JP2001210932A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JP2001210932A
JP2001210932A JP2000016618A JP2000016618A JP2001210932A JP 2001210932 A JP2001210932 A JP 2001210932A JP 2000016618 A JP2000016618 A JP 2000016618A JP 2000016618 A JP2000016618 A JP 2000016618A JP 2001210932 A JP2001210932 A JP 2001210932A
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electrolytic
circuit
plating
plating layer
wiring board
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JP2000016618A
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Daisuke Kanetani
大介 金谷
Koji Takagi
光司 高木
Kazunobu Morioka
一信 盛岡
Shinya Nishimoto
晋也 西本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路の表面に簡易な工程にて容易に微細な凹
凸を形成することができ、更に、ライン幅及びライン間
隔が狭いファインパターンを形成する場合であっても、
回路の表面に凹凸を形成するにあたり、回路の角落ち等
の欠損を抑制することができるプリント配線板の製造方
法を提供する 【解決手段】 電解めっき工程を有する回路5形成工程
を含むプリント配線板1の製造方法である。電解めっき
工程による基材6へのめっき層2の形成と同時にめっき
層2の表面に微細な凹凸を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子機器、
電気機器、コンピュータ、通信機器等に用いられる、プ
リント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体チップやチップ部品等の電
子部品は軽薄小型化が進んでおり、これに伴い、ライン
幅及びライン間隔が100μm以下の狭ピッチであるい
わゆるファインパターンを有するプリント配線板の製造
技術が求められてきている。特にファインパターンを形
成する上での重要な項目の一つとして、回路形成時に、
例えばビルドアップ工法より絶縁層を形成しようとする
場合や、ソルダーレジストを形成しようとする場合にお
いて、絶縁層やソルダーレジストと回路との密着性を確
保するために、回路表面に微細な凹凸を形成することが
挙げられる。
【0003】従来は、回路表面に凹凸を形成するにあた
り、一旦形成された回路の表面に黒化処理等を施してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
黒化処理等による凹凸の形成では、回路を形成した後、
更に別工程として凹凸の形成を行なわなければならず、
製造工程が煩雑となるものであった。しかも、絶縁層4
の表面に回路5が形成されているプリント配線板の回路
5に凹凸を形成しようとすると、図6(a)(b)に示
すようにライン幅及びライン間隔が広い場合には、凹凸
の形成後も回路5の形状を維持することができるが、図
6(c)(d)に示すようにライン幅及びライン間隔が
狭い場合には、凹凸の形成後は、回路5の角部が欠損し
て回路5表面がほぼ曲面形状となり、インピーダンス制
御や表面の部品実装に関する性能が著しく低下するもの
であった。この傾向は、形成しようとするパターンが狭
ピッチになればなるほど著しいものであった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、回路の表面に簡易な工程にて容易に微細な凹凸を
形成することができ、更に、ライン幅及びライン間隔が
狭いファインパターンを形成する場合であっても、回路
の表面に凹凸を形成するにあたり、回路の角落ち等の欠
損を抑制することができるプリント配線板の製造方法を
