JP3956846B2 - 自動車の前部構造 - Google Patents
自動車の前部構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3956846B2 JP3956846B2 JP2002373407A JP2002373407A JP3956846B2 JP 3956846 B2 JP3956846 B2 JP 3956846B2 JP 2002373407 A JP2002373407 A JP 2002373407A JP 2002373407 A JP2002373407 A JP 2002373407A JP 3956846 B2 JP3956846 B2 JP 3956846B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bumper
- surface portion
- reinforcing member
- vehicle
- face
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Body Structure For Vehicles (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の前部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のバンパー構造に関しては、図11に示した構造を有する下記特許文献1が知られている。この特許文献1に開示されているバンパー構造は、フロントバンパ101におけるバンパフェイシャ102の下部(バンパフェイスアンダ126)が車両のフレーム106にまで延びて連結され、フレーム106に締結されて前方に延びる衝撃吸収体110がバンパフェイシャ102の後内方に設けられたものであって、衝撃吸収体110には車幅方向に向かって延びるリブ113と前後方向に延びる複数の前後方向リブ112が形成されている。
【0003】
この構造によれば、歩行者等との衝突時、その歩行者等を車体の下側に巻き込むことが防止できるとされている。しかしながら、歩行者等を車体の下側に巻き込むことを防止するための補強部材である衝撃吸収体110は樹脂成形体であるとともにフレーム106に片持ち支持されているところから支持剛性が弱く、歩行者等に衝突した際、締結部の付近から上方に屈曲変形してしまい、衝突された歩行者等を車両下部に巻き込む可能性が残されている。
【0004】
また、この衝撃吸収体110にはフレーム106から前方に長く延び、且つその上内面には複数のリブが設けられているが、剛性を上げるためにリブの数を多く増やしたり、肉厚にしたりすると重量増加が大きくなる問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−274298号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上から本発明は、重量増加を抑制しつつ、高い強度でもって補強部材を後方の車両構造体に支持させることができ、車両が歩行者等と衝突した際に、歩行者等を車両の下側に巻き込むことを確実に防止できる自動車の前部構造を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わる自動車の前部構造の第一の構成は、バンパーフェースに外気導入用の開口部を有し、開口部より下方にあってバンパーフェースの一部を構成するバンパーロアフェース後内方に補強部材を備える自動車の前部構造であって、補強部材がバンパーロアフェースの下端に取付けられるとともに、取付け部の車幅方向近傍には、バンパーフェース後方に配設されている車両構造体とを連結する連結板が連結され、連結板の両連結部間に補強構造部が設けられているものである。
【0008】
第一の構成によれば、まず補強部材がバンパーロアフェースの下端に取付けられるとともに、取付け部の車幅方向近傍には、バンパーフェース後方に配設されている車両構造体とを連結する連結板が連結されるため、バンパーロアフェース内における補強部材の後方の車両構造体に対する支持強度が高まり、車両前部が歩行者等と衝突した際に補強部材全体がバンパーフェースと共に後方に異動することは無い。さらに、連結板には補強構造部が設けられているため、補強部材の、後方の車両構造体に対する支持剛性をより一層高めることができ、効果的に歩行者等を車両の下側に巻き込むことが回避できる。
【0009】
また、第一の構成によれば、補強部材とバンパーロアフェースの下端の取付け部車幅方向近傍でバンパーフェースと連結板とを連結する構造にしている。この結果、バンパーロアフェースを介して補強部材と連結板とを狭い範囲内で一体化した構造となるため、補強部材とバンパーロアフェースとの取付け部とバンパーロアフェースと連結板との取付け部を長い間隔を置いて連結するよりもこれら連結部の連結強度の相乗効果により連結部近傍の強度を向上することができる。或いはまた、補強部材とバンパーロアフェースの下端と連結板の3部材を一箇所で連結するのに比べて自動車前部構造体としての強度、剛性は同等である一方、夫々の連結のための締結力が比較的小さくて済むと共に、位置合せも容易で組付け性が向上できるという利点がある。
