JPH08162414A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH08162414A
JPH08162414A JP30044294A JP30044294A JPH08162414A JP H08162414 A JPH08162414 A JP H08162414A JP 30044294 A JP30044294 A JP 30044294A JP 30044294 A JP30044294 A JP 30044294A JP H08162414 A JPH08162414 A JP H08162414A
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layer
iii
compound semiconductor
gaas
germanium
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JP30044294A
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Takeshi Maeda
毅 前田
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体装置に関し、Gaを含むIII-V族化合
物半導体層からのGaの偏析及び相互拡散を防止して、
正孔移動度の高い高純度のゲルマニウム層を得る。 【構成】 Gaを含むIII-V族化合物半導体基板1上に
Gaを含むIII-V族化合物半導体バッファ層2、Gaを
含むIII-V族化合物半導体正孔供給層3、及び、ノン・
ドープゲルマニウム層5を設ける際に、Gaを含むIII-
V族化合物半導体正孔供給層3とノン・ドープゲルマニ
ウム層5との間にSi1-x Gex スペーサ層4を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置に関するもの
であり、特に、化合物半導体基板上にp型トランジスタ
形成のための純度の高いゲルマニウム層をヘテロエピタ
キシャル成長させた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体装置の高速化等の高性能化
に対する要求に伴って、複数の半導体層を任意に組み合
わせて半導体装置を構成することのできるヘテロ接合デ
バイスが注目を集めている。例えば、この様なヘテロ接
合デバイスとしては、ヘテロ接合電界効果トランジスタ
やヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)等の高
速トランジスタが実用化されている。
【0003】また、従来のシリコンを用いた相補型半導
体装置をより高速化するために化合物半導体を用いた相
補型半導体装置も提案されている。この様な相補型半導
体装置においては、その高速性能はキャリアの移動度の
低いp型トランジスタの特性で制限されていた。例え
ば、シリコンの場合には、正孔移動度は500cm2
V・secで、1450cm2 /V・secの電子移動
度に比べて約1/3であり、また、GaAsの場合に
も、正孔移動度は400cm2 /V・secで、880
0cm2 /V・secの電子移動度の1/20以下であ
るので、この正孔移動度が相補型半導体装置の特性を規
定していた。
【0004】この様な正孔移動度の問題を解決するため
に、ゲルマニウム/III-V族化合物半導体ヘテロ接合を
用いた相補型電界効果トランジスタからなる集積回路装
置(相補型HEMT集積回路装置)が注目を集めてい
る。この相補型HEMT集積回路装置として、nチャネ
ル型HEMT(高電子移動度トランジスタ)として、II
I-V族化合物半導体を用い、また、pチャネル型HEM
Tとしては、チャネル層として正孔移動度の高いゲルマ
ニウム(1800cm2 /V・sec)を用い、且つ、
正孔供給層としてIII-V族化合物半導体を用いることが
提案されている。
【0005】そして、この様なヘテロ接合半導体装置に
おいては、素子特性を高めるために急峻な組成プロファ
イルのヘテロ接合を必要とし、且つ、ヘテロ接合を形成
する半導体層としても高純度の半導体層が望まれてお