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
プリント配線板の製造方法は、電解めっき工程を有する
回路5形成工程を含むプリント配線板1の製造方法にお
いて、電解めっき工程時に、基材6にめっき層2を形成
すると共にめっき層2の表面に微細な凹凸を形成するこ
とを特徴とするものである。
【0007】また請求項2の発明は、請求項1の構成に
加えて、電解めっき工程における電解電流の波形を、通
電方向が交互に反転するパルス波形とすることにより、
めっき層2を形成すると共にめっき層2の表面に微細な
凹凸を形成することを特徴とするものである。
【0008】また請求項3の発明は、請求項2の構成に
加えて、基材6側がアノードとなる場合の電解電流の電
流密度を、基材6側がカソードとなる場合の電解電流の
電流密度の1〜5倍の範囲とし、基材6側がカソードと
なる場合の電解電流のパルス波形のパルス幅を、基材6
側がアノードとなる場合の電解電流のパルス波形のパル
ス幅の10〜100倍の範囲として成ることを特徴とす
るものである。
【0009】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかの構成に加えて、電解めっき工程により基材6
に銅のめっき層2を形成することを特徴とするものであ
る。
【0010】また請求項5の発明は、請求項2乃至4の
いずれかの構成に加えて、電解めっき工程に用いるめっ
き液として、硫酸、硫酸銅、塩素イオン及び有機化合物
からなる添加剤を含有するものを用いることを特徴とす
るものである。
【0011】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかの構成に加えて、給電用の金属被膜3が形成さ
れた基材6に、回路パターンとは逆のパターン形状を有
するめっきレジスト7を形成した後、電解めっき工程に
より回路5形成を行なうことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0013】基材6としては、絶縁層4の表面に給電用
の金属被膜3が形成されたものを用いることができ、例
えば一つの絶縁樹脂層のみからなる単層板の片面又は両
面に金属被膜3として無電解銅めっき層等の無電解金属
めっき被覆を形成したものや、片面又は両面金属箔張積
層板や、あるいは複数の絶縁樹脂層と回路5層とが交互
に積層されると共に最外層に金属被膜3として無電解金
属めっき層や金属箔3aが配置された多層板等を挙げる
ことができる。
【0014】以下、基材6として両面金属箔張積層板を
用いた場合を例に挙げて説明する。
【0015】両面金属箔張積層板としては、プリント配
線板製造用に用いられているものであれば特に限定され
ないものであり、例えばガラス不織布にエポキシ樹脂組
成物等の熱硬化性樹脂組成物を含浸させ、加熱乾燥して
得られるプリプレグを一又は複数枚積層し、両側に銅箔
等の金属箔3aを配置して加熱加圧成形して一体化した
ものを用いることができる。この両面金属箔張積層板
の、絶縁層4の両側に配置されている金属箔3aが、給
電用の金属被膜3として機能する。
【0016】一方、電解めっき浴としては、銅電解めっ
き浴を用いる場合は、硫酸、硫酸銅、塩素イオン等を含
有するものを用いることができる。このとき硫酸濃度は
100〜200g/L、硫酸銅濃度は60〜150g/
L、塩素イオン濃度は40〜50ppmとすることが好
ましい。
【0017】また、この銅電解めっき浴には、有機化合
物からなる添加剤を配合することが好ましい。この添加
剤としては、めっき層2の結晶粒子の微細化、光沢化、
レベリング、膜厚の均一化などの目的で配合されるもの
を用いることができる。このような添加剤は、通常の通
電方向を反転させない電解めっき工程において、めっき
層形成面に吸着して表面の反応を阻害し、結晶の多核化
が行なわれて、結晶の微細化、光沢化、レベリングの向
上、物性の向上、均一電着性の向上が行なわれるもので
ある。
【0018】このような添加剤としては、光沢剤、キャ
リアー、レベリング剤として分類されるものをそれぞれ
用いることができる。
【0019】光沢剤としては、チオ尿素、アクリルチオ
尿素、メルカプトアクリルスルフォン酸、ジスルフィ
ド、チオカルボン酸アミド、チオカルバミン酸化合物等
の、低分子量で吸着性の強い双極子分子である有機硫黄
