JP3977897B2 - オルト−置換されたベンゾイルグアニジン、それらの製法、医薬または診断剤としてのそれらの使用およびそれらを含有する医薬 - Google Patents

オルト−置換されたベンゾイルグアニジン、それらの製法、医薬または診断剤としてのそれらの使用およびそれらを含有する医薬 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は式I
【化3】
Figure 0003977897
のベンゾイルグアニジンおよびその医薬的に許容し得る塩に関するものである。
上記式において、
R(1)は、R(13)−SOmまたはR(14)R(15)N−SO2
〔式中、mは1または2であり、
R(13)は、1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するアルキル、1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するアルケニルまたは−Cn2n−R(16)
(式中、nは、0、1、2、3または4であり、
R(16)は、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチル(フェニル、ビフェニリルおよびナフチルは、置換されていないかまたはF、Cl、CF3、メチル、メトキシおよびNR(25)R(26)からなる群から選択された1〜3個の置換分によって置換されておりそしてR(25)およびR(26)は相互に独立して、水素、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキルまたは1、2、3または4個の炭素原子を有するパーフルオロアルキルである)である)であり、
R(14)は、水素、1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するアルキル、1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するアルケニルまたは−Cn2n−R(27)
(式中、nは、0、1、2、3または4であり、
R(27)は、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチル(フェニル、ビフェニリルおよびナフチルは、置換されていないかまたはF、Cl、CF3、メチル、メトキシおよびNR(28)R(29)からなる群から選択された1〜3個の置換分によって置換されておりそしてR(28)およびR(29)は相互に独立して、水素、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキルまたは1、2、3または4個の炭素原子を有するパーフルオロアルキルである)である)であり、
R(15)は、水素、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキルまたは1、2、3または4個の炭素原子を有するパーフルオロアルキルであり、または
R(14)およびR(15)は、一緒になって、4または5個のメチレン基(1個のCH2基は酸素、S、NH、N−CH3またはN−ベンジルにより置換されていてもよい)である〕であり;
置換分R(2)およびR(3)の1個は、水素であり;
置換分R(2)およびR(3)の他のものは、それぞれの場合において、
−CHR(30)R(31)
〔式中、R(30)は、
−(CH2)g−(CHOH)h−(CH2)i−(CHOH)k−R(32)または
−(CH2)g−O−(CH2−CH2O)h−R(24)
であり、
R(24)およびR(32)は、相互に独立して水素またはメチルであり、
g、hおよびiは、同一または異なりそして0、1、2、3または4であり、
kは、1、2、3または4である〕であり;または
置換分R(2)およびR(3)の他のものは、それぞれの場合において
−C(OH)R(33)R(34)
〔式中、R(31)、R(33)およびR(34)は、同一または異なりそして水素、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキルであり、または
R(33)およびR(34)は、一緒になって3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり、または
R(33)は−CH2OHである〕であり;
R(4)は、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルコキシ、F、Cl、Br、I、CNまたは−(CH2)n−(CF2)o−CF3(nは、0または1でありそしてoは0、1または2である)である。
【0002】
R(1)が、R(13)−SO2またはR(14)R(15)N−SO2
〔式中、R(13)は、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル、1、2、3または4個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル、3または4個の炭素原子を有するアルケニルまたは−Cn2n−R(16)
(式中、nは0、1、2、3または4であり、
R(16)は、3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチル(フェニル、ビフェニリルおよびナフチルは、置換されていないかまたはF、Cl、CF3、メチルまたはメトキシからなる群から選択された1〜3個の置換分によって置換されている)である)であり、
R(14)は、水素、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル、1、2、3または4個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル、3または4個の炭素原子を有するアルケニルまたは−Cn2n−R(27)
(式中、nは、0、1、2、3または4であり、
R(27)は、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、ビフェニリルまたはナフチル(フェニル、ビフェニリルおよびナフチルは置換されていないかまたはF、Cl、CF3、メチルまたはメトキシからなる群から選択された1〜3個の置換分によって置換されている)である)であり、
R(15)は、水素、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキルまたは1、2、3または4個の炭素原子を有するパーフルオロアルキルであり、または
R(14)およびR(15)は一緒になって4または5個のメチレン(1個のCH2基は、酸素、S、NH、N−CH3またはN−ベンジルにより置換されていてもよい)である〕であり;
置換分R(2)およびR(3)の1個が水素であり;
置換分R(2)およびR(3)の他のものが、それぞれの場合において、
−CHR(30)R(31)
〔式中、R(30)は
−(CH2)g−(CHOH)h−(CH2)i−(CHOH)k−R(32)または
−(CH2)g−O−(CH2−CH2O)h−R(24)
であり、
R(24)およびR(32)は、相互に独立して水素またはメチルであり、
g、hおよびiは、同一または異なりそして0、1または2であり、
kは、1または2である〕であり;または
置換分R(2)およびR(3)の他のものが、それぞれの場合において
−C(OH)R(33)R(34)
〔式中、R(33)およびR(34)は、同一または異なりそして水素または1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキルであり、または
R(33)およびR(34)は、一緒になって3、4、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり、または
R(33)は−CH2OHである〕であり;
R(4)が、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルコキシ、F、Cl、CNまたは(CF2)o−CF3(式中、oは0、1または2である)である式Iの化合物およびその医薬的に許容し得る塩が、好ましい。
【0003】
R(1)が、R(13)−SO2(式中、R(13)は、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキルである)であり;
置換分R(2)およびR(3)の1個が、水素であり;そして
置換分R(2)およびR(3)の他のものが、それぞれの場合において、
−C(OH)(CH3)−CH2OH、−CH(CH3)−CH2OHまたは
C(OH)(CH3)2
であり;
R(4)が、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルコキシ、F、Cl、CNまたは−CF3である式Iの化合物およびその医薬的に許容し得る塩が、非常に特に好ましい。
【0005】
置換分R(1)〜R(4)の1個が1個または2個以上の不斉中心を有する場合は、これらはSまたはR配置にあることができる。化合物は、光学的異性体として、ジアステレオマーとして、ラセミ体としてまたはこれらの混合物として存在することができる。
アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状であることができる。
