JP2940909B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置Info
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Description
動パワーステアリング装置の改良に関する。
軽減して快適な操舵感を与えるために、電動パワーステ
アリング装置が多用されてきた。この種の電動パワース
テアリング装置は、電動機で操舵トルクに応じた補助ト
ルクを発生し、この補助トルクをステアリング系に伝達
するものであって、例えば特開平7−165089号
「ステアリング装置」の技術がある。この技術は、その
公報の図1及び図3によれば、ボールナット機構33
(番号は公報に記載されたものを引用した。以下同
じ。)をラック軸2の一端部に組付け、このラック軸2
の他端部にラック8を設け、このラック8にピニオン6
を噛み合わせたものである。そして、ピニオン6とラッ
ク8とを噛み合わせた位置に、ラック軸2をピニオン6
へ押し付けるラックガイド10を設けて、噛み合わせ部
分の遊びをなくした。
ステアリング装置の模式的説明図であり、従来の技術を
説明するために上記従来の技術に示す図1及び図3を再
掲したところの模式図である。なお、符号は従来の技術
と相違する。(a)はステアリング装置の平面模式図で
あり、ステアリング装置100は、ラック軸101の両
端にタイロッド102,102及びナックルアーム10
3,103を介して車輪104,104を連結し、ま
た、ラック軸101の一端部にボールナット機構105
を組付け、ラック軸101の他端部にラック106を設
け、このラック106にピニオン107を噛み合わせ、
ピニオン107の反対側からラック軸101をラックガ
イド108で押し付けた構成としたものである。
回りの更なる模式図であり、この模式図によると、ラッ
ク軸101をボールナット機構105の位置と、ピニオ
ン107並びにラックガイド108の位置との2箇所で
支持したものであり、支持スパンが長い。
回りの模式的作用図であり、この作用図によると、走行
時、特に操舵時の路面反力がタイロッド102,102
を介してラック軸101へ伝わる。このため、ラック軸
101の両端に、路面反力に起因する外力又はモーメン
ト(以下、「モーメントM,M」と記す。)が作用す
る。その結果、ラック軸101はこの図の実線並びに点
線で示すように、車体前後方向(図面では上下方向)に
たわむ。
に示すステアリング装置において、ラック軸101の一
般的な振動誘因として、次の点が挙げられる。 (1)走行時、特に操舵時の路面反力がタイロッド10
2,102を介してラック軸101へ伝わり、ラック軸
101の車体前後方向に振動が発生する誘因となる(第
1誘因)。 (2)ボールナット機構105の個々のボールが、ラッ
ク軸101のねじ溝と接触する瞬間並びに離れる瞬間
に、ボールからねじ溝へ作用する力が変動する。このこ
とが、ラック軸101に振動が発生する誘因となる(第
2誘因)。
による振動の周波数と、第2誘因による振動の周波数と
が一致すると、振動が増幅する。しかも、増幅した振動
の周波数(振動数)がラック軸101の固有振動数に一
致すると、共振によりラック軸101は大きく振動する
ことになる。ラック軸101が大きく振動すると、その
振動がステアリングハンドルを介して車室内に伝わるの
で、車室内の騒音の要因となる。また、ステアリングハ
ンドルに振動が伝わると、操舵フィーリング上好ましく
ない。ラック軸101の共振を抑制するには、ラック軸
101の直径を変えることで固有振動数を変えたり、ラ
ック軸101に制振部材等を設けることも考えられる
が、ラック軸101が重くなったり、構造が複雑にな
る。
時におけるラック軸の振動を、簡単な構造で容易に抑制
できる技術を提供することにある。
に、請求項1記載の発明は、ステアリングハンドルに連
結したピニオンとラック軸とからなるラックアンドピニ
オン機構をステアリング系に備え、電動機で操舵トルク
に応じた補助トルクを発生し、この補助トルクをボール
ねじを介して前記ラック軸に付加する電動パワーステア
リング装置において、前記ボールねじを前記ラック軸の
一端部に組付け、このラック軸の他端部に前記ピニオン
を噛み合わせ、さらに、これらボールねじとピニオンと
の間に、前記ラック軸をピニオンへ押し付けるラックガ
イドを設けたことを特徴とする。
力又はモーメント(以下、「モーメント」と記す。)が
作用する。前記モーメント及びボールねじにより、ラッ
ク軸の他端がピニオンから離れる方向に曲げられると、
ラック軸はボールねじとラックガイドとだけで支持され
たことになる。一方、ラック軸の他端がピニオンへ押し
付ける方向に曲げられると、ラック軸はボールねじとラ
ックガイドとピニオンの3部材で曲げを抑えられる構造
となる。従って、ラック軸の曲げ方向によって曲げ若し
くはたわみのモード(態様)が異なる。すなわち、ラッ
ク軸が路面反力及びボールねじによって車体の前後方向
に変形する場合に、前方へ変形するときの揺動波形と、
後方へ変形するときの揺動波形が非対称形状となってい
る。揺動波形が非対称であるから、ラック軸の固有振動
数が曲げ方向によって異なり、共振による振動増幅の心
配はない。この結果、ラック軸の振動を容易に抑制する
ことができる。ラック軸の振動が抑制されると、ステア
リングハンドルの振動も抑制されるので、操舵フィーリ
ングが高まる。また、ステアリングハンドルを介して車
室内に伝わる振動が抑制されるので、車室内の騒音を防
止できる。
ック軸の振動を抑制することができるので、生産性が高
まる。さらに、ラック軸の振動が低減するので、ラック
アンドピニオン機構及びボールねじの摩耗を少なくする
ことができ、その結果、電動パワーステアリング装置の
寿命を高めることができる。さらにまた、ボールねじの
位置にラックガイドを近づけたので、ラックガイドでボ
ールねじに予圧を与えることができる。このため、ボー
ルねじとラック軸との間のガタつきを抑制することがで
き、その結果、ボールねじの寿命を高めることができ
る。
ドルに連結したピニオンとラック軸とからなるラックア
ンドピニオン機構をステアリング系に備え、電動機で操
舵トルクに応じた補助トルクを発生し、この補助トルク
をボールねじを介して前記ラック軸に付加する電動パワ
ーステアリング装置において、前記ボールねじを前記ラ
ック軸の一端部に組付け、このラック軸の他端部に前記
ピニオンを噛み合わせ、さらに、前記ラック軸を前記ピ
ニオンへ押し付ける作用をなすラックガイドを、ピニオ
ンと対向する位置及びこのピニオンと前記ボールねじと
の間に設けたことを特徴とする。
ーメントが作用する。前記モーメント及びボールねじに
より、ラック軸の他端がピニオンから離れる方向に曲げ
られると、ラック軸はボールねじとラックガイドとだけ
で支持されたことになる。一方、ラック軸の他端がピニ
オンへ押し付ける方向に曲げられると、ラック軸はボー
ルねじとラックガイドとピニオンの3部材で曲げを抑え
られる構造となる。従って、ラック軸の曲げ方向によっ
て曲げ若しくはたわみのモード(態様)が異なる。すな
わち、ラック軸が路面反力及びボールねじによって車体
の前後方向に変形する場合に、前方へ変形するときの揺
動波形と、後方へ変形するときの揺動波形が非対称形状
となっている。揺動波形が非対称であるから、ラック軸
の固有振動数が曲げ方向によって異なり、共振による振
動増幅の心配はない。この結果、ラック軸の振動を容易
に抑制することができる。ラック軸の振動が抑制される
と、ステアリングハンドルの振動も抑制されるので、操
舵フィーリングが高まる。また、ステアリングハンドル
を介して車室内に伝わる振動が抑制されるので、車室内
の騒音を防止できる。
ック軸の振動を抑制することができるので、生産性が高
まる。さらに、ラック軸の振動が低減するので、ラック
アンドピニオン機構及びボールねじの摩耗を少なくする
ことができ、その結果、電動パワーステアリング装置の
寿命を高めることができる。さらにまた、ボールねじの
位置にラックガイドを近づけたので、ラックガイドでボ
ールねじに予圧を与えることができる。このため、ボー
ルねじとラック軸との間のガタつきを抑制することがで
き、その結果、ボールねじの寿命を高めることができ
る。
る振動の周波数や、ラック軸とボールねじの組合せに伴
う振動の周波数が、ラック軸のもつ固有振動数と一致し
ないように、ピニオンとボールねじとの間のラックガイ
ド(中間ラックガイド)の位置を設定するだけで、ラッ
ク軸の振動の低減が可能になる。このため、車種毎にラ
ック軸の固有振動数に応じて中間ラックガイドの位置を
設定するだけで、振動を抑制することができるので、簡
単な構造で容易に車室内の騒音を低減することができる
とともに、ステアリングハンドルの操舵フィーリングを
高めることができ、また、生産性が高まる。
ガイドを設けたので、これらピニオンとラックガイドで
ラック軸を挟持して支持し、この支持した位置でのラッ
ク軸の曲げ変位を抑えることができる。
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係る電動パワーステアリ
ング装置のシステム図であり、電動パワーステアリング
装置1は、ステアリングハンドル2に連結したラックア
ンドピニオン機構3(ピニオン4並びにラック軸5とか
らなる。)と、ステアリングハンドル2で発生したステ
アリング系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段
6と、この操舵トルク検出手段6の検出信号に基づいて
制御信号を発生する制御手段7と、この制御手段7の制
御信号に基づいて操舵トルクに応じた補助トルクを発生
する電動機8と、この電動機8の補助トルクを前記ラッ
ク軸5に伝達するボールねじ(ボールナット機構)9と
からなり、ラック軸5でタイロッド11,11並びにナ
ックルアーム12,12を介して車輪(操舵輪)13,
13を転舵する装置である。
グ装置の全体構成図であり、要部を断面したものであ
る。電動パワーステアリング装置1は、ラックアンドピ
ニオン機構3、電動機8、ボールねじ9を車幅方向に延
びるステアリングギヤボックス21に収納したものであ
り、このステアリングギヤボックス21は、互いに長手
方向にボルト結合した、概ね管状の第1ハウジング22
並びに第2ハウジング23からなる。第1ハウジング2
2は図示せぬ車体に取付けるためのブラケット24を形
成し、第2ハウジング23は車体に取付けるためのマウ
ント部材25を設けたものである。
付け、ピニオン4を他端部に噛み合わせ、また、両端に
タイロッド11,11を連結し、さらに、車幅方向にス
ライドするようにステアリングギヤボックス21を貫通
したものである。ステアリングギヤボックス21は、ピ
ニオン4とボールねじ9との間にラックガイド50を設
けたものである。ラックアンドピニオン機構3について
は、図3にて詳述する。図中、26,26はボールジョ
イント、27,27はゴムカバーである。
9の軸方向組付け中心位置をA(以下「ボールねじ中心
A」と称する。)、ピニオン4とラック軸5の噛み合わ
せ中心位置をB(以下「ピニオン中心B」と称す
る。)、ラックガイド50の中心位置をC(以下「ラッ
クガイド中心C」と称する。)とした場合に、ボールね
じ中心Aからラックガイド中心Cまでの距離L1と、ラ
ックガイド中心Cからピニオン中心Bまでの距離L2と
の比率を、概ね3:1〜5:1に設定することが好まし
い。
パワーステアリング装置1は、上記ステアリングハンド
ル2(図1参照)に連結した管状の入力軸31と、この
入力軸31内に挿通し且つ入力軸31に上部をピン32
で結合したトーションバー(弾性部材)33と、このト
ーションバー33の下部にセレーション結合し、下部に
上記ピニオン4を設けた出力軸34とで、主たるステア
リング系をなすものである。
1,34の相対ねじれ角を検出することによりステアリ
ング系の操舵トルクを検出するものであり、トーション
バー33とスライダ35とセンサ36とからなる。詳し
くは、トーションバー33は、文字通りトルクに対して
正確にねじれ角が発生するメンバーであって、入力軸3
1と出力軸34との間での相対ねじり変位を発生する。
傾斜溝35aと縦長のストレート溝35bとを備えた円
筒形状のスライダ35を、前記入力軸31と出力軸34
との間に掛け渡すことで、スライダ35は相対ねじり変
位に応じて軸方向へ変位可能である。このときの変位量
はトルクに比例し、変位量を可変インダクタンス式セン
サ36で電気信号に変換するものである。
5は、ピニオン4と噛み合うラック5aを設けたもので
ある。入力軸31とトーションバー33と出力軸34と
は、同心上にある。図中、41,42は第3ハウジング
並びに第4ハウジングであり、第1ハウジング22の上
部に取付けたものである。43は入力軸31を支持する
軸受、44,45は出力軸34の両端を支持する軸受で
ある。
クガイド50の断面構成を示す。ラックガイド50は、
ラック5aと反対側からラック軸5を押すガイド部51
と、このガイド部51を圧縮ばね(弾性部材)52を介
して押す調整ボルト53と、この調整ボルト53の位置
をロックするロックナット54とからなる。調整ボルト
53は第1ハウジング22にねじ込むものである。この
ような構成のラックガイド50は、第1ハウジング22
にねじ込んだ調整ボルト53にて、圧縮ばね52を介し
てガイド部51を適切な押圧力で押すことで、ガイド部
51でラック軸5に予圧を与えて、ラック軸5をピニオ
ン4へ押し付けることができる。図中、55はガイド部
に設けた当接部材である。
オン中心Bから距離L2だけ離れたラックガイド中心C
において、ラックガイド50でラック軸5をピニオン4
へ押し付けた状態を示す。そして、ピニオン4はラック
軸5を車体前方から支持し、ラックガイド50はラック
軸5を車体後方から押し付けたものである。
ールねじ回りの要部断面図である。電動機8は、第2ハ
ウジング23内に収納したステータ61並びにロータ6
2からなり、このロータ62は、ラック軸5に相対的に
回転可能に挿通した管状の出力軸63を備えた。出力軸
63は、両端部を軸受64,65を介して第1・第2ハ
ウジング22,23内に回転可能に支持したものであ
り、しかも、一端部の内部にボールねじ9のナット71
を取付けた構成である。そして、軸受65は、ボールね
じ中心A又はその近傍位置で、出力軸63を介してボー
ルねじ9を支持することになる。
ラック軸5のねじ溝5bとが図示せぬボールを介して作
動するものであって、ナット71のねじ溝の端部に到達
したボールがチューブ内を通って循環する、いわゆる内
部循環形式又は外部循環形式の一般的な構成であり、便
宜上詳細な構成を省略して示す。図中、72は出力軸6
3の内面にねじ込むロックスクリューであり、出力軸6
3に対するナット71の軸方向移動を防止するものであ
る。
装置の作用を説明する。図7(a)〜(d)は本発明に
係る電動パワーステアリング装置の作用説明図である。
図7(a)は、上記図1のシステムに図2の電動パワー
ステアリング装置1を組合せた、平面的な模式図であ
る。なお、各部の符号は上記図1及び図2に示すものと
同一であり、その説明を省略する。
5回りの更なる模式図であり、ラック軸5をボールねじ
中心Aとピニオン中心Bとで支持し、ラックガイド中心
Cで押し付けたことを示す。詳しくは、ボールねじ9を
ラック軸5に組み付けたので、ボールねじ9はラック軸
5を車体前方並びに車体後方(図面では上下方向)から
支持することになる。また、ピニオン4はラック軸5を
車体前方から支持し、ラックガイド50はラック軸5を
車体後方から押し付けたものである。
5回りの模式的作用図(第1)、図7(d)は、図7
(b)に示すラック軸5回りの模式的作用図(第2)で
ある。ラック軸5の両端には、走行時、特に操舵時の路
面反力及びボールねじ9に起因する外力又はモーメント
(以下、「車体前方からのモーメントMf」、「車体後
方からのモーメントMr」と記す。)が作用する。図7
(c)のように、前記車体前方からのモーメントMf,
Mfにより、ラック軸5の端部がピニオン4から離れる
方向に曲げられると、ラック軸5はボールねじ9とラッ
クガイド50とだけで支持されたことになる。その結
果、ラック軸5は中心Aとラックガイド中心Cとを支点
として、図の太い実線で示すようにたわむ。
からのモーメントMr,Mrにより、ラック軸5の端部
がピニオン4へ押し付ける方向に曲げられると、ラック
軸5はボールねじ9とラックガイド50とピニオン4の
3部材で曲げを抑えられる構造となる。その結果、ラッ
ク軸5はボールねじ中心Aとピニオン中心Bとラックガ
イド中心Cとを支点として、図の太い実線で示すように
たわむ。
げ若しくはたわみのモード(態様)が異なる。すなわ
ち、ラック軸5が路面反力及びボールねじ9によって車
体の前後方向に変形する場合に、図7(c)及び(d)
のように、前方へ変形するときの揺動波形と、後方へ変
形するときの揺動波形が非対称形状となっている。揺動
波形が非対称であるから、ラック軸5の固有振動数が曲
げ方向によって異なり、共振による振動増幅の心配はな
い。この結果、ラック軸5の振動を容易に抑制すること
ができる。ラック軸5の振動が抑制されると、ステアリ
ングハンドルの振動も抑制されるので、操舵フィーリン
グが高まる。また、ステアリングハンドルを介して車室
内に伝わる振動が抑制されるので、車室内の騒音を防止
できる。
中心Cまでの距離L1と、ラックガイド中心Cからピニ
オン中心Bまでの距離L2との比率を、概ね3:1〜
5:1に設定することで、ラック軸5の固有振動数と、
ステアリングギヤボックス21の取付部の固有振動数と
が一致しない。このように、ラック軸5の共振点を、ス
テアリング系並びにラックアンドピニオン機構3を収納
するためのステアリングギヤボックス21を取付ける部
分の共振点からずらすことで、ラック軸5の振動が車体
に伝わらない。従って、車室内の騒音が更に低減し、良
好な商品性が得られるとともに、操舵フィーリングもよ
り一層高まる。
例を図8〜図11に基づき説明する。なお、上記図1〜
図7に示す本発明の実施の形態と同じ構成については同
一符号を付し、その説明を省略する。図8は本発明に係
る電動パワーステアリング装置の全体構成図(変形例)
であり、変形例の構成は2つのラックガイド(第1ラッ
クガイド81並びに第2ラックガイド82)を、ピニオ
ン4と対向する位置及びこのピニオン4とボールねじ9
との間に、それぞれ設けたことを特徴とする。
オン4と対向する位置に第1ラックガイド81を設けた
姿を示す。
り、ピニオン中心Bにおいて、第1ラックガイド81で
ラック軸5をピニオン4へ押し付け、また、ピニオン中
心Bから距離L2だけ離れたラックガイド中心Cにおい
て、第2ラックガイド82でラック軸5をピニオン4へ
押し付けた状態を示す。第1・第2ラックガイド81,
82は上記図4及び図5に示すラックガイド50と同一
構成である。
アリング装置の作用を説明する。図11(a)〜(d)
は本発明に係る電動パワーステアリング装置の作用説明
図(変形例)である。図11(a)は、上記図1のシス
テムに図8の電動パワーステアリング装置1を組合せ
た、平面的な模式図である。なお、各部の符号は上記図
1及び図8に示すものと同一であり、その説明を省略す
る。
ク軸5回りの更なる模式図であり、ラック軸5をボール
ねじ中心Aとピニオン中心Bとで支持し、しかも、この
ピニオン中心Bとラックガイド中心Cの位置で第1・第
2ラックガイド81,82にて押し付けたことを示す。
詳しくは、ボールねじ9をラック軸5に組み付けたの
で、ボールねじ9はラック軸5を車体前方並びに車体後
方(図面では上下方向)から支持することになる。ま
た、ピニオン4はラック軸5を車体前方から支持し、第
1・第2ラックガイド81,82はラック軸5を車体後
方から押し付けたものである。
ク軸5回りの模式的作用図(第1)、図11(d)は、
図11(b)に示すラック軸5回りの模式的作用図(第
2)である。ラック軸5の両端には、走行時、特に操舵
時の路面反力に起因する外力又はモーメント(以下、
「車体前方からのモーメントMf」、「車体後方からの
モーメントMr」と記す。)が作用する。図11(c)
のように、前記車体前方からのモーメントMf,Mfに
より、ラック軸5の端部がピニオン4から離れる方向に
曲げられると、ラック軸5はボールねじ9と第1ラック
ガイド81とだけで支持されたことになる。その結果、
ラック軸5は中心Aとピニオン中心Bとを支点として、
図の太い実線で示すようにたわむ。
方からのモーメントMr,Mrにより、ラック軸5の端
部がピニオン4へ押し付ける方向に曲げられると、ラッ
ク軸5はボールねじ9と第2ラックガイド82とピニオ
ン4の3部材で曲げを抑えられる構造となる。その結
果、ラック軸5はボールねじ中心Aとピニオン中心Bと
ラックガイド中心Cとを支点として、図の太い実線で示
すようにたわむ。
げ若しくはたわみのモード(態様)が異なる。すなわ
ち、ラック軸5が路面反力及びボールねじ9によって車
体の前後方向に変形する場合に、図11(c)及び
(d)のように、前方へ変形するときの揺動波形と、後
方へ変形するときの揺動波形が非対称形状となってい
る。揺動波形が非対称であるから、ラック軸5の固有振
動数が曲げ方向によって異なり、共振による振動増幅の
心配はない。この結果、ラック軸5の振動を容易に抑制
することができる。ラック軸5の振動が抑制されると、
ステアリングハンドルの振動も抑制されるので、操舵フ
ィーリングが高まる。また、ステアリングハンドルを介
して車室内に伝わる振動が抑制されるので、車室内の騒
音を防止できる。
いて、ピニオン4と第1ラックガイド81とでラック軸
5を車体前方並びに車体後方から支持することになる。
このため、ピニオン中心Bでのラック軸5の曲げ変位を
抑えることができる。
よる振動の周波数や、ラック軸5とボールねじ9の組合
せに伴う振動の周波数が、ラック軸5の持つ固有振動数
と合致しないように、第2ラックガイド82の位置を設
定するだけで、ラック軸5の振動の低減が可能になる。
このため、車種毎にラック軸5の固有振動数に応じて第
2ラックガイド82の位置を設定するだけで、振動を抑
制することができる。
示す従来の技術に対して、第2ラックガイド82を追加
した構成であるが、ラック軸5の固有振動数がステアリ
ングギヤボックス21の取付部の固有振動数と一致しな
いように、第2ラックガイド82の位置を設定すること
になる。この点を検討すると、従来のラック軸101の
固有振動数ωXと、変形例のラック軸5の固有振動数ω0
の関係を、次式で表すことができる。
固有振動数 ω0;変形例のラック軸5の固有振動数 L1;ボールねじ中心Aから第2ラックガイド中心Cま
での距離 L3;ボールねじ中心Aからピニオン中心Bまでの距離
固有振動数ω0と、ステアリングギヤボックス21の取
付部の固有振動数ω1とが不一致(ω0≠ω1)となるよ
うに、第2ラックガイド中心Cの位置を設定すればよ
く、また、ステアリングギヤボックス21の取付部の固
有振動数ω1の次数を、ラック軸5の固有振動数ω0から
外れるように設定する(例えば、ω0≠2ω1、ω0≠3
ω1)。
において、ラック軸5の一端部、他端部とは、単にラッ
ク軸5の端のみに限定するものではなく、ボールねじ9
を組付け又はピニオン4を噛み合わせるための位置を、
便宜的に称するものである。また、ラックガイド50及
び第1・第2ラックガイド81,82は、適切な押圧力
でラック軸5に予圧を与えて、このラック軸5をピニオ
ン4へ押し付けるものであればよく、例えば、圧縮ばね
(弾性部材)52の有無は任意である。
する。請求項1記載の発明は、ステアリングハンドルに
連結したピニオンとラック軸とからなるラックアンドピ
ニオン機構をステアリング系に備え、電動機で操舵トル
クに応じた補助トルクを発生し、この補助トルクをボー
ルねじを介して前記ラック軸に付加する電動パワーステ
アリング装置において、前記ボールねじを前記ラック軸
の一端部に組付け、このラック軸の他端部に前記ピニオ
ンを噛み合わせ、さらに、これらボールねじとピニオン
との間に、前記ラック軸をピニオンへ押し付けるラック
ガイドを設けたことを特徴とする。
力又はモーメント(以下、「モーメント」と記す。)が
作用する。前記モーメント及びボールねじにより、ラッ
ク軸の他端がピニオンから離れる方向に曲げられると、
ラック軸はボールねじとラックガイドとだけで支持され
たことになる。一方、ラック軸の他端がピニオンへ押し
付ける方向に曲げられると、ラック軸はボールねじとラ
ックガイドとピニオンの3部材で曲げを抑えられる構造
となる。従って、ラック軸の曲げ方向によって曲げ若し
くはたわみのモード(態様)が異なる。すなわち、ラッ
ク軸が路面反力及びボールねじによって車体の前後方向
に変形する場合に、前方へ変形するときの揺動波形と、
後方へ変形するときの揺動波形が非対称形状となってい
る。揺動波形が非対称であるから、ラック軸の固有振動
数が曲げ方向によって異なり、共振による振動増幅の心
配はない。この結果、ラック軸の振動を容易に抑制する
ことができる。ラック軸の振動が抑制されると、ステア
リングハンドルの振動も抑制されるので、操舵フィーリ
ングが高まる。また、ステアリングハンドルを介して車
室内に伝わる振動が抑制されるので、車室内の騒音を防
止できる。
ック軸の振動を抑制することができるので、生産性が高
まる。さらに、ラック軸の振動が低減するので、ラック
アンドピニオン機構及びボールねじの摩耗を少なくする
ことができ、その結果、電動パワーステアリング装置の
寿命を高めることができる。さらにまた、ボールねじの
位置にラックガイドを近づけたので、ラックガイドでボ
ールねじに予圧を与えることができる。このため、ボー
ルねじとラック軸との間のガタつきを抑制することがで
き、その結果、ボールねじの寿命を高めることができ
る。
ドルに連結したピニオンとラック軸とからなるラックア
ンドピニオン機構をステアリング系に備え、電動機で操
舵トルクに応じた補助トルクを発生し、この補助トルク
をボールねじを介して前記ラック軸に付加する電動パワ
ーステアリング装置において、前記ボールねじを前記ラ
ック軸の一端部に組付け、このラック軸の他端部に前記
ピニオンを噛み合わせ、さらに、前記ラック軸を前記ピ
ニオンへ押し付ける作用をなすラックガイドを、ピニオ
ンと対向する位置及びこのピニオンと前記ボールねじと
の間に設けたことを特徴とする。
ーメントが作用する。前記モーメント及びボールねじに
より、ラック軸の他端がピニオンから離れる方向に曲げ
られると、ラック軸はボールねじとラックガイドとだけ
で支持されたことになる。一方、ラック軸の他端がピニ
オンへ押し付ける方向に曲げられると、ラック軸はボー
ルねじとラックガイドとピニオンの3部材で曲げを抑え
られる構造となる。従って、ラック軸の曲げ方向によっ
て曲げ若しくはたわみのモード(態様)が異なる。すな
わち、ラック軸が路面反力及びボールねじによって車体
の前後方向に変形する場合に、前方へ変形するときの揺
動波形と、後方へ変形するときの揺動波形が非対称形状
となっている。揺動波形が非対称であるから、ラック軸
の固有振動数が曲げ方向によって異なり、共振による振
動増幅の心配はない。この結果、ラック軸の振動を容易
に抑制することができる。ラック軸の振動が抑制される
と、ステアリングハンドルの振動も抑制されるので、操
舵フィーリングが高まる。また、ステアリングハンドル
を介して車室内に伝わる振動が抑制されるので、車室内
の騒音を防止できる。
ック軸の振動を抑制することができるので、生産性が高
まる。さらに、ラック軸の振動が低減するので、ラック
アンドピニオン機構及びボールねじの摩耗を少なくする
ことができ、その結果、電動パワーステアリング装置の
寿命を高めることができる。さらにまた、ボールねじの
位置にラックガイドを近づけたので、ラックガイドでボ
ールねじに予圧を与えることができる。このため、ボー
ルねじとラック軸との間のガタつきを抑制することがで
き、その結果、ボールねじの寿命を高めることができ
る。
る振動の周波数や、ラック軸とボールねじの組合せに伴
う振動の周波数が、ラック軸のもつ固有振動数と一致し
ないように、ピニオンとボールねじとの間のラックガイ
ド(中間ラックガイド)の位置を設定するだけで、ラッ
ク軸の振動の低減が可能になる。このため、車種毎にラ
ック軸の固有振動数に応じて中間ラックガイドの位置を
設定するだけで、振動を抑制することができるので、簡
単な構造で容易に車室内の騒音を低減することができる
とともに、ステアリングハンドルの操舵フィーリングを
高めることができ、また、生産性が高まる。
ガイドを設けたので、これらピニオンとラックガイドで
ラック軸を挟持して支持し、この支持した位置でのラッ
ク軸の曲げ変位を抑えることができる。
ステム図
体構成図
りの要部断面図
用説明図
体構成図(変形例)
作用説明図(変形例)
説明図
ンドル、3…ラックアンドピニオン機構、4…ピニオ
ン、5…ラック軸、5a…ラック、5b…ねじ溝、8…
電動機、9…ボールねじ、50…ラックガイド、81…
第1ラックガイド、82…第2ラックガイド。
Claims (2)
- 【請求項1】 ステアリングハンドルに連結したピニオ
ンとラック軸とからなるラックアンドピニオン機構をス
テアリング系に備え、電動機で操舵トルクに応じた補助
トルクを発生し、この補助トルクをボールねじを介して
前記ラック軸に付加する電動パワーステアリング装置に
おいて、前記ボールねじを前記ラック軸の一端部に組付
け、このラック軸の他端部に前記ピニオンを噛み合わ
せ、さらに、これらボールねじとピニオンとの間に、前
記ラック軸をピニオンへ押し付けるラックガイドを設け
たことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 【請求項2】 ステアリングハンドルに連結したピニオ
ンとラック軸とからなるラックアンドピニオン機構をス
テアリング系に備え、電動機で操舵トルクに応じた補助
トルクを発生し、この補助トルクをボールねじを介して
前記ラック軸に付加する電動パワーステアリング装置に
おいて、前記ボールねじを前記ラック軸の一端部に組付
け、このラック軸の他端部に前記ピニオンを噛み合わ
せ、さらに、前記ラック軸を前記ピニオンへ押し付ける
作用をなすラックガイドを、ピニオンと対向する位置及
びこのピニオンと前記ボールねじとの間に設けたことを
特徴とする電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP98897A JP2940909B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP98897A JP2940909B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10194140A JPH10194140A (ja) | 1998-07-28 |
JP2940909B2 true JP2940909B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=11488988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP98897A Expired - Fee Related JP2940909B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2940909B2 (ja) |
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JP2020147200A (ja) * | 2019-03-14 | 2020-09-17 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用電動パワーステアリング装置 |
-
1997
- 1997-01-07 JP JP98897A patent/JP2940909B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10194140A (ja) | 1998-07-28 |
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