JP3916586B2 - リードフレームのめっき方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、曲げ加工性及び耐食性に優れ、しかも、モールド樹脂との密着性に優れたリードフレームのめっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に半導体装置(IC)は、樹脂封止部より突出するアウターリードを半田接合させてプリント基板へ実装される。アウターリードには樹脂封止後に金属膜として、鉛(以下、Pb)−錫(以下、Sn)合金膜が形成され、この金属膜と半田材(錫半田等)との接合によりプリント基板等に実装していたが、近年では地球環境に配慮するため、Pbレスの方向にあり、Pb−Sn合金膜が使用できなくなりつつある。そこで代替技術として樹脂封止前のリードフレームの表面に半田と接合性の高いニッケル(以下、Ni)/パラジウム(以下、Pd)、あるいはNi/Pd/金(以下、Au)等の金属膜を予め形成しておく(Pre−Plated Lead−Frame、以下、PPF)が広く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このPPFは以下のようなめっき方法によって製造されている。
スタンピング法又はエッチング法により作られたリードフレーム素材を脱脂、酸洗などの前処理をした後、このリードフレーム素材にNiめっき浴に浸漬してNiめっき層を形成し、その上にPdめっき層、又はPdめっき層の上にさらにAuめっき層を付着させている。なお、NiめっきはPPF以外にも半導体装置に広く採用され、例えば、自動車などの専用半導体装置において、耐熱性の要求を満たすため、又は素材となる銅や銅合金の拡散を防止するために、リードフレーム表面にまず下地Niめっきを実施し、その上に全面或いは部分的にAuめっきや銀(以下、Ag)めっきが行われている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−307711号公報
【特許文献2】
特許第3259894号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようなリードフレーム(PPF)においては、次のような問題が生じている。現行めっき方法により得られた下地Niめっき層の柔軟性が不十分であるため、IC封止後の曲げ加工の時クラックが発生し易い。すなわち、通常のNiめっきにおいて、電源からめっき素材に通じた電流は全てNiイオンからメタルNiへの還元反応に消費されず、一部分の電流は副反応として水素イオンの還元反応に消費され、この還元された水素原子の大部分は水素分子になり水素ガスとして放出されるが、その一部はNi結晶格子中に取り込まれ、Niと固溶体を形成するか又はNi結晶粒界に吸着原子として残る。その結果、Niめっき層内に残留応力と水素脆性があるため、曲げ加工の時、クラックが発生し、本来目的とする下地金属の拡散の防止、半田濡れ性及びワイヤーボンディング性を失う。
【0006】
そして、水素共析量及び水素吸蔵量は、Niめっき液の種類及びめっき条件に大きく左右される。例えば、めっき液のpHが2以下の場合又はめっき液中に塩化物が多い場合は水素共析量及び水素吸蔵量が多くなり、Ni膜の脆性及び加工性が著しく悪化する。そのために、現在、リードフレーム、特にPPFの製造に採用されている下地Niめっき液は殆どが水素共析量及び水素吸蔵量が少ないpH=3.0〜4.5のワット浴あるいはスルファミン酸Niめっき液を使用している。
【0007】
近年のICパッケージは小型化、薄型化へ進んでいるため、リードフレームとモールド樹脂との密着性の問題が顕著化しており、しかも化学的方法によりその密着性を向上させることは困難である。特に最表面にPd、Au等の貴金属めっき層を有するPPFはその最表面の貴金属がほとんど酸化しないため、モールド樹脂との密着性が低い。
そこで、PPF中の下地Niめっき層に関して緻密性が異なる複数のNi層を形成することによりモールド樹脂との密着性の向上を図る技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。すなわち下地Niめっき層の下層は平滑且つ緻密な層を形成するNiめっきにより形成され、その上層は縦方向への結晶成長を優先する脈流(パルス)のNiめっきにより形成されている。
