JP5067139B2 - 自動車の前部構造 - Google Patents

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この発明は、所定以上の大きさのグリル開口部が形成されるグリルを有するバンパフェースを備えるとともに、該バンパフェースのロアが車両部品に固定される自動車の前部構造に関する。
近年、廃車扱いとなった自動車の自動車部品をリサイクルすることが盛んに行われている。実際には、廃車扱いとなった自動車は、解体業者等によって解体され、その時に取出されたバンパフェース等の自動車部品が再利用されている。
また、近年では、このような背景から、リサイクルのし易さ、即ち車両の解体のし易さを車両の設計段階で評価することが行われており、車両の構造において、解体のし易さまでもが考慮される傾向にある(特許文献1参照)。
特開2006−46999号公報
ところで、車両の解体作業のうち、バンパフェースの解体作業においては、一般的にエンジンルーム冷却用に形成されたフェース本体の開口部にクレーンフックを引掛け、そして引張り上げることで、バンパフェースを車体から引き剥がすことが行われている。これは、フェース本体がアンダーカバー等の車両部品に締結されることによってバンパフェースのロアが車体に固定されているからであり、フェース本体が上述のようにクレーンフックで引張り上げられた時、上記締結が強制的に外されることによりバンパフェースは車体から引き剥がされる。
しかしながら、このようにバンパフェースのフェース本体のみを引張り上げようとすると、フェース本体の開口部が車幅方向及び上下に大きく形成されているために、引張力の伝達が開口部によって阻害されてしまい、上記車両部品との締結部位まで十分に伝達できないという問題があった。
ここで、フェース本体等バンパフェースを構成する部品は、一般的にポリプロピレン(略してPPとも呼ばれる)等の軟質な樹脂成形品で構成されている。従って、上述のように引張力が下方へ十分に伝達されない場合には、上記引張力の作用によってフェース本体の開口部の縁部が変形、破断するだけで、結局はバンパフェースを車体から引き剥がすことができない。
そこで、バンパフェースの底部にクレーンフックを引掛けて引張り上げることも考えられるが、この場合、作業性が悪く、さらには、車両の側部等他の締結部位において締結が外れないという事態が発生していた。
この発明は、クレーンフックの引張力を車両部品に効率的に伝達させることができ、これによってバンパの引き剥がし性能を向上させることができる自動車の前部構造を提供することを目的とする。
この発明の自動車の前部構造は、開口部が形成されるフェース本体と、該フェース本体の開口部に取付けられるとともに、所定以上の大きさのグリル開口部が形成されるグリルとを有するバンパフェースを備え、該バンパフェースのロアが車両部品に固定される自動車の前部構造であって、上記グリルには、上記グリル開口部より下方に延びる延出部を備え、上記グリルの延出部を車幅方向の全幅に渡って車両部品に固定させるとともに、上記グリルの延出部と車幅方向において重なる位置で、上記フェース本体の下部が上記グリルの延出部にのみ固定されることで上記車両部品に固定されたものである。
この構成によれば、グリルを車両部品に直接固定したことで、グリル開口部に引掛けられたクレーンフックを上方に引張った時、クレーンフックの引張力をグリルを通じて下方の車両部品に対して効率的に伝達させることができ、これによってバンパフェースの引き剥がし性能を向上させることができる。
この発明の一実施態様においては、上記グリル開口部が、クレーンフックが入る程度の大きさを有しているものである。
この構成によれば、クレーンフックの引掛け作業が容易となり、バンパフェースの解体作業時における作業性を向上させることができる。
この発明の一実施態様においては、上記グリル開口部が、車幅方向に延びる大開口部からなり、該大開口部間に上下を連結する支柱部を備えたものである。
この構成によれば、クレーンフックでバンパフェースを引張り上げた時に、グリル開口部より上方の部位のみが引き千切られることを防止できる。
この発明の一実施態様においては、上記車両部品が、アンダーカバーとされ、上記グリルには、下部に小孔が形成される水平面部が備えられ、締結具を介して上記アンダーカバーに固定される構造であって、上記水平面部に、上記小孔から上記水平面部後端まで延びる脆弱部を備えたものである。
この構成によれば、通常時には、バンパフェースの固定状態を維持しつつ、バンパフェースの解体時には、クレーンフックの引張力によって脆弱部で延出部を容易に破断させるができ、この破断部分を通じてバンパフェースを車体から引き剥がすことができる。
