JP3974329B2 - Geチャネル電界効果トランジスタを形成するための層状構造 - Google Patents

Geチャネル電界効果トランジスタを形成するための層状構造 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、シリコンおよびシリコン・ゲルマニウム・ベースの材料系に関し、より詳細には、高速低ノイズ、マイクロ波、準ミリ波、およびミリメートル波の用途に関して有用な、新規なエピタキシャル電界効果トランジスタ構造に関する。好ましくは、このエピタキシャル電界効果トランジスタ構造は、シリコンおよびシリコン・ゲルマニウム層を組み込んで、CMOSデバイスまたは回路、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、および変調ドープ・ヘテロ構造電界効果トランジスタを形成する、高性能Geチャネルを構造中に含む。本発明は、室温以上(373K)から極低温(0.4K)までの広範な温度領域で有利に動作させることができる超高移動度Geチャネル・デバイスを使用することによって、ディープ・サブミクロン(0.1μmチャネル長)の現況技術のSi pMOSFETに勝る、移動度および相互コンダクタンスの向上を提供する。極低温(0.4K)では、より高いデバイス性能さえ達成可能である。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、ジャック・オー・チュー(Jack O Chu)他の「High Speed Composite P-Channel Si/SiGe Heterostructure for Field Effect Devices」と題する、米国特許出願第09/267,323号、対応日本特許出願2000年第65262号と相互参照される。この特許出願は、どちらも圧縮下にあるGe層およびSiGe層の複合層を有し、より高い移動度を得るチャネルを備える電界効果トランジスタについて記載する。この特許出願を参照により本明細書に組み込む。
【0003】
【背景技術】
高速かつ低ノイズのデバイスの用途では、キャリア移動度が不純物散乱によって制限されず、高キャリア移動度が達成されるように、キャリア(例えば電子、正孔)伝導がアンドープ・チャネル層中で行われる高電子移動度トランジスタ(HEMT)または変調ドープ(modulation-doped)電界効果トランジスタ(MODFET)を設計し、製造することに焦点が当てられてきた。一般には、これらの高速電子デバイスは、低ノイズ増幅器、電力増幅器、ならびにマイクロ波およびrf領域で動作するサテライト受信機および送信機としてしばしば使用され、材料の選択は、通常、GaAsおよびInPなどの、高速ではあるが高価なIII−V材料系および技術である。複雑で高価なIII−V材料技術は、あまり半導体産業では望ましいものではない。一方、現在のSi技術に完全に適合し、より安価なSiGe材料系の方がより望ましいものであり、既存のSi−CMOSデバイス技術と組み合わせることがはるかに容易である。
【0004】
Si技術と互換の材料系の一例が、本明細書の譲受人に譲渡された、P.M.ソロモン(Solomon)の「Germanium Channel Silicon MOSFET」と題する米国特許第5019882号(1991年5月28日発行)に記載されている。米国特許第5019882号では、向上したキャリア移動度を有するチャネルは、シリコン基板の上に成長させたシリコンおよびゲルマニウムの合金層を備える。合金層は、適切なスードモルフィック(pseudomorphic)無転位成長が行われるのに十分な薄さに保たれる。シリコン層は、合金層の上に形成され、部分的に酸化された後に誘電体層を形成する。ゲート領域は、二酸化シリコンの上に形成される。
【0005】
Si技術と互換の高性能SiGeデバイス構造の2番目の例が、本明細書の譲受人に譲渡された、K.E.イズメイル(Ismail)の「Complementary Metal-Oxide Semiconductor Transistor Logic Using Strained Si/SiGe Heterostructure Layers」と題する米国特許第5534713号(1996年7月9日発行)に記載されている。米国特許第5534713号では、ひずんだSi/SiGeヘテロ構造設計上に製造された、pチャネルデバイスに、圧縮ひずみの下で正孔移動度が向上する埋込みSiGeチャネルを使用し、nチャネル・デバイスに、引張ひずみの下で電子移動度が向上する埋込みSiチャネルを使用する、シリコンCMOSトランジスタ構造が記載されている。米国特許第5534713号ではさらに、提案されたpチャネル電界効果トランジスタにおけるpチャネルとして働く圧縮ひずみSiGe層が、50〜100%の範囲のゲルマニウムの組成を有し、好ましくは80%の組成を有するものとして記載されている。今までのところは、IBMコーポレイションのThomas Jリサーチ・センタでの、このチャネル設計および組成を使用するプロトタイプSiGe pチャネルMODFETは、室温で最大1000cm2/Vsの正孔移動度しかもたらしていない。
【0006】
既存のSi技術を使用するGeチャネルMODFETの互換性および製造は、純粋Ge層からなる正孔チャネルを有する変調ドープFET構造を分子線エピタキシによってSi基板上に成長させる分子線エピタキシ(MBE)技法によって実証されてきた。具体的には、変調ドープされたひずみGe層(MBEによって成長)中の2次元正孔ガス(2DHG)についての室温正孔移動度は、G.Hock、T.Hackbarth、U.Erben、E.Kohn、およびU.Konigによる「High performance 0.25μm p-type Ge/SiGe MODFETs」と題するElectron.Lett.34(19)、1998年9月17日、1888〜1889ページの論文では、高々1870cm2/Vsであると報告された。G.Hockらの論文では、0.25μmゲート長デバイスに対しては、p形GeチャネルMODFETは、最大DC外部相互コンダクタンス160mS/mmを示し、最大ドレイン飽和電流は、300mA/mmもの高い値に達した。RF性能については、単一電流利得遮断周波数fT32GHzおよび最大周波数振動fmax85GHzが得られた。
【0007】
冷却型赤外線検出器用読み出しエレクトロニクス、高速プロセッサ、および低ノイズ増幅器などの高速極低温の用途向けの高速低温MOSFETおよびバイポーラ・トランジスタを設計し、製造することについての関心が高まっている。この目的のために、室温(300K)から極低温(<T=77K)までの範囲の温度で動作することができ、しかもより高い輸送特性を有するGeチャネル・デバイス構造が理想的な解決法である。室温および77Kの両方で動作可能な純粋Geからなる2次元正孔チャネルを有する変調ドープSiGe/Geヘテロ構造の例が、U.KonigおよびF.Schafflerによる「p-Type Ge-Channel MODFET's with High Transconductance Grown on Si Substrates」と題するElectron.Dev.Lett.14(4)、1993年4月4日、205〜207ページの論文で報告されている。この論文を参照により本明細書に組み込む。
【0008】
高速および低温動作に適した高キャリア移動度を有する電界効果トランジスタの別の例が、E.ムラカミ他の「Transistor Provided with Strained Germanium Layer」と題する米国特許第5241197号(1993年8月31日発行)に記載されている。米国特許第5241197号では、分子線エピタキシによって成長したひずみ制御層が、ゲルマニウム層の下に提供され、ゲルマニウム層上に圧縮ひずみが課される。ひずみ制御層の組成は、圧縮ひずみを生成するために使用される。ひずみゲルマニウム層中のキャリア移動度は、3000cm2/Vsであると報告されている。しかし、室温で2000cm2/Vsを超える移動度を有するGe特性またはGe層状構造の測定またはデータは、その後発表されていない。室温でのGe層状構造の正孔移動度の報告値として1900cm2/Vsが、D.W.Greve、Field Effect Devices and Applications、Prentice-Hall, Inc.Upper Saddle River, NJ.により1998年発行、の315ページに、具体的には表8.1に見出される。