しかしながら、このNiめっきでは上層のNiめっきに十分な表面粗さが得られず、アンカ効果が弱い。従ってモールド樹脂との密着性が不十分である。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、曲げ加工時にクラックの発生が抑制され、更には、モールド樹脂との密着性に優れたリードフレームのめっき方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的に沿う本発明に係るリードフレームのめっき方法は、鉄ニッケル合金、銅又は銅合金からなる素材金属の表面に極性反転成分を有しない直流電流又はパルス電流を用いてめっきされた、厚みが0.001〜0.1μmの平滑Niめっき層を形成する第1工程と、
前記平滑Niめっき層の上面に極性反転パルスを含む電流を用いてめっきされた、厚みが0.5〜5μmの粗面化Niめっき層を形成する第2工程と、
前記粗面化Niめっき層の上面全部又はその一部に貴金属めっき層を形成する第3工程とを有し、
しかも、前記第2工程の粗面化Niめっき層を形成する過程での極性反転パルスによって生じる減肉厚みより、前記平滑Niめっき層の厚みを十分大きくしている。
【0010】
発明に係るリードフレームのめっき方法において、前記第2工程の粗面化Niめっき層のめっき処理は、例えば、pHが2.0以下で且つハロゲンイオンを含むNiめっき液を用いて行うのが好ましい。
また、発明に係るリードフレームのめっき方法において、前記平滑Niめっき層の厚みは0.001〜0.1μmであり、前記粗面化Niめっき層の厚みは、0.5〜5μmであって、しかも、該粗面化Niめっき層の表面粗さRaは、0.1〜0.8μmであってもよい。
なお、本発明に係るリードフレームのめっき方法において、貴金属めっきとは、例えば、半田との接合性がよいPd、Pd合金、Au、Pt、Ag、Ag合金の少なくとも1からなるものをいう。また、本発明は、前記した具体的な数字に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での数値変更をすることもできる。
【0011】
発明に係るリードフレームのめっき方法において、下地めっきの第1層に極性の反転しない電流でNiめっきする平滑Niめっき層を形成した。この理由は、めっき対象物であるリードフレームとなる素材金属に、極性反転パルスを含む電流を流して形成する粗面化Niめっきを直接行うと、極性が反転する電流によって、めっき表面の金属が研磨されて(減肉する)めっき液中に溶け出してしまい、めっき液を汚染すると共に、めっき表面を母材金属によって汚染する。そこで、母材(素材金属)の上の第1層として極性の反転しない電流でNiめっきする平滑Niめっき層を形成すると、次の工程で、極性が反転するパルス電流を流しても、第1層が削られるだけで、母材は削られず、銅等の異種金属が不純物としてめっき液中に溶け出さない。従って、第1層目の平滑Niめっき層はリードフレーム材表面の溶け出し保護の役割を果たす。
【0012】
なお、第1層目の膜厚はリードフレーム素材からの金属の溶け出しに防止効果を得るために、第2層目が作られるときのアノード電流で溶けるNiの膜厚より10倍以上厚くするのが好ましい。例えば、第2層目のNiめっきをするときに採用された電流波形中の、アノード電流の電気量(アノード電流密度×通電時間)により換算したNiの溶ける膜厚が0.001μmである場合、第1層目の厚さは0.01μm以上とするのが好ましい。なお、リードフレーム材の銅など異種金属が溶けた場合、めっきムラ、欠陥等の不良の原因となる。
【0013】
そして、第2層目のNiめっきに周期的に極性が反転する電流波形、即ち極性反転パルスを採用する理由は、めっき中に周期的に極性の反転する電流を含むので、共析した水素原子、特にNiめっき層中に取り込まれた水素原子をアノード電流で除去することができる。従って水素原子の固溶又は吸蔵に起因するNiめっき層の脆性がなくなり、曲げ加工などの加工性が向上する。
また、極性が反転する電流波形を用いためっきでは、粒径の大きなNi結晶粒子が形成され易い。結晶粒子は粒径が小さいほど、表面自由エネルギーが高く不安定であるため、反転電流(溶解電流)をかけると結晶粒径が小さいものから優先的に溶ける。このように周期的に極性が反転する電流波形を用いてカソード電流とアノード電流が交互に繰り返し印加すると、結晶粒子が大きい角状又は針状の粗いNiめっき層が形成される。よって、リードフレームとモールド樹脂との間に強力なアンカー効果が生じ、強い樹脂密着性を得ることができる。更に、大きな結晶粒子のNi膜が形成されることにより熱処理(焼鈍)を加えた場合の効果と同様にNi膜が軟らかくなり、曲げ加工などの加工性をさらに向上させる。