【0010】
さらに、第一の構成は、バンパーロアフェースは、開口部より一旦車両前方に突出し、下方に向かうに従って後方に後退する形状に形成され、補強部材は、バンパーロアフェースの後内方においてバンパーロアフェース形状に略沿って収まるよう車両前方に向かって延びる上面部と、上面部から下方に向かって延びる前面部及び前面部から後方に向かって延びる下面部とを有すると共に、上面部、前面部、及び下面部に渡って縦リブが備えられ ており、上面部はバンパーフェースに取付けられる車両部品若しくはバンパーロアフェース自身に締結され、下面部はバンパーロアフェースの下面部に締結されているものである。
【0011】
上記構成によれば、補強部材は下面部、前面部、並びに上面部によって立体的な構造とされると共に、上面部、前面部、下面部が縦リブにより連結されるので上記構成における補強部材の強度、剛性がさらに向上すると共に、上面部及び下面部のバンパーフェース及び車両部品に対する締結部の強度も向上できる。従って、歩行者等を車両下部に巻き込む状態を回避することができる。
【0012】
また、上記構成によれば、補強部材の前面部は、バンパーロアフェースの形状に沿った車幅方向に延びる面となり、従来技術で示したような補強部材が前方に向かって突出した形状とされることが防止され、車両前部が歩行者等に衝突した際、衝撃力が集中的に加わることによる歩行者等の人身ダメージの増大を防止することが可能となる。
【0013】
本発明の第二の構成は、連結板が車両前方下部を覆うアンダーカバーとされているものである。
【0014】
第二の構成によれば、通常、車両走行抵抗を低減するために車両の前方部下面を覆うように設けられるアンダーカバーをバンパーロアフェースと補強部材との連結体と車体構造体とを連結する連結板として利用するため、新たな連結部材が不要であり、重量増加を抑えることができる。
【0015】
本発明の第三の構成は、補強部材から後方に延びる延出部が形成され、延出部は補強構造部に締結されているものである。
【0016】
第三の構成によれば、補強部材と連結板とは、単に連結板が車両構造体から前方に延びて補強部材と連結されるだけでなく、補強部材から後方に延びる延出部が形成され、この延出部と連結板とは充分な重なり代を有して重なり、且つ延出部は連結板に形成された補強構造部に締結された構造とされるため、補強部材の、後方の車両構造体に対する支持剛性をより一層高めることができる。
【0017】
本発明の第四の構成は、補強部材の下面部後端に厚肉部が形成され、厚肉部はバンパーロアフェースの下面部後端に締結されているとともに、厚肉部の前方に位置する補強部材の下面部には上方に向かって窪んだ補強凹部が形成されているものである。
【0018】
第四の構成によれば、厚肉部の前方に位置する補強部の下面部は平面ではなく、立体的な補強凹部とされるため、補強部の下面部後端とバンパーロアフェースの下面部後端との締結部近傍の剛性が向上でき、その結果、歩行者等との衝突時に補強部の下面部後端とバンパーロアフェースの下面部後端との締結部近傍が破壊されて歩行者等が巻き込まれやすくなる状態を回避することができる。
【0019】
本発明の第五の構成は、補強部材には、縦リブと略直交する横リブが備えられているものである。
【0020】
第五の構成によれば、横リブと縦リブとにより補強部材の強度、剛性が向上し、低荷重入力による補強部の車幅方向の折れを防止することができる。
【0021】
本発明の第六の構成は、補強部材は開口部に取付けられるグリルと一体成形されているものである。
【0022】
第六の構成によれば、補強部材は開口部に取付けられるグリルと一体成形された構造とされるため、補強部材専用の部材及び補強部材を締結するための部材が不要となり、重量増加を抑えることができると共に、コスト低減も可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上から本発明は、重量増加を抑制しつつ、高い強度でもって補強部材を後方の車両構造体に支持させることができ、車両が歩行者等と衝突した際に、歩行者等を車両の下側に巻き込むことを確実に防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一の実施の形態について、図1〜図8に基づいて説明する。まず、図1は本発明に関わる自動車の前部構造体であるバンパー構造体の正面図である。バンパー構造体1はバンパーフェース2、グリル10、及び衝突時のエネルギーを吸収するクラッシュカン6やバンパーレインフォースメント8等から構成され、車体前部に組付けられている。バンパーフェース2は、クラッシュカン6やバンパーレインフォースメント8がその後面側に配置されるバンパーアッパフェース2aとバンパーロアフェース2bとともに射出成形により一体的に成形されており、バンパーアッパフェース2aとバンパーロアフェース2bとの間には車幅方向に長い開口部4が形成され、開口部4には格子状に成形されて外気をエンジンルーム側に導入するグリル10が車両前方側から挿入、固定されている。
