JP4066087B2 - 農用作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、農用作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
四輪駆動型の乗用田植機において、変速装置を主変速レバーで3段に変速操作し、移動走行用の高速、植付走行用の低速、畦越え等の超低速に切り替えるものは、特開2000−127983号公報により公知である。
【0003】
四輪駆動型の乗用作業機において、前輪が直進位置あるいは後進位置から左右の所定角度内にある状態では、左右のサイドクラッチが伝動状態となり、この状態から更にステアリングハンドルを操作するとサイドクラッチが切り状態となり、旋回内側の後輪が、自由回転状態となるものは、特開平5−162552号公報により公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
四輪駆動型の乗用田植機で作業をする場合には、走行速度を超低速に変速しても、スロットルレバーをフルスロットル状態にしエンジンを高速で回転すると、0.1〜0.3m/秒程度の速度で走行する。従って、初めて乗用田植機を使用するオペレータが超低速変速状態にあるのを気付かずに、エンジンをフルスロットル状態として植付作業を長時間継続することがある。また、超湿田での植付作業では標準作業速度ではエンストして動けないため、超低速状態でフルスロットルとして植付作業を続けることがある。このような状態で長時間作業を継続すると、ミッションケースが破損するなどの不具合が発生することがある。
【0005】
そこで、この発明はこのような不具合を防止しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、請求項1の発明は、左右一対の前輪(2)及び後輪(3)を備える車体(1)の後部に苗植付部(7)を装備した四輪駆動型の農用作業機において、前輪デフ装置(57)のケース体(57a)に構成したデフロック爪部(59)にデフロック爪(60)を噛み合わせて左右の前輪(2)をデフロックする構成とし、前輪デフ装置(57)に構成したデフロック爪部(59)及びデフロック爪(60)には各々基部噛合面(59a,60a)、中間斜面(59b,60b)、先端噛合面(59c,60c)及び端部斜面(59d,60d)を形成し、前記デフロック爪部(59)及びデフロック爪(60)の噛み合い状態から、先ずデフロック爪(60)の先端斜面(60d)がデフロック爪部(59)の中間斜面(59b)まで移動し、次いでデフロック爪(60)の先端斜面(60d)がデフロック爪部(59)の中間斜面(59b)を滑りながら移動し、次いでデフロック爪部(59)及びデフロック爪(60)の相互の先端噛合面(59c,60c)が噛み合い、その後デフロック爪(60)がデフロック爪部(59)から離脱する構成とし、前輪デフ装置(57)のケース体(57a,57b)に噛み合うサイドクラッチ体(67)を介して左右の後輪(3)へ伝動する構成とし、主変速レバー(29)と超低速切替用の副変速レバー(43)とを設け、前記主変速レバー(29)をステアリングハンドル(5)近傍の操作しやすい位置に設けると共に、前記副変速レバー(43)をステアリングハンドル(5)から遠い主変速レバー(29)よりも操作しにくい位置に配置し、前記副変速レバー(43)を超低速側に切り替えると、エンジン回転数を高低に調整するスロットルがアイドリング位置に戻され高速側への移動が規制される規制手段を設け、主変速レバー(29)の操作で作動するシフタ板(94)に楕円形状の孔部(95)を構成し、主変速ギヤ(49a,49b)の側面に鍔のある係止凹部(93)を構成し、前記係止凹部(93)に前記孔部(95)を係合させた農用作業機とする。
【0007】
これにより、作業中にはオペレータは運転席(8)に坐りステアリングハンドル(5)に近い操作のしやすい主変速レバー(29)を操作し走行速度を変速しながら作業をし、ステアリングハンドル(5)から遠い操作しにくい副変速レバー(43)を操作することは少なく、誤って超低速位置に操作することも少なくなる。また、副変速レバー(43)を誤って超低速側に切り替えると、スロットルがアイドリング位置に戻され高速側への移動が規制されるので、オペレータが超低速走行であることを容易に認識することができる。また、デフロック爪(60)がデフロック爪部(59)から離脱するとき、デフロック爪(60)のスライド抵抗を小さくしながら該デフロック爪(60)を円滑にスライドさせる。