この発明の一実施態様においては、上記グリル開口部が、上記グリルの上部に形成されるものである。
この構成によれば、クレーンフックをフェース本体の開口部にも引掛けることができる。このため、クレーンフックの引張力を、同時にフェース本体を通じて伝達させることもでき、これによってバンパフェースを車体から効率的に引き剥がすことができる。
この発明の一実施態様においては、上記グリル開口部上方のフェース本体裏面に、該フェース本体を補強する補強部材を備え、該補強部材が上記グリルに取付けられるものである。
この構成によれば、クレーンフックを上方に引張った時、グリルの上部に加わる引張力を補強部材で受け止めることができ、グリルの上部のみが引き千切られることを防止できる。
この発明の一実施態様においては、上記車両部品が、アンダーカバーとされ、上記グリルには、下部に小孔が形成される水平面部が備えられ、締結具を介して上記アンダーカバーに固定される構造であって、上記フェース本体の下部は、上記グリルが上記締結具を介して上記アンダーカバーに固定される位置と車幅方向において重なる位置で上記グリルに固定されるものである。
この構成によれば、クレーンフックを上方へ引張った時、フェース本体に加えられた引張力をアンダーカバーに効率よく伝達させることができる。
この発明の一実施態様においては、エンジンルーム内側と上記アンダーカバー下方側とへ走行風を案内する第1及び第2の案内壁を有するエアダムスカートを上記フェース本体の下端に有し、上記エアダムスカートは、上記第1の案内壁及び第2の案内壁前部を形成する本体部と、上記グリルの延出部に一体成形される第2の案内壁後部とから構成されるものである。
この構成によれば、グリルの延出部の一部を利用して、エアダムスカートを2分割で構成したため、成形加工の困難さを考慮することなく、かつ部品点数増加を抑制しながら、エアダムスカートを形成することができ、走行風の案内性能の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記グリルの延出部に、上記エアダムスカートによりエンジンルーム内側へ案内された走行風を通過させる開口部を形成するとともに、該開口部の上下を連結する脚部を、上記グリルが上記締結具を介して上記アンダーカバーに固定される位置と車幅方向において重なる位置に形成したものである。
この構成によれば、走行風の案内性能向上を図りつつ、クレーンフックによってグリルが引張り上げられた時には、脚部が引張力の伝達経路として機能するため、バンパフェースの引き剥がし性能を確保することもできる。
この発明の一実施態様においては、上記グリル開口部が、上記グリルの上部に形成されるとともに、上記フェース本体の下部は、上記グリルの脚部に固定されるものである。
この構成によれば、走行風の案内性能向上を図りつつ、クレーンフックを上方へ引張った時には、フェース本体に加えられた引張力をアンダーカバーに効率よく伝達させることもできる。
この発明によれば、グリルを車両部品に直接固定したことで、グリル開口部に引掛けられたクレーンフックを上方に引張った時、クレーンフックの引張力をグリルを通じて下方の車両部品に対して効率的に伝達させることができ、これによってバンパフェースの引き剥がし性能を向上させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車の前部構造を備えた車両の前部を示す正面図である。バンパフェース1は、フェース本体2、及びグリル3等を有しており、車体前部に組付けられている。なお、図中において矢印(F)は車両前方、矢印(R)は車両後方を示す。
フェース本体2では、バンパフェースレインフォースメント4がその後面側に配置されるバンパフェースアッパ部21aとバンパフェースロア部21bとがともに射出成形により一体的に成形されている。
バンパフェースアッパ部21aとバンパフェースロア部21bとの間には、車幅方向及び上下に長い開口部22が形成されており、この開口部22には、車幅方向に延びて、途中複数の支柱部31により上下の縁部が連結された第1開口部32や、格子状に成形された第2開口部33を有するグリル3が固定されている。
また、バンパフェースロア部21bの車幅方向中央部下端には、正面視で上方に凹む凹部21cが形成されており、後述のエアダムスカート部5とにより開口部6を形成している。
図2は、バンパフェース1を後方から見た背面図であり、グリル3の第1開口部32より上方には、フェース本体2の裏面(後面)にてフェース本体2を補強する補強パネル部材7が締結されるとともに、グリル3の下部においては、車体下部に配設される車両部品としてのアンダーカバー8が締結されている。バンパフェース1は、このように、グリル3の下部がアンダーカバー8に締結されることで、ロア部がアンダーカバー8に固定されている。
