JP3942163B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機パワーをステアリング系に直接作用させてドライバの操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置に関し、特にラック軸の固有振動を調整して、車輪や電動機等により発生するラック軸の振動に共振しないようにすることで、ステアリングホイールの振動を軽減した電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置は、電動機の駆動力を直接利用してドライバの操舵力をアシストする。電動パワーステアリング装置を搭載した車両は一般に普及しており、この電動パワーステアリング装置により、ステアリングの動きが軽快になり、ドライバは強い力でステアリングを操作する必要がなくなる。
【0003】
このような電動パワーステアリング装置において、電動機の駆動力(補助トルク)を与える手段として、ウォームギヤが設けられたウォーム軸とウォームホイールを用いた、いわゆるピニオンアシスト式のものがある。
このピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置は、図5に示すように、いわゆるラック・アンド・ピニオン式の電動パワーステアリング装置のピニオン軸100に取り付けられたウォームホイール101と、電動機102に取り付けられ、ウォームギヤ104が設けられたウォーム軸103などを備える歯車式減速機構を備える。
ウォーム軸103は、電動機102の回転軸と同軸に接続され、ウォーム軸103と噛み合うウォームホイール101はピニオン軸100と同軸に配設される。ピニオン軸100はステアリング軸105に連結され、ステアリング軸105は、ドライバが操作するステアリングホイール106に取り付けられている。
このピニオン軸100に設けられたピニオン107は、車両の車輪(操舵輪108)を転舵させるためのラック軸109に設けられたラック歯110に噛み合っている。そして、電動機102が回転して付与する補助トルクが、歯車式減速機構を介し、ピニオン107とラック歯110の噛み合いによりラック軸109に伝達される。
このようにして電動機の補助トルクをステアリング系に付与するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような電動パワーステアリング装置では、走行中の路面反力が車輪(操舵輪108)を通じてラック軸109に伝わり、振動を引き起す。又、ステアリング系に補助トルクを付与する電動機102からトルク伝達手段111(電動機102に取り付けられウォーム軸103等を備える歯車式減速機構)にかけての部分もラック軸109に振動を引き起こす発生源となる。そして、これらの振動の周波数とラック軸109の固有振動の周波数とが一致すると、共振が起きラック軸109を大きく振動させる。このラック軸109の振動はステアリング軸105からステアリングホイール106に伝わり、車室内に騒音を引き起こす。
【0005】
このような電動パワーステアリング装置で発生する振動を調整する従来技術として、例えば、特開平11−20717号公報「電動パワーステアリング装置」に記載された技術がある。尚、説明に際し、公報中で使用されている符号を用いるが、この符号は本発明の実施の形態で使用した符号とは無関係である。
これは、ラック軸5の一端部にラック歯5a軸の一端部を支持し、ラック軸5の他端部にねじ部5bを形成し、このねじ部5bにボールねじ9のナットを取り付け、このナットを介して操舵トルクに応じた補助トルクをラック軸5に付与するとともに、ラック軸5の他端部を支持し、ラック軸5の中間部を平軸受75で支持するようにしたものである。
このように構成したことで、ラック軸5の両端には、路面反力、及びナットの作用に起因する外力、又はモーメントが作用して、ラック軸5がピニオン4から離れる方向に撓むと、ラック軸5はピニオン4と平軸受75とナットとで支持される。
又、ラック軸5がピニオン4から離れる方向に撓むと、ラック軸5はラックガイド50と平軸受75とナットとで支持される。このようにラック軸5を常に3点で支持するので、ラック軸5の支持スパンは短い。このため、ラック軸5の共振周波数が高周波域に推移するので、ラック軸5の共振周波数を通常発生する振動数から離すことができる。
この結果、車輪や、電動機〜トルク伝達手段が発生源となって起こるラック軸5の振動と、ラック軸5の固有振動数との共振を避けることができ、ラック軸5の振動を抑えることができるものである。
【0006】
