JP2021186767A - 籾摺選別機 - Google Patents
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Abstract
【課題】穀物揚穀構成を空気搬送とすることにより穀物損傷を少なくし安価なコストの籾摺選別機を提供しようとする。【解決手段】籾摺部1,1Aと、摺落米風選部2と、混合米選別部3とを備えた籾摺選別機において、混合米選別部3で選別された玄米を機外に排出する玄米揚穀装置5は、玄米を受け入れる可撓性筒体5bとこの可撓性筒体5b内の玄米に作用する玄米移送用圧風供給手段65を備え、混合米選別部3で選別された選別籾を籾摺部1,1Aに還元する還元米揚穀装置27は、選別籾を受け入れる可撓性筒体27aとこの可撓性筒体27a内の選別籾に作用する還元米移送用圧風供給手段69を備える。【選択図】 図8
Description
この発明は、籾摺装置と揺動選別板型混合米選別部を備えた籾摺選別機の穀物揚穀構成に関する。
従来、籾摺部と摺落米風選部と混合米選別部とを備えた籾摺選別機は、混合米を選別装置に供給する混合米昇降装置や仕上玄米を機外排出するため玄米揚穀装置を備えるが、一般にこれら揚穀装置はバケットベルトにバケットを装着するバケット昇降機の構成としていた(特許文献1)。また、バケット昇降機に代替して、仕上玄米をスロワーの翼車で跳ね上げ揚穀する構成がある(特許文献2)
特許文献1の構成によると、バケットで掬われた混合米や玄米を効率的に揚穀できる。しかしながら、上下のプーリ、ベルト、多数のバケットを要して、部品点数が多く、コストが嵩み、メンテナンスは時間を要する。また、特許文献2のスロワー構成では穀物が損傷し易い欠点がある。
本発明は、穀物を損傷せずに安価なコストで揚穀できる籾摺選別機を提供しようとする。
前記課題を解決するために、本発明は次のような技術的手段を講じた。
請求項1に記載の発明は、籾摺部1,1Aと、摺落米風選部2と、混合米選別部3とを備えた籾摺選別機において、混合米選別部3で選別された玄米を機外に排出する玄米揚穀装置5は、玄米を受け入れる可撓性筒体5bとこの可撓性筒体5b内の玄米に作用する玄米移送用圧風供給手段65を備え、混合米選別部3で選別された選別籾を籾摺部1,1Aに還元する還元米揚穀装置27は、選別籾を受け入れる可撓性筒体27aとこの可撓性筒体27a内の選別籾に作用する還元米移送用圧風供給手段69を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、籾摺部1,1Aと摺落米風選部2と混合米選別部3を機体の左右方向に並設し、玄米移送用圧風供給手段65のブロア65aと還元米移送用圧風供給手段69のブロア69aを駆動すべく支持する共通の伝動軸52を設け、両ブロア65a,69aを前後方向に併設する構成とした。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、玄米移送用圧風供給手段65のブロア65aと還元米移送用圧風供給手段69のブロア69aを混合米選別部3の下方の空スペース3sに配置する。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、玄米移送用圧風供給手段65のブロア65aを機体内であって混合米選別部3の下方の空スペース3sに配置し、還元米移送用圧風供給手段69のブロア69aを機体外側に配置する。
請求項5に記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれか一に記載の発明において、玄米移送用圧風供給手段65のブロア65aの圧風吐出口に接続する接続筒体65bをブロア65aの下部側から接線方向下向きに延出させて設け、還元米移送用圧風供給手段69のブロア69aの圧風吐出口に接続する接続筒体70aをブロア69aの上部側から接線方向下向きに延出させて設ける。
請求項1に記載の発明によると、圧風によって玄米又は選別籾を揚穀するものであるから、部品点数を少なくし、安価なコストで実施できる。
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の効果に加え、共通の伝動軸52で2台のブロア65a,69aを支持し駆動する構成であるからコストダウンにつながる。
請求項3に記載の発明によると、請求項1又は請求項2に記載の効果に加え、混合米選別部3の下方の空スペースを利用することで機体全体をコンパクトにすることができる。
請求項4に記載の発明によると、請求項1又は請求項2に記載の効果に加え、ブロア65aは機体内、すなわち混合米選別部3における下方の空きスペースを利用して配置させるものであるから、機体をコンパクト化できる。またブロア69aは機体外側に配置されるものであるから、メンテナンスし易い。
請求項5に記載の発明によると、請求項2から請求項4に記載の効果に加え、適切な方向から圧風供給できる。
以下、図面に示す実施例に基づき本発明を説明する。
まず、図1〜図3に基づき籾摺選別機の全体構成について説明する。 籾摺選別機は、機体の左側上部に配設しているインペラ型籾摺部1と、左右中央部に配設している摺落米風選部2と、機体の右側に配設している揺動選別板型混合米選別部3と、混合米選別部3の選別摺落米を混合米選別部3に揚穀する混合米揚穀装置4と、混合米選別部3の仕上げ玄米を機外に取り出す玄米揚穀装置5と、混合米選別部3の選別籾をインペラ型籾摺部1に揚穀還元する還元米揚穀装置27等で構成されている。
インペラ型籾摺部1は、籾ホッパ6と、インペラ型籾摺装置7と構成されている。インペラ型籾摺装置7は、籾供給筒7a,籾摺ケース7bに軸架されている籾摺軸7c,籾摺軸7cに取り付けられているインペラ7d,摺落米を摺落米拡散室7eに移送供給する摺落米供給筒7fなどで構成されている。
籾ホッパ6の下部には籾シャッタ弁31が設けられていて、籾ホッパ6に供給された籾は籾シャッタ弁31を開くと籾供給筒7aに流下し籾摺ケース7b内で回転しているインペラ7dに掬い取られ遠心力によりインペラ7dの外周側に流動し、籾摺ケース7bのライニング(図示省略)に衝突し籾摺され、摺落米供給筒7fを上昇し摺落米拡散室7eに移送供給され、摺落米風選部2下部の選別始端側に流下供給される。
摺落米風選部2は、摺落米風選箱体9と、摺落米風選箱体9内に上下方向に沿うように配設されていて且つ中途部が右側に屈曲している摺落米選別風路10と、摺落米選別風路10の中途部の屈曲部下方に設けられている粃受樋11と、摺落米選別風路10の下部始端側に設けられている摺落米受樋12と、摺落米選別風路10の上部終端側に配設されている吸引ファン13と、排塵筒14等により構成されている。
次に、揺動選別型の混合米選別部3について説明する。
多段の揺動選別板15,15…には、板面に選別用の凹凸が形成されていて、縦方向の一側を高い供給側、他側を低い排出側とし、縦方向に直交する横方向の一側を高い揺上側、横方向他側を低い揺下側として、揺動選別板15の縦横2方向ともに傾斜構成し、揺動選別板15,15…を揺動装置(図示省略)により横方向斜め上下に往復揺動するように構成している。
多段の揺動選別板15,15…には、板面に選別用の凹凸が形成されていて、縦方向の一側を高い供給側、他側を低い排出側とし、縦方向に直交する横方向の一側を高い揺上側、横方向他側を低い揺下側として、揺動選別板15の縦横2方向ともに傾斜構成し、揺動選別板15,15…を揺動装置(図示省略)により横方向斜め上下に往復揺動するように構成している。
揺動選別板15,15…の上方には混合米タンク24が配設されている。摺落米受樋12に集められ風選された摺落米は、摺落米ラセン48で背面側に移送された後、混合米揚穀装置4により揚穀され混合米タンク24に供給される。次いで、分配供給樋16、分配ケース17を経由して揺動選別板15,15…に供給される。
混合米揚穀装置4について詳述する。揚穀ケース4aを摺落米風選部2の後部、すなわち機体背面側に立設し、該揚穀ケース4a内には、摺落米受樋12に集積し摺落米ラセン48で背面側に移送した摺落米を受ける中間ケース4bと上下に長い可撓性筒体4cを備え、可撓性筒体4cの下端は中間ケース4bに接続し上端を前記混合米タンク24とに接続している。そして中間ケース4bに圧風を供給すべくブロア40a及び可撓性の圧風供給筒体40bとからなる混合米移送用圧風供給手段40を設ける。ブロア40aの回転駆動によって起風され圧風が中間ケース4b内の摺落米に作用し、摺落米は可撓性筒体4c内を上昇し混合米タンク24内に供給されるもので、前記中間ケース4b、可撓性筒体4c及び圧風供給手段40をもって混合米揚穀装置4を構成している。なお、中間ケース4b内において、集積する摺落米は順次可撓性筒体4cに繰り出され供給される圧風の作用を受けて搬送される構成となっている。
次いで、図4,図5に基づき、前記可撓性筒体4cと混合米タンク24との接続構成について説明する。揚穀ケース4aの上端に、張出状に混合米投出空間41aを形成したタンク支持枠41を固定し、このタンク支持枠41に天井部を開放した混合米タンク24を吊下ばね42を介して連結され、ガイド用長孔24aに沿い上下動可能に設けられる。上記混合米投出空間の途中に流下案内板43を斜設し、投げ出される混合米を混合米タンク24内に案内する構成である。流下案内板43は例えば目抜き板で構成されて噴出される空気が通過し得る構成となっている。タンク支持枠41の混合米投出空間41a入口側に連通して略垂直のオーバーフロー筒44を形成している。このオーバーフロー筒44の下方は前記摺落米受樋12にのぞませてオーバーフローした混合米を還元できる構成としている。
また図5において、タンク支持枠41の一側にはサイクロン形態とした吸塵筒体55を配置し、排塵機56に接続することにより、混合米タンク24に供給される混合米に混在する籾殻や塵埃等を分離して吸引排塵し得る。吸塵筒体45と排塵機との接続箇所に開口度調節可能に逃がし弁57を構成するとともに風圧検出手段58を備え、風圧検出結果に基づいて逃がし弁57による開口度を調整制御するものである。排風と吸引のバランスを調整するため効率的に排塵できる。
揺動選別板15,15…に供給された混合米は、粒形の大小,比重の大小,摩擦係数の大小等の関係で、比重の重い小形の玄米は揺上側に偏流分布し、玄米に比較して大形で比重の軽い籾は、揺下側に偏流分布し、その中間部には分離されない籾・玄米の混合米が分布しながら選別される。そして、これらの選別穀粒は、揺動選別板15の排出側に設けられている玄米仕切板18及び籾仕切板19により仕切られて取り出される。
取り出された仕上げ玄米は、玄米取出樋20,玄米取出弁20aで開口する取出口20b,玄米流路21,玄米揚穀装置5を経由して機外に取り出される。また、取り出された選別混合米は混合米取出樋22を経て摺落米受樋12に取り出され、更に混合米揚穀装置4,混合米タンク24,分配供給樋16,分配ケース17を経由して揺動選別板15,15…に再度供給され再選別される。
なお、前記混合米タンク24への流下案内板43に飛散センサ43aを装着可能に構成し、混合米飛散状況、即ち混合米供給量の大小を管理できる構成としている。したがって、運転開始時であって飛散センサ43aがOFFからONになって3分以上経過すると、それまで取出口20bを閉じていた玄米取出弁20aが取出口20b開放側に切り換わって仕上玄米を排出するように構成できる。
また、揺動選別板15,15…の揺下側に偏流分離した選別籾は揺動選別板15,15…の排出側端部から籾仕切板19により仕切られて取り出され、籾取出樋25に流下する。このようにして取り出された選別籾は、籾流路26,還元米揚穀装置27を経てインペラ型籾摺部1に揚穀還元され、再度の籾摺がなされる。
なお、摺落米風選部2で粃受樋11に選別された粃は、還元米揚穀装置27に送られ、混合米選別部3の選別籾と共にインペラ型籾摺部1に揚穀還元される。
また、前記玄米取出樋20の玄米取出弁20aを後記操作レバー32操作に連動して開閉し、作業開始や終了時には玄米取出弁20aを閉じて玄米を再度混合米選別部3に還元しうる「循環」状態と、この玄米取出弁20aが開いて玄米を機外取出しする「排出」状態とに切り換える構成である。この「循環」「排出」切換えは、手動操作の他、主モータM1の負荷状況、混合米タンク24の貯留量により自動的に制御することもできる。
次に、図2及び図6に基づき主モータM1による籾摺選別機各部の駆動構成について説明する。図6に示すように、主として伝動軸は前後方向に軸芯を沿わせて配置し、主モータM1による駆動力を各部に伝えるプーリ、伝動ベルト等からなる伝動部は、機体後部側(背面側)に配置している。
主モータM1により籾摺選別機の駆動各部を駆動するようにしている。インペラ型籾摺部1の後側下部に主モータM1を配設し、主モータM1から第1ベルト伝動装置46に動力が伝達され、第1ベルト伝動装置46の左側上部から籾摺入力軸1aを経由してインペラ型籾摺装置7のインペラ軸7cに籾摺動力が伝達される。そして、籾摺入力軸1aによって前記圧風供給手段40のブロア40aを駆動する伝動軸としている。すなわち、図7に示すように、ブロア40aは、そのケースを機体内部に固定し、内装する回転翼を籾摺入力軸1aに支持する構成である。籾摺入力軸1a及びブロア40aは、籾摺部1の内部における空スペース1sに配置されるものとなっている。空スペース1sは、籾ホッパ6の下部に設けられ側壁にインペラ型籾摺部1を支持する箱体の内部で所謂死空間と称される空間である。なお、籾摺入力軸1aを連動すべく設ける伝動プーリ1bは、第1ベルト伝動装置46に連動する構成である。この伝動プーリ1bを割プーリに構成し、テンションプーリ(図示せず)を介在すると無段変速可能に構成することができ(割プーリ型変速機構)、例えば、籾ホッパ6からの供給量を調節できる籾シャッタ弁31を任意開度に調整可能に設ける場合、籾シャッタ弁31の開度に連動して割プーリ型伝動プーリ1bの有効径を適宜に調整できるように構成するとよい、このように構成すると、籾ホッパ6からの供給量が多い場合には籾摺入力軸1aの回転数を高くし、逆に少ない場合には籾摺入力軸1aの回転数を低に設定して作業を行うことにより、揚穀混合米の不足や過多を生じず安定して籾摺選別作業を実施できる。混合米揚穀装置4のほか、玄米揚穀装置5や還元米揚穀装置27にも応用できる。
また、第1ベルト伝動装置46の右側上部から中間伝動軸45を経由して第2ベルト伝動装置47に動力が分岐され、プーリを経由して摺落米ラセン48に動力が伝達される。
また、第1ベルト伝動装置46の右側部からプーリを経由して第3ベルト伝動装置49に動力を分岐され、第3ベルト伝動装置49の左側部から2番ラセン50に伝達され。更に還元米揚穀装置27に動力が伝達される。2番ラセン50の後側部からプーリを経由して第4ベルト伝動装置51に動力が分岐され、吸引フアン13のフアン軸13aに伝達される。
また、第3ベルト伝動装置49の右側部から揺動駆動軸52に動力が分岐され、揺動駆動軸52から第5ベルト伝動装置53を経由して揺動クランク軸54に動力が伝達され、更に、揺動駆動装置(図示せず)に伝達され、揺動選別板15が駆動される。なお揺動駆動軸52をもって玄米揚穀装置5及び還元揚穀装置27の後述ブロア65a,69aを駆動する構成としている。
次いで、玄米揚穀装置5及び還元米揚穀装置27について図8及び図9に基づき詳述する。なお図8,図9において、図1〜図3の実施例に示すインペラ型籾摺装置7に代替してロール型籾摺装置60を構成している。すなわち、籾ホッパ6の下方に一対の脱ぷロール61,61を備えるロール型籾摺部1Aとし、脱ぷロール61,61の下方に摺落米を混合米選別部3に移送する揺動移送棚62を備える公知の構成である。なお、図1〜図3と共通の構成については同一の符号を付している。
そして、揺動移送棚62の揺動用カム軸62aは、前記籾摺入力軸1aに連動連結されていて、この揺動用カム軸62aよって前記混合米移送用圧風供給手段40のブロア40aを駆動する伝動軸としている(図10)。揺動用カム軸62a及びブロア40aは、籾摺部1Aの内部における空スペース1Asに配置されるものとなっている。空スペース1Asは、籾ホッパ6の下部の脱ぷロール61を備えるロールケースを支持する箱体の内部に形成される。
そして各揚穀装置5及び27は次の構成である。まず玄米揚穀装置5は、機体側面に立設した玄米揚穀ケース5aに玄米取出ホッパ63を連設し、この玄米揚穀ケース5a内に前記玄米流路21の玄米を集積する玄米中間ケース64及び可撓性筒体5bを設け、可撓性筒体5bの下端は玄米中間ケース64に接続し上端を玄米取出ホッパ63に接続している(図8)。そして玄米中間ケース64に圧風を供給すべくブロア65a及びブロア65aの圧風吐出口に接続する可撓性の接続筒体65bとからなる玄米移送用圧風供給手段65を設ける。すなわち、玄米中間ケース64内において、集積される玄米は可撓性筒体5b内に順次繰り出され、そして、前記のように揺動駆動軸52に連動してブロア65aが回転すると起風され圧風が中間ケース64内から可撓性筒体5bに導入される玄米に作用し、玄米はこの可撓性筒体5b内を上昇し玄米取出ホッパ63に供給されるもので、前記玄米中間ケース64、可撓性筒体5b及び玄米移送用圧風供給手段65をもって混合米揚穀装置5を構成している。
前記玄米取出ホッパ63内には、断面円弧状のガイド板72を設けて可撓性筒体5b内で上昇する玄米を案内する構成としている。ガイド板72はパンチングメタルで形成して玄米と圧風を分離し、圧風はパンチングメタルにて形成される通気部を経て適宜に機外に排出される。玄米取出ホッパ63内には複数の整列ガイド73を備え、乱反射を抑制しながら玄米を排出口に案内できる構成としている。
前記玄米中間ケース64内で集積される玄米は可撓性筒体5b内に順次繰り出される構成としているが、集積量が過大の場合にはオーバフロー蓋64aが開いて詰りを防止するとともに、オーバフロー蓋64aの作動を検出して異常報知とともに作業中断を行う異常時安全制御を実施できる。
玄米移送用圧風供給手段65のブロア65aの圧風排出部に、分岐筒体74を接続する。そして、分岐筒体74の入口部には分岐筒体74への風路開閉弁(図示せず)を備え、掃除モード中にはこの開閉弁を開く構成とする。ブロア65aの圧風の一部は分岐筒体74へ案内され、分岐筒体74を適宜長さとし可撓性を持たせるなどすることによって、先端部から噴出する噴風で周囲の塵埃を吹き飛ばしながら清掃を行うことができる。分岐筒体74先端に適宜の清掃具74aを付属できる形態とすることもできる(図15)。
次に、還元米揚穀装置27について説明する。図11に示すように、2番ラセン50で一側(図例では機体前側)に送られる2番物を受ける中間ケース66、及び籾流路26からの選別籾を受ける中間ケース67を設け、これら中間ケース66,67の出口部を共通として可撓性筒体27aを接続し、この可撓性筒体27aの上端側を籾ホッパ6にのぞませて設ける。そして、中間ケース66及び中間ケース67に、単一の前記ブロア69aに接続され途中で分岐して圧風を2口に供給する二又ジョイント70に2本の可撓性圧風供給筒体69b,69cを接続し、還元米移送用圧風供給手段69を構成する。なお、2本の可撓性圧風供給筒体69b,69cのうち、一方69bは前記の2番物用中間ケース66に、他方69cは選別籾用中間ケース67に接続される。また、ブロア69aは、前記玄米移送用圧風供給手段65のブロア65aと共に共通の伝動軸としての揺動駆動軸52に設けられ、この揺動駆動軸52の回転で駆動される構成としている。2番物用中間ケース66内において、集積される2番物は可撓性筒体27a内に順次繰り出され、そして、前記のようにブロア69aが回転すると起風され可撓性圧風供給筒体69b経由の圧風が中間ケース66内から可撓性筒体27aに導入される2番物に作用し、この可撓性筒体27a内を上昇し籾ホッパ6に供給される。一方選別籾用中間ケース67において、集積される選別籾は可撓性筒体27a内に順次繰り出され、そして、前記のようにブロア69aが回転すると起風され可撓性圧風供給筒体69c経由の圧風が中間ケース67内から可撓性筒体27aに導入される選別籾に作用し、この可撓性筒体27a内を前記2番物と合流状態で上昇し籾ホッパ6に供給される。
したがって、玄米揚穀装置5は、可撓性筒体5b、玄米移送用圧風供給手段65等をもって構成されるものであるから、安価に構成できる。そして、還元米揚穀装置27は、2本の可撓性圧風供給筒体69b,69c、還元米移送用圧風供給手段69等をもって構成されるものであるから同様に安価に構成できる。また、揺動駆動軸52に設けられるブロア65a及びブロア69aのうち、ブロア65aは、機体内に配置して接続筒体65bをブロア65aの下部側から接線方向下向きに延出させて設け、ブロア69aは、機体外側に配置して二又ジョイント70の該ブロア69aの圧風吐出口に接続される接続筒体70aをブロア69aの上部側から接線方向下向きに延出させて設けている(図12)。したがって、適切な方向に向けて圧風を噴出できる。
ブロア65aは機体内、すなわち混合米選別部3における下方の空きスペースを利用して配置させるものであるから、機体をコンパクト化できる。またブロア69aは機体外側に配置されるものであるから、メンテナンスし易い。なお、前記2本の可撓性圧風供給筒体69b,69cは、前記揺動選別板15の選別物排出側の玄米仕切板18や籾仕切板19を覆う取出しケース3cの下方に配置されていて、平面視で取出しケース3cより外側にはみ出さないよう設けている。
なお、図13に示すように、混合米選別部3の下方の空スペース3sに玄米移送用圧風供給手段65のブロア65aと還元米移送用圧風供給手段69のブロア69aを接近状態に併設して配置することもできる。このように混合米選別部3の下方の空スペース3sを利用すると機体全体をコンパクトに構成できる。なお、第5ベルト伝動装置53と揺動駆動軸52との間には、割プーリ型変速機構52aを備え、揺動駆動軸52の回転数を変更調整できる構成としている。これによって、前記ブロア65a及びブロア69aの回転数を変更でき、圧風を強弱に調整でき、玄米揚穀装置5及び還元米揚穀装置27における移送に必要な適正圧風を発生できる。また、割プーリ型変速機構52aと前記玄米仕切板18の位置検出手段又は移動手段とを連動し、玄米仕切板18の位置が、この玄米仕切板18によって選別取出される玄米量が多くなる側(能率大)側になるほど圧風を強くし、能率低側ほど圧風を弱く制御する構成とすると、玄米飛散や搬送残しを少なくし適正圧風量で作業を行うことができる。
さらに、前記玄米取出樋20の玄米取出弁20aの開閉制御によって「循環」「排出」に切り替わる構成において、玄米移送用圧風供給手段65のブロア65aをON、OFF制御するようにしてもよい。「循環」状態では玄米排出しないためブロア65aをOFFにしておく。なお、作業終了間際において残米処理のため「循環」状態とし、次いで「排出」に切り換えた場合には徐々に圧風の風量又は風圧を減少させるとよい。
前記した2番物を受ける中間ケース66、及び籾流路26からの選別籾を受ける中間ケース67のそれぞれ底部には開閉蓋66a,67aを構成し、粃等の2番物や還元籾を機外に排出する構成としている。この場合に、開閉蓋66a又は67aが開く時、この動作に連動して対応する中間ケース66又は67への圧風供給を遮断するよう構成するとよい。また、中間ケース66は天井部を開放しオーバーフローする2番物は下位の摺落米受樋12に流下できる構成として、詰りによるトラブルを解消し得る。
上記の2番物を集積する中間ケース66に関して、2番ラセン50を廃止し、傾斜案内シュートを設けて流下案内によって端部側の中間ケース66に供給できる構成としてもよい。ラセン及びその駆動手段を廃止できコスト低廉となる。
前記混合米揚穀装置4、玄米揚穀装置5及び還元米揚穀装置27は、圧風供給手段による空気搬送の構成としたから、従来の複数バケットの構成に比較して低コストで実施できる。そして、混合米揚穀装置4は、圧風供給手段40のブロア40aの設置位置を混合米揚穀装置4に接近して設けることができるので、圧風の低下を防止でき、安定して揚穀できる。
前記籾ホッパ6の下部には籾シャッタ弁31を設け、籾シャッタ弁31の軸部31a回りに回動するように軸支している。籾シャッタ弁31の軸部31aの側方には操作レバー32の軸部32aを軸心一致状態で回動自在に配設し、操作レバー32により籾シャッタ弁31を回動調節するよう構成している。
操作レバー32を3位置切換できる構成としている。籾シャッタ弁31閉の第1位置、玄米取出弁20a閉とする前記「循環」の第2位置、玄米取出弁20a開とする前記「排出」の第3位置とし、夫々に前記還元米移送用圧風供給手段69のブロア69a、玄米移送用圧風供給手段65のブロア65aをON,OFF制御する構成としてもよい。上記第1位置ではブロア69a、ブロア65aともにOFF、第2位置ではブロア69aがON、ブロア65aがOFF,第3位置ではブロア69a、ブロア65aともONとする。
1 インペラ型籾摺部(籾摺部)
1A ロール型籾摺部(籾摺部)
2 摺落米風選部
3 混合米選別部
3s 空スペース
5 玄米揚穀装置
5b 可撓性筒体
27 還元米揚穀装置
27a 可撓性筒体
65 玄米移送用圧風供給手段
65a ブロア
69 還元米移送用圧風供給手段
69a ブロア
52 揺動駆動軸(伝動軸)
1A ロール型籾摺部(籾摺部)
2 摺落米風選部
3 混合米選別部
3s 空スペース
5 玄米揚穀装置
5b 可撓性筒体
27 還元米揚穀装置
27a 可撓性筒体
65 玄米移送用圧風供給手段
65a ブロア
69 還元米移送用圧風供給手段
69a ブロア
52 揺動駆動軸(伝動軸)
Claims (5)
- 籾摺部(1,1A)と、摺落米風選部(2)と、混合米選別部(3)とを備えた籾摺選別機において、混合米選別部(3)で選別された玄米を機外に排出する玄米揚穀装置(5)は、玄米を受け入れる可撓性筒体(5b)とこの可撓性筒体(5b)内の玄米に作用する玄米移送用圧風供給手段(65)を備え、混合米選別部(3)で選別された選別籾を籾摺部(1,1A)に還元する還元米揚穀装置(27)は、選別籾を受け入れる可撓性筒体(27a)とこの可撓性筒体(27a)内の選別籾に作用する還元米移送用圧風供給手段(69)を備えたことを特徴とする籾摺選別機。
- 籾摺部(1,1A)と摺落米風選部(2)と混合米選別部3を機体の左右方向に並設し、玄米移送用圧風供給手段(65)のブロア(65a)と還元米移送用圧風供給手段(69)のブロア(69a)を駆動すべく支持する共通の伝動軸(52)を設け、両ブロア(65a,69a)を併設する構成とした請求項1に記載の籾摺選別機。
- 玄米移送用圧風供給手段(65)のブロア(65a)と還元米移送用圧風供給手段(69)のブロア(69a)を混合米選別部(3)の下方の空スペース(3s)に配置する構成とした請求項1又は請求項2に記載の籾摺選別機。
- 玄米移送用圧風供給手段(65)のブロア(65a)を機体内であって混合米選別部(3)の下方の空スペース(3s)に配置し、還元米移送用圧風供給手段(69)のブロア(69a)を機体外側に配置した請求項1又は請求項2に記載の籾摺選別機。
- 玄米移送用圧風供給手段(65)のブロア(65a)の圧風吐出口に接続する接続筒体(65b)をブロア(65a)の下部側から接線方向下向きに延出させて設け、還元米移送用圧風供給手段(69)のブロア(69a)の圧風吐出口に接続する接続筒体(70a)をブロア(69a)の上部側から接線方向下向きに延出させて設けてなる請求項2から請求項4のいずれか一に記載の籾摺選別機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020095600A JP2021186767A (ja) | 2020-06-01 | 2020-06-01 | 籾摺選別機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020095600A JP2021186767A (ja) | 2020-06-01 | 2020-06-01 | 籾摺選別機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021186767A true JP2021186767A (ja) | 2021-12-13 |
Family
ID=78850886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020095600A Pending JP2021186767A (ja) | 2020-06-01 | 2020-06-01 | 籾摺選別機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021186767A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022010348A (ja) * | 2017-06-29 | 2022-01-14 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2022020801A (ja) * | 2020-12-16 | 2022-02-01 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
-
2020
- 2020-06-01 JP JP2020095600A patent/JP2021186767A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022010348A (ja) * | 2017-06-29 | 2022-01-14 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2022020801A (ja) * | 2020-12-16 | 2022-02-01 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
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