JP3935229B2 - パチンコ機における打球供給皿の球抜き装置 - Google Patents

パチンコ機における打球供給皿の球抜き装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機の前面枠の前面側に設けられた打球供給皿のパチンコ球を打球杆の発射動作に同期させて1個ずつ発射レールの発射位置に供給する打球供給装置を備えたパチンコ機に関し、特に打球供給皿のパチンコ球を球抜きする際に打球供給装置内にパチンコ球が残らないようにすることができるようなパチンコ機における打球供給皿の球抜き装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ機においては、前面枠の前面側に打球供給皿と下部球皿とを設け、打球供給皿のパチンコ球を前面枠の裏面側に設けられた打球供給装置に導くと共に、打球杆の発射動作に同期させて1個ずつ発射レールの発射位置に供給するようにされている。一方、打球供給皿の底部には球抜孔が設けられると共に、該球抜孔にスライド板が配設されており、該スライド板を移動させて球抜孔を開放することにより打球供給皿のパチンコ球を下部球皿に抜き取るようにしていた。
【0003】
上記した従来のパチンコ機にあっては、打球供給皿のパチンコ球を該打球供給皿の底部の球抜孔から直接に下部球皿へ抜き取るようにしているため、打球供給装置に導かれたパチンコ球は抜き取られないでそのまゝ残されてしまうという問題点があった。
【0004】
そして、打球供給装置内に残されたパチンコ球を抜き取るためには、例えばその残されたパチンコ球を弱い弾発力で発射してファール球口から下部球皿に戻して回収する等遊技者に面倒な操作を行わせる必要があった。
【0005】
一方、例えば実公平6−3648号公報記載のように発射球供給機構(打球供給装置)に球抜部材を設け、球抜き操作によって球抜部材を球抜位置へ変位させることにより打球供給皿のパチンコ球をすべて球抜きすることができるようにしたパチンコ機が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のパチンコ機においては、球抜き操作によって球抜部材を発射球供給機構の受け部材から離れる方向に移動させると共に、打球供給皿のパチンコ球を受け部材上に落下させながら球抜きを行うものであるから、受け部材がパチンコ球の落下に伴なう強い衝撃を受け続けて損傷し、発射球供給機構を短期間で交換しなければならないという問題点を有していた。
【0007】
本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、打球供給皿のパチンコ球を抜き取る際に打球供給装置内に残されたパチンコ球も残らず下部球皿に抜き取ることができるようにすると共に、打球供給装置が損傷しないように保護することができるようなパチンコ機における打球供給皿の球抜装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、前面枠の前面側に設けられた打球供給皿のパチンコ球を前面枠の裏面側に導いて垂直下方に誘導する球通路と、上下方向へ回動自在に軸支され、下方に回動した状態のとき球通路の先頭に位置するパチンコ球を球支持部の上面で受けて待機させると共に、上方に回動することにより球支持部の上面のパチンコ球を球受凹部に受け入れ、かつ下方への回動によって球受凹部に受け入れたパチンコ球を発射レールの発射位置に供給する球送り部材とからなる打球供給装置を備えたパチンコ機であって、前記球送り部材の上方に位置する球通路に、球抜口と、常には球抜口を閉鎖し、球抜き操作によって球抜口を開放する位置に移動可能な球抜部材を設けると共に、球抜口に球抜通路を連設し、前記球送り部材の球支持部上面は、該球支持部上面で待機する球通路の先頭のパチンコ球が球抜口に転動し得るように傾斜面として形成し、前記球抜部材には、球抜き操作によって球通路に突入し、後続する球通路のパチンコ球を上面で受けて球抜口から球抜通路に誘導する保護通路板を一体に設けるようにしたものである。
【0009】
前記球抜部材の保護通路板は、これの上面を球抜通路に向けて下り傾斜する傾斜面として形成するのが好ましい。
【0010】