【0006】
本発明は、式II
【化4】
Figure 0003977897
(式中、R(1)〜R(4)は、上述した意義を有しそしてLは求核的に容易に置換することのできる脱離基である)の化合物をグアニジンと反応させることからなる式Iの化合物の製法に関するものである。
【0007】
Lが、アルコキシ基、好ましくはメトキシ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、メチルチオ基、2−ピリジルチオ基または窒素複素環、好ましくは1−イミダゾリルである式IIの活性化酸誘導体は、有利にはそれ自体既知の方法で、基をなすカルボニルクロライド(式II、L=Cl)から得られる。このカルボニルクロライドは、それ自体既知の方法で、例えば塩化チオニルを使用して基をなすカルボン酸(式II、L=OH)から製造することができる。
【0008】
式II(L=Cl)のカルボニルクロライドのほかに、式IIの他の活性化酸誘導体は、それ自体既知の方法で、基をなす安息香酸誘導体(式II、L=OH)から直接製造することもできる。例えば、式II(L=OCH3)のメチルエステルは、メタノール中でガス状HClで処理することによって得られ、式II(L=1−イミダゾリル)のイミダゾリドは、カルボニルジイミダゾールで処理することによって得られ〔Staab, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1, 351-367(1962)〕そして混成無水物は、不活性溶剤中でトリエチルアミンの存在下においてCl−COOC25または塩化トシルを使用して得られる。そしてまた、安息香酸の活性化は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはO−〔(シアノ−(エトキシカルボニル)−メチレン)アミノ〕−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(“TOTU")〔Proceedings of the 21st European Peptide Symposium, Peptides 1990, Editors E. Giralt and D. Andreu, Escom, Leiden, 1991〕を使用して実施することができる。式IIの活性化カルボン酸誘導体を製造する多数の適当な方法が、J. March, Advanced Organic Chemistry, Third Edition(John Wiley & Sons, 1985)の350頁における引用された情報文献に記載されている。
【0009】
式IIの活性化カルボン酸誘導体とグアニジンとの反応は、それ自体既知の方法で、プロトン性または非プロトン性の極性の不活性有機溶剤中で行われる。これに関連して、安息香酸メチル(II、L=OMe)をグアニジンと反応させる場合に、20℃〜溶剤の沸騰温度におけるメタノール、イソプロパノールまたはTHFが価値あるものであることが証明された。化合物IIと塩でない遊離のグアニジンとの反応の大部分は、非プロトン性の不活性溶剤、例えばTHF、ジメトキシエタンまたはジオキサン中で有利に実施される。しかしながら、NaOHのような塩基を使用するときは、化合物IIとグアニジンとの反応において、水を溶剤として使用することもできる。
【0010】
L=Clであるときは、反応は、ハロゲン化水素酸を除去するために、酸捕捉剤の存在下において、例えば過剰のグアニジンの形態において有利に実施される。
式IIの基をなす安息香酸誘導体の若干は、既知でありそして文献に記載されている。式IIの未知の化合物は、文献から知られている方法を使用して製造することができる。得られた安息香酸は、上述した方法の変形方法の一つの方法によって化合物Iに変換される。
【0011】
若干の置換分は、例えば有機スタンナン、有機ボロン酸または有機ボラン、または有機銅または有機亜鉛化合物を使用したアリールハライドまたはアリールトリフレートのパラジウム−仲介クロス−カップリングに対して文献から知られている方法を使用して、2、3、4および5−位に導入される。
一般にベンゾイルグアニジンIは弱塩基でありそして酸と結合して塩を形成することができる。適当な酸付加塩は、すべての医薬的に許容し得る酸の塩、例えばハロゲン化水素酸塩、特に塩酸塩、乳酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、燐酸塩、メチルスルホン酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩である。