化合物、ゼラチン、にかわ、カゼイン等のタンパク質
類、フェノール、フェノールスルホン酸、糖密、ブドウ
糖等の糖類などを、主成分とするものを用いることがで
きる。
【0020】キャリアーとしては、ポリエーテル、ポリ
オキシエーテル、分子量2000〜6000のポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール等の、炭素
−炭素結合を主鎖に持つと共にC−O結合を持つ親和力
の大きいポリマーを用いることができ、めっき層2のレ
ベリング性を改善することもできる。
【0021】レベリング剤としては、ポリアミン化合物
等のような、中程度の分子量の正の電荷を持ったアミ
ド、アミン等の窒素含有の界面活性剤を用いることがで
き、これらを用いてめっき層2の表面のレベリング性を
向上させることもできる。
【0022】このような有機化合物からなる添加剤の配
合量は、5〜50mL/Lの範囲とすることが好まし
い。
【0023】基材6を電解めっき浴中に浸漬し、電解め
っき浴と金属被膜3に電解電流を通電することにより、
基材6の金属被膜3上に銅などによるめっき層2を生成
する。このめっき層2の形成のための電解めっき工程に
おいて、電解電流の通電方向を交互に反転させることに
より、基材6側がアノードとなる状態と、基材6側がカ
ソードとなる状態を交互に現出させる。このときの電解
電流の波形は、例えば図3に示すように、通電方向が交
互に瞬時に反転する矩形状のパルス波形とすることがで
きる。図示のように、電解電流は、基材6側がアノード
(又はカソード)となる状態で一定の電流密度Fcで電
解電流を一定時間Tcだけ通電した後、基材6がカソー
ド(又はアノード)となるように通電方向が瞬時に反転
し、この状態で一定の電流密度Faで電解電流を一定時
間Taだけ通電した後、更に基材6がアノード(又はカ
ソード)となるように通電方向が瞬時に反転するもので
あり、このような動作を繰り返し行なうことにより、電
解電流の通電方向を交互に反転させ、基材6側がアノー
ドとなる状態と基材6側がカソードとなる状態とを交互
に現出させるものである。
【0024】このようにして電解電流の通電方向を交互
に反転させることにより、金属の析出(電析)によるめ
っき層2の成長と、めっき層2の溶解とが交互に繰り返
され、それに従って部分的にめっき層2の成長にムラが
生じて、凹凸が形成されるものである。
【0025】このとき、特に、電解めっき浴中に上記の
ような有機化合物からなる添加剤を配合している場合
は、次に示すような機構でめっき層2が形成されること
におり、めっき層2の結晶の微細化等による物性の向上
と共に、めっき層2の表面の凹凸の形成を促進して、め
っき層2に安定した粗面を形成することができるもので
ある。
【0026】基材6にめっき層2を形成する電解めっき
工程においては、基材6側がカソードとなる場合は、基
材6上における銅の析出(電析)が起こってめっき層2
が成長する。このとき、電解めっき浴中に存在する、め
っき層2の結晶化を抑制し、あるいはめっき層2のレベ
リング性を高めるための有機化合物からなる添加剤は、
アノードの負の電位に引き寄せられて基材6側に移動
し、基材6の表面に達することで、めっき層2の結晶化
の抑制やレベリングの効果を発揮する。
【0027】一方、基材6側がアノードとなる場合は、
めっき層2の銅が電解めっき浴に溶解することとなる。
このとき、基材6の表面に存在する上記の添加剤は、基
材6から離れる方向に移動する。
【0028】このように、基材6側がカソードとなる状
態とアノードとなる状態を交互に現出されると、めっき
層2の結晶化を抑制し、あるいはめっき層2のレベリン
グ性を高めるための有機化合物からなる添加剤は、基材
6側への移動と基材6から離れる側への移動を繰り返し
行ない、そのため、基材6側がカソードとなってめっき
層2が成長する状態で、基材6表面における添加剤の分
布むらが発生することととなる。その結果、めっき層2
には、めっき層2の結晶化が抑制され、あるいはめっき
層2がレベリングされた部分と、めっき層2が結晶化さ
れ、あるいはめっき層2がレベリングされてない部分と
が、ミクロに入り組んだ微細な凹凸が形成される。この
微細な凹凸により、めっき層2の表面を、2μm以下の
表面粗度である微細な粗面として形成することができる
ものであり、この凹凸は、こぶめっきと呼ばれるめっき
