JP3991916B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の前部車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の前部車体構造に関する従来技術としては、下記特許文献1が知られている。同文献1に開示されている構造は、図6に示しているように、フードパネルと、フェンダパネルと、樹脂材から成る取付フランジと、エプロンメンバアッパとエプロンメンバロアとで構成されたエプロンメンバとを有し、フェンダパネルは、その縦壁部が取付フランジの縦壁部とリベットにより固定され、取付フランジの下部は、その下壁部がエプロンメンバアッパの突出部とボルト、ナットで締結されたものである。
【0003】
そして、上記のような構造によれば、フードパネルとフェンダパネルとの境界に略上方から略下方に向けて荷重が加わった際に、取付フランジは樹脂製であるため、荷重が集中する取付フランジ段部の横壁部が比較的容易に破断し、この破断の過程でエネルギーを吸収できる、とされている。
【0004】
しかし、図6から分かるように、同文献1の構造には樹脂を充填した肉厚部が車幅方向に延びて設けられており、この肉厚部によってフェンダの横方向の剛性が高められていると考えられるが、一方で、フェンダやフードパネルに上方から下方に向かって荷重が加わった際に、下方に向かって変形しようとしても肉厚部によって変形が阻害され、その結果、横壁部が破断するに至る初期荷重が高くなってしまう、という問題があり、フェンダやフードパネルに上方から下方に向かって荷重が加わった際の荷重エネルギーの吸収性と、フェンダに対して横方向から荷重が加わった際のフェンダの横剛性確保との両立が求められる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−180350号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上から本発明は、フェンダやボンネットの上方から下方に向かう荷重が加わった際の荷重エネルギーの吸収性と、フェンダパネルに対して車幅方向外方から内方に向かって荷重が加わった際のフェンダの横方向の剛性確保とを両立させることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わる第一の構成は、車両前方部に設けられるエンジンルームの側壁を構成するホイールエプロン部材と、ホイールエプロン部材を覆うように車両前方側面を構成するフェンダパネルとが合成樹脂材から成る連結部材で連結される、車両の前部車体構造であって、連結部材の下部はホイールエプロン部材に取付けられる一方、連結部材の上部にはフェンダパネル上端部を保持する保持部が設けられ、保持部は、車幅方向外方側に開口され、且つ車両前後方向に延びる溝部を有し、溝部でフェンダパネル上端部が保持されているものである。
【0008】
第一の構成によれば、本発明に係る車両の前部車体構造は、車両前方部に設けられるエンジンルームの側壁を構成するホイールエプロン部材と、ホイールエプロン部材を覆うように車両前方側面を構成するフェンダパネルとが合成樹脂材から成る連結部材で連結されるため、フェンダパネル上端部近傍の上方から下方に向かって荷重が加わった際に、合成樹脂材製の連結部材が変形して荷重エネルギーの吸収性が向上できる。
【0009】
しかしその反面、フェンダパネルは合成樹脂材製の連結部材で連結されるため、フェンダパネルの車幅方向外方から荷重が加わるとフェンダパネルは車幅方向内方側に向かって変形し易やすく、側突時の安全性に課題が生じる。
【0010】
従って、第一の構成によれば、更に、フェンダパネル上端部は保持部に設けられた車幅方向外方に向き、且つ車両前後方向に延びる溝部によって保持されている、つまり車幅方向に対面しつつ車両前後方向に渡って保持されているので、フェンダパネルに横方向の荷重が入力されてもフェンダパネルの上端部がエンジンルーム側に向かって倒れ込み難い、横剛性の高い構造とすることができ、その結果、フェンダやボンネットの上方から下方に向かう荷重が加わった際の荷重エネルギーの吸収性と、フェンダパネルに対して車幅方向外方から内方に荷重が加わった際のフェンダの横方向の剛性確保とを両立させることができる。
【0011】
