伝動系の概略図
【符号の説明】
3 走行機体
4 作業装置(苗植付け装置)
41 油圧式無段変速装置
12 エンジン
53 変速操作具(主変速レバー)
87 カム部材
88 カム部材
91 調速機構
101 ベルト式無段変速装置
102 前後進切換え装置
111 遊星ギヤ機構
112 油圧式無段変速装置
A 無段変速装置
F 前進変速域
R 後進変速域

Claims (8)

  1. 走行機体に油圧アクチュエータによって駆動昇降可能に作業装置を連結し、
    走行用の無段変速装置の変速操作具とエンジンの調速機構とを連係し、変速操作具が前進走行状態から前進走行速度を零とする前進操作側停止用操作位置にあるとき前記調速機構が低速エンジン回転状態に操作され、変速操作具が前記前進操作側停止用操作位置から外れた前進走行変速域の低速操作位置から順次最高速操作位置に操作されると、これに連動して調速機構が自動的に前記低速エンジン回転状態より漸次前進最高速へ向う高速のエンジン回転状態に操作されるように構成し、
    前記変速操作具を停止用操作位置に維持した状態で、前記変速操作具を前記前進操作側停止用操作位置から後進操作側停止用操作位置へ操作することで、前記調速機構を前記低速エンジン回転状態から前記前進最高速のときのエンジン回転速度よりも低い高速エンジン回転状態に切り換えるように構成するとともに、
    前記変速操作具が前記後進操作側停止用操作位置から後進変速域の後進低速操作位置乃至後進最高速操作位置に操作された場合は、調速機構が前記前進最高速のときのエンジン回転速度よりも低い高速エンジン回転状態で、且つ前記後進操作側停止用操作位置でのエンジン回転速度と、後進低速操作位置乃至後進最高速操作位置の全ての各後進操作位置におけるエンジン回転速度との偏差が、前記変速操作具を前記前進操作側停止用操作位置に位置しているときの低速のエンジン回転速度と前記後進操作側停止用操作位置へ操作したときの高速のエンジン回転速度の偏差よりも小幅となるように構成され、
    前記変速操作具が後進側操作位置に操作されるのに連動して前記作業装置を設定レベルまで上昇させるように構成してある作業機の変速操作構造。
  2. 走行機体に油圧アクチュエータによって駆動昇降可能に作業装置を連結し、
    走行用の無段変速装置の変速操作具とエンジンの調速機構とを連係し、変速操作具が前進走行状態から前進走行速度を零とする停止用操作位置にあるとき前記調速機構が低速エンジン回転状態に操作され、変速操作具が前記停止用操作位置から外れた前進変速域の低速操作位置から順次最高速操作位置に操作されると、これに連動して調速機構が自動的に前記低速エンジン回転状態より漸次前進最高速へ向う高速のエンジン回転状態に操作されるように構成し、
    前記変速操作具を停止用操作位置から後進変速域へ操作することで、前記調速機構を前記前進最高速のときのエンジン回転速度よりも低い高速エンジン回転状態に切り換えるように構成するとともに、
    前記変速操作具が前記停止用操作位置から後進変速域の後進低速操作位置乃至後進最高速操作位置に操作された場合は、調速機構が前記前進最高速のときのエンジン回転速度よりも低い高速エンジン回転状態で、且つ前記後進変速域における後進低速操作位置でのエンジン回転速度と、他の後進操作位置の全ての各後進操作位置におけるエンジン回転速度との偏差が、前記変速操作具を前記停止用操作位置に位置しているときの低速のエンジン回転速度と前記後進低速操作位置へ操作したときの高速のエンジン回転速度の偏差よりも小幅となるように構成され、
    前記変速操作具が後進側操作位置に操作されるのに連動して前記作業装置を設定レベルまで上昇させるように構成してある作業機の変速操作構造。
  3. 前記変速操作具が後進側操作位置に操作されたことを検出する後進検出スイッチを設け、この後進検出スイッチの検出に基づいて前記作業装置を設定レベルまで上昇させるように構成し、
    前記作業装置が設定高さに上昇するまでの間は調速装置を高速回転状態に維持するように構成してある請求項1又は2に記載の作業機の変速操作構造。
  4. 前記変速操作具としての変速レバーの前進変速操作経路と後進変速操作経路とを、停止用操作位置としての中立位置において変速操作方向に直交する方向の前後進切換経路を介して接続し、
    前記前後進切換経路の中間部位を越えて変速レバーが後進変速操作経路側に位置したとき、前記調速装置を高速回転状態に切り換えるように構成して、
    前記変速レバーの前後進切換経路の中間部位を越えて後進変速操作経路側への作動に抵抗を付与する抵抗付与手段を設け、前記後進変速操作経路に変速レバーが位置することを検出する手段を設け、
    前記検出に基づいて、走行機体に油圧アクチュエータによって駆動昇降可能に連結した作業装置を設定レベルまで上昇させるように構成してある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の作業機の変速操作構造。
  5. 前記変速操作具の操作径路に、前記変速操作具の操作によって接当変位されるカム部材を配備し、
    前記カム部材と調速機構とを機械連係手段を介して連動連結してある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の作業機の変速操作構造。
  6. 前記無段変速装置を正逆転可能な油圧式の無段変速装置で構成してある請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の作業機の変速操作構造。
  7. 前記無段変速装置をベルト式の無段変速装置で構成し、前記無段変速装置と直列に前後進切換え装置を備えて、前記変速操作具を前後進切換え装置にも連係し、
    前記変速操作具を停止用操作位置としての中立位置を介して前進走行域と後進走行域に亘って一連に変速操作可能に構成してある請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の作業機の変速操作構造。
  8. 前記無段変速装置を、遊星ギヤ機構の変速要素の一つを油圧式の無段変速装置で変速する複合型無段変速装置で構成してある請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の作業機の変速操作構造。
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