【0008】
【発明の効果】
請求項1の発明は、副変速レバー(43)を運転中のオペレータの操作しにくい位置に設けることにより、作業機の畦越えやトラックへの積み降ろし以外に無闇に操作されることもなく、また、誤操作により副変速レバー(43)を超低速位置に操作しても、スロットルの高速側への移動が規制されるので、オペレータは超低速状態にあることを認識できると共に、長時間の超低速走行を防止し伝動系の破損や消耗を防止することができる。また、デフロック爪(60)がデフロック爪部(59)から離脱するとき、デフロック爪(60)のスライド抵抗を小さくしながら該デフロック爪(60)を円滑にスライドさせ、異音を減少させることができる。更に、主変速レバー(29)の操作で作動するシフタ板(94)に楕円形状の孔部(95)を構成し、主変速ギヤ(49a,49b)の側面に鍔のある係止凹部(93)を構成し、前記係止凹部(93)に前記孔部(95)を係合させたので、係止凹部(93)及びシフタ板(94)を薄く構成できてミッションケースの小型化が図れると共に、円滑にギヤをシフトできる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。
図1は、乗用田植機を示すものであり、車体1の前後には走行車輪としての左右一対の前輪2,2及び後輪3,3が架設されている。車体1前部上方のステップ6上に操作ボックス4及びステアリングハンドル5等からなる操縦装置が設置され、車体1後部には昇降可能な苗植付部7が装備されている。操作ボックス4の後側に運転席8が設置され、運転席8の下方に田植機の各部に動力を伝達するエンジン9が搭載されている。
【0010】
苗植付部7は、左右に往復移動する苗載せタンク10、一株分の苗を切り取って土中に植え込む植込み杆を有する苗植装置11、苗植付面を整地するフロート12等から構成されている。
エンジン9の駆動により、エンジン出力プーリ13、伝動ベルト14a,14b、ミッション入力プーリ15を介して入力軸16へ伝動し、この入力軸16によりミッションケース17内に動力を伝動する構成である。
【0011】
ミッションケース17から左右方向に延出する前輪エクステンションケース18を介して左右の前輪駆動ケース19,19内に伝動し、前輪車軸20を回転駆動して左右の前輪2,2を駆動する構成である。また、ミッションケース17の後部から後方に動力を伝達する左右の後輪伝動軸21,21を設け、左右の後輪伝動軸21,21の駆動により左右の後輪伝動ケース22,22内に動力を伝達し、後車軸23を回転駆動して左右の後輪3,3を駆動する構成である。
【0012】
なお、苗植付部7は、油圧昇降シリンダ24の伸縮に伴う昇降リンク機構25の上下回動により、昇降するように構成されている。また、苗植付部7には、前記ミッションケース17から後方に延びる植付伝動軸26により動力が伝動される構成である。
【0013】
ステアリングハンドル5は、この回動操作によりステアリング軸27及びピットマンアーム28等を介して左右の前輪2,2を操向操舵する構成である。
ステアリングハンドル5の左側の高い位置で、運転席8に座ったオペレータの上半身前方の操作の容易な位置に主変速レバー29を設け、ステアリングハンドル5の右側にはスロットルレバー30を設けている。また、ステアリングハンドル5の左側の低い位置で、運転席8に座ったオペレータの下半身前方の主変速レバー29よりも操作しにくい位置に、副変速レバー43を設けている。また、操作ボックス4の左側部には車体の走行及び苗植付部7の駆動・停止操作をする停止レバー31を、右側部には苗植付部7の昇降及び駆動の入/切をする植付・昇降レバー32を設けている。
【0014】
車体1前部の左側寄りに主クラッチぺダル33を設けている。この主クラッチぺダル33の踏み込み操作により車体の走行及び苗植付部7の駆動を停止するように構成している。