しかしながら、ラック軸の支持位置を変えるのは設計上の制約が大きく、且つその調整範囲も狭いので、ラック軸の支持位置を変えるだけではラック軸の固有振動と、車輪や電動機によって引き起されるラック軸の振動との共振を充分に調整することができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、車輪や電動機によって引き起されるラック軸の振動とラック軸の固有振動との共振を充分に調整し、ラック軸の振動を抑制してステアリングホイールの振動や、車室内の騒音を軽減することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための手段として、本発明に係わる請求項1の電動パワーステアリング装置は、操舵トルクが与えられるピニオン軸と、前記操舵トルクを補助する補助トルクを前記ピニオン軸に与える電動機と、前記ピニオン軸に形成されたピニオンと噛み合うラック歯を有するラック軸と、このラック軸の両端に設けられた操舵輪とを有し、前記ピニオンと前記ラック歯が噛み合い、前記ピニオン軸の回転が前記ラック軸の軸方向の変位に変換されることによって前記操舵輪を転舵するようにしたピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置において、前記ラック軸の一端側を支持する第1支持手段と、前記ラック軸の他端側を摺動可能に支持する第2支持手段と、前記ラック軸の一端側と他端側の間を摺動可能に支持する第3支持手段とを有し、前記第1支持手段を、前記ラック軸の一端側に設けられた前記ラック歯と、前記ピニオン軸に設けられた前記ピニオンとの噛み合いによって形成し、前記ラック歯は、前記ラック軸の中実に形成された一端側の端部に形成され、前記第2支持手段が配置された前記ラック軸の他端側の端部には、中空部が形成され、前記ラック軸における前記ラック歯と前記中空部との間は、中実の中間部が形成され、前記第3支持手段は、前記中間部を支持し、前記ラック軸は、前記第3支持手段の位置と前記中空部の深さによって当該ラック軸の固有振動数を決定している、ことを特徴とする。
【0009】
このような構成としたことにより、請求項1に記載の発明に係る電動パワーステアリング装置では、第3支持手段によるラック軸の支持により、ラック軸の支持スパンが短くなり、ラック軸の固有振動数が通常発生する振動数から変化する。これにより、車輪や電動機によって引き起こされるラック軸の振動に、ラック軸の固有振動が共振して大きく振動するのを抑制することができるが、このラック軸の支持位置を変化させて、車輪や電動機で発生する振動との共振を調整する場合、設計上の制約のため狭い範囲での調整しかできないが、ラック軸に中空部を形成したことによって、ラック軸の重量が減るので、(K/M)1/2で表されるラック軸の固有振動数(但し、Kはラック軸の曲げに対するバネ定数、Mはラック軸の質量)が、ラック軸に中空部を形成しない場合の固有振動数よりも大きくなる。従って、中空部の深さや位置等を調整してラック軸の重量(重量バランス)を変えることによって、車輪や電動機等によって引き起こされるラック軸の振動にラック軸の固有振動が共振しないので、大きな振動を抑制することができる。つまり、中空部の深さや位置等を調整することで。ラック軸の固有振動数を変更することができ、これにより振動や騒音を抑制できる。
【0011】
さらに、請求項に記載の発明に係る電動パワーステアリング装置では、ラック歯が形成されているラック軸の端部は剛性を持たせる必要があるので中実とし、剛性の必要性が比較的低いラック軸の他端側を中空にすることによって、ラック軸全体の剛性を維持しながら重量を減らし、ラック軸の固有振動数を調整する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電動パワーステアリング装置について実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図、図2はその要部正断面図である。
【0013】
図1に示すように、本発明に係る電動パワーステアリング装置1は、ドライバが操作するステアリングホイール2を備えている。ステアリングホイール2は、ステアリング軸3を介してピニオン軸4に連結されている。ドライバがステアリングホイール2を操作して生じる操舵トルクは、ステアリング軸3を介してピニオン軸4に与えられる。
ピニオン軸4には、図2にも示すように、ステアリング系に作用する操舵トルクを検出する磁歪式のトルクセンサ5、及びトルク伝達手段6が取り付けられている。トルク伝達手段6は、いわゆる倍力装置であり、ステアリング系に補助トルクを加えるための電動機7に接続されている。本実施の形態では、電動機7は、例えば、ブラシレスモータから構成されている。
