JP4329400B2 - 田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
田植機等の農用走行車両において、旋回時や一方の車輪が畔に乗り上げた時に前輪がスリップするのを防止するために、前輪駆動系にクラッチ付きの差動装置を設けて、左右両前輪が接地している時には左右両前輪に回転動力を伝達し、左右一方の前輪が地面から浮き上がっている時には接地している側の前輪に全回転動力を伝達することにより、常に十分な推進力を確保できるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、苗植付行程を終了する毎にオペレータが制御モータを手動操作あるいはレバーを操作して苗植付装置の駆動を停止させる必要がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−135256号公報(3頁〜4頁、図8〜図14)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような差動装置を備えた従来の走行車両は、通常の差動機能が働く状態と、クラッチが効いて左右一方の前輪だけに回転動力を伝達する状態とに択一的に切り替えるだけであった。農用走行車両の場合は、圃場での作業時と路上走行時とでは路面の状況や走行速度、運転形態が大きく異なるうえ、作業時においても圃場ごとに土質や耕盤の深さ等の条件に違いがある。このため、従来の走行車両は常に適正な動力伝達形態のもとで走行ができるとは限らなかった。そこで、この発明は、常に路面の状況や走行状態に応じた適正な動力伝達形態で走行を可能とすると共に、構成を簡素にしながら差動装置が差動しないようにも調節できるようにしようとするものである。更に、差動ロック装置のロック状態で高速走行するようなこともなく、操作の容易化を図りながら走行の安定を図ることができるようにしようとするものである。
また、苗植付行程を終了する毎にオペレータが制御モータを手動操作あるいはレバーを操作して苗植付装置の駆動を停止させる必要があるので、田植機の旋回操作が煩雑となる不具合があった。そこで、第二行程目以降は苗植付部の駆動及び停止を自動的に行なうことができ旋回操作を簡単にすることができるようにしようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、この発明は次のような技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、走行車両(2)の後方に昇降リンク装置(3)を介して苗植付部(4)を設け、走行車両(2)には、左右一対の前輪(7)及び後輪(8)と、該前輪(7)及び後輪(8)を駆動するミッションケース(10)を設け、該ミッションケース(10)には、左右の前輪(7)へ動力を伝動する左右の前輪アクスル(57L,57R)を夫れ夫れの駆動負荷に応じて差動させる差動装置(56)を設け、右側の前輪アクスル(57R)に左右の前輪アクスル(57L,57R)の相対的な回転速度差を制限する差動制限装置(61)を設け、前記差動装置(56)が差動しないように前記差動制限装置(61)の差動制限領域を変更する差動制限荷重調節レバー(37)を設け、左側の前輪アクスル(57L)に差動装置(56)の差動機能を停止させる差動ロック装置(60)を設け、差動装置(56)のケースに噛み合う左右の筒軸(58L,58R)から左右の後輪(8)へ伝動する構成とし、変速レバー(31)を低速変速領域に操作すると差動ロック装置(60)をロック状態にし、変速レバー(31)を高速変速領域に操作すると差動ロック装置(60)のロック状態を解除する構成とし、前輪(7)の操舵状態を検出する操舵センサ(83)と、昇降リンク装置(3)を昇降する昇降シリンダ駆動手段(85)と、苗植付部(4)の動力を入切する制御モータ(84)と、苗植付部(4)の苗タンク(81)の横移動量を検出する横移動量検出センサ(82)と、該横移動量検出センサ(82)による苗タンク(81)の横移動量の検出を開始させる記憶開始スイッチ(79)と、苗植付作業の終了時に検出した苗タンク(81)の横移動量を記憶するための記憶停止スイッチ(80)を設け、操舵センサ(83)による旋回終了の検出から所定距離走行すると制御モータ(84)により苗植付部(4)の駆動を開始すると共に横移動量検出センサ(82)による苗タンク(81)の横移動量の検出を開始し、横移動量検出センサ(82)が記憶停止スイッチ(80)のON操作により記憶した横移動量を検出すると制御モータ(84)により苗植付部(4)の駆動を停止し、操舵センサ(83)により旋回開始を検出すると昇降シリンダ駆動手段(85)により昇降リンク装置(3)を上昇させるコントローラ(71)を設けたことを特徴とする田植機とする。