【0025】
バンパーロアフェース2bの後内方には、図2にその後方からの斜視図で示しているように平面視、略円弧状の補強部材20が車幅方向に延びるように設けられている。補強部材20の構造について、図2に加え、図2におけるA−A断面である図3(A)、図3(A)のB−B断面である図3(B)を用いて詳細に説明する。
【0026】
図2に示しているように、補強部材20は車幅方向両端部において後方に延びる側面部22と、車両前方に向かって延びる上面部24(図3(A)参照)、上面部24から下方に延びる前面部26(図3(A)参照)、及び前面部26から後方に向かって延びる下面部28とによって外面枠が形成され、左右両端の側面部22を結ぶ横リブ30が前面部26から後方に向かって延び、さらに上面部24と前面部26と下面部28とを結び、横リブ30と略直交する複数の縦リブ32が形成された構造を有している。なお、図2、3では横リブは1本としているが、複数本設けられても良い。
【0027】
また、下面部28の車幅方向中央付近には所定幅に渡って後方に延びる延設部29が設けられ、延設部29はその面内に形成された複数の取付孔29aを利用して、後述する車両構造体から前方に延びる連結板と連結され強度、剛性アップが図られている。
【0028】
補強部材20はこのような構造を有しているため強度、剛性が高く、車両が歩行者等と衝突した際でも容易に屈曲、破断することがなく、従って歩行者等が車両の下側に巻き込まれるのを防止できる。
【0029】
また、補強部材20は延設部29を除いてバンパーロアフェース2bに収まる程度にコンパクトであるため、重量増加を抑制することができる。
【0030】
さらに、横リブ30と縦リブ32の前方部は、前面部26と一体的に形成され、従来技術(図11参照)で示したような前方部が突出した形状とされていないので、衝突された歩行者等の体の衝突部位への衝撃吸収体先端部による衝撃力の集中が防止でき、衝突部位の損傷度合いを低減することも可能である。
【0031】
補強部材20とバンパーフェース2との連結構造について、その断面を示す図3を用いて説明する。図3(A)は、図2におけるA−A断面部の補強部材20にバンパーフェース2を連結した状態を示す図、図3(B)は、図3(A)におけるB−B断面を示す図である。
【0032】
図3(A)に示しているように、バンパーアッパフェース2aとバンパーロアフェース2bの間には開口部4が形成され、開口部4にグリル10が前方側から挿入されて取付けられている。開口部4より下方のバンパーロアフェース2bは、上記開口より一旦前方に突出し、下方に向かうに従って後方に後退する形状に形成され、略水平なバンパーロアフェース後端部2dまで延びている。
【0033】
補強部材20は前方に突出する上面部24と、上面部24から下方に延びる前面部26と、さらに下方に向かうに従って後方に延びる下面部28を有して、バンパーロアフェース2bの後部に収められるようにされている。また、補強部材20の上面部24の後部からは上方に向かって延びる縁部14(図2参照)と、縁部14からさらに上方に延びる延長部14aが車幅方向に渡って複数設けられているとともに、延長部14aには、夫々、挿通孔18が形成されている。一方、バンパーロアフェース2bの上端部に締結孔2hが設けられており、補強部材20の挿通孔18は締結孔2hに位置合せされ、締結部材37によってバンパーロアフェース2bに締結されている。
【0034】
また、下面部28は後方に複数の肉厚部34が形成され(図2参照)、バンパーロアフェース後端部2dに連結部材36で締結されている。なお、バンパーロアフェース後端部2dにおいて下方へ延びる垂下部2fは、車両走行抵抗の低減に加え、車両前方からの外観を向上するとともに、走行時の飛び石等により締結部材や締結部付近が損傷したりするのを防止する効果も有している。
【0035】
この肉厚部34に至る補強部材20の下面部28は、図3(A)のB−B断面を示す図3(B)から分かるように、上部方向に向かって窪んだ補強凹部28aを有している。つまり下面部28は、バンパーロアフェース後端部2dとの締結部である肉厚部の前方部で三方に壁を有する立体的構造を有しているため、衝突時において締結部付近が容易に破壊しない高強度構造とされている。
【0036】