【0014】
電動パワーステアリング装置1は、いわゆるラック・アンド・ピニオン式のものであり、ピニオン軸4の下端に設けられたピニオン4Aは、ラック軸8に形成されたラック歯8Aと噛み合わされており、ピニオン軸4の回転がラック軸8の軸方向の変位に変換されて、操舵輪9,9を転舵する。
又、トルクセンサ5は制御装置10に接続されており、操舵トルク信号Tを出力している。制御装置10では、少なくともトルクセンサ5から出力された操舵トルク信号Tに基づいて、補助トルクを算出し、電動機電圧VOを電動機7に出力して電動機7を制御している。
【0015】
トルク伝達手段6は、図2に示すように、ピニオン軸4に対して同軸に固定されたウォームホイール11を備えている。電動機7にはウォーム軸12が連結されており、ウォーム軸12に設けられたウォームギヤ13がウォームホイール11に噛み合わされている。電動機7を駆動してウォーム軸12が回転すると、ウォームギヤ13に噛み合わされたウォームホイール11が回転し、ウォームホイール11とともにピニオン軸4が回転するようになっている。こうして、電動機7の補助トルクがピニオン軸4に伝達され、ピニオン軸4を介してステアリング系に伝達される。
【0016】
ラック軸8は、ラックハウジング14内に配設されており、ラックハウジング14の両端部は、ブーツ15,15に覆われて、ラックハウジング14内を保護すると共に、塵埃などの混入を防止している。ラック軸8の両端部には、それぞれタイロッド16,16が接続されており、図示しないナックルなどを介して操舵輪9,9(図1)が取り付けられる。
【0017】
又、ラックハウジング14の外側には、補強用のリブ17が形成されており、ラックハウジング14の曲げ方向の剛性を高めている。更に、ラックハウジング14の下部における中間部からやや一端側寄りの位置には、ラックハウジング14を図示しない車体に取り付けるための取付部18が形成されている。
【0018】
ラックハウジング14内には、ラック軸8を支持する第1〜第3支持手段21〜23が配設されている。第1支持手段21は、ラック軸8の一端側を支持するものであり、ピニオン軸4の下端に形成されたピニオン4Aと、ラック軸8に形成されたラック歯8Aの噛み合いによって構成されている。又、ラック歯8Aの背面側には、ラック軸8を背後からピニオン4Aに向けて押圧するラックガイド19が設けられている。
【0019】
第2支持手段22は、ラック軸8の他端側に設けられた支持軸受けによって構成されており、ラック軸8の他端側を摺動可能に支持している。第3支持手段23は、ラック軸8における一端側と他端側の間(中間部)に設けられた支持軸受けによって構成されており、ラック軸8における一端側と他端側の中間部を摺動可能に支持している。
【0020】
ラック軸8は、ラック歯8Aが形成された側の端部とは反対側の端部に、中空部25が形成されている。中空部25は、全体の内径が、例えば、略同径になるように形成する。また、内径は、ラック歯8Aが形成された側の端部とは反対側の端部側を大きく、奥に行くほど小さく形成してもよい。
ラック歯8Aが形成された側のラック軸8は、剛性が必要であるので中実にしておき、ラック軸8のラック歯8Aとは反対側の端部は、ラック歯8Aのある部分ほどの剛性がなくてもよい部分なので、中空部25を形成することで、ラック軸8全体としての剛性を確保しつつ、ラック軸8の重量を減らす。中空部25の深さを調整することで、ラック軸8の重量を調整する。
【0021】
以上の構成を有する第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の作用について説明する。
ドライバがステアリングホイール2を操作して、操舵輪9,9を転舵させようとすると、ドライバが与えた操舵力をトルクセンサ5が検出して、制御装置10に操舵トルク信号Tを出力する。制御装置10では、少なくともこの操舵トルク信号に基づいて、電動機7がステアリング系に与える補助トルクを算出し、その補助トルクに応じた電動機電圧VOを電動機7に出力する。
【0022】
電動機7では、電動機電圧VOを受けて、補助トルクをステアリング系に付与する。具体的に補助トルクを与えるために電動機7の回転軸が回転すると、トルク伝達手段6を介してピニオン軸4に補助トルクが伝達される。ピニオン軸4に伝達された補助トルクは、ピニオン4Aを介してラック軸8のラック歯8Aに伝達される。又、ピニオン軸4には、ドライバがステアリングホイール2を操作することによって与えられた操舵力も伝達され、この操舵力もラック歯8Aに伝達される。
【0023】