層2の大きな凹凸とは明らかに区別できるものである。
また、このときめっき層2には、結晶化された箇所は部
分的にしか形成されないので、めっき層2の強度の極端
な脆性化が抑制されている。
【0029】電解電流の波形としては、図3に示す矩形
状のパルス波のように、電解電流の通電方向が瞬時に反
転して、基材6側がカソードである状態の電解電流のパ
ルスと、アノードである状態の電解電流のパルスの間
に、通電出力のない状態が存在しないようなパルス波形
であることが好ましい。このようにすると、有機化合物
からなる添加剤の、基材6表面におけるミクロな分布む
らが容易に現出し、めっき層2に微細な凹凸を効率よく
形成することができる。
【0030】ここで、基材6側がアノードとなる場合
(すなわちめっき層2の金属が溶解する場合)の電解電
流の電流密度Faを、基材6側がカソードとなる場合
(すなわちめっき層2に金属が析出する場合)の電解電
流の電流密度Fcの1〜5倍の範囲とし、更に、基材6
側がカソードとなる場合の電解電流のパルス波形のパル
ス幅(通電時間)Tcを、基材6側がアノードとなる場
合の電解電流のパルス波形のパルス幅(通電時間)Ta
の10〜100倍の範囲とすることが好ましい。この場
合、基材6側がカソードとなる場合の通電量が、アノー
ドとなる場合の通電量よりも大きくなって、めっき層2
の成長が確保されるものであり、しかも、めっき層2の
表面に、表面粗度が2μm以下の微細な凹凸を安定して
形成することができるものである。
【0031】パルス幅の具体的な値としては、基材6側
がカソードとなる場合のパルス幅Tcを好ましくは15
〜55ミリ秒、更に好ましくは30〜40ミリ秒とする
ものであり、またこの場合、基材6側がアノードとなる
場合のパルス幅Taは、特に好ましくは2ミリ秒とする
ものである。
【0032】一方、電解電流密度の値は、基材の種類や
電解めっき液の種類等の電解条件によって種々変動する
が、基材6側がカソードとなる場合の電解電流密度Fc
を、通常の一方向のみの通電の場合において適用される
電解電流密度の1.2〜1.3倍の範囲とすることが好
ましく、一般的には、好ましくは1.0〜5.0A/d
2の範囲とするものである。
【0033】特に好適な電解めっき条件の一例を挙げる
ならば、板厚1.0mmの基材6に対してパターン率3
0%のパターンめっきを施す場合に、基材6側がカソー
ドとなる場合のパルス幅Tcを40ミリ秒、電解電流密
度Fcを1.5A/dm2とし、基材6側がアノードと
なる場合のパルス幅Taを2ミリ秒、電解電流密度Fa
を4.5A/dm2として、この条件で60分間処理を
行なうものである。
【0034】このようなめっき層2にて、プリント配線
板1の回路5を形成する方法を例示する。
【0035】図1に示すように、まず、基材6である両
面金属箔張積層板の表面に、回路パターンとは逆のパタ
ーンを有するめっきレジスト7を形成する。このめっき
レジスト7は、感光性のドライフィルムを貼着したり、
あるいは感光性の液状樹脂組成物を塗布した後、回路パ
ターンとは逆のパターンを有するマスクフィルムを介し
て露光硬化し、未露光部分を現像除去することにより形
成することができる。ここで紫外線硬化性のドライフィ
ルムや液状樹脂組成物は、不飽和ポリエステル、適宜の
不飽和モノマー、光重合開始剤等からなる感光性樹脂組
成物や、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、水
溶性セルロース樹脂、光重合開始剤、(メタ)アクリレ
ートモノマー等からなる感光性樹脂組成物から形成する
ことができ、このとき現像液としては、1%Na2CO3
水溶液等の弱アルカリ溶液を用いることができる。
【0036】次に、基材6を電解めっき浴に浸漬し、既
述のような条件で、めっきレジスト7に覆われていない
金属箔3a(金属被膜3)の表面に、銅などのめっき層
2を形成する。このめっき層2の厚みは特に限定はしな
いが、5〜40μmの範囲とすることが好ましい。
【0037】次に、めっきレジスト7を3%NaOH溶
液等の強アルカリ溶液で除去し、基材6表面にソフトエ
ッチング処理を施して、めっき層2が形成されていない
部分の金属箔3a(金属被膜3)を除去し、残存する金
属箔3a(金属被膜3)とめっき層2からなる回路5が
形成される。
【0038】また、図2に示す例では、まず、基材6で
ある両面金属箔張積層板を電解めっき浴に浸漬し、既述