上記のように構成されたパチンコ機における打球供給皿の球抜装置は、球抜き操作によって球抜部材を球抜口を開放する位置に移動させると、球送り部材の球支持部上面で受けられて待機する球通路の先頭のパチンコ球がその傾斜面によって球抜口から球抜通路に落下すると同時に保護通路板が球通路に突入して球送り部材の上方に位置し、これによって保護通路板が球抜通路に連通する通路部の一部を構成することになって球送り部材の球支持部にパチンコ球が落下しないようにカバーする。このため、後続する球通路のパチンコ球は保護通路板上に落下して球抜口から球抜通路へ導かれるもので、これによって打球供給皿及び打球供給装置の球通路のパチンコ球を残らず抜き取ることができると共に、打球供給装置の球送り部材上にパチンコ球を落下させないようにすることができるので球送り部材が損傷するのを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施の形態を図面に従い説明する。図1は本発明に係るパチンコ機の正面図、図2はガラス枠及び前面板を開放した状態のパチンコ機の下部部分の斜視図である。図において、1はパチンコ機の前面枠、2は前面枠1の後面に着脱自在に装着される遊技盤であって、該遊技盤2の右下側に発射レール3が装着されている。4は発射レール3の発射部5に先端が臨む打球杆、6は発射レール3の前面を覆う前面板であって、遊技盤2の上方部を覆うガラス枠7と一緒に前面枠1の一側に開閉自在に装着されている。前記前面板6の表面には打球供給皿8が設けられている。また、前面枠1の下部前面には打球供給皿8の余剰球を貯留する下部球皿9と打球発射用の操作ハンドル10が設けられている。
【0012】
前記打球供給皿8は、図3に示すように本体部11と該本体部11の前面外側を覆うカバー部材12とから構成されている。本体部11はパチンコ球を貯留する皿部13と該皿部13の上縁部分を囲う飾板部14及び皿部13の下方に延出する側板部15とを有する。前記皿部13は底部が一方に緩やかに下り傾斜してその傾斜下部にパチンコ球が一列に整列される整流部16が形成されており、該整流部16の下流端が位置する前面板6には皿部13のパチンコ球を前面板6の裏側に流出させる球出口17が開設されている。
【0013】
一方、前面板6の裏面には打球供給装置18が設けられている。この打球供給装置18は、打球供給皿8に貯留されるパチンコ球を前面板6の球出口17から1個ずつ発射レール3の発射位置5に供給するためのもので、通路構成部材19と球送り部材20とにより構成されている。
【0014】
前記通路構成部材19は、図4に示すように前面板6の球出口17に合致する流入口21が設けられた板状体19aと前面が開口して前記流入口21と連通する球通路22が形成された中空状の箱状体19bとに二分割して形成されており、該球通路22の終端に球送り部材20を収容するための円形部22aが形成されている。前記球通路22は球出口17から前面板6の裏面側に導かれる打球供給皿8のパチンコ球を下方に誘導するように垂直状に形成されると共に、円形部22aの前面に発射レール3の発射位置5に対応する供給口23が形成されている。
【0015】
前記球送り部材20は、全体をほぼ円形形状とし、かつパチンコ球の直径とほぼ等しい厚さの立体形として形成され、その前後両側面に突設された発射レール3と直交状の回動支軸24,24を板状体19aと箱状体19bに形成された軸受凹部25,25に嵌めて発射レール3と平行な平面内で上下方向へ回動自在に軸支され、かつ自然状態では図5実線のように下方(反時計廻り方向)に回動するように重心が置かれている。
【0016】
また、前記球送り部材20は、図5実線で示す下方(反時計廻り方向)に回動した状態のとき流入口21から球通路22に導かれた先頭のパチンコ球Bを上面で受けて支持する球支持部26と、図5鎖線のように上方(時計廻り方向)に回動することにより球支持部26から落下するパチンコ球Bを受け入れて保持し、かつ下方へ回動することによりそのパチンコ球Bを供給口23から発射レール3の発射位置5に送り出す半円状の球受凹部27と、箱状体19bの円形部22aから外方へ突出する係合腕28とが一体に設けられている。なお、前記球支持部26上面は、回動支軸24,24を中心とする円弧面として形成されており、球受凹部27の底部はパチンコ球が供給口23から発射レール3の発射位置5に自然に転動するように傾斜状に形成されている。
【0017】
前記係合腕28は、図5に示すように発射レール3の下方でありかつ遊技盤2の前面側に軸29で回動自在に軸支された連動レバー30の押圧部31に当接可能なようになっている。また、連動レバー30は軸29より下方に垂下するレバー部32を一体に備え、該レバー部32が打球杆4に固着された引掛杆33と係合可能なように位置されている。
【0018】
しかして、本発明では、図5に示すように前記球通路22の側面であり、かつ球送り部材20の球支持部26上面から上方の流入口21部分に亘って球抜口34を開設すると共に、該球抜口34を開閉する球抜部材35を設けている。また、球送り部材20の球支持部26上面は、該球支持部26の上面で待機する球通路22の先頭のパチンコ球が球抜口34に転動し得るように球抜口34に向けて下り傾斜する傾斜面として形成されている。さらに、前面板6の裏面には球抜口34から抜き取られるパチンコ球を遊技盤2の下方のファール球回収シュート36を介して下部球皿9に導く球抜通路37を設けている。