【0006】
前記構成によると、原動機からの動力は、差動装置を経由して左右の伝動軸に夫れ夫れ伝達され左右の走行推進体が駆動される。その際に、差動制限装置により左右の伝動軸の相対的な回転速度差が制限される。また、差動制限装置の差動制限領域を変更手段により変更することができる。また、差動制限装置を変更手段で調節することにより、差動装置が差動しないように変更することができる。また、変速レバーを高速変速領域に操作すると、差動ロック装置が解除される。
【0007】
【発明の効果】
請求項1の発明は、差動装置を経由して左右の伝動軸に夫れ夫れ伝達される動力の相対的な回転速度差を差動制限装置により制限することにより、走行推進体の十分な推進力を確保して、旋回時や一方の走行推進体が畔に乗り上げた時に走行推進体がスリップするのを防止することができる。また、差動制限装置を変更手段で調節して差動装置が差動しないように変更することにより、路面の状況の極度の悪化にも対応できると共に、別に差動ロック装置を設けなくてもよく構成を簡素化することができる。更に、低速変速状態では走行伝動経路中の差動ロック装置が入り状態となり、高速変速状態では差動ロック装置が解除されるので、差動ロック装置の解除を忘れて高速変速状態に変速しても、差動ロック装置のロック状態で高速走行するようなこともなく、操作の容易化を図りながら走行の安定を図ることができる。
また、第一行程目だけは記憶開始スイッチ及び記憶停止スイッチの操作をすると共に、制御モータを手動操作して苗植付部の駆動及び停止をする必要があるが、第二行程目以降は苗植付部の駆動及び停止を自動的に行なうことができ旋回操作を簡単にすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。
図1及び図2は本発明による走行車両を備えた施肥田植機の全体側面図及び平面図である。この施肥田植機1は、走行車体2の後方に昇降リンク装置3を介して5条植えの苗植付部4が昇降可能に設けられ、更に、走行車両2の後部上側に施肥装置5の本体部が設けられている。また、走行車両2の前部左右両側には、左右各2段づつの予備苗枠6,…が設けられている。苗植付部4及び施肥装置5は公知の構成であるのでその説明を省略する。
【0009】
走行車両2は、走行推進体である左右一対の前輪7,7及び後輪8,8を備えた四輪駆動車両であって、図3に示すように、機体の前部に配設されたミッションケース10の左右両側面部から前輪アクスルケース11,11が側方に延設され、その先端部に変向可能に設けた前輪ファイナルケース12,12に前輪7,7が回転自在に支承されている。また、ミッションケース10の背面部には左右一対のメインフレーム13,13の前端部が固着され、このメインフレーム13,13の後端部から左右両側に延びるリヤーフレーム14の先端部に固定して設けた後輪ファイナルケース15,15に後輪8,8が回転自在に支承されている。
【0010】
メインフレーム13,13の前後方向中間部上方にエンジン20が搭載され、このエンジン20の上側をエンジンカバー21で覆い、エンジンカバー21の上方に座席22が設置されている。座席22の前方には各種操作機構の内蔵されたボンネット23が配置されていて、ボンネット23の上方に操向輪である前輪7,7を操作するステアリングハンドル24が設けられている。エンジンカバー21及びボンネット23の周囲には、人が移動したり作業をするためのステップ25が設けられている。
【0011】
なお、各種操作装置として変速レバー30、副変速レバー31、植付・昇降レバー32、四輪ブレーキぺダル33、四輪ブレーキレバー34、左右の後輪ブレーキぺダル35L,35R、差動ロックレバー36、差動制限荷重調節レバー37が設けられている。
【0012】
次ぎに、走行車両2の動力伝達機構について説明する。
エンジン20の左側面部にエンジン出力軸40が突出していて、そのエンジン出力軸40の回転動力がベルト式変速装置41と主クラッチ機能付きのベルト伝動装置42を経由して、ミッションケース10の左側面部に突出しているミッション入力軸43へ伝達される。また、エンジン出力軸40の延長線上で前記ベルト式変速装置41よりも外側に油圧ポンプ45が設けられていて、エンジン出力軸40の回転動力でこの油圧ポンプ45が直接駆動される。なお、ベルト式変速装置41の変速作動は変速レバー30の前後方向の操作によりなされる。