また、車体1前部の右側寄り位置には、ブレーキ操作具であるブレーキぺダル34を設けている。このブレーキぺダル34は、図6に示すように、踏み込み操作で軸杆35を回動させて、四輪ブレーキ操作アーム36を後側に回動させ、四輪ブレーキ操作ロッド37を介して四輪ブレーキ作動アーム38を操作し、ミッションケース17内の四輪ブレーキ装置39を作動させ左右の後輪3,3を制動する構成である。
【0015】
次に、ミッションケース17内の伝動構成について説明する。
ミッション入力軸16と一体回転する副変速駆動ギヤ40から副変速従動ギヤ41に伝動され、副変速従動ギヤ41と一体回転する主変速伝動軸42が駆動される。なお、前記副変速駆動ギヤ40と副変速従動ギヤ41とは、夫れ夫れ大径ギヤ40a,42aと小径ギヤ40b,41bを備えていて、副変速駆動ギヤ40は副変速レバー43の操作により副変速シフタ44を介して作動され、ミッション入力軸16に沿ってスライド可能に設けられている。
【0016】
しかして、副変速駆動ギヤ40の小径ギヤ40bと副変速従動ギヤ41の大径ギヤ41aとが噛み合うときに低速で伝動され、副変速駆動ギヤ40の大径ギヤ40aと副変速従動ギヤ41の小径ギヤ41bとが噛み合うと高速で伝動される。
【0017】
前記主変速伝動軸42の右側には該軸と一体的に回転する植付駆動ギヤ45を設け、植付駆動ギヤ45と噛み合う植付従動ギヤ46を介して植付ベベルギヤ47,48に伝動し、後方へ延出している植付伝動軸26へ伝動して苗植付部7を駆動するように構成している。
【0018】
主変速伝動軸42と一体的に回転する主変速ギヤ49は、主変速大径ギヤ49aと主変速小径ギヤ49bとを備え、主変速レバー29の操作により作動する主変速シフタ50を介して主変速伝動軸42に沿ってスライドするように構成されている。しかして、主変速大径ギヤ49aとカウンタ軸51と一体的に回転する小径カウンタギヤ52とが噛み合うと、路上走行速度の高速で伝動され、また、主変速ギヤ49が左側にスライドして主変速小径ギヤ49bとカウンタ軸51と一体的に回転する大径カウンタギヤ53とが噛み合うときに、植付作業速である低速で伝動されるように構成されている。
【0019】
更に、主変速ギヤ49が左側にスライドすると、主変速小径ギヤ49bとミッション入力軸16上の逆転用小径カウンタギヤ54bとが噛み合い、逆転用小径カウンタギヤ54bと一体的に回転する逆転用大径カウンタギヤ54aがカウンタ軸51上の後進用カウンタギヤ55に噛み合って、カウンタ軸51に逆転動力が伝動され、機体を後進させる構成である。なお、前記逆転用カウンタギヤ54はミッション入力軸16に対して遊転するように設けられている。
【0020】
また、カウンタ軸51の左側端部にはシュー式の四輪ブレーキ装置39を設けていて、この四輪ブレーキ装置39により左右の前輪2,2及び後輪3,3に制動力を付与する構成である。
そして、カウンタ軸51と一体的に回転する前記小径カウンタギヤ52から前輪デフ入力ギヤ56を経て前輪デフ装置57に動力が伝動され、前輪デフ装置57から左右夫れ夫れに延びるデフ出力軸58,58を経て前輪2,2へ伝動される。なお、前輪デフ装置57は前記前輪デフ入力ギヤ56の左右にケース体57a,57bを設けてデフケースを構成している。
【0021】
前輪デフ装置57の左側のケース体57aの左側端部には、デフロック爪部59を構成していて、デフロック爪部59と噛み合うデフロック爪60を備えるデフロック体61を、デフ出力軸58に一体的に回転するように設けている。デフロック体61は、デフ出力軸58に沿って左右スライド可能に設けられていて、デフロックスプリング62により左側のケース体57aとは反対側に付勢されていて、前輪デフロックぺダル63の踏み込み操作によりデフロックシフタ64を作動し、デフロックスプリング62に抗してケース体57a側へスライドするように構成されている。しかして、デフロックシフタ64によりデフロック体61をスライドさせて、デフロック爪60とケース体57aのデフロック爪部59とを噛み合わせ、ケース体57aと左右のデフ出力軸58とを一体的に回転させて左右の前輪2,2をデフロックする構成である。
【0022】