【0009】
【発明の開示】
本発明に従って、以下のようなpチャネル・デバイスを形成するために、pチャネル領域中のGeの単一層を使用するp形電界効果トランジスタ用のシリコンおよびシリコン・ゲルマニウム・ベースのエピタキシャル構造を説明する。そのpチャネル・デバイスは、半導体基板と、Ge比xが0.5〜0.8にある、基板上にエピタキシャルに形成される緩和Si1-xGexの第1層と、第1層上にエピタキシャルに形成されるpドープSi1-xGexの第2層と、第2層上にエピタキシャルに形成されるアンドープ(undoped)のSi1-xGexの第3層と、第3層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第4層と、第4層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第5層とを備え、第3層〜第5層は、xの値と、pドーパントの残留バックグラウンド濃度の値とが漸進的に低くなり、第5層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのGeの第6層を備え、それによってGe層は圧縮ひずみの下にあり、第1緩和Si1-xGex層に対してつり合ったものとなり、第6層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGex層の第7層を備えるものである。第7層の上に金属層を形成してパターン化し、pチャネル電界効果トランジスタのゲートを形成することができ、一方ドレインおよびソース領域は、層状構造中のゲートのいずれかの側にp領域を形成することによって形成することができる。この層状構造設計は、変調ドープ・ヘテロ構造を形成し、それによってサプライ層または第2pドープSi1-xGex層が、活性Geチャネル、第6層の下に位置する。さらに、この層状デバイス構造では、活性チャネルをサプライ層から分離するスペーサ層は、xの値と、pタイプ・ドーパントの残留バックグラウンド濃度の値とが漸進的に低くなる、アンドープのSi1-xGexの第3層、アンドープのSi1-xGexの第4層、およびアンドープのSi1-xGexの第5層を備える3重層設計を利用する。漸進的に低くなるバックグラウンド・ドーパントは、漸進的に低い温度でアンドープのSi1-xGexを形成することによって得ることができる。
【0010】
本発明は、以下のような、そのチャネル中で非常に高い正孔移動度を有するpチャネル電界効果トランジスタおよび方法をさらに提供する。そのpチャネル電界効果トランジスタは、半導体基板と、Ge比xが0.5〜0.8にある、基板上にエピタキシャルに形成される緩和Si1-xGexの第1層と、第1層上にエピタキシャルに形成されるpドープSi1-xGexの第2層と、第2層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第3層と、第3層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第4層とを備え、第3層および第4層は、xの値と、pタイプ・ドーパントの残留バックグラウンド濃度の値とが漸進的に低くなり、第4層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのGeの第5層を備え、それによってGe層は、第1緩和Si1-xGex層に対してつり合ったものとなり、第5層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGex層の第6層を備えるものである。この層状構造設計は、変調ドープ・ヘテロ構造を記述し、それによってサプライ層または層2のpドープSi1-xGex層は、第3Si1-xGex層および第4Si1-xGex層の2重層スペーサ設計によって、第5層の活性pチャネルから分離される。
【0011】
本発明は、以下のような、そのチャネル中で非常に高い正孔移動度を有するpチャネル電界効果トランジスタおよび方法をさらに提供する。そのpチャネル電界効果トランジスタは、半導体基板と、Ge比xが0.5〜0.8にある、基板上にエピタキシャルに形成される緩和Si1-xGexの第1層と、第1層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのGeの第2層とを備え、それによってGe層は、第1緩和Si1-xGex層に対してつり合い、第2層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第3層と、第3層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第4層と、第4層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第5層と、第5層上にエピタキシャルに形成されるpドープSi1-xGex層の第6層とを備えるものである。この層状構造設計は、変調ドープ・ヘテロ構造を記述し、それによってサプライ層またはpドープSi1-xGex層の第6層は、層2の活性Geチャネルの上に位置する。同様に、第5層と第6層との間、あるいは第4層と第5層との間にひずみSiスペーサ層を追加することで、サプライ層または層6のpドープSi1-xGex層を、第2層の活性Geチャネルの上でさらに分離することができる。
【0012】
本発明は、以下のような、そのチャネル中で非常に高い正孔移動度を有するpチャネル電界効果トランジスタおよび方法をさらに提供する。そのpチャネル電界効果トランジスタは、半導体基板と、Ge比xが0.5〜0.8にある、基板上にエピタキシャルに形成される緩和Si1-xGexの上面を有する第1層と、第1層上にエピタキシャルに形成されるpドープされたSi1-xGexの第2層と、第2層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第3層と、第3層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第4層と、第4層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのGeの第5層とを備え、それによってGe層は、第1緩和Si1-xGex層の上面に対してつり合い、第5層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGex層の第6層と、第6層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGex層の第7層と、第7層上にエピタキシャルに形成されるpドープSi1-xGex層の第8層とを備えるものである。この層状構造設計は、変調ドープ・ヘテロ構造を記述し、それによって活性チャネルが、第5チャネル層の上および下に位置する第2層および第8層の2つのサプライ層によって対称的にドープされ、チャネルの上の第6層および第7層と、チャネルの下の第3層および第4層の2重層スペーサ設計とによってそれぞれ等しく分離される。
【0013】