り、その要請を満たす結晶成長方法として分子線結晶成
長法(MBE法)や有機金属気相成長法(MOVPE
法)等が知られている。
【0006】この分子線結晶成長法(MBE法)や有機
金属気相成長法(MOVPE法)は、原子層単位で制御
された結晶成長が可能であり、且つ、高純度の結晶を成
長させることが可能であるため、ヘテロ接合半導体装置
の製造のために広く利用されている。
【0007】ここで、従来における、GaAs基板上に
ゲルマニウム層をエピタキシャル成長させる従来の構成
を図4を参照して説明する。 図4(a)参照 先ず、成長面が(100)面の半絶縁性GaAs基板2
1をMBE装置のIII-V族化合物半導体専用結晶成長室
に搬入し、表面の酸化膜を除去したのち、基板温度を6
00℃とした状態で、ノン・ドープGaAsバッファ層
22を4000Å成長させ、次いで、正孔供給層となる
正孔濃度が2×1018cm-3のp型GaAs層23を3
50Å成長させる。なお、この場合の成長速度は0.7
μm(7000Å)/時である。
【0008】ついで、基板温度を300℃まで下げたの
ち、基板をIV族半導体専用結晶成長室に搬送し、基板
温度を490℃に昇温して結晶の表面におけるGaとA
sの比を1としたのち、250℃まで降温し、この状態
において、Geを収納したKセル(クヌードセン・セ
ル)を1150℃に加熱することによって得たGe分子
を用いてノン・ドープゲルマニウム層24を0.14μ
m/時の成長速度で4000Å成長させて、Ge/Ga
Asヘテロ接合25を形成する。
【0009】この際、Ge/GaAsヘテロ接合25の
界面においては、Geの電子親和力と禁制帯幅の和とG
aAsの電子親和力と禁制帯幅の和との差により、エネ
ルギー障壁が形成され、Ge/GaAsヘテロ接合25
近傍のゲルマニウム層24側に破線で示す正孔走行層2
6が形成される。
【0010】図4(b)参照 この正孔走行層26は、図4(b)に価電子帯のフェル
ミ準位から測った正孔に対するエネルギーを示すよう
に、p型GaAs層23中においてアクセプター準位2
7に起因して発生した正孔28が、正孔に対するエネル
ギーが低いゲルマニウム層24に移動して形成されるも
のである。
【0011】なお、上から見た場合にGaとAsとが
1:1に分布して現れる結晶表面にゲルマニウム層を成
長させた場合、成長界面にキャリアが発生しにくく、且
つ、安定した結晶成長が可能であるため、得られたゲル
マニウム層におけるキャリア移動度が高くなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなG
e/GaAsヘテロ接合界面では、結晶成長工程におい
て、GeとGaの相互拡散や、Gaの偏析が生ずること
が知られている。この相互拡散とは、GaAs結晶中に
おけるGeの拡散係数、及び、Ge結晶中におけるGa
或いはAsの拡散係数に依存するものである。
【0013】また、偏析については、GaAs層上にゲ
ルマニウム層を成長させる場合、成長界面表面にGeよ
りもGaが存在した方が安定であることによって生ずる
現象であり、GaAs層上にゲルマニウム層が成長する
過程で成長界面表面に存在するGaが、成長・堆積する
Geと置換して、常に成長界面表面に存在しようとする
ため、ゲルマニウム層中にGaが取り込まれることにな
る。
【0014】この結果、ゲルマニウム層に取り込まれた
Ga原子がキャリアに対する散乱中心となるため、p型
トランジスタの場合には、ゲルマニウム層における正孔
移動度の低下等の問題が生ずる。この様子を図4(c)
を参照して説明する。
【0015】図4(c)参照 図4(c)のGa濃度プロファイルに示すように、正孔
走行層26にもp型GaAs層23中のGaが拡散或い
は偏析しており、正孔走行層26におけるGa原子が正
孔に対する散乱中心となるので正孔移動度が低下し、特
に、ヘテロ接合近傍においては大幅に低下するので、ゲ
ルマニウムをチャネル層として用いても所期の高速特性
が得られなかった。
【0016】したがって、本発明は、GaAs等のGa
を含むIII-V族化合物半導体層からのGaの偏析及び相
互拡散を防止して、正孔移動度の高い高純度のゲルマニ
ウム層を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理的