図3、図4、図5は、それぞれ図2のA−A線矢視に相当する断面図、B−B線矢視に相当する断面図、C−C線矢視に相当する断面図であり、補強パネル部材7は、図2〜図5に示すように、複数のボルト9、10によってバンパフェース1のフェース本体2及びグリル3に締結されている。
例えば、車幅方向の略中央部では、補強パネル部材7が、図3に示すように、フェース本体2の裏面に形成されたボス部21dにおいて複数のボルト9、9、…により締結され、車幅方向の両端側では、図4、図5に示すように、グリル3の裏面に形成されたボス部34、35等において複数のボルト10、10、…により締結されている。
ところで、グリル3に形成された第1開口部32は、図1〜図4にて二点鎖線で示すような略J型をなすクレーンフックX(以下単にフックXと略記する)が入る程度の所定の大きさを有している。また、本実施形態では、第1開口部32がグリル3の上部に形成されており、バンパの解体作業時にフックXを第1開口部32に引掛け、不図示のクレーン装置によってフックXを上方に引張ると、フェース本体2の開口部22の上側縁部、及びグリル3の第1開口部32の上側縁部に引張力が作用するようになっている。
図6は、グリル3とアンダーカバー8との締結状態を示す後方斜視図であり、図7は、グリル3の延出部36に形成された突出部36cを拡大して示す斜視図、図8、図9は、図6のD−D線矢視に相当する断面図、E−E線矢視に相当する断面図、図10は、グリル3とアンダーカバー8との締結状態を拡大して示す側断面図である。グリル3には、図6に示すように、第1、及び第2開口部32、33より下方に延びる延出部36が形成されており、本実施形態では、この延出部36が複数箇所でアンダーカバー8の前端部に締結されることにより、グリル3の下部が車幅方向の全幅に渡ってアンダーカバー8に固定されている。
延出部36には、車幅方向に延びる第3開口部37が形成され、その途中には、第3開口部37の上下を連結する脚部36bが、車幅方向に所定の間隔を隔てて形成されている。そして、この複数の脚部36bと車幅方向において重なるようにして、延出部36の水平面部36aには、図7に示すように後方へ突出する突出部36cが形成されている。図7においては、脚部36bに後述する係合孔38が形成されており、突出部36cには、小孔36d、及び小孔36dから突出部36c(水平面部36a)の後端まで延びる切欠部36eが形成されている。
そして、各突出部36cには、それぞれ図6、図7に示すように側面視でU字状をなすクリップナット11が嵌め込まれるようになっており、その下方には、図8〜図10に示すようにアンダーカバー8の前端部が配設されている。
グリル3とアンダーカバー8との締結時には、アンダーカバー8の前端部に形成された小孔8a(図10参照)と延出部36(グリル3)側の小孔36dとの位置合わせがなされ、ボルト12が小孔8a、36d及びクリップナット11に挿通される。そして、クリップナット11とボルト12とが螺合することによって、グリル3がクリップナット11、ボルト12を介してアンダーカバー8に締結される。
ところで、グリル3に形成された第1、第2開口部32、33は、図8、図9に示すように、後方のエンジンルームENに連通しており、走行風をこれら第1、第2開口部32、33からエンジンルームEN側に導入することを可能にしている。そして、第1開口部32については、上述したように、フックXを引掛けることを可能にすることで、バンパフェース1の解体作業を行う際のフックXの引掛部として兼用される。
ここで、第1開口部32に引掛けられた状態でフックXが上方に引張られた時、本実施形態では、グリル3に形成した延出部36を車両部品としてのアンダーカバー8に直接締結して固定しているため、フックXの引張力をグリル3を通じて下方のアンダーカバー8へ効率的に伝達させることができ、これによってバンパフェース1の引き剥がし性能を向上させることができる。
また、第1開口部32の開口の大きさが、フックXが入る程度の所定以上のものとされ、走行風を導入することのみを目的とする第2開口部33に比べて開口が大きく設定された大開口部となっているため、フックXの引掛け作業が容易となり、バンパフェース1の解体作業時における作業性を向上させることができる。
また、上述のように大開口部とされた第1開口部32の上下を連結する支柱部31を備えていることにより、フックXを用いてバンパフェース1を引張り上げた時に、第1開口部32より上方の部位のみが引き千切られることを防止できる。