本発明は、以下のような、そのチャネル中で非常に高い正孔移動度を有するpチャネル電界効果トランジスタおよび方法をさらに提供する。そのpチャネル電界効果トランジスタは、半導体基板と、Ge比xが0.5〜0.8にある、基板上にエピタキシャルに形成される緩和Si1-xGexの上面を有する第1層と、第1層上にエピタキシャルに形成されるpドープSi1-xGexの第2層と、第2層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第3層と、第3層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第4層と、第4層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第5層と、第5層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのGeの第6層とを備え、それによってGe層は、第1緩和Si1-xGex層の上面に対してつり合い、第6層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGex層の第7層と、第7層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGex層の第8層と、第8層上にエピタキシャルに形成されるpドープSi1-xGex層の第9層とを備えるものである。この層状構造設計は、変調ドープ・ヘテロ構造を記述し、それによって活性チャネルが、チャネル層5の上および下に位置する2つのサプライ層2および9によって非対称にドープされ、チャネルの上の第7層および第8層の2重層スペーサ設計と、チャネルの下の第5層、第4層、および第3層の3重層スペーサ設計によってそれぞれ異なって分離される。同様に、この非対称的ドーピングは、逆のスペーサ層設計によって実施することができ、それによって上部サプライ層を、チャネルの上で3重層設計によって分離し、下部サプライ層を、チャネルの下の2重層スペーサ設計によって分離する。
【0014】
本発明は、以下のような、そのチャネル中で非常に高い正孔移動度を有する相補型電界効果トランジスタおよび方法をさらに提供する。その相補型電界効果トランジスタは、半導体基板と、Ge比xが0.5〜0.8にある、基板上にエピタキシャルに形成される緩和Si1-xGexの上面を有する第1層と、第1層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのGeの第2層とを備え、それによってGe層は、第1緩和Si1-xGex層の上面に対してつり合い、第2層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1-xGexの第3層と、第3層の上に形成されるゲート誘電体の第4層とを備えるものである。第4層の上にドープ・ポリシリコン層を形成してパターン化し、電界効果トランジスタのゲート電極を形成することができ、一方ドレインおよびソース領域は、層状構造中のゲート電極のいずれかの側に、自己整合されたpタイプまたはnタイプ領域のいずれかを注入することによって形成することができる。この層状構造設計は、エンハンスメント・モードでの動作向けの相補型(CMOS)電界効果トランジスタに適した高移動度を有する表面近傍(near surface)Geチャネルの形成を記述する。
【0015】
本発明は、以下のような緩和(>90%)Si1-xGexバッファ層のための方法および構造をさらに提供する。そのバッファ層は、半導体基板と、基板上で層のGe含有量が段階的な方式(または線型な方式)で増加し、かつxが約0.1〜約0.9の範囲にある段階的な濃度勾配(または線型な濃度勾配)をつけることによって、エピタキシャルに形成された、部分的に緩和した(<50%)Si1-xGexの第1層と、y=x+zかつzが0.01〜0.1の範囲にある(これは、層をxよりも大きく「オーバ・リラックス(over relax)」させる働きをする)、第1層上にエピタキシャルに形成されるSi1-yGeyの第2層と、第2層上にエピタキシャルに形成されるSi1-xGex'の第3層とを備え、次いでそれによってSi1-xGex'層が元の部分的に緩和したSi1-xGex層1と比較してより緩和するものである。このSi1-yGeyの「オーバシュート」層による追加の緩和の拡張は、この層の厚さに依存し、初期の部分的に緩和したSi1-xGex層におけるその臨界厚によって制限されることになる。xが0.5よりも大きい場合、2重の「オーバシュート」効果が好ましく、それによって、第1「オーバシュート」は、m=0.5xであるSi1-mGem層であり、第2「オーバシュート」は、n=x+zかつzが0.01〜0.1の範囲にあるSi1-nGen層である。
【0016】
本発明の目的は、非常に高い正孔移動度を伴うチャネルを有するpチャネル電界効果トランジスタを形成することを可能とする層状構造を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、活性チャネルがひずみGe層であるpチャネル・デバイスを提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、チャネル構造が、単一SiGe層を使用する置換チャネルと比較して、正孔キャリアに関してより高いバリアまたはより深い拘束チャネルの利点を有する、より高い圧縮ひずみを利用するpチャネル・デバイスを提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、pチャネル・デバイスに対する圧縮ひずみの下でGe層の埋込みチャネルを提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、厚さ100〜200ÅのひずみGe層から構成される最適なpチャネル構造中で1000cm2/Vsよりも大きい正孔移動度を提供し、SiGe材料系中で最高の正孔移動度を生成することである。
【0021】
本発明の別の目的は、スペーサ層がそれぞれ、3つまたは2つのSiGe層のいずれかから構成される3重または2重設計であるpチャネル・デバイスを提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、活性チャネルが、対称な2重スペーサ層設計でチャネルの上および下に位置する2つのサプライ層によって対称にドープされるpチャネル・デバイスを提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、活性チャネルが、非対称なスペーサ層設計でチャネルの上および下に位置する2つのサプライ層によって非対称にドープされるpチャネル・デバイスを提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、活性Geチャネルが高い電子および正孔移動度を有し、エンハンスメント・モードで動作することができる表面近傍チャネル・デバイス(near surface channel device)を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、活性Geチャネルが高移動度を有する相補型MOSFETデバイスを作成するのに適した表面近傍チャネル・デバイスを提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、SiGeバッファ構造のグレードアップ(grade-up)組成中で、単一オーバシュート層(x≦0.5のとき)または2重オーバシュート層(x>0.5のとき)の追加によって、所望の緩和Si1-xGex層をより良好に達成することができる層状構造および方式を提供することである。
【0027】
【発明を実施するための最良の形態】
図面を、具体的には図1を参照すると、本発明の実施形態を示すために、Ge pチャネル変調ドープSiGeヘテロ構造についての層状構造10の断面図が示されている。層12〜18は、超高真空化学的気相付着(UHV−CVD)、分子線エピタキシ(MBE)、または急速熱処理化学的気相付着(RTCVD)などのエピタキシャル成長技法を使用して単結晶半導体基板11上にエピタキシャルに成長させる。単結晶半導体基板11は、Si、SiGe、Ge、SiC、GaAs、SOS(silicon-on-sapphire)、SOI(silicon-on-insulator)、BESOI(Bond and Etch back Silicon On Insulator)などでよい。シリコン基板上にエピタキシャルSiおよびSi1-xGex膜を成長させるためのUHV−CVD法の説明のために、B.S.マイヤーソン(Meyerson)の「Method and Apparatus for Low Temperature, Low Pressure Chemical Vapor Deposition of Epitaxial Silicon Layers」と題する米国特許第5298452号(1994年3月29日発行)を参照し、参照により本明細書に組み込む。