本発明に関わる第二の構成は、フェンダパネル上端部には、車両下方に向かって段下げされた段部が車両内方に延設されていて、段部が前記溝部に嵌め込まれるとともに、溝部の上壁側の上面がフェンダパネル外面の曲面と連続的に繋がる曲率面とされているものである。
【0012】
第二の構成によれば、フェンダパネル上端部から車両内方に向かって段下げされた段部が溝部に嵌め込まれ、保持されている。従って、フェンダパネルの車幅方向外方から内方に向かって荷重が加わった際、フェンダパネル上端部が車幅方向内方に向かって変位しようとするのが抑制されるので、フェンダの横方向の剛性確保の効果を増すことができ、更に、段部の最端部が車両外方から見えず、見栄えを向上することができる。また、溝部の上壁側の上面がフェンダパネル外面の曲面と連続的に繋がる曲率面とされているので、フェンダパネルから溝部上壁に至る面が滑らかに繋がった状態に見え、更に見栄えを向上することができる。
【0013】
本発明に関わる第三の構成は、溝部の上壁側の車幅方向外方側端部には、フェンダパネルと接するリップ部が設けられているものである。
【0014】
第三の構成によれば、溝部の上壁側端部にはフェンダパネルと接するリップ部が設けられているので、フェンダの横方向の剛性確保のために溝部に嵌め込まれて支持される段部の落ち込みが見えなくなり、見栄えを向上することができる。
【0015】
本発明に関わる第四の構成は、保持部には、エンジンルームの上方を覆うボンネットとの間をシールするシール部材が設けられているものである。
【0016】
第四の構成によれば、保持部には、エンジンルームの上方を覆うボンネットとの間をシールするシール部材が設けられている。従って、フェンダパネルの車幅方向外方から内方に向かって荷重が加わった際、フェンダパネル上端部がシール部材を介してボンネットの車幅方向外端部に当接し易くなる。そして、当接の結果、ボンネットの車幅方向外端部がシール部材を介してフェンダパネル上端部を支持し、フェンダパネル上端部がボンネット側に向かって更に変位するのを抑制するので、フェンダの横方向の剛性が確保できる。
【0017】
さらに、フェンダパネル上端部とボンネット端部との隙間がシールされて見栄えを向上できると共に、水の浸入や、走行時におけるフェンダパネル上端部とボンネット端部との隙間への走行風の侵入による笛吹き音(ヒュー音)の発生も防止できる。
【0018】
本発明に関わる第五の構成は、シール部材の上面には、車両前後方向に延びてボンネットと接する突部が設けられているものである。
【0019】
第五の構成によれば、シール部材の上面には、前後方向に延びてボンネットと接する突部が設けられているので、フェンダパネルの車幅方向外方から荷重が加わって、フェンダパネル上端部がシール部材を介してボンネットの車幅方向外端部に当接する際に、シール部材が上下に逃げてしまうのが回避できる。従って、シール部材は、フェンダパネル上端部とボンネットの車幅方向外端部との間に介在し易くなる。その結果、ボンネットの車幅方向外端部がシール部材を介してフェンダパネル上端部を支持し、フェンダパネル上端部がボンネット側に向かって更に変位するのを抑制するので、フェンダの横方向の剛性が確保できる。
【0020】
また、ボンネット端部と保持部のシール部材とのシール性が更に向上して、上記第四の構成による、見栄えの向上、水の浸入や笛吹き音(ヒュー音)の発生の防止効果を一層増すことができる。
【0021】
本発明に関わる第六の構成は、連結部材には、車幅方向外方に延び、且つ段部よりも下方のフェンダパネル内面に当接する突出部が設けられているものである。
【0022】
第六の構成によれば、連結部材には、車幅方向外側でかつ、段部よりも下方のフェンダパネル内面に当接する突出部が設けられているので、段部と、それよりも下方の位置とにおいてフェンダパネルをエンジンルーム側から当接、支持する構造となり、結果、上記第一の構成で説明した横剛性の向上の効果をより一層奏することができる。
【0023】
本発明に関わる第七の構成は、保持部は、ホイールエプロン部材への取付け位置よりも車幅方向外方にオフセットされた位置に設けられているとともに、段部の車幅方向内方側端部からは下方に垂下する取付けフランジが設けられ、取付けフランジの下端部において車幅方向内方側に屈曲された取付けフランジ下端面部と、ホイールエプロン部材の上端部において車幅方向外方側に屈曲されたホイールエプロン部材上端面部とが連結されているものである。