また、図7に示すように、グリル3の延出部36に形成された突出部36cの小孔36dに対応して切欠部36eを形成したことにより、この部位を他よりも薄肉な脆弱部とすることができる。このため、通常時には、バンパフェース1の固定状態を維持しつつ、バンパフェース1の解体時には、フックXの引張力によって上記脆弱部で延出部36を容易に破断させるができ、この破断部分を通じてバンパフェース1を車体から引き剥がすことができる。
また、第1開口部32がグリル3の上部に形成されることで、図8に示すように、フックXをフェース本体2の開口部22の上縁部にも引掛けることができる。このため、フックXの引張力を、フェース本体2を通じて伝達させることもでき、これによってバンパフェース1を車体から効率的に引き剥がすことができる。
また、第1開口部32より上方において、フェース本体2を補強する補強パネル部材7(図2〜図5参照)を備え、これをグリル3に締結して固定することにより、フックXを上方に引張った時、グリル3の上部に加わる引張力を補強パネル部材7で受け止めることができ、グリル3の上部のみが引き千切られることを防止できる。
また、本実施形態では、フェース本体2の下部、即ちバンパフェースロア部21bが、図8に示すように、グリル3の延出部36がアンダーカバー8に締結される位置と車幅方向において重なる位置でグリル3に固定されている。
図8においては、グリル3の延出部36とアンダーカバー8とが締結される位置に対応して、バンパフェースロア部21bの上端部に係合爪21eが形成される一方、グリル3の第2開口部33の下縁部には係合孔39が穿設され、両者が係合している。さらに、その下方では、バンパフェースロア部21bの下端部が、ボルト13によってグリル3の延出部36の脚部36bに締結されている。
このような構成において、フックXを上方へ引張った時には、フェース本体2に加えられた引張力をアンダーカバー8に効率よく伝達させることができる。
ところで、エンジンルームEN内には、図8、図9に示すように、後方が開放する断面コ字状のバンパビーム4aと、このバンパビーム4aの後方開放部を閉塞するクロージングプレート4bとからなるバンパフェースレインフォースメント4が配設されるとともに、その背面には、左右一対の不図示のブラケットを介して、合成樹脂製のシュラウド14(詳しくはラジエータシュラウド)が取付けられている。
上述のシュラウド14はラジエータ(図示せず)を保持するもので、シュラウド14のロア14Lの後端部14aには、図8に示すように、ボルト15、ナット16によりアンダーカバー8の後端が締結されている。
また、シュラウド14のロア14Lの前面部14bには、樹脂製のプレート部材17の後端を取付けている。このプレート部材17はその前端がフェース本体2の裏面(詳しくは、バンパフェースロア部21bの裏面)に隣接する位置まで延びる部材であり、このプレート部材17は車両が歩行者と接触(衝突)した時、歩行者の足を払う所謂足払い部材である。なお、バンパビーム4aの前面とこれに対応するフェース本体2との間にはエネルギ吸収部材(いわゆるEA部材)が設けられるが、図示の便宜上、EA部材の図示を省略している。
上述のプレート部材17の後端には、取付け片17aを一体形成しており、取付け片17aは、ボルト18、ナット19等の取付け部材を用いてシュラウド14の下部に締結されている。
図11は、図6のF−F線矢視に相当する断面図であり、バンパフェース1の下部において形成された開口部6は、図11に示すように、フェース本体2とエアダムスカート部5とにより形成されている。
エアダムスカート部5は、第1案内壁50a及び第2案内壁前部50bを形成する本体部50と、グリル3の延出部36に一体成形された第2案内壁後部36fとから構成されている。
本体部50は、図8、図9に示すように、グリル3の延出部36とアンダーカバー8との締結部位と車幅方向において重なる位置に、ボス部50c及び係合爪50dを有している。そして、ボス部50cにボルト13が螺合し、係合爪50dがグリル3の脚部36bに穿設された係合孔38に係合されることによって、本体部50が脚部36bに固定されている。
エアダムスカート部5は、これら本体部50とグリル3の第2案内壁後部36fとにより略断面U字状に成形されており、走行風は、その一部が図11中矢印αで示すように、開口部6から第1案内壁50aに沿ってエンジンルームEN内に導入されるようになっている。
また、走行風は、その一部が図中矢印βで示すように、第2案内壁前部50b及び第2案内壁後部36fに沿ってアンダーカバー8の下方に案内されるようになっており、アンダーカバー8の整流作用によって車体下方における空力性能向上が図られている。