【0028】
層状構造10の下部の、層12C'、12B'、および12A'についての好ましい層状構造12'の図を図2に示す。図2は、2次イオン質量分析法(SIMS)によって測定した、図1のSiGe層状構造10の層12C、12B、および12Aの対応するGe組成プロフィールを示す。図2では、縦座標は原子百分率でのGe濃度を表し、横座標はミクロンでの近似深さを表す。図2では、曲線部分21'〜31'を含む曲線部分12A'と、12B'と、12C'とは、図1に示す層12A、12B、および12CでのGe濃度に対応する。
【0029】
図3は、デバイス領域のみを示す、図2の上部だけの拡大図である。図3では、左側の縦座標は、原子百分率でのGe濃度を表し、横座標はオングストロームでの近似深さを表す。曲線32は、Ge濃度を近似深さの関数として示す。図3では、右側の縦座標は、ホウ素濃度を原子/ccで表し、曲線33は、ホウ素濃度を近似深さの関数として示す。
【0030】
基板11の上面上に形成される緩和Si1-xGex合金の、図1および2の層12Aとして説明した第1エピタキシャル層は、層21〜31を備える階段状に濃度勾配のあるGe組成層構造から構成される。層21〜31は、新しい転位を生成するための機構として修正フランク・リード転位源を介してバッファ層21〜31中または下の基板11中でひずみが緩和される図2に示す好ましいプロフィールを有する。修正フランク・リード転位源を介して緩和を得るためのGe合金ドーピング・プロフィールは、F.K.リガウス(Legoues)およびB.S.マイヤーソンの米国特許第5659187号(1997年8月19日発行)に記載されており、これを参照により本明細書に組み込む。
【0031】
バッファ層12は、層12A、12B、および12Cを備え、当初はアンドープで、かつ緩和させることができ、層12および13の間の界面19で約50%〜約80%の範囲で、好ましくは約65%の値のGe組成を有することができる。
【0032】
層12の設計は、実際にはSi基板11の上に形成される濃度勾配のあるGe組成のSi1-xGex層12Aから始まり、層12Aの上に形成されるSi1-yGey層12Bのオーバシュート層が続き、ここで、y=x+zで、zが0.01〜0.1の範囲にあり、好ましくは0.05の値であり、最後に層12B上に形成されるより緩和したSi1-xGex'層12Cが続く。オーバシュート層12Bは、Ge濃度のオーバシュートを有し、追加のストレスを層中に提供し、格子間隔の緩和を誘発する。基本的には、オーバシュート層12Bは、界面19で上端のSi1-xGex'表面層12Cに対して高程度の緩和、すなわち>90%を保証する働きをする。完全に緩和したSi1-xGex'層12Cを達成する好ましい場合では、図2の曲線部分21'〜31'に対する曲線部分12B'によって示されるように、Si0.30Ge0.70のオーバシュート層12Bを使用することが望ましい。緩和Si1-xGex'層12Cでは、面内格子パラメータaSiGe(x)は、式(1)によって与えられる。
SiGe(x)=aSi+(aGe−aSi)x (1)
ただし、xはGe含有量、1−xはSi含有量であり、aSiおよびaGeは、それぞれSiおよびGeについての格子定数であり、したがって上端のSi0.35Ge0.65表面層が>90%緩和される好ましい場合では、層12Cは、5.02Åよりも大きい格子定数を有することになる。
【0033】
Si1-xGex'層12Cが0.50より大きいGe組成値xを有する場合、2重の「オーバシュート」層状構造が好ましく、それによって第1「オーバシュート」は、m=0.5xであるSi1-mGem層であり、第2「オーバシュート」は、n=x+zかつzが0.01〜0.1の範囲にあるSi1-nGen層である。したがって、前述の完全に緩和したSi0.35Ge0.65を達成する好ましい場合では、図2で曲線部分21'〜31'に対する曲線部分28'によって示されるように、Si0.65Ge0.35の第1オーバシュートSi1-mGem層を使用し、図2で曲線部分21'〜31'に対する曲線部分12B'によって示されるように、Si0.30Ge0.70の第2オーバシュートSi1-nGen層を使用することが望ましい。
【0034】
構造的には、Geの格子間隔層が単結晶Siの格子間隔よりも1.04倍大きいために4.2%の格子間ミスフィットがある、緩和層12Cの上面すなわち界面19と、下にあるSi基板11、31との間の格子間不整合によって引き起こされるひずみを、層12は緩和する働きをする。層12のバッファ厚は、2.5〜6μmの範囲にすることができるが、好ましい厚さは、約4.5μmであり、Ge組成プロフィールは、図2の、2つのオーバシュート層28'および12B'を有する層21'〜31'によって示されるように、増分層あたりの段階的増加0.05Geを用いて、好ましい段階的な方式(連続的、線型的濃度勾配方式と比較して)でx=0からx=0.10〜1.0の範囲、好ましくは値x=0.65まで増加する。
【0035】
シリコンおよびシリコン含有膜すなわちSi:B、Si:P、SiGe、SiGe:B、SiGe:P、SiGeC、SiGeC:B、SiGeC:Pを成長させる好ましい方法は、B.S.マイヤーソンの米国特許第5298452号(1994年3月29日発行)に記載されているUHV−CVDプロセスである。上述のシリコンおよびシリコン含有膜を成長させるのに適したUHV−CVD反応器は、スイスのBlazers and Leybold Holding AG、スウェーデンのEpigress、および米国ニューヨークRonkonkomaのCVD Equipment Corp.より入手可能である。界面、合金プロフィール、およびドーパント・プロフィールが向上した、エピタキシャルSi、Si1-xGex、および誘電体を成長させる追加のUHV−CVDおよび低圧(LP)−CVD方法の説明のために、本明細書の譲受人に譲渡される、J.O.チュー(Chu)他の「Advanced Integrated Chemical Vacuum Deposition (AICVD) For Semiconductor」と題する米国特許第6013134号(2000年1月11日発行)が参照され、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