また、前輪デフ装置57の左右のケース体57a,57bには、内径部にギヤ面を有する内ギヤ65,65を設けている。更に、内ギヤ65,65と噛み合うギヤ66,66を備えるサイドクラッチ体67,67を左右に設けていて、ケース体57a,57bとサイドクラッチ体67,67とが一体的に回転するように構成している。
【0023】
しかして、サイドクラッチ体67の前記ギヤ66が内ギヤ65,65に噛み合うと、左右の後輪3,3に伝動される。また、左右の後輪伝動ギヤ68,68から後輪カウンタ軸69を介して駆動ベベルギヤ70に伝動し、駆動ベベルギヤ70から従動ベベルギヤ71を介して左右の後輪3,3へ伝動される。
【0024】
サイドクラッチ体67にはサイドブレーキ体72を設けている。サイドクラッチ体67は、前輪デフ装置57のケース体57a,57bに案内されてデフ出力軸58上を左右にスライド可能に構成されていて、サイドクラッチスプリング73によりケース体57a,57bの内ギヤ65,65側に付勢されていて、ステアリングハンドル5の一定角度以上の旋回操作に連動してサイドクラッチシフタ74が作動し、サイドクラッチスプリング73に抗して内ギヤ65から離れる側にスライドするように構成されている。
【0025】
従って、サイドクラッチシフタ74によりサイドクラッチ体67をスライドさせ、サイドクラッチ体67のギヤ66と前輪デフ装置57のケース体57a,57bの内ギヤ65,65との噛み合いを解除すると共に、サイドブレーキ体72,72をミッションケース17の内壁面に圧接し、左右の後輪3,3への伝動を遮断し、後輪3,3を制動する構成である。
【0026】
サイドクラッチシフタ74,74のシフタ軸75,75は、図6及び図7に示すように、サイドクラッチ67,67、サイドブレーキ72,72を装着しているデフ出力軸58の前後に振り分けて配置し、ステアリング軸27の回動に伴って回動する連動回動体79の回動軸80にサイドクラッチシフタ74、シフタアーム76、シフタロッド77を介して連動連結している。連動回動体79の軸受ベース81には回動軸80を中心とした円弧状の案内溝82を構成し、シフタロッド77の端部に設けた係合ピン83,83を摺動自在に嵌合している。連動回動体79には係合ピン83,83に係合する係合凹部84,84を設け、連動回動体79が一定角度回動すると、回動方向側の係合凹部84が係合ピン83に係合してシフタロッド77を作動させる構成である。また、シフタロッド77,77には緩衝スプリング85,85を介して伸縮可能に構成されている。従って、ステアリングハンドル5を切ると、先ずサイドクラッチが切られ、次いでブレーキがかかり、また、クラッチ切り状態からブレーキが効くまでの間は緩衝スプリング85の働きにより、クラッチ切り状態の旋回、あるいは、ブレーキを効かしての旋回の使い分けができる。
【0027】
なお、ステアリングハンドル5、サイドクラッチ及びブレーキの関連構成を図8に示すように構成してもよい。即ち、ステアリングハンドル5を切ると、先ずサイドクラッチが切られ、次いでブレーキがかかる構成において、図8(2)に示すように、ステアリングハンドル5の切れ角の中間部(例えば、25〜30度)でサイドクラッチが切れ、図8(3)に示すように切れ角の最大近く(例えば、60〜65度)でブレーキがかかる構成とする。
【0028】
ステアリングハンドル5を大きく切らなければサイドクラッチが切れない構成であると、旋回時に左右後輪が直進しようとして、ステアリングハンドル5を切った旋回内側の後輪に大きなトルクが発生し、サイドクラッチのギヤ音が高くなるという不具合が発生する。
【0029】
しかし、前記のように構成とすることにより、中間切れ角でサイドクラッチ切れるので、旋回内側の後輪に大きなトルクがかからず、ギヤ音を低くすることができる。
次に、図9に基づき副変速レバー43とスロットルレバー30の関連構成について説明する。
【0030】
副変速レバー43を超低速に切り替えると、スロットルレバー30(あるいは、アクセルぺダル)が自動的にアイドリング位置に戻されて燃料噴射量が減少調節され、超低速での走行時には、スロットルレバー30をアイドリング位置よりも高回転側に移動しないように規制し、エンジン9の高速回転を停止するように構成している。
【0031】
