JP3978245B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前面板の前側に設けられる打球供給皿のパチンコ球を下部貯留皿に抜き取る際に打球供給装置内にパチンコ球が残らないようにすることができるようなパチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ機においては、前面板の前側に打球供給皿を装着し、また前面枠の前面下部に下部球受皿を装着し、打球供給皿のパチンコ球を前面板の裏側に設けられた打球供給装置に導いて1個ずつ発射レールの発射位置に供給するようになっている。一方、打球供給皿の底部には球抜孔が設けられると共に、該球抜孔にスライド板が配設されており、該スライド板を移動させて球抜孔を開放することにより打球供給皿のパチンコ球を下部球受皿に抜き取るようにしていた。
【0003】
上記した従来のパチンコ機にあっては、打球供給皿のパチンコ球を底部の球抜孔から直接に下部球受皿へ抜き出すようにしているため、打球供給装置に導かれたパチンコ球は抜き取られないでそのまゝ残されてしまうという問題点があった。
【0004】
そこで、上記のような問題点を解決するために、打球供給皿のパチンコ球を打球供給装置へ導く供給通路の底面に球抜取口を設け、該球抜取口を可動底板のスライド操作によって開閉するようにしたもの、或いは打球供給装置の終端から流出するパチンコ球を球抜取口側に転動させ得る状態で支持する受け部材と、該受け部材に支持されたパチンコ球が球抜取口に落下するのを阻止する球抜部材とを設け、該球抜部材を受け部材から離れる方向に変位させるようにして、打球供給装置内にパチンコ球を残すことなく打球供給皿のパチンコ球を下部球受皿に抜き取るようにしたものが知られている(例えば実公平4−32147号公報,実公平6−3648号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術で述べたもののうち前者においては、供給通路を流下するパチンコ球の重量に抗して可動底板をスライド操作させなければならず、大きな操作力を必要として円滑な球抜き操作が望めないという問題点を有している。
【0006】
また、後者においては供給通路内のパチンコ球の球圧に抗した球抜き操作を行う必要がないため球抜き操作を円滑に行うことができるものの、球抜部材に過大に球圧が掛けられると該球抜部材が受け部材から離れてしまうことになって無用に球抜きが行われてしまうという問題点を有している。
【0007】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、球抜き時に残ることなく総てのパチンコ球を抜き取ることができると共に、無用に球抜きが行われることがないようなパチンコ機を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため本発明に係るパチンコ機は、打球供給皿が装着される前面板の裏側に、打球供給皿のパチンコ球が流入する球入口と発射レールの発射位置にパチンコ球を送り出す供給口とを形成した垂直な球通路を設け、該球通路の終端部の側壁に球抜通路に通ずる球抜口を開設すると共に、該球抜口に球抜き方向と直交する方向に往復動する球止壁板を設ける。また、球通路の終端部に前記供給口と連なりかつ供給口側と球抜口側とのいずれの側へも下傾する底壁を設ける。
また、球通路の側方に打球槌の回動に伴い上下に回動自在に軸支される球供給部材を配設し、該球供給部材に、球通路に流入する最先端のパチンコ球を底壁上で停止させ、かつ下向きに回動させたときそのパチンコ球を供給口から発射レールの発射位置に送り出す球止部と、下向きに回動させたとき球入口から球通路に流入するパチンコ球を受け止め一担待機させる球受部と、を設けてなり、前記球止部は打球槌が発射準備位置に回動すると下向きに回動して供給口を開放し球止部に受け止められていたパチンコ球を供給口から発射レールの発射位置へ排出するようにする。