【0024】
第七の構成によれば、保持部、即ち、フェンダパネルを保持する連結部材上部は、前記ホイールエプロン部材への取付け位置よりも車幅方向外方にオフセットされた位置に設けられ、さらに連結部材が合成樹脂製であるところから、フェンダパネルやボンネットの上方から下方に向かって荷重が加わってきた際の連結部材の変形が容易であり、その変形の過程で上記荷重エネルギーの吸収性が向上できるとともに、保持部によって保持される段部の車幅方向内方側端部からは下方に垂下する取付けフランジが設けられ、取付けフランジの下端部において車幅方向内方側に屈曲された取付けフランジ下端面部と、ホイールエプロン部材の上端部において車幅方向外方側に屈曲されたホイールエプロン部材上端面部とが連結されているので、連結部材以外にフェンダパネル上端部付近とホイールエプロン部材とが連結される構造となり、結果、フェンダパネルに横方向の荷重が入力されてもフェンダパネルの上端部がエンジンルーム側に向かって倒れ込み難い、横剛性の高い構造とすることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フェンダやボンネットの上方から下方に向かう荷重が加わった際の荷重エネルギーの吸収性と、フェンダパネルに対して車幅方向外方から内方に向かって荷重が加わった際のフェンダの横方向の剛性確保とを両立させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5に基づいて説明する。
【0027】
図1は、本発明に係る車両の前部に設けられるエンジンルーム側方部の構造を示す斜視図である。図1によれば、エンジンルームERの側方部は、車体の最も側方部において車両前後方向に配設されているフェンダパネル1と、フェンダパネル1よりも車幅方向内方側において車両前後方向に配設されているホイールエプロン部材7(以下、エプロン部材7)と、フェンダパネル1とエプロン部材7とを連結する合成樹脂材、例えばポリプロピレン樹脂からなる連結部材3とを有している。なお、フェンダパネル1とエプロン部材7は、共に鋼板材である。
【0028】
詳細には、フェンダパネル1には短冊状の複数の取付けフランジ5a、5b、5cが車両前後方向に渡って垂下して設けられており、これら取付けフランジ5a、5b、5cの上方部に設けられた取付け孔(符号なし)に、連結部材3に設けられたクリップ部を嵌合させてフェンダパネル1と連結部材3とが連結されている(図2参照)。
【0029】
一方、連結部材3の下方部にも取付け孔(符号なし)が設けられ、エプロン部材7の下方部に設けられた取付け孔(符号なし)を利用し、締結部材によって連結部材3とエプロン部材7とが連結されている(図2参照)。
【0030】
さらにまた、エプロン部材7の上部は略水平に車幅方向外方側に屈曲されたホイールエプロン部材上端面部7bを有し、取付けフランジ5a、5b、5cの下端部において略水平に車幅方向内方側に屈曲された取付けフランジ下端面部5dと締結部材によって連結されている(図2参照)。
【0031】
なお、図1において、エプロン部材7には切欠き凹部7aが設けられ、この切欠き凹部7aはサスタワー部9を収容するためのものである。
【0032】
続いて、図2を用いて、本発明の実施形態を更に詳細に説明する。なお、図2(A)は、図1におけるA−A断面矢視図であり、図2(B)は、図2(A)におけるフェンダ上端部付近の拡大図である。
【0033】
図2から分かるように、図1におけるA−A断面では、フェンダパネル1のアウタ面部1aがエンジンルームER側に倒れ込むように湾曲してフェンダ上端部1bに至り、フェンダ上端部1bからはエンジンルームER側、即ち、車両内方に向かって段下げされた段部1cと、段部1cの車両内方側端部から下方に向かう垂下部1eと、垂下部1eの下部から車両内方側に下降傾斜する傾斜面部1fと、傾斜面部1fから垂下する取付けフランジ5aと、取付けフランジ5aの下端部から車両内方側に向かって略水平に延びる取付けフランジ下端面部5dとが形成されている。
【0034】
また、連結部材3は、フェンダパネル1の段部1bを覆う上壁部3iと、上壁部3iの車幅方向内方側端面から垂下部1eと傾斜面部1fに沿って下方に延びる外方側縦壁部3hと、外方側縦壁部3h下端部から車幅方向内方側に延びる底面部3gと、底面部3gの車幅方向内方側端面から分岐して上方に向かって延びる内方側縦壁部3fと、底面部3gの車幅方向内方側端面から分岐して下方に向かって延びる垂直面部3Bと、垂直面部3Bから車幅方向内方側に向かって下降傾斜する傾斜面部3eと、傾斜面部3eの下部から下方に延び、ホイールエプロン部材7の垂直面部7aに締結部材T1によって締結される取付け面部3Aと、取付けフランジ5aの上部に形成された取付け孔(図示なし)に挿通して取付けフランジ5aと連結するために外方側縦壁部3hの下方部に車両外方に向かって設けられたクリップ部3kとが形成されている。さらにまた、底面部3gの上面且つ車幅方向外方には車両前後方向に延びる溝部3nが、底面部3gの下面且つ車幅方向内方には車両前後方向に延びる溝部3mが形成されている。
【0035】
また、図2(B)に示しているように、連結部材3の上壁部3iの車幅方向内方側端面にはラバー製シール部材3sがボンネット10の車両外方側端部10aaに向かって延び、当接している。
【0036】
詳細には、ラバー製シール部材3sの上面部には突部3tが形成されてボンネット10の車両外方側端部10aaと当接し、さらに、ラバー製シール部材3sの先端部3saは、ボンネットアンダー10bの側端を覆うようにへミング加工されたボンネットアッパー10aのヘム部10abと当接しており、このような構造によって、ボンネット10とフェンダ1との隙間がシールされて見栄えが向上すると共に、水がエンジンルームERに侵入したり、走行時に風が隙間に入り込んで笛吹き音(ヒュー音)が発生したりするのを防止することができる。
【0037】
ラバー製シール部材3sは、フェンダパネル1の車幅方向外方から内方に向かって荷重が加わった際、フェンダパネル上端部1bが車幅方向内方側、即ちボンネット10の車両外方側端部10aaに向かって変位して強く当接するが、この当接によって、フェンダパネル上端部1bがボンネット側にさらに変位するのを抑制する効果があり、これについては図5を用いて後述する。
【0038】
一方、連結部材3の上壁部3iの車幅方向外方側端面には、フェンダパネル1のフェンダパネル上端部1b近傍と当接するラバー製リップ部3rが設けられており、これによりフェンダパネル上端部1bから段下げされている段部が見えなくなるので見栄えが向上する。
【0039】
特に、図2(B)から分かるように、連結部材3の上壁部3iの上面は、フェンダパネル1のアウタ面部1aの曲率に沿うような曲面で形成されて、フェンダパネルから溝部上壁に至る面が滑らかに繋がった状態に見えるので、見栄えが向上する。
【0040】
なお、ラバー製シール部材3sとラバー製リップ部3rは、夫々、上壁部3iに加硫接着されてなるものである。
【0041】
次に、図2において、フェンダパネル1の外方から内方に向かって荷重が加わった際の、フェンダパネル1の横剛性について説明する。本発明は、フェンダやボンネットの上方から下方に向かって荷重が加わった際にその荷重エネルギーの吸収性を高めるために、フェンダパネルからホイールエプロン部材に至る連結部が変形しやすいようにしているが、それに伴って横剛性も低下してしまう。従って、その両立が車両構造に求められる。
【0042】
図1のA−A断面では、取付けフランジ5aがフェンダパネル上端部1b、段部1c他から垂下し、その取付けフランジ下端面部5dと、ホイールエプロン部材7の垂直面部7a上端部から車幅方向外方に向かって延びるホイールエプロン部材上端面部7bとが締結部材T2によって締結されている。
【0043】
一方、先に説明したように、連結部材3の上部はクリップ部3kによって取付けフランジ5aの上部と連結され、さらに連結部材3の下部はホイールエプロン部材7の垂直面部7aに締結部材T1によって締結されている。
【0044】
このように、フェンダパネル1は、その取付けフランジ5aと、連結部材3と、ホイールエプロン部材7とによって立体的に一体化されている。したがって、フェンダパネル1に外方から荷重が加わった際、フェンダパネル上端部1bはエンジンルームER側に倒れ込むのが抑制されており、横剛性が確保されている。
【0045】
次に、図1におけるB−B断面矢視図である図3に基づいて、取付けフランジ他の形成されていない部分の構造を説明する。なお、図3の説明では、図2と異なる点のみについて説明を加える。
【0046】
図1の断面B−Bでは、段部1cの車両内方側端部から下方に向かう垂下部1eと、垂下部1eの下部から車両内方側に下降傾斜する傾斜面部1fと、傾斜面部1fから垂下する取付けフランジ5aと、取付けフランジ5aの下端部から車両内方側に向かって略水平に延びる取付けフランジ下端面部5dと、連結部材3におけるクリップ部3kは形成されていない。
【0047】
しかし、断面A−Aには含まれない構造、具体的には、連結部材3における外方側縦壁部3hの高さ方向略中間部から車幅方向外方に向かって突出する突出部3jが設けられ、突出部3jの外方端部はフェンダパネル1のアウタ面部1aの内面に当接し、さらに、突出部3jと上壁部3iとの間にはフェンダパネル1の段部1cが嵌め込まれる段部保持溝部3pが形成された構造を有している。
【0048】
つまり、断面B−Bには断面A−Aで形成されている取付けフランジ5a他が設けられていないため、突出部3jをフェンダパネル1のアウタ面部1aに向かって設けることができている。
【0049】
なお、アウタ面部1aの内面に当接する突出部3jの先端部3jaは、外方側縦壁部3hから延びる延設部3jbの厚さよりも大きな肉厚とされている。これは、フェンダパネル1の段部1cを先端部3jaの上部から段部保持溝部3pに嵌め込み易くするための構造である。
【0050】
このように、断面B−Bにおいては、フェンダパネル上方部、即ち、段部1cが段部保持溝部3pによって保持され、且つ突出部3jによってフェンダパネル1のアウタ面部1aの内面が当接、支持されているところから、フェンダパネル1に外方から荷重が加わった際、フェンダパネル上端部1bはエンジンルームER側に倒れ込むのが抑制されており、横剛性が確保されている。
【0051】
以上から分かるように、フェンダパネル上方部は、図1における断面A−A部、及び断面B−B部、即ちフェンダパネル前後方向全体に渡って横剛性が確保された構造となっている。
【0052】
次に、フェンダやボンネットの上方から下方に向かって荷重が加わった際の、荷重エネルギーの吸収性について、図4を用いて説明する。なお、図4は、図1のA−A断面である図2を下に、フェンダパネル、ボンネット、及び連結部材の変形を示すもので、二点鎖線は変形前、実線は変形後を示すものとする。
【0053】
また、ここで説明するフェンダパネル、ボンネット、及び連結部材の変形の形態は、荷重エネルギー量、荷重の加わる方向の垂直方向に対する角度、荷重の加わる車幅方向における位置、更には、荷重として加わる物の面積等によって様々である。従って、本実施の形態では、フェンダパネルとボンネットとを跨ぐ位置において、上方から略垂直に連結部材等が変形する荷重が加わった場合の一変形形態を説明するものとする。
【0054】
図4(A)に示しているように、フェンダパネル1とボンネット10とを跨ぐ位置において、上方から略垂直にフェンダパネル1、ボンネット10、及び連結部材3を変形させる荷重Fが加わった場合、フェンダパネル1とボンネット10の車両外方側端部10aaは下方に向かって変形、変位する。即ち、フェンダパネル1においては、アウタ面部1aはエンジンルームER側に倒れるように大きく湾曲し、フェンダパネル上端部1bもそれに伴って下方に変位する。
【0055】
取付けフランジ5aは、フェンダパネル上端部1bと段部1c、垂下部1e、及び傾斜面部1fを経てこれらと一体的に繋がっているので、やはり下方に変位しながら湾曲変形する。
【0056】
この時、取付けフランジ5a他は短冊状で変形し易いこと、及び、エプロン部材7と、連結部材3における取付け面部3Aとの連結部(締結部材T1による連結部:図2参照)を基準にすると、取付けフランジ5aの上部が、車両外方側にオフセットされた位置に設定されていることから、上方からの荷重に対しての変形のし易さは、より顕著なものとされている。従って、フェンダパネル1におけるアウタ面部1aの変形に伴う取付けフランジ5a他の変形の過程で、荷重エネルギーの吸収性を高めることができる構造とされている。
【0057】
一方、連結部材3の変形は、垂直面部3B下方から傾斜面部3e(第2オフセット部)に亘る部分が略く字状に屈曲する。このような変形は、荷重の加わるフェンダパネル上端部1bとボンネット10の車幅方向側端部10aaの位置が連結部材3における取付け面部3A(エプロン部材7との固定部)の位置に対して車両外方にオフセットされていることによる。とりわけ、傾斜面部3eによって、予め垂直面部3Bと傾斜面部3eとに所定の面角度を持たせてあること、及びモーメントが作用するようにオフセット部の幅を持たせてあることが略く字状の変形を容易にしており、これにより、変形の過程で荷重エネルギーを吸収することができるものとなっている。
【0058】
また、連結部材3の上部において、上壁部3iと、外方側縦壁部3hと、底面部3gと、内方側縦壁部3fと、クリップ部3kとを含む保持部3Dの変形について、その詳細を図4(B)に示している。これによれば、ボンネット10の車幅方向側端部10aaが保持部3Dの車幅方向内方側縦壁部3f頂部に当接しながら下方に向かって変位するので、車幅方向内方側縦壁部3fも下方に向かって変位する。そして、一方の外方側縦壁部3hは、その下方に設けられたクリップ部3kが取付けフランジ5aに連結されているので、フェンダパネル上端部1bが下方に向かって倒れ込んでくるのに伴って、取付けフランジ5aがエンジンルームER側に倒れ込むように湾曲するのと同様に、エンジンルームER側に倒れ込むように変形する。
【0059】
このように、保持部3Dが様々な角度に変形可能なのは、単に連結部材が合成樹脂によって形成されているに止まらず、溝部3n、3mが切欠き部としての効果を有しているためであり、溝部3nは底面部3gに対してその面角度を狭めるように変形し、さらに溝部3mは、底面部3gと垂直面部3Bとの面角度を広げる様に変形する。また、底面部3gも車幅方向の幅(オフセットの幅)を有しているので変形する。したがって、溝部3n、3m、及び底面部3gは、上方から荷重が加わってきた初期の段階から変形して荷重エネルギーを吸収しつつ、取付けフランジ5aや垂直面部3Bへの荷重を分配伝達するので、とりわけ、イニシャル荷重のエネルギー吸収性を向上できる。
【0060】
なお、図1におけるB−B断面においては、特に図示しないが、図4で読み取れる。即ち、突出部3jと上壁部3iとの間に形成されている段部保持溝部3pによって保持されている段部1cは、フェンダパネル上端部1bと共に下方に向かって倒れ込み、それに追随するように突出部3jと上壁部3iも変形する。
【0061】
以上の説明のように、本発明においては、フェンダパネル上方部である段部1cと、その下方の取付けフランジ5aの上方部が合成樹脂製の連結部材3と連結され、且つ、その連結位置は、ホイールエプロン部材7と連結部材3との取付け位置を基準にすると車幅方向外方にオフセットされた位置であるため、フェンダやボンネットの上方から下方に向かって荷重が加わった際に、連結部材3が変形し易く、さらに、取付けフランジ5a、5b、5cも短冊状とされているので変形し易く、その結果、それらの変形の過程で荷重エネルギーの吸収性が向上できる。
【0062】
そしてまた一方で、連結部材3と、ホイールエプロン部材7と、フェンダパネル1とは、立体的に一体化されているので、フェンダパネル1に外方から荷重が加わった際には、フェンダパネル上端部1bはエンジンルームER側に倒れ込むのが抑制されて、横剛性が確保できる。
【0063】
また、図5に基づいて、ラバー製シール部材3sがフェンダパネル1の横剛性確保の効果を有している点について説明を加える。
【0064】
図5は、フェンダパネル1の車幅方向外方から荷重が加わった際、フェンダパネル上端部1bが車幅方向内方側、即ちボンネット10の車両外方側端部10aaの方向に向かって変位して当接している状態を示している。なお、図5(A)はその概略図、図5(B)はラバー製シール部材3sと、ボンネット10における車両外方側端部10aaとの当接部の拡大図である。
【0065】
フェンダパネル1の車幅方向外方から荷重が加わった際、フェンダパネル上端部1bはボンネット10の車両外方側端部10aaの方向に向かって変位する。そしてそれに伴って、連結部材3における保持部3Dを構成している上壁部3i、外方側縦壁部3hはエンジンルームER側に倒れるように変位、変形し、さらに取付けフランジ5aも湾曲変形する。
【0066】