次に、下面部28の車幅方向中央付近において所定幅に渡って後方に延びる延設部29と車両構造体から前方に延びる連結板との連結について、連結板の構造を示す図4、連結板の断面形状を示す図5、補強部材20と連結板との連結構造を示す平面図である図6、及び図6におけるD1−D2断面、即ち延設部29と連結板、及び車両構造体との連結構造を示す断面図である図7に基づいて説明する。
【0037】
まず、連結板の構造を図4で説明する。本実施の形態において、連結板は車体の下部を覆うアンダーカバー50が兼用されている。アンダーカバーは車両走行時の走行抵抗を低減するために一般的に設けられている車両部品の一つであり、本発明の実施の形態におけるアンダーカバー50の前方部は補強部材20における下面部28の後端部形状に沿うように円弧状とされ、後方部は車幅方向に延びる形状に成形されている(図6参照)。
【0038】
アンダーカバー50の断面形状は、図4の断面C1−C1を表す図5(A)に示しているように、後部連結面50a、後部連結面50aから前方に向かって下降した後、前方に延びる平面50b、平面50bから前上方に延びる傾斜面50c、傾斜面50cから前方に延びる補強構造部上面50d、補強構造部上面50dから前下方に延びる傾斜面50e、さらに傾斜面50eから前方に延びて補強部材20の肉厚部34、及びバンパーロアフェース2bの後端部2dと連結される前部連結面50fを有している。後部連結面50aに設けられた複数の丸孔50gは締結部材を介して車両構造体であるクロスメンバ52(図7参照)に連結するためのものである。また、後でも説明するが、前部連結面50fに設けられた複数の丸孔50hは、締結部材38fを介してバンパーロアフェース2bの後端部2dと連結するためのものである。
【0039】
アンダーカバー50の断面形状は、図4の断面C2−C2を表す図5(B)に示しているように、上で説明した平面50bを基準面として上方に窪んだ複数の補強構造を有している。具体的には、平面50bから傾斜して補強構造部上面50d、50iを結ぶ傾斜面50jが形成され、凹部51、52が設けられた立体構造となっている。即ち、凹部51を例にすると、凹部51を形成する上述の平面50b、傾斜面50c、補強構造部上面50d、傾斜面50e、及び、傾斜面50jにより立体的な補強構造部55が形成されている。この構造により、前方からの衝撃に対する強度、剛性が確保されており、車両が歩行者等と衝突した際に補強部材20が屈曲したり、後退したりして歩行者等を車体下部へ巻き込んでしまうのを回避できる。なお、補強構造部上面50iの後方には、一旦平面50bに下降して延びる傾斜面が形成されていないが、傾斜面50j及び補強構造部上面50i前方の傾斜面50mにより凹部52を形成する立体構造とされているので、補強構造部56として機能する。
【0040】
次に、補強部材20における下面部28から後方に向かって延びる延設部29と連結板であるアンダーカバー50との連結構造について図6とそのD1−D2断面を表す図7を用いて説明する。図6に示しているように、延設部29はアンダーカバー50の補強構造部上面50d、50iの上面に設置され、補強構造部上面50d、50iに形成された取付孔50kと延設部29に形成された取付孔29a(図7参照)とが位置合せされた後、締結部材38bで締結されている。
【0041】
さらに、図7に示しているように、アンダーカバー50の後端部に設けられている後部連結面50aの上面には車幅方向に渡って延設された車両構造体であるクロスメンバ52が締結部材38cによって連結されている。
【0042】
一方、補強部材20における下面部28の後端に設けられた肉厚部34とバンパーロアフェース2bの後端部2dとは締結部材38aによって連結されている。
【0043】
次に、バンパーロアフェース2bとアンダーカバー50との連結について図6におけるD1−D3断面を表す図8を用いて説明する。なお、図6から分かるようにD1−D3断面はD1−D2断面の車幅方向近傍の断面であり、この断面においては、バンパーロアフェース2bの後端部2dにおいて、クロスメンバ52から前方に延びるアンダーカバー50の前部連結面50fと締結部材38fによって連結されている。そして図6にも示しているように、アンダーカバー50に設けられた複数の丸穴50hは、補強部材20の複数の肉厚部34の近傍に夫々設けられているため、バンパーロアフェース2bとアンダーカバー50、及び補強部材20とバンパーロアフェース2bとは近傍位置で連結されていることが分かる。
【0044】
従って、補強部材20とバンパーロアフェース2bとの連結箇所とバンパーロアフェース2bとアンダーカバー50との連結箇所は近傍であり、バンパーロアフェース2bを介して補強部材20とアンダーカバー50とが狭い範囲内で一体化した構造となるため、これら連結部が長い間隔を置いて連結されるよりも連結部近傍はこれら連結部の連結強度の相乗効果により高強度、高剛性を有する車両前部構造と成すことができ、車両前部が歩行者等に衝突した際に、補強部材20が屈曲あるいは後方に後退して歩行者等が車体下部に巻き込まれるのを回避することができる。また本構造は、補強部材20とバンパーロアフェース2bとアンダーカバー50の3部材を一箇所で連結する場合に比べて2部材ずつを連結すれば良いので連結のための締結力も比較的小さくて済み、しかも位置合せが容易であるため組付け性が良いという利点も有している。