そこで、打球供給皿のパチンコ球を球抜きする場合、球止壁板をスライドさせてパチンコ球の支持を解除することにより球通路内のパチンコ球を球抜通路に落下させるようにしたもので、これにより球通路内にパチンコ球が残ることなく総て抜き取ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係るパチンコ機の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はパチンコ機の正面図、図2はガラス扉枠及び前面板を開放した状態のパチンコ機の下部部分の斜視図である。図において、1はパチンコ機の前面枠、2は前面枠1の後面に着脱自在に装着される遊技盤であって、該遊技盤2の右下側に発射レール3が装着されている。4は発射レール3の発射位置5に先端が臨む打球槌、6は発射レール3の前面を覆う前面板であって、遊技盤2の上方部を覆うガラス扉枠7と共に前面枠1の窓孔の一側に開閉自在に装着されている。前記前面板6の前面にはパチンコ球払出装置(図示せず)から払い出されたパチンコ球を貯留し、そのパチンコ球を後述する打球供給装置16に供給する打球供給皿8が装着されている。また、前面枠1の前面下部には打球供給皿8に充満してオーバーフローするパチンコ球を貯留する下部球受皿9及び発射位置5から発射されるパチンコ球の弾発力を調節する操作ハンドル10が設けられている。
【0010】
前記打球供給皿8は図3に示されるように本体部8aと該本体部8aの前面外側を覆うカバー部材8bとから構成されている。本体部8aはパチンコ球を貯留する皿部11と該皿部11の上縁部分を囲う飾板部12及び皿部11の下方に延出する側板部13とを有する。前記皿部11は底部が一方に緩るやかに下り傾斜し、その傾斜下部にパチンコ球が一列に整列される球流下通路14が形成されており、この球流下通路14の下流端は前面板6に開設された流出口15に接続される。そして、前面板6の裏面に打球供給装置16が設けられる。
【0011】
前記打球供給装置16は図4に示されるように、箱状のケース体17と球供給部材18と、該球供給部材18を作動させる電磁石19とから大略構成される。ケース体17は台板部17aと本体枠部17bとに二分割して形成され、これらを合体して一体化される。前記ケース体17は、流出口15に合致する球入口20と該球入口20と連通し、かつパチンコ球1個が通過可能な垂直な球通路21と発射レール3の発射位置5に臨む供給口22とを有し、球通路21の終端部には底壁23が設けられる。該底壁23は該底壁23上に載るパチンコ球が供給口22から発射レール3の発射位置5と終端部の外側の側壁に開設された後記する球抜口35とのいずれにも自然に転がるように斜状に形成されている。また、球通路21の終端部の内側方に発射レール3に対して直交する方向に横軸24が設けられており、該横軸24に球供給部材18が上下方向に回動自在に軸支されている。
【0012】
前記球供給部材18は、横軸24を挿通する挿通孔25が形成された筒部26を有し、該筒部26には球入口20側に位置する球受部27aと供給口22側に位置する板状の球止部27bとが一体に設けられている。球受部27aの先端には球通路21の内側壁に開設される切欠28から球通路21内に介入する球受片部29が設けられ、その上縁は横軸24を中心とする円弧状受面として形成されている。また、筒部26に側方へ突出する作用板部26aが設けられ、該作用板部26aに後方へ突出する係合ピン30が設けられている。
【0013】
前記電磁石19は台板部17aに取着され、圧縮コイルバネ31により下方へ突出するように付勢されたプランジャー32の下端部に係止部材33が取着される。そして、該係止部材33に前記係合ピン30を遊嵌する係合孔34が設けられている。そこで、電磁石19が消磁しているときは、図5実線に示すように圧縮コイルバネ31の付勢によりプランジャー32が下方へ突出して球供給部材18が押し下げられており、球受部27aの球受辺部29が球通路21から退き、また球止部27bが供給口22を塞いでいる。一方、電磁石19が励磁すると、圧縮コイルバネ31の付勢に抗してプランジャー32が上方へ収縮し球供給部材18が引き上げられる。これに伴い、球受部27aの球受辺部29が図5鎖線に示すように下向きに回動して球通路21内に介入しパチンコ球を受け止めて一旦待機させるようになっており、また球止部27bも下向きに回動して供給口22を開き球通路21の底壁23上面に載るパチンコ球を発射レール3の発射位置5に送り出すようにしている。なお、電気的駆動手段として電磁石19の他ロータリーソレノイドなどを使用することもできる。
【0014】
前記球通路21の終端部の外側の側壁には球抜用の球抜口35が開設されており、その外側に球抜口35を介して球通路21と連通する球抜通路36が形成されている。また、球抜通路36は側板部13に開設された球導口37を介して前面板6の前側に配設される球抜樋38と連通している。更に、該球抜樋38は図13に示すように球抜きシュート39を介して下部球受皿9に連通している。球流下通路14の流下端側、すなわち流出口15近くの底面14aには図9に示すように球抜取口40が開設されており、該球抜取口40がその下方の連通路41を介して前記球抜通路36と連通している。