機体に軸支した副変速レバー43を超低速位置及び通常速度位置に回動操作可能に構成し、機体に軸支したスロットルレバー30を低速回転のアイドリング位置から高速回転位置に操作可能に構成している。副変速レバー43に連動ワイヤ91の一端を連結し、連動ワイヤ91の他端を長溝92を介してスロットルレバー30に連係している。
【0032】
しかして、図9(2)に示すように、副変速レバー43が通常速度位置にあると、スロットルレバー30の連係部は長溝92内を移動可能で、低速回転位置あるいは高速回転位置に操作できる。この状態から図9(1)に示すように、副変速レバー43を支点越えをさせて超低速位置に移動させると、連動ワイヤ91、長溝92を介してスロットルレバー30がアイドリング位置に移動され、スロットルレバー30を高速回転側に移動しようとしても副変速レバー43の通常速度位置への移動が阻止され、スロットルレバー30は高速側へ移動しない。
【0033】
乗用田植機で作業をする場合には、機体走行速度を超低速にしても、スロットルレバー30をフルスロットル状態にすれば、0.1〜0.3m/秒程度の速度で走行する。このような速度で植付作業を継続すると、次のような不具合が発生する。即ち、初めて乗用田植機を操作するオペレータが超低速変速状態であることに気付かず、そのままの速度で植付作業を継続することがある。また、超湿田での植付作業では標準作業速度ではエンストして動けないため、超低速で作業を続けることがあり、このような状態で長時間作業を継続すると、ミッションケースが破損するなどの不具合が発生することがある。
【0034】
しかし、前記のように、副変速レバー43を超低速状態に変速すると、スロットルレバー30をアイドリング位置に戻し、アイドリング位置からフルスロットル側への操作を不能にすることにより、超低速状態であることを明確にしオペレータに認識させて、標準圃場での超低速での植付作業を防止して作業能率の向上を図り、また、超低速作業の長時間化による機体の破損を未然に防止することができる。
【0035】
なお、副変速レバー43を超低速位置にしたとき、図9の(1)に示すように、連動ワイヤ91が該レバ−43の回動支点に対して死点越えし、逆にスロットルレバー30をフルスロットル側に操作しようとしても連動ワイヤ91を介して副変速レバー43が標準作業速度位置へ戻されることがなく、スロットルレバー30を高速側へ操作するのを確実に規制できる。
【0036】
なお、デフロック装置の爪構成を図10のように構成してもよい。即ち、デフロック爪部59と噛み合うデフロック爪60を備えるデフロック体61を、デフ出力軸58に一体回転するように設け、デフロック爪部59には基部噛合面59a、中間斜面59b、先端噛合面59c及び端部斜面59dを形成し、デフロック体61のデフロック爪60には基部噛合面60a、中間斜面60b、先端噛合面60c及び端部斜面60dを形成している。
【0037】
しかして、図10(1)の噛み合い状態からデフロック爪60がスプリングに抗して矢印方向に移動すると、先ず、図10(2)に示すように、デフロック爪60の先端斜面60dがデフロック爪部59の中間斜面59bまで移動し、次いで、図10(3)に示すように、デフロック爪60の先端斜面60dがデフロック爪部59の中間斜面59bを滑り面圧を減少しながら移動し、次いで、図10(4)に示すように、先端噛合面59c、60c相互が噛み合い、次いで、図10(5)に示すように、デフロック爪60がデフロック爪部59から離脱する。従って、噛み合い面の接触度合いを少なくし、スライド抵抗を小さくしながらデフロック爪60を円滑にスライドさせ、異音を減少させることができる。
【0038】
なお、サイドクラッチ体67,67とケ−ス体57a,57aとを、前記デフロック爪60と同様に基部噛合面、中間斜面、先端噛合面及び端部斜面を設けた構成としてもよい。これにより、サイドクラッチを切るとき、スライド抵抗を小さくしながらサイドクラッチ体67,67を円滑にスライドさせ、異音を減少させることができる。
【0039】