Ge pチャネル変調ドープSiGeヘテロ構造における層状構造10では、図1に示すpドープされたひずみまたは緩和SiGe層13が、層12Cの上にまず形成され、活性チャネルの下のドナーまたはサプライ層として働く。層13は、1〜20nmの範囲の厚さを有することができ、電気的に活性なドナー・ドーズを1〜5×1012cm-2の範囲で有するべきである。pドープ層13は、20%から<70%の範囲、好ましくは30%〜40%の範囲のGe組成と、好ましくは2〜4nmの範囲の厚さを有して、ひずませるか、または緩和させることができる。層13のp形ドーパントは、層13のエピタキシャル成長の間、B26の異なるフローでドーピングすることによって、SiGe層13中に取り込むことができる。好ましいホウ素ドーパント・プロフィール層13の例が、図2の曲線部分33によって積算ドーズ約2.0×1012ホウ素/cm2で示される。隣接する層に対する層13などの階段ドープ層を形成するために、F.カードン(Cardone)他の「Abrupt 'Delta-Like' Doping In Si And SiGe Films by UHV-CVD」と題する、米国特許出願番号第08/885611号(1997年6月30日出願)への参照を行い、これを参照により本明細書に組み込む。ひずませる、または緩和させることができるアンドープのSiGe層14(CVDまたは他の成長システムからの望ましくないバックグラウンド・ドーピングを除く)は、スペーサ層としてpドープ層13の上にエピタキシャルに形成される。層14は、層13中のドーパントを、その上に形成すべき活性チャネル層17から分離する働きをする。層14の厚さは、緩和層12の界面19での格子間隔に対するSiGe層の臨界厚より下にとどまるべきである。層14の好ましい厚さは、界面19での層12が緩和Si0.35Ge0.65層である場合に、25%〜30%の範囲のGe組成では2〜4nmの範囲にある。第2アンドープSiGe層15(CVDシステムからの望ましくないバックグラウンド・ドーピングを除く)は、層14の上にエピタキシャルに形成され、層13と同様に、スペーサ層としてさらに層13中のドーパントを上のGeチャネル層17から分離する働きをする。同様に、層15の厚さは、緩和層12の界面19での格子間隔に対するSiGe層の臨界厚より下にとどまるべきであり、好ましい厚さは、層12が緩和Si0.35Ge0.65層である場合に、20%〜25%の範囲の好ましいGe組成では1〜3nmの範囲にある。
【0037】
次に、第3アンドープSiGe層16(CVDシステムからの望ましくないバックグラウンド・ドーピングを除く)は、層15の上にエピタキシャルに形成され、層14〜15と類似して、層17中の高い正孔移動度を維持するために、スペーサ層としてさらに層13中のドーパントを上のGeチャネル層17から分離する働きをする。やはり層14〜15に類似して、層16の厚さは、緩和層12の界面19での格子間隔に対するSiGe層の臨界厚より下にとどまるべきである。層16の好ましい厚さは、層12が緩和Si0.35Ge0.65層である場合に、40%〜50%の範囲の好ましいGe組成では1〜4nmの範囲にある。室温で高相互コンダクタンスを有するデバイス性能を達成するためには、スペーサ層14〜16の層厚を最小にすることが好ましい。
【0038】
圧縮ひずみGe層17は、pチャネル電界効果トランジスタにおける活性高移動度pチャネル33として働く層16の上にエピタキシャルに成長する。シリコン基板上にエピタキシャルGe被膜を成長させるためのUHV−CVD方法の詳細な説明のために、S.Akbar, J.O.ChuおよびB Cunninghamの「Heteroepitaxial Growth of Germanium on Silicon by UHV/CVD」と題する米国特許第5259918号(1993年11月9日発行)への参照を行い、これを参照により本明細書に組み込む。層17が効果的な高移動度pチャネル39となるために、エピタキシャルGeは、構造的欠陥、すなわち積層欠陥(stacking fault)や、層16と17との間の界面粗さの問題もないデバイス品質の層でなければならない。例えば、層12Cが界面19で緩和Si0.35Ge0.65層である好ましい場合では、Ge層17の厚さは、2〜250オングストロームの範囲、好ましくは図5に示すように140〜150オングストロームの範囲にすることができる。
【0039】
層12Cが緩和Si0.35Ge0.65層である場合のGeチャネル厚について好ましい実施形態は、データを図4に再プロットした公表された結果と一致することに留意されたい。この公表されたデータは、Y.H.Xie、D.Monroe、E.A.Fitzgerald、P.J.Silverman、F.A.Thiel、およびG.P.Watsonによる「Very high mobility two-dimensional hole gas in Si/GexSi1-x/Ge structures grown by molecular beam epitaxy」と題するAppl.Phys.Lett.64(16)、1993年10月18日、2263〜2264ページの論文からのものであり、これを参照により本明細書に組み込む。図4では、縦座標は正孔移動度μhをcm2/Vsで表し、横座標は、Geチャネル幅または厚さをオングストロームで表す。4.2Kでの2次元正孔ガス(2DHG)の測定される移動度と、変調ドープ・ヘテロ構造(MBEによって成長)中のGeチャネル厚さとの関係を図4に示す。ただし曲線部分34は、完全に緩和したSi0.40Ge0.60バッファ上に製造されたGeチャネル層を表し、曲線部分35は、Si基板上に成長した、緩和Si0.30Ge0.70バッファ層上に製造されたGeチャネル層に対応する。Si0.40Ge0.60バッファ上に製造されたGeチャネルについての最高の正孔移動度を示す図4の曲線34のピーク部分は、前述の好ましい実施形態とよく一致する、140〜150オングストロームの範囲にある最適なGeチャネル幅に対応している。曲線34のSi0.40Ge0.60層とは反対に、好ましいバッファ層12が緩和Si0.65Ge0.35層であるので、実際の最適なGeチャネル幅または厚さは、150オングストロームよりも大きくなることになり、150〜200オングストロームの範囲にすることができる。
【0040】
図5は、一般に104欠陥/cm2より小さく、103〜106欠陥/cm2の範囲にある可能性がある積層欠陥(stacking fault)を有する、前述の好ましい実施形態での高移動度Geチャネル層17を示す。図5では、界面36での層17の上面の平滑度を示す。積層欠陥(stacking fault)は、界面19での層12の90%の緩和によって、106欠陥/cm2未満に減少する。積層欠陥(stacking fault)は、原子の余分な層の挿入または部分原子層の削除のいずれかによる、結晶格子中の原子面の通常の積層配列における乱れから生ずる結晶格子中の面欠陥(planar defect)である。層の緩和の比率は、X線回折(XRD)技法などによって、格子定数を測定することによって決定することができる。
【0041】
層17の上に、20〜50%の範囲の好ましいGe組成を有するSiGeキャップ層18を成長させ、このSiGeキャップ層18は、pチャネル39を表面から分離し、層17中の正孔キャリアを閉じ込める働きをする。層17に関する厚さは、2〜25nmの範囲、好ましくは10〜15nmの範囲にすることができる。層13、14、15、16、および18は、シリコンおよびゲルマニウムの同じ組成を有することができ、同じ格子間隔を提供することができる。その場合、Ge含有量は、界面19の層12Cが緩和Si0.35Ge0.65バッファ層と同等な格子間隔を有する場合、20〜70%の範囲、好ましくは20〜50%の範囲にすることができる。
【0042】
正孔のチャネル閉じ込めと、その向上した輸送移動度とは、Siに対する純粋Geについての4.2%大きい格子定数から生ずる、界面19での層12の緩和バッファ層に対して高いGe含有量層を有する複合チャネル構造中のより高い圧縮ひずみの結果である。層12の緩和SiGeバッファ上に形成されたGeチャネル層中で圧縮ひずみを生み出し、向上させる構造的能力は、pチャネル層17の伝導帯および価電子帯を著しく変更する。さらに、pチャネル変調ドープヘテロ構造の設計についての重要なパラメータは、層12の緩和Si1-xGexエピ層と比べて圧縮ひずみしたGeチャネル層の価電子帯オフセット(ΔEν)であり、以下の式で与えられる。
ΔEν=(0.74−0.53x')x(eV)