【0015】
42は打球供給皿8に貯留されるパチンコ球を球抜きするための球抜き部材であり、図3に示すように球抜取口40を塞ぐ底壁板43と球通路21の球抜口35を塞ぐ球止壁板44とにより一体に形成される。そして、前面板6の前側に配置されると共に、図8に示すように打球供給皿8の側板部13に開設した通孔45を介してカバー部材8b内に突出され、その先端部が側板部13から前方へ突設するガイド枠46内に往復動自在に保持されて球抜取口40と球抜口35とを同時に塞ぐようにしている。そこで、球止壁板44は球抜き方向と直交する方向に往復動するので、例えば球通路21内に待機するパチンコ球に過大な球圧が加わり球止壁板44に作用しても球止壁板44が球抜き方向に移動するようなことがなく、これにより球抜口35からパチンコ球が無用に球抜きされてしまうことが確実に防止できる。
【0016】
側板部13の前面には図8に示すように略L字形のレバー部材47が軸48により揺動自在に軸支されると共に、操作部材49が軸50により上下方向へ押圧自在に軸支されている。前記球抜き部材42には側板部13間にコイルバネ51が連結されており、常時球抜き部材42を球通路21側、すなわち底壁板43と球止壁板44とが球抜取口40と球抜口35とをそれぞれ塞ぐ位置、に付勢している。更に、前記操作部材49はレバー部材47の受止部47a上に接触状に位置して飾板部12の開口52から上方に突出されている。
【0017】
次に、このように構成されるパチンコ機の作用を説明する。打球供給皿8に貯留されるパチンコ球は一列に整列されながら前面板6の流出口15を通ってケース体17内の球通路21に流入し、図6(a),図7(a)実線のように最先端のパチンコ球B1が底壁23の上面で球止部27bに受け止められた状態で連続して待機する。
【0018】
一方、この状態で遊技者のハンドル操作により打球槌4が図5鎖線のように発射準備位置に回動されると、これに伴い電磁石19に通電され該電磁石19のプランジャー32が圧縮コイルバネ31の付勢に抗して上方へ収縮し、球供給部材18を上向きに回動させる。これによって、図6(b),図7(b)のように球止部27bが下向きに回動して供給口22を開放し、球止部27bに受け止められていたパチンコ球B1は底壁23の傾斜によつて供給口22から発射レール3の発射位置5へスムーズに転がり出る。同時に球受部27aの球受辺部29が球通路21内に介入し次のパチンコ球B2を球受辺部29で受け止めて一旦待機させる。
【0019】
次に、この状態から打球槌4が図5実線で示す発射動作位置に回動すると、電磁石19への通電が遮断され、該電磁石19のプランジャー32が圧縮コイルバネ31の付勢により下方へ突出し、球供給部材18を下向きに回動させる。これによって、図6(c),図7(c)のように球受片部29が上向きに回動して球通路21の外に退き、同時に供給口22も上向きに回動する球止部27bによって塞がれるため、球受辺部29で受け止められていたパチンコ球B2が落下して球通路21の底壁23上に載り、更に球止部27bに受け止められた状態で待機する。その後は打球槌4の往復回動動作と同期する電磁石19の励・消磁ごとに打球供給皿8のパチンコ球が1個ずつ確実に発射レール3の発射位置5に送り出される。
【0020】
このように、打球槌4が発射準備位置に回動されたとき、発射レール3の発射位置5には必ずパチンコ球が存することになるので、始め空打ちするようなことがなく連続して安定した球打ちが可能となる。また、球通路21内に流入した最先端のパチンコ球は底壁23上に受けられることから、打球供給皿8内に貯留されるパチンコ球の球圧が球供給部材18にほとんど加わることがないので、球供給部材18は極めて円滑に回動動作し、しかも、電磁石19に余分な抵抗が加わらないことから、故障の原因になるようなこともない。
【0021】
一方、打球供給皿8内のパチンコ球を下部球受皿9に抜き取る場合は、操作部材49を図8鎖線のように下方へ押圧してレバー部材47をコイルバネ51の付勢に抗して回動させる。これによって球抜き部材42がレバー部材47の長孔53に臨む係止ピン54を介してスライドし、底壁板43と球止壁板44とが図8鎖線のように移動して球抜取口40及び球抜口35を解放させる。
【0022】
