JP3909966B2 - 籾摺選別機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、籾を脱ぷして風選する脱ぷ風選部に、脱ぷ風選部からの混合米を選別する選別部を壺穴式選別ユニットと揺動式選別ユニットとの組み替えにより形態の異なるものに変換可能にした籾摺選別機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、脱ぷ風選部からの混合米を選別する選別部を異種の選別ユニットの組み替えにより形態の異なるものにするという技術は、例えば特開平5−250号公報などによって公開されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術のものは、脱ぷ風選部と異種の選別ユニットを載置する機台なるものが一体物でなく、組み替え作業において脱ぷ風選部との取り合わせが狂い脱ぷ風選部と選別ユニット相互の穀粒の受け渡しにおいて不具合を生じるばかりでなく、脱ぷ風選部の脱ぷロ−ル軸は混合米移送用コンベヤ軸と平行ではあるが機台に対して前後方向の向きになり、これに対して壺穴式選別ユニットの選別胴の回転軸芯方向と揺動式選別ユニットの揺動選別盤の揺動方向は何れも左右方向になって直交し、動力の伝達が複雑になってコスト高になるなどの欠点を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は前項に記載の欠点を解消するを目的として創作したもので、籾を脱ぷし風選する脱ぷ風選部と、脱ぷ風選部からの混合米を選別する選別部とからなる籾摺選別機であって、機台上に脱ぷ風選部をその脱ぷロ−ル軸を左右方向にして設置し、選別部は壺穴式選別ユニットまたは揺動式選別ユニットで構成したもので、各選別ユニットを機台から右側方または左側方に延設する延出機台上に着脱自在に載置して壺穴式と揺動式の選別ユニットを変換可能にすることにより、壺穴式選別ユニットと揺動式選別ユニットの脱ぷ風選部への組み替えにより形態の異なる壺穴式籾摺選別機と揺動式籾摺選別機に変換するとき、各選別ユニットの脱ぷ風選部への取り合わせが容易かつ確実になる。
【0005】
また、脱ぷ風選部における選別風起風用の吸引ファンを脱ぷロ−ル上に設けた籾漏斗の手前がわと反対がわの後側に位置させるとともに、その吸引ファンケ−スの前側部を籾漏斗内に入り込ませたから、脱ぷ風選部の前後長が圧縮されて機体はコンパクトになるのである。
【0006】
また、壺穴式選別ユニットまたは揺動式選別ユニットにより選出した籾を籾漏斗に還元させる過程において、還元籾中に含有する粉塵を吸引ファンによって吸出し籾殻と共に機外に排出するようにしたことによって、別途の除塵手段を施すことなく還元籾中に含有する粉塵が取り除かれ脱ぷ風選作用が向上される。
【0007】
その場合、籾漏斗の隅部上に、一側面を吸引ファンケ−ス内に連通する拡散ケ−スを設け、この拡散ケ−ス内に還元籾を投出し該ケ−ス内を通して籾漏斗に返す構成にすることにより、拡散ケ−ス内に投出し飛散するものに吸引ファンの吸引風が作用するようになって、還元籾中の粉塵の除去が有効に行える。
【0008】
また、壺穴式選別ユニットの選別胴の回転軸芯と揺動式選別ユニットの揺動選別盤の揺動方向を共に左右方向にして延出機台上に載置可能にしたから、壺穴式選別ユニットを組み合わせた場合は、脱ぷ風選部からの伝動経路が単純化され、揺動式選別ユニットの場合には揺動選別盤による機体の振動を抑止して選別作用が良好に行われる。
【0009】