【0013】
図4はミッションケース10の内部構造を示す図である。主クラッチとしてのベルト伝動装置42を介してミッション入力軸43に入力された動力は、「路上走行速」「通常植付速」「超低速」「中立」の各シフト位置を有する副変速装置50を経由して副変速軸51に伝達される。副変速装置50は副変速レバー31でシフトチェンジする。そして、副変速軸51の回転動力の一部は、走行動力として前後進切替装置52を経由してブレーキ軸53に伝達される。前後進切替装置52は、副変速軸51からブレーキ軸53へ逆転動力を伝達する「前進」と、同方向に動力を伝達する「後進」と、動力を伝達しない「PTO」とに切り替えるようになっている。この前後進切替装置52のシフトチェンジは、変速レバー30の左右方向の操作により行なう。ブレーキ軸53には、四輪ブレーキぺダル33あるいは四輪ブレーキレバー34の操作により作動させることのできる四輪ブレーキ装置55が設けられている。
【0014】
ブレーキ軸53の回転動力は、差動装置56によって走行推進体へ伝動する伝動軸である前輪アクスル57L,57Rに分配して伝達され、更にこの前輪アクスル57L,57Rによって前輪ファイナルケース12,12に伝達されて前輪7,7を駆動する。また、前輪アクスル57L,57Rの外周部に回転自在に嵌合した差動装置56のケースに噛み合う筒軸58L,58Rを経由してミッションケース10の背面部から取り出され、それが後輪伝動軸59,59を介して後輪ファイナルケース15,15に伝達されて後輪8,8が駆動される。
【0015】
左側の前輪アクスル57Lには、差動装置56の差動機能を停止させる差動ロック装置60が設けられている。差動ロック装置60は、前輪アクスル57Lと一体回転し且つ軸方向に摺動自在な摺動体60aを備え、この摺動体60aを回転式の差動ロックピン60bで摺動させて筒軸58Lと噛み合わせることにより、差動装置56の差動機能を停止して(差動ロック装置ON)、左右の前輪アクスル57L,57Rの回転数を同じにする構成となっている。この差動ロック装置60は差動ロックレバー36で操作する。
【0016】
また、右側の前輪アクスル57Rには、図5に示すように差動装置56による左右の前輪アクスルの相対的な回転速度差を制限する差動制限装置61が設けられている。差動制限装置61は、前輪アクスル57R側のプレート61aに軸筒58aに取り付けたディスク61bを皿バネ61cの弾発力によって押しつけている。これにより、左右の前輪アクスル57L,57Rの回転速度差が一定値を超えるまでは、前輪アクスル57Rと筒軸58Rとが一体回転して、前記差動ロック装置60をONにしたのと同様に、差動装置56の機能が停止する。そして、回転速度差が一定値を超えると、皿バネ61cの弾発力に抗してプレート61aからディスク61bが押し戻され、前記アクスル57Rと筒軸58Rとが別々に回転するようになるため、差動装置56が機能するようになる。
【0017】
変更手段である回転式の差動制限荷重変更ピン62によって皿バネ61cをディスク61bと反対側端面の位置をずらすことにより、皿バネ61cの弾発力を変更可能である。皿バネ61cの弾発力を強くすると、差動制限装置61による差動制限領域が狭くなり、左右の前輪アクスル57L,57Rの回転速度差が一定以上大きくならない。また、逆に皿バネ61cの弾発力を弱くすると、差動制限領域が広くなり、左右の前輪アクスル57L,57Rの回転速度差を大きくすることができるようになる。差動制限荷重変更ピン62は差動制限荷重調節レバー37で操作する。
【0018】
左右の筒軸58L,58Rには、差動装置56のケースとの噛み合いを解除して後輪駆動系への伝動を遮断すると共に、この後輪駆動系を制動する後輪クラッチ・ブレーキ装置63L,63Rが設けられている。後輪クラッチ・ブレーキ装置63L,63Rは、後輪ブレーキぺダル35L,35Rでそれぞれ別個に操作する。
【0019】
副変速軸51の回転動力の残りは、作業機駆動用の回転動力として、一対の株間副変速ギヤ65,66を経由してPTO出力軸67に伝達される。PTO出力軸67の後端にはPTO伝動軸68が接続され、PTO伝動軸68を介してPTO動力が植付クラッチケース69に伝達される。そして、植付クラッチケース69から苗植付部4及び施肥装置5に伝動される。