構成の説明図であり、図1を参照して本発明における課
題を解決するための手段を説明する。 図1参照 本発明は、半導体装置において、Gaを含むIII-V族化
合物半導体基板1上に少なくともSi1-x Gex (0<
x<1)スペーサ層4、及び、ゲルマニウム層5(6は
正孔走行層)を設けたことを特徴とする。
【0018】また、本発明は、Gaを含むIII-V族化合
物半導体基板1とSi1-x Gex (0<x<1)スペー
サ層4との間に、一層以上のGaを含むIII-V族化合物
半導体層2,3を設けたことを特徴とする。また、本発
明は、Si1-x Gex (0<x<1)スペーサ層4の厚
さがGaの拡散及び偏析が及ばない厚さであることを特
徴とする。
【0019】また、本発明は、Si1-x Gex (0<x
<1)スペーサ層4の厚さがミスフィット転位が生じな
い臨界膜厚以下であることを特徴とする。また、本発明
は、Gaを含むIII-V族化合物半導体基板1、或いは、
Gaを含むIII-V族化合物半導体層2,3が、GaAs
であることを特徴とする。
【0020】
【作用】Gaを含むIII-V族化合物半導体基板、或い
は、Gaを含むIII-V族化合物半導体層とゲルマニウム
層との間に、Si1-x Gex (0<x<1)スペーサ層
を介在させたので、Gaを含むIII-V族化合物半導体か
らのGaの偏析及び拡散を抑制することが、したがっ
て、高純度のゲルマニウム層を得ることができる。
【0021】また、Gaを含むIII-V族化合物半導体基
板とSi1-x Gex (0<x<1)スペーサ層との間
に、一層以上のGaを含むIII-V族化合物半導体層を設
けることにより、結晶性の悪い基板表面から離れた位置
にヘテロ接合を形成できるので、ヘテロ接合の急峻性及
びゲルマニウム層の結晶性を良好にすることができる。
【0022】また、Si1-x Gex (0<x<1)スペ
ーサ層の厚さをGaの拡散及び偏析が及ばない厚さにす
ることによって、その上に設けるゲルマニウム層にGa
が含有されることが防止できるので、高純度で結晶性の
良好なゲルマニウム層が得られ、したがって、ゲルマニ
ウム層をチャネル層として用いた場合には所期の正孔移
動度を得ることができる。
【0023】また、Si1-x Gex (0<x<1)スペ
ーサ層の厚さがミスフィット転位が生じない臨界膜厚以
下の厚さにすることによって、その上に設けるゲルマニ
ウム層にもミスフィット転位が生じないので、その結晶
性が良好になる。また、Gaを含むIII-V族化合物半導
体基板、或いは、Gaを含むIII-V族化合物半導体層と
して、ゲルマニウムと格子定数が略等しく、且つ、電子
移動度の大きなGaAsを用いることにより、結晶性が
良好で、且つ高速の相補型半導体装置を得ることができ
る。
【0024】
【実施例】図2は本発明の第1の実施例の説明図であ
る。 図2(a)参照 先ず、成長面が(100)面の半絶縁性GaAs基板1
1をMBE装置のIII-V族化合物半導体専用結晶成長室
に搬入し、基板表面の酸化膜を除去したのち、基板温度
を600℃とした状態で、0.7μm(7000Å)/
時の成長速度でノン・ドープGaAsバッファ層12を
4000Å成長させ、次いで、正孔供給層となる正孔濃
度が2×1018cm-3のp型GaAs層13を350Å
成長させる。
【0025】次いで、基板温度を300℃まで下げたの
ち、基板をIV族半導体専用結晶成長室に搬送し、基板
温度を480℃乃至500℃、好適には490℃に昇温
して結晶の表面におけるGaとAsの比を1としたの
ち、この状態において0.28μm/時の成長速度でノ
ン・ドープSi0.5 Ge0.5 スペーサ層14を90Å成
長させる。なお、この場合のSi分子はSiを電子ビー
ムで加熱することによって得、また、Ge分子はGeを
収納したクヌードセン・セルを1150℃に加熱するこ
とによって得る。
【0026】次いで、従来例と同様に、基板温度を25
0℃まで降温し、Geを収納したクヌードセン・セルを
1150℃に加熱することによって得たGe分子を用い
てノン・ドープゲルマニウム層15を0.14μm/時
の成長速度で4000Å成長させる。