【0014】
次に、発明に係るリードフレームのめっき方法において、第2工程の粗面化Niめっき層のめっき処理は、例えば、pHが2.0以下で且つハロゲンイオンを含むNiめっき液を用いて行うのが好ましい理由は以下の通りである。即ち、アノード電流を流すとき、通常のNiめっき溶液中でNi膜の不動態化が非常に発生し易い。そうすると、上記の微小結晶粒子の優先溶解効果を十分に発揮できず、粗い表面を有し結晶粒子が大きなNiめっき層が得られなくなる。Niめっき液中に塩素イオンのようなハロゲンイオンが存在し、且つめっき液のpHが低い場合、Niアノード溶解がスムーズに行われ0.1μm(平均粗さRa)以上の粗さが得られる。
従って、本発明において十分な粗い表面を得るためには、第2層目のNiめっき条件として、周期的に極性が反転する電流による電流波形を用いる上でpHが2.0以下で且つハロゲンイオンを含むNiめっき液が必要となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
続いて、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るリードフレームの部分断面図、図2(A)、(B)はそれぞれ極性反転パルスを含むめっき電流の説明図である。
【0016】
鉄ニッケル合金あるいは銅又は銅合金などからなるリードフレームの素材金属10(以下、LF材10という)を脱脂、酸洗し、Niめっき浴に浸漬し、極性が反転しない直流電流あるいはパルス電流を用いて、第1層目のNiめっきである平滑Niめっき層11を形成する。LF材10の溶出防止効果を得るために、第1層目のNiめっき層厚は0.01μm以上であることが望ましいが、場合によっては、以下に説明する極性反転パルス電流を制御することによって、平滑Niめっき層11の厚みを0.001〜0.1μmの範囲にすることもできる。これによって、以下に説明する極性反転パルス電流による減肉厚みを確保することができる。
【0017】
さらに、第2層目のNiめっきである粗面化Niめっき層12は、pHが2.0以下で且つハロゲンイオンを含むNiめっき液中で周期的に極性が反転する電流波形により形成される。ここで、周期的に極性が反転する電流波形とは、図2(A)に示すように、周期的に極性が単純に反転する矩形PR波だけではなく、例えば、図2(B)に示すように非対称交流波であってもよい。なお、平滑Niめっき層11と粗面化Niめっき層12によって下地めっき層が形成される。
そして、0.1μm以上の平均粗さを得るには、アノード電流(反転電流)の電気量はカソード電流の電気量の20%〜80%、周波数は10〜1000Hz(周期1〜100ms)の電流波形でめっきすることが望ましい。その平均電流密度は0.5〜20A/dm2である。なお、この粗面化Niめっき層12の厚みは、0.5〜5μmの範囲であれば、経済性を考慮して十分にその表面を粗面化することができる。なお、粗面化Niめっき層12の厚みによっては、平均粗さを最大0.8μmにすることもできる。
【0018】
第2層目のNiめっきにおいて使用するNiめっき液は、Niがスムーズに溶解するように(例えばワット浴を使用する場合)、十分な溶解活性を得るために浴のpHを0.0〜2.0に調整しなければならない。一方、このような溶解活性があれば、めっき液の組成と条件は特に制限されない。例えば、全塩化物浴や塩化物を含むスルファミン酸塩浴であってもよく、あるいは有機酸塩浴であってもよい。
なお、第2層目のNiめっき層の上に使用目的に応じて機能めっきを実施してもよい。例えば、全面あるいは部分的にPd、Au、Ag等のめっき又はこれらの合金めっきを行い、表面に貴金属めっき層13を形成する。例えば、PPFなら第2層目のNiめっき層の上にPdめっきを行いさらにその上にAuフラッシュめっきを行ってもよい。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の作用、効果を確認するために行った実施例1〜4及び比較例1〜3について説明する。
〔実施例1〕
(1)銅合金基材のリードフレーム表面に、周知の方法により脱脂及び活性化を行った後、通常のワット浴(硫酸Ni240g/L、塩化Ni45g/L、ホウ酸35g/L、pH3.5、温度60℃)を用い、電流は周期的に極性の反転しない電流波形であって、電流密度2A/dm2、めっき時間10秒の条件で第1層目のNiめっきを実施した。