【0045】
次に、本発明に関わる第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態は、補強部材が開口部4に設けられるグリルと一体成形された構造(以下、グリル一体型補強部材と呼ぶ)を有しており、図9はその後方からの斜視図を示している。
【0046】
図9において、グリル一体型補強部材60はその上部が格子状に成形された格子部62と格子部62の周囲を取り巻く縁部64が形成され、格子部62における下方の縁部64は垂下面64aを介して第一の実施の形態における補強部材20に相当する補強部70と一体的に繋がっている。垂下面64aには複数の係合孔68が形成され、係合孔68は、後述するバンパーロアフェースの上端部に形成された爪と係合される。
【0047】
グリル一体型補強部材60の下方に成形された補強部70は、第一の実施の形態で説明した補強部材20における複数の延長部14aと延長部14aの挿通孔18が形成されていない点を除いてほぼ同じ構造を有している。
以下、図9、図9の断面E−Eを示す図10(A)、及び図9の断面F−Fを示す図10(B)を用いて補強部70の構造を説明する。
【0048】
図9に示しているように、補強部70はその車幅方向における左右端部から後方に延びる側面部72を有し、これら左右の側面部72と前面部76(図10(A)参照)とに渡って横リブ80が形成されている。また、横リブ80に略直交する縦リブ82が上面部74(図10(A)参照)、前面部76、下面部78とに渡って形成されている。
【0049】
このように補強部70は側面部72、上面部74、前面部76、及び下面部78で外枠が形成され、これらの面部を繋ぐ横リブ80と縦リブ82が一体的に形成されているため、強度、剛性の高い構造となっており、車両が歩行者等と衝突した際、補強部70が屈曲して歩行者等を車体下部に巻き込まれるのを防止することができる。
【0050】
次に、図9と図10を用いて、補強部70とバンパーフェースの連結の構造について説明する。なお、図10においてバンパーフェースの符号は第一の実施の形態と同じにしている。図10(A)は図9のE−E断面を示している。図10(A)に示しているように、補強部70の下面部78は後方に複数の肉厚部84が形成され(図9参照)、バンパーロアフェース後端部2dと連結部材36で締結されている。また、下面部78の車幅方向中央付近には所定幅に渡って後方に延びる延設部79が一体的に設けられている。なお、バンパーロアフェース後端部2dにおいて下方へ延びる垂下部2fは、第一の実施の形態で説明したのと同じ効果を有している。
【0051】
この肉厚部84に至る補強部70の下面部78は、図10(A)のG−G断面を示す図10(C)から分かるように、上部方向に向かって窪んだ補強凹部78aを有している。つまり下面部78は、バンパーロアフェース後端部2dとの締結部である肉厚部の前方部で三方に壁を有する立体的構造を有しているため、衝突時において締結部付近が容易に破壊しない高強度構造とされている。
【0052】
以上、バンパーロアフェース2bの下方部と補強部70との締結構造について説明したが、次にバンパーロアフェース2bの上方部と補強部70との締結構造について、図9における係合孔68を含むF−F断面部のグリル一体型補強部材60にバンパーフェース2を連結した状態を示す図である図10(B)に基づいて説明する。
【0053】
断面F−Fにおいては、断面E−Eと異なり、補強部70における下面部78の後方に肉厚部84が形成されておらず、従ってバンパーロアフェース後端部2dと締結されていない。しかし、補強部70の上方に形成された垂下面64aに係合孔68が設けられ、係合孔68にはバンパーロアフェース2bの上面部2eから後方に延びる爪部2cが挿通されるとともに、爪部2cは補強部70の上面部74の後端に形成され、且つ係合孔68の下面である爪係合部24aと係合している。なお、別の実施の形態においては、爪部2cの形状は上下逆にされて、グリル側に係合される構造であっても良い。
【0054】
以上の説明から分かるように、グリル一体型補強部材60は、バンパーフェース2の開口部4に対して格子部62を、また爪部2cに対して係合孔68を位置合せしながら、バンパーフェース2の後方側から嵌め込まれ、補強部70の肉厚部84とバンパーロアフェース後端部2dとが締結されるものである。これにより組付け用の別部材の部品点数が少なくて済み、組付け性も向上し、コスト増を抑えることが可能であり、さらにはバンパーフェースに設けられた開口部に対するグリルの合沿いが向上できて見栄えが良くなる利点もある。
【0055】