【0012】
化合物Iは置換されたアシルグアニジンである。
EP−A 640 588A1は、同様な構造を有するベンゾイルグアニジンを開示しているけれども、これらのベンゾイルグアニジンは、本発明の化合物が常に有しているアルキルスルホニルまたはアルキルスルファモイル基を有していない。
EP−A 699 660はまた、オルト−置換されたベンゾイルグアニジンに関するものであるけれども、これらのベンゾイルグアニジンは、R(2)またはR(3)置換分における本発明によるヒドロキシル基を有していない。
【0013】
ドイツ特許出願196 08 162.9(HOE 96/F 042)は、またオルト−置換されたベンゾイルグアニジンを提案しているけれども、これらのベンゾイルグアニジンはアルキルスルホニル基を含有していない。
既知の化合物に比較して、本発明による化合物は、Na+/H+交換の阻害において顕著に高い活性度を有しそして非常に良好な水溶性を有している。
【0014】
既知化合物と同様に、本発明の化合物は、望ましくないそして不利な塩利尿性(salidiuretic properties)を有していないが、例えば酸素欠乏症状に関連して起きる病気の治療に対して重要であるような非常に良好な抗不整脈性を有している。化合物の薬理学的性質の結果として、本発明の化合物は、梗塞予防および梗塞治療および狭心症の治療に対する心臓保護成分を有する抗不整脈薬剤として顕著に適している。これに関連して、化合物はまた、虚血的に誘発される損傷の発生、特に虚血的に誘発される心臓不整脈の引き金に関連する病理生理学的プロセスを予防的に阻止または強力に減少する。病理学的低酸素および虚血情況に対する化合物の保護作用のために、式Iの新規な化合物は、細胞のNa+/H+交換機構の阻害の結果として、虚血により起きるすべての急性または慢性損傷またはそれによって一次的または二次的に誘発される病気の治療に対する薬剤として使用することができる。これは、外科介入、例えば器官移植における薬剤としての化合物の使用に関係する。この場合において、化合物は、除去前および除去中の供与者の器官の保護、ならびに、例えば生理学的浴液による処理中または該浴液中における貯蔵中そしてまた患者の体への移行中の除去された器官の保護に対して使用することができる。化合物はまた、例えば心臓および末梢血管における血管形成術外科介入の遂行中の価値のある保護薬剤である。虚血的に誘発される損傷に対する化合物の保護作用によって、化合物はまた、神経系、特にCNSの虚血症を治療する薬剤として適している。この場合、化合物は、例えば発作または脳浮腫の治療に適している。さらに、式Iの新規な化合物はまた、例えばアレルギー性、心臓性、血液量不足および細菌性ショックのような形態のショックの治療に適している。
【0015】
さらに、式Iの新規な化合物は、細胞の増殖、例えば線維芽細胞増殖および血管の平滑筋細胞の増殖に対する強力な阻害作用によって特徴づけられる。このために、式Iの化合物は、細胞増殖が一次的または二次的原因を構成する病気に対する価値ある治療剤でありそしてそれ故に、化合物は、抗アテローム性動脈硬化症剤としておよび糖尿病後発併発症、癌疾患、線維症疾患、例えば肺線維症、肝線維症または腎線維症、器官肥大および過形成、特に前立腺過形成または前立腺肥大に対する剤として使用することができる。
【0016】
新規な化合物は、多数の疾患(本態性高血圧症、アテローム性動脈硬化症、糖尿病など)において例えば赤血球、血小板または白血球におけるような容易に測定できる細胞においても上昇する細胞のナトリウム−プロトン交互輸送機構(Na+/H+交換体)の有効な阻害剤である。それ故に、新規な化合物は、例えば特定の形態の高血圧そしてまたアテローム性動脈硬化症、糖尿病、増殖性疾患などを測定および識別する診断薬として使用されるすぐれた且つ簡単な科学的道具(tool)として適している。さらに、式Iの化合物は、高血圧、例えば本態性高血圧の発生を予防する予防的治療に適している。
【0017】
さらに、式Iの化合物は、血清リポ蛋白に対して好都合な作用を示すということが見出された。一般に、過度に高い血中脂質値、いわゆる高リポ蛋白血症は血管における動脈硬化変化の発生、特に冠動脈心疾患に対する重大な危険因子を構成するということが認められている。それ故に、アテローム性動脈硬化変化の予防および退行に対して、上昇した血清リポ蛋白の低下は非常に重要である。全血清コレステロールの減少に加えて、この全コレステロールの特定のアテローム発生脂質フラクションはアテローム発生危険因子であるので、これらの脂質フラクション、特に低密度リポ蛋白(LDL)および非常に低い密度のリポ蛋白(VLDL)の割合の低下は特に重要である。