上式でx'は層12の緩和SiGeエピ層のGe含有量であり、xは正孔チャネル中のGe含有量である。この定式化は、R.PeopleおよびJ.C.Beanによる、「Band alignments of coherently strained GexSi1-x/Si heterostrucures on <001> GeySi1-y substrates」、Appl.Phys.Lett.48(8)、1986年2月24日、538〜540ページの論文で報告されており、これを参照により本明細書に組み込む。より具体的には、緩和Si0.35Ge0.65の上に形成された純粋Geチャネルの層17に関する価電子帯不連続(ΔEν)は、396meVとなることになり、これは正孔閉じ込めのための効果的な量子井戸またはポテンシャル・バリアである。重要なことに、SiGeまたはGe層中の圧縮ひずみは、価電子帯を重い正孔バンドおよび軽い正孔バンドに分割し、それによってひずみチャネルに沿ったキャリア輸送のための、軽い方の正孔質量を有する上側の価電子帯中の正孔輸送は、正孔移動度の向上をもたらす。この正孔移動度は、以下で説明するように、Si pチャネル電界効果トランジスタで見出されるものよりも著しく高くすることができる。Si pチャネル電界効果トランジスタで見出される正孔移動度は、M.Rodderらによる「A 1.2V, 0.1μm Gate Length CMOS Technology: Design and Process Issues」と題するIEDM 98−623の論文で報告されているように、一般に移動度約75cm2/Vsを有する。したがって、図1に示す高移動度Geチャネル39構造について、占有正孔バンド中で測定される正孔移動度は、層17が10〜15nmの範囲の厚さを有するGeチャネルである場合、300Kで、1500cm2/Vsから、2000cm2/Vsよりも大きい範囲にあり、20Kで、30000cm2/Vsから、50000cm2/Vsよりも大きい範囲にある。
【0043】
さらに図6では、曲線37は、図5で示すような、138オングストロームの厚さを有するGe pチャネル39を緩和Si0.35Ge0.65バッファ層12上に適切に成長させるときの、測定した2次元正孔ガス(2DHG)正孔移動度の挙動を、Ge pチャネル39についての温度の関数として示す。Ge pチャネル層を、Si0.35Ge0.65の層12からのより低い含有量バッファ上に、または不適切なSiGeバッファ層上に成長させるとき、不十分な品質または欠陥のあるGeチャネル構造と関連する、移動度の挙動低下が観測され、それは、組成プロフィール、緩和の範囲、ならびに残りの積層欠陥(stacking fault)およびミスフィット転位などの層12の適切な設計へのGe pチャネル39の感度を示すことに留意されたい。図6では、左側の縦座標は、正孔移動度μhをcm2/Vsで表し、横座標は温度をK度で表す。Ge pチャネル39に関する曲線37によって示される測定された移動度は、Si pチャネル電界効果トランジスタで見出されるものよりも9〜10倍高い。Ge pチャネル39に関する曲線37によって示される測定された移動度は、図5に示すのと類似の欠陥密度を有し、一般に103〜106欠陥/cm2の範囲にある。図6では、右側の縦座標は、シート密度を正孔/cm2で表し、曲線38は、曲線37の測定した移動度に関する対応するキャリア密度を温度の関数として表す。300Kでは、Ge pチャネル39の移動度μhは、シート・キャリア密度1.62×1012cm-2で1750cm2/Vsに等しい。20Kでは、Ge pチャネル39の移動度μhは、シート・キャリア密度8.69×1011cm-2での43954cm2/Vsに等しい。
【0044】
図7に示す代替実施形態では、図1に示す3つのスペーサ層14、15、および16のうちのいずれか1つ、例えばSiGeスペーサ層14またはSiGeスペーサ層15またはSiGeスペーサ層16は、pチャネル39中の正孔閉じ込めおよびキャリアの移動度におけるどんな主要な劣化も導入することなく、Ge pチャネル17層状構造10から構造的に省略することができる。図7では、図1の装置に対応する機能に対しては同様の参照を使用している。
【0045】
図1および7に示す変調ドープ・デバイス10、80の設計では、スペーサ層16、15、および14のより厚いスペーサが、pチャネル17中の活性キャリアをサプライ層13中のイオン化正孔ドナーからさらに分離することによって低温(すなわち<20K未満)でのキャリア移動度輸送を最適化することを試みるときに、通常はより望ましく、重要である。それでも、室温輸送については、3つのスペーサ層のうちの1つだけ、例えばSiGeスペーサ14またはSiGeスペーサ層15またはSiGeスペーサ層16が存在して変調ドープ・デバイス80のスペースGeチャネル81をサプライ層13から隔てるとき、(もしあれば)最低限の観測可能な効果がある。同様に、3つのスペーサのうちの2つだけ、例えば層14および15、または層14および16、または層15および16のいずれかの2重のスペーサの組み合わせが存在して変調ドープ・デバイス80のスペースGeチャネル81を層13から隔てるとき、(もしあれば)最低限の観測可能な効果がある。
【0046】
図8に示す代替実施形態では、層状構造90は、バッファ層12の上に形成されるGe層17を備えるチャネル40を有する。SiGe層16は、チャネル40の上に形成され、SiGe層15は、層16の上に形成され、SiGe層14は、層15の上に形成され、サプライ層、pドープSiGe層13は、SiGe層14の上に形成される。例えば二酸化シリコン、シリコン酸窒化物、または酸化アルミニウムなどの誘電体層41は、SiGe層13の上に形成される。図8では、図1の装置に対応する機能に対しては同様の参照を使用している。
【0047】
変調ドープ・デバイスに適した層状構造90では、図8に示すように活性チャネル40の上にサプライ層13が位置し、活性pチャネル40は、界面91での格子間隔に対して臨界厚よりも薄いひずみGe層17からなる。Ge層17は、はじめに層12C上に形成され、界面91を形成する。層17は、電界効果トランジスタのチャネル領域40として働く。次に、SiGeスペーサ層14、SiGeスペーサ層15、およびSiGeスペーサ層16からなるスペーサ層は、チャネル層17の上に成長し、上のサプライ層13中のドーパントを下の活性チャネル層17、40から分離する働きをする。スペーサ層14の上に、活性チャネル層17、40の上のドナー層またはサプライ層として働くpドープSiGeサプライ層13が形成される。層17、16、15、14、および13に関するゲルマニウム組成および厚さは、チャネル17、81の下にSiGeサプライ層13を有するGeチャネル層状構造10を示す図1の同じ参照番号のそれらと同じまたは同等にすることができる。この層状構造設計では、層13のサプライ層またはpドープSiGe層は、層16と層15、または層15と層14、または層14および層13との間にひずみSiスペーサ層を追加して、層17、40の活性Geチャネルの上でさらに分離することができる。この追加のひずみSiスペーサに関する厚さは、緩和層12の界面91での格子間隔に対するSi層の臨界厚未満にとどまるべきであり、層14と13との間に追加することが好ましい。
【0048】
図9に示す代替実施形態では、層状構造92は、バッファ層12の上に形成されるpドープSiGe層13を含むサプライ層を有する。SiGe層14は、サプライ層13の上に形成され、SiGe層15は、層14の上に形成され、Ge層17を含むチャネル42は、層15の上に形成され、SiGe層15'は、チャネル42の上に形成され、SiGe層14'は、層15'の上に形成され、サプライ層、pドープSiGe層13'はSiGe層14'の上に形成される。例えば二酸化シリコン、シリコン酸窒化物、窒化シリコン、酸化タンタル、チタン酸バリウム・ストロンチウム、または酸化アルミニウムなどの誘電体層41は、SiGe層13'の上に形成される。図9では、図1の装置に対応する機能に対しては同様の参照を使用している。
【0049】
図10に示す代替実施形態では、層状構造94は、バッファ層12の上に形成されるpドープSiGe層13を含むサプライ層を有する。SiGe層14は、サプライ層13の上に形成され、SiGe層15は、層14の上に形成され、SiGe層16は、層15の上に形成され、Ge層17を含むチャネル43は、層16の上に形成され、SiGe層15'は、チャネル43の上に形成され、SiGe層14'は、層15'の上に形成され、サプライ層、pドープSiGe層13'はSiGe層14'の上に形成される。例えば二酸化シリコン、シリコン酸窒化物、窒化シリコン、酸化タンタル、チタン酸バリウム・ストロンチウム、または酸化アルミニウムなどの誘電体層41は、SiGe層13'の上に形成される。図10では、図1の装置に対応する機能に対しては同様の参照を使用している。