なお、補強部70とバンパーロアフェース2bとの連結構造、及び連結板であるアンダーカバーとバンパーロアフェース2bとの連結構造は、図7または図8を用いて説明したものと同じであり省略する。よって、第二の実施の形態における補強部70と、バンパーロアフェース2b、連結板であるアンダーカバー、及び車両構造体であるクロスメンバの連結構造は、図7または図8における符号について、補強部材20を補強部70に、下面部28を78に、肉厚部34を84に置き換えれば良く、その効果も図7または図8を用いて説明したものと同じである。なお、別の実施の形態としては、クロスメンバ以外の車両構造体も適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる自動車の前部構造体の正面図
【図2】第一の実施形態における補強部材の後方斜視図
【図3】図2のA−A断面、及び補強凹部を示す図
【図4】連結板の形状を示す斜視図
【図5】図4のC1−C1断面、及びC2−C2断面形状を示す図
【図6】連結板と補強部材の連結構造を示す図
【図7】図6のD1−D2断面を示す図
【図8】図6のD1−D3断面を示す図
【図9】第二の実施形態におけるグリル一体型補強部材の後方斜視図
【図10】図8におけるE−E断面、及びF−F断面を示す図
【図11】従来技術を示す図
【符号の説明】
1・・・バンパー構造体 2・・・バンパーフェース
2a・・・バンパーアッパフェース 2b・・・バンパーロアフェース
4・・・開口部 10・・・グリル
20・・・補強部材 22、72・・・側面部
24、74・・・上面部 26、76・・・前面部
28、78・・・下面部 28a、78a・・・補強凹部
29、79・・・延設部 30、80・・・横リブ
32、82・・・縦リブ 34、84・・・厚肉部
36・・・締結部材 50・・・アンダーカバー(連結板)
52・・・クロスメンバ(車両構造体) 55,56・・・補強構造部
60・・・グリル一体型補強部材 70・・・補強部
Claims (6)
- バンパーフェースに外気導入用の開口部を有し、該開口部より下方にあって上記バンパーフェースの一部を構成するバンパーロアフェース後内方に補強部材を備える自動車の前部構造であって、
上記補強部材が上記バンパーロアフェースの下端に取付けられるとともに、該取付け部の車幅方向近傍には、上記バンパーフェース後方に配設されている車両構造体とを連結する連結板が連結され、該連結板の両連結部間に補強構造部が設けられていて、
上記バンパーロアフェースは、上記開口部より一旦車両前方に突出し、下方に向かうに従って後方に後退する形状に形成され、
上記補強部材は、上記バンパーロアフェースの後内方において該バンパーロアフェース形状に略沿って収まるよう車両前方に向かって延びる上面部と、該上面部から下方に向かって延びる前面部及び該前面部から後方に向かって延びる下面部とを有すると共に、上記上面部、前面部、及び下面部に渡って縦リブが備えられており、
上記上面部は上記バンパーフェースに取付けられる車両部品若しくは上記バンパーロアフェース自身に締結され、上記下面部は上記バンパーロアフェースの下面部に締結されていることを特徴とする、自動車の前部構造。 - 上記連結板が車両前方下部を覆うアンダーカバーであることを特徴とする、請求項1に記載の自動車の前部構造。
- 上記補強部材から後方に延びる延出部が形成され、該延出部は上記補強構造部に締結されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車の前部構造。
- 上記補強部材の下面部後端に厚肉部が形成され、該厚肉部は上記バンパーロアフェースの下面部後端に締結されているとともに、上記厚肉部の前方に位置する上記補強部材の下面部には上方に向かって窪んだ補強凹部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動車の前部構造。
- 上記補強部材には、上記縦リブと略直交する横リブが備えられていることを特徴とする、請求項4に記載の自動車の前部構造。
- 上記補強部材は上記開口部に取付けられるグリルと一体成形されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の自動車の前部構造。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002373407A JP3956846B2 (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 自動車の前部構造 |
US10/737,912 US6886872B2 (en) | 2002-12-25 | 2003-12-18 | Automobile bumper structure |
EP03029604A EP1433664B1 (en) | 2002-12-25 | 2003-12-22 | Automobile bumper structure |