【0019】
前記球抜部材35は、図3に示すように球抜口34を開閉する垂直状の側片部38と、球抜き操作によって球通路22に突入し、かつ球送り部材20の球支持部26上方に位置する水平状の保護通路板39とが一体に形成されており、これの角形基部40を打球供給皿8の側板部15に形成された箱枠状のガイド部41に臨ませて左右方向へ往復移動自在に支持される。
【0020】
なお、前面板6には球抜部材35の支持板部42を臨ませて摺動案内する横長のガイド孔43が設けられる。また、通路構成部材19の板状体19aには図4に示すように球抜部材35の側片部38が移動し得る切欠部44とガイド孔43に一致するガイド長孔45とが流入口21と連通状に設けられる。さらに、通路構成部材19の箱状体19bには球抜部材35の保護通路板39を臨ませるための中空のガイド溝46を球通路22と連通状に設けている。
【0021】
一方、打球供給皿8の側板部15の前面側には、図7及び図8に示すように球抜部材35を球抜き操作するための逆L字形をなすレバー部材47と操作部材48とが設けられている。レバー部材47は軸49により揺動自在に軸支されており、該軸49より下方に形成された長孔50に球抜部材35の前面側に突設した突起51を臨ませている。また、レバー部材47には復帰用のコイルばね52が連結されており、該コイルばね52によって常に球抜部材35を図9(イ)及び図10(イ)に示すようにこれの側片部38で球抜口34を閉じる位置に付勢している。
【0022】
前記操作部材48は、軸53によって上下方向へ回動自在に軸支されると共に、レバー部材47に接触状に位置して飾板部14の透孔54から上方に突出されており、該操作部材48を押圧してレバー部材47を図8鎖線のように回動させることによって球抜部材35の側片部38を球抜口34を開放する位置に移動させることができるようになっている。
【0023】
前記球抜部材35の保護通路板39の上面は、球抜通路37に向けて下り傾斜する傾斜面として形成されている。また、球抜板部35の側片部38と該側片部38に対向する保護通路板39の内側端との間の間隔はパチンコ球1個ぶんより若干大きく形成されている。さらに保護通路板39は、図10(イ)に示すように球抜部材35が球抜口34を閉じる位置に付勢されているときには球通路22から後退して球送り部材20の球支持部26上で待機する球通路22の先頭のパチンコ球Bの側方に位置しており、図10(ロ)に示すように球抜部材35が球抜口34を開放する位置に移動すると球通路22に突入すると共に、球送り部材20の上方に位置して球抜通路37に連通する通路部の一部を構成し、後続する球通路22のパチンコ球が球送り部材20上に落下するのを阻止するようになっている。
【0024】
本発明は、上記のような構成からなるもので、次にその作用を説明する。打球供給皿8に貯留されるパチンコ球は整流部16によって一列に整列されながら前面板6の球出口17から流入口21を経て打球供給装置18の球通路22に連続して流入し、図5実線及び図6(イ)に示すようにその先頭のパチンコ球Bが球送り部材20の球支持部26上面で支持されて待機する。
【0025】
この状態で打球杆4が図5鎖線のように発射準備位置に回動されると引掛杆33によって連動レバー30のレバー部32が引寄せられて該連動レバー30が軸29を支点として上方(時計廻り方向)へ回動し、これの押上部31が球送り部材20の係合腕28を上方へ押上げる。このため、球送り部材20が回動支軸24,24を支点として図6(ロ)実線のように上方へ回動し、球送り部材20の球支持部26上面で支持されていたパチンコ球Bは球受凹部27に落下して保持される。
【0026】
そして、打球杆4が図5実線で示す発射動作位置に回動すると、球送り部材20は連動レバー30の押上部31による押し上げが解除されて自重とパチンコ球Bの重量で図6(ロ)鎖線のように下方に回動し、球受凹部27のパチンコ球Bは該球受凹部27の底部の傾斜によって供給口23から発射レール3の発射位置5に転動する。同時に後続する球通路22のパチンコ球B1を球送り部材20の球支持部26上面で受け止めて待機させるもので、その後は打球杆4の往復回動ごとに球通路22のパチンコ球が1個ずつ発射レール3の発射位置5に供給されることになる。
【0027】