【0020】
走行車両の動力伝動機構は前記のように構成されているので、路面の状況や走行速度に応じて、差動制限荷重調節レバー37を操作して差動制限領域を変更することにより、常に路面あるいは圃場の状況や走行速度に合った適正な動力伝達形態とすることができる。具体的には、機体を旋回させるときに差動制限領域を広くすると、旋回内側の前輪アクスル57L(57R)と旋回外側の前輪アクスル57R(47L)とに動力を適正に分配して伝達することができて旋回走行を安定させることができる。また、路面が軟弱な場合に差動制限領域を広くすると、駆動負荷に応じて左右の前輪アクスル57L,57Rに動力が適正に分配されて伝達されるので、前輪7,7のスリップを防止しながら安定した走行が可能となる。更に、ステアリングハンドル24を大きく切ったときに差動制限領域を広くすると、旋回半径に合った適正な旋回が可能となる。更に、路上走行時などのように車速が大きい場合に差動制限領域を狭くすると、直進性が増し走行を安定させることができる。
【0021】
次に、図6により差動制限装置61の他の実施例について説明する。
差動制限装置61の差動制限荷重の変更手段である回転式の差動制限荷重変更ピン62により、皿バネ61cのディスク61bと反対側端面の位置をずらすことにより皿バネ61cの弾発力を変更するにあたり、差動制限荷重変更ピン62をA位置に操作し、皿バネ61cの弾発力を所定弾発力に調節して差動制限装置61の差動制限領域に調節したり、あるいは、更に差動制限荷重変更ピン62をB位置に操作し、皿バネ61cを押圧して前輪アクスル57R側のプレート61aと筒軸58R側のディスク61bを過負荷時にも滑らないように差動ロック状態に変更できるように構成している。
【0022】
しかして、差動装置56を介して左右の前輪アクスル57L,57Rに伝達される動力の相対的な回転速度差を差動制限装置61によって制限することにより、走行車輪の十分な推進力を確保し円滑に旋回走行をするものでありながら、差動制限装置61を差動ロック状態に変更することにより、走行車輪の一方が畔に乗り上げたときや路面の状況が極度に悪くなったときにも走行車輪のスリップを防止し円滑に走行することができる。また、差動制限装置61をロック状態とすることにより差動ロック装置を兼ねることができ、構成を簡素化することができる。
【0023】
次に、図7により差動制限装置61の制御装置について説明する。
コントローラ71の入力側には入力インターフェイスを経由して副変速レバーセンサ72を接続し、コントローラ71の出力側には出力インターフェイスを経由して差動ロックレバー駆動手段73を接続している。
【0024】
しかして、副変速レバー31を「植付速」位置あるいは「超低速」位置の低速変速領域に操作したのを、副変速レバーセンサ72が低速変速領域への操作を検出すると、コントローラ71から差動ロック指令が出されて差動ロックレバー駆動手段73が作動し、差動ロックレバー36を入り側に作動し差動ロック装置60がロック状態となる。
【0025】
また、副変速レバー31を「路上走行速」位置の高速変速領域に操作したのを副変速レバーセンサ72が検出すると、コントローラ71から差動ロック解除指令が出されて差動ロックレバー駆動手段73の作動が解除され、差動ロックレバー36は切り側に復帰し差動ロック装置60が解除される。
【0026】
しかして、低速変速状態では走行伝動経路中の差動ロック装置60が入り状態となり、また、高速変速状態では差動ロック装置60が解除されるので、差動ロック装置60の解除を忘れて高速変速状態に変速しても、差動ロック装置60のロック状態で高速走行するようなこともなく、操作の容易化を図りながら走行の安定を図ることができる。
【0027】
なお、差動ロック装置60の入/切に代えて、差動制限装置61の差動制限領域を変更手段により変更して、差動装置56を差動制限領域に切り替えたり、差動装置56が差動しない差動ロック状態に切り替えるように構成してもよい。
次に、図8により施肥田植機1の操舵装置の他の実施例について説明する。
【0028】
この実施例は、施肥田植機1の走行車体2には左右の傾斜を検出する左右傾斜センサ74を設け、左右傾斜センサ74が所定値以上の左右への傾斜を検出すると、操舵モータ75を作動させて、操舵車輪である左右の前輪7,7を傾斜高位側に所定角操舵し、傾斜低位側への曲進を防止し走行車体2を直進させようとするものである。