ここで、エアダムスカート部5を断面U字状に一体成形することも考えられるが、実際には、図12において定義した2つの幅、即ち断面U字状をなす樹脂成形品Yの開放端の幅L1と、開放端から折返し部までの幅L2との比(L2/L1)が所定値(約2程度)を超えると成形加工が困難になるという事情がある。
本実施形態では、グリル3の延出部36の一部を利用して、エアダムスカート部5を2分割で構成したため、上述したような成形加工の困難さを考慮することなく、かつ部品点数増加を抑制しながら、エアダムスカート部5を形成することができ、走行風の案内性能の向上を図ることができる。
また、図11中矢印αで示した走行風は、グリル3に形成された第3開口部37を通過することになるが、このように走行風をバンパフェース1の下部から導入すべく、グリル3に開口部37を形成した場合には、本実施形態のように、アンダーカバー8と延出部36との締結部位と車幅方向において重なる位置に脚部36bを形成することで、走行風の案内性能向上を図りつつ、フックX(図8等参照)によってグリル3が引張り上げられた時には、脚部36bが引張力の伝達経路として機能するため、バンパフェース1の引き剥がし性能を確保することもできる。
また、図8において、ボルト13によりバンパフェースロア部21bの下端部をグリル3の延出部36の脚部36bに締結することで、グリル3の第3開口部37により走行風の案内性能向上を図りつつ、フックXを上方へ引張った時には、フェース本体2に加えられた引張力をアンダーカバー8に効率よく伝達させることもできる。
ところで、上述のプレート部材17は、図8、図9、図11、及び図13に示すように、平板部17bと、この平板部17bの左右両側端から下方に延びる左右の側片17c、17cと、平板部17bの前端から下方に延びる前片17dと、平板部17bの後端から下方に向けて延びる縦壁部17e(いわゆる後片)と、平板部17bの下面を前後方向に延びて車幅方向で間隔を隔てて複数設けられた縦リブ17f、17f…と、平板部17bの下面を車幅方向に延びて前後方向で間隔を隔てて複数設けられた補強用の横リブ17g、17g…と、を備えたリブ構造体により構成されている。
図13に示すように、上述のプレート部材17における平板部17bの車幅方向の長さは、シュラウドロア14Lの車幅方向の長さと同等に設定されており、この平板部17bの前後方向の長さは、図8に示すように、シュラウドロア14Lの前面部14bから略水平方向前方に延びてフェース本体2裏面に隣接する位置に相当する前後長に設定されている。
しかも、プレート部材17の前後方向の中間部分に対応して、上述の各縦リブ17f、17f…には、前後方向の荷重に対する脆弱部として複数のノッチ17h…を形成している。
また、上述の複数のノッチ17hが形成された部分の上方に対応して、上述の平板部17bには、図11、図13に示すような開口孔17i…が複数形成されている。この開口孔17i…は脆弱部としての作用と、走行風をラジエータ側へ案内する作用とを兼ねるものであって、図13に示すように複数の開口孔17iは車幅方向に略直線上に配列されている。
さらに、図11、図13に示すように、上述の各開口孔17i…の後側周囲部分から前方かつ下方に向けて傾斜状に延びる走行風導入用の横リブ17j…を一体形成しており、同図に示すように、上述のノッチ17hは該横リブ17jよりも前方に形成している。
このように構成した自動車の前部構造において、通常の車両走行時には、バンパフェースロア部21bの開口部6から図11中矢印αで示すように走行風が導入され、グリル3の第3開口部37を経て、プレート部材17の下方を流れる。そして、この走行風は、図示のように、横リブ17jで案内された後に、開口孔17iからラジエータ(図示せず)側に向けて流出される。
一方、車両が歩行者と衝突した場合には、プレート部材17で当該歩行者の足を払って、その上体をボンネット(不図示)上に傾倒させ、歩行者に対する二次障害を防止する。この場合には、ノッチ17hおよび開口孔17iが存在していても、プレート部材17は座屈および折れ曲がることはない。
また、歩行者に対する衝突荷重よりも大きい荷重が作用する車両の軽衝突時には、脆弱部としてのノッチ17hおよび開口孔17iの存在により、プレート部材17が図8に仮想線17b’で示すように折れ曲がって、軽突エネルギを吸収するので、その後方のシュラウドロア14Lに対する荷重伝達が大幅に低減され、このシュラウドロア14L乃至シュラウド14の破損を防止することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の所定以上の大きさのグリル開口部は、第1開口部32に対応し、
以下同様に、
締結具は、クルップナット11及びボルト12に対応し、
脆弱部は、切欠部36eに対応し、