【0027】この際に、GaAs/Si0.5 Ge0.5
テロ接合16とSi0.5 Ge0.5 /Geヘテロ接合17
の二つのヘテロ接合が形成されると共に、Si0.5 Ge
0.5/Geヘテロ接合17近傍のゲルマニウム層15側
に破線で示す正孔走行層18が形成される。
【0028】図2(b)参照 この正孔走行層18は、図2(b)に価電子帯のフェル
ミ準位から測った正孔に対するエネルギーを示すよう
に、正孔供給層であるp型GaAs層13におけるアク
セプター準位19に起因して発生した正孔20が、エネ
ルギーの最も低いゲルマニウム層15に移動して形成さ
れるものである。
【0029】図2(c)参照 この場合、図2(c)に示すGa濃度プロファイルから
明らかなように、Si 0.5 Ge0.5 スペーサ層の厚さを
Gaの拡散及び偏析が及ばない厚さにすることによっ
て、正孔走行層18にGaがドープされることを防止す
ることができ、正孔走行層18における正孔の移動度を
所期の値とすることができる。
【0030】なお、Ge(格子定数:5.6461Å)
とGaAs(格子定数:5.6533Å)の格子定数は
非常に近いのでヘテロ接合を形成した場合に格子不整合
の問題は生じないが、Si(格子定数:5.4309
Å)は、GaAs(格子定数:5.6533Å)と格子
定数が約4%も異なり、GaAs基板上に厚いシリコン
層を成長させた場合に、ミスフィット転位が発生し、シ
リコン層の結晶性が劣化することになり、このミスフィ
ット転位の問題は、Si1-x Gex スペーサ層において
も、その混晶比(Si比)に応じて生ずることになる。
【0031】したがって、Si1-x Gex スペーサ層及
びその上に設けるゲルマニウム層の結晶性を良好にする
ためには、Si1-x Gex スペーサ層の厚さをミスフィ
ット転位が発生しない厚さ以下にすることが望ましく、
その場合に、ゲルマニウム層にGaが多少拡散する場合
もあり得るが、このSi1-x Gex スペーサ層の厚さ
は、正孔走行層における正孔移動度とゲルマニウム層の
結晶性とのバランスを考慮して決めれば良いものであ
る。
【0032】なお、このSi1-x Gex スペーサ層の混
晶比xは、第1の実施例においては0.5であるが、
0.5に限られるものではなく、必要とする界面特性に
応じて決定すれば良いものであるが、あまりxが大きけ
ればゲルマニウム層との違いがなくなり、Si1-x Ge
x スペーサ層にも正孔が存在して、Si1-x Gex スペ
ーサ層も正孔走行層となるので、Si1-x Gex スペー
サ層を設ける意味がなくなり、逆に、xを小さくしすぎ
ると、Si1-x Gex スペーサ層とGaAs層との格子
定数の差が大きくなり、充分な厚さのSi1-x Gex
ペーサ層を結晶性良く形成できなくなる。
【0033】また、上記第1の実施例においては、正孔
移動度を高めるために、Si1-x Gex スペーサ層の成
長前に、熱処理を施して結晶表面におけるGaとAsの
比を1としているが、必ずしも必要な工程ではない。
【0034】次に、図3を参照して、本発明の第2の実
施例を説明する。この第2の実施例は、第1の実施例に
おけるp型GaAs層13とSi0.5 Ge0.5 スペーサ
層14との間にp型AlAs層29を介在させることに
よって、結晶表面を5×4構造にしてキャリア移動度を
高くしたものである。
【0035】図3参照 即ち、先ず、第1の実施例と同様に、成長面が(10
0)面の半絶縁性GaAs基板11をMBE装置のIII-
V族化合物半導体専用結晶成長室に搬入し、基板表面の
酸化膜を除去したのち、基板温度を600℃とした状態
で、0.7μm(7000Å)/時の成長速度でノン・
ドープGaAsバッファ層12を4000Å成長させ、
次いで、正孔供給層となる正孔濃度が2×1018cm-3
のp型GaAs層13を350Å成長させ、さらに、正
孔濃度が2×1018cm-3のp型AlAs層29を50
Å成長させる。
【0036】次いで、基板温度を300℃まで下げたの
ち、基板をIV族半導体専用結晶成長室に搬送し、基板
温度を525℃に昇温して、AlAs層29表面の結晶
構造を5×4構造にしたのち、この状態において0.2
8μm/時の成長速度でノン・ドープSi0.5 Ge0.5