【0050】
自己整合された高移動度p−MODFETデバイス100の断面図を図11に示す。自己整合された高移動度p−MODFETデバイス100は、図1の層状構造を組み込む。自己整合されたMODFETプロセスは、ショットキー・ゲート・デバイス構造に関連するアクセス抵抗を最小化するために使用することが好ましく、このプロセスは、ソース/ドレイン・オーミック・メタライゼーションの前に、ゲート・メタライゼーションのパターニングおよび蒸着を通常必要とする。一般には、ゲート・オーバハング93が、ソース・ドレイン・オーミック接触95および96をショットキー・ゲート92に短絡することを防止するソースおよびドレイン・オーミック接触蒸着に対するマスクとして働くように、T形ゲート92が製造される。SiGe層への低接触抵抗を有するPtオーミック接触プロセスは、M.Arafa, K.Ismail, J.O.Chu, M.S.Meyerson、およびI.Adesidaによる「A 70-GHz fT Low Operating Bias Self-Aligned p-Type SiGe MODFET」と題するIEEE Elec.Dev.Lett, vol.17(12)、1996年12月、586〜588ページの論文で報告されており、これを参照により本明細書に組み込む。
【0051】
p−MODFETデバイス100に関する製造方式は、活性領域を画定することで開始し、メサ分離エッチングと、その後に続くSiOxの蒸着または付着を介して活性デバイス域の周りにフィールド領域98を形成する。ゲート構造およびそのパターニングは、電子ビーム・リソグラフィと、その後に続く蒸着およびリフトオフを使用して、PMMA/P(MMA−MMA)/PMMA3重層レジスト中で実行することができ、Ti/Mo/Pt/Auメタライゼーション・スタック97からなるT形ゲート構造を形成する。Tiの層101は、SiGe層18上に形成される。Moの層102は、Tiの上に形成される。Ptの層103は、層102の上に形成され、Auの層104は、層103の上に形成される。ソースおよびドレインのオーミック接触95および96は、T形ゲート・スタック97の上にPtを蒸着し、その後に画像反転メサ・パターニング・プロセスを使用するリフトオフによって形成することができる。0.1μmにまで至るゲート・フットプリントを有するこの製造方式を使用する小ゲート寸法は、〜0.1μmのオーバハング93によって決定される自己整合されたソース/ドレイン対ゲート距離と共に実演されてきた。ゲート長0.1μmを有する自己整合されたデバイスは、室温で正孔移動度1750cm2/Vs、T=77Kで30900cm2/Vsを有する高移動度ひずみGeチャネル構造上に製造され、これらのデバイスは、低バイアス電圧Vds=−0.6Vで、317mS/mm程度の室温ピーク外部相互コンダクタンスを示し、最大電圧利得18に対応する。T=77Kでは、さらに高いピーク外部相互コンダクタンス622mS/mmをさらに低いバイアス電圧Vds=−0.2Vで達成し、これまでのところこの77K相互コンダクタンスがp形電界効果トランジスタについてこれまで報告された最高値であると考えられる。
【0052】
図1の層状構造を取り込むGeチャネルp形MOS−MODFETデバイス110の断面図を図12に示す。図12では、図1および11の装置に対応する機能に対しては同様の参照を使用している。二酸化シリコン、シリコン酸窒化物、窒化シリコン、酸化タンタル、チタン酸バリウム・ストロンチウム、または酸化アルミニウムなどのゲート誘電体111を、SiGe層18の上に形成することができる。ポリシリコン層112は、ゲート誘電体111の上に形成し、パターン化してデバイス構造110に対するゲート電極113を形成することができる。ゲート電極113、ソース領域114、およびドレイン領域115は、層状構造110中のゲート電極113の両側のイオン注入によって形成することができる。ソースおよびドレイン・オーミック接触(図示せず)は、ソース領域114およびドレイン領域115の上面上の標準メタライゼーションによって形成することができる。ゲート側壁スペーサ116は、オーミック接触を形成する前にゲート電極113の両側に形成することができる。
【0053】
Ge相補型変調ドープ(CMOD)FETデバイス120の断面図を図13に示す。図13では、図1および11の装置に対応する機能に対しては同様の参照を使用している。図13は、図11にも示すp−MODFETデバイス100を示す。p−MODFETデバイス100に隣接するのは、n−MOS−MODFET124である。二酸化シリコン、シリコン酸窒化物、窒化シリコン、酸化タンタル、チタン酸バリウム・ストロンチウム、または酸化アルミニウムなどのゲート誘電体121は、SiGe層18の上に形成することができる。n+ポリシリコン層122をゲート誘電体121の上に形成し、パターン化してGe n−MOS−MODFETデバイス構造124に対するゲート電極123を形成することができる。ゲート電極123を使用して、n+ソース領域125およびn+ドレイン領域126を、ゲート電極123の両側にイオン注入することによって形成し、Ge n−MOS−MODFETデバイス構造124を形成することができる。ゲート側壁スペーサ127は、ゲート電極123の両側に形成することができ、n−MOS−MODFETデバイス構造124が完成する。ソースおよびドレイン・オーミック接触(図示せず)は、ソース領域125およびドレイン領域126の上面上の標準メタライゼーションによってパターン化し、形成することができる。
【0054】
代替実施形態では、バッファ層12の上に形成されるGe層17と、チャネル141の上に形成されるSiGe層142と、SiGe層142の上に形成される、例えば二酸化シリコンの誘電体層41とを備え、表面近傍Geチャネル層状デバイス構造140を形成する表面近傍Geチャネル層状構造140を図14に示す。図14では、図1の装置に対応する機能に対しては同様の参照を使用している。CMOSデバイスに適した表面近傍Geチャネル層状構造では、活性Geチャネル141がまず層12C上に形成され、界面91を形成し、層17は、界面91での格子間隔に対して臨界厚よりも薄い。層17は、電界効果トランジスタのチャネル領域141として働く。チャネル層141の上では、デバイス構造140中で所望のゲート誘電体層41を形成するための保護層として働くアンドープのSiGe層142が形成される。アンドープのSiGe層142が、電子または正孔などのキャリアに対する寄生チャネルとなることを防止するために、層142についての好ましい厚さは、1nm未満である。相補型Ge CMOSデバイス構造標準プロセス技法を使用して製造することができるCMOSデバイス構造の例を図16に示す。
【0055】
図15は、図14に示す実施形態の変形形態を示す層状構造の断面図である。図15では、追加のSi層142'が、SiGe層142の上にエピタキシャルに形成される。ゲート誘電体層41は、Si層142'の上に形成される。
【0056】
エンハンスメント・モード動作のためのGe相補型酸化金属シリコン(MOS)FETデバイス144の断面図を図16に示す。図16では、図1、13、および14の装置に対応する機能に対しては同様の参照を使用している。二酸化シリコン、シリコン酸窒化物、窒化シリコン、酸化タンタル、チタン酸バリウム・ストロンチウム(BST)、または酸化アルミニウムなどのゲート誘電体41は、SiGe層142の上に形成することができる。p+などのドープ・ポリシリコン層122'をゲート誘電体41の上に形成し、パターン化してGe p−MOSFETデバイス構造146に対するゲート電極123'を形成することができる。ゲート電極123'を使用して、p+ソース領域125'およびp+ドレイン領域126'を、ゲート電極123'の両側にイオン注入することによって形成し、Ge p−MOSFETデバイス構造146を形成することができる。ゲート側壁スペーサ127は、ゲート電極123'の両側に形成することができ、p−MOSFETデバイス構造146が完成する。ソースおよびドレイン・オーミック接触(図示せず)は、ソース領域125'およびドレイン領域126'の上面上に標準メタライゼーションによってパターン化し、形成することができる。