いま、電動機7から与えられる補助トルクをTM、ドライバから与えられる操舵トルクをTSとすると、図3に示すように、ピニオン4Aからラック歯8Aに伝達される力F(図示せず)は、伝達トルク(補助トルクTM+操舵トルクTS)/R(但し、Rはピニオン4Aのピッチ円半径)の大きさとなる。このように大きな伝達力F(=(TM+TS)/R)がラック歯8Aに掛かる。
又、ラック歯8Aにおける歯筋は、ラック軸8に直交する方向Xに対して歯筋角度θの傾斜をもって形成されているため、ラック歯8Aにピニオン4Aから伝達される力Fは、ラック軸8に交差する方向にも作用する。ラック軸8に交差する方向に力Fが作用したとき、ラック軸8が第1支持手段21、第2支持手段22のみで支持されている、すなわち支点a,bでラック軸8が支えられているとする。この場合には、電動機7から伝達される補助トルクTMは、ドライバがステアリングホイール2を操作することによって伝達される操舵トルクTSの約5〜10倍と大きなものであるので、伝達力F(=(TM+TS)/R)の作用によって、ラック軸8が図3に仮想線で示す方向に撓むことが懸念される。
【0024】
従って、ラック軸8がたとえば第1支持手段21、及び第2支持手段22のみで支持されている場合には、ラック軸8を撓ませる方向に向けて大きな力Fが作用すると、ラック軸8が撓んでしまう。ラック軸8が撓んでしまうと、ピニオン4Aとラック歯8Aの噛み合い部において、噛み合いの片当たりという不良を発生させて、ピニオン4Aからラック歯8Aに力を歯面全体で良好に伝達できなくなるという不具合が生じる。
【0025】
この点、本実施の形態では、第1支持手段21と、第2支持手段22との間に第3支持手段23が配設されている。このため、ラック軸8を支える支点a,bのほかに、支点cでラック軸8における一端側と他端側の間の位置が支持される。こうして、ラック軸8が撓むという事態を抑制している。
【0026】
更に、ラックハウジング14には、曲げ方向の補強用のリブ17が形成されている。この補強用のリブ17によってラックハウジング14の曲げ方向の剛性が高くなり、各支持手段21,22,23の取付部分の剛性が高くなるので、延いてはラック軸8が撓むという事態を抑制している。
従って、操舵トルクTSに補助トルクTMを付与した大きなトルクがピニオン4Aとラック歯8Aの噛み合い部に作用する場合、噛み合いの片当たりという不良が発生して、ピニオン4Aからラック歯8Aに力を良好に伝達できなくなるという事態を防止することができる。そうして、ドライバの操舵フィーリングを損なうことがなくなる。又、ピニオン4Aやラック歯8Aの磨耗を減少させることができるので、耐久性を向上させることができる。
【0027】
ところで、電動機7から伝達される補助トルクTMがピニオン4Aとラック歯8Aの噛み合い部に作用する際、振動が発生する。同様に、走行中の路面反力が車輪を通じてラック軸8に伝わり、振動を引き起す。そして、これらの振動の周波数とラック軸8の固有振動の周波数とが一致すると共振が起き、ラック軸8を大きく振動させる。このラック軸8の振動はピニオン軸4からステアリング軸3を経てステアリングホイール2に伝わり、車室内に騒音を引き起こす。又、ドライバの操舵フィーリングも悪くなる。
然るに、このラック軸8の固有振動は、ラック軸8を支持する第3支持手段23の支持位置を調整することで、低減することができる。この第3支持手段23を設けたことでラック軸8の支持スパンが短くなるが、ここで梁の長さが変わる場合の固有振動数Ωの式を次に示す。
Ω=1/2(Ebh3g/((W+0.23w)L31/21/2
但し、E:ヤング率、L:梁の長さ、b:梁の幅、h:梁の厚さ、w:梁の重量、W:先端のおもりの重量、g:重力定数とする。
第3支持手段23でラック軸8の中間部を支持することで、支持スパンの長さL(支持スパンの長さを梁の長さと考える)が短くなるから、上の式で固有振動数Ωは相対的に大きくなり、第3支持手段23がない場合の元の固有振動数と異なるものにすることができる。固有振動数を異なるものにすることで、車輪や電動機7で発生する振動とラック軸8の固有振動数との共振が起り難くなる。
【0028】
しかしながら、ラック軸8の支持位置を変えるのは設計上の制約が大きく、且つその調整範囲も狭いので、ラック軸8の支持位置を変えるだけではラック軸8の固有振動と、車輪や電動機7によって引き起されるラック軸8の振動との共振を充分に調整することができない。