(2)上記の(1)で得られたサンプルにさらに第2層目のNiめっきを施した。使用したNiめっき液はpHが1.0のワット浴(浴組成は上記(1)と同じ)であった。電流波形は周期的に極性が反転する矩形PR波で平均電流密度が5A/dm2、アノード電流(反転電流)の電気量がカソード電流の電気量の50%、周波数が20Hz(周期50ms)の条件でめっきを行った。めっき時間はトータルのNiめっき層厚が1.0μmとなるように設定した。
【0020】
〔実施例2〕
(1)銅合金基材のリードフレーム表面に、周知の方法により脱脂及び活性化を行った後に、通常のワット浴(硫酸Ni240g/L、塩化Ni45g/L、ホウ酸35g/L、pH3.5、温度60℃)を用い、電流は周期的に極性の反転しない電流波形であって、電流密度2A/dm2、めっき時間10秒の条件で第1層目のNiめっきを実施した。
(2)上記の(1)で得られたサンプルにさらに第2層目のNiめっきを施した。使用したNiめっき液はpHが1.0のワット浴(浴組成は上記(1)と同じ)であった。電流波形は周期的に極性が反転する矩形PR波で平均電流密度が5A/dm2、アノード電流(反転電流)の電気量がカソード電流の電気量の50%、周波数が20Hz(周期50ms)の条件でめっきを行った。めっき時間はトータルのNiめっき層厚が1.0μmのように設定した。
(3)その上に0.03μmのパラジウムめっき、さらにパラジウムめっきの上に0.01μmの金フラッシュめっきを実施した。
【0021】
〔実施例3〕
(1)合金基材のリードフレーム表面に、周知の方法により脱脂及び活性化を行った後に、通常のワット浴(硫酸Ni240g/L、塩化Ni45g/L、ホウ酸35g/L、pH3.5、温度60℃)を用い、電流は周期的に極性の反転しない電流波形であって、電流密度2A/dm2、めっき時間10秒の条件で第1層目のNiめっきを実施した。
(2)上記の(1)で得られたサンプルにさらに第2層目のNiめっきを施した。使用したNiめっき液はpHが1.5のワット浴(浴組成は上記(1)と同じ)であった。電流波形は周期的に極性が反転する矩形PR波で平均電流密度が5A/dm2、アノード電流(反転電流)の電気量がカソード電流の電気量の50%、周波数が20Hz(周期50ms)の条件でめっきを行った。めっき時間はトータルのNiめっき層厚が1.0μmとなるように設定した。
(3)その上に通常のシアン化銅めっき浴にて0.1μmのスポット銅めっきを施し、さらにスポット銅めっき層の表面に4.0μmのスポット銀めっき層を付けた。
【0022】
〔実施例4〕
(1)A42材(銅合金材)のリードフレーム表面に、周知の方法により脱脂及び活性化を行った後に、pHが0.5のワット浴(硫酸Ni240g/L、塩化Ni45g/L、ホウ酸35g/L、温度60℃)を用い、電流は周期的に極性の反転しない電流波形であって、平均電流密度4A/dm2、めっき時間10秒の条件で第1層目のNiめっきを実施した。
(2)上記の(1)で得られたサンプルにさらに第2層目のNiめっきを施した。使用したNiめっき液はpHが上記の(1)と同じワット浴であった。電流波形は周期的に極性が反転する矩形PR波で平均電流密度が10A/dm2、アノード電流(反転電流)の電気量がカソード電流の電気量の70%、周波数が10Hz(周期100ms)の条件でめっきを行った。めっき時間はトータルのNiめっき層厚が1.0μmとなるように設定した。
(3)その上に酸性金めっき液中で0.1μmの金めっきを実施した。
【0023】
〔比較例1〕
(1)銅合金基材のリードフレーム表面に、周知の方法により脱脂及び活性化を行った後、通常のワット浴(硫酸Ni240g/L、塩化Ni45g/L、ホウ酸35g/L、pH3.5、温度60℃)を用い、電流密度2A/dm2の条件でNiめっきを実施した。Niのめっき時間は膜厚が1.0μmとなるように設定した。
【0024】
〔比較例2〕
(1)合金基材のリードフレーム表面に、実施例2の(1)と同じ条件でNiめっきを実施した。Niめっき層厚は1.0μmであった。
(2)その上に0.03μmのパラジウムめっき、さらにパラジウムめっきの上に0.01μmの金フラッシュめっきを実施した。
【0025】
〔比較例3〕
(1)実施例4の(1)と同じ条件でNiめっきを実施した。しかし、Niめっき層厚は3.0μmであった。
(2)その上に、実施例4の(3)と同じく金めっきを実施した。
以上の実施例1〜4と比較例1〜3の評価結果を表1に示している。
【0026】
【表1】
Figure 0003916586
【0027】
表1において◎は良好、○は普通、△はやや悪い、×は不良を示す。この表1からも明らかなように、実施例1〜4に示されるリードフレームにおいては、比較例1〜3に示すリードフレームに比較して、以下のことが分かる。