DE60307584T DE60307584T2 (de) | 2002-12-25 | 2003-12-22 | Struktur eines Kraftfahrzeugstossfängers |
CNB2003101102964A CN100337857C (zh) | 2002-12-25 | 2003-12-24 | 汽车保险杠结构 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002373407A JP3956846B2 (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 自動車の前部構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004203158A JP2004203158A (ja) | 2004-07-22 |
JP3956846B2 true JP3956846B2 (ja) | 2007-08-08 |
Family
ID=32811693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002373407A Expired - Fee Related JP3956846B2 (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 自動車の前部構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3956846B2 (ja) |
Families Citing this family (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4171739B2 (ja) * | 2005-10-19 | 2008-10-29 | 小島プレス工業株式会社 | 車両用歩行者保護装置並びにかかる装置における荷重特性のチューニング方法 |
JP4802736B2 (ja) * | 2006-01-31 | 2011-10-26 | マツダ株式会社 | 自動車の前部構造 |
US7517006B2 (en) | 2006-01-31 | 2009-04-14 | Mazda Motor Corporation | Front structure of automotive vehicle |
JP4972942B2 (ja) * | 2006-01-31 | 2012-07-11 | マツダ株式会社 | 自動車の前部構造 |
JP4908239B2 (ja) | 2007-01-12 | 2012-04-04 | 小島プレス工業株式会社 | 車両用歩行者保護装置 |
JP5004124B2 (ja) * | 2007-07-09 | 2012-08-22 | 小島プレス工業株式会社 | 車両用歩行者保護装置 |
JP4909207B2 (ja) * | 2007-08-08 | 2012-04-04 | 日本プラスト株式会社 | 車体用アンダーカバー並びに車体用アンダーカバーの製造方法 |
JP5067139B2 (ja) * | 2007-11-22 | 2012-11-07 | マツダ株式会社 | 自動車の前部構造 |
JP5702706B2 (ja) * | 2011-11-25 | 2015-04-15 | 本田技研工業株式会社 | 車体前部構造 |
FR2989663B1 (fr) * | 2012-04-23 | 2014-04-25 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Vehicule avec deflecteur modulaire d'accostage de pare-choc. |
JP5981805B2 (ja) * | 2012-08-10 | 2016-08-31 | 富士重工業株式会社 | 車両用歩行者保護装置 |
JP6162586B2 (ja) * | 2013-11-26 | 2017-07-12 | 株式会社Subaru | 車体の前部構造 |
KR101755503B1 (ko) | 2015-12-09 | 2017-07-07 | 현대자동차 주식회사 | 차량용 언더 커버 유닛 |
JP6460085B2 (ja) * | 2016-11-29 | 2019-01-30 | トヨタ自動車株式会社 | 車両下部構造 |
DE102018118622B3 (de) * | 2018-08-01 | 2020-01-09 | Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft | Frontstruktur eines Kraftfahrzeugs |