そこで、本実施の形態のように、ラック軸8に中空部25を形成すると、ラック軸8の重量が減るので、(K/M)1/2で表されるラック軸8の固有振動数(但し、Kはラック軸8の曲げに対するバネ定数、Mはラック軸8の質量)が、ラック軸8に中空部25を形成しない場合よりも大きくなる。この中空部25の深さを変えてラック軸8の重量を調整すると、車輪や電動機7などによって引き起こされるラック軸8の振動にラック軸8の固有振動が共振せず、大きな振動を抑制することができる。
ラック軸8の振動を抑制できると、ピニオン軸4、ステアリング軸3を経てステアリングホイール2に伝わる振動も小さくなるので、ドライバの操舵フィーリングも改善される。又、ステアリングハンドル2を通じて車室内に伝わる振動が抑えられるので、車室内の騒音も抑えることができる。
更に、ラック軸8の振動を抑制されるので、ラック・アンド・ピニオン機構(ラック8、ピニオン軸4)や、電動パワーステアリング装置1のその他のねじ機構の磨耗も少なくすることができ、延いては電動パワーステアリング装置1の寿命を延ばすことができる。
一方、ラック歯8Aが形成されているラック軸8の端部は剛性を持たせる必要があるので中実とし、ラック歯8Aが形成されているラック軸8の端部ほどの剛性が必要ではないラック軸8の他端側に中空部25を形成し、その深さを調整することによって、ラック軸8全体の剛性を維持しながら重量を減らし、ラック軸8の固有振動数を調整している。
【0029】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す要部正断面図である。なお、本実施の形態において、前記第1の実施の形態と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1′では、前記第1の実施の形態と比較して、ピニオン31とラック歯32の噛み合い部30においてその構成が異なる。本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1′では、ラック歯32における歯筋がラック8に対して直交する方向を向いて形成されている。ピニオン31は、このラック歯32に対応するように、ねじの間隔が若干長く設定されている。その他の構成は前記第1の実施の形態と同一である。
【0030】
以上の構成を有する第2の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の作用について説明する。
かかる構成を有する本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1′においては、前記第1の実施の形態と同様に、図1に示すステアリングホイール2を操作することによって付与される操舵トルクTSに対して、電動機7によって付与される補助トルクTMが加味されてピニオン軸4が回転される。ピニオン軸4が回転すると、ピニオン31が回転し、ピニオン31と噛み合うラック歯32に操舵トルクTSと補助トルクTMが加算された大きなトルク(=TS+TM)が伝達される。
ここで、ラック歯32はラック軸8に対して垂直となるように形成されているので、ピニオン31からラック8に対して伝達される力F(=伝達トルク(TS+TM)/R)は、ラック軸8に沿った方向に向けて加えられる。このため、ラック軸8を撓ませる方向に作用されることはないので、ラック軸8の撓みを防止することができる。その結果、操舵トルクTSに補助トルクTMを付与した大きな力をピニオン31とラック歯32に伝達したとしても、ピニオン31とラック歯32の噛み合い部において噛み合い不良が発生して、ピニオン31からラック歯32に力を良好に伝達できなくなるという事態を防止することができる。そうして、ドライバの操舵フィーリングを損なうことがなくなる。又、ピニオン31やラック歯32の磨耗を減少させることができるので、耐久性を向上させることができる。
【0031】
なお、本実施の形態では、ラック歯32をラック軸8に対して垂直となるように形成したが、ドライバの操舵トルクTSと電動機7の補助トルクTMの大きさ(最大値)によっては、ラック歯32をラック軸8に対してわずかに傾けるように設計することもできる。このように、ラック歯32をラック軸8に対してわずかに傾けることによって、ラック軸8が撓む方向に作用する力を少なくすることができるので、その分ラック軸8が撓むのを防止することができる。すなわち、電動機7から付与される補助トルクTMの大きさによって、ラック歯の歯筋角度を適宜設定することができる。
尚、この第2の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置に特有の作用は上記の通りであるが、その他の作用について上述の第1の実施の形態と同様の作用を奏することできるので詳細な説明は省略する。