のような条件で、表面の金属箔3a(金属被膜3)の表
面全面に、めっき層2を形成する。このめっき層2の厚
みは特に限定はしないが、5〜50μmの範囲とするこ
とが好ましい。
【0039】次に、めっき層2の表面に、回路パターン
と同一のパターンを有するエッチングレジスト8を形成
する。このエッチングレジスト8は、感光性のドライフ
ィルムを貼着したり、あるいは感光性の液状樹脂組成物
を塗布した後、露光硬化し、未露光部分を現像除去する
ことにより形成することができる。感光性のドライフィ
ルムや液状樹脂組成物、並びに現像液としては、上記の
めっきレジスト7の場合と同様のものを用いることがで
きる。
【0040】次に、基材6を塩化第二銅溶液等のエッチ
ング液に浸漬してエッチング処理を施し、エッチングレ
ジスト8に覆われていないめっき層2及び金属箔3a
(金属被膜3)を除去する。
【0041】次に、エッチングレジスト8を3%NaO
H溶液等の強アルカリ溶液で除去することにより、残存
する金属箔3a(金属被膜3)とめっき層2からなる回
路5が形成される。
【0042】このように形成される回路5の上面は、め
っき層2にて形成されることとなり、全体的には平坦に
形成され、更に微細な凹凸が形成される。そのため、更
に黒化処理等の別途の粗面化処理を施さなくても、ビル
ドアップ工法により回路5の上面に更に絶縁層と回路を
積層成形する場合や、回路5の上面に絶縁樹脂によるソ
ルダーレジストを形成しようとする場合などにおいて、
絶縁層やソルダーレジスト等と回路5との密着性を確保
することができるものである。
【0043】しかも、めっき層2の成長過程においてそ
の上面に凹凸が形成されるので、めっき層2にて形成さ
れる回路5には、回路5のライン幅とライン間隔が狭い
ファインパターンを形成する場合であっても、角落ち等
の欠損が発生せず、回路5の上面は全体的には平坦に形
成されるものである。従って、回路5の欠損により回路
5が設計当初のインピーダンス値を有しなくなる等のイ
ンピーダンス制御の不具合が発生したり、回路5表面が
曲面に形成されることにより表面実装用の電子部品等を
搭載する場合に電子部品の端子が回路5表面に安定して
載置されない等の部品実装の不具合が発生したりするこ
とを、防止することができるものである。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0045】(実施例1〜5)基材6としては、両面銅
張積層板(松下電工株式会社製;品番「R1766
t」;板厚1.0mm、銅箔厚18μm)を用いた。
【0046】電解めっき浴としては、硫酸銅・5水和物
を80g/L、硫酸を120g/L、塩素イオンを50
ppm、添加剤としてはアトテック社製の商品名「カパ
ラパルスS3」を25mL/Lと、アトテック社製の商
品名「光沢剤カパラパルス」を0.6mL/L含有する
ものを用いた。
【0047】基材6を電解めっき浴に浸漬し、表1に示
す矩形状のパルス波形を有する電解電流を通電して、基
材6の両面の金属被膜3の表面全面に、厚み20μmの
めっき層2を形成した。
【0048】(実施例6〜10)実施例1〜5の場合と
同様の基材6及び電解めっき浴を用いた。
【0049】基材6の両面に、紫外線硬化性のドライフ
ィルム(旭化成社製;品番「AQ−4093」)を貼着
し、露光現像して回路パターンとは逆のパターンを有す
るめっきレジスト7を形成した。
【0050】この基材6を電解めっき浴に浸漬し、表1
に示す特性を有する矩形状のパルス波形を有する電解電
流を通電して、基材6の両面の金属被膜3の表面全面
に、厚み20μmのめっき層2を形成した。
【0051】更に、めっきレジスト7を除去した後、基
材6の両面にソフトエッチング処理を施してめっき層2
が形成されていない部分の金属箔3aを除去し、ライン
幅50μm、ライン間隔50μmの回路5を形成した。
【0052】(比較例1)電解電流を2.0A/dm2
の電解電流密度とし、通電方向を反転させなかった以外
は、実施例1〜5と同様に行なった。
【0053】(比較例2)電解電流を2.0A/dm2
の電解電流密度とし、通電方向を反転させなかった以外
は、実施例6〜10と同様に行なった。
【0054】(評価)実施例1〜5で形成されためっき
層2の表面、及び実施例6〜10で形成された回路5の
表面の表面粗度を、触針式表面粗度計にて測定した。こ