【0029】
左右に回動するピットマンアーム76の先端部に左右の前輪7,7を操舵する操舵ロッド77,77を連結し、操舵手段78をピットマンアーム76の先端部に連結している。この操舵手段78は、バネ78a,78aを介してピットマンアーム76に押し引き可能に連結されている左・右操舵ワイヤ78b,78bと、左・右操舵ワイヤ78b,78bの他端部が連結されているラック78cと、ラック78cを駆動するピニオン78dにより構成されていて、操舵モータ75によりピニオン78dを駆動する。そして、コントローラ71の入力側には入力インターフェイスを経由して左右傾斜センサ74を接続し、コントローラ71の出力側には出力インターフェイスを経由して操舵モータ75を接続している。
【0030】
しかして、左右傾斜センサ74が所定角以上の左右への傾斜を検出すると、コントローラ71から傾斜高位側に所定角度操舵する指令が出されて操舵モータ75が作動され、左右の前輪7,7が傾斜高位側に所定角度操舵される制御がなされる。従って、傾斜地でも走行車体を直進走行させることができ、ハンドル操作が容易となる。尚、オペレ−タの意志でステアリングハンドル24を操作すれば、バネ78a,78aを抗してピットマンア−ム76を操作し、操舵することもできる。従来のステアリングハンドル24の操作によるものだけでは、傾斜地で直進走行させることが困難である。
【0031】
次に図9〜図11に基づき施肥田植機1の運転制御ついて説明する。
コントローラ71の入力側には、入力インターフェイスを介して記憶開始スイッチ79、記憶停止スイッチ80、苗タンク81の横移動量を検出する横移動量検出センサ82、前輪7,7の操舵状態を検出する操舵センサ83、車速センサ94を接続し、コントローラ71の出力側には、出力インターフェイスを介して苗植付部4の動力の入/切をする制御モータ84、昇降リンク装置3を昇降する昇降シリンダ駆動手段85を接続している。
【0032】
苗植付部4の苗載せ台86には上レール87及び下レール(図示省略)を介して苗タンク81を横方向に往復移動自在に支持し、苗載せ台86のフレーム部に横移動量検出センサ82を設けている。しかして、苗タンク81が上レール87に接触させながら往復横移動すると横移動量検出センサ82回転し、苗タンク81の横移動量を検出することができる。
【0033】
長方形の圃場88において施肥田植機1を畔に沿わせて走行し苗植付作業をするにあたり、苗植付装置(図示省略)の植え始めの第一行程目Aにおいて、苗植付作業の開始時に記憶開始スイッチ79をONして苗タンク81の横移動量の検出を開始し、第一行程目Aの苗植付作業の終了時に記憶停止スイッチ80をONし、横移動量検出センサ82により第一行程の苗タンク81の横移動量を検出し、コントローラ71の記憶部に記憶する。
【0034】
なお、第一行程の苗植付作業開始時には、制御モータ84を手動操作して苗植付部4に動力を伝達し、第一行程の苗植付作業終了時には、制御モータ84を手動操作して苗植付部4の駆動を停止し、ステアリングハンドル24を操作して施肥田植機1を旋回させる。
【0035】
次いで、施肥田植機1の第一行程Aの旋回終了を操舵センサ83が検出すると、所定距離走行すると第二行程目Bの苗植付作業を開始する。第二行程目Bの苗植付部作業の開始時にはコントローラ71の指令により制御モータ84が作動されて苗植付部4の駆動が開始され、横移動量検出センサ82が苗タンク81の横移動量の検出を開始する。次いで、横移動量検出センサ82が苗タンク81の前記一行程目に検出記憶した横移動距離の移動終了を検出すると、コントローラ71からの制御指令により制御モータ84を駆動して苗植付部4の駆動を停止する。次いで、ステアリングハンドル24を操作して施肥田植機1の旋回を開始すると、操舵センサ83の検出情報によりコントローラ71の指令が出されて昇降シリンダ駆動手段85が作動して昇降リンク装置3を上昇させ、施肥田植機1の旋回終了を操舵センサ83が検出し所定距離走行すると、第三行程目の苗植付作業を開始する。なお、第三行程目以降は第二行程目Bと同様の制御がなされる。
【0036】
従来技術にあっては、苗植付行程を終了する毎にオペレータが制御モータ84を手動操作あるいはレバーを操作して苗植付装置の駆動を停止させる必要があり、施肥田植機1の旋回操作が煩雑となる不具合があった。