これによって、図9に示すように底壁板43で受け止められていたパチンコ球B4〜B6は図10に示すようにその支持を失い連通路41を介して球抜通路36へ落下する。同時に図11に示すように球通路21内の球止壁板44で受け止められていたパチンコ球B2と続くパチンコ球B3も図12に示すようにその支持を失い球抜口35を介して球抜通路36へ落下する。そして、これらパチンコ球B2,B3,B4…は球導口37へ排出され、更に図13に示されるように球抜きシュート39を通って下部球受皿9に排出される。このようにして球抜通路36と球通路21内のパチンコ球を残すことなくすべて抜き取ることができる。
【0023】
打球供給皿8内のパチンコ球を下部球受皿9に抜き取った後、操作部材49の押圧を解除すると、コイルバネ51の付勢によってレバー部材47が図8実線位置に復帰し、同時に球抜き部材42を図8実線位置に移動させ球抜取口40を底壁板43,また球抜口35を球止壁板44でそれぞれ塞ぎ、球入口20から流入するパチンコ球を球通路21内に連続して待機させる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、垂直な球通路の終端部の底壁が球抜口側に下傾していることから、該底壁に載る最先端のパチンコ球が球止壁板に寄り掛かっていることとなり、打球供給皿のパチンコ球を抜き取る場合、球止壁板がスライドして球抜口を開放すると支持を失って球抜通路に落下するので、球通路内のパチンコ球も抜き取られることになる。これにより、打球供給装置内に残すことなく総てのパチンコ球を下部球受皿に抜き取ることができる。
【0025】
また、球通路の終端部に設けられた底壁を球通路の最先端のパチンコ球が球抜口へ導かれるよう傾斜させて設けると共に該球抜口に球抜き方向と直交する方向に往復動する球止壁板を設けるようにしたので、球通路のパチンコ球に過大な球圧が掛けられても球止壁板が移動するようなことがなく、無用に球抜きされてしまうことを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ機の正面図。
【図2】 ガラス扉枠及び前面板を解放した状態のパチンコ機の下部部分の斜視図。
【図3】 打球供給皿部分の分解斜視図。
【図4】 打球供給装置の分解斜視図。
【図5】 打球供給装置部分を一部断面にして作用を説明する正面図。
【図6】 (a)〜(c)は打球供給装置部分を一部断面にして作用を説明する概略正面図。
【図7】 (a)〜(c)は打球供給装置部分を一部断面にして作用を説明する概略側面図。
【図8】 打球供給皿部分の側面断面図。
【図9】 図8のX−X線断面図。
【図10】 作用を説明する図8のX−X線断面図。
【図11】 作用を説明する図8のX−X線断面図。
【図12】 作用を説明する図8のX−X線断面図。
【図13】 打球供給皿と下部球受皿の関連構成を示す側面断面図。
【符号の説明】
3 発射レール
4 打球槌
5 発射位置
6 前面板
8 打球供給皿
18 球供給部材
20 球入口
21 球通路
22 供給口
23 底壁
27a 球受部
27b 球止部
35 球抜口
36 球抜通路
42 球抜き部材
44 球止壁板
B1,B2 パチンコ球
Claims (1)
- 打球供給皿が装着される前面板の裏側に、前記打球供給皿のパチンコ球が流入する球入口と発射レールの発射位置にパチンコ球を送り出す供給口とを形成した垂直な球通路を設け、前記球通路の終端部の側壁に球抜通路に通ずる球抜口を開設すると共に、前記球抜口に球抜き方向と直交する方向に往復動する球止壁板を設け、前記終端部には前記供給口と連なりかつ該供給口側と前記球抜口側とのいずれの側へも下傾する底壁を設け、また前記球通路の側方に打球槌の回動に伴い上下に回動自在に軸支される球供給部材を配設し、前記球供給部材に、前記球通路に流入する最先端のパチンコ球を前記底壁上で停止させ、かつ下向きに回動させたときそのパチンコ球を前記供給口から前記発射レールの発射位置に送り出す球止部と、下向きに回動させたとき前記球入口から前記球通路に流入するパチンコ球を受け止め一担待機させる球受部と、を設けてなり、前記球止部は打球槌が発射準備位置に回動すると下向きに回動して前記供給口を開放し前記球止部に受け止められていた前記パチンコ球を前記供給口から前記発射レールの発射位置へ排出するようにし、前記打球供給皿内のパチンコ球を抜き取る場合、前記球止壁板をスライドさせて前記底壁上面に載る最先端の前記パチンコ球の支持を解除することにより前記球通路内のパチンコ球を前記球抜通路に落下させるようにしたことを特徴とするパチンコ機。
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