補強部材は、補強パネル部材7に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
この発明の実施形態に係る自動車の前部構造を備えた車両の前部を示す正面図。 バンパフェースを後方から見た背面図。 図2のA−A線矢視に相当する断面図。 図2のB−B線矢視に相当する断面図。 図2のC−C線矢視に相当する断面図。 グリルとアンダーカバーとの締結状態を示す後方斜視図。 グリルの延出部に形成された突出部を拡大して示す斜視図。 図6のD−D線矢視に相当する断面図。 図6のE−E線矢視に相当する断面図。 グリルとアンダーカバーとの締結状態を拡大して示す側断面図。 図6のF−F線矢視に相当する断面図。 断面U字状の樹脂成形品を示す側断面図。 自動車の前部構造を前部下方から見上げた状態で示す斜視図。
1…バンパフェース
2…フェース本体
3…グリル
5…エアダムスカート部
7…補強パネル部材
8…アンダーカバー
11…クリップナット
12…ボルト
22…開口部
31…支柱部
32…第1開口部
36a…水平面部
36b…脚部
36d…小孔
36e…切欠部
36f…第2案内壁後部
37…第3開口部
50…本体部
50a…第1案内壁
50b…第2案内壁前部
EN…エンジンルーム
X…クレーンフック

Claims (10)

  1. 開口部が形成されるフェース本体と、
    該フェース本体の開口部に取付けられるとともに、所定以上の大きさのグリル開口部が形成されるグリルとを有するバンパフェースを備え、
    該バンパフェースのロアが車両部品に固定される自動車の前部構造であって、
    上記グリルには、上記グリル開口部より下方に延びる延出部を備え、
    上記グリルの延出部を車幅方向の全幅に渡って車両部品に固定させるとともに、
    上記グリルの延出部と車幅方向において重なる位置で、上記フェース本体の下部が上記グリルの延出部にのみ固定されることで上記車両部品に固定され
    自動車の前部構造。
  2. 上記グリル開口部は、クレーンフックが入る程度の大きさを有している
    請求項1記載の自動車の前部構造。
  3. 上記グリル開口部は、車幅方向に延びる大開口部からなり、該大開口部間に上下を連結する支柱部を備えた
    請求項1または2記載の自動車の前部構造。
  4. 上記車両部品は、アンダーカバーであり、
    上記グリルには、下部に小孔が形成される水平面部が備えられ、締結具を介して上記アンダーカバーに固定される構造であって、
    上記水平面部に、上記小孔から上記水平面部後端まで延びる脆弱部を備えた
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車の前部構造。
  5. 上記グリル開口部は、上記グリルの上部に形成される
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車の前部構造。
  6. 上記グリル開口部上方のフェース本体裏面に、該フェース本体を補強する補強部材を備え、
    該補強部材が上記グリルに取付けられる
    請求項5記載の自動車の前部構造。
  7. 上記車両部品は、アンダーカバーであり、
    上記グリルには、下部に小孔が形成される水平面部が備えられ、締結具を介して上記アンダーカバーに固定される構造であって、
    上記フェース本体の下部は、上記グリルが上記締結具を介して上記アンダーカバーに固定される位置と車幅方向において重なる位置で上記グリルに固定される
    請求項5または6記載の自動車の前部構造。
  8. エンジンルーム内側と上記アンダーカバー下方側とへ走行風を案内する第1及び第2の案内壁を有するエアダムスカートを上記フェース本体の下端に有し、
    上記エアダムスカートは、上記第1の案内壁及び第2の案内壁前部を形成する本体部と、上記グリルの延出部に一体成形される第2の案内壁後部とから構成される
    請求項4または7記載の自動車の前部構造。
  9. 上記グリルの延出部には、上記エアダムスカートによりエンジンルーム内側へ案内された走行風を通過させる開口部を形成するとともに、
    該開口部の上下を連結する脚部を、上記グリルが上記締結具を介して上記アンダーカバーに固定される位置と車幅方向において重なる位置に形成した
    請求項8記載の自動車の前部構造。
  10. 上記グリル開口部が、上記グリルの上部に形成されるとともに、
    上記フェース本体の下部は、上記グリルの脚部に固定される
    請求項9記載の自動車の前部構造。
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