これに反して、高密度リポ蛋白は、冠動脈心疾患に対して保護機能を示す。したがって、脂血低下剤は、全コレステロールを低下することができるばかりでなく、特にVLDLおよびLDL血清コレステロールフラクションをも低下することができる管である。式Iの化合物は、血清脂質レベルに対する作用に関して、価値のある治療的に利用できる性質を示すということが見出された。すなわち、式Iの化合物は、例えばコレステロールおよび脂質に富んだ食物の増加した栄養摂取の結果としてのまたは病理学的代謝変化、例えば遺伝学的に関連した高脂血症において観察され得るようなLDLおよびVLDLの上昇した血清濃度を有意に減少する。それ故に、式Iの化合物は、原因となる危険因子を排除するので、アテローム性動脈硬化変化の予防および退行に対して使用することができる。これらは、一次的な高脂血症のみならず、例えば糖尿病に関連して起こるようなある二次的な高脂血症をも包含する。さらに、式Iの化合物は、代謝異常によって誘発される梗塞の明瞭な減少および特に誘発された梗塞の大きさおよびその激しさの程度の有意な減少を与える。さらに、式Iの化合物は、代謝異常によって誘発される内皮損傷による損傷に対して有効な保護を与える。内皮機能不全の症候群に対して血管を保護することができる結果として、式Iの化合物は、冠動脈血管痙攣、アテローム発生、アテローム性動脈硬化症、左心室肥大、拡張型心筋症および血栓疾患の予防および治療に対する価値ある薬剤である。
【0018】
それ故に、上述した化合物は、高コレステロール血症の治療用の医薬の製造、アテローム発生の予防用の医薬の製造、アテローム性動脈硬化症の予防および治療用の医薬の製造、上昇したコレステロールのレベルにより起こる病気の予防および治療用の医薬の製造、内皮機能不全により起こる病気の予防および治療用の医薬の製造、アテローム性動脈硬化症−誘発高血圧の予防および治療用の医薬の製造、アテローム性動脈硬化症−誘発血栓症の予防および治療用の医薬の製造、高コレステロール血症および内皮機能不全によって誘発される虚血損傷および虚血後再灌流損傷の予防および治療用の医薬の製造、高コレステロール血症および内皮機能不全により誘発される心臓肥大および心筋症の予防および治療用の医薬の製造、高コレステロール血症および内皮機能不全によって誘発される冠動脈血管痙攣および心筋梗塞の予防および治療用の医薬の製造、血圧低下化合物、好ましくはアンジオテンシン−変換酵素(ACE)阻害剤およびアンジオテンシン受容体アンタゴニストと組み合わせた上述した病気の治療用の医薬の製造、式IのNHE阻害剤と血中脂質レベル低下活性化合物、好ましくはHMG−CoA−レダクターゼ阻害剤(例えばロバスタチンまたはプラバスタチン)との配合剤(後者は、脂血低下作用に与えそしてそれによって式IのNHE阻害剤の脂血低下性を増加しそして活性化合物の増加した作用および減少された使用を与える都合のよい配合剤であることが証明された)の製造に有利に使用される。
【0019】
それ故に、上昇した血中脂質レベルを低下する新規な薬剤としての式Iのナトリウム−プロトン交換阻害剤の投与ならびにナトリウム−プロトン交換阻害剤と血圧低下および(または)脂血低下薬剤との配合剤もクレームされる。
これに関連して、化合物Iを含有する医薬は、経口的に、非経口的に、静脈内的に、直腸的にまたは吸入によって投与することができそして好ましい投与方法は、特定の疾患の症状に依存する。これに関連して、化合物Iは、単独でまたは医薬補助物質と一緒に、家畜医薬およびヒトの医薬に使用することができる。
【0020】
望ましい医薬処方に適した補助物質は、専門的知識を基にして当業者によく知られている。溶剤、ゲル−形成剤、坐剤基剤、錠剤補助物質および他の活性化合物賦形剤のほかに、例えば抗酸化剤、分散剤、乳化剤、泡止め剤、風味矯正剤、防腐剤、可溶化剤または染料を使用することができる。
経口的使用に対する形態を製造するためには、活性化合物を、この目的に適した添加剤、例えば担体物質、安定剤または不活性希釈剤と混合しそして慣用の方法を使用して、投与に適した形態、例えば錠剤、被覆錠剤、硬質ゼラチンカプセルまたは水性、アルコール性または油性溶液に変換する。例えば、アラビアゴム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カリウム、ラクトース、グルコースまたは澱粉、特にとうもろこし澱粉を、不活性担体として使用することができる。これに関連して、製造は、乾式または湿式顆粒として行うことができる。適当な油性担体物質または溶剤の例は、植物または動物油、例えばヒマワリ油またはタラ−肝油である。
【0021】
皮下または静脈内投与に際しては、活性化合物を、必要な場合はこの目的に対して慣用の物質、例えば可溶化剤、乳化剤または追加的な補助物質と一緒に、溶液、懸濁液またはエマルジョンにする。適当な溶剤の例は、水、生理学的塩化ナトリウム溶液またはアルコール、例えばエタノール、プロパノールまたはグリセロールおよびさらに、糖溶液、例えばグルコースまたはマンニトール溶液またはさもなければ、これらの種々な溶剤の混合物である。
エーロゾルまたはスプレの形態で投与される適当な医薬処方の例は、特にエタノールまたは水またはこのような溶剤の混合物のような医薬的に害のない溶剤中の式Iの活性化合物の溶液、懸濁液またはエマルジョンである。
【0022】
必要に応じて、処方は、また、他の医薬補助物質、例えば界面活性剤、乳化剤および安定剤ならびに発射ガスを含有することができる。このような製剤は、慣用的に、約0.1〜10重量%、特に約0.3〜3重量%の濃度で活性化合物を含有する。
投与されるべき式Iの活性化合物の投与量および投与の頻度は、使用される化合物の作用の強度および時間、さらにまた、処理される疾患の性質および程度、ならびに処理される哺乳動物の性別、年令、体重および個々の応答に依存する。
【0023】
平均して、体重約75kgの患者の場合における式Iの化合物の一日当りの投与量は、体重1kg当り少なくとも0.001mg/kg、好ましくは0.01mg/kg〜せいぜい10mg/kg、好ましくは1mg/kgである。急性の疾患の場合、例えば患者が心筋梗塞にかかった直後においては、より高いそして特により多い頻度の、例えば一日当り4回までの投与量が必要である。特に、例えば集中治療の梗塞患者の場合における静脈内使用の場合においては、一日当り200mgまでが必要である。
【0024】
略号のリスト:
MeOH メタノール
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
RT 室温
EA 酢酸エチル(EtOAc)
m.p. 融点
THF テトラヒドロフラン
eq. 当量
【0025】
実験の部
ベンゾイルグアニジン(I)を製造する一般的プロトコール
変形方法A:安息香酸(II、L=OH)から
式IIの安息香酸誘導体1.0当量を、無水のTHF(5ml/ミリモル)に溶解または懸濁しそしてそれからカルボニルジイミダゾール1.1当量を加える。RTで2時間撹拌した後、グアニジン5.0当量を反応溶液に導入する。一夜撹拌した後、THFを減圧下(回転蒸発器)で留去し、水を加え、pHを2N HClで6〜7に調節しそして相当するベンゾイルグアニジン(式I)を濾去する。この方法で得られたベンゾイルグアニジンは、水性、メタノール性またはエーテル性塩酸または他の薬理学的に許容し得る塩で処理することによって、相当する塩に変換することができる。
ベンゾイルグアニジン(1)を製造する一般的プロトコール
変形方法B:安息香酸アルキル(II、L=O−アルキル)から
式IIの安息香酸アルキル1.0当量およびグアニジン(遊離塩基)5.0当量を、イソプロパノールに溶解またはTHFに懸濁しそして反応が完了(薄層クロマトグラフィーによって監視)(典型的反応時間:2〜5時間)するまで加熱沸騰する。溶剤を、減圧下(回転蒸発器)で留去しそして残留物をEAにとりそしてこの溶液をNaHCO3溶液で3回洗浄する。この溶剤溶液を、Na2SO4上で乾燥し、溶剤を真空中で留去しそして残留物を、適当な移動相、例えば5:1のEA/MeOHを使用して、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。
(塩形成:変形方法A参照)。
【0026】
実施例1
2−クロロ−3−(1′−ヒドロキシ−2′−プロピル)−5−メチルスルホニルベンゾイルグアニジン
無色の結晶。融点211℃(分解)。
合成ルート:
a) RTで24時間のトリフルオロメタンスルホン酸5当量中におけるN−ヨードスクシンイミド1当量によるOlahヨード化によって、2−クロロ−5−メチルスルホニル安息香酸メチルから2−クロロ−3−ヨード−5−メチルスルホニル安息香酸メチルを製造した。
無色の結晶。融点155〜158℃。
b) 触媒量の酢酸パラジウム(II)および沃化銅(I)の存在下における還流下のTHF中における塩化イソプロペニル亜鉛1.5当量によるクロス−カップリング、水性処理、酢酸エチルによる抽出およびその後の酢酸エチル/n−ヘプタン(3:7)を使用したシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー処理によって、2−クロロ−3−ヨード−5−メチルスルホニル安息香酸メチルから2−クロロ−3−イソプロペニル−5−メチルスルホニル安息香酸メチルを製造した。
無色の油。MS:M++H=289。
c) 還流下で3時間のTHF中におけるボラン/THF複合体による2−クロロ−3−イソプロペニル−5−メチルスルホニル安息香酸メチルのヒドロホウ素化反応によって、2−クロロ−3−〔1′−ヒドロキシ−2′−プロピル〕−5−メチルスルホニル安息香酸を製造した。
無色の結晶。融点175〜177℃。
d) RTで3時間のDMF中における炭酸カリウムの存在における沃化メチル3当量によるエステル化、水性処理によってc)から2−クロロ−3−〔1′−ヒドロキシ−2′−プロピル〕−5−メチルスルホニル安息香酸メチルを得た。
帯黄色の油。M++H=307。
e) 一般的プロトコールの変形方法Bによって、d)から2−クロロ−3−〔1′−ヒドロキシ−2′−プロピル〕−5−メチルスルホニルベンゾイルグアニジンを得た。
【0027】
実施例2
2−メトキシ−3−(1′−ヒドロキシ−2′−プロピル)−5−メチルスルホニルベンゾイルグアニジン
無色の結晶。融点179〜180℃(分解)。
合成ルート:
a) 還流下で4時間メタノール中で塩化銅(II)の存在下においてナトリウムメトキシド10当量を使用して、2−クロロ−5−メチルスルホニル安息香酸メチルから2−メトキシ−5−メチルスルホニル安息香酸を製造した。
帯黄色の固体。融点190〜192℃。
b) RTで24時間のトリフルオロメタンスルホン酸5当量中においてN−ヨード−スクシンイミド1当量を使用したOlahヨード化によって、2−メトキシ−5−メチルスルホニル安息香酸から2−メトキシ−3−ヨード−5−メチルスルホニル安息香酸を製造した。
無色の結晶。融点205〜207℃。
c) RTで24時間のメタノール中における過剰の塩化水素によるエステル化、水性処理によって、b)から2−メトキシ−3−ヨード−5−メチルスルホニル安息香酸メチルを製造した。
無色の固体。融点140℃。
d) 方法1のb)と同様にして、2−メトキシ−3−ヨード−5−メチルスルホニル安息香酸メチルから2−メトキシ−3−イソプロペニル−5−メチルスルホニル安息香酸メチルを製造した。
無色の油。M++H=285。
e) 方法1のc)と同様にして、d)から2−メトキシ−3−〔1′−ヒドロキシ−2′−プロピル〕−5−メチルスルホニル安息香酸を製造した。
無色の固体。無定形。M++H=289。
f) RTで3時間のDMF中における炭酸カリウムの存在下での沃化メチル3当量によるエステル化、水性処理によって、2−メトキシ−3−〔1′−ヒドロキシ−2′−プロピル〕−5−メチルスルホニル安息香酸メチルを製造した。
淡黄色の油。M++H=303。
g) 一般的プロトコールの変形方法Bによって、2f)から2−メトキシ−3−〔1′−ヒドロキシ−2′−プロピル〕−5−メチルスルホニルベンゾイルグアニジンを製造した。
【0028】
実施例3
2−メチル−3−(1′−ヒドロキシ−2′−プロピル)−5−メチルスルホニルベンゾイルグアニジン
無色の結晶。融点208〜209℃(分解)。
合成ルート:
a) 触媒量の酢酸パラジウム(II)、トリフェニルホスフィンおよび沃化銅(I)の存在下における還流下のTHF/DMF中における塩化メチル亜鉛2当量によるクロス−カップリング、水性処理、酢酸エチルによる抽出およびその後の酢酸エチル/n−ヘプタン(3:7)を使用したシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー処理によって、2−クロロ−5−メチルスルホニル安息香酸メチルから2−メチル−5−メチルスルホニル安息香酸メチルを製造した。
無色の結晶。融点95〜96℃。
b) RTで24時間のトリフルオロメタンスルホン酸5当量中でのN−ヨードスクシンイミド1当量を使用したOlahヨード化によって、2−メチル−5−メチルスルホニル安息香酸メチルから2−メチル−3−ヨード−5−メチルスルホニル安息香酸メチルを製造した。
無色の結晶。融点137〜138℃。
c) 触媒量の酢酸/パラジウム(II)、トリフェニルホスフィンおよび沃化銅(I)の存在下における還流下のTHF中における塩化イソプロペニル亜鉛1.5当量によるクロス−カップリング、水性処理、酢酸エチルによる抽出およびその後の酢酸エチル/n−ヘプタン(3:7)を使用したシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー処理によって、2−メチル−3−ヨード−5−メチルスルホニル安息香酸メチルから2−メチル−3−イソプロペニル−5−メチルスルホニル安息香酸メチルを製造した。
無色の油。M++H=269。
d) 還流下で3時間のTHF中におけるボラン/THF複合体による2−メチル−3−イソプロペニル−5−メチルスルホニル安息香酸メチルのヒドロホウ素化反応によって、2−メチル−3−〔1′−ヒドロキシ−2′−プロピル〕−5−メチルスルホニル安息香酸を製造した。
無定形の固体。M++H=273。
e) RTで3時間のDMF中における炭酸カリウムの存在下における沃化メチル3当量によるエステル化、水性処理によって、2−メチル−3−〔1′−ヒドロキシ−2′−プロピル〕−5−メチルスルホニル安息香酸メチルを製造した。
淡黄色の油。M++H=287。
f) 一般的プロトコールの変形方法Bによってe)から2−メチル−3−〔1′−ヒドロキシ−2′−プロピル〕−5−メチルスルホニルベンゾイルグアニジンを得た。
【0029】
薬理学的データ
ウサギの赤血球のNa+/H+交換体の阻害
Na+/H+交換を活性化しそしてそれによって、Na+/H+交換による赤血球へのNa+の流入を測定するために炎光測定法を使用することを可能にするために、ニュージーランド白色ウサギ(Ivanovas)に6週間コレステロール2%を含有する食餌を与えた。血液を耳動脈からとり出しそしてヘパリンカリウムの25IUを使用して非凝血性にした。それぞれの試料の一部を、遠心分離によるヘマトクリットの二重測定に対して使用した。それぞれの場合において100μlのアリコートを、赤血球におけるNa+の始発含量を測定するために使用した。
アミロリド−感受性ナトリウム流入を測定するために、それぞれの血液試料100μlを、それぞれの場合において、高滲透圧塩/スクロース培地(ミリモル/リットル:NaCl 140、KCl 3、スクロース150、ウアバイン0.1、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン20)の5ml中で37℃およびpH7.4でインキュベートした。その後、赤血球を氷冷MgCl2/ウアバイン溶液(ミリモル/リットル:MgCl2 112、ウアバイン0.1)で3回洗浄しそして蒸留水2.0ml中で溶血した。細胞内ナトリウム含量を炎光測定法によって測定した。
正味のNa+流入は、始発ナトリウム値とインキュベーション後の赤血球のナトリウム含量との間の差から計算した。アミロリドにより阻害することのできるナトリウム流入は、アミロリドの3×10-4モル/リットルを使用しておよび使用しないでインキュベートした後の赤血球のナトリウム含量の差から得られる。同じ操作を、本発明の新規な化合物の場合においても使用した。
結果
Na+/H+交換体の阻害:
すべての実施例の化合物が、10マイクロモル以下のIC50値を有す。

Claims (5)

  1. 式I
    Figure 0003977897
    のベンゾイルグアニジンおよびその医薬的に許容し得る塩。
    上記式において、
    R(1)は、R(13)−SOm 〔式中、mは2であり、R(13)は、1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するアルキルである〕であり;
    置換分R(2)は、水素であり;
    置換分R(3)は、−CHR(30)R(31)〔式中、R(30)は、−(CH2)g−(CHOH)h−(CH2)i−(CHOH)k−R(32)であり、R(32)は、水素であり、g、hおよびiは0であり、kは1であり、R(31)は、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキルである〕であり;
    R(4)は、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルキル、1、2、3または4個の炭素原子を有するアルコキシ、F、Cl、BrまたはIである。
  2. 式II
    Figure 0003977897
    (式中、R(1)〜R(4)は、請求項1において記載した意義を有しそしてLは、求核的に容易に置換することのできる脱離基である)の化合物をグアニジンと反応させることからなる請求項1記載の式Iの化合物の製法。
  3. 請求項1記載の化合物からなる細胞のNa+/H+交換体の阻害剤。
  4. 虚血状態によって起きる疾患、心筋梗塞、不整脈、狭心症、心臓の虚血状態、末梢および中枢神経系の虚血状態、発作、末梢器官および肢の虚血状態、ショック状態、アテローム性動脈硬化症、糖尿病後発併発症、癌疾患、線維症疾患、前立腺過形成、または脂肪代謝の障害の治療または予防用の医薬;外科手術および器官移植において使用される医薬;または外科操作に対する移植組織の防腐および貯蔵用の医薬を製造するための請求項1記載の化合物Iの使用。
  5. 請求項1記載の化合物Iの有効量を含有する医薬組成物。
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