スペーサ層14を90Å成長させる。なお、この場合の
Si分子はSiを電子ビームで加熱することによって
得、また、Ge分子はGeを収納したクヌードセン・セ
ルを1150℃に加熱することによって得る。
【0037】次いで、従来例と同様に、基板温度を25
0℃まで降温し、Geを収納したクヌードセン・セルを
1150℃に加熱することによって得たGe分子を用い
てノン・ドープゲルマニウム層15を0.14μm/時
の成長速度で4000Å成長させる。この場合も、Si
0.5 Ge0.5 /Geヘテロ接合17近傍のゲルマニウム
層15側に破線で示す正孔走行層18が形成される。
【0038】なお、5×4構造とは、清浄なAlAsの
(100)面において、AlAs層表面の活性な原子が
再構成(reconstruction)して、理想的
な表面の格子状態に対して表面の一方の方向で5倍で且
つこの一方の方向と直交するもう一方の方向において4
倍に拡大された格子構造を有する結晶表面、即ち、5×
4倍構造を有する結晶表面である。
【0039】この場合、純粋なAlAs層においては5
×4構造の形成が確認されていないが、本発明のように
p型GaAs層13上にp型AlAs層29を成長させ
る際に、Gaが少量偏析し、AlAs層29の表面に偏
析したこのGaの存在によって、p型AlAs層29の
表面の結晶構造は5×4構造となるものと考えられる。
【0040】そして、この5×4構造においても、上か
ら見た場合にGaとAsとが1:1に分布して現れてお
り、この表面にゲルマニウム層を成長させた場合も、成
長界面にキャリアが発生しにくく、且つ、安定した結晶
成長が可能であるため、得られたゲルマニウム層におけ
るキャリア移動度が高くなる。
【0041】なお、上記各実施例においては、Si1-x
Gex スペーサ層を単層で構成しているが、単層に限ら
れるものではなく、ゲルマニウム層に向かって徐々に混
晶比xが増加する階段状接合を形成するように多層膜で
構成しても良い。
【0042】また、上記各実施例においては、正孔供給
層としてp型GaAs層を用いているが、Si1-x Ge
x スペーサ層の下地となるGaAs層の最終面をIII 族
元素の面とすることによりSi1-x Gex スペーサ層界
面に正孔を発生させて、これを正孔供給源としても良い
し、或いは、Si1-x Gex スペーサ層のGaAs層寄
りの一部にp型不純物をドープしてp型層を形成し、こ
のp型層を正孔供給源としても良い。
【0043】また、上記各実施例おいては、正孔供給層
としてp型GaAs層を用いているが、GaAsに限ら
れるものではなく、チャネル層を構成するGeに対して
電子親和力と禁制帯幅の和の大きなAlGaAs等の他
のGaを含むIII-V族化合物半導体であっても良い。
【0044】また、本発明においては、ゲルマニウム層
はp型トランジスタを形成するために使用されている
が、場合によっては、集積回路における製造工程を簡素
化等のために、ゲルマニウム層を用いてn型トランジス
タも合わせて構成しても良く、この場合には、電子供給
層としてはn型GaAs等を用いたり、Si1-x Gex
スペーサ層の下地となるGaAs層の最終面をV族元素
の面とすることによりSi1-x Gex スペーサ層界面に
電子を発生させて、これを電子供給源としても良いし、
或いは、Si1-x Gex スペーサ層のGaAs層寄りの
一部にn型不純物をドープしてn型層を形成し、このn
型層を電子供給源としても良い。
【0045】また、本発明の各実施例においては、ゲル
マニウム層の基板側の界面近傍に正孔走行層、即ち、キ
ャリア走行層を形成していたが、この様な構成に限られ
るものではなく、ゲルマニウム層表面にさらに電子親和
力及び禁制帯幅の異なる半導体層を設けて、この層との
界面近傍にキャリア走行層を形成しても良いものであ
り、この場合には、実施例における基板側のノン・ドー
プGaAsバッファ層及びp型GaAs層は不要にな
る。
【0046】さらに、本発明の基本的技術思想は、ヘテ
ロ接合一般に適用されるものであり、例えば、III-V族
化合物半導体とII−VI族化合物半導体との間のヘテ
ロ接合においても、相互拡散と偏析の問題は生ずるの
で、その場合には、両者の間に不所望な元素のドープの