EP4242070A4 (en) * | 2020-11-05 | 2024-10-16 | Resonac Corp | BUMPER REINFORCEMENT, METHOD FOR PRODUCING THE SAME AND RESIN REINFORCEMENT ELEMENT FOR BUMPER REINFORCEMENT |
JP7431191B2 (ja) | 2021-04-05 | 2024-02-14 | トヨタ自動車株式会社 | フロントバンパ |
JP7453177B2 (ja) | 2021-04-05 | 2024-03-19 | トヨタ自動車株式会社 | フロントバンパ |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002373407A patent/JP3956846B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004203158A (ja) | 2004-07-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3956846B2 (ja) | 自動車の前部構造 | |
JP6443469B2 (ja) | 車両の前部構造 | |
KR101448747B1 (ko) | 전방 차체 구조 | |
JP4470607B2 (ja) | 車両用フード構造 | |
EP1433664B1 (en) | Automobile bumper structure | |
JP4192452B2 (ja) | 車両のフェンダ構造 | |
EP1749710B1 (en) | Fender panel mounting structure of automobile | |
US9849917B2 (en) | Cowl top cover | |
JP4479550B2 (ja) | エンジンアンダカバー取付構造 | |
JP4123073B2 (ja) | フェンダパネル取付構造 | |
JP3956845B2 (ja) | 自動車のバンパー構造 | |
JP4054944B2 (ja) | 自動車の前部車体構造 | |
JP5801122B2 (ja) | 車両用歩行者保護装置 | |
JP6105430B2 (ja) | 車両の前部構造 | |
JP4457909B2 (ja) | カウルルーバ | |
JP6308149B2 (ja) | バンパアブソーバ構造 | |
JP6558384B2 (ja) | 車両の前部構造 | |
JP4393838B2 (ja) | 衝撃吸収体 | |
JP5966895B2 (ja) | 自動車の脚払い構造 | |
JP2001138840A (ja) | バンパ配設部構造 | |
JP4036219B2 (ja) | 自動車のエンジンフード構造 | |
CN213565774U (zh) | 保险杠固定结构 | |
JP3385946B2 (ja) | バンパーの取付構造 | |
JP5520081B2 (ja) | 自動車のカウル構造 | |
JP2009045996A (ja) | 四輪車両のカウル構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040927 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20040927 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070213 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070329 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070417 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070430 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3956846 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110518 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110518 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120518 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130518 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140518 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |