JP5158421B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
特許文献1では、電動モータの出力軸がウォーム軸に連結されている。電動モータの出力回転は、ウォーム軸からウォームホイールに伝達され、ウォームホイールからステアリングシャフト等を介して転舵機構に伝達される。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、振動を低減することのできる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、電動モータと、電動モータの動力を転舵機構に伝達する伝達機構とを備え、上記伝達機構は、電動モータの回転軸と同軸的に配置された駆動側部材、および駆動側部材により駆動される従動側部材を含み、上記駆動側部材は、軸方向に対向する第1および第2の端部を含み、上記回転軸は、軸方向に対向する第3および第4の端部を含み、上記駆動側部材の第2の端部および回転軸の第3の端部が、単一の部材を用いて一体に形成され、または、継手を介して同軸的に接続され、上記第1、第3および第4の端部のそれぞれは軸受を介してハウジングに支持され、回転軸の軸方向に関して、第1および第2の端部間の配置ピッチをa、第2および第3の端部間の配置ピッチをb、第3および第4の端部間の配置ピッチをcとしたときに、駆動側部材が回転軸と共振することを避けるために、(a+b)/cが自然数とならない所定の値に設定されていることを特徴とする車両用操舵装置を提供するものである(請求項4)。
また、本発明は、電動モータと、電動モータの動力を転舵機構に伝達する伝達機構とを備え、上記伝達機構は、電動モータの回転軸と同軸的に配置された駆動側部材、および駆動側部材により駆動される従動側部材を含み、上記駆動側部材は、軸方向に対向する第1および第2の端部を含み、上記回転軸は、軸方向に対向する第3および第4の端部を含み、上記駆動側部材の第2の端部および回転軸の第3の端部が、単一の部材を用いて一体に形成され、または、継手を介して同軸的に接続され、上記第1〜第3の端部のそれぞれは軸受を介してハウジングに支持され、回転軸の軸方向に関して、第1および第2の端部間の配置ピッチをa、第2および第3の端部間の配置ピッチをb、第3および第4の端部間の配置ピッチをcとしたときに、駆動側部材が回転軸と共振することを避けるために、a/cが2nd(ndは自然数)とならない所定の値に設定されていることを特徴とする車両用操舵装置を提供するものである(請求項7)。
また、本発明において、b/aが0〜0.8(ゼロを除く)の範囲に設定されている場合がある(請求項9)。b/aが0.8を超えると、駆動側部材の長さを十分に確保し難いことから、このような数値範囲が好ましい。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、直線状に延びている。また、ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。すなわち、ステアリングホイール2に一定値以上の操舵トルクが入力されると、入力軸8および出力軸9は、互いに相対回転しつつ同一方向に回転するようになっている。
ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が連結されている。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための伝達機構としての減速機構19とを含む。減速機構19としては、例えばウォームギヤ機構などの食い違い軸歯車機構や、平行軸歯車機構などを用いることができる。本実施形態では、減速機構19として、ウォームギヤ機構が用いられている。すなわち、減速機構19は、駆動ギヤ(伝達機構の駆動側部材)としてのウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合う従動ギヤ(伝達機構の従動側部材)としてのウォームホイール21とを含む。減速機構19は、伝達ハウジングとしてのギヤハウジング22内に収容されている。
電動モータ18がウォーム軸20を回転駆動すると、ウォーム軸20によってウォームホイール21が回転駆動され、ウォームホイール21およびステアリングシャフト6が同行回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム軸20を回転駆動することで、転舵輪3が転舵されるようになっている。
第1のハウジング23および第2のハウジング24は、一端が開放した概ね四角箱形に形成されている。第1および第2のハウジング23,24の互いの端部は、突き合わされ固定ねじ91により互いに締結されている。
また、図3を参照して、電動モータ18の後述する回転軸37の軸方向X1に沿って見たときに、電気コネクタ94および従動ギヤ収容ハウジング28の互いの少なくとも一部が互いに重なり合うレイアウトとされている。これにより、実質的な小型化および省スペース化を図ることができ、車両への搭載性が向上する。
モータハウジング25の第1のハウジング23は、例えばアルミニウム合金(例えば鋳造品、冷間鍛造品)により形成され、操舵補助機構5の軽量化が図られている。また、駆動ギヤ収容ハウジング27、従動ギヤ収容ハウジング28および第2のハウジング24で構成されるギヤハウジング22は、例えばアルミニウム合金(例えば鋳造品、冷間鍛造品)により形成され、操舵補助機構5の軽量化が図られている。また、モータハウジング25のモータハウジング本体26には、例えば非磁性の板金が用いられている。
環状のフランジ31の周方向の一部から径方向外方に張り出したブラケット32が設けられている。そのブラケット32のねじ挿通孔33に挿通された固定ねじ34が、第1のハウジング23のねじ孔にねじ込まれることにより、モータハウジング本体26と第1のハウジング23とが一体に固定されている。上記のねじ挿通孔33は、モータハウジング本体26の周方向に延びる長孔に形成されているので、第1のハウジング23に対して、モータハウジング本体26の周方向位置を調整可能となっている。
ギヤハウジング22の従動ギヤ収容ハウジング28には、トルクセンサ11が収容された筒状のセンサハウジング35が連結されており、従動ギヤ収容ハウジング28およびセンサハウジング35は、固定ねじ36を用いて互いに固定されている。ステアリングシャフト6が、筒状の従動ギヤ収容ハウジング28およびセンサハウジング35内に挿通されている。
再び図4を参照して、第1のハウジング23は、収容室100の一部を区画する第1の内壁面101を含み、第2のハウジング24は収容室100の一部を区画する第2の内壁面102を含み、これら第1の内壁面101および第2の内壁面102は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に対向している。
第2の内壁面102のなす環状平面の延長面P1が、ステアリングシャフト6を取り囲む筒状部としての従動ギヤ収容ハウジング28の外周面28aの主要部のなす円筒面P2と図4のように交差するか、または接する状態にある。具体的には、従動ギヤ収容ハウジング28は、ステアリングシャフト6が嵌合するウォームホイール21を取り囲んでいる。
電動モータ18の回転軸37およびウォーム軸20が同軸上に並べて配置されており、回転軸37の後述する第3の端部37aおよびウォーム軸20の後述する第2の端部20bは、互いの間に介在する継手38を介して同軸的に動力伝達可能に連結されている。継手38は、電動モータ18の回転軸37と同行回転する環状の入力部材39と、ウォーム軸20と同行回転する環状の出力部材40と、入力部材39および出力部材40の間に介在し入力部材39および出力部材40を動力伝達可能に連結する環状の弾性部材41とを有している。
ウォーム軸20の第2の端部20bは、駆動ギヤ収容孔42の一端(電動モータ18側の端部)の内周の軸受保持部44に保持された第2の軸受47によって、回転可能に支持されている。ウォーム軸20の第1の端部20aは、駆動ギヤ収容孔42の他端の内周の軸受保持部46に保持された第1の軸受45によって、回転可能に支持されている。
第2の軸受47は、内輪48と、外輪49と、内輪48および外輪49の間に介在する複数の転動体50とを有する転がり軸受からなる。内輪48は、ウォーム軸20の第2の端部20bに同行回転可能に保持されている。内輪48の一方の端面は、ウォーム軸20の外周に設けられた位置決め段部に当接している。ウォーム軸20の第2の端部20bには、小径の突軸51が延設されており、その突軸51には、継手38の出力部材40が同行回転可能に且つ軸方向移動不能に嵌合されている。出力部材40は内輪48の他方の端面に当接しており、ウォーム軸20の上記位置決め段部と出力部材40の間に、内輪48が挟持されている。これにより、ウォーム軸20に対する内輪45の軸方向移動が規制されている。
第1の軸受45は、内輪53と、外輪54と、内輪53および外輪54の間に介在する複数の転動体55とを有する転がり軸受からなる。内輪53は、ウォーム軸20の第1の端部20aに同行回転可能に保持されている。内輪53の一方の端面は、ウォーム軸20の外周に設けられた位置決め段部に当接している。これにより、ウォーム軸20に対する内輪53の軸方向移動(第2の軸受47側への移動)が規制されている。
ウォーム軸20の第1および第2の端部20a,20bを支持する第1および第2の軸受45,47は、何れも公知のシール軸受により構成されている。具体的には、転動体の軸方向X1の両側において、内輪と外輪の間を密封するシール部材62を備えており、そのシール部材62は、内輪または外輪の何れか一方に固定される。また、シール部材62は他方に摺接するリップを有している。
ロータ64は、回転軸37の外周に同行回転可能に取り付けられた環状のロータコア66と、ロータコア66の外周に同行回転可能に取り付けられた例えば環状の永久磁石からなるロータマグネット67とを有している。ロータマグネット67には、複数の磁極が周方向に並べて配置されている。これらの磁極は、ロータ64の周方向に関して、N極およびS極が交互に入れ替わるようにされている。
また、図4を参照して、回転軸37は、第1のハウジング23によって保持された第3の軸受75およびモータハウジング本体26によって保持された第4の軸受76によって、回転可能に支持されている。第3および第4の軸受75,76は、第1および第2の軸受45,47と同じ構成のシール軸受により構成されている。
一方、第3の軸受75の内輪は、回転軸37の外周に形成された環状の位置決め段部と、継手38の入力部材39の端面との間に挟持されており、これにより、回転軸37に対する第3の軸受75の内輪の軸方向移動が規制されている。
ウォーム軸20の第1および第2の端部20a,20bならびに回転軸37の第3および第4の端部37a,37bは、対応する第1〜第4の軸受45,47,75,76を介して、対応するギヤハウジング22、第1のハウジング23およびモータハウジング本体26に支持されている。
収容室100内において、パワー回路が実装されたパワー基板78は、第1の内壁面101および第2の内壁面102のうち第1の内壁面101に相対的に近接して配置されている。すなわち、上記の仕切り壁77は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に関しての厚みt1が相対的に厚い厚肉部77aと相対的に薄い薄肉部77bとを含んでいる。厚肉部77aは、収容室100内に突出するように設けられている。
本実施の形態では、パワー基板78は厚肉部77aにおける第1の内壁面101に対して熱伝導可能に接触しており、上記の厚肉部77aは、パワー基板78の熱を逃がすためのヒートシンクとして機能している。
制御基板79は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に関して、第2のハウジング24の第2の内壁面102とパワー基板78との間に配置されている。パワー基板78および制御基板79は、電動モータ18の回転軸37の軸方向X1に関して所定の間隔を隔てて配置されている。
収容室100内において、仕切り壁77の中央部には、本体87の開放側(第2のハウジング24側)に向かって延びる筒状部89が形成されている。外周壁92は、仕切り壁77の外周縁から延設されており、筒状部89を取り囲んでいる。本体87および筒状部89は、単一の部材で一体に形成されている。
第1の内壁面101のうち、厚肉部77aにおける部分が、パワー基板78を受ける座部103を構成している。座部103は、発熱要素としてのFET83を有するパワー基板78に、熱伝導可能に接触している。発熱要素の熱は、パワー基板78から、ヒートシンクを構成する厚肉部77aおよび取付部96を介して、第2のハウジング24とは一体のギヤハウジング22側へ逃がされる。
図7は、操舵補助機構5の要部の概略構成を示す図解図である。図7を参照して、第1および第2の軸受45,47によって支持されるウォーム軸20の第1および第2の端部20a,20bの配置ピッチは、所定の配置ピッチaとされている。配置ピッチは、例えば、軸方向X1に関する第1の端部20aの中央部と、第2の端部20bの中央部との間の距離である。したがって、これら第1および第2の端部20a,20bを支持する第1および第2の軸受45,47配置ピッチも、所定の配置ピッチaとなる。第1および第2の軸受45,47の配置ピッチは、軸方向X1に関する第1および第2の軸受45,47の中央部間の距離に相当する。
配置ピッチaに対する配置ピッチbの割合(b/a)は、0<(b/a)≦0.8を満たすように設定されることが好ましい。b/aが0.8を超えると、ウォーム軸20の長さを十分に確保し難い。
配置ピッチcに対する配置ピッチbの割合(b/c)は、0<(b/c)≦0.8を満たすように設定されることが好ましい。b/cが0.8を超えると、回転軸37の長さを十分に確保し難い。
特に、配置ピッチaと配置ピッチcが同じになったとき、同じ周波数が減衰され難くなり、振動が伝播し易くなる。
より具体的には、回転軸37に生じる振動を、固定端としての第3および第4の端部37a,37bが節となる定在波と考えたとき、この波の波長λ1は、
λ1=2c/n1…(1)
となる。なお、n1は自然数である。また、回転軸37の固有振動数f1は、
f1=v1/λ1=n1・v1/2c…(2)
となる。なお、v1は、回転軸37中の振動の速度である。
λ2=2a/n2…(3)
となる。なお、n2は自然数である。また、ウォーム軸20の固有振動数f2は、
f2=v2/λ2=n2・v2/2a…(4)
となる。なお、v2は、ウォーム軸20中の振動の速度である。
n1・v1/2c=n2・v2/2a…(5)
(5)式を整理すると、
a/c=n2/n1…(6)
となる。ウォーム軸20が回転軸37の基本振動に対して共振するのを防止するためには、例えば、式(6)でn1=1(電動モータ18の回転軸37の基本振動に対応する値)を代入して、a/c=n2とならないようにすることが好適である。すなわち、振動源たる電動モータ18の回転軸37に対するウォーム軸20の長さの比a/cが自然数とならない所定の値Nに設定されることで、効果的にウォーム軸20および回転軸37の振動を抑制できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、a/cが自然数とならない所定の値Nに設定されていることにより、ウォーム軸20が回転軸37と共振することを避けることができる。したがって、ウォーム軸20の振動を格段に抑制でき、ウォーム軸20からウォームホイール21等を介して転舵機構4や、操舵部材2等に伝わる振動を少なくできる。また、電動モータ18のトルクリップルを確実に抑制できる。
この場合、第2〜第4の端部20b,37a,37bが、対応する第2〜第4の軸受47,75,76を介して対応するギヤハウジング22、第1のハウジング23およびモータハウジング本体26に支持される。
より具体的には、ウォーム軸20は、第2の端部20bが支持された片持ち支持の構成となっていることから、第2の端部20bが節、第1の端部20aが腹となる定在波と考えたとき、この波の波長λ2は、
λ2=4a/(2n2−1)…(7)
また、また、ウォーム軸20の固有振動数f2は、
f2=(2n2−1)・v2/4a…(8)
となる。
n1・v1/2c=(2n2−1)・v2/4a…(9)
(9)式を整理すると、a/c=(2n2−1)/2n1…(10)
となる。ウォーム軸20が回転軸37と共振するのを防止するためには、例えば、式(10)でn1=1(電動モータ18の回転軸37の基本振動に対応する値)を代入して、a/c=(2n2−1)/2とならないようにすることが好適である。すなわち、a/cが自然数とならない所定の値NAに設定されることで、効果的にウォーム軸20および回転軸37の振動を抑制できる。
本実施の形態によれば、図7に示す実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、ウォーム軸20および回転軸37を全体として3点支持で支持することができ、ウォーム軸20および回転軸37のそれぞれの両端を軸受で支持する4点支持の構成を採用する場合と比べて、ウォーム軸20および回転軸37を支持する箇所を少なくでき、ハウジング22,23,26内のレイアウトの自由度の向上を達成できる。
この場合、第1の端部20a、第3の端部37aおよび第4の端部37bが、対応する第1の軸受45、第3の軸受75および第4の軸受76を介して対応するギヤハウジング22、第1のハウジング23およびモータハウジング本体26に支持される。
より具体的には、ウォーム軸20が回転軸37と共振することを避けるために、(a+b)/cが自然数とならない所定の値NBに設定される。
(a+b)/c=n2/n1…(11)
とならないようにするのがよい。ウォーム軸20が回転軸37と共振するのを防止するためには、例えば、式(11)でn1=1(電動モータ18の回転軸37の基本振動に対応する値)を代入して、(a+b)/c=n2、すなわち、(a+b)/c=nbc(nbcはゼロまたは自然数)とならないようにすることが好適である。
本実施の形態によれば、図7に示す実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、図10に示すように、第3の軸受75を廃止しても良い。
この場合、ウォーム軸20が回転軸37と共振することを避けるために、a/(b+c)が自然数とならない所定の値NCに設定される。
a/(b+c)=n2/n1…(12)
とならないようにするのがよい。ウォーム軸20が回転軸37と共振するのを防止するためには、例えば、式(12)でn1=1(電動モータ18の回転軸37の基本振動に対応する値)を代入して、a/(b+c)=n2、すなわち、a/(b+c)がゼロまたは自然数からなるnbcとならないようにすることが好適である。
本実施の形態によれば、図7に示す実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、図11に示すように、第4の軸受76を廃止しても良い。
この場合、ウォーム軸20が回転軸37と共振することを避けるために、a/cが2n(ndは自然数)とならない所定の値NDに設定される。
λ1=4c/(2n1−1)…(13)
また、ウォーム軸20の固有振動数f1は、
f1=(2n1−1)・v1/4c…(14)
となる。
(2n1−1)・v1/4c=n2・v2/2a…(15)
(15)式を整理すると、
a/c=2n2/(2n1−1)…(16)
となる。ウォーム軸20が回転軸37と共振するのを防止するためには、例えば、(16)式でn1=1(電動モータ18の回転軸37の基本振動に対応する値)を代入して、a/c=2n2とならないようにすることが好適である。すなわち、a/cが2ndとならない所定の値NDに設定されることで、効果的にウォーム軸20および回転軸37の振動を抑制できる。
本実施の形態によれば、図7に示す実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、例えば、上述の各実施形態では、いわゆるコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置に本発明が適用された例について説明したが、これに限らず、いわゆるピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置や、いわゆるラックアシスト式の電動パワーステアリング装置等、他の形式の電動パワーステアリング装置に、本発明を適用してもよい。
Claims (10)
- 電動モータと、
電動モータの動力を転舵機構に伝達する伝達機構とを備え、
上記伝達機構は、電動モータの回転軸と同軸的に配置された駆動側部材、および駆動側部材により駆動される従動側部材を含み、
上記駆動側部材は、軸方向に対向する第1および第2の端部を含み、
上記回転軸は、軸方向に対向する第3および第4の端部を含み、
上記駆動側部材の第2の端部および回転軸の第3の端部が、単一の部材を用いて一体に形成され、または、継手を介して同軸的に接続され、
上記第1〜第4の端部のそれぞれは軸受を介してハウジングに支持され、
回転軸の軸方向に関して、第1および第2の端部間の配置ピッチをa、第2および第3の端部間の配置ピッチをb、第3および第4の端部間の配置ピッチをcとしたときに、駆動側部材が回転軸と共振することを避けるために、a/cが自然数とならない所定の値に設定され、この所定の値は、n+0.3〜n+0.7(nは自然数)の範囲に設定されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 電動モータと、
電動モータの動力を転舵機構に伝達する伝達機構とを備え、
上記伝達機構は、電動モータの回転軸と同軸的に配置された駆動側部材、および駆動側部材により駆動される従動側部材を含み、
上記駆動側部材は、軸方向に対向する第1および第2の端部を含み、
上記回転軸は、軸方向に対向する第3および第4の端部を含み、
上記駆動側部材の第2の端部および回転軸の第3の端部が、単一の部材を用いて一体に形成され、または、継手を介して同軸的に接続され、
上記第2〜第4の端部のそれぞれは軸受を介してハウジングに支持され、
回転軸の軸方向に関して、第1および第2の端部間の配置ピッチをa、第2および第3の端部間の配置ピッチをb、第3および第4の端部間の配置ピッチをcとしたときに、駆動側部材が回転軸と共振することを避けるために、a/cが(2na1−1)/2(na1は自然数)とならない所定の値に設定されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項2において、上記所定の値は、na2−0.3〜na2+0.3(na2はゼロまたは自然数)の範囲であって正の値に設定されている車両用操舵装置。
- 電動モータと、
電動モータの動力を転舵機構に伝達する伝達機構とを備え、
上記伝達機構は、電動モータの回転軸と同軸的に配置された駆動側部材、および駆動側部材により駆動される従動側部材を含み、
上記駆動側部材は、軸方向に対向する第1および第2の端部を含み、
上記回転軸は、軸方向に対向する第3および第4の端部を含み、
上記駆動側部材の第2の端部および回転軸の第3の端部が、単一の部材を用いて一体に形成され、または、継手を介して同軸的に接続され、
上記第1、第3および第4の端部のそれぞれは軸受を介してハウジングに支持され、
回転軸の軸方向に関して、第1および第2の端部間の配置ピッチをa、第2および第3の端部間の配置ピッチをb、第3および第4の端部間の配置ピッチをcとしたときに、駆動側部材が回転軸と共振することを避けるために、(a+b)/cが自然数とならない所定の値に設定されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 電動モータと、
電動モータの動力を転舵機構に伝達する伝達機構とを備え、
上記伝達機構は、電動モータの回転軸と同軸的に配置された駆動側部材、および駆動側部材により駆動される従動側部材を含み、
上記駆動側部材は、軸方向に対向する第1および第2の端部を含み、
上記回転軸は、軸方向に対向する第3および第4の端部を含み、
上記駆動側部材の第2の端部および回転軸の第3の端部が、単一の部材を用いて一体に形成され、または、継手を介して同軸的に接続され、
上記第1、第2および第4の端部のそれぞれは軸受を介してハウジングに支持され、
回転軸の軸方向に関して、第1および第2の端部間の配置ピッチをa、第2および第3の端部間の配置ピッチをb、第3および第4の端部間の配置ピッチをcとしたときに、駆動側部材が回転軸と共振することを避けるために、a/(b+c)が自然数とならない所定の値に設定されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項4または5において、上記所定の値は、nbc+0.2〜nbc+0.8(nbcはゼロまたは自然数)の範囲に設定されている車両用操舵装置。
- 電動モータと、
電動モータの動力を転舵機構に伝達する伝達機構とを備え、
上記伝達機構は、電動モータの回転軸と同軸的に配置された駆動側部材、および駆動側部材により駆動される従動側部材を含み、
上記駆動側部材は、軸方向に対向する第1および第2の端部を含み、
上記回転軸は、軸方向に対向する第3および第4の端部を含み、
上記駆動側部材の第2の端部および回転軸の第3の端部が、単一の部材を用いて一体に形成され、または、継手を介して同軸的に接続され、
上記第1〜第3の端部のそれぞれは軸受を介してハウジングに支持され、
回転軸の軸方向に関して、第1および第2の端部間の配置ピッチをa、第2および第3の端部間の配置ピッチをb、第3および第4の端部間の配置ピッチをcとしたときに、駆動側部材が回転軸と共振することを避けるために、a/cが2nd(ndは自然数)とならない所定の値に設定されていることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項7において、上記所定の値は、nd1+0.2〜nd1+0.8(nd1はゼロまたは自然数)、または、nd2−0.2〜nd2+0.2(nd2は奇数)の範囲に設定されている車両用操舵装置。
- 請求項1〜8の何れか1項において、b/aが0〜0.8(ゼロを除く)の範囲に設定されている車両用操舵装置。
- 請求項1〜9の何れか1項において、b/cが0〜0.8(ゼロを除く)の範囲に設定されている車両用操舵装置。
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