【0057】
p−MODFETデバイス146に隣接するのは、n−MODFET124'である。二酸化シリコン、シリコン酸窒化物、窒化シリコン、酸化タンタル、チタン酸バリウム・ストロンチウム、または酸化アルミニウムなどのゲート誘電体41は、SiGe層142の上に形成することができる。n+などのドープ・ポリシリコン層122をゲート誘電体41の上に形成し、パターン化してGe n−MOSFETデバイス構造124'に対するゲート電極123を形成することができる。ゲート電極123を使用して、n+ソース領域125およびn+ドレイン領域126を、ゲート電極113の両側にイオン注入することによって形成し、Ge n−MOSFETデバイス構造124'を形成することができる。ゲート側壁スペーサ127は、ゲート電極123の両側に形成することができ、p−MOSFETデバイス構造124'が完成する。ソースおよびドレイン・オーミック接触(図示せず)は、ソース領域125およびドレイン領域126の上面上の標準メタライゼーションによってパターン化し、形成することができる。図11および12に示すフィールド領域98または深いトレンチなどのデバイス分離領域は、p−MOSFETデバイス構造146をn−MOSFETデバイス構造124'から分離するために形成することができる。
【0058】
図17は、エンハンスメント・モード動作のためのショットキー・バリア金属ゲートを有するGe相補型変調ドープ(CMOD)FETデバイス150の断面図である。図17では、図1、11、および13−16の装置に対応する機能に対しては同様の参照を使用している。図17では、オーミック接触95および96は、それぞれソース領域125およびドレイン領域126へのオーミック接触であり、このオーミック接触95および96は、p+領域を形成するためのイオン注入によって形成することができ、ゲート・スタック97に対して自己整合される。トランジスタ100'についての材料は、pチャネル・エンハンスメント・モードFETとして働くように選択される。オーミック接触95'および96'は、それぞれソース領域125およびドレイン領域126へのオーミック接触であり、このオーミック接触95'および96'は、n-領域を形成するためのイオン注入によって形成することができ、ゲート・スタック97'に対して自己整合される。トランジスタ100"についての材料は、nチャネル・エンハンスメント・モードFETとして働くように選択される。図示しないが、図11に示すようなフィールド領域98、または浅いトレンチ分離(STI)を使用して、トランジスタ100'と100"との間の分離を提供することができる。
【0059】
トランジスタ100'および100"に対して、ゲート電極およびチャネルの下に埋込みドープ領域を形成してしきい電圧を調節し、隣接するデバイス、ならびに埋込みドープ領域の上の本体からのどんな寄生電流も減少させることができる。
【0060】
図面では、同様の要素または構成要素は同様の、対応する参照番号によって参照されることに留意されたい。
【0061】
HEMT、MOD FET、CMOS FET、およびCMOD FETに適した圧縮の下で、ひずみGeチャネルを有するGe/SiGe/Si層状構造を説明し、図示したが、本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべき本発明の広い範囲から逸脱することなく修正形態および変形形態が可能であることは、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す層状構造の断面図である。
【図2】 本発明の実施形態の好ましいGe組成層状構造を示す、図1に示す製造したサンプル構造についての深さに対するGe濃度を示すSIMSグラフである。
【図3】 変調ドープ・デバイス領域に対するBおよびGe濃度を示す、図2の上部を深さ約1000Åまで拡大したSIMS図である。
【図4】 Geチャネル幅または厚さに対する正孔移動度を示す、グラフ中にプロットされたデータ点を示す図である。
【図5】 本発明の実施形態のGe pチャネル変調ドープ・デバイス構造を示す、図2に示す製造したサンプル構造の上部デバイス領域の詳細な断面TEMを示す図である。
【図6】 Hall測定からのケルビン(K)での温度に対する測定した正孔移動度と、関連するシート密度のグラフである。
【図7】 本発明の第2実施形態を示す層状構造の断面図である。
【図8】 本発明の第3実施形態を示す層状構造の断面図である。
【図9】 本発明の第4実施形態を示す層状構造の断面図である。
【図10】 本発明の第5実施形態を示す層状構造の断面図である。
【図11】 図1の層状構造を取り込む高移動度p−MODFETの断面図である。
【図12】 図1の層状構造を取り込むGeチャネルp−MODFETの断面図である。
【図13】 図1の層状構造を取り込むGe CMOS MODFETの断面図である。
【図14】 本発明の第6実施形態を示す層状構造の断面図である。
【図15】 本発明の第7実施形態を示す層状構造の断面図である。
【図16】 図14の層状構造を取り込む、エンハンスメント・モードで動作させるためのGeチャネルCMOSデバイス構造の断面図である。
【図17】 ショットキー・バリアメタル・ゲートを有するGeチャネルCMOSデバイス構造の断面図である。

Claims (3)

  1. Geチャネル電界効果トランジスタを形成するための層状構造であって、
    単結晶基板と、
    前記基板上にエピタキシャルに形成され、Ge比xが0.5〜0.8の範囲にある、緩和Si1−xGeの第1層と、
    前記第1層上にエピタキシャルに形成されるGeの第2層であって、それによって前記第2層は圧縮ひずみの下にあり、前記第1層に対するその臨界厚未満の厚さを有する第2層と、
    前記第2層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1−xGeの第3層と、
    前記第3層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSiの第4層と、
    前記第4層上に形成されるゲート誘電体の第5層とを備え、前記第5層の上にゲート電極が設けられ、前記第4層、前記第3層及び前記第2層にソース領域及びドレイン領域が設けられている、層状構造。
  2. 前記第4層のゲート誘電体が、二酸化シリコン、シリコン窒化酸化物、窒化シリコン、酸化タンタル、チタン酸バリウム・ストロンチウム、酸化アルミニウム、およびその組み合わせからなるグループから選択される誘電体材料である、請求項1に記載の層状構造。
  3. Geチャネル電界効果トランジスタを形成するための層状構造であって、
    単結晶基板と、
    前記基板上にエピタキシャルに形成され、Ge比xが0.5〜0.8の範囲にある、緩和Si1−xGeの第1層と、
    前記第1層上にエピタキシャルに形成されるGeの第2層であって、それによって前記第2層は圧縮ひずみの下にあり、前記第1層に対するその臨界厚未満の厚さを有する第2層と、
    前記第2層上にエピタキシャルに形成されるアンドープのSi1−xGeの第3層と、
    前記第3層上に形成されるゲート誘電体の第4層とを備え、前記第4層の上にゲート電極が設けられ、前記第3層及び前記第2層にソース領域及びドレイン領域が設けられている、層状構造。
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