そしてこの時、上壁部3iとボンネット10の車両外方側端部10aaとは、予め近い距離で対面した状態とされているので、上壁部3iがボンネット10の車両外方側端部10aaに近づき、ラバー製シール部材3sは車両外方側端部10aaに強く当接して、フェンダパネル上端部1bが、更に車幅方向内方側に変位するのが抑制できる。
【0067】
ところで、シール部材3sは変形し易いラバー製であると共に、その上面には突部3tが形成されていることも作用して、突部3tが先端部3saと共に車両外方側端部10aaと引っかかり易くなっており、確実に、ラバー製シール部材3sがボンネット10の車両外方側端部10aaとの間に介在して当接できるようになる。
【0068】
従って、ラバー製シール部材3sはその突部3tによってボンネット10の車両外方側端部10aaとの間に介在し、フェンダパネル上端部1bがボンネット10の車両外方側端部10aa側へ更に変位するのを抑制できるので、フェンダパネル1の横剛性確保の効果を引き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す車両の前部構造斜視図
【図2】図1におけるA−A断面矢視図
【図3】図1におけるB−B断面矢視図
【図4】図2におけるフェンダパネル、ボンネット、及び連結部材の変形を示す図
【図5】シール部材がフェンダパネルの横剛性を確保できる効果を示す図
【図6】従来技術を示す図
【符号の説明】
1・・・フェンダパネル 1a・・・アウタ面部
1b・・・フェンダパネル上端部 1c・・・段部
3・・・連結部材 3A・・・取付け面部
3D・・・保持部 3i・・・上壁部
3j・・・突出部 3p・・・溝部
3s・・・シール部材 3t・・・突部
3r・・・リップ部 5a・・・取付けフランジ
5d・・・取付けフランジ下端面部 7・・・ホイールエプロン部材
7b・・・ホイールエプロン部材上端面部 10・・・ボンネット
ER・・・エンジンルーム

Claims (7)

  1. 車両前方部に設けられるエンジンルームの側壁を構成するホイールエプロン部材と、該ホイールエプロン部材を覆うように車両前方側面を構成するフェンダパネルとが合成樹脂材から成る連結部材で連結される、車両の前部車体構造であって、
    前記連結部材の下部は前記ホイールエプロン部材に取付けられる一方、前記連結部材の上部にはフェンダパネル上端部を保持する保持部が設けられ、該保持部は、車幅方向外方側に開口され、且つ車両前後方向に延びる溝部を有し、該溝部で前記フェンダパネル上端部が保持されていることを特徴とする、車両の前部車体構造。
  2. 前記フェンダパネル上端部には、車両下方に向かって段下げされた段部が車両内方に延設されていて、該段部が前記溝部に嵌め込まれるとともに、該溝部の上壁側の上面がフェンダパネル外面の曲面と連続的に繋がる曲率面とされていることを特徴とする、請求項1記載の車両の前部車体構造。
  3. 前記溝部の上壁側の車幅方向外方側端部には、前記フェンダパネルと接するリップ部が設けられていることを特徴とする、請求項2記載の車両の前部車体構造。
  4. 前記保持部には、前記エンジンルームの上方を覆うボンネットとの間をシールするシール部材が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の車両の前部車体構造。
  5. 前記シール部材の上面には、車両前後方向に延びて前記ボンネットと接する突部が設けられていることを特徴とする、請求項4記載の車両の前部車体構造。
  6. 前記連結部材には、車幅方向外方に延び、且つ上記段部よりも下方のフェンダパネル内面に当接する突出部が設けられていることを特徴とする、請求項2乃至5のいずれか一つに記載の車両の前部車体構造。
  7. 前記保持部は、前記ホイールエプロン部材への取付け位置よりも車幅方向外方にオフセットされた位置に設けられているとともに、前記段部の車幅方向内方側端部からは下方に垂下する取付けフランジが設けられ、該取付けフランジの下端部において車幅方向内方側に屈曲された取付けフランジ下端面部と、前記ホイールエプロン部材の上端部において車幅方向外方側に屈曲されたホイールエプロン部材上端面部とが連結されていることを特徴とする、請求項1及至6のいずれか一つに記載の車両の前部車体構造。
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