原因となる相互拡散と偏析を防ぐためのスペーサ層を介
在させれば良い。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、Gaを含むIII-V族化
合物半導体からなる正孔供給層とゲルマニウム層との間
にSi1-x Gex スペーサ層を介在させることによっ
て、正孔供給層の構成元素であるGaがゲルマニウム層
に拡散・偏析することをほぼ防ぐことができるので、高
純度で結晶性の良好なゲルマニウム層を得ることがで
き、それによって、高い正孔移動度を維持した高速動作
特性を有する相補型半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施例の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例の説明図である。
【図4】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 Gaを含むIII-V族化合物半導体基板 2 Gaを含むIII-V族化合物半導体バッファ層 3 Gaを含むIII-V族化合物半導体正孔供給層 4 Si1-x Gex スペーサ層 5 ノン・ドープゲルマニウム層 6 正孔走行層 11 半絶縁性GaAs基板 12 GaAsバッファ層 13 p型GaAs層 14 Si0.5 Ge0.5 スペーサ層 15 ゲルマニウム層 16 ヘテロ接合 17 ヘテロ接合 18 正孔走行層 19 アクセプター準位 20 正孔 21 半絶縁性GaAs基板 22 GaAsバッファ層 23 p型GaAs層 24 ゲルマニウム層 25 ヘテロ接合 26 正孔走行層 27 アクセプター準位 28 正孔 29 p型AlAs層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Gaを含むIII-V族化合物半導体基板上
    に少なくともSi1- x Gex (0<x<1)スペーサ
    層、及び、ゲルマニウム層を設けたことを特徴とする半
    導体装置。
  2. 【請求項2】 上記Si1-x Gex (0<x<1)スペ
    ーサ層の厚さがGaの拡散及び偏析の及ばない厚さであ
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 上記Si1-x Gex (0<x<1)スペ
    ーサ層の厚さがミスフィット転位が生じない臨界膜厚以
    下であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 上記Gaを含むIII-V族化合物半導体基
    板と上記Si1-x Gex (0<x<1)スペーサ層との
    間に、一層以上のGaを含むIII-V族化合物半導体層を
    設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 上記Gaを含むIII-V族化合物半導体基
    板及びGaを含むIII-V族化合物半導体層が、GaAs
    であることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 上記Si1-x Gex (0<x<1)スペ
    ーサ層の少なくとも上記ゲルマニウム層側がノン・ドー
    プ層であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    1項に記載の半導体装置。
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JP30044294A Pending JPH08162414A (ja) 1994-12-05 1994-12-05 半導体装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007165867A (ja) * 1999-03-12 2007-06-28 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 電界効果トランジスタを形成するための層状構造

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