の結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1から明らかなように、比較例1,2で
は表面粗度が0であったのに対して、各実施例において
はめっき層の表面の粗面化が達成された。
【0057】また、実施例1にて形成されためっき層及
び実施例2にて形成された回路の表面を、走査電子顕微
鏡(SEM)にて観察した。その観察結果を撮影した写
真を図4、5にそれぞれ示す。尚、図4は平面視、図5
は斜視における観測結果である。図示の写真に示すよう
に、めっき層や回路の表面には、微細な凹凸が形成され
ていることが確認された。
【0058】
【発明の効果】上記のように、本発明の請求項1に係る
プリント配線板の製造方法は、電解めっき工程を有する
回路形成工程を含むプリント配線板の製造方法におい
て、電解めっき工程による基材へのめっき層の形成と同
時にめっき層の表面に微細な凹凸を形成するため、めっ
き層によって形成される回路の表面には予め微細な凹凸
が形成されていることとなり、黒化処理等の粗面化処理
を別途に施さなくても、ビルドアップ工法等により回路
の上面に更に絶縁層や回路を積層成形する場合や、回路
の上面に絶縁樹脂等によるソルダーレジストを形成しよ
うとする場合などにおいて、絶縁層やソルダーレジスト
等と回路との密着性を確保することができるものであ
る。
【0059】また請求項2の発明は、請求項1の構成に
加えて、電解めっき工程における電解電流の波形を、通
電方向が交互に反転するパルス波形とすることにより、
めっき層の形成と同時にめっき層の表面に微細な凹凸を
形成するため、めっき層の成長過程においてその上面に
微細な凹凸が形成されこととなって、めっき層にて形成
される回路には、角落ち等の欠損が発生せず、回路の上
面は全体的には平坦に形成され、回路の欠損により回路
が設計当初のインピーダンス値を有しなくなる等のイン
ピーダンス制御の不具合が発生したり、回路表面が曲面
に形成されることにより表面実装用の電子部品等を搭載
する場合に電子部品の端子が回路表面に安定して載置さ
れない等の部品実装の不具合が発生したりすることを、
防止することができるものである。
【0060】また請求項3の発明は、請求項2の構成に
加えて、基材側がアノードとなる場合の電解電流の電流
密度を、基材側がカソードとなる場合の電解電流の電流
密度の1〜5倍の範囲とし、基材側がカソードとなる場
合の電解電流のパルス波形のパルス幅を、基材側がアノ
ードとなる場合の電解電流のパルス波形のパルス幅の1
0〜100倍の範囲とするため、基材側がカソードとな
る場合の通電量が、アノードとなる場合の通電量よりも
大きくなって、めっき層の成長が確保されるものであ
り、しかも、めっき層の表面に、微細な凹凸を安定して
形成することができて、めっき層にて形成される回路
と、回路の上面に形成される絶縁層やソルダーレジスト
等との密着性を充分に確保することができるものであ
る。
【0061】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかの構成に加えて、電解めっき工程により基材に
銅のめっき層を形成するため、銅のめっき層によって形
成される回路の表面には予め微細な凹凸が形成されてい
ることとなり、黒化処理等の粗面化処理を別途に施さな
くても、ビルドアップ工法等により回路の上面に更に絶
縁層や回路を積層成形する場合や、回路の上面に絶縁樹
脂等によるソルダーレジストを形成しようとする場合な
どにおいて、絶縁層やソルダーレジスト等と回路との密
着性を確保することができるものである。
【0062】また請求項5の発明は、請求項2乃至4の
いずれかの構成に加えて、電解めっき工程に用いるめっ
き液として、硫酸、硫酸銅、塩素イオン及び有機化合物
からなる添加剤を含有するものを用いるため、電解めっ
き工程における電解電流の通電方向の反転により、基材
表面における有機化合物からなる添加剤の分布むらを発
生させることができ、その結果、めっき層における凹凸
の形成を促進することができるものである。
【0063】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかの構成に加えて、給電用の金属被膜が形成され
た基材に、回路パターンとは逆のパターン形状を有する
めっきレジストを形成した後、電解めっき工程により回