しかして、打球供給皿8のパチンコ球を下部球皿9に抜き取るには、操作部材48を図8鎖線のように押圧してレバー部材47をコイルばね52の復帰勢力に抗して回動させる。これによって、球抜部材35がレバー部材47の長孔50に係合する突起51を介して同図矢印方向に移動し図9(ロ)及び図10(ロ)に示すように側片部38を移動させて球抜口34を開放すると同時に保護通路板39を球通路22に突入させる。これによって、球送り部材20の球支持部26上面で受けられて待機している先頭のパチンコ球Bがその傾斜面によって球抜口34から球抜通路37へ流出し、次いで後続する球通路22のパチンコ球B1及び打球供給皿8のパチンコ球も球通路22を通って保護通路板31上に落下し、その傾斜面に沿って球抜口34から球抜通路37へ連続して流出してすべて下部球皿9に抜き取られる。
【0028】
そして、打球供給皿8のパチンコ球を下部球皿9に抜き取った後、操作部材48の押圧を解除すると、コイルばね52の復帰勢力によってレバー部材47が図8実線で示す元の位置に復帰し、同時に球抜部材35も図9(イ)及び図10(イ)に示す位置に移動して球抜口34を閉鎖すると同時に保護通路板39を球通路22から後退させて打球供給皿8のパチンコ球を球送り部材20の球支持部26上面に受け入れ可能とする。
【0029】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明に係るパチンコ機における打球供給皿の球抜装置によれば、打球供給装置の球送り部材の上方に位置する球通路に球抜口を開設し、該球抜口を開閉する球抜部材に保護通路板を一体に設け、球抜き操作によって保護通路板を球送り部材の球支持部の上方に突入位置させて球抜通路に連通する通路部の一部を構成すると共に、球送り部材の球支持部にパチンコ球が落下しないようにカバーするようにしたものであるから、球抜きされるパチンコ球が球送り部材上に落下し、その衝撃によって球送り部材が損傷するのを確実に防止することができる。
【0030】
また、球送り部材の球支持部上面で支持されて待機する球通路の先頭のパチンコ球をその傾斜面にそって球抜口から球抜通路に転動させるようにしたものであるから、打球供給装置内に残留するパチンコ球を残らず抜き取ることができ、従来のように打球供給装置に残されたパチンコ球を下部貯留皿に回収するための面倒な操作を不要とすることができて、遊技者のサービス向上を図れる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】ガラス枠及び前面板を開放した状態を示すパチンコ機の下部部分の斜視図である。
【図3】打球供給皿部分の分解斜視図である。
【図4】打球供給装置の分解斜視図である。
【図5】打球供給装置の断面正面図である。
【図6】打球供給装置の作用を説明する断面側面図で、(イ)は球送り部材が下方に回動した状態を示し、(ロ)は球送り部材が上方に回動した状態を示すものである。
【図7】打球供給皿と下部球皿との関連構成を示す要部の断面側面図である。
【図8】球抜き操作部部分の作用を示す要部正面図である。
【図9】打球供給装置部分の要部を断面にして示す斜視図であって、(イ)は球抜口を閉じた状態を示し、(ロ)は球抜口を開放した状態を示すものである。
【図10】球抜き作用を説明する打球供給装置部分の断面正面図で、(イ)は球抜口を閉じた状態を示し、(ロ)は球抜口を開放した状態を示すものである。
【符号の説明】
3 発射レール
4 打球杆
5 発射位置
8 打球供給皿
18 打球供給装置
20 球送り部材
22 球通路
26 球支持部
34 球抜口
35 球抜部材
37 球抜通路
39 保護通路板

Claims (1)

  1. 前面枠の前面側に設けられた打球供給皿のパチンコ球を前面枠の裏面側に導いて垂直下方に誘導する球通路と、上下方向へ回動自在に軸支され、下方に回動した状態のとき球通路の先頭に位置するパチンコ球を球支持部の上面で受けて待機させると共に、上方に回動することにより球支持部の上面のパチンコ球を球受凹部に受け入れ、かつ下方への回動によって球受凹部に受け入れたパチンコ球を発射レールの発射位置に供給する球送り部材とからなる打球供給装置を備えたパチンコ機であって、
    前記球送り部材の上方に位置する球通路に、球抜口と、常には球抜口を閉鎖し、球抜き操作によって球抜口を開放する位置に移動可能な球抜部材を設けると共に、球抜口に球抜通路を連設し、
    前記球送り部材の球支持部上面は、該球支持部上面で待機する球通路の先頭のパチンコ球が球抜口に転動し得るように傾斜面として形成し、
    前記球抜部材には、球抜き操作によって球通路に突入し、後続する球通路のパチンコ球を上面で受けて球抜口から球抜通路に誘導する保護通路板を一体に設けてなることを特徴とするパチンコ機における打球供給皿の球抜き装置。
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