更に、壺穴式選別ユニットにおける選別胴の排出がわを脱ぷ風選部がわにし、揺動式選別ユニットにおける揺動選別盤の揺動方向の盤面の傾きを脱ぷ風選部がわ下がりのものにして、右側方に延設する延出機台には該機台下面から出没する移動用車輪を附設することにより、籾摺作業の終了時には移動用車輪によって選別胴内または揺動選別盤上の残粒の排出が速やかになるとともに。移動も容易になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、この発明による籾摺選別機に関して図面を参照し具体的に説明すると、(1)は機台、(1a)はこの機台(1)から右側方に延設する延出機台であって、その機台(1)上に籾を脱ぷし風選する脱ぷ風選部(A)を、延出機台(1a)上には脱ぷ風選部(A)からの混合米を選別する選別部(B)がそれぞれ配置されるのであって、選別部(B)は壺穴式選別ユニット(B1)または揺動式選別ユニット(B2)で構成され延出機台(1a)上に着脱自在に載置されるようになっている。
【0011】
そこで、先ず脱ぷ風選部(A)について図2〜図5および図6により記載することにする。(A1)は一対の脱ぷロ−ル(4)と脱ぷロ−ル(4)上に設けられた籾漏斗(5)とからなる脱ぷ部、(A2)は選別風起風用の吸引ファン(3)を備えて下方から上方に向けて選別風を吹流させる吸引選別風路(11)を形成する風選部であって、脱ぷ部(A1)は吸引選別風路(11)に向け流穀板(12)が斜設されて摺落物流路(13)が形成され、この流路(13)が吸引選別風路(11)下部の始端がわに連通して脱ぷ部(A1)からの摺落物を風選部(A2)で風選し籾殻や粃などを機外に排出するのである。
【0012】
そして、脱ぷ部(A1)は機台(1)の手前がわつまり前側になり、風選部(A2)はその吸引選別風路(11)を脱ぷ部(A1)にそわせて後側に設けたもので、前記の吸引ファン(3)は脱ぷロ−ル(4)上に設けた籾漏斗(5)の手前がわと反対がわの後側に位置させて、吸引ファンケ−ス(6)の前側部を籾漏斗(5)内に入り込ませ、吸引選別風路(11)上部の終端がわを吸引ファンケ−ス(6)の右側部に開口する吸入口(14)に連通し、その吸引選別風路(11)の前側には副吸引選別風路(15)を形成して、この風路(15)の終端がわを吸引ファンケ−ス(6)の左側部に開口する吸入口(16)に連通している。
【0013】
また、前記流穀板(12)の下部は凹面に湾曲し、その凹面に接続して斜め下方に向かう斜板(17)を有する混合米樋(18)を設け、前記凹面上には摺落物流路(13)を流下するものを吸引選別風路(11)に跳ね出す跳出翼車(19)を横架し、混合米樋(18)には右方向に送る混合米コンベヤ(20)を内装している。
【0014】
(21)は前記吸引選別風路(11)の途中に開口する粃落下口で、その粃落下口(21)の下方には左方向に送る粃コンベヤ(22)を内装するところの粃樋(23)が横設され、前記混合米樋(18)の前側には斜め上方に向け延出する斜板(24)を有する返り籾樋(25)を横設し、この樋(25)内に左方向に送る返り籾コンベヤ(26)を内装している。
【0015】
そして、(M)は脱ぷ部(A1)下方の空間に設置した動力源である電動モ−タで、この電動モ−タ(M)の軸と脱ぷロ−ル(4)の脱ぷロ−ル軸(2)と吸引ファン(3)の吸引ファン軸(27)と跳出翼車(19)の軸(28)および返り籾コンベヤ(26)と混合米コンベヤ(20)と粃コンベヤ(22)の各移送用コンベヤ軸(29)(30)(31)は左右方向に平行であって、脱ぷ風選部(A)の右側面にそって設けたベルト伝達手段(D1)によって駆動している。
【0016】
即ち、図11にも示すように、電動モ−タ(M)からベルト(32)により脱ぷロ−ル軸(2)を駆動し、この脱ぷロ−ル軸(2)からベルト(33)を介して伝動するのであるが、跳出翼車(19)の軸(28)には遊転プ−リ(34)が嵌合し、この軸(28)を除いて吸引ファン軸(27)と各移送用コンベヤ軸(29)(30)(31)を伝動し図5に矢印(イ)で示す方向にそれぞれ回転させている。
【0017】
また、籾漏斗(5)の左後部がわの隅部上に底無しの拡散ケ−ス(7)を設け、その拡散ケ−ス(7)の吸引ファンケ−ス(6)がわの一側面に目抜き穴(35)を形成し、この目抜き穴(35)を通して拡散ケ−ス(7)内を左側部の吸入口(16)に連通するとともに、返り籾樋(25)の左側端部を脱ぷ風選部(A)の左側面にそって立設するスロワ−式の返り籾揚穀機(36)により拡散ケ−ス(7)内に連通し、図6に示すように、還元籾を拡散ケ−ス(7)内に矢印(ロ)のように投入し衝撃によって拡散させ籾中に含有する粉塵を矢印(ハ)のように吸引ファンケ−ス(6)内に吸出するようにしている。
【0018】
(37)は脱ぷ風選部(A)の右側部の後側にそって立設したバケット式の混合米揚穀機で、混合米コンベヤ(20)により右方向に送られたものを受け入れて揚上し選別部(B)に供給するようにしてある。なお、(38)は壺穴式選別ユニット(B1)または揺動式選別ユニット(B2)によって選出された籾を返り籾樋(25)に返すため開口した籾還元口であり、(39)は揺動式選別ユニット(B2)により選別された混合米を混合米樋(18)に返すための混合米還元口である。
【0019】
次に、選別部(B)のうち、壺穴式選別ユニット(B1)について図8〜図10により記載すると、(8)は内周面に無数の壺穴を形成した選別胴で、その選別胴(8)は回転軸芯を左右方向にして延出機台(1a)上に載置され脱ぷ風選部(A)に並設されるのである。
【0020】
即ち、選別胴(8)は手前がわの前側と後側とに左右方向に横架する駆動輪軸(40)(41)に軸着する数個の駆動輪(42)により支承されて回転し、選別胴(8)内には右方向に送る混合米コンベヤ(43)を内装する混合米受樋(44)と、左方向へ送る玄米コンベヤ(45)を内装する玄米受樋(46)を段違いに挿架し、その混合米受樋(44)の左側の始端がわから混合米供給筒(47)が立設して、混合米供給筒(47)の上端部を前記混合米揚穀機(37)の投出がわに接続自在にし、右側の終端がわには混合米を選別胴(8)の内周面に落下させる供給口(48)を開口している。
【0021】
また、玄米受樋(46)の左側の終端がわからは玄米を前側に導出する玄米取出樋(49)が連結され、選別胴(8)の左側にはこの内周面から流出するものを受ける籾取出樋(50)が設けられて、その籾取出樋(50)の下端部を前記脱ぷ風選部(A)の籾還元口(38)に接合自在にし、玄米取出樋(49)の下端部は壺穴式選別ユニット(B1)の前側にそって立設するバケット式玄米揚穀機(51)の下部に連結している。
【0022】
(52)は軸(53)により支持されて選別胴(8)内の混合米の流量を検出するセンサ−であり、(54)は後述する移動用車輪(10)の出没動作を行わせるハンドル(55)を外部に延出するための開口である。
【0023】
そして、前記の駆動輪軸(40)(41)と混合米コンベヤ軸(56)および玄米コンベヤ軸(57)は図11にも示してあるように、壺穴式選別ユニット(B1)の左側面にそって掛け廻したベルト(58)によるベルト伝達手段(D2)によって伝動され、図10に矢印(ニ)で示すようにそれぞれ回転し選別胴(8)を(ホ)の方向に回転させるとともに、混合米受樋(44)内のものを右方向に送り玄米受樋(46)内のものを左方向に送るのであって、前記脱ぷ風選部(A)がわのベルト伝達手段(D1)と壺穴式選別ユニット(B1)がわのベルト伝達手段(D2)は脱ぷ風選部(A)と壺穴式選別ユニット(B1)の間に介在するようになる。
【0024】
そこで、脱ぷ風選部(A)に壺穴式選別ユニット(B1)を組み合わせた場合の脱ぷ風選部(A)から壺穴式選別ユニット(B1)に動力を伝達する伝動機構(D)に関して図6と図7および図11により記載すると、この伝動機構(D)は一方のベルト伝達手段(D1)から動力を受継いで他方のベルト伝達手段(D2)に受継がせるもので、ベルト伝達手段(D1)と(D2)も脱ぷ風選部(A)から壺穴式選別ユニット(B1)に動力を伝動するところの伝動機構(D)の一翼を担っている。
【0025】
(59)は伝動機構(D)中に設けるカウンタ−ケ−スで、延出機台(1a)上に設置され、このカウンタ−ケ−ス(59)の後側部と前側部には入力軸(60)と出力軸(61)を間隔をあけて左右方向に並架し、入力軸(60)の左側端部に入力プ−リ(62)を軸着し、出力軸(61)の同側端部に割りプ−リ(63)を装着して各軸(60)(61)の右側端部にチエン(64)を対の平ギヤ(61a)を介して掛け渡すとともに、入力プ−リ(62)に前記ベルト伝達手段(D1)におけるベルト(33)を掛け廻して動力を入力し出力軸(61)から出力させるようにしてある。なお、(64a)はチエンケ−スである。
【0026】
また、前記遊転プ−リ(34)が嵌合する跳出翼車(19)の軸(28)端部に跳出プ−リ(65)を軸着し、前記移送用コンベヤ軸(31)には突起付き遊転プ−リ(66)を嵌合させて、ベルト(67)を割りプ−リ(63)と跳出プ−リ(65)と突起付き遊転プ−リ(66)およびテンションプ−リ(68)に掛け廻し、テンションプ−リ(68)によって割りプ−リ(63)の伝動有効径を変更し出力軸(61)から跳出プ−リ(65)と突起付き遊転プ−リ(66)の回転数を同時に変更調節するところの変速装置(S)が構成されている。
【0027】
そして、壺穴式選別ユニット(B1)の後側に横架する駆動輪軸(41)の左側端部に軸着されてベルト(58)が掛け廻されている受動プ−リ(69)には前記突起付き遊転プ−リ(66)の突起(66a)に係合する突起(69a)を設けてあって、双方の突起(66a)と(69a)の係合により駆動輪軸(41)は突起付き遊転プ−リ(66)と一体的に回転するようになり、跳出翼車(19)と選別胴(8)の回転速度が変速装置(S)によって同時に変速調節可能になっている。
【0028】
(70)は入力軸(60)から一対のベベルギヤにより取出した取出軸、(71)はこの取出軸(70)の右斜め下方に位置して前後方向に横架した伝動軸で玄米揚穀機(51)の下部バケット軸(72)の延長軸部にジョイント(73)によって接続され、この伝動軸(71)と取出軸(70)および混合米揚穀機(37)の下部バケット軸(74)とをベルト(75)を介して伝動するのである。
【0029】
また、前記籾漏斗(5)から下の脱ぷ部(A1)の前面と左側面は図3と図4に示すように透明板体(76)(76)で囲われ、その前面の透明板体(76)から脱ぷロ−ル(4)の間隙調整ハンドル(77)と脱ぷロ−ル(4)を開く展開レバ−(78)が突出し、また、籾漏斗(5)の右側上縁から側方に突設するガイド板(79)からは籾漏斗(5)のシャッタ−(80)の開閉およびその開度調節と、選別胴(8)内に挿架する混合米受樋(44)と玄米受樋(46)の間に斜設して玄米受樋(46)内への受入量を調節する玄米仕切板(81)の傾きを変更する操作レバ−(82)が突出して、脱ぷ部(A1)の前側で籾漏斗(5)の近くに脱ぷ部(A1)と壺穴式選別ユニット(B1)の調節操作部(C)が配置されている。
【0030】
そして、図2〜図4に示すように、(83)は吸引ファンケ−ス(6)から籾漏斗(5)の上方に向け突設するパネル台で、パネル台(83)の前面にモニタ−パネル(84)が設けられ、そのモニタ−パネル(84)には電動モ−タ(M)の負荷モニタ−の他運転時の各部の状態を監視するためのモニタ−を備えている。
【0031】
(85)はガイド板(79)の前端部から垂下させて脱ぷ風選部(A)がわに取着した安全カバ−で、ガイド板(79)と共働して脱ぷ風選部(A)がわと壺穴式選別ユニット(B1)がわのベルト伝達手段(D1)(D2)および伝動機構(D)をカバ−している。
【0032】
また、選別部(B)のうちの揺動式選別ユニット(B2)に関して図13〜図16により記載すると、(9)は表面を粗雑面に形成した揺動選別盤で、数段に積み重ねて多段にしたものを、後側を高く前側を低くして前後方向(X)に傾けるとともに、右側を高く左側を低くして左右方向(Y)にも傾け、数本の揺動支杆(86)(87)により支承して左右方向(Y)の斜め上下に揺動可能にしてある。
【0033】
前記揺動選別盤(9)の左右方向(Y)における高位がわの揺動支杆(87)の下端部からは支持軸(88)を突設し、この支持軸(88)が固定軸受(89)に嵌合し、また、低位がわの揺動支杆(86)の下端部は上下に変位可能であって、揺動選別盤(9)は左右方向(Y)の傾斜角度が調節自在となり、その状態で偏心輪機構(90)が揺動支杆(87)に連動連結されて左右方向(Y)の揺動運動を付与している。
【0034】
(91)は多段に積み重ねた揺動選別盤(9)の後側に一体的に取着された混合米配分ケ−スで、揺動移送板(92)が設けられてこの移送板(92)によって前記混合米揚穀機(37)により揚上されたものを貯留タンク(93)内に一旦貯留し、落下口(94)から落下する混合米を揺動移送板(92)で受けて均しながら移送し揺動選別盤(9)と同数に区分して各揺動選別盤(9)に配分供給するのである。
【0035】
また、揺動選別盤(9)の前側には揺動運動により盤面上で偏流し左右方向(Y)の傾斜低位がわから流出するものと、高位がわから流出するもの、および低位がわと高位がわの中間部から流出するものを受ける籾受樋(95)と玄米受樋(96)と混合米受樋(97)が設けられ、その各受樋(95)(96)(97)から落下するものを籾取出樋(98)と玄米取出樋(99)と混合米取出樋(100)によってそれぞれ導出し、籾取出樋(98)の下端部と混合米取出樋(100)の下端部は前記籾還元口(38)と混合米還元口(39)に接続自在にし、玄米取出樋(99)の下端部を揺動式選別ユニット(B2)の前側の右側部にそって立設するバケット式の玄米揚穀機(101)に連通させている。
【0036】
(102)と(103)は揺動選別盤(9)の前側において左右方向(Y)に移動調節自在に立設する籾導出板と玄米導出板であって、これらの各導出板(102)(103)は前記選別胴(8)内における玄米仕切板(81)の傾きを変更調節する操作レバ−(82)の連動経路を断って繋ぎ変えすることにより、この操作レバ−(82)でもって左右への移動調節を行うようにしている。
【0037】
そして、前述のように、脱ぷ風選部(A)から壺穴式選別ユニット(B1)には伝動機構(D)がベルト伝達手段(D1)からの動力を受継いでベルト伝達手段(D2)に受継がせて伝動しているが、揺動式選別ユニット(B2)の揺動選別盤(9)に動力を伝達する場合も前記の伝動機構(D)を共用化しているのであって、図17に示すように、カウンタ−ケ−ス(59)の後側部と前側部に左右方向に間隔をあけて並架する入力軸(60)と出力軸(61)の右側端部に、チエン(64)を対の平ギヤ(61a)を介して掛け渡しているのであるが、その出力軸(61)に軸着する一方の平ギヤ(61a)に噛み合う他方の平ギヤ(61a)が軸着している中間軸(104)をスプライン部(104a)を介在して右側方に延長しギヤボックス(105)によりこれと直交して前記偏心輪機構(90)を装着する揺動駆動軸(106)を取出し、この軸(106)からベルト(107)を介して玄米揚穀機(101)の下部バケット軸(108)を回転させるものにして、揺動式選別ユニット(B2)がわの伝達手段(D3)を構成し、この伝達手段(D3)によって揺動選別盤(9)を前記のように左右に揺動するのである。
【0038】
また、入力軸(60)から一対のベベルギヤにより取出した取出軸(70)からベルト(109)により混合米揚穀機(37)の下部バケット軸(74)を伝動するようにしている。なお、図14の符号(54)は移動用車輪(10)の出没動作を行わせるハンドル(55)の突出用の開口である。
【0039】
図18と図19は機台(1)を示したもので、機台(1)から右側方に延出機台(1a)が延設されて一体物に構成され、その延出機台(1a)の右側における前側と後側とに移動用車輪(10)が装着されるとともに、適所には壺穴式選別ユニット(B1)と揺動式選別ユニット(B2)を所定位置に載置して固定する固定ボルト(110)の共用ねじ孔(111)が設けられ、移動用車輪(10)はハンドル(55)の回動操作により延出機台(1a)の下面から出没し、運転時は機台全体を接地させ、移動時には浮上させて移動を容易にし、また、作業終了時は選別胴(8)の排出がわまたは揺動選別盤(9)の揺動方向の盤面の傾きを脱ぷ風選部(A)がわ下がりにして、胴内または盤面上に残留する穀粒の排出を速やかにしている。
【0040】
これにより、延出機台(1a)上に壺穴式選別ユニット(B1)を載置し固定ボルト(110)を共用ねじ孔(111)に螺着すれば壺穴式選別ユニット(B1)は選別胴(8)の回転軸芯が左右方向で所定の位置に固定され、突起(69a)が突起(66a)に係合して脱ぷ風選部(A)に組み合わされ、玄米仕切板(81)を傾動する連動経路を操作レバ−(82)に連繋すると、図1のような壺穴式籾摺選別機の形態になって、電動モ−タ(M)から前述せるベルト伝達手段(D1)の動力を伝動機構(D)が受継いでベルト伝達手段(D2)に受継がせて運転状態となり、籾漏斗(5)内の籾は脱ぷ風選されて籾殻と粃は排出されながら、混合米は混合米揚穀機(37)により揚上され選別胴(8)内に供給されて選別作用を受け、選出された籾は籾取出樋(50)から籾還元口(38)を通過し返り籾樋(25)に入り、返り籾揚穀機(36)で拡散ケ−ス(7)内に揚上されて衝撃により飛散し、還元籾中に含有する粉塵が吸引ファン(3)に吸引されて除去されたのち籾漏斗(5)に返され、選別された玄米は玄米取出樋(49)から玄米揚穀機(51)により機外に取出される。
【0041】
この運転中において、作業者は脱ぷ風選部(A)の前側に位置して籾を籾漏斗(5)に入れるとともに、モニタ−パネル(84)に表示される運転状態を監視しながら調節操作部(C)を操作し、更には伝動機構(D)中に介装する変速装置(S)を調節して籾摺作業を行い、作業の終了と共に移動車輪(10)を利用して選別胴(8)内に残留するものを速やかに排出してから移動する。
【0042】
そして、この壺穴式籾摺選別機から揺動式籾摺選別機の形態に組み替える場合は、先ずジョイント(73)を外し、取出軸(70)と伝動軸(71)と下部バケット軸(74)に掛け渡したベルト(75)を外して、玄米仕切板(81)の傾きを変更調節する操作レバ−(82)の連動経路を断ち固定ボルト(110)を弛めて延出機台(1a)上から右側方に向けて引き出すと、突起(69a)は突起(66a)との係合を解いて延出機台(1a)から降ろされ、玄米揚穀機(51)を取り外すのである。
【0043】
次いで、揺動式選別ユニット(B2)を右側方から延出機台(1a)上に載置してスプライン部(104a)を接続し固定ボルト(110)を共用ねじ孔(111)に螺着すると、揺動式選別ユニット(B2)はその揺動選別盤(9)の揺動方向を左右方向にして定位置に固定され脱ぷ風選部(A)に組み合わされる。そして、ベルト(75)より短いベルト(109)を取出軸(70)と下部バケット軸(74)に掛け渡し、籾導出板(102)と玄米導出板(103)を移動する連動経路を操作レバ−(82)に繋ぎ、玄米揚穀機(101)を取付けるのである。
【0044】
そうすると、電動モ−タ(M)から前述せるベルト伝達手段(D1)の動力を伝動機構(D)が受継いで伝達手段(D3)に受継がせて運転状態になるが、この場合には、伝動軸(71)は遊休し、突起付き遊転プ−リ(66)は空転して変速装置(S)は跳出翼車(19)のみの変速調節を行う運転状態になり、風選後の混合米は混合米揚穀機(37)により揚上されて貯留タンク(93)から揺動移送板(92)上を経て多段に積み重ねた揺動選別盤(9)に配分供給され、揺動作用により籾と玄米と混合米に選別されて、籾は籾受樋(95)から籾取出樋(98)を経て籾還元口(38)を通過し前記のように含有する粉塵が除去されて籾漏斗(5)に返され、混合米は混合米受樋(97)から混合米取出樋(100)を経て混合米還元口(39)を通過し混合米樋(18)に返されて揚上し再度揺動選別盤(9)の揺動作用受け、玄米は玄米受樋(96)から玄米取出樋(99)を経て玄米揚穀機(101)により機外に取出されるようになる。
【0045】
この運転中は、作業者は壺穴式籾摺選別機の場合と同様に脱ぷ風選部(A)の前側に位置して籾を籾漏斗(5)に入れるとともに、モニタ−パネル(84)に表示される運転状態を監視しながら調節操作部(C)を操作し、更には伝動機構(D)中に介装する変速装置(S)を調節して籾摺作業を行い、作業の終了と共に移動車輪(10)を利用して揺動選別盤(9)上に残留するものを速やかに排出してから移動する。
【0046】
以上の実施例においては、延出機台(1a)を機台(1)の右側方に延設して、機台(1)上に脱ぷ風選部(A)を設置し延出機台(1a)上に壺穴式選別ユニット(B1)または揺動式選別ユニット(B2)を着脱自在に載置したもので説明したのであるが、図20に示すように、延出機台(1a)を機台(1)の左側方に延設しこれに壺穴式選別ユニット(B1)を載置して、脱ぷ風選部(A)と組み合わせたり、図21のように、前記の延出機台(1a)に揺動選別ユニット(B2)を載置して脱ぷ風選部(A)と組み合わせることによって、壺穴式籾摺選別機または揺動式籾摺選別機を構成してもよい。
【0047】
また、この発明のものは脱ぷ風選部(A)の横に載置した壺穴式選別ユニット(B1)によって脱ぷ風選部(A)からの混合米を選別するのであるが、図22に開示のものは、前述せる脱ぷ風選部(A)の後側に壺穴式選別ユニット(B1)をその選別胴の回転軸芯を左右方向にして摺動台(112)上に載置し、脱ぷ風選部(A)に対して左右に移動可能なものにし設置場所によって脱ぷ風選部(A)との関係位置を変更可能に構成したものである。図中、(113)は返り籾樋、(114)は籾漏斗に還元する返り籾揚穀機、(115)は混合米樋、(116)は混合米を選別胴に供給する混合米揚穀機、(D4)は混合米軸(117)を延長してスプライン部(118)を形成し、壺穴式選別ユニット(B1)の左右方向の摺動に対応させる同ユニット(B1)への動力伝達手段である。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、次に記載するような効果を奏する。
【0049】
即ち、籾を脱ぷし風選する脱ぷ風選部と、脱ぷ風選部からの混合米を選別する選別部とからなる籾摺選別機であって、機台上に脱ぷ風選部をその脱ぷロ−ル軸を左右方向にして設置し、選別部は壺穴式選別ユニットまたは揺動式選別ユニットで構成したもので、各選別ユニットを機台から右側方または左側方に延設する延出機台上に着脱自在に載置して壺穴式と揺動式の選別ユニットを変換可能にすることにより、壺穴式選別ユニットと揺動式選別ユニットの脱ぷ風選部への組み替えによって形態の異なる壺穴式籾摺選別機と揺動式籾摺選別機に変換するとき、各選別ユニットの脱ぷ風選部への取り合わせが容易かつ確実になる。
【0050】
また、脱ぷ風選部における選別風起風用の吸引ファンを脱ぷロ−ル上に設けた籾漏斗の手前がわと反対がわの後側に位置させるとともに、その吸引ファンケ−スの前側部を籾漏斗内に入り込ませたから、脱ぷ風選部の前後長が圧縮されて機体はコンパクトになるのである。
【0051】
また、壺穴式選別ユニットまたは揺動式選別ユニットにより選出した籾を籾漏斗に還元させる過程において、還元籾中に含有する粉塵を吸引ファンによって吸出し籾殻と共に機外に排出するようにしたことによって、別途の除塵手段を施すことなく還元籾中に含有する粉塵が取り除かれ脱ぷ風選作用を向上させることができる。
【0052】
その場合、籾漏斗の隅部上に、一側面を吸引ファンケ−ス内に連通する拡散ケ−スを設け、この拡散ケ−ス内に還元籾を投出し該ケ−ス内を通して籾漏斗に返す構成にすることにより、拡散ケ−ス内に投出し飛散するものに吸引ファンの吸引風が作用するようになって、還元籾中の粉塵の除去が有効に行え、かつ、籾漏斗への還元経路が簡単になる。
【0053】
また、壺穴式選別ユニットの選別胴の回転軸芯と揺動式選別ユニットの揺動選別盤の揺動方向を共に左右方向にして延出機台上に載置可能にしたから、壺穴式選別ユニットを組み合わせた場合は、脱ぷ風選部からの伝動経路が単純化され、揺動式選別ユニットの場合には揺動選別盤による機体の振動を抑止して選別作用が向上し、騒音も防止できる。
【0054】
更に、壺穴式選別ユニットにおける選別胴の排出がわを脱ぷ風選部がわにし、揺動式選別ユニットにおける揺動選別盤の揺動方向の盤面の傾きを脱ぷ風選部がわ下がりのものにして、右側方に延設する延出機台には該機台下面から出没する移動用車輪を附設することにより、籾摺作業の終了時には移動用車輪によって選別胴内または揺動選別盤上の残粒の排出が速やかになるとともに。移動も容易に行えるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】壺穴式籾摺選別機の形態のものを示す前面図である。
【図2】脱ぷ風選部の右側面図である。
【図3】同脱ぷ風選部の前面図である。
【図4】同脱ぷ風選部の左側面図である。
【図5】同脱ぷ風選部の内部を示す右側面図である。
【図6】脱ぷ風選部から壺穴式選別ユニットの一部を示す平面図である。
【図7】同脱ぷ風選部から壺穴式選別ユニットの一部を示す後面図である。
【図8】壺穴式選別ユニットの内部を示す前面図である。
【図9】同壺穴式選別ユニットの左側面図ある。
【図10】同壺穴式選別ユニットの右側面図である。
【図11】壺穴式籾摺選別機の場合の伝動経路図である。
【図12】揺動式籾摺選別機の形態のものを示す前面図である。
【図13】揺動式選別ユニットの前面図である。
【図14】同揺動式選別ユニットの右側面図である。
【図15】同揺動式選別ユニットの後面図である。
【図16】同揺動式選別ユニットの内部を示す前面図である。
【図17】揺動式籾摺選別機の場合の伝動経路図である。
【図18】機台の前面図である。
【図19】同機台の平面図である。
【図20】壺穴式籾摺選別機の形態のものの他の実施例を示す前面図である。
【図21】揺動式籾摺選別機の形態のものの他の実施例を示す前面図である。
【図22】別態様の籾摺選別機を示す平面図である。
【符号の説明】
A 脱ぷ風選部
B 選別部
B1 壺穴式選別ユニット
B2 揺動式選別ユニット
1 機台
1a 延出機台
2 脱ぷロ−ル軸
3 吸引ファン
4 脱ぷロ−ル
5 籾漏斗
6 吸引ファンケ−ス
7 拡散ケ−ス
8 選別胴
9 揺動選別盤
10 移動用車輪
Claims (6)
- 籾を脱ぷし風選する脱ぷ風選部(A)と、脱ぷ風選部(A)からの混合米を選別する選別部(B)とからなる籾摺選別機であって、機台(1)上に脱ぷ風選部(A)をその脱ぷロ−ル軸(2)を左右方向にして設置し、選別部(B)は壺穴式選別ユニット(B1)または揺動式選別ユニット(B2)で構成したもので、各選別ユニット(B1)(B2)を機台(1)から右側方または左側方に延設する延出機台(1a)上に着脱自在に載置して壺穴式と揺動式の選別ユニット(B1)(B2)を変換可能にしたことを特徴とする籾摺選別機。
- 脱ぷ風選部(A)における選別風起風用の吸引ファン(3)を脱ぷロ−ル(4)上に設けた籾漏斗(5)の手前がわと反対がわの後側に位置させるとともに、その吸引ファンケ−ス(6)の前側部を籾漏斗(5)内に入り込ませたことを特徴とする請求項1.記載の籾摺選別機。
- 壺穴式選別ユニット(B1)または揺動式選別ユニット(B2)により選出した籾を籾漏斗(5)に還元させる過程において、還元籾中に含有する粉塵を吸引ファン(3)によって吸出し籾殻と共に機外に排出するようにしたことを特徴とする請求項1.または請求項2.記載の籾摺選別機。
- 籾漏斗(5)の隅部上に、一側面を吸引ファンケ−ス(6)内に連通する拡散ケ−ス(7)を設け、この拡散ケ−ス(7)内に還元籾を投出し該ケ−ス(7)内を通して籾漏斗(5)に返す構成にしてあることを特徴とする請求項3.記載の籾摺選別機。
- 壺穴式選別ユニット(B1)の選別胴(8)の回転軸芯と揺動式選別ユニット(B2)の揺動選別盤(9)の揺動方向を共に左右方向にして延出機台(1a)上に載置可能にしたことを特徴とする請求項1.記載の籾摺選別機。
- 壺穴式選別ユニット(B1)における選別胴(8)の排出がわを脱ぷ風選部(A)がわにし、揺動式選別ユニット(B2)における揺動選別盤(9)の揺動方向の盤面の傾きを脱ぷ風選部(A)がわ下がりのものにして、右側方または左側方に延設する延出機台(1a)には該機台(1a)下面から出没する移動用車輪(10)を附設してあることを特徴とする請求項1.記載の籾摺選別機。
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