なお、主変速シフタ50と主変速ギヤ49の大径ギヤ49a、小径ギヤ49bの連係構成を図11に示すように構成してもよい。大径ギヤ49a、小径ギヤ49bの側面に、軸心を挟んで鍔のある一対の係止凹部93,93,…を構成し、主変速伝動軸42に沿って移動するシフタ板94,94を比較的薄い鉄板により構成し、シフタ板94,94に角部のない円弧からなる上下方向の楕円形状の孔部95を構成する。そして、この孔部95の何れの直径も係止凹部93,93,…の内側端部間の長さよりも長く構成している。
【0040】
しかして、図11(2)に示すように、シフタ板94,94の孔部95,95を下方に移動し、次いで横方向に移動して、孔部95,95を係止凹部93,93に嵌合し、次いで、図11(3)に示すように、シフタ板94、94を上方に移動し、係止凹部93,93,…に孔部95,95を係合させる。従って、係合状態では係止凹部93,93,…の鍔にシフタ板94,94の孔部95,95が引っ掛かり離脱が防止される。
【0041】
このように構成したので、ギヤの係止凹部93,93,…及びシフタ板94,94を薄く構成できてミッションケースの小型化に通じ、ギヤの係止凹部93,93,…がシフタ板94,94の孔部95,95に引っ掛かるようなことなく円滑にギヤをシフトできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体の側面図
【図2】全体の平面図
【図3】要部の側面図
【図4】ミッションケース内の伝動経路を示す展開平面図
【図5】ミッションケース内の伝動軸の位置を示す側面図
【図6】要部の平面図
【図7】要部の平面図
【図8】作用状態を示す平面図、
【図9】要部の斜視図
【図10】作用状態を示す平面図
【図11】要部の切断正面図、側面図
【符号の説明】
1:車体、2:前輪、3:後輪、5:ステアリングハンドル、6:ステップ、7:苗植付部、8:運転席、9:エンジン、10:苗載せタンク、11:苗植装置、12:フロート、29:主変速レバー、43:副変速レバー、57:前輪デフ装置、57a,57b:ケース体、59:デフロック爪部、60:デフロック爪、59a,60a:基部噛合面、59b,60b:中間斜面、59c,60c:先端噛合面、59d,60d:端部斜面、67:サイドクラッチ体、49a:大径ギヤ、49b:小径ギヤ、93:係止凹部、94:シフタ板、95:孔部
Claims (1)
- 左右一対の前輪(2)及び後輪(3)を備える車体(1)の後部に苗植付部(7)を装備した四輪駆動型の農用作業機において、前輪デフ装置(57)のケース体(57a)に構成したデフロック爪部(59)にデフロック爪(60)を噛み合わせて左右の前輪(2)をデフロックする構成とし、前輪デフ装置(57)に構成したデフロック爪部(59)及びデフロック爪(60)には各々基部噛合面(59a,60a)、中間斜面(59b,60b)、先端噛合面(59c,60c)及び端部斜面(59d,60d)を形成し、前記デフロック爪部(59)及びデフロック爪(60)の噛み合い状態から、先ずデフロック爪(60)の先端斜面(60d)がデフロック爪部(59)の中間斜面(59b)まで移動し、次いでデフロック爪(60)の先端斜面(60d)がデフロック爪部(59)の中間斜面(59b)を滑りながら移動し、次いでデフロック爪部(59)及びデフロック爪(60)の相互の先端噛合面(59c,60c)が噛み合い、その後デフロック爪(60)がデフロック爪部(59)から離脱する構成とし、前輪デフ装置(57)のケース体(57a,57b)に噛み合うサイドクラッチ体(67)を介して左右の後輪(3)へ伝動する構成とし、主変速レバー(29)と超低速切替用の副変速レバー(43)とを設け、前記主変速レバー(29)をステアリングハンドル(5)近傍の操作しやすい位置に設けると共に、前記副変速レバー(43)をステアリングハンドル(5)から遠い主変速レバー(29)よりも操作しにくい位置に配置し、前記副変速レバー(43)を超低速側に切り替えると、エンジン回転数を高低に調整するスロットルがアイドリング位置に戻され高速側への移動が規制される規制手段を設け、主変速レバー(29)の操作で作動するシフタ板(94)に楕円形状の孔部(95)を構成し、主変速ギヤ(49a,49b)の側面に鍔のある係止凹部(93)を構成し、前記係止凹部(93)に前記孔部(95)を係合させた農用作業機。
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