しかし、この実施例では前記のように構成したので、第一行程目Aだけは記憶開始スイッチ79及び記憶停止スイッチ80の操作をすると共に、制御モータ84を手動操作して苗植付部4の駆動及び停止をする必要があるが、第二行程目B以降は苗植付部4の駆動及び停止を自動的に行なうことができ旋回操作を簡単にすることができる。
【0037】
次に、図12〜図14に基づき座席22及びステップ25部の他の実施例について説明する。
ステップ部89a、エンジンカバー部89b、座席部89cを一体化して例えば合成樹脂材により上部機体89を構成し、座席部89cにクッション材90を貼り付け、座席部89aには背凭れ部89dを一体構成、あるいは、別に構成した背凭れ部89dを取り付ける構成である。
【0038】
そして、前記背凭れ部89bをくりぬき加工して工具入れ91を構成し、背凭れ部89dの上部を蓋材92で被覆し、係止具93で係止している。
前記のように構成したので、ステップ部89a、エンジンカバー部89b及び座席89cを一体化してコストの低減を図ることができ、また、座席部89cの背凭れ部89dに工具入れ91を構成したので便利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体の側面図
【図2】全体の平面図
【図3】要部の平面図
【図4】要部の切断平面図
【図5】要部の切断走行
【図6】要部の切断側面図
【図7】制御ブロック図
【図8】要部の平面図
【図9】圃場の平面図
【図10】要部の側面図、正面図
【図11】制御ブロック図
【図12】要部の側面図、正面図
【図13】要部の平面図
【図14】要部の斜視図
【符号の説明】
1:施肥田植機、2:走行車両、3:昇降リンク装置、4:苗植付部、7:前輪、8:後輪、31:副変速レバー、37:差動制限荷重調節レバー、56:差動装置、57L,57R:前輪アクスル、58L,58R:筒軸、60:差動ロック装置、61:差動制限装置、71:コントローラ、79:記憶開始スイッチ、80:記憶停止スイッチ、81:苗タンク、82:横移動量検出センサ、83:操舵センサ、84:制御モータ、85:昇降シリンダ駆動手段
Claims (1)
- 走行車両(2)の後方に昇降リンク装置(3)を介して苗植付部(4)を設け、走行車両(2)には、左右一対の前輪(7)及び後輪(8)と、該前輪(7)及び後輪(8)を駆動するミッションケース(10)を設け、該ミッションケース(10)には、左右の前輪(7)へ動力を伝動する左右の前輪アクスル(57L,57R)を夫れ夫れの駆動負荷に応じて差動させる差動装置(56)を設け、右側の前輪アクスル(57R)に左右の前輪アクスル(57L,57R)の相対的な回転速度差を制限する差動制限装置(61)を設け、前記差動装置(56)が差動しないように前記差動制限装置(61)の差動制限領域を変更する差動制限荷重調節レバー(37)を設け、左側の前輪アクスル(57L)に差動装置(56)の差動機能を停止させる差動ロック装置(60)を設け、差動装置(56)のケースに噛み合う左右の筒軸(58L,58R)から左右の後輪(8)へ伝動する構成とし、変速レバー(31)を低速変速領域に操作すると差動ロック装置(60)をロック状態にし、変速レバー(31)を高速変速領域に操作すると差動ロック装置(60)のロック状態を解除する構成とし、前輪(7)の操舵状態を検出する操舵センサ(83)と、昇降リンク装置(3)を昇降する昇降シリンダ駆動手段(85)と、苗植付部(4)の動力を入切する制御モータ(84)と、苗植付部(4)の苗タンク(81)の横移動量を検出する横移動量検出センサ(82)と、該横移動量検出センサ(82)による苗タンク(81)の横移動量の検出を開始させる記憶開始スイッチ(79)と、苗植付作業の終了時に検出した苗タンク(81)の横移動量を記憶するための記憶停止スイッチ(80)を設け、操舵センサ(83)による旋回終了の検出から所定距離走行すると制御モータ(84)により苗植付部(4)の駆動を開始すると共に横移動量検出センサ(82)による苗タンク(81)の横移動量の検出を開始し、横移動量検出センサ(82)が記憶停止スイッチ(80)のON操作により記憶した横移動量を検出すると制御モータ(84)により苗植付部(4)の駆動を停止し、操舵センサ(83)により旋回開始を検出すると昇降シリンダ駆動手段(85)により昇降リンク装置(3)を上昇させるコントローラ(71)を設けたことを特徴とする田植機。
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