路形成を行なうため、めっき層によって形成される回路
の表面には予め微細な凹凸が形成されていることとな
り、黒化処理等の粗面化処理を別途に施さなくても、ビ
ルドアップ工法等により回路の上面に更に絶縁層や回路
を積層成形する場合や、回路の上面に絶縁樹脂等による
ソルダーレジストを形成しようとする場合などにおい
て、絶縁層やソルダーレジスト等と回路との密着性を確
保することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a)乃至(e)は断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示すものであり、
(a)乃至(e)は断面図である。
【図3】電解めっき工程における電解電流の波形を示す
グラフである。
【図4】実施例1にて形成されためっき層の平面視にお
けるSEM写真の複写物である。
【図5】実施例2にて形成された回路の斜視におけるS
EM写真の複写物であるる。
【図6】(a)及び(b)は従来技術の一例を、(c)
及び(d)は従来技術の他例をそれぞれ示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 プリント配線板 2 めっき層 5 回路 6 基材 7 めっきレジスト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 盛岡 一信 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 西本 晋也 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4K023 AA19 BA06 CA04 CB14 CB33 DA11 4K024 AA09 AB01 AB19 BA09 BB09 BC01 CA08 GA12 5E343 BB24 BB67 CC78 DD43 DD46 DD76 ER18 ER26 GG03 GG20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解めっき工程を有する回路形成工程を
    含むプリント配線板の製造方法において、電解めっき工
    程時に、基材にめっき層を形成すると共にめっき層の表
    面に微細な凹凸を形成することを特徴とするプリント配
    線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 電解めっき工程における電解電流の波形
    を、通電方向が交互に反転するパルス波形とすることに
    より、めっき層を形成すると共にめっき層の表面に微細
    な凹凸を形成することを特徴とする請求項1に記載のプ
    リント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 基材側がアノードとなる場合の電解電流
    の電流密度を、基材側がカソードとなる場合の電解電流
    の電流密度の1〜5倍の範囲とし、基材側がカソードと
    なる場合の電解電流のパルス波形のパルス幅を、基材側
    がアノードとなる場合の電解電流のパルス波形のパルス
    幅の10〜100倍の範囲として成ることを特徴とする
    請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 電解めっき工程により基材に銅のめっき
    層を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 電解めっき工程に用いるめっき液とし
    て、硫酸、硫酸銅、塩素イオン及び有機化合物からなる
    添加剤を含有するものを用いることを特徴とする請求項
    2乃至4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 給電用の金属被膜が形成された基材に、
    回路パターンとは逆のパターン形状を有するめっきレジ
    ストを形成した後、電解めっき工程により回路形成を行
    なうことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    のプリント配線板の製造方法。
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