(1)曲げ加工などの加工性が優れている
通常のNiめっき層が加工性が劣る主な原因は、共析した水素原子がNi膜中へ吸蔵し、膜内の残留応力が溜まるためである。本発明では、共析した水素原子をアノード電流で除去することができるため、残留応力が殆どない。そのため、得られためっき層の脆性が小さく、曲げ加工後のクラックが発生しにくい。
【0028】
(2)モールド樹脂との密着性が優れている
本発明では、第2層目のNiめっきをするとき、アノード電流を含むので、Niの析出は結晶核の生成より結晶のエピタキシャル成長の方が速くなり、Niめっき層の結晶粒径と表面粗さが大きくなり、表面が不定形の角状や針状となる。この不定形な角状/針状の表面形態により、リードフレームとモールド樹脂との間で物理的なアンカー効果が生じ、通常品に比べてモールド樹脂との密着性が約2倍になる。しかもこのようなアンカー効果はアノード電流の電気量の割合を大きくすると共に強くなる。
(3)優れた耐食性を有する
通常の直流めっきに比べて、本実施例では、アノード電流を含むので、Niめっき層への水素吸蔵などによる歪みや不純物の混入が少ない。そのために、めっき層のピンホールなどの欠陥が少なく、優れた耐食性が得られる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1〜3記載のリードフレームのめっき方法において製造されたリードフレームは、下地めっき層を、素材金属上に極性反転成分を有しない直流電流又はパルス電流を用いてめっきされた平滑Niめっき層と、平滑Niめっき層の上に極性反転パルスを含む電流を用いてめっきされた粗面化Niめっき層とによって形成しているので、下地めっき表面及びその上にめっきされる貴金属めっき層の表面が粗面化され、モールド樹脂との密着性に優れている。
そして、粗面化Niめっき層の下層に平滑Niめっき層が形成されているので、粗面化処理のために、極性反転パルスを流す場合には、リードフレームの素材金属がめっき液に溶け込んだり、あるいはめっき表面に露出することがなく、マイグレーション等に起因する製品不良の問題が生じない。
そして、粗面化Niめっき処理において、アノード電流を含むので、Niめっき層への水素吸蔵などによる歪みや不純物の混入が少なく、めっき層の欠陥が少なく、優れた耐食性が得られ、更には、得られためっき層の脆性が小さく、曲げ加工等によってめっき層にクラックが発生しにくい。
【0030】
特に、請求項記載のリードフレームのめっき方法においては、第2工程の粗面化Niめっき層のめっき処理は、pHが2.0以下で且つハロゲンイオンを含むNiめっき液を用いて行っているので、平滑Niめっき層のアノード溶解が円滑に行われ、平均粗さ(Ra)が0.1μm以上の粗面を円滑に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るリードフレームの部分断面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係るリードフレームのめっき方法に用いる極性反転成分を有する電流波形の説明図である。
【符号の説明】
10:素材金属、11:平滑Niめっき層、12:粗面化Niめっき層、13:貴金属めっき層

Claims (3)

  1. 鉄ニッケル合金、銅又は銅合金からなる素材金属の表面に極性反転成分を有しない直流電流又はパルス電流を用いてめっきされた、厚みが0.001〜0.1μmの平滑Niめっき層を形成する第1工程と、
    前記平滑Niめっき層の上面に極性反転パルスを含む電流を用いてめっきされた、厚みが0.5〜5μmの粗面化Niめっき層を形成する第2工程と、
    前記粗面化Niめっき層の上面全部又はその一部に貴金属めっき層を形成する第3工程とを有し、
    しかも、前記第2工程の粗面化Niめっき層を形成する過程での極性反転パルスによって生じる減肉厚みより、前記平滑Niめっき層の厚みが大きいことを特徴とするリードフレームのめっき方法。
  2. 請求項記載のリードフレームのめっき方法において、前記第2工程の粗面化Niめっき層のめっき処理は、pHが2.0以下で且つハロゲンイオンを含むNiめっき液を用いて行われたことを特徴とするリードフレームのめっき方法。
  3. 請求項1記載のリードフレームのめっき方法において、前記貴金属めっき層は金めっきであることを特徴とするリードフレームのめっき方法。
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