【0032】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。たとえば、前記実施の形態では、ドライバによる操舵トルクに加えて、電動機7による補助トルクを付加してアシストする電動パワーステアリング装置1について説明したが、操舵輪9を転舵させるラック軸8に連結されるピニオン軸4に対して、ウォームホイール11、及びウォーム軸12により電動機7の駆動力を付加する構成とするものであれば、他の態様のものについても適用することができる。例えば、四輪操舵構造などにおいても本発明を適用することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明に係る電動パワーステアリング装置では、第3支持手段によるラック軸の支持により、ラック軸の支持スパンが短くなり、ラック軸の固有振動数が第3支持手段がない場合から変化する。これにより、車輪や電動機によって引き起こされるラック軸の振動に、ラック軸の固有振動が共振して大きく振動するのをある程度抑制することができることに加えて、ラック軸に中空部を形成したことによって、ラック軸の重量が減るので、(K/M)1/2で表されるラック軸の固有振動数(但し、Kはラック軸の曲げに対するバネ定数、Mはラック軸の質量)が、ラック軸に中空部を形成しない場合よりも大きくなるから、中空部の深さや位置を調整してラック軸の重量(重量バランス)を変えることで、車輪や電動機などによって引き起こされるラック軸の振動にラック軸の固有振動が共振せず、大きな振動を抑制することができる。
【0034】
さらに、請求項に記載の発明に係る電動パワーステアリング装置では、ラック歯が形成されているラック軸の端部は剛性を持たせる必要があるので中実とし、ラック歯が形成されているラック軸と比べてそれ程剛性の必要性がないラック軸の他端側に中空部を形成することによって、ラック軸全体の剛性を維持しながらラック軸の重量を減らし、固有振動数を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の要部正断面図である。
【図3】ラック軸に掛かる力の方向の関係を示す説明図である。
【図4】第2の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の要部正断面図である。
【図5】従来の電動パワーステアリング装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1 :電動パワーステアリング装置
2 :ステアリングホイール
4 :ピニオン軸
4A :ピニオン
6 :トルク伝達手段
7 :電動機
8 :ラック軸
8A :ラック歯
9 :操舵輪
14 :ラックハウジング
17 :リブ
21 :第1支持手段
22 :第2支持手段
23 :第3支持手段
25 :中空部
30 :噛み合い部
31 :ピニオン
32 :ラック歯
TM :補助トルク
TS :操舵トルク
θ :歯筋角度

Claims (1)

  1. 操舵トルクが与えられるピニオン軸と、前記操舵トルクを補助する補助トルクを前記ピニオン軸に与える電動機と、前記ピニオン軸に形成されたピニオンと噛み合うラック歯を有するラック軸と、このラック軸の両端に設けられた操舵輪とを有し、前記ピニオンと前記ラック歯が噛み合い、前記ピニオン軸の回転が前記ラック軸の軸方向の変位に変換されることによって前記操舵輪を転舵するようにしたピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置において、
    前記ラック軸の一端側を支持する第1支持手段と、
    前記ラック軸の他端側を摺動可能に支持する第2支持手段と、
    前記ラック軸の一端側と他端側の間を摺動可能に支持する第3支持手段とを有し、
    前記第1支持手段を、前記ラック軸の一端側に設けられた前記ラック歯と、前記ピニオン軸に設けられた前記ピニオンとの噛み合いによって形成し、
    前記ラック歯は、前記ラック軸の中実に形成された一端側の端部に形成され、
    前記第2支持手段が配置された前記ラック軸の他端側の端部には、中空部が形成され、
    前記ラック軸における前記ラック歯と前記中空部との間は、中実の中間部が形成され、
    前記第3支持手段は、前記中間部を支持し
    前記ラック軸は、前記第3支持手段の位置と前記中空部の深さによって当該ラック軸の固有振動数を決定している、ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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